第二種電気工事士の技能試験は、13問の候補問題があらかじめ公表されています。当日はそのうち1問が出題される仕組みです。この記事ではNo.6を、知識ゼロの人が読んでも複線図が書けるところまで分解します。

No.6は3路スイッチが出てくる問題です。「階段の上と下、どちらでも電気を消せる」あの仕組みで、候補問題13問のなかで、ここが最初の大きな壁になりやすいでしょう。

ただ、仕組みさえ分かれば、書き方には決まった型があります。順番に見ていきましょう。

この記事でわかること

  • 候補問題No.6にどんな器具が出てくるか
  • 3路スイッチで2か所から消せるしくみ
  • 0番・1番・3番という端子の意味
  • 複線図を4ステップで書く手順

候補問題No.6はどんな問題か

公表されている配線図(単線図)は、こういう内容です。

  • 電源は 1φ2W 100V。電源からジョイントボックスまでは VVF 2.0-2C
  • ジョイントボックスが2つ
  • 引掛シーリング(角形・イ)が2つ。うち1つは施工省略
  • 露出形コンセントが1つ
  • 3路スイッチ(イ)が2つ。図記号は黒い丸●の横に小さく 3

まず用語をそろえます

  • 3路スイッチ…2か所から同じ照明を点けたり消したりできるスイッチです。階段の上と下、長い廊下の両端などに使います。必ず2つで1組で使います。
  • 0番・1番・3番…3路スイッチの裏にある3つの端子の番号です。本体に数字が刻印されています。
  • 露出形コンセント…壁の中に埋め込まず、壁の表面に台座ごと取り付けるタイプのコンセントです。倉庫や屋外など、壁を掘れない場所で使います。
  • 引掛シーリング…天井に付いている、照明器具をひねって取り付ける受け口です。No.6は角形(四角い形)。
  • 施工省略…一点鎖線(点と線が交互の枠)で囲まれた部分。そこは作らなくてよいという意味です。

3路スイッチのしくみ

一般的なスイッチは「道をつなぐ・切る」だけでした。3路スイッチは違います。道が2本あって、そのどちらを通るかを切りかえる部品です。

3路スイッチが2か所で消せるしくみ

覚える覚え方

3路スイッチには端子が3つあります。役割はこうです。

  • 0番…共通端子。電気の出入り口。ここは切りかわりません
  • 1番と3番…切りかわる側。スイッチを倒すと、0番がつながる相手が1番と3番のあいだで入れかわります

スイッチ2つのあいだには道が2本(1番どうし、3番どうし)あります。両方のスイッチが同じ道を選んだときだけ電気が通って、照明が点きます。

だから、どちらか片方を動かすだけで点いたり消えたりするのです。

ここで大事なのは、0番だけが特別ということです。1番と3番は入れかえても動きます(点け消しの向きが逆になるだけです)。ところが0番を間違えると正しく動きません。

複線図を4ステップで書く

これまでの「白 → 黒 → 戻り」に、3路どうしをつなぐ2本が加わって4ステップになります。

ステップ1 白い線を引く

候補問題No.6の複線図 ステップ1 白い線

白い線(接地側。大地とつながっている側の線)は、電気を使うものにつなぎます。引掛シーリング2つと、露出形コンセントの3つです。

3路スイッチにも白は引きません。3路スイッチも「スイッチ」なので、電気を使う器具ではないからです。この点は一般的なスイッチと変わりません。

ステップ2 黒い線を引く

候補問題No.6の複線図 ステップ2 黒い線

黒い線(非接地側。電圧がかかっている側の線)の行き先は2つです。

  • 露出形コンセント(スイッチを通さず直接)
  • 3路スイッチ①の「0番」

ここが最重要です。黒は0番だけ。1番にも3番にもつなぎません。0番は「電気の入口」だと覚えてください。

ステップ3 3路スイッチどうしを2本でつなぐ

候補問題No.6の複線図 ステップ3 3路スイッチどうしをつなぐ

①の1番と②の1番、①の3番と②の3番を、それぞれ1本ずつつなぎます。これが「道が2本ある」ということです。

この2本は、複線図の上では同じ番号どうしで結んでおけば大丈夫です。実際に使う電線の色は当日の施工条件で決まります。

ステップ4 戻り線を引く

候補問題No.6の複線図 ステップ4 戻り線

最後に、3路スイッチ②の「0番」から引掛シーリングへ戻しましょう。

2つの引掛シーリングはどちらも「イ」なので、2つとも同じ戻り線につなぎます。2つ同時に点いて、2つ同時に消えます。

これで完成です。

覚える3路スイッチの覚え方(これだけ)

