二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和6年10月公表分の「関係法令」(問31〜問40)です。

専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和6年10月公表)

問31 伝熱面積に算入する部分・しない部分

令和6年10月公表分野:伝熱面積に算入する部分・しない部分重要度 ★★★
法令上、ボイラーの伝熱面積に算入しない部分は、次のうちどれか。
(1)管寄せ
(2)煙管
(3)水管
(4)蒸気ドラム
(5)炉筒
答え・解説を見る
正解

(4)
蒸気ドラム

この問題は何を聞いている?

ボイラーの大きさを表す伝熱面積に、入れない部分はどれかを問う問題です。5つの部分のうち、算入しないものを1つ選びます。

伝熱面積とは?

燃焼ガスなどに触れ、その裏側が水に触れている面の面積のこと。数え方はボイラー則第2条で決められています。

💡 なぜ? 法令の決まりの多くは、伝熱面積の大きさで分かれるからです。数え方をそろえるために、条文で定めてあります。

(1) ⭕ 算入する

管寄せ

管寄せは、たくさんの管を1か所に集め、または分配する容器です(JIS B 0126)。水管ボイラーの伝熱面積で水管と合計する部分です(第2条第2号)。燃焼ガスに触れる管寄せは、算入する部分です。

(2) ⭕ 算入する

煙管

煙管は、中を燃焼ガス(燃えたあとの熱いガス)が通る管です。内側がガス、外側が水なので、伝熱面積に算入します。

(3) ⭕ 算入する

水管

水管は、中に水を通し、外側から燃焼ガスで熱する管です。片側がガス、反対側が水なので、算入する部分です(第2条第2号)。

(4) ❌ 算入しない

蒸気ドラム

蒸気ドラムは、水管ボイラーの上側にある胴で、水と分けて蒸気を取り出す所です(JIS B 0126)。第2条第2号が数えるのは水管と管寄せで、蒸気ドラムは挙げられていません。そのため、伝熱面積に算入しない部分です。

(5) ⭕ 算入する

炉筒

炉筒は、胴の中に入れた、火を燃やすための筒です。内側が火や燃焼ガス、外側が水なので、算入します(第2条第1号)。

部分 伝熱面積に
水管・煙管・炉筒・管寄せ(燃焼ガスに触れるもの) 算入する
蒸気ドラム・エコノマイザ・過熱器 算入しない

💡 覚え方

入らないのは「蒸気ドラム・エコノマイザ・過熱器」の3つです。水管・煙管・炉筒・管寄せは、どれも片側がガス、反対側が水なので算入する、と対にして覚えましょう。

伝熱面積に算入しないのは蒸気ドラムなので、正解は(4)です。

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問32 ボイラー室の決まり(可燃物の被覆・距離)

令和6年10月公表分野:ボイラー室の決まり(可燃物の被覆・距離)重要度 ★★★
ボイラー(移動式ボイラー、屋外式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)を設置するボイラー室について、その内容が法令に定められていないものは次のうちどれか。
(1)伝熱面積が3m²を超える蒸気ボイラーは、ボイラー室に設置しなければならない。
(2)ボイラーの最上部から天井、配管その他のボイラーの上部にある構造物までの距離は、原則として、1.2m以上としなければならない。
(3)金属製の煙突又は煙道の外側から0.15m以内にある可燃性の物は、金属製の材料で被覆しなければならない。
(4)ボイラーを取り扱う労働者が緊急の場合に避難するために支障がないボイラー室を除き、ボイラー室には、2以上の出入口を設けなければならない。
(5)ボイラー室に燃料の重油を貯蔵するときは、原則として、これをボイラーの外側から2m以上離しておかなければならない。
答え・解説を見る
正解

(3)
金属製の煙突又は煙道の外側から0.15m以内にある可燃性の物は、金属製の材料で被覆しなければならない。

この問題は何を聞いている?

ボイラー室と、その中での距離や出入口の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。

ボイラー室とは?

