第7章 材料と施工 | 第46回 | 目次を見る:1級 / 2級

この記事でわかること

  • 接合方法の種類と、管ごとの使い分けがわかります
  • ねじ接合・フランジ接合・溶接接合の要点がわかります
  • 溶接の欠陥の名前がわかります
  • 水圧試験・満水試験・気密試験の圧力と時間がわかります

接合と試験はセットで出題されます。「つないだら、漏れないかを確かめる」という流れで押さえましょう。

管ごとの接合方法

管の接合を4タイプにわけた断面図。ねじ接合・溶接接合・ろう付けと接着・融着について、継手や溶接金属の位置を色分けし、それぞれどの管に使うかを示している。
材料によって使える接合方法は決まっています。ライニング鋼管に溶接接合は使えません。
管 主な接合方法
鋼管 ねじ接合・溶接接合・フランジ接合・ハウジング形管継手(メカニカル)
ライニング鋼管 ねじ接合(管端防食継手)・フランジ接合。溶接は不可
ステンレス鋼管 メカニカル接合(プレス式・拡管式)・溶接接合・フランジ接合
銅管 差込ろう接合(ろう付け・はんだ付け)・メカニカル接合・フレア接合
塩ビ管 接着接合(TS)・ゴム輪接合(RR)・フランジ接合
ポリエチレン管 融着接合(EF・熱融着)・メカニカル接合
鋳鉄管 メカニカル接合・タイトン接合・フランジ接合

💡 覚え方

「ライニング鋼管は溶接できない」のが最重要。内側の樹脂が焼けてしまうからです(第42回)。銅は「ろう付け」、塩ビは「接着」、ポリエチレンは「融着」——材料ごとに「くっつけ方」が違うと覚えます。

ねじ接合

  • 管用テーパねじを使う … 先細りなので、締めるほど密着する
  • ねじ切り後は、切りくずを除去する(リーマ・面取り)
  • シール材 … ペースト(シール材)またはシールテープをおねじ側に巻く
  • ライニング鋼管には管端防食継手を使う

よく出る注意点

  • 締めすぎない … 継手が割れることがあります。ねじが3山程度余るのが目安。
  • シールテープは、ねじの回転方向と逆に巻く … 締めたときにほどけないため。
  • ねじ込みすぎると、ライニングを傷める。

溶接接合

溶接部の断面図。ブローホール・ピット・アンダカット・オーバラップ・スラグ巻込み・溶込み不足の6つの欠陥が、それぞれどの場所にできるかを赤い線で示している。
欠陥の名前は「どこにできるか」で決まります。断面で見ると場所と名前が結びつきます。
溶接法 特徴
被覆アーク溶接(手溶接) 被覆材(フラックス)付きの溶接棒を使う。屋外でもできる
ティグ(TIG)溶接 タングステン電極+アルゴンガス。きれいに仕上がる。ステンレス・薄物・裏波溶接
ミグ/マグ溶接 ワイヤを送りながら溶接。能率がよい
ガス溶接 酸素とアセチレンの炎。薄板・小口径

溶接の欠陥(名前を覚える)

  • ブローホール … 溶接金属の中に閉じ込められた気泡
  • ピット … 表面に開いた小さな穴
  • アンダカット … 溶接の端が母材をえぐって溝になったもの
  • オーバラップ … 溶けた金属が母材に融合せず、覆いかぶさったもの
  • スラグ巻込み … フラックスのかすが中に残ったもの
  • 融合不良・溶込み不足 … 母材と溶接金属がくっついていない

なぜアンダカットが問題なのか?

