第二種電気工事士の筆記試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和3年度 下期・午後(2021年10月24日実施)の問1〜10です。

問1〜問10には計算問題と配線の決まりがまとまって出てきます。数字が並ぶと身構えてしまいがちですが、土台になるのはオームの法則(電圧=電流×抵抗)と電力の式がほとんどです。この記事では、その式がどうしてそうなるのか、図のどこを見て、どの順番に数字を入れるのかを1段ずつ書いていきます。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、答えと考え方が出てくる作りです。まず自分で考えてから開くと、理解が深まりやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・写真・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:令和3年度下期第二種電気工事士試験(午後)

問1

分野:電気の基礎(直並列回路)重要度 ★★★

図のような回路で,電流計Ⓐの値が2 A を示した。このときの電圧計Ⓥの指示値[V]は。

令和3年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問1 の回路図
イ.16
ロ.32
ハ.40
ニ.48
答え・解説を見る
正解

ロ.32[V]
この問題は何を聞いているの?

図の回路に電池をつなぐと、電流計Ⓐが2Aを示しました。このとき、右側にある4Ωの抵抗に横から取り付けた電圧計Ⓥが何ボルトを示すかを聞いています。図の左半分に抵抗が3段に並んでいて、少し複雑に見えるでしょう。ですが、手がかりは「電流計の2A」ただ1つで、そこから順番にたどれば答えにたどり着けます。まず、出てくる言葉を1つずつ説明します。

用語電流[A]とは?

電流とは、電線の中を流れる電気の量のことです。単位はA(アンペア)。水道でいえば、管の中を流れる水の量にあたります。

なぜ?なぜ電流を「水の量」に例えるのか?

電気は目に見えないので、目に見える水の流れに置きかえると動きを追いやすいからです。水がたくさん流れるほど水車が勢いよく回るように、電流が大きいほど電気は多くの仕事をします。

用語電圧[V]とは?

電圧とは、電気を押し出す力の強さのことです。単位はV(ボルト)。水道でいえば水圧にあたります。

用語抵抗[Ω]とは?

抵抗とは、電気の流れにくさのことです。単位はΩ(オーム)。図の中の細長い長方形が抵抗で、横に書かれた数字がその大きさです。

なぜ?なぜ電気に「流れにくさ」があるのか?

電線や部品の中には、電気の通り道を邪魔するものがあるからです。ホースにスポンジが詰まっていると水が通りにくいのと同じで、その邪魔の度合いを数字にしたものが抵抗です。

用語電流計Ⓐ・電圧計Ⓥとは?

電流計Ⓐとは、そこを流れる電流の大きさを測る計器、電圧計Ⓥとは、2点のあいだの電圧を測る計器です。電流計は電線の途中に割り込ませてつなぎ、電圧計は測りたい部品の両はしに横からつなぎます。

なぜ?なぜ電流計と電圧計はつなぎ方がちがうのか?

測るものがちがうからです。電流は「通り抜ける量」なので、通り道の途中に入れないと数えられません。電圧は「2点の押す力の差」なので、部品の入口と出口に横からつなぐ必要があります。なお、計器そのものの抵抗は、計算では考えなくてよいというのが試験での約束です。

用語オームの法則とは?

オームの法則とは、電圧=電流×抵抗(V=I×R)という関係のことです。ここから電流=電圧÷抵抗、抵抗=電圧÷電流という形も作れます。

なぜ?なぜこの1つの式で3つとも求められるのか?

電圧・電流・抵抗の3つのうち2つが分かれば、残りの1つが決まる関係だからです。V=I×R の文字のうち、知りたいものを左に持ってくるだけで、ほかの形が作れます。

図を「左のかたまり」と「右の4Ω」に分けて見る

図の左側には、上段(4Ωと4Ω)・中段(8Ωと電流計)・下段(4Ω)の3本の道があります。3本とも左の黒い点から右の黒い点へつながっている形です。このように同じ2点のあいだに道が何本も並んでいる形を「並列」と呼びます。

用語並列(へいれつ)とは?

並列とは、同じ2点のあいだに部品が横に並んでつながっている形のことです。並列の道には、どの道にも同じ電圧がかかります。

なぜ?なぜ並列の道にはどれも同じ電圧がかかるのか?

3本の道の入口が同じ1つの点、出口も同じ1つの点だからです。山の上の池から下の池へ3本の水路が通っていれば、どの水路も同じ高さの差を流れ下ります。電圧はこの「高さの差」にあたるので、3本とも同じになります。

左のかたまりを出た電気は、その後右の4Ωを1本道で通って電池に戻ります。この1本道のつながり方を「直列」と呼びます。

用語直列(ちょくれつ)とは?

直列とは、部品が1本道に並んでつながっている形のことです。直列の部品にはどれも同じ電流が流れます。

なぜ?なぜ直列の部品にはどれも同じ電流が流れるのか?

枝分かれがない1本道だからです。途中で電気がわき出たり消えたりはしないので、左のかたまりから出てきた電流は、そっくりそのまま右の4Ωを通ります。

2Aから出発して、3本の道の電流を順に出す

電流計がつながっているのは中段の8Ωの道です。ここに2A流れていると分かるので、オームの法則で中段の両はしの電圧が出せます。並列なので、その電圧は上段と下段にも同じだけかかっています。

手順1 中段(8Ω)の電圧 = 電流 × 抵抗 = 2 × 8 = 16V

手順2 並列なので、上段・下段にも同じ16Vがかかる

手順3 上段は4Ωと4Ωが1本道なので足し算で8Ω。電流 = 16 ÷ 8 = 2A

手順4 下段(4Ω)の電流 = 16 ÷ 4 = 4A

手順5 左のかたまり全体を通る電流 = 2 + 2 + 4 = 8A

手順6 この8Aが、右の4Ωにそのまま流れる(直列)

手順7 右の4Ωの電圧=電圧計の値 = 8 × 4 = 32V

よって答えはロの32Vです。

なぜ?なぜ3本の電流を足すと全体の電流になるのか?

