二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和8年10月公表分の「関係法令」(問31〜問40)です。

専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和8年10月公表)

問31 廃止したボイラーを再び設置する手続きの順序

令和8年10月公表分野:廃止したボイラーを再び設置する手続きの順序重要度 ★★
使用を廃止したボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)を再び設置する場合の手続きの順序として、法令上、適切なものは次のうちどれか。ただし、計画届の免除認定を受けていない場合とする。
(1)使用検査→構造検査→設置報告
(2)使用検査→設置届→落成検査
(3)設置届→落成検査→使用検査
(4)溶接検査→使用検査→落成検査
(5)溶接検査→落成検査→設置報告
答え・解説を見る
正解

(2)
使用検査→設置届→落成検査

この問題は何を聞いている?

一度使用をやめた(廃止した)ボイラーを、もう一度据えるときの手続きの問題です。3つの手続きの名前と順番が正しいものを1つ選びます。

使用検査とは?

輸入したボイラーや廃止したボイラーなどを使い始める前に受ける検査(ボイラー則第12条)。

💡 なぜ? 廃止したボイラーは、検査証を返還しています(第48条)。もう一度使うには、改めて検査で確かめる決まりなのです。

廃止したボイラーを再び設置する順序

①使用検査を受ける(第12条第1項第3号)

②設置届を所轄労働基準監督署長に出す(第10条)

③据えたあと落成検査を受ける(第14条)

(1) ❌ 誤った順序

使用検査→構造検査→設置報告

構造検査は、ボイラーをつくったときに受ける検査です。設置報告は、移動式ボイラーを据えるときの手続きです(第11条)。この問題は移動式を除いているので、どちらも当てはまりません。

(2) ⭕ 正しい順序

使用検査→設置届→落成検査

使用検査→設置届→落成検査の順です。使用を廃止したボイラーを再び設置する者は、使用検査を受けなければなりません(第12条第1項第3号)。そのうえで設置届を出し、据えたら落成検査を受ける流れです。

(3) ❌ 誤った順序

設置届→落成検査→使用検査

3つの名前は合っていますが、順番が逆です。落成検査は、構造検査または使用検査に合格した後でなければ受けられません(第14条第2項)。使用検査が最後に来ている点が誤りです。

(4) ❌ 誤った順序

溶接検査→使用検査→落成検査

溶接検査は、溶接でボイラーをつくるときに受ける検査です(第7条)。再び設置するときの手続きではありません。設置届も抜けています。

(5) ❌ 誤った順序

溶接検査→落成検査→設置報告

溶接検査はつくるときの検査、設置報告は移動式ボイラーの手続きです。必要な使用検査と設置届が、どちらも入っていません。

💡 覚え方

廃止・輸入・1年以上置きっぱなし=使用検査から。そのあとは新しく据えるときと同じで、設置届→落成検査と進みます。「溶接検査」「構造検査」はつくるとき、「設置報告」は移動式の言葉です。

以上から、正解は(2)です。

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問32 ボイラー室と据付位置の距離

令和8年10月公表分野:ボイラー室と据付位置の距離重要度 ★★★
ボイラー(移動式ボイラー、屋外式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)を設置するボイラー室について、法令上、定められていないものは次のうちどれか。
(1)伝熱面積が3m²をこえる蒸気ボイラーは、ボイラー室に設置しなければならない。
(2)ボイラーの最上部から天井、配管その他のボイラーの上部にある構造物までの距離は、原則として、1m以上としなければならない。
(3)ボイラー室には、必要がある場合のほか、引火しやすいものを持ち込ませてはならない。
(4)立てボイラーは、ボイラーの外壁から壁、配管その他のボイラーの側部にある構造物(検査及び掃除に支障のない物を除く。)までの距離を、原則として、0.45m以上としなければならない。
(5)ボイラー室に燃料の石炭を貯蔵するときは、原則として、これをボイラーの外側から1.2m以上離しておかなければならない。
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正解

(2)
ボイラーの最上部から天井、配管その他のボイラーの上部にある構造物までの距離は、原則として、1m以上としなければならない。

この問題は何を聞いている?

ボイラー室と、ボイラーのまわりに空ける距離の数字の問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。

ボイラー室とは?

