二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和7年4月公表分の「ボイラーの取扱い」(問11〜問20)です。

専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和7年4月公表)

問11 点火前の点検・準備(水位・水位検出器・験水コック)

令和7年4月公表分野:点火前の点検・準備(水位・水位検出器・験水コック)重要度 ★★
ボイラーの点火前に行う点検・準備に関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A ボイラー水位は、水面計で常用水位を確認し、水位が高いときは吹出しにより水位調整する。
B 水位検出器は、水位を上下させて機能に問題がないか確認し、設定された水位の上限で正確に給水ポンプが起動することを確認する。
C 水部に験水コックがあるボイラーは、その験水コックから水が噴き出さないことを確認する。
D 煙道の各ダンパは全開にした上で、プレパージする。
(1)A,B,D
(2)A,C
(3)A,C,D
(4)A,D
(5)B,D
答え・解説を見る
正解

(4)
A,D

この問題は何を聞いている?

ボイラーに火を入れる前の点検と準備を問う問題です。AからDのうち、適切なものを全部選びます。

プレパージとは?

点火する前にファンを回して、炉と煙道の中の空気を入れかえること。炉は火を燃やす部屋、煙道は燃えたあとのガスの通り道です。

💡 なぜ? 炉の中に前の運転で残った燃料のガスがたまっていると、点火した瞬間に爆発するおそれがあるからです。

点火前には、水位・計器・換気を確かめます。どれも、空だき(水がないまま燃やすこと)や爆発を防ぐための確認です。

A ⭕ 正しい記述

ボイラー水位は、水面計で常用水位を確認し、水位が高いときは吹出しにより水位調整する。

水面計は、ボイラーの水位を外から見るための計器です。常用水位は、ふだんの運転で保つ水位のこと。水位が低ければ給水し、高ければ吹出し(水を外へ出す操作)で合わせるので、正しい記述です。

B ❌ 誤りの記述

水位検出器は、水位を上下させて機能に問題がないか確認し、設定された水位の上限で正確に給水ポンプが起動することを確認する。

水位検出器は、水位を自動で感じ取る装置です。水位を上下させて試すところまでは合っています。しかし給水ポンプが起動するのは、設定された水位の下限です。「下限」が「上限」に入れ替えられている点が誤りです。

C ❌ 誤りの記述

水部に験水コックがあるボイラーは、その験水コックから水が噴き出さないことを確認する。

験水コックは、水位を確かめるための小さなコック(栓)です。水部(水がある高さ)のコックを開けて、水が噴き出すことを確認します。水が出れば、その高さまで確かに水がある証拠になるからです。「噴き出さないこと」としている点が誤りです。

D ⭕ 正しい記述

煙道の各ダンパは全開にした上で、プレパージする。

ダンパは、ガスの通り道の開き具合を変える板です。煙道の各ダンパを全開にし、ファンを運転して炉と煙道を換気します。これがプレパージなので、正しい記述です。

点火前の点検・準備のながれ

①水位を確かめる(低ければ給水、高ければ吹出し)

②水位検出器を、水位を上下させて試す(下限で給水ポンプが起動)

③圧力計の針が0に戻っているか確かめる

④ダンパを全開にして、プレパージする

💡 覚え方

水が減ったら(下限)、水を入れる(ポンプが起動)。当たり前の動きを思い浮かべれば、「上限で起動」は誤りだと分かります。験水コックは、水が出てくれば合格です。

適切なものはAとDなので、正解は(4)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第9回 点火と運転開始

問12 蒸気圧力上昇時の取扱い(空気抜き弁・たき始めの燃焼量)

令和7年4月公表分野:蒸気圧力上昇時の取扱い(空気抜き弁・たき始めの燃焼量)重要度 ★★★
ボイラーの蒸気圧力上昇時の取扱いに関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A ボイラーのたき始めは、ボイラー水の膨張により水位が上昇するが、2個の水面計の水位が同じであることを確認して水位の動き具合を監視する。
B 空気抜き弁は圧力が上がり始めで開き、空気を放出させる。
C 整備直後のボイラーは、全体が冷めているので、たき始めは、通常より燃焼量を増した状態で安定的に稼働するか確認する。
D 圧力計の機能に疑いがあるときは、圧力計の下部コックを閉めれば加圧状態でも圧力計と取り替えることができるので予備の圧力計と交換する。
(1)A,B,C
(2)A,C
(3)A,D
(4)B,C
(5)B,C,D
答え・解説を見る
正解

(3)
A,D

この問題は何を聞いている?