左の黒い点で1本の流れが3本に分かれ、右の黒い点でまた1本に合流するからです。川が中州で3つに分かれても、合流したあとの水の量は分かれた3本の合計になります。

覚えるこの問題の覚え方

「分かっている所から、オームの法則で1つずつ広げる」のが、この形の解き方です。①電流計のある道で電圧を出す(2×8=16V)。②並列の道は同じ電圧なので、ほかの道の電流を出す。③全部足した電流が、直列の4Ωを通る。この3段で、電圧計の32Vが出ます。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

イ.16 … 中段の電圧(2×8=16V)を出したところで止めてしまった場合の数字です。電圧計がつながっているのは右の4Ωなので、まだ途中です。

ニ.48 … 左のかたまりの16Vと、右の4Ωの32Vを足した値(電池の電圧)です。電圧計は右の4Ωの両はしだけを測っています。

ハ.40 … 誤りです。3本の道の電流(2A・2A・4A)を1本ずつ確かめて足すと、正しい32Vにたどり着けます。

問2

分野:電気の基礎(抵抗率)重要度 ★★☆

抵抗率ρ[Ω・m],直径D[mm],長さL[m]の導線の電気抵抗[Ω]を表す式は。

令和3年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問2 の選択肢(4つの式)
答え・解説を見る
正解

ロ.4ρL ÷ πD² × 10⁶
この問題は何を聞いているの?

電線の材料の性質(抵抗率ρ)・太さ(直径D)・長さLが分かっているとき、その電線の電気抵抗を表す式はどれかを聞いています。数字を入れて計算する問題ではありません。4つの式から正しい形を1つ選ぶ問題なので、式の組み立て方さえ分かれば得点しやすい1問です。

用語導線(どうせん)とは?

導線とは、電気を通すための線のことです。一般的には銅でできています。この問題では「細長い金属の棒」だと思って読んでください。

用語抵抗率ρ(ロー)とは?

抵抗率とは、材料そのものの電気の通しにくさを表す数字です。単位はΩ・m(オーム・メートル)。銅は小さく、鉄は大きいというように、材料ごとに決まっている値です。

なぜ?なぜ抵抗(Ω)とは別に抵抗率(Ω・m)が必要なのか?

同じ銅線でも、長ければ抵抗が大きく、太ければ抵抗が小さくなるからです。抵抗Ωは「その1本の事情」で変わってしまいます。そこで長さと太さの影響を取りのぞいた、材料だけの数字として抵抗率が使われます。

用語直径D・断面積とは?

直径とは、電線を輪切りにしたときの円の、はしからはしまでの長さです。断面積とは、その輪切りの円の面積のことです。この問題の直径Dはmm(ミリメートル)で与えられています。

抵抗は「長いほど大きく、太いほど小さい」

電線の抵抗は、次の式で表されます。抵抗 = 抵抗率 × 長さ ÷ 断面積(R=ρL÷A)。長さは分子(上)、断面積は分母(下)に入ります。

なぜ?なぜ長さは掛け算で、断面積は割り算なのか?

長い電線は邪魔される区間が長いので、長さに比例して抵抗が増えます。反対に太い電線は電気の通り道が広いので、断面積が2倍なら抵抗は半分です。ホースに例えると、長いホースほど水が出にくく、太いホースほど出やすいのと同じです。

直径Dから断面積を作る

問題で与えられているのは断面積ではなく直径Dです。円の面積は半径×半径×π(円周率)なので、半径=D÷2を入れると次のようになります。

手順1 半径 = D ÷ 2

手順2 断面積 = (D÷2) × (D÷2) × π = πD² ÷ 4

手順3 抵抗 = ρ × L ÷ (πD²÷4) = 4ρL ÷ πD²(÷4で割ることは、×4を分子に移すことと同じ)

用語D²(ディーの2乗)とは?

D²とは、D×Dのことです。右上の小さな「2」は同じ数を2回かけるという印です。

なぜ?なぜ直径を2乗するのか?

面積はたて×よこのように、長さを2回かけて出すものだからです。直径が2倍になると、断面積は2×2=4倍になります。つまり太さの影響は2乗で効くので、式の中のDは必ず2乗になります。

mmをmに直すと「×10⁶」が出てくる

抵抗率ρの単位はΩ・mで、長さLもmです。ところが直径Dだけがmmです。単位をそろえるために、mmをmに直します。

手順1 1mm = 0.001m = 10⁻³m(1mの1,000分の1)

手順2 D[mm]をmに直すと D × 10⁻³[m]

手順3 D²は D² × 10⁻⁶[m²](10⁻³を2回かけるので10⁻⁶)

手順4 分母に10⁻⁶があるのは、分子に10⁶をかけるのと同じ

手順5 よって 抵抗 = 4ρL ÷ πD² × 10⁶

用語10⁶・10⁻³とは?

10⁶とは、10を6回かけた数(1,000,000=100万)のことです。10⁻³とは、1を10で3回割った数(0.001)のことです。

なぜ?なぜ10⁻⁶で割ることが10⁶をかけることになるのか?

