二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和7年10月公表分の「関係法令」(問31〜問40)です。

専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和7年10月公表)

問31 伝熱面積に算入する部分・しない部分

令和7年10月公表分野:伝熱面積に算入する部分・しない部分重要度 ★★★
ボイラーの伝熱面積に算入する部分について、法令上、該当しないのは次のうちどれか。
(1)管寄せ
(2)煙管
(3)水管
(4)炉筒
(5)過熱器管
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正解

(5)
過熱器管

この問題は何を聞いている?

ボイラーの大きさを表す伝熱面積に、どの部分を数えるかの問題です。数えない(算入しない)ものを1つ選びます。

伝熱面積とは?

燃焼ガスなどの熱いガスに触れ、その裏側が水に触れている面の広さ(ボイラー則第2条)。

💡 なぜ? 法令の決まりの多くは、伝熱面積の大きさで分かれます。そのため、数え方も法令で決められているのです。

(1) ⭕ 算入する

管寄せ

管寄せは、たくさんの管を1か所に集め、または分配する容器です(JIS B 0126)。水管ボイラーの管寄せは、伝熱面積に算入する部分です。水管ボイラーの伝熱面積は、水管と管寄せの面積を合計して出す決まりです(ボイラー則第2条第2号)。

(2) ⭕ 算入する

煙管

煙管(燃焼ガスが中を通る細い管)は、算入する部分です。管の内側がガス、外側が水なので、「ガスに触れ、裏側が水」に当てはまります。

(3) ⭕ 算入する

水管

水管(中に水を通し、外側から燃焼ガスで熱する管)は、算入する部分です。外側がガス、内側が水で、伝熱面の基本の形といえます。

(4) ⭕ 算入する

炉筒

炉筒(胴の中にあって、燃焼室になる太い筒)は、算入する部分です。筒の内側で火が燃え、外側は水に触れています(第2条第1号)。

(5) ❌ 算入しない

過熱器管

過熱器管は、伝熱面積に算入しません。過熱器は、できた蒸気をさらに熱する部分です。水を蒸気に変える面ではないので、数えないのです。貫流ボイラーの数え方も「過熱器の入口まで」と決められています(同条第3号)。

伝熱面積に 部分
算入する 水管・煙管・炉筒・管寄せ
算入しない 過熱器(管)・エコノマイザ(節炭器)管・蒸気ドラム

💡 覚え方

数えるのは「水を蒸気にする本体の面」だけ。蒸気を熱する過熱器や、給水を温めるエコノマイザは、本体の面ではないので入りません。

伝熱面積に算入しないのは過熱器管なので、正解は(5)です。

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問32 溶接検査と構造検査の順番

令和7年10月公表分野:溶接検査と構造検査の順番重要度 ★
次の文中の 内に入れるA及びBの語句の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。
「溶接によるボイラー(小型ボイラーを除く。)については、A検査に合格した後でなければ、B検査を受けることができない。」
A B
(1) 溶接 使用
(2) 溶接 構造
(3) 使用 構造
(4) 使用 溶接
(5) 構造 溶接
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正解

(2)
溶接 / 構造

この問題は何を聞いている?

ボイラーをつくるときに受ける検査の順番を、空欄に当てはめる問題です。どちらの検査が先かが問われています。

構造検査とは?

製造したボイラーについて、法令の基準どおりにできているかを確かめる検査(ボイラー則第5条)。

💡 なぜ? 合格したボイラーには刻印が押されます。検査をするのは、国に登録した登録設計審査等機関です。

ボイラーをつくるときの手続きの順番

①製造許可を受ける(所轄の都道府県労働局長)

②溶接でつくるボイラーは、溶接検査を受ける

③構造検査を受ける

空欄A = 溶接

先に受けるのは溶接検査です。溶接検査は、溶接でつくるボイラーが受ける検査のこと(ボイラー則第7条)。条文は「第7条第1項の規定による検査に合格した後でなければ」という書き方です。

空欄B = 構造

あとに受けるのは構造検査です。ボイラー則第5条第2項に、溶接検査に合格した後でなければ構造検査を受けることができないと定められています。

選択肢にある使用検査は、輸入したボイラーなどが受ける別の検査です(ボイラー則第12条)。この条文の空欄には入りません。

💡 覚え方

「溶接→構造」の順。溶接の出来ばえは、完成してからでは中が見えません。だから先に溶接を確かめ、そのあとで全体(構造)を確かめる、と考えると順番を取り違えにくくなります。