専用の建物、または建物の中を障壁(仕切りの壁)で区切った場所のこと(ボイラー則第18条)。

(1) ⭕ 正しい記述

伝熱面積が3m²を超える蒸気ボイラーは、ボイラー室に設置しなければならない。

ボイラーはボイラー室に設置するのが決まりです(第18条)。除かれるのは、伝熱面積(熱を受け取る面の広さ)が3m²以下のボイラーです。3m²を超えるものは、ボイラー室に置かなければなりません。

(2) ⭕ 正しい記述

ボイラーの最上部から天井、配管その他のボイラーの上部にある構造物までの距離は、原則として、1.2m以上としなければならない。

ボイラーの最上部から、天井や配管など上の構造物までは1.2m以上空けます(第20条第1項)。「原則として」とあるのは、例外があるからです。安全弁などの附属品の検査や取扱いに支障がないときは除かれます。

(3) ❌ 誤りの記述

金属製の煙突又は煙道の外側から0.15m以内にある可燃性の物は、金属製の材料で被覆しなければならない。

被覆に使うのは金属以外の不燃性の材料です(第21条第1項)。0.15m以内という距離は合っています。「金属以外の不燃性の材料」が「金属製の材料」に入れ替えられている点が誤りです。

(4) ⭕ 正しい記述

ボイラーを取り扱う労働者が緊急の場合に避難するために支障がないボイラー室を除き、ボイラー室には、2以上の出入口を設けなければならない。

ボイラー室には、2以上の出入口を設けます(第19条)。ただし、ボイラーを取り扱う人が緊急の場合に避難するのに支障がないボイラー室は除かれます。

(5) ⭕ 正しい記述

ボイラー室に燃料の重油を貯蔵するときは、原則として、これをボイラーの外側から2m以上離しておかなければならない。

ボイラー室に燃料を置くときは、ボイラーの外側から2m以上離します(第21条第2項)。石炭などの固体燃料は1.2m以上です。重油は固体燃料ではないので、2m以上になります。「原則として」とあるのは、障壁を設けるなど防火の措置をしたときは除かれるからです。

💡 覚え方

可燃物の覆いは「金属以外の不燃性の材料」。「金属製の材料」と書かれていたら、まず疑いましょう。同じ選択肢は令和5年10月公表でも誤りとして出ています。

以上から、正解は(3)です。

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問33 ボイラー技士でなければ取り扱えないボイラー

令和6年10月公表分野:ボイラー技士でなければ取り扱えないボイラー重要度 ★★
法令上、原則としてボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーは、次のうちどれか。ただし、温水ボイラーは、木質バイオマス温水ボイラーではないものとする。
(1)伝熱面積が15m²の温水ボイラー
(2)胴の内径が750mmで、その長さが1300mmの蒸気ボイラー
(3)伝熱面積が30m²の気水分離器を有しない貫流ボイラー
(4)伝熱面積が3m²の蒸気ボイラー
(5)内径が400mmで、かつ、その内容積が0.2m³の気水分離器を有する伝熱面積が25m²の貫流ボイラー
答え・解説を見る
正解

(1)
伝熱面積が15m²の温水ボイラー

この問題は何を聞いている?

ボイラー技士の免許がないと取り扱えないボイラーはどれかを問う問題です。技能講習の修了者でも扱える小規模なボイラーの範囲を超えるものを探します。

ボイラー取扱技能講習とは?

小規模なボイラーを取り扱えるようになるための講習。

💡 なぜ? ボイラー(小型ボイラーを除く)の取扱いは、原則としてボイラー技士の仕事です(ボイラー則第23条第1項)。ただし小規模なボイラーに限り、この講習の修了者も就くことができます(同条第2項)。

技能講習の修了者も扱えるボイラー(施行令第20条第5号イ〜ニ)
イ 胴の内径が750mm以下で、かつ長さが1,300mm以下の蒸気ボイラー
ロ 伝熱面積が3m²以下の蒸気ボイラー
ハ 伝熱面積が14m²以下の温水ボイラー
ニ 伝熱面積が30m²以下の貫流ボイラー(気水分離器があるものは、内径400mm以下・内容積0.4m³以下に限る)

🤔 ただし書の「木質バイオマス温水ボイラーではない」は、なぜ付いているのですか。

木質バイオマス温水ボイラーは、木や竹に由来する燃料を使う温水ボイラーです(施行令第1条第3号ニ)。このボイラーは、法令上のボイラーから除かれる範囲が、ほかの温水ボイラーより広く決められています。例えば圧力0.1MPa以下なら、伝熱面積16m²以下まで除かれます(ほかの温水ボイラーは4m²以下)。ただし書があるので、この問題ではその特例を考えなくてよいのです。

