位置・構造・設備の基準|保安距離と保有空地をゼロからやさしく解説【危険物乙4】
この記事でわかること
- 保安距離が「誰を守るための距離か」がわかります
- 保有空地との違いがわかります
- 標識と掲示板の色と文字が覚えられます
- 数字(50m・30m・20m・10m・5m・3m)の順番が整理できます
法令のなかでも数字が特に多く出てくるところです。ただし意味から並べれば、暗記の量はぐっと減らせます。「なぜその距離なのか」から見ていきましょう。
保安距離──まわりの人を守るための距離


用語保安距離とは?
保安距離とは、製造所等(製造所・貯蔵所・取扱所をまとめた呼び名)から、まわりの建物までの間にとらなければならない距離のことです。火災や爆発が起きたときに、まわりの人に被害が及ばないようにするのが目的です。
覚える覚え方
「3・5・10・20・30・50」の順に、電線→住居→ガス→学校病院→文化財。取り返しがつかないものほど遠く——文化財は燃えたら二度と戻らないから50m、と考えると順番が自然に出ます。
覚える保安距離が必要な施設・不要な施設
- 必要 … 製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5つ。
- 不要 … 屋内タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・給油取扱所・販売取扱所など。
- 覚え方 … 必要な5つを「製造所・一般取扱所」+「屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所」の2組に分けて覚え、それ以外は不要、と考えます。
保有空地──消火活動のための空き地
用語保有空地とは?
保有空地とは、製造所等のまわりに設ける、何も置いてはいけない空き地のことです。消防隊が消火活動をするため、また隣へ延焼(火が燃え広がること)するのを防ぐために必要です。
例簡単なたとえ
保安距離は「よそのお宅まで、これだけ離してください」。保有空地は「自分の敷地に、消防車と消防士が動ける場所を空けておいてください」。向いている方向が逆だと考えると混同しにくくなります。
- 屋内貯蔵所の保有空地は指定数量の倍数(貯蔵する量が指定数量の何倍か)と、壁の構造(耐火かどうか)で変わる
- 指定数量の倍数が大きいほど、広い空地が必要
- 屋外タンク貯蔵所は、タンクの直径や高さでも変わる
標識と掲示板──色と文字が問われる
製造所等には、標識と掲示板を見やすい場所に設けます。色の組み合わせは、そのまま問われやすいポイントです。
覚える第4類ならこれ
- 第4類には「火気厳禁」(赤地に白文字)を掲げます。
- 「禁水」は第1類の一部と第3類のもので、第4類には使いません。ここが引っかけになります。
- 移動タンク貯蔵所(タンクローリー)は「危」の標識。0.3m×0.3m以上0.4m×0.4m以下の黒地に黄色の反射塗料で「危」と書き、前後の見やすい位置に掲げます。
覚える覚え方
「火は赤、水は青」。火気厳禁・火気注意は赤地、禁水は青地で、文字はどれも白です。第4類=火気厳禁=赤地に白だけは確実に。
そのほかの構造・設備の基準
- 建物は不燃材料(燃えない材料)で造る … 壁・柱・床・はりなど
- 屋根は不燃材料で、金属板など軽い材料でふく(覆う) … 爆発したときに上へ抜けるようにするため
- 窓・出入口には防火設備 … ガラスを使うときは網入りガラス
- 床は危険物がしみ込まない構造にし、傾斜と「ためます」(こぼれた危険物を集めるくぼみ)を設ける
- 蒸気を屋外の高いところへ排出する設備
- 静電気が発生するおそれのある設備には接地(静電気を地面へ逃がすつなぎ)
- 避雷設備 … 指定数量の10倍以上の製造所等
なぜ?なぜ屋根は「軽く」造るのか?
爆発の力を上に逃がすためです。屋根を頑丈にしてしまうと、爆発の圧力が横に向かい、壁が吹き飛んでまわりに被害が出るおそれがあります。屋根が軽ければ、圧力は上へ抜けて被害が小さくなります。「不燃材料なのに軽くふく」という一見矛盾した基準は、これが理由です。
よくある質問
Q.保安距離は「敷地の外の建物」までですか?
A.はい。住居の場合は「同一敷地外にある住居」まで10m以上です。同じ敷地の中にある自分の住居は対象外になります。試験では「同一敷地外」という言葉が入っているかどうかを見てください。
Q.保有空地の中に、危険物の容器を一時的に置くのもいけませんか?
A.置けません。保有空地は「空けておくこと」に意味がある場所です。一時的でも物を置くと、消防隊が入れなくなったり、そこから延焼したりするおそれがあります。「保有空地内には物品を置いてはならない」という形で出題されることもあります。
Q.避雷設備は必ずいるのですか?
A.指定数量の10倍以上を扱う製造所・屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所に必要です。ただしまわりの状況によって安全上支障がなければ不要とされており、絶対条件ではありません。数字の「10倍以上」を覚えておいてください。
試験ではこう出る
例出題のされ方
- ①保安距離の数値 … 「学校・病院までの保安距離は」→30m以上。
- ②保安距離が不要な施設 … 地下タンク・移動タンク・給油取扱所など。
- ③掲示板の色 … 「火気厳禁は赤地に白文字」。
- ④避雷設備 … 指定数量10倍以上。
まとめこのページのまとめ
- 保安距離=まわりの人を守る距離。3・5・10・20・30・50(電線→住居→ガス→学校病院→文化財)
- 保安距離が必要なのは製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5つ
- 保有空地=消火活動と延焼防止のための空き地。物を置かない
- 第4類の掲示板は「火気厳禁」=赤地に白文字
- タンクローリーは黒地に黄色の「危」
- 屋根は軽い不燃材料(爆発の力を上へ逃がすため)。避雷設備は指定数量10倍以上