0.000001で割るのは、100万倍するのと同じだからです。例えば「1を0.5で割る」と2になります。小さい数で割ると、答えは大きくなるという関係です。

よって答えはロの4ρL ÷ πD² × 10⁶です。

覚えるこの問題の覚え方

「Lは1乗で上、Dは2乗で下、4は上、10⁶は最後」と形で覚えましょう。長い電線ほど抵抗は大きいのでLは分子、太さは面積で効くのでDは2乗で分母。円の面積の「÷4」がひっくり返って分子の4になり、mmが混ざると×10⁶がつきます。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

イ.ρL²÷πD²×10⁶ … Lが2乗になっていて、4も抜けています。長さは1乗で効くので誤りです。

ハ.4ρL²÷πD×10⁶ … LとDの2乗が入れかわった形です。2乗になるのは面積を作る直径Dのほうです。

ニ.4ρL÷πD×10⁶ … Dを2乗し忘れた形です。断面積は直径を2回かけて作ります。

問3

分野:電気の基礎(発熱量)重要度 ★★★

消費電力が500 W の電熱器を,1 時間30 分使用したときの発熱量[kJ]は。

イ.450
ロ.750
ハ.1 800
ニ.2 700
答え・解説を見る
正解

ニ.2 700[kJ]
この問題は何を聞いているの?

500Wの電熱器を1時間30分使ったとき、出てくる熱の量は何kJ(キロジュール)かを聞いています。ポイントは時間を「秒」に直すことです。ここさえ押さえれば、掛け算1回で答えが出ます。

用語電熱器とは?

電熱器とは、電気を流して熱を出す器具のことです。電気ストーブや電気ケトルのヒーター部分がこれにあたります。

用語消費電力[W]とは?

消費電力とは、1秒あたりに使う電気のエネルギーの量のことです。単位はW(ワット)。500Wは1秒あたり500J(ジュール)のエネルギーを使う、という意味です。

なぜ?なぜ電熱器では「使った電気=出た熱」と考えてよいのか?

電熱器は、使った電気のエネルギーをほぼ全部熱に変える器具だからです。モーターのように回転の仕事に使われる分がありません。そのため試験では消費した電気のエネルギーを、そのまま発熱量として計算します。

用語発熱量[J・kJ]とは?

発熱量とは、出てきた熱のエネルギーの量のことです。単位はJ(ジュール)で、1kJ=1,000Jです。

なぜ?なぜ「W×秒」でJになるのか?

W(ワット)がもともと「1秒あたり何Jか」を表す単位だからです。1秒で500Jなら、2秒で1,000J、10秒で5,000Jになります。1秒あたりの量×秒数=全体の量という、時給×時間=給料と同じ考え方です。

1時間30分を秒に直す

手順1 1時間30分 = 90分

手順2 90分を秒に直す = 90 × 60 = 5,400秒

手順3 発熱量 = 電力 × 秒数 = 500 × 5,400 = 2,700,000J

手順4 kJに直す(1,000で割る) = 2,700,000 ÷ 1,000 = 2,700kJ

よって答えはニの2,700kJです。

コツkWとhで計算する方法

500W=0.5kW、1時間30分=1.5時間として、0.5×1.5=0.75kW・h。ここで1kW・h=3,600kJなので、0.75×3,600=2,700kJ。同じ答えになります。1kW・hが3,600kJになるのは、1,000W×3,600秒=3,600,000Jだからです。

覚えるこの問題の覚え方

「J=W×秒」。時間は必ず秒に直す。これがこの問題のすべてです。1時間=3,600秒と覚えておくと、1時間30分なら3,600+1,800=5,400秒とすぐ出せます。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ロ.750 … 500W×1.5時間=750W・hを、単位を直さないまま答えにした数字です。W・hとkJは別の単位です。

ハ.1,800 … 30分を忘れて1時間だけで計算すると、500×3,600=1,800,000J=1,800kJになります。

イ.450 … 誤りです。時間を秒に直して掛け算すれば2,700kJになります。

問4

分野:電気の基礎(力率と電流)重要度 ★★★

単相200 V の回路に,消費電力2.0 kW,力率80 % の負荷を接続した場合,回路に流れる電流[A]は。

イ.7.2
ロ.8.0
ハ.10.0
ニ.12.5
答え・解説を見る
正解

ニ.12.5[A]
この問題は何を聞いているの?

200Vの回路に、消費電力2.0kW・力率80%の機械をつないだとき、流れる電流は何Aかを聞いています。カギになるのは「力率」という言葉です。これが何を表すかが分かれば、割り算2回で答えが出ます。

用語単相(たんそう)とは?

単相とは、2本の電線で電気を送るふつうの交流のことです。家庭用コンセントの100Vや、エアコン用の200Vがこれにあたります。

用語負荷(ふか)とは?

負荷とは、電気を使う機械や器具のことです。電灯・モーター・ヒーターなどをまとめてこう呼びます。

用語力率(りきりつ)とは?

力率とは、流れた電気のうち、実際に仕事(熱・光・回転)に使われた割合のことです。80%=0.8として計算に使います。

なぜ?なぜ流れた電気が全部は仕事に使われないのか?

モーターなどの中にあるコイル(電線をぐるぐる巻いた部品)は、電気を一時的にためては返す動きをするからです。この行ったり来たりするだけの電流も電線を流れますが、仕事にはなりません。その結果、電線を流れる電流は、仕事に必要な分より多くなります。

消費電力の式に力率が入る

交流の回路では、消費電力=電圧×電流×力率です。力率がない式(電圧×電流)で出したものは「見かけの電力」と呼ばれ、そのうち力率の割合だけが本当に使われた電力になります。

なぜ?なぜ電流を求めるときは力率で「割る」のか?

