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この記事でわかること
第三種冷凍機械責任者(冷凍三種)の令和5年度「保安管理技術」問1〜15を、知識ゼロからでもわかるようにやさしく解説します。冷凍の原理・伝熱・圧縮機・凝縮器・蒸発器・安全装置まで、イ・ロ・ハ・ニを1つずつ⭕❌で判定します。
保安管理技術は冷凍のしくみ(理屈)と機器の科目です。4つの記述(イ・ロ・ハ・ニ)を1つずつ正確に〇×できれば正解が選べます。
“なぜそうなるか”をつかむのが近道です。ゲージ圧力・体積効率・フラッシュガスなどのつまずきやすい用語は、青いボックスでやさしく補足しました。
問1
分野:冷凍の原理重要度 ★★★
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍の原理について正しいものはどれか。
イ圧縮機で冷媒蒸気を圧縮すると、冷媒蒸気は圧縮仕事によって圧力と温度の高い液体になる。
ロ理論ヒートポンプサイクルの成績係数は、理論冷凍サイクルの成績係数より1だけ大きい。
ハブルドン管圧力計で計測される指示圧力は、測定しようとする冷媒圧力と大気圧との圧力差で、この指示圧力を絶対圧力と呼ぶ。
ニ冷凍能力と理論断熱圧縮動力の比を理論冷凍サイクルの成績係数と呼び、この値が大きいほど、小さい動力で大きな冷凍能力が得られる。
【選択肢】
(1) イ (2) ロ (3) イ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(4) ロ・ニ
❌(イ)圧縮機で冷媒蒸気を圧縮すると、冷媒蒸気は圧縮仕事によって圧力と温度の高い液体になる。
「高い液体になる」が誤りです。圧縮された冷媒は、圧力と温度の高い過熱“蒸気(ガス)”になります。液体になるのは次の凝縮器です。
⭕(ロ)理論ヒートポンプサイクルの成績係数は、理論冷凍サイクルの成績係数より1だけ大きい。
正しい記述です。ヒートポンプのCOP = 冷凍のCOP + 1です。
❌(ハ)ブルドン管圧力計で計測される指示圧力は、測定しようとする冷媒圧力と大気圧との圧力差で、この指示圧力を絶対圧力と呼ぶ。
「絶対圧力」が誤りです。大気圧との差で示す圧力はゲージ圧力です。絶対圧力は“真空を0”とした圧力で、ゲージ圧力+大気圧で求めます。
ゲージ圧力と絶対圧力とは?
ゲージ圧力=大気圧を0とした圧力(ブルドン管圧力計が示すのはこれ)。絶対圧力=完全な真空を0とした圧力。絶対圧力=ゲージ圧力+大気圧(約0.1メガパスカル)です。
⭕(ニ)冷凍能力と理論断熱圧縮動力の比を理論冷凍サイクルの成績係数と呼び、この値が大きいほど、小さい動力で大きな冷凍能力が得られる。
正しい記述です。成績係数(COP)=冷凍能力 ÷ 圧縮動力。大きいほど省エネです。
この問題のまとめ
正解は(4)ロ・ニ。圧縮後は高温高圧の“ガス”。ブルドン管圧力計の指示はゲージ圧力。ヒートポンプCOPは冷凍COP+1。COP=冷凍能力÷動力です。
問2
分野:冷凍サイクル・熱の移動重要度 ★★★
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍サイクル及び熱の移動について正しいものはどれか。
イ固体壁表面からの熱伝達による伝熱量は、伝熱面積、固体壁表面の温度と十分に離れた位置の流体温度との温度差、及び比例係数の積で表され、この比例係数を熱伝達率という。
ロ冷凍サイクルの蒸発器で、周囲が冷媒1kgから奪う熱量のことを冷凍効果という。この値は同じ冷媒でも運転条件によって変わる。
ハ水冷却器の交換熱量の計算で、入口側の温度差をΔt1、出口側をΔt2とすると、算術平均温度差Δtmは、Δtm=(Δt1-Δt2)/2である。
ニ二段圧縮冷凍装置では、蒸発器からの冷媒蒸気を低段圧縮機で中間圧力まで圧縮し、中間冷却器で過熱分を除去し、高段圧縮機で凝縮圧力まで圧縮する。
【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) ハ・ニ (5) イ・ハ・ニ
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正解(2) イ・ニ
⭕(イ)固体壁表面からの熱伝達による伝熱量は、伝熱面積、固体壁表面の温度と十分に離れた位置の流体温度との温度差、及び比例係数の積で表され、この比例係数を熱伝達率という。
正しい記述です。熱伝達率は、固体壁の表面と流体との間で熱がどれだけ伝わりやすいかを表す係数です。
❌(ロ)冷凍サイクルの蒸発器で、周囲が冷媒1kgから奪う熱量のことを冷凍効果という。この値は同じ冷媒でも運転条件によって変わる。
向きが逆で誤りです。冷凍効果は冷媒1kgが“周囲から奪う”熱量のことです(冷媒が熱を奪って周囲を冷やす)。