A=溶接、B=構造なので、正解は(2)です。

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問33 ボイラーの据付位置(横の構造物までの距離)

令和7年10月公表分野:ボイラーの据付位置(横の構造物までの距離)重要度 ★★★
ボイラー室に設置されている胴の内径が500mmで、その長さが1000mmの本体を被覆していないボイラー(小型ボイラーを除く。)の場合、その外壁から壁、配管その他のボイラーの側部にある構造物(検査及びそうじに支障のない物を除く。)までの距離として、法令上、許容される最小の数値は次のうちどれか。
(1)0.15m
(2)0.30m
(3)0.45m
(4)1.20m
(5)2.00m
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正解

(2)
0.30m

この問題は何を聞いている?

ボイラーの横にある壁や配管まで、どれだけ空けるかを数字で答える問題です。小さいボイラーの例外に当たるかどうかが決め手になります。

本体を被覆していないボイラーとは?

ボイラーの外側を保温材などで覆っていないボイラーのこと。

💡 なぜ? 法令は、このボイラーと立てボイラーについて、横の距離を決めています(ボイラー則第20条第2項)。

考え方のながれ

①本体を被覆していないボイラーの横の距離は、原則0.45m以上

②ただし、胴の内径が500mm以下で、かつ長さが1,000mm以下なら0.3m以上

③問題のボイラーは内径500mm・長さ1,000mm。どちらも「以下」に入る

④例外に当たるので、許容される最小の数値は0.30m

(1) ❌ 当てはまらない

0.15m

0.15mは、横の構造物までの距離ではありません。ボイラーなどの外側から0.15m以内にある可燃物を、不燃性の材料で覆う決まりに出てくる数字です。

(2) ⭕ 許容される最小の数値

0.30m

胴の内径500mm以下・長さ1,000mm以下のボイラーは、0.3m以上でよい決まりです。問題のボイラーはちょうど500mm・1,000mmで、「以下」にふくまれます。

(3) ❌ 当てはまらない

0.45m

0.45mは、横の距離の原則の数字です。問題のボイラーは小さいので例外が使え、もっと短い0.3mまで許されます。

(4) ❌ 当てはまらない

1.20m

1.20mは、ボイラーの最上部から、天井など上の構造物までの距離です(同条第1項)。横の距離ではありません。

(5) ❌ 当てはまらない

2.00m

2.00mは、横の構造物までの距離ではありません。ボイラー室に燃料を貯蔵するとき、ボイラーの外側から離す距離に出てくる数字です。

💡 覚え方

上は1.2m、横は0.45m。小さいボイラー(500mm・1,000mm以下)だけ、横を0.3mに縮められます。問題文の寸法が「ちょうど」のときは、「以下」はその数字をふくむことを思い出しましょう。

以上から、正解は(2)です。

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問34 ボイラー技士でなければ取り扱えないボイラー

令和7年10月公表分野:ボイラー技士でなければ取り扱えないボイラー重要度 ★★
原則として、ボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーは、法令上、次のうちどれか。ただし、温水ボイラーは、木質バイオマス温水ボイラーではないものとする。
(1)伝熱面積が19m²の温水ボイラー
(2)伝熱面積が3m²の蒸気ボイラーで、胴の内径が750㎜、かつ、その長さが1300㎜のもの
(3)伝熱面積が30m²の気水分離器を有しない貫流ボイラー
(4)伝熱面積が3m²の蒸気ボイラーで、最高使用圧力が0.1MPaのもの
(5)最大電力設備容量が75kWの電気ボイラー
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正解

(1)
伝熱面積が19m²の温水ボイラー

この問題は何を聞いている?

ボイラー技士の免許がないと取り扱えないボイラーを選ぶ問題です。技能講習の修了者でも扱える大きさを超えるものを探します。

ボイラー取扱技能講習とは?

