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この記事でわかること

第三種冷凍機械責任者(冷凍三種)の令和7年度「保安管理技術」問1〜15を、知識ゼロからでもわかるようにやさしく解説します。冷凍サイクル・伝熱・圧縮機・凝縮器・蒸発器・安全装置まで、イ・ロ・ハ・ニを1つずつ⭕❌で判定します。

保安管理技術は、冷凍のしくみ(理屈)と機器の科目です。問題は「次のイ・ロ・ハ・ニのうち正しいものはどれか」という4つの記述の組合せ形式で、1つずつ正確に〇×できれば正解が選べます。

暗記だけでは点が伸びにくく、“なぜそうなるか”の理屈をつかむのが近道です。COP・潜熱・熱通過率など、つまずきやすい用語は青いボックスでやさしく補足しました。

問1

分野:冷凍の原理重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍の原理について正しいものはどれか。

凝縮器で冷媒から放出される熱量は、圧縮機で冷媒に加えられた動力に等しい。

物質が液体から蒸気に、あるいは蒸気から液体に状態変化する場合に物質に出入りする熱量を潜熱と呼ぶ。

冷凍能力を理論断熱圧縮動力で除した値を理論冷凍サイクルの成績係数と呼び、この値が大きいほど、小さい動力で大きな冷凍能力が得られることになる。

圧縮機の駆動軸動力を小さくするためには、蒸発温度をできるだけ低くし、かつ、凝縮温度を高くして運転するのがよい。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) イ・ハ・ニ
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正解(3) ロ・ハ
❌(イ)凝縮器で冷媒から放出される熱量は、圧縮機で冷媒に加えられた動力に等しい。

「圧縮機の動力に等しい」が誤りです。凝縮器が放出する熱量(凝縮負荷)は、蒸発器で吸収した熱量(冷凍能力)+圧縮機の動力に等しくなります。動力ぶんだけ多くなります。

凝縮負荷とは?

凝縮器が外に捨てる熱量のこと。『凝縮負荷 = 冷凍能力 + 圧縮動力』。冷媒は蒸発器で熱を奪い、圧縮機でエネルギーをもらうので、その合計を凝縮器で捨てます。

⭕(ロ)物質が液体から蒸気に、あるいは蒸気から液体に状態変化する場合に物質に出入りする熱量を潜熱と呼ぶ。

正しい記述です。潜熱は、温度を変えずに“状態(液⇔蒸気など)”を変えるために出入りする熱です。冷凍は、冷媒が蒸発するときの潜熱で周りを冷やします。

潜熱と顕熱の違いとは?

潜熱=温度は変えず“状態変化”に使う熱(蒸発・凝縮など)。顕熱=状態は変えず“温度”を上下させる熱。冷凍サイクルの心臓部は、蒸発の潜熱で熱を奪うところです。

⭕(ハ)冷凍能力を理論断熱圧縮動力で除した値を理論冷凍サイクルの成績係数と呼び、この値が大きいほど、小さい動力で大きな冷凍能力が得られることになる。

正しい記述です。成績係数(COP)=冷凍能力 ÷ 圧縮動力。この値が大きいほど、少ない動力で大きく冷やせる=効率がよい、ということです。

成績係数(COP)とは?

Coefficient Of Performance の略で「成績係数」。冷凍能力を圧縮動力で割った値で、エアコンの“燃費”のようなもの。大きいほど省エネです。

❌(ニ)圧縮機の駆動軸動力を小さくするためには、蒸発温度をできるだけ低くし、かつ、凝縮温度を高くして運転するのがよい。

逆向きなので誤りです。動力を小さくする(効率を上げる)には、蒸発温度はできるだけ高く、凝縮温度はできるだけ低くして、両者の差を小さくするのがよい運転です。

この問題のまとめ

正解は(3)ロ・ハ。凝縮負荷=冷凍能力+動力。COP=冷凍能力÷動力で大きいほど省エネ。動力を減らすには“蒸発は高め・凝縮は低め”が鉄則です。

問2

分野:熱の移動(伝熱)重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、熱の移動について正しいものはどれか。

固体壁を通過する伝熱量は、その壁で隔てられた両側の流体間の温度差、固体壁の伝熱面積および熱通過率に比例する。

水冷却器の交換熱量の計算において、入口側の温度差をΔt1、出口側の温度差をΔt2とすると、算術平均温度差Δtmは、Δtm=(Δt1+Δt2)/2である。

熱伝導抵抗は、固体壁の厚みをその材料の熱伝導率と伝熱面積の積で除したものであり、この値が大きいほど物体内を熱が流れやすい。

常温、常圧において、水あか、木材、鉄鋼、空気の中で、熱伝導率の値が一番小さいのは空気である。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ニ (4) ハ・ニ (5) イ・ロ・ニ
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正解(5) イ・ロ・ニ
⭕(イ)固体壁を通過する伝熱量は、その壁で隔てられた両側の流体間の温度差、固体壁の伝熱面積および熱通過率に比例する。

正しい記述です。壁を通る熱量は 熱通過率 × 伝熱面積 × 温度差 で表され、3つすべてに比例します。

熱通過率とは?