専用の建物、または建物の中を障壁(壁など)で区切った場所のこと(ボイラー則第18条)。

(1) ⭕ 正しい記述

伝熱面積が3m²をこえる蒸気ボイラーは、ボイラー室に設置しなければならない。

ボイラーはボイラー室に設置するのが決まりです(第18条)。除かれるのは、伝熱面積(熱を受け取る面の広さ)が3m²以下のボイラーだけです。3m²をこえるものは、ボイラー室に置かなければなりません。

(2) ❌ 誤りの記述

ボイラーの最上部から天井、配管その他のボイラーの上部にある構造物までの距離は、原則として、1m以上としなければならない。

ボイラーの最上部から、天井や配管など上の構造物までの距離は1.2m以上です(第20条第1項)。1.2mが1mに入れ替えられている点が誤りです。「原則として」とあるのは、安全弁などの附属品の検査や取扱いに支障がないときは除かれるからです。

(3) ⭕ 正しい記述

ボイラー室には、必要がある場合のほか、引火しやすいものを持ち込ませてはならない。

ボイラー室には、必要がある場合のほか、引火しやすい物を持ち込ませないことが定められています(第29条第2号)。

(4) ⭕ 正しい記述

立てボイラーは、ボイラーの外壁から壁、配管その他のボイラーの側部にある構造物(検査及び掃除に支障のない物を除く。)までの距離を、原則として、0.45m以上としなければならない。

立てボイラー(胴を立てた形のボイラー)と、本体を被覆していないボイラーの決まりです。外壁から壁や配管など横の構造物までを、0.45m以上空けます(第20条第2項)。胴の内径500mm以下で長さ1,000mm以下の小さなものは、0.3m以上でかまいません。

(5) ⭕ 正しい記述

ボイラー室に燃料の石炭を貯蔵するときは、原則として、これをボイラーの外側から1.2m以上離しておかなければならない。

ボイラー室に燃料を置くときは、ボイラーの外側から2m以上離します(第21条第2項)。ただし石炭のような固体燃料は1.2m以上です。障壁を設けるなど、防火の措置をしたときは除かれます。

💡 覚え方

上は1.2m、横は0.45m。上のほうが広いのは、ボイラーの上に安全弁などの附属品があるからです。1.2mは「上の空間」と「石炭」の2か所に出てくる、と組にして覚えましょう。

以上から、正解は(2)です。

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問33 二級ボイラー技士を作業主任者に選任できるか

令和8年10月公表分野:二級ボイラー技士を作業主任者に選任できるか重要度 ★★
ボイラーの取扱いの作業について、法令上、ボイラー取扱作業主任者として二級ボイラー技士を選任できるボイラーは、次のうちどれか。ただし、他にボイラーはないものとする。また、電気ボイラーは蒸気ボイラーであるものとし、廃熱ボイラーは貫流ボイラー以外のボイラーとする。
(1)最大電力設備容量が1500kWの電気ボイラー
(2)伝熱面積が25m²の鋳鉄製蒸気ボイラー
(3)伝熱面積が30m²の炉筒煙管ボイラー
(4)伝熱面積が30m²の煙管ボイラー
(5)伝熱面積が40m²の廃熱ボイラー
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正解

(5)
伝熱面積が40m²の廃熱ボイラー

この問題は何を聞いている?

二級ボイラー技士を、ボイラー取扱作業主任者に選べるボイラーはどれかを問う問題です。伝熱面積の数え方を当てはめて、25m²未満になるものを探します。

ボイラー取扱作業主任者とは?

ボイラーの取扱いの作業で、責任者として選ばれる人。事業者は、ボイラーの大きさに応じた免許を持つ人から選びます(ボイラー則第24条)。

💡 なぜ? 二級ボイラー技士を選べるのは、取り扱うボイラーの伝熱面積の合計が25m²未満の場合です。25m²以上になると、一級か特級が必要になります。

ボイラー 作業主任者を選ぶときの数え方
電気ボイラー 電力設備容量60kWを1m²とみなす(第2条第4号)
廃熱ボイラーなど、火気以外の高温ガスで加熱するもの 伝熱面積に2分の1をかける(第24条第2項第2号)
貫流ボイラー 伝熱面積に10分の1をかける(第24条第2項第1号)
上のどれでもないボイラー 伝熱面積をそのまま数える

