二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和8年4月公表分の「関係法令」(問31〜問40)です。

専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和8年4月公表)

問31 伝熱面積の算定方法

令和8年4月公表分野:伝熱面積の算定方法重要度 ★★★
ボイラーの伝熱面積の算定方法について、法令上、適切でないものは次のうちどれか。
(1)エコノマイザの伝熱面は、伝熱面積に算入しない。
(2)貫流ボイラーの過熱管の伝熱面は、伝熱面積に算入しない。
(3)立てボイラー(横管式)の横管の伝熱面積は、横管の外径側で算定する。
(4)炉筒煙管ボイラーの煙管の伝熱面積は、煙管の内径側で算定する。
(5)水管ボイラーの耐火れんがでおおわれた水管の外径側の面積は、伝熱面積に算入しない。
答え・解説を見る
正解

(5)
水管ボイラーの耐火れんがでおおわれた水管の外径側の面積は、伝熱面積に算入しない。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの大きさを表す伝熱面積の数え方についての問題です。適切でないものを1つ選びます。

伝熱面積とは?

燃焼ガスなどに触れ、その裏側が水に触れている面の面積のこと。数え方はボイラー則第2条で決められています。

💡 なぜ? 法令の決まりの多くは、伝熱面積の大きさで分かれるからです。数え方が人によって違うと困るので、条文でそろえてあります。

(1) ⭕ 正しい記述

エコノマイザの伝熱面は、伝熱面積に算入しない。

エコノマイザは、煙突へ捨てる排ガスの熱で、ボイラーに入れる水(給水)を温める装置です。ボイラー則では、節炭器(エコノマイザ)は過熱器とともに附属設備とされています(第7条)。数えるのは本体の面なので(第2条)、伝熱面積に入れません。

(2) ⭕ 正しい記述

貫流ボイラーの過熱管の伝熱面は、伝熱面積に算入しない。

貫流ボイラーは、水が管の入口から出口まで一方通行で流れるボイラーです。その伝熱面積は、燃焼室入口から過熱器入口までの水管で数える決まりです(第2条第3号)。過熱器は、できた蒸気をさらに熱する部分です。その管(過熱管)は範囲の外なので、算入しません。

(3) ⭕ 正しい記述

立てボイラー(横管式)の横管の伝熱面積は、横管の外径側で算定する。

立てボイラーは、胴(円筒形の容器)を縦に立てたボイラーです。横管式の横管では、燃焼ガスが管の外側に触れます。そのため外径側で算定するのです。

(4) ⭕ 正しい記述

炉筒煙管ボイラーの煙管の伝熱面積は、煙管の内径側で算定する。

炉筒煙管ボイラーの煙管は、燃焼ガスが管の内側を通る管です。ガスが触れるのは内側なので、内径側で算定します。

(5) ❌ 誤りの記述

水管ボイラーの耐火れんがでおおわれた水管の外径側の面積は、伝熱面積に算入しない。

耐火れんがでおおわれた水管は、「算入しない」のではありません。管の外側の壁面に対する投影面積で算入する決まりです(第2条第2号ホ)。「算入する」が「算入しない」に入れ替えられている点が誤りです。

部分 伝熱面積に
水管・煙管・炉筒 算入する
耐火れんがでおおわれた水管 投影面積で算入する
エコノマイザ・過熱器・蒸気ドラム 算入しない

💡 覚え方

ガスが触れる側で測る。煙管はガスが中を通るので内径、横管や水管はガスが外に触れるので外径です。入らないのはエコノマイザ・過熱器・蒸気ドラムの3つ。れんがでおおわれた水管は、この3つの仲間ではありません。

以上から、正解は(5)です。

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問32 廃止したボイラーを再び設置する手続きの順序

令和8年4月公表分野:廃止したボイラーを再び設置する手続きの順序重要度 ★★
使用を廃止したボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)を再び設置する場合の手続きの順序として、法令上、適切なものは次のうちどれか。ただし、計画届の免除認定を受けていない場合とする。
(1)設置届→使用検査→落成検査
(2)設置届→溶接検査→使用検査
(3)構造検査→使用検査→設置届
(4)使用検査→溶接検査→設置報告書
(5)使用検査→設置届→落成検査
答え・解説を見る
正解

(5)
使用検査→設置届→落成検査

この問題は何を聞いている?

一度使用を廃止したボイラーを、もう一度据えるときの手続きの順番を問う問題です。適切なものを1つ選びます。

使用検査とは?