壁をはさんだ両側の流体間で、熱がどれだけ通りやすいかを表す値(記号K)。『伝熱量 = K × 面積 × 温度差』。値が大きいほど、よく熱が伝わります。

⭕(ロ)水冷却器の交換熱量の計算において、入口側の温度差をΔt1、出口側の温度差をΔt2とすると、算術平均温度差Δtmは、Δtm=(Δt1+Δt2)/2である。

正しい記述です。算術平均温度差は、入口と出口の温度差を単純に足して2で割ったものです(厳密な計算には対数平均を使いますが、算術平均の定義としてはこのとおり)。

❌(ハ)熱伝導抵抗は、固体壁の厚みをその材料の熱伝導率と伝熱面積の積で除したものであり、この値が大きいほど物体内を熱が流れやすい。

「流れやすい」が誤りです。“抵抗”なので、値が大きいほど熱は流れにくくなります(電気抵抗と同じイメージ)。

⭕(ニ)常温、常圧において、水あか、木材、鉄鋼、空気の中で、熱伝導率の値が一番小さいのは空気である。

正しい記述です。空気の熱伝導率が一番小さい(熱を伝えにくい=断熱的)です。だから空気の層は断熱に役立ちます。

この問題のまとめ

正解は(5)イ・ロ・ニ。伝熱量はK×面積×温度差。算術平均温度差は(Δt1+Δt2)/2。熱伝導抵抗は大きいほど“流れにくい”。空気は熱を最も伝えにくい、が要点です。

問3

分野:圧縮機の性能重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧縮機の性能などについて正しいものはどれか。

吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど圧縮機の吸込み蒸気の比体積が大きくなり、圧縮機の冷媒循環量は増大する。

往復圧縮機のピストン押しのけ量は、1秒間当たりのピストン押しのけ量のことで、1つのピストンの行程容積と気筒数と回転速度の積によって決まる。

理論ヒートポンプサイクルの成績係数の値は、同一運転条件における理論冷凍サイクルの成績係数の値よりも1だけ大きな数値となる。

蒸発温度と凝縮温度との温度差が大きくなると、断熱効率と機械効率が大きくなるので、冷凍装置の成績係数は低下する。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) ハ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(3) ロ・ハ
❌(イ)吸込み圧力が低いほど、また、吸込み蒸気の過熱度が大きいほど圧縮機の吸込み蒸気の比体積が大きくなり、圧縮機の冷媒循環量は増大する。

「冷媒循環量は増大する」が誤りです。比体積が大きい(=同じ体積でも軽い蒸気)と、運べる冷媒の量は減少します。

比体積とは?

単位質量あたりの体積(m³/kg)。蒸気がスカスカなほど比体積は大きい。比体積が大きいと、圧縮機が同じ体積を吸い込んでも運べる冷媒の質量が減るので、冷凍能力が下がります。

⭕(ロ)往復圧縮機のピストン押しのけ量は、1秒間当たりのピストン押しのけ量のことで、1つのピストンの行程容積と気筒数と回転速度の積によって決まる。

正しい記述です。ピストン押しのけ量 = 1気筒の行程容積 × 気筒数 × 回転速度で決まります。

⭕(ハ)理論ヒートポンプサイクルの成績係数の値は、同一運転条件における理論冷凍サイクルの成績係数の値よりも1だけ大きな数値となる。

正しい記述です。ヒートポンプのCOP = 冷凍のCOP + 1。暖房は“奪った熱+動力”を使えるぶん、ちょうど1だけ大きくなります。

❌(ニ)蒸発温度と凝縮温度との温度差が大きくなると、断熱効率と機械効率が大きくなるので、冷凍装置の成績係数は低下する。

「断熱効率と機械効率が大きくなる」が誤りです。温度差(圧力差)が大きくなると、断熱効率も機械効率も小さくなります。その結果、成績係数が下がるのは正しい結論です。

この問題のまとめ

正解は(3)ロ・ハ。比体積が大きいと循環量は減る。押しのけ量=行程容積×気筒数×回転速度。ヒートポンプCOP=冷凍COP+1。温度差が大きいと各効率は下がります。

問4

分野:冷媒・冷凍機重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷媒及び冷凍機油について正しいものはどれか。

一般にフルオロカーボン冷媒は、液の場合は冷凍機油よりも重く、ガスの場合は空気よりも重い。

非共沸混合冷媒は、圧力一定のもとで凝縮するとき、凝縮始めの露点の温度と、凝縮終わりの沸点の温度とに差は生じない。

冷媒と冷凍機油の組み合わせとして、HCFC冷媒のR22には鉱油、HFC冷媒のR32には合成油、HFO冷媒のR1234yfにはHCFC冷媒と同様に鉱油が一般的に使用される。

R290、R717、R744は、自然冷媒と呼ばれることがある。

【選択肢】
(1) イ・ニ (2) ロ・ハ (3) イ・ロ・ニ (4) イ・ハ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(1) イ・ニ
⭕(イ)一般にフルオロカーボン冷媒は、液の場合は冷凍機油よりも重く、ガスの場合は空気よりも重い。

正しい記述です。フルオロカーボンは液は油より重い(下にたまる)、ガスは空気より重い(低い所に滞留しやすい)という性質があります。

❌(ロ)非共沸混合冷媒は、圧力一定のもとで凝縮するとき、凝縮始めの露点の温度と、凝縮終わりの沸点の温度とに差は生じない。

「差は生じない」が誤りです。非共沸混合冷媒は、凝縮(や蒸発)の途中で温度がずれていく(温度すべり)ため、露点と沸点に差が生じます。

非共沸混合冷媒と温度すべりとは?

