二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和7年4月公表分の「ボイラーの構造」(問1〜問10)です。

専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和7年4月公表)

問1 比エンタルピ(顕熱と蒸発熱)

令和7年4月公表分野:比エンタルピ(顕熱と蒸発熱)重要度 ★★★
次の文中の 内に入れるA及びBの語句の組合せとして、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
「飽和水の比エンタルピは飽和水1㎏のAであり、飽和蒸気の比エンタルピはその飽和水のAにBを加えた値で、単位はkJ/㎏である。」
A B
(1) 潜熱 顕熱
(2) 潜熱 蒸発熱
(3) 顕熱 蒸発熱
(4) 蒸発熱 潜熱
(5) 蒸発熱 顕熱
答え・解説を見る
正解

(3)
顕熱 / 蒸発熱

この問題は何を聞いている?

水や蒸気が持っている熱の量、比エンタルピの組み立てを問う問題です。空欄に「顕熱」「潜熱」「蒸発熱」のどれが入るかを選びます。

比エンタルピとは?

水や蒸気1kgが持っている熱の量。単位はkJ/kgです。

飽和水とは?

その圧力で沸騰する温度まで温まった水のこと。ここからさらに熱を加えると、水は蒸気(飽和蒸気)に変わっていきます。

熱の名前 何に使われる熱か
顕熱 温度を上げるのに使われる熱
潜熱 温度を変えずに、状態を変えるのに使われる熱
蒸発熱 潜熱のうち、水が蒸気になるときの熱

空欄A = 顕熱

水に熱を加えると、沸騰が始まるまでは温度が上がっていきます。この、温度を上げるのに使われた熱が顕熱です。飽和水は沸騰する温度まで温めた水なので、持っている熱はそこまでの顕熱になります。

空欄B = 蒸発熱

沸騰が始まると、熱を加えても温度は上がりません。加えた熱は、水を蒸気に変えることだけに使われるからです。この熱を蒸発熱といいます。飽和蒸気は、飽和水が蒸気に変わったものです。だから比エンタルピは、飽和水の顕熱に蒸発熱を加えた値になります。

比エンタルピの組み立て

飽和水の比エンタルピ=顕熱(沸騰する温度まで温めた熱)

飽和蒸気の比エンタルピ=飽和水の顕熱+蒸発熱(蒸気に変えた熱を足す)

選択肢のうち、空欄Aが顕熱になっているのは(3)だけです。「潜熱」と「顕熱」を入れ替えた選択肢が並んでいるので、順番に気をつけましょう。

💡 覚え方

顕熱は「顕(あらわ)れる熱」=温度計に表れる熱。潜熱は「潜(ひそ)む熱」=温度計に表れない熱です。水はまず温まり(顕熱)、それから蒸気に変わる(蒸発熱)。この順番どおりに足せば、空欄が埋まります。

A=顕熱、B=蒸発熱なので、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第1回 熱と蒸気のきほん

問2 炉筒煙管ボイラー(内だき式)

令和7年4月公表分野:炉筒煙管ボイラー(内だき式)重要度 ★★★
炉筒煙管ボイラーについて、適切でないものは次のうちどれか。
(1)水管ボイラーに比べ、一般に製作及び取扱いが容易である。
(2)胴の水部に燃焼ガスの通路となる多数の煙管を設け、伝熱面積の増加を図った外だき式ボイラーである。
(3)加圧燃焼方式を採用し、燃焼室熱負荷を高くして燃焼効率を高めたものがある。
(4)煙管には、伝熱効果の大きいスパイラル管を採用したものが多い。
(5)戻り燃焼方式を採用して、燃焼効果を高めたものがある。
答え・解説を見る
正解

(2)
胴の水部に燃焼ガスの通路となる多数の煙管を設け、伝熱面積の増加を図った外だき式ボイラーである。

この問題は何を聞いている?

丸ボイラーの代表である炉筒煙管ボイラーの特徴を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

炉筒煙管ボイラーとは?

大きな胴(円筒形の容器)の中に、炉筒(燃焼室になる太い筒)と煙管(燃焼ガスが通る細い管)を入れたボイラー。

💡 なぜ? 炎は炉筒の中で燃えます。燃焼ガスは煙管を通りながら、まわりの水に熱を渡すしくみです。

内だき式・外だき式とは?