輸入したボイラーや廃止したボイラーなどを、改めて使い始める前に受ける検査(ボイラー則第12条)。

💡 なぜ? 廃止したボイラーは、ボイラー検査証を返還しています(第48条)。検査証がない状態なので、使用検査から始めるのです。

廃止したボイラーを再び設置する順序

①使用検査を受ける(第12条)

②設置届を所轄労働基準監督署長に出す(第10条)

③据えたあと、落成検査を受ける(第14条)

落成検査は、構造検査または使用検査に合格した後でなければ受けられません(第14条第2項)。だから使用検査が先に来るのです。

(1) ❌ 誤った順序

設置届→使用検査→落成検査

3つの手続きの名前は合っていますが、順番が違います。使用検査は、設置届より前です。

(2) ❌ 誤った順序

設置届→溶接検査→使用検査

溶接検査は、溶接でボイラーをつくるときの検査です。再び設置する手続きには入りません。最後に受けるはずの落成検査もありません。

(3) ❌ 誤った順序

構造検査→使用検査→設置届

構造検査は、ボイラーをつくったときに受ける検査です。廃止したボイラーで受けるのは使用検査で、落成検査も抜けています。

(4) ❌ 誤った順序

使用検査→溶接検査→設置報告書

設置報告書は、車などに積んで持ち運ぶ移動式ボイラーを据えるときの書類です(第11条)。この問題は移動式ボイラーを除いているので、当てはまりません。溶接検査も不要です。

(5) ⭕ 正しい順序

使用検査→設置届→落成検査

使用検査→設置届→落成検査の順で、条文のとおりです。

💡 覚え方

「改めて使い始める=使用検査」が先頭。あとは新しく据えるときと同じで、設置届→落成検査と続きます。溶接検査と構造検査はつくるときの検査なので、選択肢に出てきたら外してよいのです。

以上から、正解は(5)です。

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問33 ボイラーの設置場所(ボイラー室)

令和8年4月公表分野:ボイラーの設置場所(ボイラー室)重要度 ★★★
次の文中の 内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。
「移動式ボイラー、屋外式ボイラー及び小型ボイラーを除き、伝熱面積がAm²を超えるボイラーについては、B又は建物の中のCで区画された場所に設置しなければならない。」
A B C
(1) 3 専用の建物 障壁
(2) 3 耐火構造物の建物 地下
(3) 3 密閉された室 障壁
(4) 5 耐火構造物の建物 地下
(5) 5 専用の建物 障壁
答え・解説を見る
正解

(1)
3 / 専用の建物 / 障壁

この問題は何を聞いている?

どのボイラーをボイラー室に置かなければならないかを、空欄に当てはめる問題です。もとの条文はボイラー則第18条です。

ボイラー室とは?

専用の建物、または建物の中の障壁で区画された場所のこと(ボイラー則第18条)。

空欄A = 3

ボイラー室に置かなくてよいのは、伝熱面積が3m²以下のボイラーです(第18条ただし書)。裏返すと、3m²を超えるボイラーはボイラー室に置くことになります。5m²ではありません。

空欄B = 専用の建物

条文の言葉は「専用の建物」です。「耐火構造物の建物」や「密閉された室」という言葉は、第18条にはありません。

空欄C = 障壁

条文は「建物の中の障壁で区画された場所」です。障壁とは、仕切りの壁のこと。「地下」という言葉は、第18条には出てきません。

💡 覚え方

ボイラー室は「専用の建物」か「障壁で区切った場所」の2つ。数字は3m²を超えたらボイラー室です。移動式ボイラーと屋外式ボイラーは、この決まりの対象外だという点もあわせて押さえましょう。

A=3、B=専用の建物、C=障壁なので、正解は(1)です。

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問34 二級ボイラー技士を作業主任者に選任できるか

令和8年4月公表分野:二級ボイラー技士を作業主任者に選任できるか重要度 ★★
ボイラーの取扱いの作業について、法令上、ボイラー取扱作業主任者として二級ボイラー技士を選任できないボイラーは、次のうちどれか。ただし、他にボイラーはないものとする。
(1)伝熱面積が15m²の鋳鉄製温水ボイラー
(2)伝熱面積が20m²の炉筒煙管ボイラー
(3)伝熱面積が24m²の鋳鉄製蒸気ボイラー
(4)伝熱面積が50m²の廃熱ボイラー
(5)伝熱面積が240m²の貫流ボイラー
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正解

(4)
伝熱面積が50m²の廃熱ボイラー

この問題は何を聞いている?

二級ボイラー技士を作業主任者に選べないボイラーを1つ選ぶ問題です。ボイラーの種類によって伝熱面積の数え方が変わる点が問われています。

ボイラー取扱作業主任者とは?

ボイラーの取扱いの作業で、責任者として選ばれる人。事業者が、ボイラーの大きさに応じた免許を持つ人から選びます。

💡 なぜ? 二級ボイラー技士を選べるのは、伝熱面積の合計が25m²未満の場合です(ボイラー則第24条第1項第3号)。

ボイラーの種類 合計を出すときの数え方(第24条第2項)
貫流ボイラー 伝熱面積に10分の1をかける
火気以外の高温ガスを使うボイラー(廃熱ボイラーなど) 伝熱面積に2分の1をかける
そのほかのボイラー そのままの伝熱面積

