【2026年度】冷凍三種の通信講座を比較|その前に、本番が法令1科目になる公式の「講習」を知っていますか
※本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。掲載している料金・内容は2026年9月7日時点で各社の公式サイトを確認したものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
第三種冷凍機械責任者、いわゆる冷凍三種の勉強をこれから始めるところで、「通信講座にお金を出すべきかどうか」で止まっていませんか。
検索すると講座の比較ページが出てきます。ただ、この資格にはほかの資格には無い、ちょっと変わった事情があります。そこを知らないまま講座を選ぶと、お金のかけどころを間違えかねません。
このページでは、高圧ガス保安協会(こうあつガスほあんきょうかい=この試験を実施している団体)の公式情報をもとに、この資格でお金が効くところは正確にどこなのかを先に示します。料金はすべて2026年9月7日に公式サイトで確認したものです。
この記事はこんな方へ
・講座にお金を出すかどうかを、まだ決めかねている
・ビルメンテナンスの仕事のために取りたい(いわゆるビルメン4点セット(ビル管理の仕事でよく求められる資格の組み合わせ)の1つ)
・払うなら、効くところにだけ払いたいと思っている
・「講習」という言葉を見かけたが、それが何なのか分からない
結論 多くの人が先に比べるべきなのは、通信講座ではなく公式の「講習」です
まずは答えから。冷凍三種には、試験を実施している団体そのものが開いている「講習」という制度があります。この講習を受けて検定(けんてい=講習の最後にある試験)に受かると、本番の国家試験で2科目のうち1科目がまるごと免除になります。
つまり、本番で解く問題が半分に減るということです。しかも、この免除に有効期限はありません。一度取れば、翌年でも翌々年でも使えます。
民間の通信講座には、当然ですがこの免除は付きません。それなのに価格は講習と同じか、それより高いものが多いのが実情です。だから「講座を比べる前に、まず講習と比べてください」というのがこの記事の結論です。
この記事の結論(先に3行で)
① お金をかける価値がいちばん高いのは、公式の「講習」(17,500円+テキスト5,570円)。国家試験が2科目→1科目になり、免除に期限は無い。
② 民間の通信講座は、免除が付かないのに講習と同額以上。それでも価値があるのは「保安管理技術という科目を、独学のテキストだけでは理解しにくい人」だけ。
③ ただし講習は、申込みの窓口が年に2回・2週間ずつしか開かない。ここを逃すと半年待ちになる。高いか安いかより、時期を逃すか逃さないかが本当の勝負どころ。
「講座は高い・独学は安い」という感覚だけで決めると損をします。受験手数料や必要なテキスト代まで入れた総額で見ると、順番はこうなります。
| ルート | 中身 | 総額の目安 | 本番で解く科目 |
|---|---|---|---|
| 独学ルート | 市販のテキストと問題集を自分で買って、2科目とも自力で受ける | 約14,500〜18,400円 | 2科目(法令+保安管理技術) |
| 公式の講習ルート | KHK(高圧ガス保安協会)の講習(21時間)を受けて検定に合格し、保安管理技術を免除にする | 32,870円 | 1科目(法令だけ) |
| 民間の通信講座ルート | 通信講座を買って、2科目とも自力で受ける | 約34,000〜59,080円 | 2科目(法令+保安管理技術) |
いずれも受験手数料9,800円を含んだ金額です。講習ルートは「講習17,500円+必須テキスト3冊5,570円+受験手数料9,800円」の合計。独学ルートと通信講座ルートの内訳は、この記事の後半でそれぞれ表にしています。料金はすべて2026年9月7日時点で各公式サイトを確認したものです。
表を見ていただくと分かるとおり、いちばん高いのは民間の通信講座ルートで、しかも本番で解く科目は減りません。ここが、冷凍三種という資格のいちばん変わっているところです。
ただし、今年(令和8年度)の国家試験にはもう申し込めません
令和8年度の国家試験は令和8年11月8日(日)ですが、申込みの受付は令和8年9月2日(水)17時で終了しています(電子申請の場合)。つまり今から動く人が目指すのは、その次の年の試験です。そして「次の年の試験を1科目で受ける」ための講習の申込みは、令和8年11月10日(火)から24日(火)まで。いま考えるべきは講座選びではなく、まずこの日付です。
まず知ってほしい 冷凍三種は「性格の違う2つの科目」でできています
冷凍三種の国家試験は、法令と保安管理技術の2科目です。この2つは、勉強のしかたがまったく違います。ここを分けて考えないと、講座選びも参考書選びも的を外します。
法令は高圧ガス保安法という法律と、その関連ルールから出ます。中身は「何トン以上なら許可が要るか」「誰が何を届け出るか」「何年ごとに検査するか」といった数字と手続きの暗記です。
用語高圧ガス保安法とは?