この表に当てはまらないものが、ボイラー技士でなければ取り扱えないボイラーです。「以下」はその数字ちょうどをふくむ点に注意して、1つずつ当てはめます。

(1) ⭕ ボイラー技士が必要

伝熱面積が15m²の温水ボイラー

温水ボイラーは14m²以下までが表の範囲です。15m²は14m²を超えるので、表に当てはまりません。ボイラー技士でなければ取り扱えないボイラーです。

(2) ❌ 技能講習の修了者も扱える

胴の内径が750mmで、その長さが1300mmの蒸気ボイラー

胴の内径750mm・長さ1,300mmは、どちらも「以下」にちょうど入ります。表のイに当たるので、技能講習の修了者も扱えるのです。

(3) ❌ 技能講習の修了者も扱える

伝熱面積が30m²の気水分離器を有しない貫流ボイラー

貫流ボイラーは、水が管の入口から出口まで一方通行で流れるボイラーです。30m²は「30m²以下」にちょうど入ります。気水分離器(蒸気と水を分ける装置)がないので、その大きさの条件も関係しません。

(4) ❌ 技能講習の修了者も扱える

伝熱面積が3m²の蒸気ボイラー

蒸気ボイラーの3m²は、「3m²以下」にちょうど入ります。表のロに当たるボイラーです。

(5) ❌ 技能講習の修了者も扱える

内径が400mmで、かつ、その内容積が0.2m³の気水分離器を有する伝熱面積が25m²の貫流ボイラー

伝熱面積25m²は、30m²以下です。気水分離器も、内径400mmは400mm以下、内容積0.2m³は0.4m³以下に入ります。表のニの条件を全部満たしているので、技能講習の修了者も扱えるのです。

💡 覚え方

「蒸気3・温水14・貫流30」と、数字が小さい順に蒸気→温水→貫流で並べて覚えましょう。選択肢はちょうどの数字が多いので、「以下=ちょうどは入る」と確かめるのがコツです。

表の範囲を超えるのは15m²の温水ボイラーだけなので、正解は(1)です。

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問34 附属品の管理(ボイラー則第28条)

令和6年10月公表分野:附属品の管理(ボイラー則第28条)重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品の管理のため行わなければならない事項として、その内容が法令に定められていないものは次のうちどれか。
(1)圧力計の目もりには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。
(2)蒸気ボイラーの安全低水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。
(3)水高計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が80℃以上の温度にならない措置を講ずること。
(4)燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護すること。
(5)逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。
答え・解説を見る
正解

(2)
蒸気ボイラーの安全低水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。

この問題は何を聞いている?

ボイラーに付いている附属品(圧力計・水面計など)の管理の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。

附属品の管理は、ボイラー則第28条に8つの事項として並んでいます。この問題は、条文の一語だけを入れ替えた選択肢を見抜けるかがポイントです。

(1) ⭕ 正しい記述

圧力計の目もりには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。

圧力計の目もりには、最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をします(第28条第1項第5号)。最高使用圧力は、そのボイラーで使ってよい最高の圧力のことです。

(2) ❌ 誤りの記述

蒸気ボイラーの安全低水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。

表示するのは常用水位です(第28条第1項第6号)。条文は、常用水位を現在水位と比べられるように表示する、と定めています。「常用水位」が「安全低水位」に入れ替えられている点が誤りです。

(3) ⭕ 正しい記述

水高計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が80℃以上の温度にならない措置を講ずること。

水高計は、温水ボイラーの圧力を見る計器です。圧力計と水高計は、振動を受けないようにします(第28条第1項第4号)。あわせて、内部が凍結し、または80℃以上にならない措置をとる決まりです。

(4) ⭕ 正しい記述

燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護すること。

燃焼ガス(燃えたあとの熱いガス)に触れる3つの管の決まりです。給水管・吹出管・水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護します(第28条第1項第7号)。

(5) ⭕ 正しい記述

逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。

逃がし管は、温水ボイラーと膨張タンクをつなぎ、温まってふくらんだ水を逃がす管です。この管は、凍結しないように保温などの措置をとります(第28条第1項第3号)。

よく入れ替えられる言葉 条文の正しい言葉
安全低水位・最高水位・最低水位 常用水位
常用圧力(目もりの表示) 最高使用圧力
不燃性材料で保温 耐熱材料で防護

💡 覚え方

水位の表示は「常用水位」、目もりの表示は「最高使用圧力」。水位はいつもの位置と今の位置を見比べる、圧力は上限に印を付ける、と対にして覚えましょう。

以上から、正解は(2)です。

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問35 定期自主検査(間隔と項目)

