二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和6年4月公表分の「関係法令」(問31〜問40)です。

専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和6年4月公表)

問31 伝熱面積に算入する部分・しない部分

令和6年4月公表分野:伝熱面積に算入する部分・しない部分重要度 ★★★
法令上、ボイラーの伝熱面積に算入しない部分は、次のうちどれか。
(1)節炭器管
(2)煙管
(3)水管
(4)炉筒
(5)管寄せ
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正解

(1)
節炭器管

この問題は何を聞いている?

ボイラーの大きさを表す伝熱面積に、どの部分を数えるかの問題です。数えない(算入しない)ものを1つ選びます。

伝熱面積とは?

燃焼ガスなどの熱いガスに触れ、その裏側が水に触れている面の広さ(ボイラー則第2条)。

💡 なぜ? 法令の決まりの多くは、伝熱面積の大きさで分かれます。そのため、数え方も法令で決められているのです。

(1) ❌ 算入しない

節炭器管

節炭器管は、伝熱面積に算入しません。節炭器はエコノマイザともいい、煙突へ捨てる排ガスの熱で給水(ボイラーに入れる水)を温める装置です。ボイラー則では、節炭器は過熱器とともに附属設備とされています(第7条)。数えるのは本体の面なので(第2条)、算入しないのです。

(2) ⭕ 算入する

煙管

煙管(燃焼ガスが中を通る細い管)は、算入する部分です。管の内側がガス、外側が水なので、「ガスに触れ、裏側が水」に当てはまります。

(3) ⭕ 算入する

水管

水管(中に水を通し、外側から燃焼ガスで熱する管)は、算入する部分です。外側がガス、内側が水になっています。

(4) ⭕ 算入する

炉筒

炉筒(胴の中にあって、燃焼室になる太い筒)は、算入する部分です。これもガスに触れ、裏側が水に触れる本体の面に当たります(ボイラー則第2条第1号)。

(5) ⭕ 算入する

管寄せ

水管ボイラーの管寄せ(たくさんの管を1か所に集め、または分配する容器・JIS B 0126)は、算入する部分です。水管ボイラーの伝熱面積は、水管と管寄せの面積を合計して出す決まりです(ボイラー則第2条第2号)。

伝熱面積に 部分
算入する 水管・煙管・炉筒・管寄せ
算入しない 節炭器(エコノマイザ)管・過熱器(管)・蒸気ドラム

💡 覚え方

数えるのは「水を蒸気にする本体の面」だけ。給水を温める節炭器や、蒸気をさらに熱する過熱器は、本体の面ではないので入りません。

伝熱面積に算入しないのは節炭器管なので、正解は(1)です。

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問32 ボイラーの据付位置(横の構造物までの距離)

令和6年4月公表分野:ボイラーの据付位置(横の構造物までの距離)重要度 ★★★
次の文中の 内に入れるAからCまでの数値又は語句の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。ただし、当該ボイラーは、胴の内径が500㎜を超えるものとする。
「本体を被覆していないボイラーの外壁からA、配管その他のボイラーのBにある構造物までの距離は、Cm以上としなければならない。」
A B C
(1) 壁 側部 0.3
(2) 壁 側部 0.45
(3) 天井 上部 0.3
(4) 天井 上部 0.45
(5) 天井 上部 1.2
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正解

(2)
壁 / 側部 / 0.45

この問題は何を聞いている?

ボイラーのまわりにどれだけ空間を空けるかを定めた条文の、空欄を埋める問題です。上の距離と横の距離を区別できるかが問われています。

本体を被覆していないボイラーとは?