高い圧力のガスを扱う設備で事故が起きないように、作る人・使う人・運ぶ人がそれぞれ何をしなければいけないかを決めた法律のことです。冷凍の機械は中に高い圧力の冷媒(れいばい=熱を運ぶために機械の中をぐるぐる回っている物質)が入っているので、この法律の対象になります。
なぜ?なぜ冷凍機に法律が要るのか?
中身が高い圧力で閉じ込められているからです。もし壊れて一気に噴き出すと、ガスそのものの危険(アンモニアなら毒・可燃)に加えて、圧力で人や物が吹き飛ばされます。だから国が扱い方を決めています。
法令の良いところは、理屈が分からなくても点が取れることです。数字を覚えていれば当たります。逆に言うと、覚えていなければ何をどう考えても当たりません。ここは講義を聞くより、過去問を回した回数が点に結びつきやすい科目です。
保安管理技術は、冷凍機がどうやってものを冷やしているかという仕組みの科目です。圧縮機・凝縮器・膨張弁・蒸発器という4つの部品を冷媒がぐるぐる回る「冷凍サイクル」が中心で、ここに計算も出ます。
用語冷凍サイクルとは?
冷媒が圧縮→凝縮→膨張→蒸発の4段階をぐるぐる回りながら、部屋の中の熱を外に運び出す仕組みのことです。エアコンも冷蔵庫も、原理はこれと同じです。
なぜ?なぜ「回る」必要があるのか?
冷媒を何度も使い回すためです。熱を運び出した冷媒を捨ててしまうと冷媒がいくらあっても足りません。運び終わったら元の状態に戻して、また熱を取りに行かせています。
この科目は、丸暗記が効きにくいのが特徴です。「この場合、圧力はどうなるか」「この機器の役割は何か」と角度を変えて問われるので、仕組みを理解していないと、少し形を変えられただけで落としやすくなります。講座やテキストにお金を払う価値があるとすれば、ほぼこの科目のためです。
覚える覚え方
2科目の性格は「法令=暗記」「保安管理技術=理解」と分けて覚えてください。勉強の順番に迷ったら、先に保安管理技術(理解に時間がかかる)、法令は直前に詰める(覚えたてのほうが本番で残っている)のが合理的です。
合格率「51.6%」の中身 実は、まったく別の2つの数字が混ざっています
冷凍三種を調べると「合格率はだいたい半分くらい」と書かれています。確かに令和7年度の合格率は51.6%でした。ただ、この数字をそのまま自分に当てはめるのは危険です。
というのも、この試験の受験者は2種類の人に分かれているからです。2科目とも受ける人と、さきほどの講習で1科目免除になっている人です。この2種類を合わせて計算したのが51.6%で、中を開けると数字がまったく違います。
| 年度 | 2科目とも受けた人の合格率 | 1科目免除の人の合格率 |
|---|---|---|
| 令和7年度 | 45.0% | 87.9% |
| 令和6年度 | 36.1% | 89.1% |
| 令和5年度 | 39.9% | 84.6% |
| 令和4年度 | 22.8% | 88.3% |
出典=高圧ガス保安協会(KHK)が公表している国家試験の実施結果。「1科目免除の人」=講習の検定に合格して保安管理技術が免除になっている人です。
免除を持っている人は、4年連続で8割台後半が受かっています。一方で2科目とも受ける人は、令和4年度は22.8%まで落ちています。同じ試験なのに、これだけ差が出るということです。
なぜこうなるのか。免除を持っている人は法令1科目だけを受けます。法令は暗記で取れる科目なので、そこに全部の勉強時間を注げば落ちにくい。一方、2科目とも受ける人は理解が要る保安管理技術も同時に仕上げないといけません。準備の重さがまるで違います。
用語科目免除とは?