火を燃やす炉が胴の中にあるものが内だき式、胴の外にあるものが外だき式です。

(1) ⭕ 正しい記述

水管ボイラーに比べ、一般に製作及び取扱いが容易である。

炉筒煙管ボイラーは、大きな胴に水をためる丸ボイラーの仲間です。細い管に水を通す水管ボイラーに比べて、一般に製作も取扱いも容易です。

(2) ❌ 誤りの記述

胴の水部に燃焼ガスの通路となる多数の煙管を設け、伝熱面積の増加を図った外だき式ボイラーである。

前半の「胴の水部に多数の煙管を設け、伝熱面積の増加を図った」は合っています。誤りは最後の「外だき式」です。炉筒(燃焼室)が胴の中にあるので、炉筒煙管ボイラーは内だき式になります。「内だき式」が「外だき式」に入れ替えられている点がひっかけです。

(3) ⭕ 正しい記述

加圧燃焼方式を採用し、燃焼室熱負荷を高くして燃焼効率を高めたものがある。

加圧燃焼方式は、燃焼室の中を大気より高い圧力にして燃やす方式です。これを採用し、燃焼室熱負荷を高くして燃焼効率を高めたものがあります。

(4) ⭕ 正しい記述

煙管には、伝熱効果の大きいスパイラル管を採用したものが多い。

スパイラル管は、らせん状の溝をつけた管です。ガスをかき回して伝熱効果を高めるので、煙管に使ったものが多くあります。

(5) ⭕ 正しい記述

戻り燃焼方式を採用して、燃焼効果を高めたものがある。

戻り燃焼方式は、燃焼ガスを炉筒の奥で折り返す方式です。これを採用して、燃焼効果を高めたものがあります。

💡 覚え方

内だき=胴の内側で燃やす、外だき=胴の外側で燃やす。炉筒煙管ボイラーは、名前のとおり炉筒が胴の中に入っているので内だき式です。

以上から、正解は(2)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第3回 丸ボイラーと鋳鉄製ボイラー

問3 貫流ボイラー

令和7年4月公表分野:貫流ボイラー重要度 ★★★
貫流ボイラーに関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 蒸気ドラム及び水ドラムがなく、管系部材で構成される。
B 同容量の丸ボイラーと比べ、起動から所要蒸気を発生するまでの時間が長い。
C 同容量の丸ボイラーと比べ、据付面積は大きくなるが、全自動化されたものが多い。
D 負荷変動によって大きい圧力変動を生じやすいので、給水量及び燃料量に対して応答の速い自動制御装置を必要とする。
(1)A,B,C
(2)A,C
(3)A,C,D
(4)A,D
(5)B,C,D
答え・解説を見る
正解

(4)
A,D

この問題は何を聞いている?

貫流ボイラーの特徴について、A〜Dの記述の正誤を見分ける問題です。適切なものだけを全部挙げた組合せを選びます。

貫流ボイラーとは?

管だけで構成されたボイラー。長い管の入口から押し込んだ水が、一方通行で流れながら蒸気になって出ていきます。

保有水量とは?

ボイラーが中にためている水の量のこと。貫流ボイラーは管の中にしか水がないので、保有水量が著しく少ないボイラーです。

A ⭕ 正しい記述

蒸気ドラム及び水ドラムがなく、管系部材で構成される。

ドラムは、水や蒸気をためる円筒形の容器です。貫流ボイラーには蒸気ドラムも水ドラムもなく、管だけで構成されています。

B ❌ 誤りの記述

同容量の丸ボイラーと比べ、起動から所要蒸気を発生するまでの時間が長い。

貫流ボイラーは保有水量が著しく少なく、少ない水はすぐ温まります。だから、起動から蒸気が出るまでの時間は短いのです。比べる相手の丸ボイラーは、大きな胴に水をたっぷりためるボイラーです。「短い」が「長い」に入れ替えられている点が誤りです。

C ❌ 誤りの記述

同容量の丸ボイラーと比べ、据付面積は大きくなるが、全自動化されたものが多い。

後半の「全自動化されたものが多い」は合っています。誤りは前半で、据付面積は同じ容量の丸ボイラーより小さいのです。文の一部でも誤りがあれば、その記述は誤りとして扱います。