❌(ハ)水冷却器の交換熱量の計算で、入口側の温度差をΔt1、出口側をΔt2とすると、算術平均温度差Δtmは、Δtm=(Δt1-Δt2)/2である。
「(Δt1-Δt2)/2」が誤りです。算術平均温度差は(Δt1+Δt2)/2(足して2で割る)です。
⭕(ニ)二段圧縮冷凍装置では、蒸発器からの冷媒蒸気を低段圧縮機で中間圧力まで圧縮し、中間冷却器で過熱分を除去し、高段圧縮機で凝縮圧力まで圧縮する。
正しい記述です。二段圧縮は、低段→中間冷却→高段の順で圧縮し、吐出しガス温度を抑えます。
この問題のまとめ
正解は(2)イ・ニ。熱伝達率は表面と流体の伝わりやすさ。冷凍効果は冷媒が“周囲から奪う”熱量。算術平均は(Δt1+Δt2)/2。二段圧縮は中間冷却で吐出し温度を抑えます。
問3
分野:圧縮機の効率・軸動力重要度 ★★★
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧縮機の効率、軸動力などについて正しいものはどれか。
イ往復圧縮機がシリンダから吐き出す量は、実際にはピストン押しのけ量よりも小さくなる。その理由の1つは、クリアランスボリューム内の圧縮ガスの再膨張である。
ロ往復圧縮機の吸込み蒸気の比体積と体積効率の大きさが運転条件によって変わると、運転中の圧縮機の冷媒循環量は変化する。
ハ実際の圧縮機の駆動軸動力は、理論断熱圧縮動力に、体積効率と機械効率の積を乗じて求めることができる。
ニ実際の圧縮機吐出しガスの比エンタルピーは、吸込み・吐出しの圧力などが同じでも、理想的な断熱圧縮を行ったときより低い値となる。
【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(1) イ・ロ
⭕(イ)往復圧縮機がシリンダから吐き出す量は、実際にはピストン押しのけ量よりも小さくなる。その理由の1つは、クリアランスボリューム内の圧縮ガスの再膨張である。
正しい記述です。すき間(クリアランス)に残った高圧ガスが再膨張するため、実際に吸い込める量は押しのけ量より小さくなります(これが体積効率の低下要因)。
クリアランスボリューム(すき間容積)とは?
ピストンが上死点まで来てもシリンダに残るわずかな空間。ここに残った高圧ガスが膨張してから吸入が始まるので、実際の吸込み量が減り、体積効率が下がります。
⭕(ロ)往復圧縮機の吸込み蒸気の比体積と体積効率の大きさが運転条件によって変わると、運転中の圧縮機の冷媒循環量は変化する。
正しい記述です。比体積や体積効率が変われば、冷媒循環量も変化します。
❌(ハ)実際の圧縮機の駆動軸動力は、理論断熱圧縮動力に、体積効率と機械効率の積を乗じて求めることができる。
「乗じて」が誤りです。軸動力は、理論断熱圧縮動力を断熱効率と機械効率で“割って(除して)”求めます(効率が悪いほど動力は増えるため)。
❌(ニ)実際の圧縮機吐出しガスの比エンタルピーは、吸込み・吐出しの圧力などが同じでも、理想的な断熱圧縮を行ったときより低い値となる。
「低い値」が誤りです。実際は損失で余分に熱がつくため、吐出しガスの比エンタルピーは理想断熱圧縮より高くなります。
この問題のまとめ
正解は(1)イ・ロ。吐出量はクリアランスの再膨張で押しのけ量より小。比体積・体積効率が変わると循環量も変わる。軸動力は理論動力を効率で“割る”。実吐出しガスは比エンタルピーが高くなります。
問4
分野:冷媒重要度 ★★☆
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷媒について正しいものはどれか。
イ混合冷媒であるR404A及びR507Aは、どちらも温度勾配が0.2〜0.3Kと小さいので、疑似共沸混合冷媒とも呼ばれる。
ロアンモニアガスは空気より軽く、室内に漏えいした場合には、天井付近に滞留する傾向がある。
ハ体積能力は単位吸込み体積当たりの冷凍能力で、往復圧縮機の場合、体積能力の大きな冷媒は、より小さな冷媒と比べ、同じ冷凍能力に対してより大きなピストン押しのけ量を必要とする。
ニフルオロカーボン冷媒は、高温による熱分解を防止・抑制するため、通常、圧縮機吐出しガス温度は120〜130℃を超えないように制御・運転される。
【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) ロ・ニ (4) イ・ハ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(3) ロ・ニ
❌(イ)混合冷媒であるR404A及びR507Aは、どちらも温度勾配が0.2〜0.3Kと小さいので、疑似共沸混合冷媒とも呼ばれる。
分類が誤りです。R507Aは温度勾配がほぼ0の共沸混合冷媒です(R404Aは温度勾配がごく小さい疑似共沸)。両方を疑似共沸とまとめるのは正しくありません。