火をつけてから蒸気の圧力が上がるまでの扱い方を問う問題です。AからDのうち、適切なものを全部選びます。

空気抜き弁とは?

ボイラーの中の空気を外へ逃がすための弁。

💡 なぜ? 空気は熱を伝えにくい気体です。蒸気に混じったまま送り出すと、蒸気を使う側で熱がうまく伝わらない原因になります。

A ⭕ 正しい記述

ボイラーのたき始めは、ボイラー水の膨張により水位が上昇するが、2個の水面計の水位が同じであることを確認して水位の動き具合を監視する。

水は温まると体積が増えるので、たき始めは水位が上がるのです。このとき、2個の水面計(水位を外から見る計器)の水位が同じかを確かめます。そのうえで水位の動きを見るので、正しい記述です。

B ❌ 誤りの記述

空気抜き弁は圧力が上がり始めで開き、空気を放出させる。

空気抜き弁は、たき始めから開けておくのが正解です。「圧力が上がり始めで開き」としている点が誤りです。蒸気が出始めて白い蒸気が出てきたら、空気が追い出された合図。それを確認してから閉じます。

C ❌ 誤りの記述

整備直後のボイラーは、全体が冷めているので、たき始めは、通常より燃焼量を増した状態で安定的に稼働するか確認する。

冷えているときこそ、ゆっくり温めるのが正解です。点火後は、本体に大きな温度差を生じさせないよう、時間をかけて徐々に圧力を上げます。「通常より燃焼量を増した状態で」としている点が誤りです。

D ⭕ 正しい記述

圧力計の機能に疑いがあるときは、圧力計の下部コックを閉めれば加圧状態でも圧力計と取り替えることができるので予備の圧力計と交換する。

圧力計がおかしいと思ったら、予備の圧力計と交換します。圧力計の下部のコック(栓)を閉めれば、圧力がかかったままでも取り替えられるのです。

場面 正しい取扱い
たき始めの水位 水が膨張して上がる。2個の水面計が同じか確かめる
空気抜き弁 最初から開けておき、白い蒸気を確認して閉じる
圧力の上げ方 大きな温度差が出ないよう、時間をかけて徐々に
圧力計に疑いがあるとき 下部コックを閉めて、予備と交換する

💡 覚え方

たき始めの合言葉は「ゆっくり」です。冷えたボイラーを急に強くたく記述は、誤りだと判断できます。空気抜き弁は「最初から開、白い蒸気で閉」と覚えましょう。

適切なものはAとDなので、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第9回 点火と運転開始

問13 油だきボイラーの燃焼の調節(炎の色と空気量)

令和7年4月公表分野:油だきボイラーの燃焼の調節(炎の色と空気量)重要度 ★★
油だきボイラーの燃焼の維持及び調節などについて、適切でないものは次のうちどれか。
(1)燃焼時に火炎の流れの方向を監視し、ボイラー本体及びれんが壁に火炎が触れないようにする。
(2)蒸気圧力又は温水温度を一定に保つように、負荷の変動に応じて燃焼量を増減する。
(3)燃焼量を減らすときは、燃料供給量を先に減らしてから燃焼用空気量を減らす。
(4)燃焼用空気量の過不足は、計測して得た燃焼ガス中のCO₂、CO又はO₂の濃度により判断する。
(5)燃焼用空気量が適量である場合には、炎は短い輝白色となる。
答え・解説を見る
正解

(5)
燃焼用空気量が適量である場合には、炎は短い輝白色となる。

この問題は何を聞いている?