ボイラーの外側を保温材などで覆っていないボイラーのこと。

💡 なぜ? 法令は、このボイラーと立てボイラーについて、横の距離を決めています(ボイラー則第20条第2項)。

場所 距離(ボイラー則第20条)
ボイラーの最上部から、天井・配管など上部の構造物まで 1.2m以上(第1項)
本体を被覆していないボイラーなどの外壁から、壁・配管など側部の構造物まで 0.45m以上(第2項)
上の例外:胴の内径500mm以下で、かつ長さ1,000mm以下 0.3m以上

空欄A = 壁

問題文は「本体を被覆していないボイラーの外壁から」で始まっています。これは横の距離を定めた第2項の書き出しです。条文は「外壁から壁、配管その他の…」と続きます。「天井」は、最上部から測る第1項の言葉です。

空欄B = 側部

横の話なので、構造物の場所はボイラーの側部です。「上部」は、やはり第1項(上の距離)の言葉です。

空欄C = 0.45

横の距離は、原則0.45m以上です。0.3mでよいのは、胴の内径が500mm以下で、長さも1,000mm以下の小さいボイラーだけです。この問題は「胴の内径が500mmを超える」という条件なので、例外は使えません。

⚠ 注意

ただし書きの「胴の内径が500mmを超える」は、0.3mの例外を外すための条件です。1.2は上の距離の数字なので、「壁・側部」とは組み合わせません。

💡 覚え方

「最上部から天井・上部まで1.2m」「外壁から壁・側部まで0.45m」。書き出しが最上部か外壁かで、上の話か横の話かを見分けましょう。

A=壁、B=側部、C=0.45なので、正解は(2)です。

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問33 ボイラー取扱作業主任者の職務

令和6年4月公表分野:ボイラー取扱作業主任者の職務重要度 ★★
ボイラー取扱作業主任者の職務に関するAからDまでの記述で、その内容が法令に定められているもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
A 圧力、水位及び燃焼状態を監視すること。
B 急激な負荷の変動を与えないように努めること。
C 安全弁の機能の保持に努めること。
D 1日に1回以上ボイラー排水の測定濃度を記録すること。
(1)A,B
(2)A,B,C
(3)A,C,D
(4)B,D
(5)C,D
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正解

(2)
A,B,C

この問題は何を聞いている?

ボイラー取扱作業主任者に行わせる仕事(職務)として、法令に書かれているものを全部選ぶ問題です。条文の言葉を別の言葉に入れ替えた記述が混ざっています。

ボイラー取扱作業主任者とは?

ボイラーの取扱いの作業で、現場の責任者として選ばれる人。

💡 なぜ? 事業者(会社など)は、作業主任者に10項目の職務を行わせなければなりません(ボイラー則第25条第1項)。

A ⭕ 法令に定められている

圧力、水位及び燃焼状態を監視すること。

圧力・水位・燃焼状態の監視は、職務の最初に挙げられています(第25条第1項第1号)。

B ⭕ 法令に定められている

急激な負荷の変動を与えないように努めること。

急激な負荷の変動を与えないように努めることも、職務の1つです(同項第2号)。負荷とは、蒸気の使用量のことです。

C ⭕ 法令に定められている

安全弁の機能の保持に努めること。

安全弁の機能の保持に努めることも、職務に定められています(同項第4号)。安全弁は、圧力が上がりすぎたときに蒸気を逃がす弁です。

D ❌ 法令に定められていない

1日に1回以上ボイラー排水の測定濃度を記録すること。

この記述は、条文にありません。記録するのは排出されるばい煙の測定濃度と、取扱い中の異常の有無です(同項第10号)。「ボイラー排水」ではなく、記録に「1日に1回以上」という回数の決まりもありません。

「1日に1回以上」と決められている職務 回数の定めがない職務の例
水面測定装置の機能を点検する(第5号) 安全弁の機能の保持に努める/ばい煙の測定濃度を記録する

💡 覚え方

「1日に1回以上」が付くのは、水面測定装置の機能の点検だけ。記録するのはばい煙(煙突から出る煙にふくまれるすすなど)の濃度で、排水ではありません。

法令に定められているのはA・B・Cなので、正解は(2)です。

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問34 附属品の管理(ボイラー則第28条)

令和6年4月公表分野:附属品の管理(ボイラー則第28条)重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品の管理のため行わなければならない事項として、その内容が法令に定められていないものは次のうちどれか。
(1)圧力計の目もりには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。
(2)蒸気ボイラーの常用水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。
(3)圧力計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講ずること。
(4)燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、不燃性材料により保温その他の措置を講ずること。
(5)逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。
答え・解説を見る
正解

(4)
燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、不燃性材料により保温その他の措置を講ずること。

この問題は何を聞いている?