令和6年10月公表分野:定期自主検査(間隔と項目)重要度 ★★
次の文中の 内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。
「ボイラー(小型ボイラーを除く。)について、その使用を開始した後、A以内ごとに1回、定期に、ボイラー本体、燃焼装置、B、Cについて自主検査を行わなければならない。」
A B C
(1) 1か月 自動制御装置 排水処理装置
(2) 1か月 自動制御装置 附属装置及び附属品
(3) 1か月 水処理装置 排水処理装置
(4) 6か月 自動制御装置 排水処理装置
(5) 6か月 水処理装置 附属装置及び附属品
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正解

(2)
1か月 / 自動制御装置 / 附属装置及び附属品

この問題は何を聞いている?

ボイラーの定期自主検査について、条文の空欄を埋める問題です。検査の間隔と、検査する項目の名前が問われています。

定期自主検査とは?

事業者が、ボイラーを使い始めたあと定期に行う検査(ボイラー則第32条)。

💡 なぜ? 役所や検査機関の検査ではなく、事業者が自分で行うので「自主」検査と呼びます。

項目(第32条) 点検するもの
ボイラー本体 損傷の有無
燃焼装置 バーナ・ストレーナ・バーナタイルと炉壁・煙道など
自動制御装置 火炎検出装置・燃料しゃ断装置・水位調節装置・電気配線など
附属装置及び附属品 給水装置・蒸気管と弁・空気予熱器・水処理装置

空欄A = 1か月

条文は「その使用を開始した後、1月以内ごとに1回、定期に」です。6か月ではなく1か月なので、(4)と(5)は外れます。

空欄B = 自動制御装置

検査の項目は、ボイラー本体・燃焼装置・自動制御装置・附属装置及び附属品の4つです。燃焼装置の次に来るのは自動制御装置です。水処理装置は項目の名前ではなく、「附属装置及び附属品」の中で点検するものの1つです。

空欄C = 附属装置及び附属品

4つ目の項目は附属装置及び附属品です。排水処理装置は、4つの項目に入っていません。表にある水処理装置とは別の言葉なので、見まちがえないようにしましょう。

1か月を超えて使わないボイラーは、その使わない期間の検査は不要です。検査の結果は、記録して3年間保存する決まりです。

💡 覚え方

「1か月ごと・4項目・3年保存」。4項目は本体・燃焼・自動制御・附属の順です。「排水処理」は条文に出てこない言葉なので、見たら外しましょう。

A=1か月、B=自動制御装置、C=附属装置及び附属品なので、正解は(2)です。

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問36 ボイラーの検査と検査証

令和6年10月公表分野:ボイラーの検査と検査証重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の検査及び検査証について、その内容が法令に定められていないものは次のうちどれか。
(1)所轄労働基準監督署長は、落成検査に合格したボイラー又は落成検査の必要がないと認めたボイラーについて、ボイラー検査証を交付する。
(2)ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、性能検査を受けなければならない。
(3)ボイラー検査証の有効期間は、原則として1年であるが、性能検査の結果により、1年未満又は1年を超え2年以内の期間を定めて更新することができる。
(4)ボイラーの過熱器に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。
(5)ボイラーを輸入した者は、原則として構造検査を受けなければならない。
答え・解説を見る
正解

(5)
ボイラーを輸入した者は、原則として構造検査を受けなければならない。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの検査の名前と、ボイラー検査証の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。

ボイラー検査証とは?

落成検査に合格したボイラーなどに、所轄労働基準監督署長が交付する証明書(ボイラー則第15条)。

💡 なぜ? 有効期間があり、原則は1年です。期限が来る前に性能検査を受けて更新します。

(1) ⭕ 正しい記述

所轄労働基準監督署長は、落成検査に合格したボイラー又は落成検査の必要がないと認めたボイラーについて、ボイラー検査証を交付する。

落成検査は、ボイラーを据えたあとに受ける検査です。合格したボイラーには、所轄労働基準監督署長がボイラー検査証を交付します(第15条第1項)。署長が落成検査の必要がないと認めたボイラーも、交付の対象です。