⭕(ロ)アンモニアガスは空気より軽く、室内に漏えいした場合には、天井付近に滞留する傾向がある。
正しい記述です。アンモニアは空気より軽いので、漏れると上(天井付近)にたまります。
❌(ハ)体積能力は単位吸込み体積当たりの冷凍能力で、往復圧縮機の場合、体積能力の大きな冷媒は、より小さな冷媒と比べ、同じ冷凍能力に対してより大きなピストン押しのけ量を必要とする。
逆で誤りです。体積能力が大きい冷媒ほど、同じ冷凍能力に必要な押しのけ量は小さくてすみます(小さい圧縮機で足りる)。
⭕(ニ)フルオロカーボン冷媒は、高温による熱分解を防止・抑制するため、通常、圧縮機吐出しガス温度は120〜130℃を超えないように制御・運転される。
正しい記述です。フルオロカーボンは高温で分解するため、吐出しガス温度は120〜130℃を超えないようにします。
この問題のまとめ
正解は(3)ロ・ニ。R507Aは共沸(疑似共沸でまとめるのは誤り)。アンモニアは空気より軽く天井に滞留。体積能力が大きいほど押しのけ量は小さくて済む。フルオロは吐出し120〜130℃以下です。
問5
分野:圧縮機重要度 ★★☆
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、圧縮機について正しいものはどれか。
イ圧縮機は冷媒蒸気の圧縮の方法により、往復式と遠心式に大別される。
ロ容量制御装置が取り付けられた多気筒の往復圧縮機は、吸込み板弁を開放して作動気筒数を減らすことにより、段階的に圧縮機の容量を調節できる。
ハ停止中のフルオロカーボン冷媒用圧縮機クランクケース内の油温が高いと、冷凍機油に冷媒が溶け込む溶解量は大きくなり、始動時にオイルフォーミングを起こすことがある。
ニ冷凍能力は圧縮機の回転速度によって変えることができる。インバータを利用すると、電動機への供給電源の周波数を変えて回転速度を調節できる。
【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(4) ロ・ニ
❌(イ)圧縮機は冷媒蒸気の圧縮の方法により、往復式と遠心式に大別される。
「往復式と遠心式」が誤りです。圧縮機は容積式と遠心式に大別します(往復式は容積式の一種)。
⭕(ロ)容量制御装置が取り付けられた多気筒の往復圧縮機は、吸込み板弁を開放して作動気筒数を減らすことにより、段階的に圧縮機の容量を調節できる。
正しい記述です。多気筒往復圧縮機はアンローダで吸込み弁を開放し、働く気筒数を減らして段階的に容量制御します。
❌(ハ)停止中のフルオロカーボン冷媒用圧縮機クランクケース内の油温が高いと、冷凍機油に冷媒が溶け込む溶解量は大きくなり、始動時にオイルフォーミングを起こすことがある。
「油温が高いと溶解量が大きい」が誤りです。油温が低いほど冷媒は油に溶け込みやすく、始動時のオイルフォーミングが起きやすくなります。
⭕(ニ)冷凍能力は圧縮機の回転速度によって変えることができる。インバータを利用すると、電動機への供給電源の周波数を変えて回転速度を調節できる。
正しい記述です。インバータで周波数を変えると回転速度が変わり、冷凍能力を調節できます。
この問題のまとめ
正解は(4)ロ・ニ。圧縮機は容積式と遠心式に大別。多気筒往復はアンローダで段階制御。オイルフォーミングは油温が“低い”ほど起きやすい。インバータで回転速度を調節できます。
問6
分野:凝縮器重要度 ★★☆
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、凝縮器などについて正しいものはどれか。
イ一般に、空冷凝縮器では、水冷凝縮器より冷媒の凝縮温度が高くなる。
ロ凝縮器への不凝縮ガスの混入は、冷媒側の熱伝達が不良となるため、凝縮圧力の低下を招く。
ハ開放形冷却塔では、冷却水の一部が蒸発して、その蒸発潜熱により冷却水が冷却される。冷却水の一部が常に蒸発するので、冷却水を補給する必要がある。
ニ水冷シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管内面に水あかが付着すると、水あかの熱伝導率が小さいので熱通過率が小さくなり、凝縮温度が低くなる。
【選択肢】
(1) イ・ハ (2) イ・ニ (3) ロ・ニ (4) イ・ロ・ハ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(1) イ・ハ
⭕(イ)一般に、空冷凝縮器では、水冷凝縮器より冷媒の凝縮温度が高くなる。
正しい記述です。空気は水より冷やす力が弱いので、空冷のほうが凝縮温度は高めになります。
❌(ロ)凝縮器への不凝縮ガスの混入は、冷媒側の熱伝達が不良となるため、凝縮圧力の低下を招く。
「凝縮圧力の低下」が誤りです。不凝縮ガス(空気など)が混ざると凝縮を妨げ、凝縮圧力は上昇します。