複数の冷媒を混ぜたもので、蒸発・凝縮の途中で温度が変化していく(温度すべりがある)冷媒。圧力一定でも、始めと終わりで温度差が出ます。

❌(ハ)冷媒と冷凍機油の組み合わせとして、HCFC冷媒のR22には鉱油、HFC冷媒のR32には合成油、HFO冷媒のR1234yfにはHCFC冷媒と同様に鉱油が一般的に使用される。

「R1234yfには鉱油」が誤りです。R1234yf(HFO)には合成油を使います。R32(HFC)と同じく、鉱油とはなじみにくいためです。

⭕(ニ)R290、R717、R744は、自然冷媒と呼ばれることがある。

正しい記述です。R290(プロパン)・R717(アンモニア)・R744(二酸化炭素)は、自然界に存在する物質を使う“自然冷媒”です。

自然冷媒とは?

アンモニア(R717)・二酸化炭素(R744)・プロパン(R290)など、自然界の物質を使う冷媒。オゾン層を壊さず地球温暖化への影響も小さいため、近年見直されています。

この問題のまとめ

正解は(1)イ・ニ。フルオロカーボンは液が油より重くガスは空気より重い。非共沸混合冷媒は温度すべりで差が出る。R1234yfは合成油。自然冷媒=アンモニア・CO₂・プロパンです。

問5

分野:圧縮機重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧縮機について正しいものはどれか。

スクリュー圧縮機の容量制御をスライド弁で行う場合、スクリューの溝の数に応じた段階的な容量制御となり、無段階制御はできない。

圧縮機は冷媒蒸気の圧縮の方法により、往復式と遠心式に大別される。

停止中の圧縮機クランクケース内の油温が高いほど、始動時にオイルフォーミングを起こしやすい。

強制給油式の往復圧縮機の給油圧力は、油圧計指示圧力からクランクケース圧力を引いたものである。

【選択肢】
(1) イ (2) ニ (3) イ・ロ (4) ロ・ハ (5) ハ・ニ
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正解(2) ニ
❌(イ)スクリュー圧縮機の容量制御をスライド弁で行う場合、スクリューの溝の数に応じた段階的な容量制御となり、無段階制御はできない。

「無段階制御はできない」が誤りです。スライド弁を使えば、スクリュー圧縮機は無段階(連続的)に容量制御できます。

❌(ロ)圧縮機は冷媒蒸気の圧縮の方法により、往復式と遠心式に大別される。

「往復式と遠心式」が誤りです。圧縮機は大きく容積式と遠心式(速度式)に分けます。往復式は容積式の一種です。

容積式と遠心式とは?

容積式=閉じこめた空間を小さくして圧縮(往復式・スクリュー・ロータリーなど)。遠心式=羽根車で速度を与えて圧力に変える方式。圧縮機はまずこの2つに大別します。

❌(ハ)停止中の圧縮機クランクケース内の油温が高いほど、始動時にオイルフォーミングを起こしやすい。

「油温が高いほど」が誤りです。油温が低いほど、冷媒が油に溶け込みやすく、始動時に一気に泡立つ(オイルフォーミング)が起きやすくなります。

⭕(ニ)強制給油式の往復圧縮機の給油圧力は、油圧計指示圧力からクランクケース圧力を引いたものである。

正しい記述です。給油圧力 = 油圧計の指示圧力 − クランクケース圧力。実際に油を押し出す力は、この差ぶんになります。

この問題のまとめ

正解は(2)ニのみ。スライド弁は無段階制御が可能。圧縮機は容積式と遠心式に大別。オイルフォーミングは油温が“低い”ほど起きやすい。給油圧力は油圧計指示−クランクケース圧力です。

問6

分野:凝縮器重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、凝縮器について正しいものはどれか。

空冷凝縮器において、空気と冷却管外面との間の熱伝達率は、冷媒と冷却管内面との間の熱伝達率に比べるとはるかに小さい。

シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒胴と管板に固定された冷却管で構成され、円筒胴内の冷却管外を冷却水が流れ、冷却管の中を冷媒が流れる。

一般に空冷凝縮器では、水冷凝縮器より冷媒の凝縮温度が高くなる。

理論凝縮負荷は、冷凍能力に理論断熱圧縮動力を加えて求めることができる。

【選択肢】
(1) イ・ハ (2) ロ・ハ (3) ロ・ニ (4) イ・ロ・ニ (5) イ・ハ・ニ
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正解(5) イ・ハ・ニ
⭕(イ)空冷凝縮器において、空気と冷却管外面との間の熱伝達率は、冷媒と冷却管内面との間の熱伝達率に比べるとはるかに小さい。

正しい記述です。空気側の熱伝達率はとても小さい(熱を受け取りにくい)。だから空冷凝縮器はフィンを付けて面積をかせぎます。

❌(ロ)シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒胴と管板に固定された冷却管で構成され、円筒胴内の冷却管外を冷却水が流れ、冷却管の中を冷媒が流れる。

冷却水と冷媒の流れる場所が逆で誤りです。水冷シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管の中を冷却水が流れ、冷却管の外(胴側)を冷媒が流れて凝縮します。

シェルアンドチューブ凝縮器とは?