  • 電源の黒 → ①の0番
  • ①の1番 → ②の1番/①の3番 → ②の3番
  • ②の0番 → 照明

0番が両端、1番と3番が真ん中。この形さえ覚えれば、どの問題で3路が出ても同じように書けます。

間違えやすいところ

0番を間違える

特に多い失敗です。0番は電源側と照明側の「両端」に来ます。真ん中の2本(スイッチどうしをつなぐ線)は1番と3番です。0番に真ん中の線をつなぐと、正しく動きません。

3路スイッチに白い線を引いてしまう

端子が3つあるので「白も要るのでは」と思ってしまいます。3路スイッチもスイッチです。白は引きません。

引掛シーリングを1つしか戻さない

No.6の引掛シーリングは2つとも「イ」です。②の0番から出た戻り線を、2つともにつなぎます。片方だけだと、もう片方は点きません。

露出形コンセントをふつうのコンセントと勘違いする

複線図の書き方は一般的なコンセントと同じ(白と黒を直接)です。違うのは取り付け方だけで、露出形は台座に電線を通して、ネジで直接留めます。手を動かす作業だけ練習しておきましょう。

覚える電線の色と本数について

この記事で説明しているのは、複線図のつながり方です。実際に使う電線の太さ・本数、3路スイッチどうしをつなぐ2本の色、リングスリーブ(電線どうしをまとめてつなぐ金属の筒)の大きさや刻印は、試験当日に配られる問題用紙の「施工条件」に書かれています。候補問題の公表段階では決まっていないので、当日の指示を必ず読んでください。

よくある質問

Q. 1番と3番は、入れかえてもいいのですか?

A. 動作としては動きます。点け消しの向きが逆になるだけです。ただし試験では施工条件に指定があればそれに従います。指定がなければ、①の1番→②の1番、①の3番→②の3番と素直に結んでおけば安心です。

Q. 0番はどうやって見分けるのですか?

A. スイッチ本体に数字が刻印されています。練習のときに一度、実物の裏をよく見ておいてください。メーカーによって「0」が「B」と書かれていることもあるので、当日は問題用紙の指示も確認しましょう。

Q. なぜ「3路」というのですか?

A. 端子が3つあるからです。ちなみに3か所以上から消したいときは「4路スイッチ」を真ん中に足します。候補問題ではNo.7に出てきます。

Q. 引掛シーリングが2つとも「イ」なのはなぜですか?

A. 2つを同時に点け消しするという意味です。文字が同じものは、同じスイッチが担当します。長い廊下の照明を、両端のスイッチでまとめて操作するイメージです。

次に読む

候補問題No.5前の問題候補問題No.5の複線図ボックスに器具が3つ。わたり線と200Vコンセント

候補問題No.7次の問題候補問題No.7の複線図4路スイッチ。3か所から点け消しする

一覧にもどる第二種電気工事士|候補問題13問の複線図No.1からNo.13まで、まとめて置いてあります

複線図が書けたら、次は手を動かす番です

技能試験は、複線図が書けただけでは受かりません。40分のあいだ、実際に電線を切って、つないで、器具に差し込む試験です。ここから先は、読むより手を動かした回数が点数に結びつきやすくなります。

そこで要るのが練習用の材料です。ケーブルも器具も、練習すれば減っていきます。13問を1回ずつ通すだけでも、それなりの量が必要です。通信講座と材料セット、どちらにお金を使うべきかを、実際の値段で比べた記事があります。

通信講座と技能試験の材料をくらべるお金の使いどころお金をかけるべきは「講座」ではなく「技能の材料」複線図が書けても、材料がなければ手は動きません。5社を比べました