電圧×電流×力率=消費電力なので、電流=消費電力÷(電圧×力率)と変形できるからです。力率が小さいほど、同じ仕事をするのにより多くの電流が要るという意味でもあります。

手順1 2.0kWをWに直す = 2,000W

手順2 力率80%を小数に直す = 0.8

手順3 電圧×力率 = 200 × 0.8 = 160

手順4 電流 = 2,000 ÷ 160 = 12.5A

よって答えはニの12.5Aです。

コツ答えの見当をつける方法

力率が100%なら、2,000÷200=10Aです。力率が100%より小さいと、電流は必ず10Aより大きくなります。選択肢で10Aより大きいのは12.5だけなので、これだけで選べます。

覚えるこの問題の覚え方

「力率は割る。電流は力率100%のときより増える」と覚えましょう。仕事に使われない電流も流れる分、電線の電流は多くなる、とイメージできれば迷いません。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ロ.8.0 … 力率を割らずにかけた場合の数字です。2,000×0.8÷200=8.0になります。

ハ.10.0 … 力率を使わなかった場合の数字です。2,000÷200=10になります。

イ.7.2 … 誤りです。力率で正しく割れば電流は必ず10Aより大きくなるので、10Aより小さい7.2にはなりません。

問5

分野:電気の基礎(三相交流)重要度 ★★★

図のような三相3線式回路に流れる電流I[A]は。

令和3年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問5 の三相3線式回路の図
イ.8.3
ロ.11.6
ハ.14.3
ニ.20.0
答え・解説を見る
正解

ロ.11.6[A]
この問題は何を聞いているの?

200Vの三相3線式の電源に、10Ωの抵抗を3つY(スター)形につないだとき、電線1本を流れる電流Iは何Aかを聞いています。ポイントは、抵抗1つにかかる電圧は200Vではないことです。

用語三相3線式(さんそうさんせんしき)とは?

三相3線式とは、3本の電線で、タイミングを少しずつずらした3つの交流を送る方式のことです。工場や大きなビルのモーターに使われます。図の「3φ3W」は、3相(φ)・3線(W)という意味の記号です。

なぜ?なぜ3つの交流をずらして送るのか?

3つを3分の1周期ずつずらすと、3本で互いに行き帰りの道を分け合えるからです。電線3本で効率よく大きな電力を送れるうえ、モーターをなめらかに回しやすいという利点もあります。

用語Y結線(スター結線)とは?

Y結線とは、3つの抵抗の片方のはしを1点にまとめ、もう片方をそれぞれ3本の電線につなぐつなぎ方のことです。形がアルファベットの「Y」に似ているので、こう呼ばれます。読み方は「スター結線」です。

用語線間電圧(せんかんでんあつ)・相電圧(そうでんあつ)とは?

線間電圧とは、3本の電線のうち2本のあいだの電圧で、図の200Vがこれです。相電圧とは、Y結線の抵抗1つにかかる電圧のことです。

Y結線では、抵抗1つにかかる電圧は「200÷√3」

図をよく見ると、上の電線と真ん中の電線のあいだ(200V)には、10Ωの抵抗が2つ入っています。中心の点を経由して、2つの抵抗を通る道になっているからです。

なぜ?なぜ200Vを2で割った100Vにならないのか?

3つの交流はタイミングがずれているので、2つの抵抗の電圧を足すとき、ふつうの足し算にならないからです。ずれた2つを合わせると、1つ分の√3倍(約1.73倍)です。そのため、抵抗1つの電圧は200÷√3になります。三相の計算では、この√3がたびたび登場します。

用語√3(ルート3)とは?

√3とは、2回かけると3になる数のことです。約1.73で、この試験では√3=1.73を使うと問題文の注に書かれています。

Y結線では、抵抗1つを流れる電流=電線を流れる電流Iです。図でも、上の電線はそのまま上の10Ωにつながっていて、枝分かれがありません。

手順1 抵抗1つにかかる電圧(相電圧) = 200 ÷ √3 = 200 ÷ 1.73 = 約115.6V

手順2 抵抗1つの電流 = 電圧 ÷ 抵抗 = 115.6 ÷ 10 = 約11.56A

手順3 Y結線なので、電線の電流Iも同じ = 約11.6A

よって答えはロの11.6Aです。

例Y結線とΔ(デルタ)結線のちがい

Y(スター)結線 … 抵抗1つの電圧=200÷√3。電線の電流=抵抗の電流。

Δ(デルタ)結線 … 3つの抵抗を三角形につなぐ形。抵抗1つの電圧=200Vそのまま。電線の電流=抵抗の電流×√3。

覚えるこの問題の覚え方

「Yは電圧を√3で割る。Δは電流に√3をかける」と、√3がどこに付くかをセットで覚えましょう。Yの形は中心で2つの抵抗が200Vを分け合うので、1つ分の電圧が小さくなる、とイメージできます。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ニ.20.0 … √3で割るのを忘れて、200÷10=20と計算した数字です。Y結線では抵抗1つに200Vはかかりません。

イ.8.3 … 誤りです。相電圧115.6Vを10Ωで割れば11.6Aです。

ハ.14.3 … 誤りです。Y結線の抵抗1つの電圧は200÷√3と押さえておけば選ばずに済みます。

問6

分野:配線理論(電圧降下)重要度 ★★★

図のような単相2線式回路において,c−c′間の電圧が100 V のとき,a−a′間の電圧[V]は。
ただし,r は電線の電気抵抗[Ω]とする。

令和3年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問6 の単相2線式回路の図
イ.102
ロ.103
ハ.104
ニ.105
答え・解説を見る
正解

ニ.105[V]
この問題は何を聞いているの?

電源から遠い所にあるc−c′間の電圧が100Vのとき、電源側のa−a′間の電圧は何Vかを聞いています。電線にも少しだけ抵抗があるので、電源から遠くなるほど電圧が下がります。その下がった分を、遠い側から電源側へさかのぼって足していく問題です。

用語単相2線式(たんそうにせんしき)とは?