試験の一部の科目を受けなくてよくなる制度のことです。冷凍三種の場合は、講習の検定に受かると保安管理技術という科目が免除になり、本番では法令だけを受ければよくなります。免除された科目は、受けなくても合格扱いになります。
なぜ?なぜ免除という制度があるのか?
講習ですでにその内容を学んで、検定で確認しているからです。21時間の講習を受けて検定に合格した人に、もう一度同じ内容を試験させる意味がありません。国としては「その知識があることが確認できればよい」ので、確認済みの科目は省いてよい仕組みになっています。
「合格率5割だから半分は受かる」で判断しないでください
あなたが2科目とも受けるつもりなら、あなたに当てはまるのは51.6%ではなく45.0%(令和7年度)のほうです。しかも年度によって22.8%〜45.0%まで振れます。「毎年きっちり半分受かる、安定した試験」ではありません。
公式の「講習」とは何か この資格だけの、少し変わった制度です
ここからが本題です。高圧ガス保安協会(KHK)は、この試験を実施している団体でありながら、受験者向けの講習も自分で開いています。
用語高圧ガス保安協会(KHK)とは?
高圧ガスの事故を防ぐための検査・講習・試験を行っている団体です。冷凍三種の国家試験を実施しているのは、この団体です。民間の通信講座の会社とは立場がまったく違います。
なぜ?なぜ試験をやる団体が講習まで開くのか?
この資格が「人を育てること」まで含めた制度だからです。高圧ガスを扱う現場では、資格者がいないと設備を動かせません。国としては人が足りないと困るので、試験でふるい落とすだけでなく、学ぶ場そのものを用意して合格者を増やす仕組みにしていると考えられます。
講習は合計21時間です。内訳は法令が7時間、保安管理技術が14時間。オンラインの動画で受けられて、24時間いつでも視聴できます。ただし倍速で再生すると受講したことになりませんので、時間はきっちり21時間かかります。
講習が終わったあとに検定試験があります。これは会場に行って受ける対面の試験です。検定で試されるのは保安管理技術の1科目だけ。ここに合格すると、本番の国家試験でその科目が免除になります。
講習から免除までの流れ
① 申込み(受付は年2回・それぞれ約2週間だけ)
② オンライン講習を21時間受ける(法令7時間+保安管理技術14時間)
③ 検定試験を会場で受ける(保安管理技術の1科目のみ・60%以上で合格)
④ 合格すると修了証番号がもらえる
⑤ 国家試験の申込みでその番号を入力すると、本番は法令1科目だけになる
注意 法令の検定は無いのに、法令の講習は受けないといけません
検定で試されるのは保安管理技術だけですが、法令7時間の講習を受けていないと検定そのものを受けられません。「検定に出ないなら法令の動画は飛ばそう」はできない、ということです。21時間まるごと受ける前提でスケジュールを組んでください。
講習の受講料は17,500円(税込・検定試験の受験料も込み)です。ただしテキスト代は別で、三種の場合は次の3冊が必須です。
| 必須テキスト(KHKが販売) | 税込価格 |
|---|---|
| 冷凍関係法規集(第59次改訂版) | 1,800円 |
| 高圧ガス保安法概要(一・二・三種冷凍機械編 第3次改訂版) | 870円 |
| 初級冷凍受験テキスト(第8次改訂版) | 2,900円 |
| 合計 | 5,570円 |
ほかに推奨テキストとして「高圧ガス・液化石油ガス法令用語解説」3,250円、「第三種冷凍機械責任者試験問題と解説」3,630円もありますが、必須ではありません。価格は2026年9月7日時点のKHK公式サイトの記載です。
講習17,500円とテキスト5,570円で23,070円。これに国家試験の受験手数料9,800円を足して、合計32,870円が講習ルートの総額です。
ここで思い出してほしいのが、さきほどの表です。SATの通信講座はいちばん安いコースで32,780円、高いコースは49,280円。講習ルートの総額とほぼ同じか、それ以上です。それでいて民間講座には免除が付きません。
覚える覚え方