D ⭕ 正しい記述

負荷変動によって大きい圧力変動を生じやすいので、給水量及び燃料量に対して応答の速い自動制御装置を必要とする。

保有水量が少ないと、熱のたくわえがほとんどありません。そのため、蒸気を使う量(負荷)が変わると圧力が大きく変動しやすくなります。これをおさえるには、給水量と燃料量にすばやく反応する自動制御装置が必要です。

💡 覚え方

貫流ボイラー=水が少ない、小さい、速い。小さな鍋はすぐ沸くが、すぐ冷めるのと同じです。起動は速く、場所をとらず、圧力は揺れやすくなります。

適切な記述はAとDなので、正解は(4)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第4回 水管ボイラーと貫流ボイラー

問4 鋳鉄製蒸気ボイラー(給水管と返り管)

令和7年4月公表分野:鋳鉄製蒸気ボイラー(給水管と返り管)重要度 ★★★
鋳鉄製蒸気ボイラーについて、適切でないものは次のうちどれか。
(1)暖房用ボイラーでは、原則として復水を循環使用する。
(2)暖房用ボイラーの返り管の取付けには、ハートフォード式連結法が用いられる。
(3)暖房用ボイラーの給水管は、ポンプ循環方式の場合にはボイラーに直接取り付ける。
(4)セクションの数は20枚程度まで、伝熱面積は50m²程度までが普通である。
(5)セクション表面のガス通路に多数のスタッドを取り付け、伝熱面積を大きくして効率を良くしている。
答え・解説を見る
正解

(3)
暖房用ボイラーの給水管は、ポンプ循環方式の場合にはボイラーに直接取り付ける。

この問題は何を聞いている?

鋳鉄製蒸気ボイラーのつくりと、管のつなぎ方を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

鋳鉄製ボイラーとは?

鋳物でつくったセクションという板状の部品を、何枚も前後に重ねて組み立てるボイラー。主にビルなどの暖房用に使われます。

返り管とは?

暖房に使った蒸気が水(復水)に戻り、その水がボイラーへ帰ってくるときに通る管のこと。

(1) ⭕ 正しい記述

暖房用ボイラーでは、原則として復水を循環使用する。

暖房用の蒸気ボイラーでは、原則として復水を循環使用します。復水はまだ温かく、不純物も少ないからです。

(2) ⭕ 正しい記述

暖房用ボイラーの返り管の取付けには、ハートフォード式連結法が用いられる。

ハートフォード式連結法は、返り管のつなぎ方の名前です。返り管を、安全低水面(これより下げてはいけない水位)の近くでつなぎます。水が返り管へ逆流しても、水位が下がりすぎないようにするためです。

(3) ❌ 誤りの記述

暖房用ボイラーの給水管は、ポンプ循環方式の場合にはボイラーに直接取り付ける。

ポンプ循環方式の場合、給水管はボイラーに直接ではなく返り管に取り付けます。「返り管に」が「ボイラーに直接」に入れ替えられている点が誤りです。鋳鉄製蒸気ボイラーでは、給水も返り管を通してボイラーへ入れる決まりです。

(4) ⭕ 正しい記述

セクションの数は20枚程度まで、伝熱面積は50m²程度までが普通である。

セクションの数は20枚程度まで、伝熱面積(熱を受け取る面の広さ)は50m²程度までが一般的です。

(5) ⭕ 正しい記述

セクション表面のガス通路に多数のスタッドを取り付け、伝熱面積を大きくして効率を良くしている。

スタッドは、セクションの表面に付けた突起のことです。燃焼ガスの通り道に多数取り付けて、伝熱面積を大きくし、効率をよくしています。

方式 給水管・返り管の取付け
ポンプ循環方式 返り管は安全低水面以下150mm以内の高さに取り付ける。給水管は返り管に取り付ける
重力循環方式 給水管はボイラー本体に直接つけず、返り管に取り付ける

💡 覚え方

鋳鉄製蒸気ボイラーの給水管は、どちらの方式でも返り管へ。「ボイラーに直接」という言葉が出てきたら、誤りを疑いましょう。

以上から、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第3回 丸ボイラーと鋳鉄製ボイラー

問5 ステー(管ステー・ガセットステー・棒ステー)