単相2線式とは、行きと帰りの2本の電線で電気を送る方式のことです。図の「1φ2W」は1相(φ)・2線(W)という意味。家庭用コンセントの100Vがこの方式です。

用語電線の抵抗 r とは?

電線そのものが持っている、わずかな抵抗のことです。この問題では区間ごとに1本0.1Ωです。銅線は電気を通しやすい材料ですが、抵抗は0ではありません。

用語抵抗負荷とは?

抵抗負荷とは、電熱器や白熱電球のように、抵抗だけでできている電気の使い手のことです。図ではb−b′間とc−c′間に1つずつあり、5Aと10Aが流れています。

用語電圧降下(でんあつこうか)とは?

電圧降下とは、電線に電流が流れることで、電線の先へ行くほど電圧が下がる現象のことです。下がる大きさは電流×電線の抵抗で求めます。

なぜ?なぜ電線を通ると電圧が下がるのか?

電線の抵抗で、電気を押す力が少しずつ使われてしまうからです。長いホースの先ほど水の勢いが弱くなるのと同じです。そのため電源側の電圧は、負荷側より、下がった分だけ高いことになります。

区間ごとに流れる電流を確かめる

まず、b−c間の電線には、c−c′の負荷に向かう10Aだけが流れています。次にa−b間の電線には、b−b′の負荷の5Aと、その先へ行く10Aの両方が流れます。つまりa−b間は5+10=15Aです。

なぜ?なぜa−b間には15Aも流れるのか?

a−b間の電線は、b−b′の負荷とc−c′の負荷の両方へ電気を運ぶ通り道だからです。水道の本管が、手前の家と奥の家の両方の水を運ぶのと同じで、電源に近い区間ほど電流が大きくなります。

なぜ?なぜ行きの線と帰りの線の両方で電圧が下がるのか?

電気は行きの線を通って負荷へ行き、帰りの線を通って電源に戻るからです。上の線にも下の線にも同じ電流が流れ、どちらの0.1Ωでも電圧が下がります。だから1区間の電圧降下は電流×0.1×2本です。

手順1 b−c間の電圧降下(2本分) = 10 × 0.1 × 2 = 2V

手順2 b−b′間の電圧 = 100 + 2 = 102V

手順3 a−b間の電流 = 5 + 10 = 15A

手順4 a−b間の電圧降下(2本分) = 15 × 0.1 × 2 = 3V

手順5 a−a′間の電圧 = 102 + 3 = 105V

よって答えはニの105Vです。

覚えるこの問題の覚え方

「遠い所から電源へ、下がった分を足しながら戻る」。そのとき①手前の区間ほど電流は合計で増える、②電線は行きと帰りの2本ぶん、の2つを忘れないようにしましょう。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

イ.102 … b−b′間の電圧(100+2)で止めてしまった数字です。a−b間の電圧降下がまだ足されていません。

ロ.103 … a−b間の15Aの電圧降下(3V)だけを足し、b−c間の2Vを忘れた場合の数字です。

ハ.104 … 誤りです。区間ごとの電流(10Aと15A)と2本分を確かめれば105Vになります。

問7

分野:配線理論(単相3線式の電力損失)重要度 ★★★

図のような単相3線式回路において,電線1線当たりの電気抵抗が0.2 Ω,抵抗負荷に流れる電流がともに10 A のとき,配線の電力損失[W]は。

令和3年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問7 の単相3線式回路の図
イ.4
ロ.8
ハ.40
ニ.80
答え・解説を見る
正解

ハ.40[W]
この問題は何を聞いているの?

単相3線式の配線で、上下の負荷にどちらも10A流れているとき、3本の電線で失われる電力の合計は何Wかを聞いています。カギは真ん中の線に電流がいくら流れるかです。

用語単相3線式(たんそうさんせんしき)とは?

単相3線式とは、3本の電線で100Vと200Vの両方を取り出せる配線方式のことです。図の「1φ3W」は1相・3線の意味です。多くの住宅への引き込みに使われています。

用語中性線(ちゅうせいせん)とは?

中性線とは、単相3線式の真ん中の電線のことです。上の線と中性線のあいだが100V、中性線と下の線のあいだが100V、上と下の線のあいだが200Vになります。

用語電力損失(でんりょくそんしつ)とは?

電力損失とは、電線の抵抗によって熱になって失われる電力のことです。1本あたり電流×電流×抵抗(I²R)で求めます。単位はW(ワット)です。

なぜ?なぜ電力損失は「電流×電流×抵抗」なのか?

電力は電圧×電流で、電線で下がる電圧は電流×抵抗だからです。この2つを組み合わせると、(電流×抵抗)×電流=電流²×抵抗になります。電流が2倍になると損失は4倍に増える、という点も大事です。

上下の電流が同じなら、中性線の電流は0A

上の負荷を流れた10Aは、中性線を通って戻ろうとします。一方、下の負荷へ向かう10Aは、中性線から出ていく向きです。中性線の中で2つの流れが打ち消し合い、差し引き0Aになります。

なぜ?なぜ中性線の電流が打ち消し合うのか?

中性線は、上の回路と下の回路が共同で使う1本の道で、2つの電流はこの道を逆向きに流れようとするからです。10A入って10A出ていけば、残りは0です。上下の負荷の電流が同じとき(平衡しているとき)だけ、中性線の電流は0になります。

なぜ?なぜ中性線に電流が流れないと損失も0になるのか?