円筒(シェル)の中に多数の細い管(チューブ)を通した熱交換器。水冷では“管の中=冷却水、管の外=冷媒”。冷媒が管の外側で冷やされて液になります。

⭕(ハ)一般に空冷凝縮器では、水冷凝縮器より冷媒の凝縮温度が高くなる。

正しい記述です。空気は水より冷やす力が弱いので、空冷のほうが凝縮温度は高めになります。

⭕(ニ)理論凝縮負荷は、冷凍能力に理論断熱圧縮動力を加えて求めることができる。

正しい記述です。凝縮負荷 = 冷凍能力 + 圧縮動力。問1のイの“正しい版”です。

この問題のまとめ

正解は(5)イ・ハ・ニ。空気側の熱伝達率は小さい。水冷シェルアンドチューブは“管内=水・管外=冷媒”。空冷は凝縮温度が高め。凝縮負荷=冷凍能力+動力です。

問7

分野:蒸発器重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、蒸発器について正しいものはどれか。

空気冷却用蒸発器では、蒸発器を通過する空気の流れ方向と、冷媒の列方向の流れの方向とは、互いに逆方向(向流)になるようにする。

シェルアンドチューブ満液式蒸発器の冷媒側伝熱面における平均熱通過率は、乾式蒸発器のように冷媒の過熱に必要な過熱部・管部がないため、乾式蒸発器の平均熱通過率よりも小さい。

ホットガス除霜方式は、冷却管の内部から冷媒ガスの熱によって霜を均一に融解でき、霜が厚くなってからの除霜に適した方式である。

冷凍・冷蔵装置では、フィンコイル蒸発器に、ファン、ファン用電動機、ドレンパンなどを一体に組み込んだユニットクーラが用いられることが多い。

【選択肢】
(1) イ・ニ (2) ロ・ハ (3) ハ・ニ (4) イ・ロ・ハ (5) イ・ロ・ニ
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正解(1) イ・ニ
⭕(イ)空気冷却用蒸発器では、蒸発器を通過する空気の流れ方向と、冷媒の列方向の流れの方向とは、互いに逆方向(向流)になるようにする。

正しい記述です。空気と冷媒を向流(逆向き)にすると、温度差を有効に使えて熱交換の効率がよくなります。

❌(ロ)シェルアンドチューブ満液式蒸発器の冷媒側伝熱面における平均熱通過率は、乾式蒸発器のように冷媒の過熱に必要な過熱部・管部がないため、乾式蒸発器の平均熱通過率よりも小さい。

「乾式より小さい」が誤りです。満液式は冷却管が常に液冷媒で満たされ熱が伝わりやすいので、平均熱通過率は乾式より大きくなります。

❌(ハ)ホットガス除霜方式は、冷却管の内部から冷媒ガスの熱によって霜を均一に融解でき、霜が厚くなってからの除霜に適した方式である。

「霜が厚くなってからの除霜に適する」が誤りです。霜は熱を伝えにくいので、厚くなると融けにくく除霜に時間がかかります。早めの除霜が基本です。

⭕(ニ)冷凍・冷蔵装置では、フィンコイル蒸発器に、ファン、ファン用電動機、ドレンパンなどを一体に組み込んだユニットクーラが用いられることが多い。

正しい記述です。ユニットクーラは、蒸発器・送風機・ドレンパンなどを一体にした、冷蔵庫などでおなじみの機器です。

この問題のまとめ

正解は(1)イ・ニ。空気と冷媒は向流が有利。満液式の熱通過率は乾式より大きい。霜は厚いほど融けにくい。ユニットクーラは蒸発器+ファン等の一体型です。

問8

分野:自動制御機器重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、自動制御機器について正しいものはどれか。

電磁弁には直動式とパイロット式がある。直動式では、電磁コイルに通電すると、磁場が作られてプランジャが吸引されて弁が閉じる。

キャピラリチューブは、冷媒の流動抵抗による圧力降下を利用して冷媒の絞り膨張を行うとともに、蒸発器出口冷媒蒸気の過熱度の制御を行うための機器である。

断水リレーとして使用されるフロースイッチには、水の流れを直接検出するパドルをもつものがある。

ガスチャージ方式の温度自動膨張弁の欠点は、運転中にダイアフラム受圧部の温度を常に感温筒温度よりも高く維持しないと、膨張弁が正常に作動しなくなることである。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ニ (3) ハ・ニ (4) イ・ロ・ハ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(3) ハ・ニ
❌(イ)電磁弁には直動式とパイロット式がある。直動式では、電磁コイルに通電すると、磁場が作られてプランジャが吸引されて弁が閉じる。