ボイラーに付いている附属品(圧力計・水面計など)の管理の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。

附属品の管理は、ボイラー則第28条に8つの事項として並んでいます。この問題は、条文の言葉を入れ替えた選択肢を見抜けるかがポイントです。

(1) ⭕ 正しい記述

圧力計の目もりには、ボイラーの最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。

圧力計の目もりには、最高使用圧力を示す位置に、見やすい表示をします(第28条第1項第5号)。最高使用圧力は、そのボイラーで使ってよい最高の圧力のことです。

(2) ⭕ 正しい記述

蒸気ボイラーの常用水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。

表示するのは常用水位(いつもの運転のときの水位)です(第28条第1項第6号)。ガラス水面計か、その近くに、現在水位と比べられるように表示します。

(3) ⭕ 正しい記述

圧力計は、使用中その機能を害するような振動を受けることがないようにし、かつ、その内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講ずること。

圧力計は、振動を受けないようにします(第28条第1項第4号)。あわせて、内部が凍結し、または80℃以上にならない措置をとる決まりです。

(4) ❌ 誤りの記述

燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、不燃性材料により保温その他の措置を講ずること。

「不燃性材料により保温その他の措置」が誤りです。対象は、燃焼ガス(燃えたあとの熱いガス)に触れる給水管・吹出管・水面測定装置の連絡管です。これらは耐熱材料で防護すると定められています(第28条第1項第7号)。「耐熱材料で防護」が「不燃性材料で保温」に入れ替えられた選択肢です。

(5) ⭕ 正しい記述

逃がし管は、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。

逃がし管は、温水ボイラーと膨張タンクをつなぎ、温まってふくらんだ水を逃がす管です。この管は、凍結しないように保温などの措置をとります(第28条第1項第3号)。

管の種類 条文の言葉
逃がし管・温水ボイラーの返り管 凍結しないように保温その他の措置
燃焼ガスに触れる給水管・吹出管・水面測定装置の連絡管 耐熱材料で防護

💡 覚え方

「保温」は凍結を防ぐ話、「防護」は燃焼ガスの熱から守る話。燃焼ガスに触れる管に「保温」と書かれていたら、言葉の入れ替えを疑いましょう。

以上から、正解は(4)です。

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問35 ボイラー室に掲示するもの

令和6年4月公表分野:ボイラー室に掲示するもの重要度 ★★
ボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)について、次の文中の 内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。
「ボイラー検査証並びにボイラー取扱AのB及びCをボイラー室その他のボイラー設置場所の見やすい箇所に掲示しなければならない。」
A B C
(1) 作業主任者 資格 氏名
(2) 作業主任者 所属 職名
(3) 作業責任者 資格 氏名
(4) 作業責任者 所属 職名
(5) 作業管理者 資格 氏名
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正解

(1)
作業主任者 / 資格 / 氏名

この問題は何を聞いている?

ボイラー室の見やすい箇所に掲示するものを定めた条文の、空欄を埋める問題です。誰の、何を掲示するのかが問われています。

ボイラー検査証とは?

落成検査(据え付けたあとの検査)に合格したボイラーに、所轄の労働基準監督署長が交付する証明書。

💡 なぜ? ボイラーが法令の基準に合っていることを、検査で確かめた証拠です。

掲示の決まりは、ボイラー則第29条第4号(ボイラー室の管理等)にあります。条文は「ボイラー検査証並びにボイラー取扱作業主任者の資格及び氏名を…見やすい箇所に掲示すること」です。

