第二種電気工事士の技能試験は、13問の候補問題があらかじめ公表されています。当日はそのうち1問が出題される仕組みです。この記事ではNo.3を、知識ゼロの人が読んでも複線図が書けるところまで分解します。

この記事でわかること

  • 候補問題No.3にどんな器具が出てくるか
  • タイムスイッチ(端子台で代用)のつなぎ方
  • 接地極付コンセントと接地線の扱い
  • 複線図を白→黒→戻りの3ステップで書く手順

候補問題No.3はどんな問題か

公表されている配線図(単線図)は、こういう内容です。

  • 電源は 1φ2W 100V。電源からジョイントボックスまでは VVF 2.0-2C
  • ジョイントボックスが2つ
  • タイムスイッチ(TS・イ)が1つ。※端子台で代用されます
  • 引掛シーリング(角形・イ)が1つ
  • ランプレセプタクル(ロ)が1つ
  • 接地極付コンセントが1つ。そこから接地線(E1.6)が出て、接地極は施工省略
  • 点滅器(スイッチ)は「ロ」が1つ

まず用語をそろえます

  • タイムスイッチ…決めた時刻になると、中の接点が勝手に入ったり切れたりする部品です。街灯や看板を夜だけ点けるのに使います。図記号は四角の中に TS。
  • 端子台で代用…本物のタイムスイッチは高価で大きいので、試験ではねじ端子が並んだ小さな台に置き換えて出題されます。どの端子が何番かは、当日の問題用紙に書かれています。
  • 引掛シーリング…天井に付いている、照明器具をひねって取り付ける丸い(または角形の)受け口です。
  • 接地極付コンセント…アース端子が付いたコンセントです。洗濯機やエアコンのように、水気や金属のそばで使う機器のために、余分な電気を地面に逃がします。
  • 接地線…そのアースを地面へつなぐ線です。緑色と決まっています。

いちばんの山場はタイムスイッチ

No.3で特につまずきやすいのは、ここでしょう。

一般的なスイッチ(点滅器)は、線を2本つなぐだけです。ところがタイムスイッチは3本つなぎます。理由は単純で、タイムスイッチ自身が電気を使うからです。中で時計が動いているので、電源が要ります。

覚える覚え方

タイムスイッチは「時計+スイッチ」がひとつの箱に入っていると考えてください。

  • 時計を動かすための白と黒…2本。これは常につながっています
  • スイッチが入ったときに出ていく線…1本。ここが引掛シーリングへ向かいます

だから合わせて3本です。一般的なスイッチとの違いは「白も来る」ところだけです。

複線図を3ステップで書く

書く順番は白 → 黒 → 戻り。この順番を崩さないようにしましょう。

ステップ1 白い線を引く

候補問題No.3の複線図 ステップ1

白い線(接地側。大地とつながっている側の線)は、電気を使うもの全部につなぎます。

No.3では、引掛シーリング・ランプレセプタクル・接地極付コンセント、そしてタイムスイッチの4つです。

ここが No.3 の最重要ポイントです。一般的なスイッチには白を引かないのに、タイムスイッチには白を引きます。タイムスイッチだけは「電気を使うもの」だからです。点滅器「ロ」には引きません。

ステップ2 黒い線を引く

候補問題No.3の複線図 ステップ2

黒い線(非接地側。電圧がかかっている側の線)の行き先は3つです。

  • 点滅器「ロ」
  • タイムスイッチ(時計を動かすため)
  • 接地極付コンセント(いつでも使えるように)

引掛シーリングとランプレセプタクルには、黒を直接引きません。どちらもスイッチで操作するものだからです。

ステップ3 戻り線を引く

候補問題No.3の複線図 ステップ3

戻り線は2本引きます。

  • 点滅器「ロ」→ ランプレセプタクル(ロ)…手で操作して点け消しします
  • タイムスイッチ → 引掛シーリング(イ)…決めた時刻に自動で点きます

これで完成です。

間違えやすいところ

タイムスイッチに白を引き忘れる

特に多い失敗です。「スイッチ」という名前に引きずられて、点滅器と同じ2本でつないでしまいます。タイムスイッチは電気を使う器具でもあると覚えてください。白を忘れると、時計が動かないので当然動作しません。

接地線の色を間違える

接地線は緑です。ほかの色を使うと欠陥になります。接地極が「施工省略」でも、コンセントの接地端子には緑の線を必ずつなぎ、指定の長さで切って残しましょう。

端子台の端子番号を自分で決めてしまう

タイムスイッチを代用する端子台は、どの端子に何をつなぐかが当日の問題用紙に書かれています。練習のときに覚えた並びと違うことがあるので、当日は必ず問題用紙の指示に従ってください。

覚える電線の色と本数について

この記事で説明しているのは、複線図のつながり方です。実際に使う電線の太さ・本数、リングスリーブ(電線どうしをまとめてつなぐ金属の筒)の大きさや刻印、端子台の端子番号は、試験当日に配られる問題用紙の「施工条件」に書かれています。候補問題の公表段階では決まっていないので、当日の指示を必ず読んでください。

よくある質問

Q. タイムスイッチの3本は、どの順番でつなげばいいですか?

A. 順番は決まっていません。役割が合っていれば大丈夫です。「時計用の白」「時計用の黒」「出ていく線」の3つを、当日示された端子番号どおりにつなぎます。

Q. 接地極が施工省略なら、緑の線はいらないのでは?

A. いります。「施工省略」はその先の接地極を作らなくてよいという意味です。コンセントから出る緑の線は本当につなぎます。ここを省くと欠陥になってしまいます。

Q. 引掛シーリングは丸形と角形どちらですか?

A. No.3は角形です。図記号が四角い枠に( )で描かれていれば角形、丸なら丸形です。支給される材料も当日の指示に従ってください。

なお、同じ「線を3本つなぐ」部品に自動点滅器があります。No.13に出てきて、切りかわるきっかけが「時刻」ではなく「明るさ」になるだけです。複線図の書き方はまったく同じです。

次に読む

候補問題No.2前の問題候補問題No.2の複線図確認表示灯(パイロットランプ)の常時点灯

候補問題No.4次の問題候補問題No.4の複線図電源が2つ。三相200Vの電動機回路

一覧にもどる第二種電気工事士|候補問題13問の複線図No.1からNo.13まで、まとめて置いてあります

複線図が書けたら、次は手を動かす番です

技能試験は、複線図が書けただけでは受かりません。40分のあいだ、実際に電線を切って、つないで、器具に差し込む試験です。ここから先は、読むより手を動かした回数が点数に結びつきやすくなります。

そこで要るのが練習用の材料です。ケーブルも器具も、練習すれば減っていきます。13問を1回ずつ通すだけでも、それなりの量が必要です。通信講座と材料セット、どちらにお金を使うべきかを、実際の値段で比べた記事があります。

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