【第二種電気工事士】最少電線本数の数え方|配線図でいちばん差がつく問題
配線図の問題で特に差がつきやすいのが、「ここのケーブルは何本必要か」を答える最少電線本数の問題です。ゼロパスに載せている過去問350問のうち、この形の問題は7問出ていました。難しそうに見えますが、数えるのではなく、決まった手順でたどっていけば答えにたどり着けるのです。この記事では、電気の知識がまったくない状態からでも分かるように、1つずつ順番に解説します。
まず、何を聞かれているのかを知る
用語心線(しんせん)とは?
心線とは、1本のケーブルの中に入っている、電線1本1本のこと。VVFケーブル(住宅の配線で一般的に使われるケーブル)なら、灰色の平たい外皮の中に白・黒(・赤)の線が入っています。この中身が心線です。
💡 なぜ?
図面ではケーブル1本を1本の線で描いているから。見た目は1本でも、中身は2本だったり3本だったりします。最少電線本数の問題は、絵では見えない中身を、回路の理屈から言い当てなさいという問題です。
例単線図と複線図
・単線図 … ケーブル1本を1本の線で描いた図(試験に出ている配線図がこれ)
・複線図 … 中の心線を1本ずつ全部描き分けた図
単線図のままでは、どの線がどこにつながるか分かりません。本数を数える問題も、リングスリーブ(電線どうしをつなぐ金属の筒)の数を数える問題も、技能試験の作業も、複線図に直してから考えるのが基本です。といっても、紙の隅に簡単に描くだけで十分です。
👉 複線図の書き方はこちら
数える前に覚える、3つの決まり

覚える配線の基本ルール
① 電源の白(接地側:大地につないである側)は、スイッチを通さずそのまま照明・コンセントへ
② 電源の黒(非接地側)は、まずスイッチへ
③ スイッチから出た線(スイッチ返し)が、照明へ戻る
照明1つをスイッチ1つで点ける、いちばん単純な形なら、スイッチと照明の間は1本、ジョイントボックス(電線どうしをつなぐ箱)との間は2本になります。この形が全部の基本です。
覚える覚え方
「白は器具へ、黒はスイッチへ」。この一言で①と②が出てきます。そしてスイッチから戻る線が1本ずつ増える——これが③の決まり。3路スイッチや4路スイッチが出てきても、増えるのはこの「戻り」の数だけです。
手順:この順番でたどる
コツ最少電線本数を出す4ステップ
① その場所の器具(照明・コンセント・スイッチ)を全部書き出す
② どのスイッチがどの照明を点けるかを、図面の記号(イ・ロ・ハなど)で対応させる
③ 白・黒・スイッチ返しを、上の3つの決まりで1本ずつ引く
④ 問われている場所を横切っている線の数を数える
注意注意
④で数えるのは「その場所を通る心線」だけです。図面全体の線ではありません。聞かれている矢印の位置に定規をあてて、そこを横切る線だけを数えてください。
例で見る:照明1つ・スイッチ1つ
いちばん単純な形で、手順どおりに引いてみます。玄関の照明「イ」を、玄関のスイッチ「イ」で点ける場合です。
コツ線を引く順番
① ジョイントボックスに、電源から白と黒の2本が来ている
② 白を、そのまま照明へ引く(スイッチは通さない)
③ 黒を、スイッチへ引く
④ スイッチから戻りの1本を、照明へ引く
| 場所 | 通る心線 | 本数 |
|---|---|---|
| ジョイントボックス → 照明 | 白(接地側)+スイッチ返し | 2本 |
| ジョイントボックス → スイッチ | 黒(非接地側)+スイッチ返し | 2本 |
照明が2つに増えても、スイッチが2つに増えても、やることは「白を器具へ」「黒をスイッチへ」「戻りを1本ずつ」の3つだけです。増えた器具の数だけ、戻りの線が増えていきます。
3路スイッチ・4路スイッチが出たとき
階段や廊下の照明は、2か所(または3か所)で入り切りできるようになっています。このときに使うのが、3路スイッチ・4路スイッチです。
| スイッチの種類 | 図面の書き方 | つながる線 |
|---|---|---|
| 3路スイッチ | ●に3 | 3本(共通1本+渡り2本) |
| 4路スイッチ | ●に4 | 4本(両側から2本ずつ) |
2か所で点けるなら3路スイッチが2つ、3か所で点けるなら3路スイッチ2つ+4路スイッチ1つで、4路は真ん中に入ります。この組み合わせが分かれば、その間を通る線の本数も自然と決まるのです。
🤔 なぜ3路スイッチには3本つながるのですか。
3路スイッチは、1本の入口を、2本の出口に切り替える部品だからです。線路の分岐器(ポイント)と同じ形で、入口1・出口2で合計3本になります。4路スイッチは、その渡り2本を左右で入れ替える部品なので、左右合わせて4本です。
試験ではこう出る
| よくある間違い | 正しくは |
|---|---|
| ケーブルの本数を数えてしまう | 聞かれているのは心線の数 |
| 図面全体の線を数えてしまう | その場所を横切る線だけ |
| 白い線もスイッチに通してしまう | 白(接地側)はスイッチを通さず器具へ |
| 3路スイッチを2本でつないでしまう | 3路は3本、4路は4本 |
覚える覚え方
本番では、問われた場所のまわりだけを複線図に直せば足ります。図面全部を描き直す必要はありません。「その場所につながる器具は何か」を見て、そこだけ線を引いてください。
よくある質問
Q. 複線図を描く時間がありません。
A. 全部は描かなくて大丈夫です。問われた部分だけ、紙の隅に10秒ほどで描きます。慣れると、頭の中で線を引けるようになります。
Q. 最少、とわざわざ書いてあるのはなぜですか。
A. 回路としては本数を増やしてもつなげますが、無駄のない最小の本数を答えさせるためです。実際の工事でも、必要以上に太い(心線の多い)ケーブルは使いません。
Q. 配線図の問題は捨ててもよいですか。
A. おすすめしません。配線図は50問のうち20問を占めます。しかも図記号や傍記(図記号の横に添える文字)のように覚えれば取れる問題も多く含まれています。
まとめまとめ
・聞かれているのは心線(ケーブルの中身)の数
・白は器具へ、黒はスイッチへ、スイッチ返しが照明へ
・3路は3本、4路は4本つながる
・問われた場所を横切る線だけを数える
・複線図はその部分だけ描けばよい