空欄A = 作業主任者

ボイラーの取扱いの責任者を、法令はボイラー取扱作業主任者と呼びます。「作業責任者」「作業管理者」は、この条文の言葉ではありません。

空欄B = 資格

掲示するのは、作業主任者の資格です。条文の言葉は「資格及び氏名」で、「所属」ではありません。

空欄C = 氏名

資格とあわせて掲示するのは氏名です。誰が責任者かを、その場の全員が分かるようにするための決まりです。「職名」ではありません。

🤔 問題文の「移動式ボイラーを除く」は、なぜ付いているのですか。

移動式ボイラーには、別の決まりがあるからです。移動式では、検査証かその写しを作業主任者に所持させると定められています(ボイラー則第29条第5号)。

💡 覚え方

掲示するのは「検査証」と「作業主任者の資格・氏名」。このボイラーは検査に通っていて、責任者は何の資格を持つ誰かが、ひと目で分かるようにします。

A=作業主任者、B=資格、C=氏名なので、正解は(1)です。

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問36 ボイラーの検査と検査証

令和6年4月公表分野:ボイラーの検査と検査証重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の検査及び検査証について、その内容が法令に定められていないものは次のうちどれか。
(1)ボイラー(移動式ボイラーを除く。)を設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、落成検査を受けなければならない。
(2)性能検査を受ける者は、検査に立ち会わなければならない。
(3)ボイラー検査証の有効期間は、原則として1年である。
(4)ボイラーの胴に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。
(5)ボイラーを輸入した者は、原則として構造検査を受けなければならない。
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正解

(5)
ボイラーを輸入した者は、原則として構造検査を受けなければならない。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの検査の名前と、ボイラー検査証の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。

ボイラー検査証とは?

落成検査に合格したボイラーなどに、所轄労働基準監督署長が交付する証明書(ボイラー則第15条)。

💡 なぜ? 有効期間があり、期限が来る前に性能検査を受けて更新します。

(1) ⭕ 正しい記述

ボイラー(移動式ボイラーを除く。)を設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、落成検査を受けなければならない。

落成検査は、ボイラーを据えたあとに受ける検査です(第14条第1項)。署長が検査の必要がないと認めたボイラーは除かれます。持ち運ぶ移動式ボイラーも、落成検査の対象外です。

(2) ⭕ 正しい記述

性能検査を受ける者は、検査に立ち会わなければならない。

性能検査を受ける者は、検査に立ち会わなければなりません。構造検査の立会いの決まり(第6条第3項)が、性能検査にも当てはめられているからです(第40条第2項)。

(3) ⭕ 正しい記述

ボイラー検査証の有効期間は、原則として1年である。

ボイラー検査証の有効期間は1年と定められています(第37条第1項)。

(4) ⭕ 正しい記述

ボイラーの胴に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。

胴(ボイラー本体の円筒形の容器)は、変更届と変更検査の対象です(第41条第1号)。変更を加えた者は変更検査を受けます。署長が検査の必要がないと認めたボイラーは除かれます(第42条第1項)。

(5) ❌ 誤りの記述

ボイラーを輸入した者は、原則として構造検査を受けなければならない。

「構造検査」が誤りで、正しくは使用検査です(第12条第1項第1号)。構造検査は、ボイラーを製造したときに受ける検査です。輸入した者が受ける検査の名前が入れ替えられている点が誤りです。

検査 受ける場面
構造検査 ボイラーを製造した
使用検査 輸入した/構造検査の後1年以上設置されなかった/廃止したものを再び設置・使用する

💡 覚え方

輸入したボイラーは「使用検査」。輸入・長く未設置・廃止後の再設置は、どれも使用検査から始める、とまとめて覚えましょう。

以上から、正解は(5)です。

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問37 変更検査を受けなければならない場合

令和6年4月公表分野:変更検査を受けなければならない場合重要度 ★★★
法令上、ボイラー(小型ボイラーを除く。)の変更検査を受けなければならない場合は、次のうちどれか。ただし、所轄労働基準監督署長が当該検査の必要がないと認めたボイラーではないものとする。
(1)ボイラーの煙管に変更を加えたとき。
(2)ボイラーのステーに変更を加えたとき。
(3)ボイラーの空気予熱器に変更を加えたとき。
(4)ボイラーの水処理装置に変更を加えたとき。
(5)ボイラー検査証の有効期間をこえて使用を休止しているボイラーを再び使用しようとするとき。
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正解

(2)
ボイラーのステーに変更を加えたとき。

この問題は何を聞いている?

ボイラーのどこを変えたときに、変更検査が必要になるかを問う問題です。名前の似た使用再開検査と区別できるかも試されています。

変更検査とは?

