【第二種電気工事士】配線図の図記号の読み方をゼロから解説
第二種電気工事士の学科試験は、50問のうち20問が配線図の問題です。つまり4割が図面の読み取りで決まります。
配線図は記号を知っていれば読めますが、知らないと1問も解けません。この記事では、電気をまったく知らない人を想定して、試験に出る図記号だけをまとめて説明します。
配線図とは何か
配線図とは?
住宅の間取り図に、電気の配線と器具を記号で書き込んだ図面です。実際の電気工事は、この図面をもとに行われます。
なぜ記号で描くのか? 「どこに何を、どうつなぐか」を文章では正確に伝えられないからです。そこで世界共通の記号(JIS)で表します。
傍記(ぼうき)とは?
図記号のそばに書かれた小さな文字のことです。その器具の種類や性能を表します。
なぜ文字を添えて区別するのか? 同じ「黒丸(スイッチ)」でも中身はいろいろあります。記号を何十種類も作ると覚えきれないので、基本の記号+文字で区別するしくみになっています。
スイッチ(点滅器)の記号
スイッチは黒丸(●)で表します。傍記で種類を区別します。
スイッチの傍記 まずこの4つ
H … 位置表示灯を内蔵する点滅器(ホタルスイッチ)。「切」のときに光る
L … 確認表示灯を内蔵する点滅器(パイロットスイッチ)。「入」のときに光る
A … 自動点滅器。明るさで自動的に入り切りする
T … タイマ付(遅延)スイッチ
HとLの覚え方
H=ホタル。ホタルは暗いところで光る → 切のときに光る。
L=パイロット。パイロットランプは動いていることを知らせる → 入のときに光る。
なぜ語呂で結び付けるとよいのか? この2つは毎回のように入れ替えて出題されます。語呂で結び付けておくと本番で迷いません。
電線の本数にも影響する
H(ホタル)は電線が増えませんが、L(パイロット)は接地側電線が別に必要で1本増えます。
なぜLだけ電線が増えるのか? ホタルはスイッチと並列に入るだけですが、パイロットは常に電源とつながる必要があるからです。最少電線本数の問題で効いてきます。
スイッチの種類(端子の数で見分ける)
単極(片切)スイッチ … 端子2つ。入と切だけ
3路スイッチ … 端子3つ(0・1・3)。2か所から同じ照明を操作。階段の上下など
4路スイッチ … 端子4つ。3か所以上から操作したいとき、3路と3路のあいだに入れる
コンセントの記号
コンセントは二重丸を横に倒したような記号で表します。こちらも傍記で区別します。
コンセントの傍記 この6つ
E … 接地極付(差込口にアース用の穴がある)
ET … 接地端子付(アース線をネジで留める端子がある)
EET … 接地極付+接地端子付(両方ある)
EL … 漏電遮断器付
WP … 防雨形(屋外用。Weather Proof)
LK … 抜け止め形(差して回すとロック。LocK)
接地極と接地端子のちがい
接地極 … 差込口そのものにアース用の穴がある。プラグを差せば自動でアースがつながる。
接地端子 … ネジで留めるアース線用の端子。洗濯機のアース線をネジ留めするあれです。
なぜ2種類のアースがあるのか? 機器によってプラグにアース極があるものとアース線が1本出ているものの両方があるためです。両方付いたものがEETです。
差込口の形で電圧が分かる
穴が縦向きに2つ → 100V用
穴が横向きに2つ → 200V用
下に丸い穴 → 接地極付
T字の穴 → 20A用
なぜ差込口の形を変えているのか? 形を変えておくことで、100V用の機器を200Vのコンセントに誤って差し込めないようにしているのです。安全のための仕組みです。
照明器具の記号
照明の図記号と傍記
DL … ダウンライト(埋込器具)。天井に穴をあけて埋め込む。Down Light
CL … シーリングライト。天井に直接付ける。CeiLing
CH … シャンデリヤ。CHandelier
丸に横線 … ペンダント。コードで吊り下げる照明
丸の中に( ) … 引掛シーリング。照明を引っ掛ける天井の受け口
「付ける」と「埋める」で分ける
シーリング=天井に付ける、ダウンライト=天井に埋める。
なぜアルファベットが付いているのか? アルファベットのものは英語の頭文字です(CL=Ceiling、CH=Chandelier)。文字がない「丸に横線」がペンダント、と押さえると混ざりません。
その他のよく出る記号
分電盤まわり・機器
B … 配線用遮断器(ブレーカー)。使いすぎで切れる
BE … 漏電遮断器(過負荷保護付)。漏電でも使いすぎでも切れる
E(丸の中) … 接地極
Wh … 電力量計(電気メーター)
RC … ルームエアコン。I=屋内機(Indoor)/O=屋外機(Outdoor)
2Eなど数字 … その場所の電線の本数や種類を表す傍記
最少電線本数の数え方
配線図でいちばん難しいのが「この区間に電線は何本必要か」という問題です。数え方には順番があります。
この順番で数える
手順1 その区間の先に何があるかを見る(スイッチか、器具か、両方か)
手順2 非接地側電線(黒)を1本数える … スイッチへ電気を送る共通の線
手順3 スイッチから器具へ戻る線を、スイッチの数だけ数える
手順4 3路スイッチがあれば、対になる相手へ2本を追加
手順5 器具に直接つながる区間なら接地側電線(白)も数える
非接地側と接地側
非接地側電線(黒) … 電気が来ているほう。スイッチはこちらに入れる
接地側電線(白) … 大地につながっているほう。そのまま器具へ行く
なぜスイッチは黒い線に入れるのか? スイッチを接地側に入れると、切っても器具に電気が残り、電球交換のときに感電します。だからスイッチは必ず非接地側(黒)と決まっています。
接続部品の選び方
リングスリーブ(VVF1.6mmだけの場合)
2本つなぐ … 小スリーブ・刻印は○
3本または4本 … 小スリーブ・刻印は小
5本または6本 … 中スリーブ・刻印は中
なぜ2本だけ刻印が違うの?
2本用は専用の小さな穴でつぶすからです。同じ「小」スリーブでも、2本用と3〜4本用で工具の穴が別になっています。
なぜ本数で工具の穴を変えるのか? 本数が少ないのに大きな穴でつぶすと締まりが足りず、抜けたり発熱したりします。
差込形コネクタ
穴の数=つなげる電線の本数。2本用・3本用・4本用がある
大きさを考える必要がないので、リングスリーブより判断が簡単
本体が絶縁物なので、テープを巻く必要がない
まとめ
この記事で覚えること
H=切で光る(ホタル)/L=入で光る(パイロット)。Lは電線が1本増える
E=接地極/ET=接地端子/EL=漏電遮断器付/WP=防雨/LK=抜け止め
DL=ダウンライト(埋込)/CL=シーリング(直付)/CH=シャンデリヤ
コンセントの穴 縦=100V/横=200V/丸い穴=接地極付
スイッチの端子 2=単極/3=3路/4=4路
リングスリーブ 2本=○/3〜4本=小/5〜6本=中
図記号は覚えれば必ず得点になる分野です。20問のうち半分取れるだけでも、合格がぐっと近づきます。
実際の過去問で確かめる(令和8年度上期 全50問)
▶ 問1〜10
計算と電気の基礎
▶ 問11〜20
材料と工具
▶ 問21〜30
工事のルールと法令
▶ 配線図 問31〜40
図記号と傍記
▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け