令和7年4月公表分野:ステー(管ステー・ガセットステー・棒ステー)重要度 ★★
ボイラーに用いられるステーについて、適切でないものは次のうちどれか。
(1)管ステーは、鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。
(2)管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、管ステーの端部を縁曲げする。
(3)ガセットステーは、熱応力を緩和するため、鏡板にブリージングスペースを設けて取り付ける。
(4)ガセット板を鏡板に直接溶接で取り付ける場合には、T継手の両側すみ肉溶接とする。
(5)棒ステーは、棒状のステーで、両鏡板の間に設けたものを長手ステー、鏡板と胴板の間に設けたものを斜めステーという。
答え・解説を見る
正解

(4)
ガセット板を鏡板に直接溶接で取り付ける場合には、T継手の両側すみ肉溶接とする。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの弱い板を支えるステーの種類と、取付け方を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

ステーとは?

ボイラーの平らで弱い板を、ほかの部分とつないで支える補強材。棒・管・板などの形があります。

💡 なぜ? 平らな板は、内側から押されると外へふくらんで変形しやすいからです。

鏡板・管板とは?

鏡板は、胴(円筒形の容器)の両端をふさぐふたの板。管板は、煙管(燃焼ガスが通る管)の端を取り付ける板です。

(1) ⭕ 正しい記述

管ステーは、鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。

管ステーは、管の形をしたステーで、管板を支えます。鋼管を管板に溶接またはねじ込みで取り付ける決まりです。

(2) ⭕ 正しい記述

管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、管ステーの端部を縁曲げする。

火炎に触れる部分にねじ込みで取り付けるときは、管ステーの端部を縁曲げ(ふちを曲げること)します。管の端が炎で焼けて傷む(焼損)のを防ぐためです。

(3) ⭕ 正しい記述

ガセットステーは、熱応力を緩和するため、鏡板にブリージングスペースを設けて取り付ける。

ガセットステーは、平らな板(ガセット板)で鏡板を胴につないで支えるステーです。取り付けるときは、鏡板にブリージングスペース(ステーを入れない余裕の部分)を残します。炉筒(燃焼室の筒)の伸び縮みで生じる熱応力をやわらげるためです。

(4) ❌ 誤りの記述

ガセット板を鏡板に直接溶接で取り付ける場合には、T継手の両側すみ肉溶接とする。

ガセット板を鏡板に溶接するときに使えるのは、K形溶接またはレ形溶接だけです(JIS B 8201)。K形・レ形溶接は、板の端を削って溶かし込む溶接のことです。鏡板には、すみ肉溶接は両側でも使えません。「K形・レ形溶接」が「両側すみ肉溶接」に入れ替えられている点が誤りです。

ガセット板を取り付ける相手 使える溶接(JIS B 8201)
鏡板 K形溶接またはレ形溶接(すみ肉溶接は使えない)
胴板 K形溶接・レ形溶接・両側すみ肉溶接(片側すみ肉溶接は使えない)

(5) ⭕ 正しい記述

棒ステーは、棒状のステーで、両鏡板の間に設けたものを長手ステー、鏡板と胴板の間に設けたものを斜めステーという。

棒ステーは、棒の形をしたステーです。どこを結ぶかで名前が変わります。両側の鏡板どうしを結ぶものが長手ステー、鏡板と胴板を斜めに結ぶものが斜めステーです。

⚠ 注意

ガセット板の溶接の方法を問う記述は、ほかの回にも出ています。令和6年10月公表では、「胴に直接溶接する場合はT継手の片側すみ肉溶接」が誤りとされました。胴板なら両側のすみ肉溶接は使えますが、片側だけは使えないからです。