修了すると、小規模なボイラーを取り扱えるようになる講習。

💡 なぜ? ボイラーの取扱いは、原則ボイラー技士の仕事です。小規模なものだけ、技能講習の修了者も扱えます(ボイラー則第23条)。

技能講習の修了者も扱えるボイラー(施行令第20条第5号イ〜ニ)
胴の内径が750mm以下で、かつ長さが1,300mm以下の蒸気ボイラー
伝熱面積が3m²以下の蒸気ボイラー
伝熱面積が14m²以下の温水ボイラー
伝熱面積が30m²以下の貫流ボイラー(気水分離器があるものは、その大きさにも条件あり)

この表を超えるものが、ボイラー技士でなければ扱えないボイラーです。

🤔 ただし書の「木質バイオマス温水ボイラーではない」は、なぜ付いているのですか。

木質バイオマス温水ボイラーは、木や竹に由来する燃料を使う温水ボイラーです(施行令第1条第3号ニ)。このボイラーは、法令上のボイラーから除かれる範囲が、ほかの温水ボイラーより広く決められています。例えば圧力0.1MPa以下なら、伝熱面積16m²以下まで除かれます(ほかの温水ボイラーは4m²以下)。ただし書があるので、この問題ではその特例を考えなくてよいのです。

(1) ⭕ ボイラー技士が必要

伝熱面積が19m²の温水ボイラー

温水ボイラーで技能講習の修了者が扱えるのは、14m²以下までです。19m²はこれを超えるので、ボイラー技士でなければ取り扱えません。

(2) ❌ 技能講習の修了者も扱える

伝熱面積が3m²の蒸気ボイラーで、胴の内径が750㎜、かつ、その長さが1300㎜のもの

伝熱面積3m²は「3m²以下」に入ります。胴の内径750mm・長さ1,300mmも、ちょうど「以下」に収まる大きさです。技能講習の修了者も扱えます。

(3) ❌ 技能講習の修了者も扱える

伝熱面積が30m²の気水分離器を有しない貫流ボイラー

貫流ボイラーは30m²以下まで、技能講習の修了者も扱えます。30m²ちょうども「以下」にふくまれる大きさです。

(4) ❌ 技能講習の修了者も扱える

伝熱面積が3m²の蒸気ボイラーで、最高使用圧力が0.1MPaのもの

蒸気ボイラーは、伝熱面積が3m²以下なら技能講習の修了者も扱えるボイラーです。この決まりに圧力の条件はなく、3m²ちょうどは「以下」に入ります。

(5) ❌ 技能講習の修了者も扱える

最大電力設備容量が75kWの電気ボイラー

電気ボイラーは、電力設備容量60kWを1m²とみなして伝熱面積に直します(ボイラー則第2条第4号)。75÷60=1.25m²。蒸気の3m²以下にも、温水の14m²以下にも収まる小ささです。

💡 覚え方

「蒸気3・温水14・貫流30」と、数字が小さい順に並べて覚えましょう。どれも「以下」なので、ちょうどの数字は技能講習の修了者も扱える側に入ります。

以上から、正解は(1)です。

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問35 定期自主検査の項目と点検する装置

令和7年10月公表分野:定期自主検査の項目と点検する装置重要度 ★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の定期自主検査に関する項目及びその具体的な検査対象の装置等を示すAからDまでの記述のうち、該当する法令の内容と一致するもののみを全て挙げた組合せは、(1)~(5)のうちどれか。
A [項目]ボイラー本体 [具体的な検査対象の装置等]バーナタイル及び炉壁
B [項目]自動制御装置 [具体的な検査対象の装置等]火炎検出装置
C [項目]燃焼装置 [具体的な検査対象の装置等]ストレーナ
D [項目]附属装置及び附属品 [具体的な検査対象の装置等]煙道
(1)A,B
(2)A,B,C
(3)A,D
(4)B,C
(5)B,C,D
答え・解説を見る
正解

(4)
B,C

この問題は何を聞いている?

定期自主検査の4つの項目と、そこで点検する装置の組み合わせが合っているかを問う問題です。法令と一致するものを全部選びます。

定期自主検査とは?

ボイラーを使い始めてから1か月以内ごとに1回、事業者が自分で行う検査(ボイラー則第32条)。

点検する所は、次の4つの項目に分けて決められています。

項目(ボイラー則第32条) 点検する装置など
ボイラー本体 (本体の損傷の有無)
燃焼装置 油加熱器と燃料送給装置・バーナ・ストレーナ・バーナタイル及び炉壁・ストーカと火格子・煙道
自動制御装置 起動・停止の装置、火炎検出装置、燃料しゃ断装置、水位調節装置、圧力調節装置、電気配線
附属装置及び附属品 給水装置・蒸気管と弁・空気予熱器・水処理装置