⭕(ハ)開放形冷却塔では、冷却水の一部が蒸発して、その蒸発潜熱により冷却水が冷却される。冷却水の一部が常に蒸発するので、冷却水を補給する必要がある。
正しい記述です。冷却塔は水の蒸発潜熱で冷やし、蒸発した分の水を補給します。
❌(ニ)水冷シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却管内面に水あかが付着すると、水あかの熱伝導率が小さいので熱通過率が小さくなり、凝縮温度が低くなる。
「凝縮温度が低くなる」が誤りです。水あかで熱が伝わりにくくなると、凝縮温度は高くなります(冷えにくくなる)。
この問題のまとめ
正解は(1)イ・ハ。空冷は凝縮温度が高め。不凝縮ガスは凝縮圧力を上げる。冷却塔は蒸発潜熱で冷やし水を補給。水あかは凝縮温度を上げます。
問7
分野:蒸発器重要度 ★★★
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、蒸発器について正しいものはどれか。
イ乾式蒸発器では冷却管内を冷媒が流れるため圧力降下が生じる。この圧力降下が大きいと蒸発器出入口間の蒸発温度差が小さくなり、冷却能力が増大する。
ロ空気冷却器用蒸発器の平均熱通過率に与える空気側の熱伝達率の影響は、冷媒側より相当に大きく、冷却管外表面のフィンの高性能化が極めて重要である。
ハシェルアンドチューブ満液式蒸発器では、蒸発器内に入った冷凍機油は冷媒ガスと分離し圧縮機への戻りが悪いので、油戻し装置が必要になる。
ニプレートフィンチューブ冷却器のフィンに霜が厚く付着すると、伝熱が妨げられて蒸発圧力が上昇し、圧縮機の能力が大きくなって冷却が良好になり、成績係数が増大する。
【選択肢】
(1) イ・ハ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(3) ロ・ハ
❌(イ)乾式蒸発器では冷却管内を冷媒が流れるため圧力降下が生じる。この圧力降下が大きいと蒸発器出入口間の蒸発温度差が小さくなり、冷却能力が増大する。
後半が誤りです。圧力降下が大きいと、出入口間の蒸発温度差は大きくなり、平均の温度差が不利になって冷却能力は低下します。
⭕(ロ)空気冷却器用蒸発器の平均熱通過率に与える空気側の熱伝達率の影響は、冷媒側より相当に大きく、冷却管外表面のフィンの高性能化が極めて重要である。
正しい記述です。空気側の熱伝達率が小さいぶん効きが悪いので、フィンで面積をかせぐ工夫が重要になります。
⭕(ハ)シェルアンドチューブ満液式蒸発器では、蒸発器内に入った冷凍機油は冷媒ガスと分離し圧縮機への戻りが悪いので、油戻し装置が必要になる。
正しい記述です。満液式は油が冷媒液の中にたまり戻りにくいので、油戻し装置が必要です。
❌(ニ)プレートフィンチューブ冷却器のフィンに霜が厚く付着すると、伝熱が妨げられて蒸発圧力が上昇し、圧縮機の能力が大きくなって冷却が良好になり、成績係数が増大する。
全体が誤りです。厚い霜は伝熱を妨げ、蒸発圧力は低下、冷却は不良になり、成績係数は低下します。
この問題のまとめ
正解は(3)ロ・ハ。圧力降下が大きいと温度差が増え冷却能力は低下。空気側の熱伝達率は小さくフィンが重要。満液式は油戻し装置が必要。霜は冷却を悪化させます。
問8
分野:自動制御機器重要度 ★★★
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、自動制御機器について正しいものはどれか。
イ自動膨張弁は、高圧の冷媒液を低圧部に絞り膨張させる機能に加えて、冷凍負荷に応じて冷媒流量を調節して効率よく運転する機能の二つの役割を持っている。
ロ定圧自動膨張弁は、蒸発圧力が設定値よりも高くなると開き、低くなると閉じて、蒸発圧力をほぼ一定に保ち、蒸発器出口冷媒の過熱度を制御する。
ハ吸入圧力調整弁は、圧縮機吸込み圧力が設定値よりも下がらないように調節し、凝縮圧力調整弁は凝縮圧力を所定の圧力に保持する。
ニ圧力スイッチは、圧縮機の過度の吸込み圧力低下や吐出し圧力上昇に対する保護、凝縮器の送風機の起動・停止などに使われる。
【選択肢】
(1) イ・ハ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(2) イ・ニ
⭕(イ)自動膨張弁は、高圧の冷媒液を低圧部に絞り膨張させる機能に加えて、冷凍負荷に応じて冷媒流量を調節して効率よく運転する機能の二つの役割を持っている。
正しい記述です。膨張弁は絞り膨張と冷媒流量の調節の2つの役目を持ちます。
❌(ロ)定圧自動膨張弁は、蒸発圧力が設定値よりも高くなると開き、低くなると閉じて、蒸発圧力をほぼ一定に保ち、蒸発器出口冷媒の過熱度を制御する。
動作が逆で、過熱度制御もしません。定圧自動膨張弁は蒸発圧力が高くなると閉じ、低くなると開いて蒸発圧力をほぼ一定に保ちます。過熱度の制御はしません(それは温度自動膨張弁)。