ボイラーの決められた部分や設備に変更を加えたときに受ける検査(ボイラー則第42条)。

💡 なぜ? 検査をするのは所轄労働基準監督署長です。対象になる部分は、第41条に並んでいます。

変更検査の対象(ボイラー則第41条) 具体的には
本体の主要部分(第1号) 胴・ドーム・炉筒・火室・鏡板・天井板・管板・管寄せ・ステー
附属設備(第2号) 過熱器と節炭器(エコノマイザ)
燃焼装置(第3号) バーナなど
据付基礎(第4号) ボイラーを据える土台

(1) ❌ 変更検査の場合ではない

ボイラーの煙管に変更を加えたとき。

煙管(燃焼ガスが中を通る細い管)は、第41条の対象に入っていません。第1号に並ぶ名前の中に、煙管は無いのです。

(2) ⭕ 変更検査を受ける

ボイラーのステーに変更を加えたとき。

ステーは、圧力に弱い平らな板などを支える補強材です。第41条第1号に名前が挙げられているので、変更を加えたら変更検査を受けます。

(3) ❌ 変更検査の場合ではない

ボイラーの空気予熱器に変更を加えたとき。

空気予熱器(燃焼に使う空気を温める装置)は、対象に入っていません。対象になる附属設備は、過熱器と節炭器だけです(ボイラー則第7条)。

(4) ❌ 変更検査の場合ではない

ボイラーの水処理装置に変更を加えたとき。

水処理装置も、第41条の4つの号のどれにも入っていません。

(5) ❌ 変更検査の場合ではない

ボイラー検査証の有効期間をこえて使用を休止しているボイラーを再び使用しようとするとき。

休止していたボイラーを再び使うときに受けるのは、使用再開検査です(ボイラー則第46条)。変更検査ではありません。検査の名前がひっかけになっています。

💡 覚え方

対象は「本体の骨組み・過熱器と節炭器・燃焼装置・土台」の4つ。煙管・空気予熱器・水処理装置は、対象外としてくり返し出題されています。

変更検査を受けなければならないのはステーに変更を加えたときなので、正解は(2)です。

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問38 鋼製ボイラーの安全弁

令和6年4月公表分野:鋼製ボイラーの安全弁重要度 ★★
鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く。)の安全弁について、その内容が法令に定められていないものは次のうちどれか。
(1)伝熱面積が50m²を超える蒸気ボイラーには、安全弁を2個以上備えなければならない。
(2)貫流ボイラー以外の蒸気ボイラーの安全弁は、ボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付け、かつ、弁軸を鉛直にしなければならない。
(3)貫流ボイラーに備える安全弁については、当該ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量のものを過熱器の出口付近に取り付けることができる。
(4)過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の圧力を設計圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
(5)水の温度が120℃を超える温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
答え・解説を見る
正解

(4)
過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の圧力を設計圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの圧力が上がりすぎたときに蒸気を逃がす安全弁の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。

ボイラー構造規格とは?

ボイラーの材料・構造・附属品の基準を定めた、厚生労働省の告示。

💡 なぜ? 安全弁をいくつ、どこに付けるかを決めているのが、この規格です。試験では「法令」としてボイラー則と一緒に出題されます。

(1) ⭕ 正しい記述

伝熱面積が50m²を超える蒸気ボイラーには、安全弁を2個以上備えなければならない。

蒸気ボイラーの安全弁は、2個以上が原則です(構造規格第62条第1項)。1個にできるのは、伝熱面積(熱を受け取る面の広さ)が50m²以下の蒸気ボイラーだけです。50m²を超えるなら、原則どおり2個以上になります。

(2) ⭕ 正しい記述

貫流ボイラー以外の蒸気ボイラーの安全弁は、ボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付け、かつ、弁軸を鉛直にしなければならない。

安全弁は、ボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付けます(構造規格第62条第2項)。弁の軸(弁軸)は、鉛直(まっすぐ上下の向き)にする決まりです。「貫流ボイラー以外の」とあるのは、貫流ボイラーに取付け位置の特例があるからです。

(3) ⭕ 正しい記述

貫流ボイラーに備える安全弁については、当該ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量のものを過熱器の出口付近に取り付けることができる。