「弁が閉じる」が誤りです。直動式電磁弁は、通電するとプランジャが吸い上げられて弁が開きます(通電で開、無通電で閉が基本)。

❌(ロ)キャピラリチューブは、冷媒の流動抵抗による圧力降下を利用して冷媒の絞り膨張を行うとともに、蒸発器出口冷媒蒸気の過熱度の制御を行うための機器である。

「過熱度の制御を行う」が誤りです。キャピラリチューブは細い管の抵抗で絞り膨張をするだけで、過熱度の制御はできません(過熱度制御は温度自動膨張弁の役目)。

⭕(ハ)断水リレーとして使用されるフロースイッチには、水の流れを直接検出するパドルをもつものがある。

正しい記述です。パドル(羽根)が水流で動くことで、水が流れているかを直接検出します。

⭕(ニ)ガスチャージ方式の温度自動膨張弁の欠点は、運転中にダイアフラム受圧部の温度を常に感温筒温度よりも高く維持しないと、膨張弁が正常に作動しなくなることである。

正しい記述です。ガスチャージ方式は、受圧部を感温筒より高い温度に保つ必要があり、これが守られないと弁が正しく働きません。

この問題のまとめ

正解は(3)ハ・ニ。直動式電磁弁は通電で“開”。キャピラリチューブは過熱度制御をしない。フロースイッチはパドルで水流検出。ガスチャージ式は受圧部を感温筒より高温に保つ必要があります。

問9

分野:附属機器重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、附属機器について正しいものはどれか。

高圧受液器内には常に冷媒液を確保するようにし、受液器出口では蒸気が液とともに流れ出ないような構造とする。

油分離器は、一般に、大形・低温のフルオロカーボン冷凍装置やアンモニア冷凍装置に用いられている。

液分離器は、圧縮機の吐出しガス配管に設け、冷媒蒸気中に冷媒液が混在したときに蒸気と液を分離するために用いる。

フィルタドライヤの乾燥剤にシリカゲルやゼオライトが用いられる理由は、化学変化を起こして水分を除去しやすいこと、砕けにくいことである。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ハ・ニ (4) イ・ロ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(1) イ・ロ
⭕(イ)高圧受液器内には常に冷媒液を確保するようにし、受液器出口では蒸気が液とともに流れ出ないような構造とする。

正しい記述です。出口から蒸気が一緒に出ないようにし、膨張弁へ安定して液だけを送る構造にします。

⭕(ロ)油分離器は、一般に、大形・低温のフルオロカーボン冷凍装置やアンモニア冷凍装置に用いられている。

正しい記述です。油分離器は、吐出しガスに混じった油を分け、油が蒸発器側にたまるのを防ぎます。大形・低温の装置やアンモニア装置でよく使われます。

❌(ハ)液分離器は、圧縮機の吐出しガス配管に設け、冷媒蒸気中に冷媒液が混在したときに蒸気と液を分離するために用いる。

「吐出しガス配管に設け」が誤りです。液分離器は圧縮機の吸込み蒸気配管に設け、液が圧縮機に戻る“液戻り(液圧縮)”を防ぎます。

❌(ニ)フィルタドライヤの乾燥剤にシリカゲルやゼオライトが用いられる理由は、化学変化を起こして水分を除去しやすいこと、砕けにくいことである。

「化学変化を起こして」が誤りです。乾燥剤は化学変化を起こさず、すき間に水分を吸い付けて(物理吸着で)取り除きます。

この問題のまとめ

正解は(1)イ・ロ。受液器は液を確保し出口で蒸気を出さない。油分離器は大形低温・アンモニア装置に。液分離器は“吸込み”配管。乾燥剤は化学変化なしの物理吸着です。

問10

分野:冷媒配管重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷媒配管について正しいものはどれか。

低温用の冷媒配管として、配管用炭素鋼鋼管(SGP)を、-30℃で使用した。

フルオロカーボン冷凍装置に使用する小口径の銅配管の接続には、一般に、フレア管継手か、ろう付継手を用いる。

高圧液配管は、冷媒液がフラッシュ(気化)するのを防ぐために、流速ができるだけ小さくなるような管径とする。

横走り吸込み配管にUトラップがあると、軽負荷運転時や停止時に冷凍機油や冷媒液がたまり、圧縮機の再始動時に液圧縮の危険がある。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ハ・ニ (4) イ・ロ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(5) ロ・ハ・ニ
❌(イ)低温用の冷媒配管として、配管用炭素鋼鋼管(SGP)を、-30℃で使用した。

-30℃での使用が誤りです。配管用炭素鋼鋼管(SGP)は低温でもろくなるため、使用は-25℃までとされています。-30℃では低温脆性の心配があります。

SGP(配管用炭素鋼鋼管)の低温限界とは?