❌(ハ)吸入圧力調整弁は、圧縮機吸込み圧力が設定値よりも下がらないように調節し、凝縮圧力調整弁は凝縮圧力を所定の圧力に保持する。
「下がらないように」が誤りです。吸入圧力調整弁は、圧縮機の吸込み圧力が設定値より上がらないように調節し、電動機の過負荷を防ぎます。
⭕(ニ)圧力スイッチは、圧縮機の過度の吸込み圧力低下や吐出し圧力上昇に対する保護、凝縮器の送風機の起動・停止などに使われる。
正しい記述です。圧力スイッチは、異常圧力からの保護や送風機の発停などに使われます。
この問題のまとめ
正解は(2)イ・ニ。膨張弁は絞り膨張+流量調節。定圧自動膨張弁は圧力が高いと閉じ・低いと開く(過熱度制御はしない)。吸入圧力調整弁は“上がらない”よう調節。圧力スイッチは保護・発停に使います。
問9
分野:附属機器重要度 ★★☆
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、附属機器について正しいものはどれか。
イ凝縮器の出口側に高圧受液器を設置することにより、運転状態の変化があっても、凝縮した冷媒液が凝縮器に滞留しないように、冷媒液量の変動を受液器で吸収することができる。
ロ冷凍機油は凝縮器や蒸発器に送られると伝熱を妨げるので、油分離器を圧縮機の吸込み蒸気配管に設け、冷凍機油を分離する。
ハ小形のフルオロカーボン冷凍装置等に使用される液分離器では、内部のU字管下部に設けた小さな孔から、液圧縮にならない程度に少量ずつ液を圧縮機に吸い込ませるものがある。
ニドライヤの乾燥剤として、砕けにくく、水分を吸着して化学変化を起こさないシリカゲルやゼオライトなどが用いられる。
【選択肢】
(1) イ・ハ (2) ロ・ハ (3) ロ・ニ (4) イ・ハ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(4) イ・ハ・ニ
⭕(イ)凝縮器の出口側に高圧受液器を設置することにより、運転状態の変化があっても、凝縮した冷媒液が凝縮器に滞留しないように、冷媒液量の変動を受液器で吸収することができる。
正しい記述です。高圧受液器は、運転条件で変わる冷媒液量の変動を受け止め、凝縮器に液がたまるのを防ぎます。
❌(ロ)冷凍機油は凝縮器や蒸発器に送られると伝熱を妨げるので、油分離器を圧縮機の吸込み蒸気配管に設け、冷凍機油を分離する。
「吸込み蒸気配管」が誤りです。油分離器は圧縮機の吐出し(出口)配管に設け、吐出しガスに混じった油を分けます。
⭕(ハ)小形のフルオロカーボン冷凍装置等に使用される液分離器では、内部のU字管下部に設けた小さな孔から、液圧縮にならない程度に少量ずつ液を圧縮機に吸い込ませるものがある。
正しい記述です。U字管下部の小さな孔から、たまった液(と油)を少量ずつ戻して液圧縮を防ぎます。
⭕(ニ)ドライヤの乾燥剤として、砕けにくく、水分を吸着して化学変化を起こさないシリカゲルやゼオライトなどが用いられる。
正しい記述です。乾燥剤は化学変化を起こさず水分を吸着し、砕けにくいシリカゲルやゼオライトが使われます。
この問題のまとめ
正解は(4)イ・ハ・ニ。高圧受液器は冷媒液量の変動を吸収。油分離器は“吐出し”配管。液分離器はU字管の孔から少量ずつ戻す。乾燥剤は化学変化なしの吸着です。
問10
分野:冷媒配管重要度 ★★☆
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷媒配管について正しいものはどれか。
イ圧縮機吸込み蒸気配管の二重立ち上がり管は、最小負荷と最大負荷の運転のとき、管内蒸気速度を適切な範囲内にすることができる。
ロ高圧液配管内の圧力が、液温に相当する飽和圧力よりも上昇すると、フラッシュガスが発生する。
ハ配管用炭素鋼鋼管(SGP)は、毒性をもつ冷媒の配管には使用しない。
ニ冷媒配管では、冷媒の流れ抵抗を極力小さくするように留意し、配管の曲がり部はできるだけ少なくし、曲がりの半径は大きくする。
【選択肢】
(1) イ・ロ (2) ロ・ハ (3) ハ・ニ (4) イ・ロ・ニ (5) イ・ハ・ニ
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正解(5) イ・ハ・ニ
⭕(イ)圧縮機吸込み蒸気配管の二重立ち上がり管は、最小負荷と最大負荷の運転のとき、管内蒸気速度を適切な範囲内にすることができる。
正しい記述です。二重立ち上がり管は、負荷が大きく変わっても管内の蒸気速度を適切に保ち、油を確実に戻すための配管です。
❌(ロ)高圧液配管内の圧力が、液温に相当する飽和圧力よりも上昇すると、フラッシュガスが発生する。
「上昇すると」が誤りです。高圧液配管内の圧力が飽和圧力より低下すると、冷媒液が気化してフラッシュガスが発生します。
フラッシュガスとは?