火がついたあとの燃焼の保ち方・調節のしかたを問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

(1) ⭕ 正しい記述

燃焼時に火炎の流れの方向を監視し、ボイラー本体及びれんが壁に火炎が触れないようにする。

燃焼中は、炎の流れの向きを見ておきます。炎が直接当たると、れんがや本体の一部だけが高温になって傷むからです。

(2) ⭕ 正しい記述

蒸気圧力又は温水温度を一定に保つように、負荷の変動に応じて燃焼量を増減する。

負荷とは、蒸気の使用量のことです。負荷の変化に合わせて燃焼量を増減し、蒸気圧力や温水温度を一定に保ちます。

(3) ⭕ 正しい記述

燃焼量を減らすときは、燃料供給量を先に減らしてから燃焼用空気量を減らす。

燃焼量を減らすときは、燃料を先に減らし、そのあと空気を減らします。燃料に対して空気が足りない時間をつくらないための順番です。反対に増やすときは、空気を先に増やします。

(4) ⭕ 正しい記述

燃焼用空気量の過不足は、計測して得た燃焼ガス中のCO₂、CO又はO₂の濃度により判断する。

空気が足りないと、燃料が燃え切らずにCO(一酸化炭素)が増えます。空気が多すぎると、使われなかった酸素が残ってO₂が増え、CO₂の割合は下がるのです。だから燃焼ガスの成分を測れば、空気の過不足を判断できます。

(5) ❌ 誤りの記述

燃焼用空気量が適量である場合には、炎は短い輝白色となる。

空気が適量のときの炎は、オレンジ色です。短い輝白色(かがやくような白)になるのは、空気が多すぎるときです。「多すぎるとき」の炎が「適量」の炎として書かれている点が誤りです。

空気の量 炎の様子
適量 オレンジ色で、炉の中の見通しがきく
少なすぎる 炎が長く、色が暗く、すすが出やすい
多すぎる 炎が短く、輝白色になる

💡 覚え方

空気が足りない炎は長い、多すぎる炎は短く白い、ちょうどよい炎はオレンジ色。空気の順番は「先に増やして、後に減らす」とセットで押さえましょう。

以上から、正解は(5)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第9回 点火と運転開始

問14 ボイラーの緊急停止の操作順序

令和7年4月公表分野:ボイラーの緊急停止の操作順序重要度 ★★
ボイラーの使用中に突然、異常事態が発生して、ボイラーを緊急停止しなければならないときの一般的な操作順序として、最も適切なものは(1)~(5)のうちどれか。ただし、A~Dは、それぞれ次の操作をいうものとする。
A 主蒸気弁を閉じる。
B 燃料の供給を停止する。
C 炉内及び煙道の換気を行う。
D 給水を行う必要があるときは給水を行い、必要な水位を維持する。
(1)A→B→C→D
(2)A→B→D→C
(3)B→C→A→D
(4)B→D→A→C
(5)C→D→B→A
答え・解説を見る
正解

(3)
B→C→A→D

この問題は何を聞いている?

運転中に突然の異常が起きて、ボイラーを緊急に止めるときの順番を問う問題です。A〜Dの4つの操作を正しい順に並べたものを選びます。

主蒸気弁とは?

ボイラーでできた蒸気を、使う場所へ送り出すための弁。閉じると、蒸気の送り出しが止まります。

B ⭕ 1番目の操作

燃料の供給を停止する。

最初に行うのは、燃料の供給を止めることです。まず火を止めるのが出発点になります。

C ⭕ 2番目の操作

炉内及び煙道の換気を行う。

次に、炉と煙道を換気します。炉は火を燃やす部屋、煙道は燃えたあとのガスの通り道です。中に残ったガスを外へ出す操作です。

A ⭕ 3番目の操作

主蒸気弁を閉じる。

3番目に主蒸気弁を閉じます。蒸気を送るのをやめる操作です。

D ⭕ 4番目の操作

給水を行う必要があるときは給水を行い、必要な水位を維持する。

最後は水位です。給水が必要なときは給水を行います。そうして必要な水位を保つのです。

緊急停止の操作順序

①B:燃料の供給を止める(まず火を止める)

②C:炉と煙道を換気する(残ったガスを出す)

③A:主蒸気弁を閉じる(蒸気を送るのをやめる)

④D:必要なら給水して、必要な水位を保つ

選択肢を見ると、Bから始まるのは(3)と(4)だけです。そのうち、2番目がC(換気)になっているのは(3)です。

💡 覚え方

「火を消す→煙を出す→蒸気を止める→水を守る」。危険の大きいものから順に止めていく、と考えると並べられます。

順番はB→C→A→Dなので、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第10回 運転中の管理と異常時の対応