(1) ❌ 二級は選任できない

最大電力設備容量が1500kWの電気ボイラー

電気ボイラーは、60kWを1m²として伝熱面積に直します。1,500÷60=25m²です。25m²ちょうどは「25m²未満」に入らないので、二級は選任できません。

(2) ❌ 二級は選任できない

伝熱面積が25m²の鋳鉄製蒸気ボイラー

鋳鉄製蒸気ボイラーは、伝熱面積をそのまま数えます。25m²は25m²未満ではないので、二級は選任できません。

(3) ❌ 二級は選任できない

伝熱面積が30m²の炉筒煙管ボイラー

炉筒煙管ボイラーもそのまま30m²です。25m²以上なので、一級または特級のボイラー技士から選びます。

(4) ❌ 二級は選任できない

伝熱面積が30m²の煙管ボイラー

煙管ボイラーもそのまま30m²と数えます。これも25m²以上なので、二級は選任できません。

(5) ⭕ 二級を選任できる

伝熱面積が40m²の廃熱ボイラー

廃熱ボイラーは、火気以外の高温ガスを加熱に使うボイラーです。伝熱面積に2分の1をかけるので、40×1/2=20m²になります。25m²未満なので、二級ボイラー技士を選任できるのです。

💡 覚え方

「まずm²に直す→25m²未満か確かめる」の2段階で解きます。電気は÷60、廃熱は×1/2、貫流は×1/10。直した結果が25ちょうどなら選任できない、という点がひっかけです。

以上から、正解は(5)です。

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問34 附属品の管理(ボイラー則第28条)

令和8年10月公表分野:附属品の管理(ボイラー則第28条)重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品の管理に関する記述について、法令上、定められていないものは次のうちどれか。
(1)圧力計の目盛りには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。
(2)蒸気ボイラーの最高水位及び最低水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。
(3)水高計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講ずること。
(4)燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護すること。
(5)逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。
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正解

(2)
蒸気ボイラーの最高水位及び最低水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。

この問題は何を聞いている?

ボイラーに付いている附属品(圧力計・水面計など)の管理の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。

附属品の管理は、ボイラー則第28条に8つの事項として並んでいます。この問題は、条文の一語だけを入れ替えた選択肢を見抜けるかがポイントです。

(1) ⭕ 正しい記述

圧力計の目盛りには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。

圧力計や水高計の目もりには、最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をします(第28条第1項第5号)。最高使用圧力は、そのボイラーで使ってよい最高の圧力のことです。

(2) ❌ 誤りの記述

蒸気ボイラーの最高水位及び最低水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。

表示するのは常用水位です(第28条第1項第6号)。条文では、常用水位を現在水位と比べられるように表示する、と定めています。常用水位が「最高水位及び最低水位」に入れ替えられている点が誤りです。

(3) ⭕ 正しい記述

水高計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講ずること。

水高計は、温水ボイラーの圧力を見る計器です。圧力計と水高計は、振動を受けないようにします(第28条第1項第4号)。あわせて、内部が凍結し、または80℃以上にならない措置をとる決まりです。

(4) ⭕ 正しい記述

燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護すること。

燃焼ガス(燃えたあとの熱いガス)に触れる3つの管の決まりです。給水管・吹出管・水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護します(第28条第1項第7号)。

(5) ⭕ 正しい記述

逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。

逃がし管は、温水ボイラーと膨張タンクをつなぎ、温まってふくらんだ水を逃がす管です。この管は、凍結しないように保温などの措置をとります(第28条第1項第3号)。

よく入れ替えられる言葉 条文の正しい言葉
最高水位・最低水位・安全低水位 常用水位
常用圧力(目もりの表示) 最高使用圧力
不燃性材料で保温 耐熱材料で防護

💡 覚え方

水位の表示は「常用水位」、目もりの表示は「最高使用圧力」。水位はいつもの位置と今の位置を見比べる、圧力は上限に印を付ける、と対にして覚えましょう。

以上から、正解は(2)です。

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問35 定期自主検査(間隔と項目)

令和8年10月公表分野:定期自主検査(間隔と項目)重要度 ★★
次の文中の 内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。
「ボイラー(小型ボイラーを除く。)について、その使用を開始した後、A以内ごとに1回、定期に、ボイラー本体、B、C、附属装置及び附属品について自主検査を行わなければならない。」
A B C
(1) 1か月 集じん装置 自動制御装置
(2) 1か月 燃焼装置 自動制御装置
(3) 1か月 燃焼装置 排水処理装置
(4) 6か月 集じん装置 自動制御装置
(5) 6か月 燃焼装置 排水処理装置
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正解

(2)
1か月 / 燃焼装置 / 自動制御装置

この問題は何を聞いている?