講習の値打ちは「安いこと」ではなく「本番で解く量が半分になること」です。同じ3万円台を出すなら、2科目のまま受けるか、1科目にして受けるかという違いだと考えてください。しかも免除に期限が無いので、その年に受からなくても翌年また1科目で受けられます。
講習は年に2回しかありません。しかも申込みを受け付けている期間はそれぞれ2週間ほどです。ここを逃すと、次の窓口まで半年待つことになります。
| 回 | 申込みの受付 | 講習 | 検定試験 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 上期 | 令和8年4月2日〜4月15日 | 令和8年6月5日〜6月25日 | 令和8年7月5日(日) |
| 令和8年度 下期 | 令和8年11月10日〜11月24日 | 令和9年1月29日〜2月18日 | 令和9年2月28日(日) |
KHK公式サイトおよび講習案内PDFの記載(2026年9月7日確認)。令和9年度上期の講習は、令和9年4月から受付予定と公表されています。
この表でいちばん大事なのは、上期と下期では「間に合う試験」が違うことです。上期は検定が7月なので同じ年の11月の国家試験に間に合います。下期は検定が2月末なので、免除が使えるのはその次の年の11月の試験です。
今(2026年9月)から始める人の、いちばん早いルート
令和8年度の国家試験は、申込みが令和8年9月2日で締め切られています。つまり今から始める人が受けるのは、その次の年(令和9年度)の試験です。目標が1年先だと分かったところで、その1年をどう使うかを考えます。
ここで効いてくるのが、さきほどの下期の講習です。申込みは令和8年11月10日から24日。いまから2か月ほど先です。ここに申し込めば、令和9年2月28日の検定に合格した時点で免除が手に入り、1年先の国家試験を法令1科目だけで受けられます。
今から動く場合の流れ(下期の講習を使うルート)
2026年11月10日〜24日 講習に申し込む(ここが最初の締切)
2027年1月29日〜2月18日 オンライン講習21時間を受ける
2027年2月28日 検定試験(保安管理技術の1科目)
2027年8月ごろ 国家試験に申し込む(修了証番号を入力して免除を申請)
2027年11月ごろ 国家試験。解くのは法令だけ
※令和9年度の国家試験の日程はまだ公表されていません。上の2027年の日付は、令和8年度と同じ流れになった場合の見込みです。申込み時期が近づいたら、KHKの公式サイトで必ず確認してください。
下期の検定(2027年2月末)で落ちたとしても、そこで終わりではありません。例年どおりなら、その直後の4月上旬に上期の講習の受付があり、検定は7月上旬、合否が出るのが8月上旬です。国家試験の申込みが8月中旬からなので、ぎりぎり同じ年の試験に間に合います。
つまり早めに動いておくと、1年のうちに2回チャンスがあるということです。逆に「4月の上期から始めよう」と決めてしまうと、そこで落ちた瞬間に免除は1年先送りになります。これが「時期を逃すか逃さないかが本当の勝負どころ」と書いた理由です。
講習を受けるかどうかは、2026年11月中に決めることになります
いま迷っている方の実質的な期限は、令和8年11月24日です。ここを過ぎると次の窓口は令和9年4月まで開きません。「もう少し考えてから」で見送ると、選べる道が1本減ります。
では、民間の通信講座は何にお金を払うものなのか
ここまで読むと「講座は要らないのでは」と思われたかもしれません。ある程度はそのとおりです。ただ、講座にしかできないこともあります。それは保安管理技術を、人の説明で理解することです。
この科目の中心にあるのがp-h線図(ピーエイチせんず)という図です。ここでつまずく人がとても多い。
用語p-h線図とは?
冷媒が冷凍サイクルを1周する間に、圧力(p)と、持っている熱の量(h)がどう変わるかを1枚に描いた図のことです。縦が圧力、横が熱の量で、サイクルの4段階が四角い形の線になって現れます。この図から数値を読み取って、冷凍能力などを計算する問題が出ます。
なぜ?なぜ図から計算させるのか?