一般的な鋼管SGPは低温で割れやすくなる(低温脆性)ため、使用温度の下限は-25℃。これより低い温度では、低温に強い材料を使う必要があります。

⭕(ロ)フルオロカーボン冷凍装置に使用する小口径の銅配管の接続には、一般に、フレア管継手か、ろう付継手を用いる。

正しい記述です。小口径の銅配管はフレア継手(管口を広げて締結)やろう付けで接続します。

⭕(ハ)高圧液配管は、冷媒液がフラッシュ(気化)するのを防ぐために、流速ができるだけ小さくなるような管径とする。

正しい記述です。流速が速いと圧力が下がって液が気化(フラッシュ)しやすいので、流速を小さくする管径にします。

⭕(ニ)横走り吸込み配管にUトラップがあると、軽負荷運転時や停止時に冷凍機油や冷媒液がたまり、圧縮機の再始動時に液圧縮の危険がある。

正しい記述です。Uトラップに油や液がたまると、再始動時に一気に吸い込まれ、液圧縮(液は縮まないので圧縮機を傷める)の危険があります。

この問題のまとめ

正解は(5)ロ・ハ・ニ。SGPは-25℃まで。小口径銅管はフレアかろう付け。高圧液配管は流速を小さく。吸込み配管のUトラップは液圧縮の原因になります。

問11

分野:安全装置重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、安全装置について正しいものはどれか。

圧力容器に取り付ける安全弁には、修理等のために止め弁を設けるが、この止め弁には「常時開」の表示をするなど、止め弁の操作に間違いのないようにしなければならない。

内容積500リットル未満のフルオロカーボン冷媒用受液器に使用する溶栓は、原則として125℃で溶融するものを用いる。

フルオロカーボン冷凍装置において、液封事故を防止するために、液封の起こるおそれのある部分に、圧力逃がし装置として溶栓を取り付けた。

高圧遮断装置は原則として手動復帰式とし、通常は、安全弁噴出以前に所定の圧力で圧縮機を停止させ、高圧側圧力の異常な上昇を防止する。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) イ・ハ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
答え・解説を見る
正解(2) イ・ニ
⭕(イ)圧力容器に取り付ける安全弁には、修理等のために止め弁を設けるが、この止め弁には「常時開」の表示をするなど、止め弁の操作に間違いのないようにしなければならない。

正しい記述です。安全弁の止め弁は常に開が原則なので、「常時開」と表示して誤操作を防ぎます。

❌(ロ)内容積500リットル未満のフルオロカーボン冷媒用受液器に使用する溶栓は、原則として125℃で溶融するものを用いる。

「125℃」が誤りです。溶栓は原則として75℃以下で溶けるものを用います(高温になりすぎる前に溶けて圧力を逃がすため)。

溶栓(ようせん)とは?

一定の温度で溶ける金属でできた栓。装置が異常に熱くなると溶けて冷媒を逃がし、破裂を防ぎます。原則75℃以下で溶けるものを使います。

❌(ハ)フルオロカーボン冷凍装置において、液封事故を防止するために、液封の起こるおそれのある部分に、圧力逃がし装置として溶栓を取り付けた。

溶栓を使ったのが誤りです。溶栓は“温度”で溶ける装置なので、温度が上がらないまま圧力だけ急上昇する液封には間に合いません。液封対策には安全弁や破裂板を使います。

液封(えきふう)とは?

配管などに液冷媒が閉じこめられた状態。温度が少し上がるだけで液が膨張し、圧力が急上昇して配管が破損します。対策は圧力で働く安全弁・破裂板(温度で働く溶栓は不適)。

⭕(ニ)高圧遮断装置は原則として手動復帰式とし、通常は、安全弁噴出以前に所定の圧力で圧縮機を停止させ、高圧側圧力の異常な上昇を防止する。

正しい記述です。高圧遮断装置は、安全弁が噴き出す前に圧縮機を止めて圧力上昇を防ぎます。原則“手動復帰式”で、原因を確認してから復帰させます。

この問題のまとめ

正解は(2)イ・ニ。安全弁の止め弁は常時開を表示。溶栓は原則75℃以下で、液封対策には使えない(安全弁・破裂板)。高圧遮断装置は安全弁噴出前に圧縮機を止めます。

問12

分野:材料の強さ・圧力容器重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、材料の強さ及び圧力容器について正しいものはどれか。

薄肉円筒胴圧力容器の板厚を計算する場合、設計圧力、容器の内径、材料の許容引張応力、腐れしろ、及び溶接継手の効率を考慮する。

二段圧縮冷凍装置における設計圧力は、高圧部、中圧部及び低圧部の3つに区分され、高圧部では通常の運転状態で起こりうる最高の圧力を用いる。

薄肉円筒胴圧力容器に発生する応力には、接線方向に発生する応力と長手方向に発生する応力があり、円筒胴の接線方向の引張応力は、長手方向の引張応力の2倍になる。

一般の鋼材は低温で脆くなり、これを低温脆性という。この低温脆性による破壊は、衝撃荷重などが引き金になって、降伏点以下の低荷重のもとでも突発的に発生する。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ニ (4) イ・ハ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(4) イ・ハ・ニ
⭕(イ)薄肉円筒胴圧力容器の板厚を計算する場合、設計圧力、容器の内径、材料の許容引張応力、腐れしろ、及び溶接継手の効率を考慮する。

正しい記述です。板厚の計算には設計圧力・内径・許容引張応力・腐れしろ・溶接継手の効率を考えます。

❌(ロ)二段圧縮冷凍装置における設計圧力は、高圧部、中圧部及び低圧部の3つに区分され、高圧部では通常の運転状態で起こりうる最高の圧力を用いる。

「3つに区分」が誤りです。設計圧力の区分は高圧部と低圧部の2つです(“中圧部”という区分は設けません)。

⭕(ハ)薄肉円筒胴圧力容器に発生する応力には、接線方向に発生する応力と長手方向に発生する応力があり、円筒胴の接線方向の引張応力は、長手方向の引張応力の2倍になる。

正しい記述です。円筒胴では接線方向の応力が長手方向の2倍になります。だから割れるときは縦に裂けやすいのです。

⭕(ニ)一般の鋼材は低温で脆くなり、これを低温脆性という。この低温脆性による破壊は、衝撃荷重などが引き金になって、降伏点以下の低荷重のもとでも突発的に発生する。

正しい記述です。低温脆性では、ふだんなら耐えられる低い荷重でも、衝撃をきっかけに突然割れることがあります。

低温脆性とは?

