弁(バルブ)の種類と選び方|仕切弁・玉形弁・逆止弁【管工事施工管理技士】
この記事でわかること
- 仕切弁・玉形弁・バタフライ弁・ボール弁のちがいがわかります
- 「開閉用」と「流量調整用」の使い分けがわかります
- 逆止弁の種類と、どこに使うかがわかります
- 減圧弁・安全弁・電動二方弁の役割がわかります
弁は「何のために付いているか」で覚えるのがコツです。止めるためか、絞るためか、逆流を防ぐためか——この3つに分けると、選択肢がすぐ絞れます。
開閉用の弁

💡 覚え方
「仕切弁とボール弁は、開けきれば抵抗ゼロに近い」。だからふだん開けっぱなしにしておく所——ポンプの吸込み側や、主管の元弁に使います。
流量調整用の弁
なぜ玉形弁は流量調整に向くのか?
弁体の動きに対して、開口面積がゆるやかに変わるからです。仕切弁は少し開けただけで一気に流れてしまい、しかも板がガタついて壊れます。玉形弁はハンドルを回した分だけ素直に流量が変わるので、絞って使えます。
仕切弁で絞ってはいけない理由
- 弁体(板)が水流でばたついて、振動と騒音が出る。
- 弁座が削れて、閉まらなくなる(シート漏れ)。
- → 仕切弁は「全開か全閉か」で使うのが原則です。
逆止弁(チェッキ弁)

逆止弁とは?
一方向にだけ流れを通し、逆流を止める弁です。ポンプの吐出し側や、逆流させてはいけない所に付けます。
💡 覚え方
「スイングは静かだが閉まるのが遅い、ばね式は速く閉じて水撃を防ぐ」。ポンプの吐出し側では、止まった瞬間の逆流が水撃の原因になるので(第13回)、速く閉じる弁が選ばれます。
そのほかの弁
- 減圧弁 … 1次側の圧力が変動しても、2次側を一定に保つ。高層建築の低層階など
- 安全弁・逃し弁 … 圧力が上がりすぎたら逃がす。給湯設備の膨張対策にも使う
- 定水位弁(ボールタップ) … 受水槽の水位を一定に保つ
- 電動二方弁・三方弁 … 空調の温度制御。二方弁は流量を変える(変流量)、三方弁は流れを分ける(定流量)
- ストレーナ … ゴミを取る。弁ではないが、弁やポンプの手前に付ける
二方弁と三方弁のちがい
二方弁は入口と出口が1つずつ。絞ると、系全体の流量が減ります(変流量方式)。三方弁は口が3つ。コイルへ行く分とバイパスする分に分けるので、系全体の流量は変わりません(定流量方式)。省エネの面では、ポンプの動力が減る二方弁(変流量)が有利です。
弁の材質と圧力の表し方
- 青銅・黄銅 … 小口径の給水・給湯
- 鋳鉄・ダクタイル鋳鉄 … 中〜大口径
- ステンレス鋼 … 耐食性が必要な所
- 呼び圧力 … 10K・16K・20Kなど。数字が大きいほど高い圧力に耐える
施工上の注意
- 玉形弁・逆止弁には流れの向きがある … 本体の矢印を確認して取り付ける。逆だと機能しません。
- 弁の前後には、点検のためのスペースを確保する。
- ハンドルが操作できる向きに取り付ける。
- 大口径の弁は、自重を支持する(配管に荷重をかけない)。
試験ではこう出る
- ①流量調整 … 「仕切弁は流量調整に適している」→誤り。玉形弁です。
- ②抵抗 … 「全開時の圧力損失は、玉形弁のほうが仕切弁より大きい」→正しい。
- ③リフト式逆止弁 … 「リフト式逆止弁は、垂直配管に取り付けることができる」→誤り。水平配管のみ。
- ④水撃 … 「ポンプの吐出し側には、衝撃吸収式逆止弁を用いるとよい」→正しい。
- ⑤二方弁 … 「電動二方弁を用いると変流量方式となる」→正しい。
- ⑥バタフライ弁 … 「バタフライ弁は大口径に適し、設置スペースが小さい」→正しい。
よくある質問
Q.「10K」の弁を、もっと高い圧力の所に使ってはいけないのですか?
A.いけません。呼び圧力は、その弁が安全に使える圧力の目安です。超えて使うと漏れたり、破損したりします。一般に給水・給湯は10K、高層の低層階や蒸気は16K・20Kが使われます。フランジの寸法も呼び圧力ごとに違うので、組み合わせを間違えると付きません。
Q.ストレーナはどこに付けるのですか?
A.守りたい機器の手前(上流側)です。ポンプ・自動弁・熱交換器・水道メーターの前に付けます。ゴミが入ると詰まる・傷つく機器を守るためです。清掃できるように、取り外しのスペースとドレン(水抜き)を用意しておきます。
Q.弁を「全開から半回転戻す」と聞きましたが、なぜですか?
A.全開のまま固着するのを防ぐためです。仕切弁を目いっぱい開けきると、ねじ部が締まりきって動かなくなることがあります。いざ閉めたいときに回らないと困るので、全開にしてから少し戻しておくのが現場の習慣です。(試験には出ませんが、実務では大切です。)
このページのまとめ
- 仕切弁・ボール弁=開閉用(全開時の抵抗が小さい)
- 玉形弁=流量調整用(全開でも抵抗が大きい)
- バタフライ弁=大口径・省スペース
- 逆止弁はスイング式(水平・垂直)/リフト式(水平のみ)
- ポンプ吐出し側は、水撃を防ぐばね式
- 二方弁=変流量(省エネ)/三方弁=定流量
- 玉形弁と逆止弁には流れの向きがある