問15 ばね安全弁に蒸気漏れが生じたときの措置

令和7年4月公表分野:ばね安全弁に蒸気漏れが生じたときの措置重要度 ★★★
ボイラーのばね安全弁に蒸気漏れが生じた場合の措置として、適切でないものは次のうちどれか。
(1)試験用レバーを動かして、弁の当たりを変えてみる。
(2)調整ボルトにより、ばねを強く締め付ける。
(3)弁体と弁座の間に、ごみなどの異物が付着していないか調べる。
(4)弁体と弁座の中心がずれていないか調べる。
(5)ばねが腐食していないか調べる。
答え・解説を見る
正解

(2)
調整ボルトにより、ばねを強く締め付ける。

この問題は何を聞いている?

閉じているはずの安全弁から蒸気が漏れたときに、どうするかを問う問題です。措置として適切でないものを1つ選びます。

ばね安全弁とは?

ばねの力で、弁体(ふた)を弁座(受け口)に押しつけている安全弁。圧力が上がりすぎると開いて、蒸気を逃がします。

💡 なぜ? 開き始める圧力(吹出し圧力)は、調整ボルトでばねの押す力を変えて合わせるしくみです。

蒸気が漏れる原因は、弁体と弁座がきちんと当たっていないことです。だから措置は、当たりを悪くしている原因を探す内容になっています。

(1) ⭕ 正しい記述

試験用レバーを動かして、弁の当たりを変えてみる。

試験用レバーは、安全弁を手で開いてみるためのレバーです。これを動かして、弁の当たり(弁体と弁座の当たり具合)を変えてみます。

(2) ❌ 誤りの記述

調整ボルトにより、ばねを強く締め付ける。

ばねを締めて漏れを止めるのは、誤った措置です。締めると吹出し圧力が上がり、安全弁が決めた圧力で開かなくなるからです。漏れは、原因を見つけて直すのが正解です。

(3) ⭕ 正しい記述

弁体と弁座の間に、ごみなどの異物が付着していないか調べる。

弁体と弁座の間にごみなどの異物が付いていると、蒸気漏れの原因になります。そこで、異物がないかを調べるのです。

(4) ⭕ 正しい記述

弁体と弁座の中心がずれていないか調べる。

弁体と弁座の中心がずれると、当たる力が不均一になります。これも蒸気漏れの原因なので、ずれていないかを調べるのです。

(5) ⭕ 正しい記述

ばねが腐食していないか調べる。

ばねが腐食すると、弁体を押し下げる力が弱くなります。これも蒸気漏れの原因の1つなので、ばねを調べるのです。

蒸気漏れの原因 確かめ方・直し方
異物の付着 弁体と弁座の間を調べ、異物を取り除く
すり合わせ不良 弁体と弁座の当たり面を整える
中心のずれ 弁体と弁座の中心を合わせ直す
ばねの腐食 ばねを調べ、弱っていれば交換する

💡 覚え方

ボルトを締める=ばねが強くなる=開きにくくなる。漏れは止まっても、いざというときに開かない安全弁になってしまう、と考えましょう。

以上から、正解は(2)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第13回 附属品の取扱い

問16 ディフューザポンプの取扱い(空気抜きの時期)

令和7年4月公表分野:ディフューザポンプの取扱い(空気抜きの時期)重要度 ★★
ボイラーに給水するディフューザポンプの取扱いについて、適切でないものは次のうちどれか。
(1)メカニカルシール式の軸は、水漏れがないことを確認する。
(2)起動は、吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にした状態で行い、ポンプの回転と水圧が正常になったら吐出し弁を徐々に開き、全開にする。
(3)運転中は、ポンプの吐出し圧力、流量及び負荷電流が適正であることを確認する。
(4)起動後、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を徐々に抜く。
(5)運転を停止するときは、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にしてからポンプ駆動用電動機を止める。
答え・解説を見る
正解

(4)
起動後、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を徐々に抜く。

この問題は何を聞いている?

ボイラーに水を送る給水ポンプ(ディフューザポンプ)の、起動・運転・停止の扱い方を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

吸込み弁と吐出し弁とは?