ボイラーの定期自主検査について、条文の空欄を埋める問題です。検査の間隔と、検査する項目の名前が問われています。

定期自主検査とは?

事業者が、ボイラーを使い始めたあと定期に行う検査(ボイラー則第32条)。

💡 なぜ? 役所や検査機関の検査ではなく、事業者が自分で行うので「自主」検査と呼びます。

項目(第32条) 点検するもの
ボイラー本体 損傷の有無
燃焼装置 バーナ・ストレーナ・バーナタイルと炉壁・煙道など
自動制御装置 火炎検出装置・燃料しゃ断装置・水位調節装置・電気配線など
附属装置及び附属品 給水装置・蒸気管と弁・空気予熱器・水処理装置

空欄A = 1か月

条文は「その使用を開始した後、1月以内ごとに1回、定期に」です。6か月ではなく1か月なので、(4)と(5)は外れます。

空欄B = 燃焼装置

検査の項目は、ボイラー本体・燃焼装置・自動制御装置・附属装置及び附属品の4つです。ボイラー本体の次に来るのは燃焼装置です。集じん装置は、4つの項目に入っていません。

空欄C = 自動制御装置

燃焼装置の次は自動制御装置です。排水処理装置も、4つの項目に入っていません。表にある水処理装置は「附属装置及び附属品」の点検対象で、排水処理装置とは別の言葉です。

検査の結果は、記録して3年間保存する決まりです。

💡 覚え方

「1か月ごと・4項目・3年保存」。4項目は本体・燃焼・自動制御・附属の順です。「集じん」「排水処理」は条文に出てこない言葉なので、見たら外しましょう。

A=1か月、B=燃焼装置、C=自動制御装置なので、正解は(2)です。

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問36 ボイラーの検査と検査証

令和8年10月公表分野:ボイラーの検査と検査証重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の検査及び検査証に関する記述について、法令上、適切でないものは次のうちどれか。
(1)所轄労働基準監督署長は、落成検査に合格したボイラー又は落成検査の必要がないと認めたボイラーについて、ボイラー検査証を交付する。
(2)ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、登録性能検査機関の性能検査を受けなければならない。
(3)性能検査を受ける者は、検査に立ち会わなければならない。
(4)ボイラーの附属設備に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。
(5)構造検査を受けた後、1年以上設置されなかったボイラーを設置しようとする者は、原則として使用再開検査を受けなければならない。
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正解

(5)
構造検査を受けた後、1年以上設置されなかったボイラーを設置しようとする者は、原則として使用再開検査を受けなければならない。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの検査の名前と、ボイラー検査証の決まりを問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

ボイラー検査証とは?

落成検査に合格したボイラーなどに、所轄労働基準監督署長が交付する証明書(ボイラー則第15条)。

💡 なぜ? 有効期間があり、原則は1年です。期限が来る前に性能検査を受けて更新します。

(1) ⭕ 正しい記述

所轄労働基準監督署長は、落成検査に合格したボイラー又は落成検査の必要がないと認めたボイラーについて、ボイラー検査証を交付する。

落成検査は、ボイラーを据えたあとに受ける検査です。合格したボイラーには、所轄労働基準監督署長がボイラー検査証を交付します(第15条第1項)。署長が落成検査の必要がないと認めたボイラーも、交付の対象です。

(2) ⭕ 正しい記述

ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、登録性能検査機関の性能検査を受けなければならない。

検査証の有効期間を更新するには、性能検査を受けます(第38条)。性能検査を行い、有効期間を更新するのは登録性能検査機関です。

(3) ⭕ 正しい記述

性能検査を受ける者は、検査に立ち会わなければならない。

性能検査を受ける者は、検査に立ち会わなければなりません。構造検査の立会いの決まり(第6条第3項)が、性能検査にも当てはめられているからです(第40条第2項)。

(4) ⭕ 正しい記述

ボイラーの附属設備に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。

附属設備は、変更届と変更検査の対象です(第41条第2号)。ボイラー則でいう附属設備は、過熱器と節炭器(エコノマイザ)に限られます(第7条)。変更を加えた者は変更検査を受けます。署長が検査の必要がないと認めたボイラーは除かれます(第42条)。