💡 覚え方

鏡板は「削って溶かし込む」溶接(K形・レ形)だけ。胴板はそれに加えて両側のすみ肉までよい。片側だけのすみ肉は、どちらにも使えないと覚えましょう。

以上から、正解は(4)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第5回 各部の構造と強さ

問6 流量計と通風計

令和7年4月公表分野:流量計と通風計重要度 ★
ボイラーに使用する計測器について、AからDまでの記述のうち、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 面積式流量計は、垂直に置かれたテーパ管内を流体が下から上に流れると、フロートが上下し、その際のテーパ管とフロートの間の環状面積がその流量に比例することを利用している。
B 容積式流量計は、ケーシングの中で、だ円形歯車を2個組み合わせ、これを流体の流れによって回転させると、流量が歯車の回転数の二乗に比例することを利用している。
C 差圧式流量計は、流体が流れている管の中に絞りを挿入すると、入口と出口との間に流量の二乗に比例する圧力差が生じることを利用している。
D U字管式通風計は、ドラフトを測定するもので、炉内圧の測定はできない。
(1)A,B,C
(2)A,C
(3)A,C,D
(4)B,C
(5)B,D
答え・解説を見る
正解

(2)
A,C

この問題は何を聞いている?

ボイラーで使う流量計3種類と通風計のしくみを問う問題です。適切なものだけを全部挙げた組合せを選びます。

流量計・通風計とは?

流量計は、管の中を流れる量を測る計器。通風計は、ドラフト(通風力)を測る計器です。

A ⭕ 正しい記述

面積式流量計は、垂直に置かれたテーパ管内を流体が下から上に流れると、フロートが上下し、その際のテーパ管とフロートの間の環状面積がその流量に比例することを利用している。

面積式流量計は、縦に置いたテーパ管(上ほど太い管)を使います。中のフロート(浮き)が、下から上への流れで上下するしくみです。そのとき、管とフロートのすき間の面積が流量に比例することを利用しています。

B ❌ 誤りの記述

容積式流量計は、ケーシングの中で、だ円形歯車を2個組み合わせ、これを流体の流れによって回転させると、流量が歯車の回転数の二乗に比例することを利用している。

容積式流量計は、だ円形の歯車2個を流れで回す流量計です。流量は、歯車の回転数に比例します。「回転数の二乗に比例」ではありません。「二乗」が余分に入っている点が誤りです。

C ⭕ 正しい記述

差圧式流量計は、流体が流れている管の中に絞りを挿入すると、入口と出口との間に流量の二乗に比例する圧力差が生じることを利用している。

差圧式流量計は、管の中に絞りを入れる流量計です。絞りの入口と出口に、流量の二乗に比例する圧力差が生じることを利用しています。

D ❌ 誤りの記述

U字管式通風計は、ドラフトを測定するもので、炉内圧の測定はできない。

U字管式通風計がドラフトを測る、という前半は合っています。誤りは後半で、この通風計は炉内圧(炉の中の圧力)も測れるのです。「測定できる」が「できない」に入れ替えられている点が誤りです。

計器 利用していること
面積式流量計 すき間の面積が流量に比例する
容積式流量計 流量が歯車の回転数に比例する
差圧式流量計 流量の二乗に比例する圧力差が生じる

💡 覚え方

二乗が出てくるのは差圧式だけ。面積式は面積、容積式は回転数にそのまま比例する、と名前とセットで押さえましょう。

適切な記述はAとCなので、正解は(2)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第6回 附属品①(安全弁・圧力計・水面計)

問7 給水系統装置(給水ポンプ・給水弁と給水逆止め弁)

令和7年4月公表分野:給水系統装置(給水ポンプ・給水弁と給水逆止め弁)重要度 ★★
ボイラーの給水系統装置について、適切でないものは次のうちどれか。
(1)ボイラーに給水する遠心ポンプは、多数の羽根を有する羽根車をケーシング内で回転させ、遠心作用により水に圧力及び速度エネルギーを与える。
(2)渦巻ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のない遠心ポンプで、一般に低圧のボイラーに用いられる。
(3)ディフューザポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、高圧のボイラーには多段ディフューザポンプが用いられる。
(4)ボイラー又はエコノマイザの入口近くには、給水弁と給水逆止め弁を設ける。
(5)給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、ボイラーに近い側に給水逆止め弁を取り付ける。
答え・解説を見る
正解

(5)
給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、ボイラーに近い側に給水逆止め弁を取り付ける。

この問題は何を聞いている?

ボイラーへ水を押し込む給水ポンプと、入口に付ける2つの弁の順番を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

給水逆止め弁とは?