ポンプの入口側にあるのが吸込み弁、出口側にあるのが吐出し弁。吐出し弁の先が、ボイラーへ向かう配管です。

ディフューザポンプの起動から停止まで

①運転前に、ポンプの中と前後の配管の空気を十分に抜く

②吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にした状態で起動する

③回転と水圧が正常になったら、吐出し弁を徐々に開いて全開にする

④運転中は、吐出し圧力・流量・負荷電流が適正か確かめる

⑤停止するときは、吐出し弁を徐々に閉めて全閉にしてから電動機を止める

(1) ⭕ 正しい記述

メカニカルシール式の軸は、水漏れがないことを確認する。

メカニカルシール式は、ポンプの軸の封じ方の1つです。この方式では、水漏れがないことが正常な状態です。

(2) ⭕ 正しい記述

起動は、吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にした状態で行い、ポンプの回転と水圧が正常になったら吐出し弁を徐々に開き、全開にする。

起動は、吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にして行います。吐出し弁を開いたまま起動すると、いきなり大量の水が流れるのが問題です。すると電動機に過電流(大きすぎる電流)が流れるのです。回転と水圧が正常になってから、吐出し弁を徐々に開きます。

(3) ⭕ 正しい記述

運転中は、ポンプの吐出し圧力、流量及び負荷電流が適正であることを確認する。

運転中は、吐出し圧力・流量・負荷電流(電動機に流れる電流)が適正かを確かめます。負荷電流を見るのは、ポンプに無理がかかっていないかを知るためです。

(4) ❌ 誤りの記述

起動後、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を徐々に抜く。

空気を抜くのは、起動後ではなく運転前です。ポンプの中に空気が残っていると、羽根車が空気をかき回すだけで、水を押し出せません。「運転前」が「起動後」に入れ替えられている点が誤りです。

(5) ⭕ 正しい記述

運転を停止するときは、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にしてからポンプ駆動用電動機を止める。

停止するときは、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にしてから電動機を止めます。吐出し側が開いたままだと、ボイラー側から水が逆流するおそれがあるからです。

軸の封じ方 正常な状態
グランドパッキンシール式 運転中に少量の水が連続して滴下する程度
メカニカルシール式 水漏れがないこと

💡 覚え方

空気抜きは「回す前」。空気が入ったままでは水を送れないので、先に水で満たしておくのです。吐出し弁は「閉じて起動・閉じて停止」とセットで覚えましょう。

以上から、正解は(4)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第13回 附属品の取扱い

問17 水位検出器の点検と整備(電極式・フロート式)

令和7年4月公表分野:水位検出器の点検と整備(電極式・フロート式)重要度 ★★
ボイラーの水位検出器の点検及び整備に関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 電極式では、1日に1回以上、水の純度の低下による電気伝導率の上昇を防ぐため、検出筒内のブローを行う。
B フロート式のスイッチ部の電気抵抗は、水銀スイッチが開のときは無限大となるか、閉のときゼロとなるか調べる。
C 電極式では、1年に1、2回程度行う検出筒の内部清掃の際は、付着物を除去し、電極の曲がりや損傷を補修する。
D フロート式では、1年に1回以上、フロート室を分解して、フロート室内のスラッジやスケールを除去する。
(1)A,B
(2)A,B,C
(3)B,C
(4)B,C,D
(5)C,D
答え・解説を見る
正解

(4)
B,C,D

この問題は何を聞いている?

水位を自動で見張る水位検出器の、点検と整備の内容を問う問題です。AからDのうち、適切なものを全部選びます。

水位検出器とは?

ボイラーの水位を感じ取る装置。浮き(フロート)の上下で知るフロート式と、水に電気が流れる性質を使う電極式があります。

A ❌ 誤りの記述

電極式では、1日に1回以上、水の純度の低下による電気伝導率の上昇を防ぐため、検出筒内のブローを行う。

1日に1回以上ブローする、という回数は合っています。ブローは、中の水を勢いよく外へ出す操作です。誤りは理由の部分で、向きが逆になっています。正しくは、水の純度の上昇による電気伝導率の低下を防ぐためです。