(5) ❌ 誤りの記述

構造検査を受けた後、1年以上設置されなかったボイラーを設置しようとする者は、原則として使用再開検査を受けなければならない。

受けるのは使用検査です(第12条第1項第2号)。構造検査のあと1年以上設置されなかったボイラーを据えるときの決まりです。使用再開検査は、休止したボイラーを再び使うときの検査です(第46条)。検査の名前が入れ替えられている点が誤りです。

検査 受ける場面
使用検査 輸入した/構造検査の後1年以上設置されなかった/廃止したものを再び設置・使用する
使用再開検査 休止したボイラーを再び使用する

💡 覚え方

「休止→再開」のときだけ使用再開検査。輸入・長く未設置・廃止は、どれも使用検査です。名前がよく似ているので、「休止」という言葉があるかで見分けましょう。

以上から、正解は(5)です。

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問37 変更届が必要な部分・設備

令和8年10月公表分野:変更届が必要な部分・設備重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の次の部分又は設備を変更しようとするとき、法令上、ボイラー変更届を所轄労働基準監督署長に提出する必要のないものは次のうちどれか。ただし、計画届の免除認定を受けていない場合とする。
(1)管板
(2)ステー
(3)主蒸気管
(4)燃焼装置
(5)据付基礎
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正解

(3)
主蒸気管

この問題は何を聞いている?

ボイラーのどこを変更するときに、変更届が必要かを問う問題です。変更届を提出する必要のないものを1つ選びます。

ボイラー変更届とは?

ボイラーの決められた部分や設備を変更しようとするとき、所轄労働基準監督署長に出す届出(ボイラー則第41条)。

変更届の対象(第41条) 具体的には
本体の主要部分(第1号) 胴・ドーム・炉筒・火室・鏡板・天井板・管板・管寄せ・ステー
附属設備(第2号) 過熱器・節炭器(エコノマイザ)
燃焼装置(第3号) バーナなど
据付基礎(第4号) ボイラーを据える土台

(1) ⭕ 変更届が必要

管板

管板は、煙管などの管を取り付ける板で、ボイラー本体の部分です。第41条第1号に名前が挙げられているので、変更届が必要です。

(2) ⭕ 変更届が必要

ステー

ステーは、圧力に弱い平らな板などを支える補強材です。これも第41条第1号に挙げられています。

(3) ❌ 変更届は必要ない

主蒸気管

主蒸気管は、できた蒸気を使う場所へ送る管です。第41条の4つの号のどれにも入っていません。そのため、変更届を出す必要はありません。

(4) ⭕ 変更届が必要

燃焼装置

燃焼装置は、第41条第3号にそのまま挙げられています。

(5) ⭕ 変更届が必要

据付基礎

据付基礎は、第41条第4号にそのまま挙げられています。

対象に入らないものとして出題されたのは、主蒸気管のほか、煙管・空気予熱器・給水装置・水処理装置・自動制御装置です。

💡 覚え方

「本体の骨組み・過熱器と節炭器・燃焼装置・土台」の4つが変更届の対象です。主蒸気管は蒸気を送るだけの管で、この4つのどれにも当たりません。

変更届を提出する必要がないのは主蒸気管なので、正解は(3)です。

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問38 鋼製ボイラーの安全弁

令和8年10月公表分野:鋼製ボイラーの安全弁重要度 ★★
鋼製ボイラー(貫流ボイラー及び小型ボイラーを除く。)の安全弁に関する記述について、法令上、定められていないものは次のうちどれか。
(1)伝熱面積が100m²以下の蒸気ボイラーは、備えるべき安全弁を1個とすることができる。
(2)安全弁は、ボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付け、かつ、弁軸を鉛直にしなければならない。
(3)引火性蒸気を発生する蒸気ボイラーにあっては、安全弁を密閉式の構造とするか、又は安全弁からの排気をボイラー室外の安全な場所へ導くようにしなければならない。
(4)水の温度が120℃をこえる温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
(5)安全弁は、最高使用圧力以下で作動するように調整しなければならない。
答え・解説を見る
正解

(1)
伝熱面積が100m²以下の蒸気ボイラーは、備えるべき安全弁を1個とすることができる。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの圧力が上がりすぎたときに蒸気を逃がす安全弁の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。

ボイラー構造規格とは?