現場で機械の調子を判断するときに、実際にこの見方をするからです。冷凍機の中は目で見えません。圧力と温度から「いま冷媒がどの状態か」を推測するのが実務なので、試験でも同じ読み取り方ができるかを問われます。
p-h線図は、文字だけのテキストで独学するとかなり苦労する部分です。線を引きながら説明されると一気に分かるタイプの内容なので、ここは動画講義の値打ちが出ます。通信講座に2〜3万円を払う理由があるとすれば、ほぼここだけです。
通信講座が向いている人
・2026年11月24日の講習の申込みに間に合わなかった(または講習の日程が仕事と合わない)
・図や計算を文字だけで読むと頭に入らない自覚がある
・質問できる相手が欲しい(多くの講座に質問サポートが付いています)
・お金より時間を節約したい。何を読むか探す手間を省きたい
通信講座が向いていない人
・講習に申し込める。日程も空けられる → まず講習を優先してください
・過去に電気・機械・ビルメンテナンス系の勉強をしたことがある → 市販テキストで足ります
・とにかく費用を抑えたい → 独学ルート(約1万4千円〜)で十分狙えます
・「講座を買えば安心」という気持ちで探している → 買っただけでは受かりません。免除も付きません
主要3社+公式講習の比較(冷凍三種)
冷凍三種の通信講座は、実はそれほど数がありません。大手のユーキャンとヒューマンアカデミーには、2026年9月7日時点で冷凍三種の講座がありません。以前あった翔泳社アカデミーは事業を終了しています。実際に選べるのは、次の3社と公式の講習です。
| 形式 | 価格(税込) | 教材 | 科目免除 | |
|---|---|---|---|---|
| KHKの講習 (公式) |
オンライン動画21時間+会場での検定 | 17,500円 (+必須テキスト5,570円) |
必須テキスト3冊(別売) | あり(期限なし) |
| SAT | eラーニング/DVD | eラーニング 32,780円 DVD 43,780円 両方 49,280円 |
テキスト冊子3冊+過去問題集5年分 | なし |
| JTEX | テキスト中心の通信教育(3か月) | 一般 26,400円 特別 24,200円 |
主テキスト1冊+別冊2冊 添削3回 |
なし |
| TAC | ビデオ/Web/DVD 全7回 | 25,000円〜 | テキスト1冊+過去問題集8年分 | なし |
すべて2026年9月7日時点で各社の公式サイトを確認した金額です。「科目免除」は、その講座を受けることで国家試験の保安管理技術が免除になるかどうかです。免除が付くのは公式の講習だけで、民間の通信講座では免除になりません。
この表で見てほしいのはいちばん右の列です。価格はどれも同じくらいなのに、免除が付くのは1つだけ。比較のスタート地点はここになります。
1つずつ見ていきます
繰り返しになりますが、試験を実施している団体そのものが開いている講習です。21時間の動画を見て、検定に合格すれば、本番は法令1科目。費用は講習17,500円+テキスト5,570円で23,070円です。
弱点は3つあります。申込みの窓口が年2回・各2週間しかないこと。検定は会場に行く必要があること。そして動画を倍速で見ると受講扱いにならないため、21時間をきっちり確保しなければならないことです。
逆に言えば、この3つがクリアできる人にはほかに比べる相手がいません。まずKHKの公式サイトで、直近の講習の日程を確認してください。
建設・設備系の資格で広く使われている会社です。冷凍三種は3つのコースがあります。
| コース | 価格(税込) | 中身 |
|---|---|---|
| eラーニング講座 | 32,780円 | スマホ・パソコンで視聴。講義は約23時間 |
| DVD講座 | 43,780円 | 基礎8枚(約16時間)+過去問5枚(約7時間) |
| eラーニング+DVD | 49,280円 | 上の両方 |
教材はどのコースもテキスト冊子3冊(104ページ・128ページ・136ページ)と過去問題集5年分。eラーニングの視聴期限と質問サポートの期限は2027年11月30日です(2026年9月7日確認)。