配管の途中で冷媒液の一部が気化してできた泡(ガス)。圧力が飽和圧力より下がると発生し、膨張弁の能力低下などを招きます。流速を抑える・過冷却するなどで防ぎます。
⭕(ハ)配管用炭素鋼鋼管(SGP)は、毒性をもつ冷媒の配管には使用しない。
正しい記述です。毒性のある冷媒(アンモニアなど)の配管には、SGP(配管用炭素鋼鋼管)は使いません。
⭕(ニ)冷媒配管では、冷媒の流れ抵抗を極力小さくするように留意し、配管の曲がり部はできるだけ少なくし、曲がりの半径は大きくする。
正しい記述です。流れ抵抗を小さくするため、曲がりは少なく、半径は大きくします。
この問題のまとめ
正解は(5)イ・ハ・ニ。二重立ち上がり管は蒸気速度を適切に保つ。フラッシュガスは圧力が“低下”すると発生。SGPは毒性冷媒に使わない。配管は曲がり少なく半径大です。
問11
分野:安全装置重要度 ★★★
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、安全装置などについて正しいものはどれか。
イガス漏えい検知警報設備は、冷媒の種類や機械換気装置の有無にかかわらず、必ず設置しなければならない。
ロ溶栓は、圧力を感知して冷媒を放出するが、可燃性や毒性を有する冷媒を用いた冷凍装置では使用できない。
ハ圧力容器に取り付ける安全弁の最小口径は、容器の外径と長さの和の平方根と、冷媒の種類ごとに定められた定数の積で決まる。
ニ液封による事故は、二段圧縮冷凍装置の過冷却された液配管や、冷媒液強制循環式冷凍装置の低圧受液器まわりの液配管で発生することが多い。
【選択肢】
(1) イ (2) ニ (3) イ・ロ (4) ロ・ハ (5) ハ・ニ
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正解(2) ニ
❌(イ)ガス漏えい検知警報設備は、冷媒の種類や機械換気装置の有無にかかわらず、必ず設置しなければならない。
「必ず設置」が誤りです。検知警報設備は、漏れたガスが滞留するおそれのある場所に設けるもので、すべての場合に必須ではありません。
❌(ロ)溶栓は、圧力を感知して冷媒を放出するが、可燃性や毒性を有する冷媒を用いた冷凍装置では使用できない。
「圧力を感知して」が誤りです。溶栓は温度を感知して溶ける装置です(可燃性・毒性冷媒に使えない点は正しい)。
❌(ハ)圧力容器に取り付ける安全弁の最小口径は、容器の外径と長さの和の平方根と、冷媒の種類ごとに定められた定数の積で決まる。
「外径と長さの和」が誤りです。安全弁の最小口径は、容器の外径と長さの“積”の平方根に、冷媒ごとの定数を掛けて求めます。
⭕(ニ)液封による事故は、二段圧縮冷凍装置の過冷却された液配管や、冷媒液強制循環式冷凍装置の低圧受液器まわりの液配管で発生することが多い。
正しい記述です。冷たい液配管(過冷却された液配管や低圧受液器まわり)は、液が閉じこめられると圧力が急上昇しやすく、液封事故が起きやすい箇所です。
この問題のまとめ
正解は(2)ニのみ。検知警報設備は滞留場所に設置(必ずではない)。溶栓は“温度”で作動。安全弁口径は外径×長さの平方根。液封は冷たい液配管で起きやすいです。
問12
分野:材料の強さ・圧力容器重要度 ★★★
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、材料の強さ及び圧力容器について正しいものはどれか。
イ薄肉円筒胴に発生する応力は、長手方向にかかる応力のほうが接線方向にかかる応力よりも大きい。
ロ板厚が一定の圧力容器であれば、さら形鏡板に応力集中は起こらない。
ハ円筒胴圧力容器の必要な板厚は、設計圧力、容器の内径、材料の許容引張応力、腐れしろ、溶接継手の効率を用いて計算する。
ニ応力とひずみの関係が直線的で、正比例する限界を比例限度という。
【選択肢】
(1) イ・ハ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(5) ハ・ニ
❌(イ)薄肉円筒胴に発生する応力は、長手方向にかかる応力のほうが接線方向にかかる応力よりも大きい。
逆で誤りです。接線方向の応力が長手方向の2倍です(だから縦に裂けやすい)。
❌(ロ)板厚が一定の圧力容器であれば、さら形鏡板に応力集中は起こらない。
「応力集中は起こらない」が誤りです。さら形鏡板の曲率が変わる部分などでは応力集中が起こります。
⭕(ハ)円筒胴圧力容器の必要な板厚は、設計圧力、容器の内径、材料の許容引張応力、腐れしろ、溶接継手の効率を用いて計算する。