(2) ⭕ 正しい記述

ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、性能検査を受けなければならない。

検査証の有効期間を更新するには、性能検査を受けます(第38条第1項)。

(3) ⭕ 正しい記述

ボイラー検査証の有効期間は、原則として1年であるが、性能検査の結果により、1年未満又は1年を超え2年以内の期間を定めて更新することができる。

検査証の有効期間は1年です(第37条第1項)。ただし性能検査の結果によって、1年未満または1年を超え2年以内の期間を定めて更新できます(第38条第2項)。

(4) ⭕ 正しい記述

ボイラーの過熱器に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。

過熱器は、できた蒸気をさらに熱する設備です。過熱器と節炭器(エコノマイザ)は附属設備と呼ばれ、変更届の対象になっています(第41条第2号)。変更を加えた者は変更検査を受けます。署長が検査の必要がないと認めたボイラーは除かれます(第42条第1項)。

(5) ❌ 誤りの記述

ボイラーを輸入した者は、原則として構造検査を受けなければならない。

輸入した者が受けるのは使用検査です(第12条第1項第1号)。構造検査は、ボイラーを製造した者が受ける検査です(第5条)。「使用検査」が「構造検査」に入れ替えられている点が誤りです。

検査 受ける場面
構造検査 ボイラーを製造した
使用検査 輸入した/構造検査の後1年以上設置されなかった/廃止したものを再び設置・使用する
使用再開検査 休止したボイラーを再び使用する

💡 覚え方

輸入・長く未設置・廃止は、どれも使用検査。国内でつくったときだけが構造検査です。「輸入=構造検査」の選択肢は令和6年4月公表でも誤りとして出ています。

以上から、正解は(5)です。

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問37 変更検査を受けなければならない場合

令和6年10月公表分野:変更検査を受けなければならない場合重要度 ★★★
法令上、ボイラー(小型ボイラーを除く。)の変更検査を受けなければならない場合は、次のうちどれか。ただし、所轄労働基準監督署長が当該検査の必要がないと認めたボイラーではないものとする。
(1)ボイラーの給水装置に変更を加えたとき。
(2)ボイラーの空気予熱器に変更を加えたとき。
(3)ボイラーの燃焼装置に変更を加えたとき。
(4)使用を廃止したボイラーを再び設置しようとするとき。
(5)構造検査を受けた後、1年以上設置されなかったボイラーを設置しようとするとき。
答え・解説を見る
正解

(3)
ボイラーの燃焼装置に変更を加えたとき。

この問題は何を聞いている?

変更検査を受けなければならないのは、どの場面かを問う問題です。変更検査の対象になる部分・設備と、別の検査を受ける場面を見分けます。

変更検査とは?

ボイラーの決められた部分や設備に変更を加えたときに受ける、所轄労働基準監督署長の検査(ボイラー則第42条)。

💡 なぜ? 対象は、変更届を出す部分・設備と同じで、第41条の4つの号に並んでいます。

変更届・変更検査の対象(第41条) 具体的には
本体の主要部分(第1号) 胴・ドーム・炉筒・火室・鏡板・天井板・管板・管寄せ・ステー
附属設備(第2号) 過熱器・節炭器(エコノマイザ)
燃焼装置(第3号) バーナなど
据付基礎(第4号) ボイラーを据える土台

(1) ❌ 変更検査の場合ではない

ボイラーの給水装置に変更を加えたとき。

給水装置は、第41条の4つの号のどれにも入っていません。変更を加えても、変更検査の対象ではないのです。

(2) ❌ 変更検査の場合ではない

ボイラーの空気予熱器に変更を加えたとき。

ボイラー則でいう附属設備は、過熱器と節炭器に限ると決められています(第7条)。空気予熱器(燃焼に使う空気を温める装置)は、その中に入っていません。

(3) ⭕ 変更検査を受ける

ボイラーの燃焼装置に変更を加えたとき。

燃焼装置は、第41条第3号にそのまま挙げられています。変更を加えた者は、変更検査を受けなければなりません(第42条第1項)。

(4) ❌ 変更検査の場合ではない

使用を廃止したボイラーを再び設置しようとするとき。

使用を廃止したボイラーを再び設置するときに受けるのは、使用検査です(第12条第1項第3号)。変更検査とは別の検査なので、答えになりません。

(5) ❌ 変更検査の場合ではない

構造検査を受けた後、1年以上設置されなかったボイラーを設置しようとするとき。

構造検査のあと1年以上設置されなかったボイラーを据えるときも、使用検査です(第12条第1項第2号)。これも変更検査の場面ではありません。

💡 覚え方

「本体の骨組み・過熱器と節炭器・燃焼装置・土台」の4つが変更検査の対象です。給水装置と空気予熱器は対象外、廃止と1年以上未設置は使用検査と、2つに分けて外しましょう。