そこが薄くなって、力が集中するからです。溝の底には応力が集中し、圧力や振動でそこから割れていきます。「見た目の傷」ではなく「強度の欠陥」だと理解してください。

  • 非破壊検査 … 放射線透過試験(RT)・超音波探傷試験(UT)・磁粉探傷試験(MT)・浸透探傷試験(PT)・外観試験(VT)
  • 内部の欠陥=RT・UT/表面の欠陥=MT・PT・VT

💡 覚え方

「中を見るのはRT・UT、表面を見るのはMT・PT」。放射線と超音波は透けるので中が見え、磁粉と浸透液は表面に集まるので表面のひびが見える——しくみから考えると迷いません。

その他の接合

  • フランジ接合 … ボルトは対角に、少しずつ均等に締める。ガスケットは1枚だけ(重ねない)
  • 差込ろう接合(銅管) … 毛細管現象でろうが吸い込まれる。すき間の管理が大切
  • 接着接合(塩ビ) … 接着剤を管とソケット両方に薄く塗り、一気に差し込んでしばらく押さえる
  • ゴム輪接合 … 伸縮を吸収できる。差込みの標線を守る
  • 融着接合(ポリエチレン) … 熱で溶かして一体化するのでもっとも信頼性が高い

試験(漏れの確認)

試験 対象 圧力・条件 保持時間
水圧試験 給水・給湯・冷温水など圧力配管 最高使用圧力の1.5倍(ただし最小0.75MPa) 60分以上
満水試験 排水・通気配管 最上部の開口まで水を満たす 30分以上
気密試験 ガス配管など 空気や窒素で加圧 規定時間
通水試験 各種 実際に水を流して確認 —

よく問われる数字

  • 給水の水圧試験=最高使用圧力の1.5倍、ただし最小0.75MPa、60分保持
  • 排水の満水試験=30分保持
  • 試験は、保温や埋め戻しをする前に行う … あとからでは直せません

なぜ「最小0.75MPa」があるのか?

低い圧力の配管でも、ある程度の圧力をかけないと漏れが見つからないからです。最高使用圧力が0.2MPaの配管を1.5倍の0.3MPaで試験しても、小さな漏れは分かりません。そこで「1.5倍」と「0.75MPa」の大きいほうで試験することになっています。

試験ではこう出る

  • ①ライニング管 … 「ライニング鋼管の接合には溶接接合を用いる」→誤り。
  • ②シールテープ … 「シールテープはめねじ側に巻く」→誤り。おねじ側。
  • ③溶接欠陥 … 「オーバラップは、溶接部の表面に生じた小さな穴である」→誤り。それはピットです。
  • ④非破壊検査 … 「磁粉探傷試験は、内部の欠陥を検出できる」→誤り。表面の欠陥です。
  • ⑤水圧試験 … 「給水配管の水圧試験は、最小0.75MPaで60分保持する」→正しい。
  • ⑥満水試験 … 「排水配管の満水試験は30分以上保持する」→正しい。

よくある質問

Q.「裏波溶接」とは何ですか?

A.管の外側から溶接して、内側にもきれいなビード(溶接の盛り上がり)を出す溶接です。配管は内側から溶接できませんから、外から溶かして内側まできちんと溶け込ませる必要があります。裏波が出ていない=溶込み不足で、そこが弱点になります。ティグ溶接が得意とする作業です。

Q.水圧試験で、圧力が少し下がるのは漏れですか?

A.気温の変化でも下がります。水も配管も温度で伸縮するので、日なたと日陰、朝と昼で圧力計の値は動きます。だから圧力の低下だけで判断せず、接合部を石けん水や目視で確認します。明らかに下がり続けるなら漏れです。

Q.満水試験は、なぜ水圧をかけないのですか?

A.排水配管には、もともと圧力がかからないからです。排水は重力で流れるので、配管にかかるのは中の水の重さの分だけ。実際の使用状態より厳しい条件にする意味がありません。「使う条件で試験する」のが原則です。

このページのまとめ

  • ライニング鋼管は溶接不可。ねじ接合+管端防食継手
  • 銅はろう付け、塩ビは接着、ポリエチレンは融着
  • シールテープはおねじ側に、回転方向と逆に巻く
  • 溶接欠陥=ブローホール・ピット・アンダカット・オーバラップ・スラグ巻込み・融合不良
  • 内部はRT・UT、表面はMT・PT・VT
  • 給水の水圧試験=1.5倍かつ最小0.75MPa・60分
  • 排水の満水試験=30分。保温・埋戻しの前に行う