B ⭕ 正しい記述

フロート式のスイッチ部の電気抵抗は、水銀スイッチが開のときは無限大となるか、閉のときゼロとなるか調べる。

フロート式のスイッチ部は、水銀スイッチという部品です。スイッチが開いたときは電気抵抗が無限大、閉じたときはゼロになるかを調べます。確実に入り切りしているかを、電気の通り方で確かめるのです。

C ⭕ 正しい記述

電極式では、1年に1、2回程度行う検出筒の内部清掃の際は、付着物を除去し、電極の曲がりや損傷を補修する。

電極式では、1年に1〜2回程度、検出筒(電極棒が入っている筒)の内部を掃除します。このとき付着物を取り除き、電極の曲がりや損傷を補修するのです。

D ⭕ 正しい記述

フロート式では、1年に1回以上、フロート室を分解して、フロート室内のスラッジやスケールを除去する。

フロート式の整備では、フロート室(浮きが入っている部屋)を分解します。中にたまったスラッジ(泥のような沈殿物)やスケール(湯あか)を取り除くので、正しい記述です。

🤔 電極式は、なぜ毎日ブローするのですか。

検出筒の中の水は、蒸気が冷えて水に戻ることでどんどん純粋になります。純粋な水ほど電気が流れにくいのです。そこでブローをして、中の水をボイラー水と入れ替えるわけです。

方式 1日に1回以上 分解して行う整備
電極式 検出筒内のブロー 検出筒の内部を掃除し、電極の曲がりや損傷を補修
フロート式 フロート室のブロー フロート室を分解し、スラッジやスケールを除去

💡 覚え方

電極式の検出筒の水は、放っておくと「きれいになりすぎて」電気が流れにくくなる。「純度の低下」「伝導率の上昇」と書いてあったら、向きが逆だと気づけます。

適切なものはB・C・Dなので、正解は(4)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第8回 自動制御 / 第13回 附属品の取扱い

問18 休止中の保存法(満水保存法と乾燥保存法)

令和7年4月公表分野:休止中の保存法(満水保存法と乾燥保存法)重要度 ★★
ボイラーの休止中の保存法について、適切でないものは次のうちどれか。
(1)満水保存法は、凍結のおそれがある場合には採用しない。
(2)満水保存法は、休止期間が3か月程度までの場合に採用する。
(3)満水保存法では、月に1回以上、保存水の薬剤の濃度が所定の値であるか測定、管理する。
(4)乾燥保存法では、1か月ごとに吸湿剤を点検し、必要に応じ交換する。
(5)乾燥保存法で使用する吸湿剤には、一般的にシリカゲルや活性アルミナが用いられる。
答え・解説を見る
正解

(4)
乾燥保存法では、1か月ごとに吸湿剤を点検し、必要に応じ交換する。

この問題は何を聞いている?

ボイラーをしばらく使わないときの保存のしかたを問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

満水保存法と乾燥保存法とは?

どちらも、休止中のボイラーの内側がさびないようにする方法。満水保存法は薬剤(保存剤)を入れた水でボイラーを満たし、乾燥保存法は中を乾かして吸湿剤を置きます。

💡 なぜ? さびは水と酸素がそろうと進むからです。水で満たして空気を入れないか、水分そのものをなくすかで、条件を断ち切ります。

(1) ⭕ 正しい記述

満水保存法は、凍結のおそれがある場合には採用しない。

満水保存法は、ボイラーに水を満たしたままにする方法です。凍結のおそれがあるときは、水が凍って破損するので採用しません。

(2) ⭕ 正しい記述

満水保存法は、休止期間が3か月程度までの場合に採用する。

満水保存法の目安は、休止期間が3か月程度以内のときです。それより長く休ませるときは、乾燥保存法を採用します。

(3) ⭕ 正しい記述

満水保存法では、月に1回以上、保存水の薬剤の濃度が所定の値であるか測定、管理する。

満水保存法では、月に1回以上、保存水を調べます。薬剤の濃度が決められた値になっているかを測り、管理するのです。

(4) ❌ 誤りの記述

乾燥保存法では、1か月ごとに吸湿剤を点検し、必要に応じ交換する。

吸湿剤(湿気を吸う薬)を点検する時期が違う記述です。正しくは、密閉してから1〜2週間後に点検します。その結果から、吸湿剤の増減や取替えの時期を決めるのです。「1〜2週間後」が「1か月ごと」に入れ替えられている点が誤りです。