損失は電流×電流×抵抗なので、電流が0なら0×0×0.2=0Wだからです。抵抗0.2Ωがあっても、電流が流れなければ熱は出ません。

手順1 上の線の損失 = 10 × 10 × 0.2 = 20W

手順2 中性線の電流は 10 − 10 = 0A。損失 = 0W

手順3 下の線の損失 = 10 × 10 × 0.2 = 20W

手順4 合計 = 20 + 0 + 20 = 40W

よって答えはハの40Wです。

覚えるこの問題の覚え方

「上下が同じ電流なら、中性線はお休み」。損失を数えるのは外側の2本だけで、1本あたり電流²×抵抗。この2つで、単相3線式の損失はすぐ出せます。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

イ.4 … 電流を2乗せずに、10×0.2×2本=4と計算した数字です。損失は電流×電流×抵抗です。

ロ.8 … 誤りです。1本あたり10×10×0.2=20Wを確かめれば選ばずに済みます。

ニ.80 … 誤りです。外側の2本で20W+20W=40Wになります。

問8

分野:配線設計(許容電流)重要度 ★★★

金属管による低圧屋内配線工事で,管内に断面積3.5 mm² の600V ビニル絶縁電線(軟銅線)3本を収めて施設した場合,電線1本当たりの許容電流[A]は。
ただし,周囲温度は30 ℃以下,電流減少係数は0.70 とする。

イ.19
ロ.26
ハ.34
ニ.49
答え・解説を見る
正解

ロ.26[A]
この問題は何を聞いているの?

金属管の中に、太さ3.5mm²の電線を3本入れたとき、電線1本に流してよい電流の上限は何Aかを聞いています。表の数字を1つ覚えているかと、減らす割合(電流減少係数)をかけられるかの2点が問われます。

用語金属管工事(きんぞくかんこうじ)とは?

金属管工事とは、電線を金属のパイプに通して配線する工事のことです。電線が外からの衝撃に守られるのが利点です。

用語600Vビニル絶縁電線(IV)とは?

600Vビニル絶縁電線とは、銅の線をビニルで1重に覆った電線のことです。略してIV(アイブイ)と呼ばれます。Iは英語のIndoor(屋内)、Vはビニルの頭文字です。

用語軟銅線(なんどうせん)とは?

軟銅線とは、やわらかく加工した銅の線のことです。曲げやすいので、屋内の配線に使われます。

用語断面積3.5mm²(平方ミリメートル)とは?

電線の銅の部分を輪切りにしたときの面積です。3.5mm²は、細い線を何本もより合わせた「より線」の太さの表し方です。

用語許容電流(きょようでんりゅう)とは?

許容電流とは、その電線に流し続けても安全な電流の上限のことです。これを超えると電線が熱くなりすぎて、ビニルが傷んだり、火災の原因になったりします。

なぜ?なぜ電線に流せる電流に上限があるのか?

電流が流れると、電線の抵抗で熱が出るからです。電流が大きいほど熱は増えます。ビニルの覆いが耐えられる温度を超えないように、太さごとに流してよい電流が決められています。

3.5mm²の許容電流は37A

電技解釈(電気設備の技術基準の解釈)では、IVのような絶縁電線(軟銅線)の許容電流が太さごとに決められています。より線3.5mm²は37Aです。これは電線を1本だけ、周りの温度が30℃以下で使った場合の値です。

例よく出る許容電流(周囲温度30℃以下・軟銅線)

単線1.6mm … 27A

単線2.0mm … 35A

単線2.6mm … 48A

より線2mm² … 27A

より線3.5mm² … 37A

より線5.5mm² … 49A

用語電流減少係数(でんりゅうげんしょうけいすう)とは?

電流減少係数とは、管に何本もの電線をまとめて入れたとき、許容電流を減らすためにかける数のことです。この問題では0.70と与えられています。

なぜ?なぜ管に何本も入れると許容電流を減らすのか?

管の中で電線どうしが互いに温め合い、熱が逃げにくくなるからです。毛布を何枚も重ねると暑くなるのと同じです。そこで、1本あたりに流せる電流を少なめにして安全を保ちます。

手順1 より線3.5mm²の許容電流 = 37A

手順2 金属管に3本入れるので、電流減少係数0.70をかける

手順3 37 × 0.70 = 25.9A

手順4 小数点以下1位を四捨五入 = 26A

よって答えはロの26Aです。

覚えるこの問題の覚え方

「3.5mm²=37A」は、2mm²=27A、5.5mm²=49Aと3つ並べて覚えると混ざりにくくなります。太くなるほど流せる電流も増えるという並びです。あとは問題文の係数をかけるだけ、と型で押さえましょう。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ニ.49 … 5.5mm²の許容電流そのものです。太さも違い、係数もかけていません。

ハ.34 … 5.5mm²の49Aに0.70をかけると34.3になり、この数字になります。太さの取り違えです。

イ.19 … 2mm²の27Aに0.70をかけると18.9になり、この数字になります。こちらも太さの取り違えです。

問9

分野:配線設計(幹線と過電流遮断器)重要度 ★★★

図のような電熱器Ⓗ1台と電動機Ⓜ2台が接続された単相2線式の低圧屋内幹線がある。この幹線の太さを決定する根拠となる電流IW[A]と幹線に施設しなければならない過電流遮断器の定格電流を決定する根拠となる電流IB[A]の組合せとして,適切なものは。
ただし,需要率は100 %とする。

令和3年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問9 の幹線と機器の図
イ.IW 27 IB 55
ロ.IW 27 IB 65
ハ.IW 30 IB 55
ニ.IW 30 IB 65
答え・解説を見る
正解

ニ.IW 30・IB 65
この問題は何を聞いているの?

電熱器1台と電動機(モーター)2台がつながった幹線について、①幹線の太さを決めるもとになる電流 IWと、②幹線のブレーカーの大きさを決めるもとになる電流 IBの組み合わせを聞いています。電動機の電流だけ「割り増し」をするのがポイントです。

用語幹線(かんせん)とは?