ボイラーの材料・構造・附属品の基準を定めた、厚生労働省の告示。

💡 なぜ? 安全弁をいくつ、どこに付けるかを決めているのが、この規格です。試験では「法令」としてボイラー則と一緒に出題されます。

(1) ❌ 誤りの記述

伝熱面積が100m²以下の蒸気ボイラーは、備えるべき安全弁を1個とすることができる。

安全弁を1個にできるのは、伝熱面積(熱を受け取る面の広さ)が50m²以下の蒸気ボイラーです(構造規格第62条第1項)。蒸気ボイラーの安全弁は、2個以上が原則です。50m²が100m²に入れ替えられている点が誤りです。

(2) ⭕ 正しい記述

安全弁は、ボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付け、かつ、弁軸を鉛直にしなければならない。

安全弁は、ボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付けます(構造規格第62条第2項)。弁の軸(弁軸)は、鉛直(まっすぐ上下の向き)にする決まりです。

(3) ⭕ 正しい記述

引火性蒸気を発生する蒸気ボイラーにあっては、安全弁を密閉式の構造とするか、又は安全弁からの排気をボイラー室外の安全な場所へ導くようにしなければならない。

引火性蒸気(火がつきやすい蒸気)を発生するボイラーの決まりです(構造規格第62条第3項)。安全弁を密閉式にするか、排気をボイラー室の外の安全な場所へ導きます。

(4) ⭕ 正しい記述

水の温度が120℃をこえる温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。

温水ボイラーは、水の温度120℃が分かれ目です(構造規格第65条)。120℃以下なら逃がし弁(逃がし管があれば不要)を備えます。120℃をこえるものには安全弁が必要です。

(5) ⭕ 正しい記述

安全弁は、最高使用圧力以下で作動するように調整しなければならない。

安全弁は、最高使用圧力以下で作動するように調整します。こちらは構造規格ではなく、ボイラー則第28条第1項第1号(附属品の管理)の決まりです。

決まり 数字
蒸気ボイラーの安全弁 2個以上(伝熱面積50m²以下は1個でよい)
温水ボイラーの分かれ目 120℃(以下=逃がし弁、こえる=安全弁)

💡 覚え方

安全弁は「原則2個、50m²以下なら1個」。過去には令和7年4月公表でも、「100m²以下」に入れ替えた選択肢が出ています。数字を見たら、まず50になっているかを確かめましょう。

以上から、正解は(1)です。

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問39 水面測定装置の連絡管(水側連絡管)

令和8年10月公表分野:水面測定装置の連絡管(水側連絡管)重要度 ★
鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く。)の水面測定装置について、次の文中の 内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。
「A側連絡管は、管の途中に中高又は中低のない構造とし、かつ、これを水柱管又はボイラーに取り付ける口は、水面計で見ることができるB水位よりCであってはならない。」
A B C
(1) 水 最高 下
(2) 水 最低 上
(3) 水 最低 下
(4) 蒸気 最高 上
(5) 蒸気 最低 上
答え・解説を見る
正解

(2)
水 / 最低 / 上

この問題は何を聞いている?

ボイラーの水位を見る装置につながる管(連絡管)について、条文の空欄を埋める問題です。水側と蒸気側の決まりの違いが問われています。

連絡管とは?

水柱管(水面計を付けるための縦の管)や水面計と、ボイラーとを結ぶ管のこと。

💡 なぜ? ボイラーの水の部分につなぐ管を水側連絡管、蒸気の部分につなぐ管を蒸気側連絡管といいます。

管の途中 取付け口の位置
水側連絡管(構造規格第71条第2項) 中高又は中低のない構造 水面計で見える最低水位より上であってはならない
蒸気側連絡管(構造規格第71条第3項) ドレンのたまる部分がない構造 水面計で見える最高水位より下であってはならない

空欄A = 水

「管の途中に中高又は中低のない構造」は、水側連絡管の決まりです。途中で高くなる所や低くなる所をつくらない、という意味です。蒸気側連絡管の条文は「ドレンのたまる部分がない構造」なので、言葉が違います。