A ❌ 誤りの記述

[項目]ボイラー本体 [具体的な検査対象の装置等]バーナタイル及び炉壁

バーナタイル及び炉壁は、「ボイラー本体」ではなく「燃焼装置」の項目です。バーナタイルは、バーナ(燃料を燃やす器具)のまわりにある耐火材の筒のこと。項目の名前が入れ替えられています。

B ⭕ 正しい記述

[項目]自動制御装置 [具体的な検査対象の装置等]火炎検出装置

火炎検出装置は、「自動制御装置」の項目に入っています。炎があるかどうかを見張る装置で、機能に異常がないかを点検する決まりです。

C ⭕ 正しい記述

[項目]燃焼装置 [具体的な検査対象の装置等]ストレーナ

ストレーナ(燃料の油のごみを取る網)は、「燃焼装置」の項目に入っています。つまりや損傷がないかを点検するのです。

D ❌ 誤りの記述

[項目]附属装置及び附属品 [具体的な検査対象の装置等]煙道

煙道(燃焼ガスが煙突へ向かう通り道)は、「附属装置及び附属品」ではありません。「燃焼装置」の項目です。こちらも項目の名前が入れ替えられています。

💡 覚え方

煙道も、バーナタイルと炉壁も「燃焼装置」の仲間。火が燃える所から煙が出ていく所までを、ひと続きで「燃焼装置」として点検すると押さえましょう。

法令と一致するのはBとCなので、正解は(4)です。

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問36 変更検査を受けなければならない場合

令和7年10月公表分野:変更検査を受けなければならない場合重要度 ★★★
法令上、ボイラー(小型ボイラーを除く。)の変更検査を受けなければならない場合は、次のうちどれか。ただし、所轄労働基準監督署長が当該検査の必要がないと認めたボイラーではないものとする。
(1)ボイラーの空気予熱器に変更を加えたとき。
(2)ボイラーの給水装置に変更を加えたとき。
(3)ボイラーの過熱器に変更を加えたとき。
(4)使用を廃止したボイラーを再び設置しようとするとき。
(5)構造検査を受けた後、1年以上設置されなかったボイラーを設置しようとするとき。
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正解

(3)
ボイラーの過熱器に変更を加えたとき。

この問題は何を聞いている?

ボイラーのどこを変えたときに、変更検査が必要になるかを問う問題です。名前の似た使用検査と区別できるかも試されています。

変更検査とは?

ボイラーの決められた部分や設備に変更を加えたときに受ける検査(ボイラー則第42条)。

💡 なぜ? 検査をするのは所轄労働基準監督署長です。対象になる部分は、第41条に並んでいます。

変更検査の対象(ボイラー則第41条) 具体的には
本体の主要部分 胴・ドーム・炉筒・火室・鏡板・天井板・管板・管寄せ・ステー
附属設備 過熱器と節炭器(エコノマイザ)
燃焼装置 バーナなど
据付基礎 ボイラーを据える土台

(1) ❌ 変更検査の場合ではない

ボイラーの空気予熱器に変更を加えたとき。

空気予熱器(燃焼に使う空気を温める装置)は、変更検査の対象に入っていません。対象になる附属設備は、過熱器と節炭器だけです。

(2) ❌ 変更検査の場合ではない

ボイラーの給水装置に変更を加えたとき。

給水装置(ボイラーに水を送る装置)も、第41条の4つの対象に入っていません。

(3) ⭕ 変更検査を受ける

ボイラーの過熱器に変更を加えたとき。

過熱器(蒸気をさらに熱する装置)は、対象の「附属設備」に当たります。法令は、ここでいう附属設備を過熱器と節炭器に限ると定めています(ボイラー則第7条)。

(4) ❌ 変更検査の場合ではない

使用を廃止したボイラーを再び設置しようとするとき。

使用を廃止したボイラーを再び設置するときに受けるのは、使用検査です(ボイラー則第12条)。変更検査ではありません。検査の名前がひっかけになっています。

(5) ❌ 変更検査の場合ではない

構造検査を受けた後、1年以上設置されなかったボイラーを設置しようとするとき。

構造検査のあと1年以上設置されなかったボイラーを設置するときも、受けるのは使用検査です(同条)。

💡 覚え方

対象は「本体の骨組み・過熱器と節炭器・燃焼装置・土台」の4つ。空気予熱器は名前が似ていても、附属設備(過熱器と節炭器)に入っていない点がひっかけどころです。

以上から、正解は(3)です。

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問37 ボイラー検査証(交付・有効期間・書替え)