変更検査を受けなければならないのは燃焼装置を変更したときなので、正解は(3)です。

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問38 温水ボイラーの逃がし弁・安全弁

令和6年10月公表分野:温水ボイラーの逃がし弁・安全弁重要度 ★★
次の文中の 内に入れるAからCまでの数値又は語句の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。
「水の温度がA℃を超えるB温水ボイラー(小型ボイラーを除く。)には、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができるCを備えなければならない。」
A B C
(1) 100 鋳鉄製 返り管
(2) 100 鋼製 安全弁
(3) 120 鋳鉄製 返り管
(4) 120 鋼製 安全弁
(5) 130 鋳鉄製 返り管
答え・解説を見る
正解

(4)
120 / 鋼製 / 安全弁

この問題は何を聞いている?

温水ボイラーに、圧力の上がりすぎを防ぐ何を備えるかを問う空欄補充です。水の温度の数字と、備えるものの名前が問われています。

ボイラー構造規格とは?

ボイラーの材料・構造・附属品の基準を定めた、厚生労働省の告示。

💡 なぜ? 第1編が鋼製ボイラー、第2編が鋳鉄製ボイラーの決まりです。試験では「法令」としてボイラー則と一緒に出題されます。

水の温度 備えるもの(構造規格第65条)
120℃以下 逃がし弁。容易に検査できる位置に逃がし管を備えれば不要
120℃を超える 安全弁

空欄A = 120

分かれ目の温度は120℃です(構造規格第65条)。100℃や130℃ではないので、(1)(2)(5)は外れます。

空欄B = 鋼製

第65条は、構造規格の第1編「鋼製ボイラー」に置かれた条文です。一方、温水温度が120℃を超える温水ボイラーは、鋳鉄製としてはならないと定められています(構造規格第88条第3号)。120℃を超える温水ボイラーの話なので、空欄Bは鋼製です。

空欄C = 安全弁

条文は「内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない」です(第65条第2項)。返り管は、使い終わった水がボイラーへ戻ってくる管です。圧力を保つための装置ではありません。

💡 覚え方

温水ボイラーは120℃が分かれ目。以下なら逃がし弁(逃がし管)、超えたら安全弁です。120℃を超えるものは鋳鉄製にできないので、「120℃を超える」ときたら鋼製、とつなげて覚えましょう。

A=120、B=鋼製、C=安全弁なので、正解は(4)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第21回 附属品の規格

問39 圧力計の目盛りの範囲

令和6年10月公表分野:圧力計の目盛りの範囲重要度 ★★
次の文中の 内に入れるAからCまでの語句又は数値の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。
「鋼製蒸気ボイラー(小型ボイラーを除く。)の圧力計の目盛盤の最大指度は、AのB倍以上C倍以下の圧力を示す指度としなければならない。」
A B C
(1) 最高使用圧力 1.2 2
(2) 最高使用圧力 1.2 3
(3) 最高使用圧力 1.5 3
(4) 常用圧力 1.2 2
(5) 常用圧力 1.5 3
答え・解説を見る
正解

(3)
最高使用圧力 / 1.5 / 3

この問題は何を聞いている?

蒸気ボイラーに付ける圧力計の目盛りの大きさを問う空欄補充です。基準にする圧力の名前と、2つの倍率が問われています。

最高使用圧力とは?

そのボイラーの構造上、使うことができる最高の圧力のこと。圧力計の目盛りは、この圧力をもとに決められています。

もとの条文はボイラー構造規格第66条です。圧力計は、最大指示値が最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下の圧力であるものに限る、と定めています。問題文の「目盛盤の最大指度」は、この最大指示値のことです。

空欄A = 最高使用圧力

基準にするのは最高使用圧力です。常用圧力ではないので、(4)と(5)は外れます。

空欄B = 1.5

下の倍率は1.5倍以上です。1.2倍ではないので、(1)と(2)も外れます。

空欄C = 3

上の倍率は3倍以下です。2倍ではありません。

💡 覚え方

圧力計の話は、全部「最高使用圧力」が基準です。目盛りは最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下。「常用圧力」や「1.2倍・2倍」が出てきたら、入れ替えられた言葉だと判断できます。