特徴は30日間の返金保証と、不合格だった場合にサポート期間が6か月延び、質問回数がリセットされる点です。ただし返金保証の条件は見直されることがあります。申し込む直前に、公式サイトの記載を必ずご自身で確かめてください。
迷いどころは価格です。いちばん安いeラーニング講座でも32,780円で、これは講習ルートの総額32,870円とほとんど変わりません。それでも選ぶ理由があるとすれば、講習の日程に間に合わないか、動画での解説が自分には必要だと分かっている場合です。
技術者向けの通信教育を長く出している職業訓練法人の講座です。冷凍三種の講座は一般26,400円・特別24,200円(税込)で、標準の受講期間は3か月。「特別」は、会社などを通じて申し込む場合の価格です。
動画中心のSATと違い、紙のテキストを読んで進めるタイプです。通勤の電車で読みたい人、パソコンやスマホでの学習が苦手な人には合います。添削は3回付きます(マークシートでもWebでも提出できます)。
資格スクールとして知られる会社です。冷凍三種は25,000円〜(教材費・税込)で、講義は全7回。ビデオ・Web・DVDから選べます。
注目したいのは過去問題集が8年分付いてくる点です。この試験は似た問題が繰り返し出るので、解いた年数がそのまま得点につながりやすい試験です。添削についての記載はありませんが、Webのミニテストや実力テストが用意されています。
「冷凍三種の講座」を探すときの注意
検索すると、いまは申し込めない講座の紹介ページが残っていることがあります。翔泳社アカデミーは事業を終了しており、ユーキャンとヒューマンアカデミーには2026年9月7日時点で冷凍三種の講座がありません。比較サイトの情報が古い場合があるので、申し込む前に必ずその会社の公式サイトを開いて、いま買えるかどうかを確かめてください。
独学でいく場合 何を買うと、いくらかかるのか
「講習にも講座にもお金をかけない」という選び方も、もちろんあります。実際、2科目とも受けて受かっている人もいます。その場合に必要なのはテキスト1冊と問題集1冊です。
| 書名(出版社) | 税込価格 | 性格 |
|---|---|---|
| 初級冷凍受験テキスト(日本冷凍空調学会) | 2,900円 | 講習でも使う本。内容は正確だが、初学者には難しい |
| 冷凍関係法規集(KHK) | 1,800円 | 法令の条文集。手元にあると法令の確認が早い |
| ゼロからはじめる3種冷凍(オーム社) | 2,530円 | 入門向け。まず1冊目に読む用 |
| 第3種冷凍機械責任者試験 過去問題集 2026年版(オーム社) | 3,850円 | 過去問。解説が厚い |
| 3種冷凍攻略問題集(オーム社) | 2,200円 | 問題演習用。過去問題集より薄い |
| 第三種冷凍機械責任者試験 模範解答集(電気書院) | 4,290円 | 過去問と解答例。年数が多い |
| らくらく突破 3種冷凍 合格テキスト(電気書院) | 2,420円 | 読みやすさ重視 |
| ユーキャンの第3種冷凍機械責任者 合格テキスト&問題集(自由国民社) | 2,640円 | テキストと問題が1冊。最初の1冊にしやすい |
価格は2026年9月7日時点のものです。版が変わると価格も変わります。なお、ユーキャンには冷凍三種の「通信講座」はありませんが、この市販本は販売されています。
独学の総額(受験手数料9,800円込み)
いちばん安い組み合わせ 入門テキスト2,530円+問題集2,200円+受験手数料9,800円=14,530円
しっかりそろえる場合 初級冷凍受験テキスト2,900円+法規集1,800円+過去問題集3,850円+受験手数料9,800円=18,350円
つまり1万5千円前後で受験までいけます。講習ルート(32,870円)との差は、およそ1万8千円です。この1万8千円を「保安管理技術を受けなくてよくなる権利」と考えて、高いと見るか安いと見るかが、この記事でいちばん考えてほしいところです。
覚える覚え方
独学でいくなら、買う順番は問題集を先にしてください。この試験は似た問題が繰り返し出るので、先に問題を見てから、分からない部分だけテキストで調べるほうが早く進みます。分厚いテキストを1ページ目から読み始めると、途中で止まりがちです。
ゼロパスでは、令和元年度から令和7年度までの過去問を、知識ゼロの人がその1問だけ読んで解けるように1問ずつ解説しています。テキストを買う前に、まずどんな問題が出るのかを見てみてください。