正しい記述です。板厚は設計圧力・内径・許容引張応力・腐れしろ・継手効率から計算します。
⭕(ニ)応力とひずみの関係が直線的で、正比例する限界を比例限度という。
正しい記述です。応力とひずみが比例する限界が比例限度です。
この問題のまとめ
正解は(5)ハ・ニ。接線方向応力は長手の2倍。さら形鏡板でも応力集中は起こる。板厚は設計圧力・内径・許容応力・腐れしろ・継手効率で計算。比例限度は応力とひずみが比例する限界です。
問13
分野:据付け及び試験重要度 ★★☆
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、据付け及び試験について正しいものはどれか。
イ耐圧試験は、気密試験の前に冷凍装置のすべての部分について行わなければならない。
ロアンモニア冷凍装置の気密試験には、乾燥空気や窒素ガスを使用し、炭酸ガスを使用してはならない。
ハ真空放置試験は、数時間から一昼夜近い十分に長い時間を必要とする。
ニ多気筒圧縮機を支持するコンクリート基礎の質量は、圧縮機の質量と同程度にする。
【選択肢】
(1) イ・ハ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) ロ・ニ (5) ハ・ニ
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正解(3) ロ・ハ
❌(イ)耐圧試験は、気密試験の前に冷凍装置のすべての部分について行わなければならない。
「すべての部分」が誤りです。耐圧試験は気密試験の前に行いますが、対象は配管以外の部分です(配管は耐圧試験を行いません)。
⭕(ロ)アンモニア冷凍装置の気密試験には、乾燥空気や窒素ガスを使用し、炭酸ガスを使用してはならない。
正しい記述です。アンモニアは炭酸ガスと反応して固体をつくるため、気密試験に炭酸ガスは使えません。
⭕(ハ)真空放置試験は、数時間から一昼夜近い十分に長い時間を必要とする。
正しい記述です。真空放置試験は、わずかな漏れや水分を見るため、長い時間をかけて行います。
❌(ニ)多気筒圧縮機を支持するコンクリート基礎の質量は、圧縮機の質量と同程度にする。
「同程度」が誤りです。振動を抑えるため、基礎の質量は機器の2〜3倍程度にします。
この問題のまとめ
正解は(3)ロ・ハ。耐圧試験は気密試験の前に“配管以外”を対象に。アンモニアの気密試験に炭酸ガスは不可。真空放置試験は長時間。基礎は機器の2〜3倍の質量です。
問14
分野:冷凍装置の運転重要度 ★★☆
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍装置の運転について正しいものはどれか。
イ運転開始前の点検確認項目に、圧縮機クランクケースの冷凍機油の油面や清浄さの点検、凝縮器と油冷却器の冷却水出入口弁が開いていることの確認がある。
ロ冷蔵庫に高い温度の品物が大量に入り冷凍負荷が増加すると、庫内温度が高くなり、冷媒の蒸発温度が上昇する。冷凍負荷の増加に対応して凝縮圧力も上昇する。
ハ冷凍装置を長期間休止させる場合は、ポンプダウンして低圧側の冷媒を受液器に回収し、低圧側と圧縮機内を大気圧よりも低い圧力に保持しておく。
ニ往復圧縮機を用いた冷凍装置では、同じ運転条件で、アンモニア冷媒に比べフルオロカーボン冷媒を用いた方が、吐出しガス温度は高くなる。
【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ニ (3) ロ・ハ (4) イ・ハ・ニ (5) ロ・ハ・ニ
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正解(1) イ・ロ
⭕(イ)運転開始前の点検確認項目に、圧縮機クランクケースの冷凍機油の油面や清浄さの点検、凝縮器と油冷却器の冷却水出入口弁が開いていることの確認がある。
正しい記述です。運転前には油面・油の汚れ、冷却水の弁が開いているかなどを確認します。
⭕(ロ)冷蔵庫に高い温度の品物が大量に入り冷凍負荷が増加すると、庫内温度が高くなり、冷媒の蒸発温度が上昇する。冷凍負荷の増加に対応して凝縮圧力も上昇する。
正しい記述です。負荷が増えると蒸発温度・凝縮圧力ともに上昇します。
❌(ハ)冷凍装置を長期間休止させる場合は、ポンプダウンして低圧側の冷媒を受液器に回収し、低圧側と圧縮機内を大気圧よりも低い圧力に保持しておく。
「大気圧より低い圧力」が誤りです。空気や水分の侵入を防ぐため、低圧側と圧縮機内には大気圧より高い圧力を残しておきます。