A=最高使用圧力、B=1.5、C=3なので、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第21回 附属品の規格

問40 鋼製ボイラーの給水装置・自動給水調整装置

令和6年10月公表分野:鋼製ボイラーの給水装置・自動給水調整装置重要度 ★
鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く。)の給水装置等について、その内容が法令に定められていないものは次のうちどれか。
(1)蒸気ボイラーには、最大蒸発量以上を給水することができる給水装置を備えなければならない。
(2)近接した2以上の蒸気ボイラーを結合して使用する場合には、当該結合して使用する蒸気ボイラーを1の蒸気ボイラーとみなして、要件を満たす給水装置を備えなければならない。
(3)自動給水調整装置は、2基の蒸気ボイラーに共通のものとすることができる。
(4)貫流ボイラーの給水装置の給水管には、給水弁のみを取り付け、逆止め弁を取り付けないことができる。
(5)給水内管は、取外しができる構造のものでなければならない。
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正解

(3)
自動給水調整装置は、2基の蒸気ボイラーに共通のものとすることができる。

この問題は何を聞いている?

ボイラーに水を送る給水装置と、そのまわりの部品の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。もとの決まりはボイラー構造規格です。

自動給水調整装置とは?

ボイラーへの給水を、自動で調整する装置のこと。構造規格第84条に決まりがあります。

(1) ⭕ 正しい記述

蒸気ボイラーには、最大蒸発量以上を給水することができる給水装置を備えなければならない。

条文のとおりです(構造規格第73条第1項)。蒸気ボイラーには、最大蒸発量以上を給水できる給水装置を備えます。

(2) ⭕ 正しい記述

近接した2以上の蒸気ボイラーを結合して使用する場合には、当該結合して使用する蒸気ボイラーを1の蒸気ボイラーとみなして、要件を満たす給水装置を備えなければならない。

条文のとおりです(構造規格第74条)。近接した2以上の蒸気ボイラーを結合して使うときは、まとめて1つの蒸気ボイラーとみなします。そのうえで、給水装置の決まり(第73条)を当てはめるのです。

(3) ❌ 誤りの記述

自動給水調整装置は、2基の蒸気ボイラーに共通のものとすることができる。

自動給水調整装置は、蒸気ボイラーごとに設けなければなりません(構造規格第84条第1項)。2基に共通のものにはできないのです。「ボイラーごとに設ける」が「共通のものとすることができる」に変えられている点が誤りです。

(4) ⭕ 正しい記述

貫流ボイラーの給水装置の給水管には、給水弁のみを取り付け、逆止め弁を取り付けないことができる。

給水管には、給水弁と逆止め弁(水の逆流を防ぐ弁)を取り付けるのが原則です(構造規格第75条)。ただし貫流ボイラーと、最高使用圧力0.1MPa未満の蒸気ボイラーは、給水弁のみとすることができます。貫流ボイラーは、水が管の入口から出口まで一方通行で流れるボイラーです。

(5) ⭕ 正しい記述

給水内管は、取外しができる構造のものでなければならない。

条文のとおりです(構造規格第76条)。給水内管は、取外しができる構造でなければなりません。

💡 覚え方

給水装置は「まとめて1つとみなす」、自動給水調整装置は「ボイラーごと」。結合して使うときにまとめてよいものと1基ずつ必要なものを、対にして覚えましょう。

以上から、正解は(3)です。

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令和6年10月公表「関係法令」のまとめ

まとめ

・伝熱面積に入らないのは蒸気ドラム・エコノマイザ・過熱器。水管・煙管・炉筒・管寄せは算入する

・0.15m以内の可燃物は金属以外の不燃性の材料で被覆。上は1.2m以上、燃料は2m以上(固体は1.2m以上)

・技能講習の修了者も扱えるのは蒸気3m²・温水14m²・貫流30m²以下など。超えたらボイラー技士

・附属品の管理=水位の表示は常用水位、目もりの表示は最高使用圧力

・定期自主検査は1か月以内ごと。項目は本体・燃焼装置・自動制御装置・附属装置及び附属品

・輸入したボイラーは使用検査。変更検査の対象は本体の主要部分・過熱器と節炭器・燃焼装置・据付基礎

・120℃を超える鋼製温水ボイラーには安全弁。圧力計は最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下。自動給水調整装置はボイラーごと