令和7年10月公表分野:ボイラー検査証(交付・有効期間・書替え)重要度 ★★★
ボイラーの検査証に関する記述のうち、その内容が法令と一致しないものは次のうちどれか。
(1)所轄労働基準監督署長は、落成検査に合格したボイラー又は落成検査の必要がないと認めたボイラーについて、ボイラー検査証を交付する。
(2)原則として、ボイラー検査証の有効期間は1年とする。
(3)ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、登録性能検査機関の性能検査を受けなければならない。
(4)性能検査の結果により、登録性能検査機関はボイラー検査証の有効期間を、1年未満又は1年を超え2年以内の期間を定めて更新することができる。
(5)事業者に変更があったときは、その変更後30日以内に、所轄労働基準監督署長にボイラー検査証書替申請書を提出し、その書替えを受けなければならない。
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正解

(5)
事業者に変更があったときは、その変更後30日以内に、所轄労働基準監督署長にボイラー検査証書替申請書を提出し、その書替えを受けなければならない。

この問題は何を聞いている?

ボイラー検査証の交付・有効期間・更新・書替えについての問題です。法令と一致しないものを1つ選びます。

ボイラー検査証とは?

落成検査に合格したボイラーに交付される証明書。これがないボイラーは使えません。

💡 なぜ? ボイラーが法令の基準に合っていることを、検査で確かめた証拠だからです。

(1) ⭕ 正しい記述

所轄労働基準監督署長は、落成検査に合格したボイラー又は落成検査の必要がないと認めたボイラーについて、ボイラー検査証を交付する。

落成検査は、ボイラーを据え付けたあとに受ける検査です。検査証は、これに合格したボイラーに所轄労働基準監督署長が交付します。署長が落成検査の必要がないと認めたボイラーも同じ扱いです(ボイラー則第15条)。

(2) ⭕ 正しい記述

原則として、ボイラー検査証の有効期間は1年とする。

検査証の有効期間は1年と定められています(ボイラー則第37条)。

(3) ⭕ 正しい記述

ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、登録性能検査機関の性能検査を受けなければならない。

有効期間を更新するには、性能検査を受けます(ボイラー則第38条)。性能検査を行うのは、国に登録した登録性能検査機関です。

(4) ⭕ 正しい記述

性能検査の結果により、登録性能検査機関はボイラー検査証の有効期間を、1年未満又は1年を超え2年以内の期間を定めて更新することができる。

更新する期間は、性能検査の結果で変えられます。1年未満、または1年を超え2年以内の期間を定めることができるのです(同条第2項)。

(5) ❌ 誤りの記述

事業者に変更があったときは、その変更後30日以内に、所轄労働基準監督署長にボイラー検査証書替申請書を提出し、その書替えを受けなければならない。

「30日以内」が誤りで、正しくは10日以内です(ボイラー則第44条)。事業者(ボイラーを使う会社など)が変わったら、変更後の事業者が書替えを申請します。日数だけが入れ替えられた選択肢です。

場面 手続き
検査証をなくした・傷めた 再交付を受ける
事業者が変わった 10日以内に書替えを受ける

💡 覚え方

有効期間は1年、更新は性能検査、事業者が変わったら10日以内に書替え。なくしたときの再交付と、事業者が変わったときの書替えは、別の手続きとして分けておきましょう。

以上から、正解は(5)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第19回 検査と届出

問38 鋳鉄製温水ボイラーの附属品

令和7年10月公表分野:鋳鉄製温水ボイラーの附属品重要度 ★★
鋳鉄製温水ボイラー(小型ボイラーを除く。)に取り付けなければならない附属品として法令に定められているものは、次のうちどれか。
(1)温度計
(2)ガラス水面計
(3)験水コック
(4)吹出しコック
(5)水柱管
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正解

(1)
温度計

この問題は何を聞いている?

鋳鉄製の温水ボイラーに、法令で取付けが決められている附属品を選ぶ問題です。蒸気ボイラーの附属品と見分けられるかが問われています。

鋳鉄製ボイラーとは?