鋼材が低温でねばり強さを失い、もろくなる性質。降伏点以下の小さな力でも、衝撃が引き金になって突然割れることがあるため、低温装置では材料選びが重要です。

この問題のまとめ

正解は(4)イ・ハ・ニ。板厚は設計圧力・内径・許容応力・腐れしろ・継手効率で計算。設計圧力の区分は高圧部・低圧部の2つ。接線応力は長手の2倍。低温脆性は突然破壊を招きます。

問13

分野:据付け及び試験重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、据付け及び試験について正しいものはどれか。

配管を含むすべての部分の気密試験を実施した後、圧力容器の耐圧試験を実施して、試験終了とした。

多気筒圧縮機を支持するコンクリート基礎の質量は、圧縮機の質量と同程度にする。

冷凍装置の真空放置試験を、0.6kPa以下の真空度で実施した。

受液器をもつ冷凍装置では、負荷の変動によって不足することのないだけの量の冷媒を充塡しなければならないが、冷媒が過充塡にならないようにすることも大切である。

【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ニ (3) ハ・ニ (4) イ・ロ・ハ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(3) ハ・ニ
❌(イ)配管を含むすべての部分の気密試験を実施した後、圧力容器の耐圧試験を実施して、試験終了とした。

順番が逆で誤りです。正しくは耐圧試験(壊れないか)が先、気密試験(漏れないか)が後です。

耐圧試験と気密試験の順番とは?

まず耐圧試験で“壊れない強さ”を確認し、そのあと気密試験で“漏れない”ことを確認します。配管を含む全体の気密はあとから行います。

❌(ロ)多気筒圧縮機を支持するコンクリート基礎の質量は、圧縮機の質量と同程度にする。

「同程度」が誤りです。振動を抑えるため、基礎の質量は圧縮機の2〜3倍程度にします。

⭕(ハ)冷凍装置の真空放置試験を、0.6kPa以下の真空度で実施した。

正しい記述です。真空放置試験は、装置内を十分に真空(0.6kPa以下など)にして放置し、わずかな漏れや水分の有無を確認します。

⭕(ニ)受液器をもつ冷凍装置では、負荷の変動によって不足することのないだけの量の冷媒を充塡しなければならないが、冷媒が過充塡にならないようにすることも大切である。

正しい記述です。冷媒は不足させず、かつ入れすぎないのが大切。多すぎると液戻りや高圧上昇の原因になります。

この問題のまとめ

正解は(3)ハ・ニ。試験は耐圧→気密の順。基礎は圧縮機質量の2〜3倍。真空放置試験で漏れ・水分を確認。冷媒は不足も過充塡もしないのが基本です。

問14

分野:冷凍装置の運転重要度 ★★☆

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍装置の運転について正しいものはどれか。

冷凍装置の運転開始後、液配管にサイトグラスがある場合は、それにより気泡が発生していないことを確認する。

凝縮圧力が一定のもとでは、圧縮機の吸込み蒸気圧力の低下により、圧縮機の体積効率、冷凍装置の冷凍能力及び圧縮機駆動の軸動力は、いずれも低下する。

シェルアンドチューブ凝縮器の運転状態が、冷却水の出入口温度差は5Kで、凝縮温度は冷却水出口温度よりも4K高い温度であったので、正常であると判定した。

冷凍装置を長期間休止させる場合には、安全弁の元弁及び各部の止め弁を閉じ、弁にグランド部があるものは締めておく。

【選択肢】
(1) イ・ハ (2) イ・ニ (3) ロ・ニ (4) イ・ロ・ハ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(4) イ・ロ・ハ
⭕(イ)冷凍装置の運転開始後、液配管にサイトグラスがある場合は、それにより気泡が発生していないことを確認する。

正しい記述です。サイトグラス(のぞき窓)に気泡が見えると冷媒不足などのサイン。気泡がないことを確認します。

サイトグラスとは?

液配管に付けた“のぞき窓”。冷媒液に気泡が見えると、冷媒不足やフラッシュのサインです。色で水分の有無を示すタイプもあります。

⭕(ロ)凝縮圧力が一定のもとでは、圧縮機の吸込み蒸気圧力の低下により、圧縮機の体積効率、冷凍装置の冷凍能力及び圧縮機駆動の軸動力は、いずれも低下する。

正しい記述です。吸込み圧力が下がると圧力比が大きくなり、体積効率・冷凍能力・軸動力がいずれも低下します。

体積効率とは?

