接合と溶接・試験|水圧試験と満水試験の数字【管工事施工管理技士】
この記事でわかること
- 接合方法の種類と、管ごとの使い分けがわかります
- ねじ接合・フランジ接合・溶接接合の要点がわかります
- 溶接の欠陥の名前がわかります
- 水圧試験・満水試験・気密試験の圧力と時間がわかります
接合と試験はセットで出題されます。「つないだら、漏れないかを確かめる」という流れで押さえましょう。
管ごとの接合方法

💡 覚え方
「ライニング鋼管は溶接できない」のが最重要。内側の樹脂が焼けてしまうからです(第42回)。銅は「ろう付け」、塩ビは「接着」、ポリエチレンは「融着」——材料ごとに「くっつけ方」が違うと覚えます。
ねじ接合
- 管用テーパねじを使う … 先細りなので、締めるほど密着する
- ねじ切り後は、切りくずを除去する(リーマ・面取り)
- シール材 … ペースト(シール材)またはシールテープをおねじ側に巻く
- ライニング鋼管には管端防食継手を使う
よく出る注意点
- 締めすぎない … 継手が割れることがあります。ねじが3山程度余るのが目安。
- シールテープは、ねじの回転方向と逆に巻く … 締めたときにほどけないため。
- ねじ込みすぎると、ライニングを傷める。
溶接接合

溶接の欠陥(名前を覚える)
- ブローホール … 溶接金属の中に閉じ込められた気泡
- ピット … 表面に開いた小さな穴
- アンダカット … 溶接の端が母材をえぐって溝になったもの
- オーバラップ … 溶けた金属が母材に融合せず、覆いかぶさったもの
- スラグ巻込み … フラックスのかすが中に残ったもの
- 融合不良・溶込み不足 … 母材と溶接金属がくっついていない
なぜアンダカットが問題なのか?
そこが薄くなって、力が集中するからです。溝の底には応力が集中し、圧力や振動でそこから割れていきます。「見た目の傷」ではなく「強度の欠陥」だと理解してください。
- 非破壊検査 … 放射線透過試験(RT)・超音波探傷試験(UT)・磁粉探傷試験(MT)・浸透探傷試験(PT)・外観試験(VT)
- 内部の欠陥=RT・UT/表面の欠陥=MT・PT・VT
💡 覚え方
「中を見るのはRT・UT、表面を見るのはMT・PT」。放射線と超音波は透けるので中が見え、磁粉と浸透液は表面に集まるので表面のひびが見える——しくみから考えると迷いません。
その他の接合
- フランジ接合 … ボルトは対角に、少しずつ均等に締める。ガスケットは1枚だけ(重ねない)
- 差込ろう接合(銅管) … 毛細管現象でろうが吸い込まれる。すき間の管理が大切
- 接着接合(塩ビ) … 接着剤を管とソケット両方に薄く塗り、一気に差し込んでしばらく押さえる
- ゴム輪接合 … 伸縮を吸収できる。差込みの標線を守る
- 融着接合(ポリエチレン) … 熱で溶かして一体化するのでもっとも信頼性が高い
試験(漏れの確認)
よく問われる数字
- 給水の水圧試験=最高使用圧力の1.5倍、ただし最小0.75MPa、60分保持
- 排水の満水試験=30分保持
- 試験は、保温や埋め戻しをする前に行う … あとからでは直せません
なぜ「最小0.75MPa」があるのか?
低い圧力の配管でも、ある程度の圧力をかけないと漏れが見つからないからです。最高使用圧力が0.2MPaの配管を1.5倍の0.3MPaで試験しても、小さな漏れは分かりません。そこで「1.5倍」と「0.75MPa」の大きいほうで試験することになっています。
試験ではこう出る
- ①ライニング管 … 「ライニング鋼管の接合には溶接接合を用いる」→誤り。
- ②シールテープ … 「シールテープはめねじ側に巻く」→誤り。おねじ側。
- ③溶接欠陥 … 「オーバラップは、溶接部の表面に生じた小さな穴である」→誤り。それはピットです。
- ④非破壊検査 … 「磁粉探傷試験は、内部の欠陥を検出できる」→誤り。表面の欠陥です。
- ⑤水圧試験 … 「給水配管の水圧試験は、最小0.75MPaで60分保持する」→正しい。
- ⑥満水試験 … 「排水配管の満水試験は30分以上保持する」→正しい。
よくある質問
Q.「裏波溶接」とは何ですか?
A.管の外側から溶接して、内側にもきれいなビード(溶接の盛り上がり)を出す溶接です。配管は内側から溶接できませんから、外から溶かして内側まできちんと溶け込ませる必要があります。裏波が出ていない=溶込み不足で、そこが弱点になります。ティグ溶接が得意とする作業です。
Q.水圧試験で、圧力が少し下がるのは漏れですか?
A.気温の変化でも下がります。水も配管も温度で伸縮するので、日なたと日陰、朝と昼で圧力計の値は動きます。だから圧力の低下だけで判断せず、接合部を石けん水や目視で確認します。明らかに下がり続けるなら漏れです。
Q.満水試験は、なぜ水圧をかけないのですか?
A.排水配管には、もともと圧力がかからないからです。排水は重力で流れるので、配管にかかるのは中の水の重さの分だけ。実際の使用状態より厳しい条件にする意味がありません。「使う条件で試験する」のが原則です。
このページのまとめ
- ライニング鋼管は溶接不可。ねじ接合+管端防食継手
- 銅はろう付け、塩ビは接着、ポリエチレンは融着
- シールテープはおねじ側に、回転方向と逆に巻く
- 溶接欠陥=ブローホール・ピット・アンダカット・オーバラップ・スラグ巻込み・融合不良
- 内部はRT・UT、表面はMT・PT・VT
- 給水の水圧試験=1.5倍かつ最小0.75MPa・60分
- 排水の満水試験=30分。保温・埋戻しの前に行う