ボイラーの水がポンプ側へ逆流するのを防ぐ弁。水を止めたり通したりする給水弁と、組にして取り付けます。

(1) ⭕ 正しい記述

ボイラーに給水する遠心ポンプは、多数の羽根を有する羽根車をケーシング内で回転させ、遠心作用により水に圧力及び速度エネルギーを与える。

遠心ポンプは、ケーシング(外箱)の中で、多数の羽根のついた羽根車を回すポンプです。遠心作用で、水に圧力と速度のエネルギーを与えます。

(2) ⭕ 正しい記述

渦巻ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のない遠心ポンプで、一般に低圧のボイラーに用いられる。

渦巻ポンプは、羽根車のまわりに案内羽根がない遠心ポンプです。一般に低圧のボイラーに使われます。

(3) ⭕ 正しい記述

ディフューザポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、高圧のボイラーには多段ディフューザポンプが用いられる。

ディフューザポンプは、羽根車のまわりに案内羽根がある遠心ポンプです。高圧のボイラーには、多段のディフューザポンプが使われます。

(4) ⭕ 正しい記述

ボイラー又はエコノマイザの入口近くには、給水弁と給水逆止め弁を設ける。

エコノマイザは、煙突へ向かう排ガスの熱で給水を温める装置です。ボイラーやエコノマイザの入口近くには、給水弁と給水逆止め弁を設けます。

(5) ❌ 誤りの記述

給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、ボイラーに近い側に給水逆止め弁を取り付ける。

ボイラーに近い側に取り付けるのは、給水弁です。給水逆止め弁は、その外側になります。逆止め弁が故障したとき、ボイラー側の給水弁を閉めれば、圧力のある状態でも逆止め弁を修理できるからです。2つの弁の順番が入れ替えられている点が誤りです。

ポンプ 案内羽根 使いどころ
渦巻ポンプ ない 一般に低圧のボイラー
ディフューザポンプ ある 高圧のボイラーには多段

💡 覚え方

ボイラー側に給水弁。逆止め弁が壊れても、止めてから直せる順番と覚えましょう。ポンプは案内羽根あり=ディフューザ=高圧と、3つをひとまとまりにします。

以上から、正解は(5)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第7回 附属品②(給水・吹出し・送気・熱回収)

問8 空気予熱器

令和7年4月公表分野:空気予熱器重要度 ★★
ボイラーの空気予熱器について、適切でないものは次のうちどれか。
(1)燃焼ガスの余熱を用いる空気予熱器には、熱交換式と再生式がある。
(2)熱交換式空気予熱器は、燃焼ガスにより加熱された伝熱エレメントが空気側に移動し、空気を予熱するものである。
(3)空気予熱器を設置すると、ボイラー効率が上昇する。
(4)空気予熱器を設置すると、燃焼状態が良好になる。
(5)空気予熱器を設置すると、窒素酸化物の発生量が増加することがある。
答え・解説を見る
正解

(2)
熱交換式空気予熱器は、燃焼ガスにより加熱された伝熱エレメントが空気側に移動し、空気を予熱するものである。

この問題は何を聞いている?

空気予熱器の種類と、設置したときの効果を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

空気予熱器とは?

煙突へ向かう燃焼ガスの余熱で、燃焼に使う空気をあらかじめ温める装置。

💡 なぜ? 捨てるはずの排ガスの熱を取り戻せるからです。

(1) ⭕ 正しい記述

燃焼ガスの余熱を用いる空気予熱器には、熱交換式と再生式がある。

燃焼ガスの余熱を使う空気予熱器には、熱交換式と再生式の2種類があります。

(2) ❌ 誤りの記述

熱交換式空気予熱器は、燃焼ガスにより加熱された伝熱エレメントが空気側に移動し、空気を予熱するものである。

「加熱された伝熱エレメントが空気側に移動して、空気を予熱する」のは再生式です。熱交換式は、伝熱面(壁)をへだてて、燃焼ガスの熱を空気へ伝えます。方式の名前が入れ替えられている点が誤りです。