圧縮機が“押しのける体積”に対して、実際に吸い込めた冷媒蒸気の割合。圧力比(凝縮圧力÷蒸発圧力)が大きいほど、すき間容積の影響で体積効率は下がります。

⭕(ハ)シェルアンドチューブ凝縮器の運転状態が、冷却水の出入口温度差は5Kで、凝縮温度は冷却水出口温度よりも4K高い温度であったので、正常であると判定した。

正しい記述です。冷却水の出入口温度差はおおむね4〜6K、凝縮温度は冷却水出口より3〜5K高いのが目安。5Kと4Kはこの正常範囲内です。

❌(ニ)冷凍装置を長期間休止させる場合には、安全弁の元弁及び各部の止め弁を閉じ、弁にグランド部があるものは締めておく。

「安全弁の元弁を閉じる」が誤りです。安全弁の元弁は、休止中も開けたままにします(閉じると圧力上昇時に安全弁が働かないため)。各部の止め弁は閉じてよいです。

この問題のまとめ

正解は(4)イ・ロ・ハ。サイトグラスで気泡を確認。吸込み圧力低下で体積効率・能力・動力が低下。冷却水温度差5K・凝縮温度+4Kは正常。安全弁の元弁は休止中も閉じません。

問15

分野:保守管理重要度 ★★★

次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍装置の保守管理について正しいものはどれか。

冷媒充塡量が大きく不足していると、圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が大きくなり、圧縮機吐出しガスの圧力と温度がともに上昇する。

アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が侵入すると、低温の運転では、わずかな水分量であっても膨張弁部に氷結して、冷媒が流れなくなる。

不凝縮ガスが冷凍装置内に存在すると、圧縮機吐出しガスの圧力と温度がともに上昇する。

オイルフォーミングとは、クランクケース内の冷凍機油に冷媒が混入することをいう。

【選択肢】
(1) イ (2) ハ (3) イ・ニ (4) ロ・ハ (5) ロ・ニ
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正解(2) ハ
❌(イ)冷媒充塡量が大きく不足していると、圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が大きくなり、圧縮機吐出しガスの圧力と温度がともに上昇する。

「圧力と温度がともに上昇」が誤りです。冷媒が大きく不足すると、吐出しガスの温度は上昇しますが、圧力は低下します(冷媒が少ないので圧力が上がらない)。

❌(ロ)アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が侵入すると、低温の運転では、わずかな水分量であっても膨張弁部に氷結して、冷媒が流れなくなる。

「わずかな水分でも氷結して流れなくなる」が誤りです。アンモニアは水とよく溶け合うため、少量の水分では氷結しにくいです(膨張弁の氷結はフルオロカーボンで問題になりやすい)。

⭕(ハ)不凝縮ガスが冷凍装置内に存在すると、圧縮機吐出しガスの圧力と温度がともに上昇する。

正しい記述です。不凝縮ガス(空気など)が混ざると凝縮を邪魔し、吐出しガスの圧力も温度もともに上昇します。

不凝縮ガスとは?

凝縮器で液にならず装置内にたまる気体(主に空気)。凝縮を妨げて高圧側の圧力・温度を押し上げ、効率を悪くします。真空引き不足や漏れから入り込みます。

❌(ニ)オイルフォーミングとは、クランクケース内の冷凍機油に冷媒が混入することをいう。

定義が不正確で誤りです。オイルフォーミングは、油に溶け込んでいた冷媒が始動時に急に蒸発して油が泡立つ現象を指します(“混入すること”そのものではありません)。

この問題のまとめ

正解は(2)ハのみ。冷媒不足は吐出し温度↑だが圧力↓。アンモニアは水と溶け合い氷結しにくい。不凝縮ガスは圧力・温度をともに上げる。オイルフォーミングは油が泡立つ現象です。

この10問の要点(直前チェック用)

  • 問1 凝縮負荷=冷凍能力+動力/COP=冷凍能力÷動力/動力を減らすには蒸発は高め・凝縮は低め
  • 問2 伝熱量=熱通過率×面積×温度差/熱伝導抵抗は大きいほど流れにくい/空気が一番熱を伝えにくい
  • 問3 比体積が大きいと循環量は減る/ヒートポンプCOP=冷凍COP+1
  • 問4 フルオロは液が油より重い/非共沸は温度すべり/R1234yfは合成油/自然冷媒=NH₃・CO₂・プロパン
  • 問5 スライド弁は無段階制御可/圧縮機は容積式と遠心式/給油圧力=油圧計指示−クランクケース圧力
  • 問6 空気側の熱伝達率は小/水冷シェルアンドチューブは管内=水・管外=冷媒/凝縮負荷=能力+動力
  • 問7 空気と冷媒は向流/満液式は乾式より熱通過率大/霜は厚いほど融けにくい
  • 問8 直動式電磁弁は通電で開/キャピラリは過熱度制御せず/ガスチャージ式は受圧部を高温に保つ
  • 問9 液分離器は吸込み配管/乾燥剤は化学変化なしの物理吸着
  • 問10 SGPは-25℃まで/高圧液配管は流速小さく/吸込みUトラップは液圧縮の原因
  • 問11 溶栓は原則75℃以下・液封には使えない/高圧遮断装置は安全弁噴出前に圧縮機停止
  • 問12 設計圧力区分は高圧部・低圧部の2つ/接線応力は長手の2倍/低温脆性は突然破壊
  • 問13 試験は耐圧→気密の順/基礎は圧縮機の2〜3倍/冷媒は不足も過充塡もしない
  • 問14 吸込み圧力低下で体積効率・能力・動力が低下/安全弁の元弁は休止中も閉じない
  • 問15 冷媒不足は吐出し温度↑・圧力↓/不凝縮ガスは圧力・温度ともに上昇

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