(5) ⭕ 正しい記述

乾燥保存法で使用する吸湿剤には、一般的にシリカゲルや活性アルミナが用いられる。

乾燥保存法の吸湿剤には、一般にシリカゲルや活性アルミナを使います。

比べる点 満水保存法 乾燥保存法
やり方 保存剤を入れた水で満たす 中を乾かし、吸湿剤を置いて密閉する
休止期間の目安 3か月程度以内 それより長いとき
凍結のおそれがあるとき 採用しない 採用できる
管理 月1回以上、薬剤の濃度などを測る 密閉の1〜2週間後に吸湿剤を点検

💡 覚え方

「月1回」は満水保存の水の検査、「1〜2週間後」は乾燥保存の吸湿剤の点検。2つの数字が入れ替えられていないかを、最初に確かめましょう。

以上から、正解は(4)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第11回 運転の停止・保存・清掃

問19 ボイラー水中の不純物(スケールとスラッジ)

令和7年4月公表分野:ボイラー水中の不純物(スケールとスラッジ)重要度 ★★
ボイラー水中の不純物について、適切でないものは次のうちどれか。
(1)不純物の種類には、溶存気体、溶解性蒸発残留物のほか、懸濁物がある。
(2)溶存しているO₂やCO₂は、鋼材の腐食の原因となる。
(3)スラッジは、溶解性蒸発残留物が濃縮されて析出し、管壁などの伝熱面に固着したものである。
(4)懸濁物には、りん酸カルシウムなどの不溶物質、エマルジョン化された鉱物油などがある。
(5)スケールの熱伝導率は、炭素鋼の熱伝導率より低い。
答え・解説を見る
正解

(3)
スラッジは、溶解性蒸発残留物が濃縮されて析出し、管壁などの伝熱面に固着したものである。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの水にふくまれる不純物の種類と害を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

グループ 中身 困ること
溶存気体 水に溶けたO₂(酸素)・CO₂(二酸化炭素) 鋼材の腐食
溶解性蒸発残留物 水に溶けている塩類など。水が蒸発すると残る 濃縮してスケールになる
懸濁物 りん酸カルシウムなどの溶けない物質、エマルジョン化した鉱物油など 沈殿・泡立ち

(1) ⭕ 正しい記述

不純物の種類には、溶存気体、溶解性蒸発残留物のほか、懸濁物がある。

不純物は、溶存気体・溶解性蒸発残留物・懸濁物の3つのグループに分けられます。

(2) ⭕ 正しい記述

溶存しているO₂やCO₂は、鋼材の腐食の原因となる。

水に溶けているO₂(酸素)やCO₂(二酸化炭素)は、鋼材(ボイラーの鉄)を腐食させる原因です。

(3) ❌ 誤りの記述

スラッジは、溶解性蒸発残留物が濃縮されて析出し、管壁などの伝熱面に固着したものである。

「溶解性蒸発残留物が濃縮されて析出し、伝熱面に固着したもの」は、スケール(湯あか)の説明です。伝熱面は、熱を受け取る面のこと。スラッジ(かま泥)は、ドラムの底などに沈んでたまった、やわらかい沈殿物です。スケールの説明に、スラッジの名前が付けられている点が誤りです。

(4) ⭕ 正しい記述

懸濁物には、りん酸カルシウムなどの不溶物質、エマルジョン化された鉱物油などがある。

懸濁物には、りん酸カルシウムなどの溶けない物質があります。エマルジョン化された鉱物油なども懸濁物です。

(5) ⭕ 正しい記述

スケールの熱伝導率は、炭素鋼の熱伝導率より低い。

スケールの熱伝導率(熱の伝えやすさ)は、炭素鋼よりずっと低いのが問題です。伝熱面にスケールが付くと熱が水へ逃げられず、鉄が過熱してしまいます。

呼び方 どんなものか
スケール(湯あか) 溶解性蒸発残留物が濃縮して析出し、伝熱面に固着したもの
スラッジ(かま泥) ドラムの底などに沈んでたまった、やわらかい沈殿物