(3) ⭕ 正しい記述

空気予熱器を設置すると、ボイラー効率が上昇する。

空気予熱器を設置すると、ボイラー効率が上がります。ボイラー効率とは、燃料から入れた熱のうち、蒸気が受け取った熱の割合のことです。

(4) ⭕ 正しい記述

空気予熱器を設置すると、燃焼状態が良好になる。

空気予熱器を設置すると、燃焼状態がよくなります。水分の多い低品位の燃料の燃焼に、特に有効です。

(5) ⭕ 正しい記述

空気予熱器を設置すると、窒素酸化物の発生量が増加することがある。

空気を温めると燃焼温度が上がるので、窒素酸化物(NOx)の発生量が増えることがあります。

種類 しくみ
熱交換式 伝熱面(壁)をへだてて、燃焼ガスの熱を空気へ伝える
再生式 燃焼ガスで温めた伝熱エレメントが空気側へ移動して、空気を温める

💡 覚え方

熱交換式=壁ごしに熱を渡す、再生式=エレメントが動いて熱を運ぶ。「移動」という言葉が出てきたら再生式です。この入れ替えは、令和8年10月公表でも出ています。

以上から、正解は(2)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第7回 附属品②(給水・吹出し・送気・熱回収)

問9 水位検出器の取付け

令和7年4月公表分野:水位検出器の取付け重要度 ★★
ボイラーの水位検出器について、AからDまでの記述のうち、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 水位検出器は、原則、2個以上取り付け、それぞれ異なる水位検出方式とするのが良い。
B 水位検出器の水側連絡管は、他の水位検出器の水側連絡管と共用しない。
C 水位検出器の水側連絡管は、呼び径15A以上の管を使用する。
D 水位検出器の水側連絡管に設けるバルブ又はコックは、直流形の構造とする。
(1)A,B
(2)A,B,D
(3)A,C
(4)B,C
(5)B,C,D
答え・解説を見る
正解

(2)
A,B,D

この問題は何を聞いている?

水位を自動で見張る水位検出器の、取付けの決まりを問う問題です。適切なものだけを全部挙げた組合せを選びます。

水位検出器とは?

ボイラーの水位を自動で見張る装置。浮きの上下で検出するフロート式と、水に電気が流れるかで検出する電極式が代表です。

水側連絡管とは?

ボイラーと水位検出器を水の側でつなぐ管。この管を通って、ボイラーの水が検出器へ入ります。

A ⭕ 正しい記述

水位検出器は、原則、2個以上取り付け、それぞれ異なる水位検出方式とするのが良い。

水位検出器は、原則として2個以上取り付ける決まりです。検出方式は、それぞれ違うものにするのがよいとされています。1つが故障しても、もう1つで気づけるようにするためです。

B ⭕ 正しい記述

水位検出器の水側連絡管は、他の水位検出器の水側連絡管と共用しない。

水側連絡管は、ほかの水位検出器の連絡管と共用しません。1本を共用すると、その管が詰まったとき、両方の検出器が同時に働かなくなるからです。

C ❌ 誤りの記述

水位検出器の水側連絡管は、呼び径15A以上の管を使用する。

水側連絡管は、呼び径20A以上の管を使います。細い管はスケール(湯あか)で詰まりやすいからです。「20A以上」が「15A以上」に入れ替えられている点が誤りです。

D ⭕ 正しい記述

水位検出器の水側連絡管に設けるバルブ又はコックは、直流形の構造とする。

連絡管に設けるバルブやコックは、直流形(まっすぐ流れる形)の構造にします。

項目 決まり
個数と方式 原則2個以上。それぞれ違う検出方式がよい
水側連絡管 ほかの検出器と共用しない。呼び径20A以上
バルブ・コック 直流形の構造にする

💡 覚え方

水位検出器は「2個以上・方式を変える・共用しない・20A以上・直流形」。太さの数字は入れ替えが出ます。詰まりにくい太さ=20A以上と、理由とセットで覚えましょう。

適切な記述はA、B、Dなので、正解は(2)です。

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問10 火炎検出器の種類

令和7年4月公表分野:火炎検出器の種類重要度 ★★
ボイラーにおける燃焼安全装置の火炎検出器について、適切でないものは次のうちどれか。
(1)火炎検出器は、火炎の有無又は強弱を検出し、電気信号に変換するもので、あらかじめ定められた条件に適合する火炎だけを検出することが必要である。
(2)フォトダイオードセルは、光起電力効果を利用したもので、ガス専焼バーナに多く用いられる。
(3)整流式光電管は、光電子放出現象を利用したもので、油燃焼炎の検出に用いられるが、ガス燃焼炎には適さない。
(4)紫外線光電管は、光電子放出現象を利用したもので、その検出感度を高めており、炉壁の放射による誤作動もなく、全ての燃料の燃焼炎の検出に用いられる。
(5)フレームロッドは、ロッドの使用制限温度による制約から、主として燃焼時間の短い点火用のガスバーナに多く用いられる。
答え・解説を見る
正解