空欄B = 最低

水側連絡管の取付け口は、水面計で見える最低水位と比べます。最高水位と比べるのは、蒸気側連絡管のほうです。

空欄C = 上

水側の口は、最低水位より上であってはならないと定められています。つまり、口の位置は最低水位と同じか、それより下です。

🤔 なぜ、水側の口は最低水位より上にあってはいけないのですか。

口が最低水位より高い所にあるとします。すると水位が下がったとき、口が先に水面から出てしまうのです。これでは、水面計に正しい水位が届きません。蒸気側はその逆です。口が最高水位より下だと、水位が上がったときに水に沈んでしまいます。

💡 覚え方

水側の口はいつも水の中、蒸気側の口はいつも蒸気の中。だから水側は「最低水位より上はだめ」、蒸気側は「最高水位より下はだめ」になります。

A=水、B=最低、C=上なので、正解は(2)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第21回 附属品の規格

問40 圧力のある水源からの給水(返り管)

令和8年10月公表分野:圧力のある水源からの給水(返り管)重要度 ★★★
給水が水道その他圧力を有する水源から供給される場合に、法令上、当該水源に係る管を返り管に取り付けなければならないボイラー(小型ボイラーを除く。)は、次のうちどれか。
(1)立てボイラー
(2)鋳鉄製ボイラー
(3)炉筒煙管ボイラー
(4)水管ボイラー
(5)貫流ボイラー
答え・解説を見る
正解

(2)
鋳鉄製ボイラー

この問題は何を聞いている?

水道など圧力のある水源から給水するときの決まりです。その管を返り管に取り付けなければならないボイラーはどれかを問われています。

返り管とは?

暖房などに使い終わった水が、ボイラーへ戻ってくるときに通る管のこと。

この決まりは、ボイラー構造規格の第100条にあります。第100条は、規格の中の「鋳鉄製ボイラー」の編に置かれた条文です。鋳鉄製ボイラーは、鋳物でつくったセクションという部品を重ねて組み立てるボイラーです。

(1) ❌ この決まりの対象ではない

立てボイラー

立てボイラーは、胴を立てた形のボイラーです。第100条は鋳鉄製ボイラーの決まりなので、立てボイラーは答えになりません。

(2) ⭕ 返り管に取り付ける決まりがある

鋳鉄製ボイラー

給水が水道その他圧力を有する水源から供給される場合の決まりです。その水源の管は返り管に取り付けなければなりません(構造規格第100条)。これは鋳鉄製ボイラーについて定められた条文です。

(3) ❌ この決まりの対象ではない

炉筒煙管ボイラー

炉筒煙管ボイラーは、胴の中に炉筒(火を燃やす筒)と煙管を入れたボイラーです。鋳鉄製ボイラーではないので、答えになりません。

(4) ❌ この決まりの対象ではない

水管ボイラー

水管ボイラーは、細い管の中に水を通すボイラーです。これも第100条の鋳鉄製ボイラーには当たりません。

(5) ❌ この決まりの対象ではない

貫流ボイラー

貫流ボイラーは、水が管の入口から出口まで一方通行で流れるボイラーです。鋳鉄製ボイラーではないので、答えになりません。この問題は令和5年10月・令和7年10月公表でも同じ形で出ており、正解はどちらも鋳鉄製ボイラーでした。

💡 覚え方

「鋳鉄は返り管」。暖房用の鋳鉄製ボイラーは、使い終わった水が返り管を通って戻ってきます。水道からの給水管も、ボイラーに直接ではなくその返り管につなぐ、とイメージで覚えましょう。

以上から、正解は(2)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第21回 附属品の規格 / 第3回 丸ボイラーと鋳鉄製ボイラー

令和8年10月公表「関係法令」のまとめ

まとめ

・廃止したボイラーを再び設置=使用検査→設置届→落成検査

・ボイラーの上は1.2m以上、立てボイラーなどの横は0.45m以上。石炭は1.2m以上離す

・二級を作業主任者に選べるのは25m²未満。電気は÷60、廃熱は×1/2、貫流は×1/10

・附属品の管理=水位の表示は常用水位、目もりの表示は最高使用圧力

・定期自主検査は1か月以内ごと。項目は本体・燃焼装置・自動制御装置・附属装置及び附属品

・1年以上未設置は使用検査(使用再開検査は休止のとき)。主蒸気管は変更届の対象外

・安全弁は50m²以下なら1個。水側連絡管の口は最低水位より上はだめ。鋳鉄製ボイラーは返り管へ給水