鋳物でつくったセクションという板状の部品を、何枚も重ねて組み立てるボイラー。

💡 なぜ? 附属品の決まりは、ボイラー構造規格の第2編(鋳鉄製ボイラー)にまとめられています。

(1) ⭕ 法令に定められている

温度計

温水ボイラーには、出口付近の温水の温度を示す温度計を取り付けます。鋳鉄製の温水ボイラーにも、この決まりが当てはめられています(構造規格第96条第3項・第68条第2項)。

(2) ❌ 法令に定められていない

ガラス水面計

ガラス水面計は、ボイラーの中の水位を見る道具です。鋳鉄製ボイラーの規格で、これを備えるよう求めているのは蒸気ボイラーです(構造規格第97条)。

(3) ❌ 法令に定められていない

験水コック

験水コックは、開けて水が出るかで水位を確かめる小さなコックです。規格では、蒸気ボイラーでガラス水面計の代わりにする装置として出てきます(同条)。

(4) ❌ 法令に定められていない

吹出しコック

吹出しコックは、底にたまった沈殿物を外へ出す吹出し管に付けるコックです。規格が吹出し管を求めているのは、蒸気ボイラーです(構造規格第99条)。

(5) ❌ 法令に定められていない

水柱管

水柱管は、水面計を取り付けるための縦長の筒です。規格の第2編で水柱管が出てくるのは、蒸気ボイラーの圧力計の決まりだけです(構造規格第96条第1項)。温水ボイラーに付けるものとしては定められていません。

温水ボイラーには、温度計のほかに水高計(温水ボイラーの圧力を測る計器)も取り付けます。水高計は圧力計で代えることもできます(構造規格第96条第2項)。

💡 覚え方

水面計・験水コック・水柱管は「水位を見る道具」=蒸気ボイラーの話。温水ボイラーで見るのはお湯の温度と圧力なので、温度計と水高計です。

以上から、正解は(1)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第21回 附属品の規格

問39 貫流ボイラーの附属品

令和7年10月公表分野:貫流ボイラーの附属品重要度 ★★
貫流ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品に関する記述について、その内容が法令に合致しないものは、次のうちどれか。
(1)過熱器には、ドレン抜きを備えなければならない。
(2)ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を、ボイラー本体ではなく過熱器の入口付近に取り付けることができる。
(3)給水装置の給水管には、給水弁を取り付けなければならないが、逆止め弁は取り付けないことができる。
(4)起動時にボイラー水が不足している場合及び運転時にボイラー水が不足した場合に、自動的に燃料の供給を遮断する装置又はこれに代わる安全装置を設けなければならない。
(5)吹出し管は、設けないことができる。
答え・解説を見る
正解

(2)
ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を、ボイラー本体ではなく過熱器の入口付近に取り付けることができる。

この問題は何を聞いている?

貫流ボイラーの附属品の決まりを問う問題です。貫流ボイラーだけの特例がいくつも出てきます。法令に合致しないものを1つ選んでください。

貫流ボイラーとは?

管だけでできたボイラー。水は循環せず、管の中を一方通行で流れながら蒸気になります。

💡 なぜ? 水をためる大きな胴がないので、附属品の決まりにもほかのボイラーと違う特例があるのです。

(1) ⭕ 正しい記述

過熱器には、ドレン抜きを備えなければならない。

過熱器(蒸気をさらに熱する装置)には、ドレン抜きを備えます(構造規格第77条第3項)。ドレンは蒸気が冷えてできた水のことで、ドレン抜きはそれを抜くための部品です。

(2) ❌ 誤りの記述

ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を、ボイラー本体ではなく過熱器の入口付近に取り付けることができる。

「入口付近」が誤りで、正しくは過熱器の出口付近です(構造規格第63条第2項)。安全弁は本体に直接付けるのが原則ですが、貫流ボイラーには特例があります。その場所が出口から入口に入れ替えられた選択肢です。

(3) ⭕ 正しい記述

給水装置の給水管には、給水弁を取り付けなければならないが、逆止め弁は取り付けないことができる。

給水管には、ボイラーの近くに給水弁と逆止め弁を付けるのが原則です。逆止め弁は、水が逆流するのを防ぐ弁のこと。ただし貫流ボイラーは、給水弁だけでよいと定められています(構造規格第75条)。

(4) ⭕ 正しい記述

起動時にボイラー水が不足している場合及び運転時にボイラー水が不足した場合に、自動的に燃料の供給を遮断する装置又はこれに代わる安全装置を設けなければならない。

貫流ボイラーには、ボイラー水が不足したときに燃料を自動で止める装置を設けます。起動時と運転時の両方が対象で、代わりの安全装置でもかまいません(構造規格第84条第3項)。