(2)
フォトダイオードセルは、光起電力効果を利用したもので、ガス専焼バーナに多く用いられる。

この問題は何を聞いている?

炎があるかを見張る火炎検出器の、種類ごとの使いどころを問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

燃焼安全装置とは?

炎が消えたなどの異常のときに、燃料を止めて爆発を防ぐ装置。火炎検出器は、その一部です。

💡 なぜ? 炎が消えたまま燃料を送り続けると、炉の中に燃料がたまって危険だからです。

(1) ⭕ 正しい記述

火炎検出器は、火炎の有無又は強弱を検出し、電気信号に変換するもので、あらかじめ定められた条件に適合する火炎だけを検出することが必要である。

火炎検出器は、炎の有無や強弱を検出して、電気信号に変える装置です。あらかじめ決めた条件に合う炎だけを検出することが求められます。

(2) ❌ 誤りの記述

フォトダイオードセルは、光起電力効果を利用したもので、ガス専焼バーナに多く用いられる。

前半の「光起電力効果を利用したもの」は合っています。誤りは後半で、フォトダイオードセルが使われるのは油燃焼炎の検出です。ガスの炎は目に見える光が弱いので、ガス専焼バーナには使いません。「油」が「ガス専焼」に入れ替えられている点が誤りです。

(3) ⭕ 正しい記述

整流式光電管は、光電子放出現象を利用したもので、油燃焼炎の検出に用いられるが、ガス燃焼炎には適さない。

整流式光電管は、光電子放出現象を利用した検出器です。油燃焼炎の検出に使われますが、ガス燃焼炎には適しません。

(4) ⭕ 正しい記述

紫外線光電管は、光電子放出現象を利用したもので、その検出感度を高めており、炉壁の放射による誤作動もなく、全ての燃料の燃焼炎の検出に用いられる。

紫外線光電管は、光電子放出現象を利用し、検出感度を高めた検出器です。炉壁の放射で誤作動しないのが長所で、すべての燃料の炎の検出に使われます。

(5) ⭕ 正しい記述

フレームロッドは、ロッドの使用制限温度による制約から、主として燃焼時間の短い点火用のガスバーナに多く用いられる。

フレームロッドは、炎の中に入れた棒(ロッド)に流れる電気で、炎を検出する装置です。ロッドの使える温度に制限があるので、主に燃焼時間の短い点火用のガスバーナに使われます。

検出器 主な使いどころ
フォトダイオードセル 油燃焼炎(ガス専焼には使わない)
整流式光電管 油燃焼炎(ガス燃焼炎には適さない)
紫外線光電管 すべての燃料の燃焼炎
フレームロッド 点火用のガスバーナ

💡 覚え方

すべての燃料に使えるのは紫外線光電管。フォトダイオードセルと整流式光電管は油の炎向き、フレームロッドは点火用のガスと分けましょう。

以上から、正解は(2)です。

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令和7年4月公表「ボイラーの構造」のまとめ

まとめ

・飽和水の比エンタルピ=顕熱、飽和蒸気の比エンタルピ=飽和水の顕熱+蒸発熱

・炉筒煙管ボイラーは内だき式。加圧燃焼方式・戻り燃焼方式・スパイラル管

・貫流ボイラーはドラムなし・起動が速い・据付面積が小さい。圧力変動が大きく、応答の速い自動制御が必要

・鋳鉄製蒸気ボイラーの給水管は返り管へ。セクション20枚・50m²程度まで

・流量計で二乗が出るのは差圧式だけ。U字管式通風計は炉内圧も測れる

・ボイラーに近い側が給水弁。エレメントが移動する空気予熱器は再生式

・水位検出器の水側連絡管は20A以上。フォトダイオードセルは油燃焼炎向き