💡 覚え方

スケール=やかんの内側にこびりつく白い湯あか(壁にくっつく)。スラッジ=底にたまる泥(沈むだけ)。「固着」という言葉を見たら、スケールの話だと判断しましょう。

以上から、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第12回 ボイラーの水管理

問20 清缶剤(軟化剤と脱酸素剤)

令和7年4月公表分野:清缶剤(軟化剤と脱酸素剤)重要度 ★★★
ボイラーの清缶剤について、適切でないものは次のうちどれか。
(1)軟化剤は、ボイラー水中の硬度成分を可溶性の化合物に変えるための薬剤である。
(2)軟化剤には、炭酸ナトリウム、りん酸ナトリウムなどがある。
(3)脱酸素剤は、ボイラー給水中の酸素を除去するための薬剤である。
(4)脱酸素剤には、タンニン、亜硫酸ナトリウムなどがある。
(5)清缶剤は、水に起因するスケールの付着、腐食といった障害を防止するために、給水及びボイラー水に直接添加する薬品である。
答え・解説を見る
正解

(1)
軟化剤は、ボイラー水中の硬度成分を可溶性の化合物に変えるための薬剤である。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの水に加える薬品、清缶剤(せいかんざい)の種類とはたらきを問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

硬度成分とは?

水に溶けているカルシウムやマグネシウムのこと。

💡 なぜ? この2つは、伝熱面(熱を受け取る面)にこびりつくスケール(湯あか)のもとになるからです。

(1) ❌ 誤りの記述

軟化剤は、ボイラー水中の硬度成分を可溶性の化合物に変えるための薬剤である。

軟化剤は、硬度成分を不溶性(水に溶けない)の化合物に変える薬です。溶けない化合物は、スラッジ(泥のような沈殿物)になります。「不溶性」が「可溶性」に入れ替えられている点が誤りです。

(2) ⭕ 正しい記述

軟化剤には、炭酸ナトリウム、りん酸ナトリウムなどがある。

軟化剤には、炭酸ナトリウムやりん酸ナトリウムなどがあります。

(3) ⭕ 正しい記述

脱酸素剤は、ボイラー給水中の酸素を除去するための薬剤である。

脱酸素剤は、給水に溶けている酸素(溶存酸素)を取り除く薬です。溶けた酸素は、鋼材の腐食の原因になります。

(4) ⭕ 正しい記述

脱酸素剤には、タンニン、亜硫酸ナトリウムなどがある。

脱酸素剤には、タンニンや亜硫酸ナトリウムなどがあります。

(5) ⭕ 正しい記述

清缶剤は、水に起因するスケールの付着、腐食といった障害を防止するために、給水及びボイラー水に直接添加する薬品である。

清缶剤は、水が原因で起きる障害を防ぐための薬品です。スケールの付着や腐食などを防ぐために、給水やボイラー水に直接加えます。

働き 主な薬品
軟化剤(硬度成分を溶けない化合物に変える) 炭酸ナトリウム・りん酸ナトリウム
脱酸素剤(溶存酸素を取り除く) タンニン・亜硫酸ナトリウム

💡 覚え方

軟化剤は、硬度成分を壁にこびりつくスケールではなく、沈むスラッジに変える薬。沈めるためには「溶けない(不溶性)」でなければならない、と考えましょう。

以上から、正解は(1)です。

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令和7年4月公表「ボイラーの取扱い」のまとめ

まとめ

・点火前=水位が高ければ吹出し、水位検出器は下限で給水ポンプが起動、験水コックは水が噴き出すことを確認

・たき始めは水位が上がる・ゆっくり昇圧。空気抜き弁は最初から開けておき、白い蒸気を確認して閉じる

・空気が適量の炎はオレンジ色。短い輝白色は空気が多すぎるとき

・緊急停止=燃料を止める→換気→主蒸気弁を閉じる→必要なら給水(B→C→A→D)

・安全弁の蒸気漏れでばねを強く締め付けるのは誤り。ポンプの空気抜きは運転前

・電極式のブローは純度の上昇による電気伝導率の低下を防ぐため。乾燥保存の吸湿剤は密閉の1〜2週間後に点検

・固着するのがスケール、沈むのがスラッジ。軟化剤は硬度成分を不溶性の化合物に変える