幹線とは、建物に引き込んだ電気を、各部屋や各機械へ枝分かれさせる前の太い本線のことです。木の幹から枝が出るように、幹線から各機械への配線が分かれます。

用語電熱器Ⓗ・電動機Ⓜとは?

電熱器Ⓗとは、電気で熱を出す器具、電動機Ⓜとは、電気で回転するモーターのことです。図ではⒽが5A、Ⓜが5Aと15Aです。

用語過電流遮断器(かでんりゅうしゃだんき)とは?

過電流遮断器とは、決められた以上の電流が流れたときに、自動で電気を止める装置のことです。図のBの四角がこれで、配線用遮断器(ブレーカー)を表します。

用語定格電流(ていかくでんりゅう)とは?

定格電流とは、その機械を正しく使ったときに流れる電流のことです。

用語需要率(じゅようりつ)とは?

需要率とは、つながっている機械のうち、同時に使う割合のことです。100%=全部を同時に使うと考えて計算します。

まず電動機と電熱器の電流を分けて合計する

手順1 電動機の電流の合計(IM) = 5 + 15 = 20A

手順2 電熱器の電流の合計(IH) = 5A

なぜ?なぜ電動機だけを別に合計するのか?

電動機は回り始める瞬間に、定格電流よりずっと大きな電流が流れるからです。この始動電流に備えて、電動機の分だけ幹線を太めにしたり、ブレーカーがすぐ切れないようにしたりする決まりがあります。そのために電熱器とは分けて数えます。

IW:電動機の合計が50A以下なら1.25倍して足す

電技解釈では、電動機の電流の合計が電熱器などの合計より大きいとき、幹線の許容電流は次のように決めます。

例幹線の太さを決める電流 IW の決まり

IMが50A以下 … IW = 1.25 × IM + IH

IMが50Aを超える … IW = 1.1 × IM + IH

IMがIH以下 … 割り増しなしで IW = IM + IH

手順1 IM=20A は IH=5A より大きく、50A以下なので1.25倍を使う

手順2 IW = 1.25 × 20 + 5 = 25 + 5 = 30A

IB:電動機の合計を3倍して足す(ただし上限あり)

幹線のブレーカーの大きさは、3×IM+IH以下とします。ただし、2.5×IWのほうが小さいときは、そちらを上限にします。

なぜ?なぜブレーカーは電動機の電流を3倍までにしてよいのか?

電動機の大きな始動電流でブレーカーが切れてしまわないようにするためです。一方で大きくしすぎると幹線を守れないので、幹線の許容電流の2.5倍という上限も決められています。

手順1 3 × IM + IH = 3 × 20 + 5 = 65A

手順2 2.5 × IW = 2.5 × 30 = 75A

手順3 小さいほうを採る → IB = 65A

よって答えはニのIW 30・IB 65です。

覚えるこの問題の覚え方

「太さは1.25倍、ブレーカーは3倍。どちらも電動機だけに掛けて、電熱器はそのまま足す」。50Aを超えたら1.25が1.1に変わる、ブレーカーには2.5×IWの上限がある、の2点を添えて覚えましょう。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

イ・ロ(IW 27) … 1.1 × 20 + 5 = 27 と、50Aを超える場合の1.1倍を使った数字です。IMは20Aなので1.25倍を使います。

ハ(IB 55) … 誤りです。3 × 20 + 5 = 65A と、2.5 × 30 = 75A の小さいほうは65Aです。

問10

分野:配線設計(分岐回路)重要度 ★★★

定格電流30 A の配線用遮断器で保護される分岐回路の電線(軟銅線)の太さと,接続できるコンセントの図記号の組合せとして,適切なものは。
ただし,コンセントは兼用コンセントではないものとする。

令和3年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問10 の選択肢(電線の太さとコンセントの図記号)
答え・解説を見る
正解

イ.断面積5.5mm²・20Aの2口コンセント
この問題は何を聞いているの?

30Aのブレーカーで守られた分岐回路に、どの太さの電線と、どのコンセントを組み合わせればよいかを聞いています。1つの表を覚えているかと、コンセントの図記号を読めるかで決まる問題です。

用語配線用遮断器(はいせんようしゃだんき)とは?

配線用遮断器とは、電流が流れすぎたときに自動で電気を止める装置のことです。一般にブレーカーと呼ばれます。定格電流30Aなら、30Aを大きく超える電流が続くと切れます。

用語分岐回路(ぶんきかいろ)とは?

分岐回路とは、幹線から枝分かれして、コンセントや照明へ向かう配線のことです。1つの分岐回路ごとに、1つのブレーカーで守られます。

なぜ?なぜブレーカーの大きさで電線の太さが決まるのか?

ブレーカーは電線を守るための装置だからです。30Aまで流れる回路に細い電線を使うと、ブレーカーが切れる前に電線が熱くなりすぎてしまいます。そのため、ブレーカーが大きいほど太い電線が必要です。

なぜ?なぜコンセントは小さすぎても使えないのか?

15Aのコンセントに、30A近い電流が流れる可能性があるからです。ブレーカーは30Aまで切れないので、コンセントのほうが先に熱を持って傷むおそれがあります。逆に大きすぎるコンセントは、回路の電線より大きな機械をつながれてしまうので使えません。

例ブレーカー・電線・コンセントの組み合わせ(軟銅線)

20Aのブレーカー … 電線1.6mm以上/コンセント20A以下

30Aのブレーカー … 電線2.6mm(5.5mm²)以上/コンセント20A以上30A以下

40Aのブレーカー … 電線8mm²以上/コンセント30A以上40A以下

コンセントの図記号の読み方

用語コンセントの図記号とは?

円の中に横線を2本引いた記号がコンセントを表します。半分が黒くぬられているのは、壁に取り付けるコンセントという意味で、ぬられた側が壁です。

用語記号の横の「20A」「30A」「2」とは?