❌(ニ)往復圧縮機を用いた冷凍装置では、同じ運転条件で、アンモニア冷媒に比べフルオロカーボン冷媒を用いた方が、吐出しガス温度は高くなる。
「高くなる」が誤りです。同じ条件なら、フルオロカーボンのほうがアンモニアより吐出しガス温度は低くなります。
この問題のまとめ
正解は(1)イ・ロ。運転前は油面・冷却水弁を確認。負荷増で蒸発温度・凝縮圧力は上昇。長期休止は大気圧より“高い”圧力を残す。吐出し温度はフルオロのほうが低いです。
問15
分野:保守管理重要度 ★★★
次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち、冷凍装置の保守管理について正しいものはどれか。
イアンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が侵入すると、少量の水分の侵入であっても、蒸発圧力の低下や冷凍機油の乳化による潤滑性能の低下を引き起こし、運転に重大な支障をきたす。
ロ圧縮機が過熱運転になると、冷凍機油の温度が上昇し、冷凍機油の粘度が下がるため、油膜切れを起こすおそれがある。
ハ冷凍機油中に冷媒が溶け込むと、冷凍機油の粘度が高くなり、潤滑装置に不具合が生じる。
ニ吸込み蒸気配管の途中の大きなUトラップに冷媒液や冷凍機油が溜まっていると、圧縮機の始動時やアンロードからフルロード運転に切り替わったときに、液戻りが生じる。
【選択肢】
(1) イ・ロ (2) イ・ハ (3) イ・ニ (4) ロ・ハ (5) ロ・ニ
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正解(5) ロ・ニ
❌(イ)アンモニア冷凍装置の冷媒系統に水分が侵入すると、少量の水分の侵入であっても、蒸発圧力の低下や冷凍機油の乳化による潤滑性能の低下を引き起こし、運転に重大な支障をきたす。
「少量であっても重大な支障」が誤りです。アンモニアは水とよく溶け合うため、少量の水分なら影響は限定的です(多量に入ると支障が出ます)。フルオロカーボンとは事情が違います。
⭕(ロ)圧縮機が過熱運転になると、冷凍機油の温度が上昇し、冷凍機油の粘度が下がるため、油膜切れを起こすおそれがある。
正しい記述です。過熱運転で油温が上がると粘度が下がり、油膜が切れて潤滑不良になるおそれがあります。
❌(ハ)冷凍機油中に冷媒が溶け込むと、冷凍機油の粘度が高くなり、潤滑装置に不具合が生じる。
「粘度が高くなる」が誤りです。油に冷媒が溶け込むと粘度は低くなり、潤滑が悪くなります。
⭕(ニ)吸込み蒸気配管の途中の大きなUトラップに冷媒液や冷凍機油が溜まっていると、圧縮機の始動時やアンロードからフルロード運転に切り替わったときに、液戻りが生じる。
正しい記述です。Uトラップにたまった液・油は、始動時や負荷の切替え時に一気に吸い込まれ、液戻りの原因になります。
この問題のまとめ
正解は(5)ロ・ニ。アンモニアは少量の水分なら影響限定的。過熱運転は油の粘度低下→油膜切れ。冷媒が溶け込むと粘度は下がる。Uトラップの溜まりは液戻りの原因です。
この10問の要点(直前チェック用)
- 問1 圧縮後は高温高圧の“ガス”/ブルドン管圧力計の指示はゲージ圧力
- 問2 冷凍効果は冷媒が“周囲から奪う”熱量/算術平均は(Δt1+Δt2)/2
- 問3 軸動力は理論動力を効率で“割る”/実吐出しガスは比エンタルピーが高い
- 問4 R507Aは共沸/体積能力が大きいほど押しのけ量は小さくて済む
- 問5 圧縮機は容積式と遠心式/オイルフォーミングは油温が低いほど起きやすい
- 問6 不凝縮ガスは凝縮圧力を上げる/水あかは凝縮温度を上げる
- 問7 圧力降下が大きいと冷却能力は低下/満液式は油戻し装置が必要
- 問8 定圧自動膨張弁は圧力が高いと閉じる/吸入圧力調整弁は“上がらない”よう調節
- 問9 油分離器は“吐出し”配管/乾燥剤は化学変化なしの吸着
- 問10 フラッシュガスは圧力が“低下”すると発生/SGPは毒性冷媒に使わない
- 問11 溶栓は“温度”で作動/安全弁口径は外径×長さの平方根
- 問12 接線方向応力は長手の2倍/さら形鏡板でも応力集中は起こる
- 問13 耐圧試験は“配管以外”が対象/アンモニアの気密試験に炭酸ガスは不可
- 問14 長期休止は大気圧より“高い”圧力を残す/吐出し温度はフルオロのほうが低い
- 問15 アンモニアは少量の水分なら影響限定的/冷媒が溶け込むと油の粘度は下がる
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