(5) ⭕ 正しい記述

吹出し管は、設けないことができる。

吹出し管は、たまった沈殿物を外へ出すための管です。規格は、吹出し管を備えるボイラーから貫流ボイラー(多管式貫流ボイラーを除く)を外しています(構造規格第78条)。

💡 覚え方

過熱器に付ける安全弁は、どのボイラーでも「出口付近」です。「入口付近」と書かれていたら誤り、と決めておけば、貫流ボイラーの特例の問題でも迷いません。

以上から、正解は(2)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第21回 附属品の規格

問40 圧力のある水源からの給水(返り管)

令和7年10月公表分野:圧力のある水源からの給水(返り管)重要度 ★★★
給水が水道その他圧力を有する水源から供給される場合に、法令上、当該水源に係る管を返り管に取り付けなければならないボイラー(小型ボイラーを除く。)は、次のうちどれか。
(1)立てボイラー
(2)鋳鉄製ボイラー
(3)炉筒煙管ボイラー
(4)水管ボイラー
(5)貫流ボイラー
答え・解説を見る
正解

(2)
鋳鉄製ボイラー

この問題は何を聞いている?

水道などから給水するとき、その管を返り管に付けなければならないボイラーはどれか、という問題です。この決まりがどの種類のボイラーの規格にあるかが問われています。

返り管とは?

暖房などに使い終わった水が、ボイラーへ戻ってくるときに通る管のこと。

💡 なぜ? 暖房用の鋳鉄製ボイラーでは、使い終わった水が返り管を通って戻ってくるしくみです。

ボイラー構造規格の第2編(鋳鉄製ボイラー)に、次の決まりがあります。給水が水道その他圧力を有する水源から供給される場合は、その管を返り管に取り付ける(第100条)。

(1) ❌ この決まりの対象ではない

立てボイラー

立てボイラーは、胴を縦に立てたボイラーです。返り管に取り付ける決まりは鋳鉄製ボイラーの規格にあるもので、立てボイラーは当てはまりません。

(2) ⭕ 返り管に取り付ける決まりがある

鋳鉄製ボイラー

鋳鉄製ボイラーが正解です。構造規格第100条は、鋳鉄製ボイラーだけを扱う第2編に置かれています。水道などからの給水の管は、返り管に取り付けなければなりません。

(3) ❌ この決まりの対象ではない

炉筒煙管ボイラー

炉筒煙管ボイラーは、胴の中に炉筒と煙管を入れたボイラーです。この決まりの対象として定められているのは鋳鉄製ボイラーで、炉筒煙管ボイラーではありません。

(4) ❌ この決まりの対象ではない

水管ボイラー

水管ボイラーは、細い管の中に水を通して熱するボイラーです。こちらも、返り管に取り付ける決まりの対象ではありません。

(5) ❌ この決まりの対象ではない

貫流ボイラー

貫流ボイラーは、管だけでできた一方通行のボイラーです。第100条は鋳鉄製ボイラーの編にある決まりなので、貫流ボイラーは対象になりません。

💡 覚え方

「鋳鉄は返り管」。暖房用の鋳鉄製ボイラーは、使い終わった水が返り管を通って戻ってくるボイラーです。給水の管もその返り管につなぐ、とセットでイメージしましょう。

以上から、正解は(2)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第21回 附属品の規格 / 第3回 丸ボイラーと鋳鉄製ボイラー

令和7年10月公表「関係法令」のまとめ

まとめ

・伝熱面積に入る=水管・煙管・炉筒・管寄せ、入らない=過熱器・エコノマイザ・蒸気ドラム

・つくるときの検査は溶接検査→構造検査の順

・横の距離は原則0.45m以上。胴の内径500mm以下・長さ1,000mm以下なら0.3m以上

・技能講習の修了者も扱える=蒸気3m²・温水14m²・貫流30m²以下。電気ボイラーは60kW=1m²

・定期自主検査で煙道・バーナタイルと炉壁・ストレーナは「燃焼装置」、火炎検出装置は「自動制御装置」

・変更検査の附属設備は過熱器と節炭器だけ。事業者が変わったら10日以内に検査証の書替え

・鋳鉄製温水ボイラーは温度計、水道からの給水は返り管へ。貫流ボイラーの安全弁は過熱器の出口付近