結局、どう選べばいいのか
ここまでの内容を、選び方の順番に並べ直します。上から順に見ていって、当てはまったところで止めてください。
いま(2026年9月)なら、令和8年11月10日〜24日の下期の受付が次の窓口です。日程が空けられて、検定の会場に行けるなら、ここが第一候補になります。費用は23,070円(+受験手数料9,800円)。本番は法令1科目だけになります。
この場合、本番は2科目です。ここで「保安管理技術を、文字だけで理解できるかどうか」を正直に考えてください。
判断の目安
・計算やグラフを読み解くのが苦にならない → 独学(1万5千円前後)で十分
・図や計算を説明してもらわないと進まない → 通信講座(2万4千円〜)を検討
・紙のテキストで進めたい → JTEX(24,200〜26,400円)
・動画でしっかり聞きたい → SAT(32,780円〜)
・問題演習の量を重視したい → TAC(25,000円〜・過去問題集8年分)
これはルートに関係なく共通です。法令は暗記の科目なので、早く覚えても本番までに抜けやすくなります。先に時間のかかる保安管理技術を進めて、法令は試験1〜2か月前から詰めるのが合理的です。講習ルートの人も、本番で残るのは法令1科目なので、検定が終わったあとに法令を仕上げる順番になります。
よくある質問
合格を目指せます。受験に資格や実務経験は要りません。年齢・学歴・性別・経験に関係なく、誰でも申し込めます。ただし、2科目とも受ける人の合格率は年度によって22.8%〜45.0%と幅があります。「簡単な試験」ではないので、問題集を最低でも2周する前提で計画してください。
受講料は戻りません。ただし、その年の国家試験を2科目で受けることはできます。講習で21時間ぶんの内容を学んでいるので、勉強そのものが無駄になるわけではありません。また、例年どおりなら次の回の講習にもう一度申し込むこともできます。
期限はありません。検定に合格して修了証番号をもらえば、翌年でも翌々年でも使えます。これは受験者にとってかなり大きい条件です。「今年は法令が間に合わなかった」という場合でも、翌年また法令1科目だけで受け直せます。
付きません。免除が付くのは、KHKの講習を受けて検定に合格した場合だけです。民間の通信講座は、あくまで「試験勉強を手伝ってくれる教材」です。ここを勘違いすると、2万〜5万円ほど払ったのに本番は2科目のまま、ということになります。
公表されていません。「講座を使った人の合格率」を出している会社は、基本的にありません。数字として確認できるのは、KHKが公表している「免除を持っている人の合格率が8割台後半」という事実だけです。つまり、お金の効果がはっきり数字で見えているのは講習だけ、ということになります。
ビルの設備管理でよく求められるのは三種です。いわゆる「ビルメン4点セット」に入っているのも第三種冷凍機械責任者です。二種・一種は、より大きな冷凍設備を扱う事業所向けなので、まずは三種から取るのが一般的な順番になります。
ありません。国家試験は年1回で、令和8年度は11月8日の1回だけです。申込みは9月2日で締め切られています。次のチャンスは令和9年度の試験になるので、その1年をどう使うか(講習を挟むかどうか)を、いま決めることになります。
まとめ
冷凍三種の講座選び 5つの結論
① 比べる相手は、まずKHKの講習。17,500円+テキスト5,570円で、国家試験が2科目から1科目になる。免除に期限は無い。
② 民間の通信講座は、免除が付かないのに講習と同額以上。24,200円(JTEX)〜49,280円(SAT)。
③ 合格率51.6%は、2科目受験45.0%と免除ありの人87.9%を合わせた数字。自分に当てはまるのはどちらかで、見るべき数字が変わる。
④ 独学なら1万5千円前後で受験までいける。講習ルートとの差はおよそ1万8千円。
⑤ 本当の勝負どころは金額ではなく時期。講習の申込みは年2回・各2週間だけで、次は令和8年11月10日〜24日。
この資格は、お金のかけどころがはっきりしている珍しい試験です。通信講座を比べる前に、まず講習の日程を見てください。そこで決まることのほうが、どの会社を選ぶかより、ずっと大きく効きます。