貫流ボイラーは、水が管の中を一方通行で流れながら蒸気になるボイラーです。このボイラーでは、安全弁を過熱器の出口付近に取り付けることができます(構造規格第63条第2項)。その安全弁は、最大蒸発量以上の吹出し量のものにします。

(4) ❌ 誤りの記述

過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の圧力を設計圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。

「圧力を設計圧力以下に」が誤りです。過熱器(蒸気をさらに熱する装置)の安全弁は、過熱器の温度を設計温度以下に保つためのものです(構造規格第63条第1項)。取付け場所の「出口付近」は合っています。温度が圧力に入れ替えられた選択肢です。

(5) ⭕ 正しい記述

水の温度が120℃を超える温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。

温水ボイラーは、水の温度120℃が分かれ目です(構造規格第65条)。120℃以下なら逃がし弁(逃がし管があれば不要)を備えます。120℃を超えるものには安全弁が必要です。

安全弁 何を、どこまでに保つか
蒸気ボイラー・温水ボイラー(120℃超)の安全弁 内部の圧力を最高使用圧力以下に
過熱器の安全弁 過熱器の温度を設計温度以下に

💡 覚え方

過熱器の安全弁は「出口付近」と「温度」の2語をセットに。「入口付近」や「圧力を設計圧力以下」と書かれていたら誤りです。

以上から、正解は(4)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第21回 附属品の規格

問39 鋳鉄製温水ボイラーの附属品

令和6年4月公表分野:鋳鉄製温水ボイラーの附属品重要度 ★★
鋳鉄製温水ボイラー(小型ボイラーを除く。)に取り付けなければならない附属品で、法令に定められているものは次のうちどれか。
(1)水柱管
(2)ガラス水面計
(3)験水コック
(4)吹出しコック
(5)温度計
答え・解説を見る
正解

(5)
温度計

この問題は何を聞いている?

鋳鉄製の温水ボイラーに、法令で取付けが決められている附属品を選ぶ問題です。蒸気ボイラーの附属品と見分けられるかが問われています。

鋳鉄製ボイラーとは?

鋳物でつくったセクションという部品を、何枚も組み合わせてつくるボイラー。

💡 なぜ? 附属品の決まりは、ボイラー構造規格の第2編(鋳鉄製ボイラー)にまとめられています。

(1) ❌ 法令に定められていない

水柱管

水柱管は、水面計を取り付けるための縦の管です。規格の第2編で水柱管が出てくるのは、蒸気ボイラーの圧力計の決まりだけです(構造規格第96条第1項)。温水ボイラーに付けるものとしては定められていません。

(2) ❌ 法令に定められていない

ガラス水面計

ガラス水面計は、ボイラーの中の水位を見る道具です。鋳鉄製ボイラーの規格で、これを備えるよう求めているのは蒸気ボイラーです(構造規格第97条)。

(3) ❌ 法令に定められていない

験水コック

験水コックは、規格では蒸気ボイラーの決まりに出てきます。ガラス水面計の代わりにする水面測定装置として書かれているのです(構造規格第97条第3項)。

(4) ❌ 法令に定められていない

吹出しコック

吹出しコックは、沈殿物を外へ出す吹出し管に付けるコックです。規格が吹出し管を求めているのは、蒸気ボイラーです(構造規格第99条)。

(5) ⭕ 法令に定められている

温度計

温水ボイラーには、出口付近の温水の温度を表示する温度計を取り付けます。鋳鉄製の温水ボイラーにも、この決まりが当てはめられています(構造規格第96条第3項・第68条第2項)。

温水ボイラーには、温度計のほかに水高計(温水ボイラーの圧力を測る計器)も取り付けます。水高計は圧力計で代えることもできます(構造規格第96条第2項)。

💡 覚え方

水柱管・ガラス水面計・験水コックは「水位を見る道具」=蒸気ボイラーの話。鋳鉄製の温水ボイラーに付けるのは、温度計と水高計です。

法令に定められているのは温度計なので、正解は(5)です。

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問40 ボイラー水の不足で燃料を遮断する装置

令和6年4月公表分野:ボイラー水の不足で燃料を遮断する装置重要度 ★★
法令上、起動時にボイラー水が不足している場合及び運転時にボイラー水が不足した場合に、自動的に燃料の供給を遮断する装置又はこれに代わる安全装置を設けなければならないボイラー(小型ボイラーを除く。)は、次のうちどれか。
(1)鋳鉄製蒸気ボイラー
(2)炉筒煙管ボイラー
(3)強制循環式水管ボイラー
(4)貫流ボイラー
(5)廃熱ボイラー
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正解

(4)
貫流ボイラー

この問題は何を聞いている?