「20A」「30A」はコンセントの定格電流、「2」は差し込み口が2つ(2口)という意味です。何Aとも書かれていなければ15Aのコンセントです。

なぜ?なぜ何も書かれていないと15Aになるのか?

家庭で最も多く使われる15Aのコンセントを「ふつう」として、書くのを省く決まりになっているからです。15A以外のときだけ、20Aや30Aと書き添えます。

4つの選択肢を表に当てはめる

手順1 イ 5.5mm²(2.6mmと同じ扱い)・20Aの2口 → 電線もコンセントも条件どおり ⭕

手順2 ロ 2.6mm・数字なし=15Aの2口 → コンセントが小さすぎる ❌

手順3 ハ 2.0mm・30A → 電線が細すぎる ❌

手順4 ニ 8mm²・数字なし=15Aの2口 → 電線は太くて問題ないが、コンセントが小さすぎる ❌

よって答えはイの断面積5.5mm²・20Aの2口コンセントです。

覚えるこの問題の覚え方

「30Aのブレーカーには、2.6mmと20〜30Aのコンセント」。コンセントはブレーカーの数字か、その1段下(20A)までと覚えると、15Aがはじかれる理由もつかめます。図記号は数字なし=15A、「2」=2口です。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ロ.直径2.6mm・2口 … 電線は正しいので選びやすい形です。ただし数字がないので15Aのコンセントで、30Aの回路には使えません。

ニ.断面積8mm²・2口 … 電線が太いから安全と考えると選びやすい形です。電線は問題ありませんが、コンセントが15Aです。

ハ.直径2.0mm・30A … コンセントは30Aで条件内ですが、2.0mmは20Aの回路までの太さです。

📝 読んだあとは、解いて確かめる
令和3年度 下期 午後 第二種電気工事士 学科(全50問)を、1問ずつ解いて答え合わせ
全50問。選択肢を選ぶとその場で正解・不正解と解説が出ます。登録も料金もいりません。

ドリルで解く →

この記事のまとめ

問1〜10で使った考え方を、1問1行でふり返ります。解き終わったあとにここだけ読み返すと、記憶に残りやすくなります。

まとめこの10問で必ず持ち帰ること

問1 直並列回路 … 電流計の道で電圧を出し、並列は同じ電圧。全部の電流を足して直列の4Ωへ(32V)

問2 抵抗率 … Lは1乗で上、Dは2乗で下。mmが混ざったら×10⁶

問3 発熱量 … J=W×秒。1時間30分=5,400秒で、500×5,400=2,700kJ

問4 力率と電流 … 電流=電力÷(電圧×力率)。2,000÷160=12.5A

問5 三相交流 … Y結線は抵抗1つの電圧が200÷√3。115.6÷10=11.6A

問6 電圧降下 … 遠い所から戻りながら足す。手前の区間は電流が合計され、電線は2本分(105V)

問7 単相3線式 … 上下が同じ電流なら中性線は0A。外側2本で20W+20W=40W

問8 許容電流 … 3.5mm²=37A。減少係数0.70をかけて26A

問9 幹線 … IW=1.25×20+5=30A、IB=3×20+5=65A(2.5×30=75Aより小さい)

問10 分岐回路 … 30Aには2.6mm(5.5mm²)と20〜30Aのコンセント。数字なしの記号は15A

この10問の計算の土台は、オームの法則(電圧=電流×抵抗)と電力(電圧×電流、または電流²×抵抗)の2本でした。これに三相の√3、力率、そして許容電流や幹線・分岐回路の決まりが加わります。式を増やすより、この2本をどの場面でどう使うかに慣れることが、得点への近道になります。

出典

令和3年度下期第二種電気工事士試験(午後)
問題・図・写真・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。

あわせて読みたい(第二種電気工事士 令和3年度下期 午後 全5記事)

▶ 問11〜20
材料と器具(絶縁ブッシング・地中配線・金属管の工具・スターデルタ始動・漏電遮断器・写真の見分け)

▶ 問21〜30
施工・検査・法令(漏電遮断器の省略・D種接地工事・合成樹脂管・絶縁抵抗計・電気工事士法・電気用品安全法)

▶ 配線図 問31〜40
図記号と数字もの(電線本数・接地工事・遮断器・図記号の読み取り)

▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け(材料・工具・器具を写真から選ぶ)

用語からつまずいた人へ(やさしい基礎解説)

▶ オームの法則と直列・並列
電圧・電流・抵抗のきほんから

▶ W・Wh・Jの違い
電力・電力量・熱量

▶ 単相2線式・単相3線式・三相3線式
配線方式のちがい

▶ 配線図の図記号の読み方
スイッチ・コンセント・照明の記号

▶ 電線とケーブルの種類・許容電流
VVF・IV・1.6mm=27Aなどの暗記ポイント

▶ 電線管の種類と配線工事
金属管・VE・PF・CD管のちがいと付属品

▶ 幹線と分岐回路の決まり
幹線の計算とブレーカー×電線×コンセントの表

▶ 複線図の書き方【3ステップ】
電線の本数もリングスリーブもこれで数えられる

▶ 検査と測定器のきほん
「見る→測る→通す」と測定器の見分け方

▶ 法令のきほん
工事士法=人/用品安全法=モノ/事業法=設備

▶ モーターと進相コンデンサ
回転速度・始動電流・力率改善

学科のあとは、技能試験の準備が要ります

技能試験は40分で実際に配線を組み立てる試験です。工具と練習用の材料がないと1問も練習できません。通信講座は必要か、材料は買うか借りるか——実際の価格で比べました。

▶ 通信講座5社と工具・材料の費用を比較する