ボイラー水が不足したら、自動で燃料を止める装置を設けるボイラーを選ぶ問題です。問題文は、ある1種類のボイラーについて書かれた条文そのままです。

貫流ボイラーとは?

管だけでできたボイラー。水は循環せず、管の中を一方通行で流れながら蒸気になります。

💡 なぜ? 構造規格には、貫流ボイラーだけほかの蒸気ボイラーと扱いが違う決まりがいくつかあるのです。

この決まりは、ボイラー構造規格第84条第3項にあります。条文の書き出しは「貫流ボイラーには、当該ボイラーごとに、起動時にボイラー水が不足している場合及び…」です。

条文(構造規格第84条) 対象 燃料を遮断するとき
第2項(低水位燃料遮断装置) 自動給水調整装置のある蒸気ボイラー(貫流ボイラーを除く) 水位が安全低水面以下のとき
第3項 貫流ボイラー ボイラー水が不足したとき(代わりの安全装置でもよい)

(1) ❌ この決まりの対象ではない

鋳鉄製蒸気ボイラー

鋳鉄製蒸気ボイラーは、鋳物の部品を組み合わせてつくる蒸気ボイラーです。貫流ボイラーではないので、第3項の対象ではありません。

(2) ❌ この決まりの対象ではない

炉筒煙管ボイラー

炉筒煙管ボイラーは、胴の中に炉筒と煙管を入れたボイラーです。これも貫流ボイラーではありません。

(3) ❌ この決まりの対象ではない

強制循環式水管ボイラー

強制循環式水管ボイラーは、ポンプで強制的に水を回す水管ボイラーです。水を循環させるボイラーなので、貫流ボイラーとは別のものです。

(4) ⭕ この装置を設ける

貫流ボイラー

条文の主語が、そのまま貫流ボイラーです(構造規格第84条第3項)。起動時と運転時の両方について、ボイラー水が不足したら燃料の供給を自動で遮断します。

(5) ❌ この決まりの対象ではない

廃熱ボイラー

廃熱ボイラーは、廃熱(火気以外の高温ガスなど)を使うボイラーです。第3項に名前が挙がっているのは貫流ボイラーだけです。

💡 覚え方

「水位が安全低水面以下」は貫流以外の蒸気ボイラー、「ボイラー水が不足」は貫流ボイラー。問題文に「ボイラー水が不足」「これに代わる安全装置」とあれば、貫流ボイラーの条文です。

この装置を設けなければならないのは貫流ボイラーなので、正解は(4)です。

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令和6年4月公表「関係法令」のまとめ

まとめ

・伝熱面積に入る=水管・煙管・炉筒・管寄せ、入らない=節炭器(エコノマイザ)管・過熱器・蒸気ドラム

・据付位置=最上部から天井・上部の構造物まで1.2m、外壁から壁・側部の構造物まで0.45m(小さいボイラーは0.3m)

・作業主任者の職務で「1日に1回以上」は水面測定装置の機能の点検。記録するのはばい煙の測定濃度

・燃焼ガスに触れる給水管・吹出管・連絡管は耐熱材料で防護。掲示するのは検査証と作業主任者の資格・氏名

・輸入したボイラーは使用検査。変更検査の対象は本体の主要部分(ステーなど)・過熱器と節炭器・燃焼装置・据付基礎

・過熱器の安全弁は出口付近・温度を設計温度以下。鋳鉄製温水ボイラーには温度計

・ボイラー水の不足で燃料を遮断する装置は貫流ボイラー(構造規格第84条第3項)