手順は2段階です。①数え方を当てはめてm²に直す、②25m²未満かを確かめるの順に見ていきます。

(1) ⭕ 二級を選任できる

伝熱面積が15m²の鋳鉄製温水ボイラー

鋳鉄製温水ボイラーは、そのまま15m²で数えるボイラーです。25m²未満なので、二級ボイラー技士を選任できます。

(2) ⭕ 二級を選任できる

伝熱面積が20m²の炉筒煙管ボイラー

炉筒煙管ボイラーも、そのまま20m²です。25m²未満なので、選任できます。

(3) ⭕ 二級を選任できる

伝熱面積が24m²の鋳鉄製蒸気ボイラー

鋳鉄製蒸気ボイラーは、そのまま24m²です。25m²にわずかに届かないので、選任できます。

(4) ❌ 二級は選任できない

伝熱面積が50m²の廃熱ボイラー

廃熱ボイラーは、2分の1をかけて数えます。50×1/2=25m²です。「25m²未満」は25ちょうどをふくみません。そのため、二級ボイラー技士は選任できないのです。

(5) ⭕ 二級を選任できる

伝熱面積が240m²の貫流ボイラー

貫流ボイラーは、10分の1をかけて数えます。240×1/10=24m²です。25m²未満なので、選任できます。

⚠ 注意

見た目の数字がいちばん大きい240m²の貫流ボイラーは、数え直すと24m²です。そのままの数字で比べないことが、この問題のいちばんの注意点です。

💡 覚え方

貫流は10分の1、廃熱は2分の1。直した数字が25m²未満なら二級です。24はよくて25はいけない、という境目の数字がねらわれます。

二級ボイラー技士を選任できないのは、25m²と数える廃熱ボイラーです。正解は(4)です。

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問35 附属品の管理

令和8年4月公表分野:附属品の管理重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品の管理のために行わなければならない事項に関するAからDまでの記述について、法令に定められているもののみを全てあげた組合せは、(1)~(5)のうちどれか。
A 圧力計の目盛りには、ボイラーの常用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。
B 蒸気ボイラーの最高水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。
C 燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護すること。
D 温水ボイラーの返り管については、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。
(1)A,B
(2)A,C
(3)A,D
(4)B,C,D
(5)C,D
答え・解説を見る
正解

(5)
C,D

この問題は何を聞いている?

安全弁や圧力計などの附属品の管理について、法令の決まりと合うものを全部選ぶ問題です。もとの条文はボイラー則第28条で、言葉の入れ替えを見抜けるかが問われています。

最高使用圧力とは?

そのボイラーの構造上、使うことができる最高の圧力のこと(ボイラー則第1条)。

A ❌ 法令に定められていない

圧力計の目盛りには、ボイラーの常用圧力を示す位置に、見やすい表示をすること。

圧力計の目盛りに見やすい表示をするのは、最高使用圧力を示す位置です(第28条第1項第5号)。「最高使用圧力」が「常用圧力」に入れ替えられている点が誤りです。

B ❌ 法令に定められていない

蒸気ボイラーの最高水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に、現在水位と比較することができるように表示すること。

ガラス水面計(水位を見るガラスの計器)の近くに表示するのは、常用水位です(第28条第1項第6号)。「常用水位」が「最高水位」に入れ替えられている点が誤りです。

C ⭕ 法令に定められている

燃焼ガスに触れる給水管、吹出管及び水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護すること。

条文のとおりです(第28条第1項第7号)。燃焼ガスに触れる給水管・吹出管・水面測定装置の連絡管は、耐熱材料で防護します。

D ⭕ 法令に定められている

温水ボイラーの返り管については、凍結しないように保温その他の措置を講ずること。

条文のとおりです(第28条第1項第8号)。温水ボイラーの返り管は、凍結しないように保温などの措置をします。

決まり(ボイラー則第28条) 正しい言葉 入れ替えられた言葉
圧力計の目盛りの表示 最高使用圧力 常用圧力
水面計の近くに表示する水位 常用水位 最高水位
燃焼ガスに触れる連絡管など 耐熱材料で防護 不燃性材料で保温

💡 覚え方

圧力は「最高使用圧力」、水位は「常用水位」。圧力には「最高」、水位には「常用」と、付く言葉が逆になっています。この2つを入れ替えた選択肢が、くり返し出されているのです。

法令に定められているのはCとDなので、正解は(5)です。

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問36 ボイラーの検査と検査証

令和8年4月公表分野:ボイラーの検査と検査証重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の検査及び検査証に関する記述について、法令上、適切でないものは次のうちどれか。
(1)ボイラー(移動式ボイラーを除く。)を設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、落成検査を受けなければならない。
(2)原則として、ボイラー検査証の有効期間は、1年である。
(3)ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、性能検査を受けなければならない。
(4)性能検査の結果により、ボイラー検査証の有効期間は、1年未満又は1年を超え2年以内の期間を定めて更新される。
(5)ボイラーの主蒸気管を変更した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。
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正解

(5)
ボイラーの主蒸気管を変更した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。

この問題は何を聞いている?

ボイラーを据えてから使い続けるまでの検査と、ボイラー検査証の決まりを問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

ボイラー検査証とは?

落成検査に合格したボイラーに交付される証明書(ボイラー則第15条)。

💡 なぜ? 有効な検査証を受けていないボイラーは、使用できません。そのため有効期間と更新の決まりがあります。

(1) ⭕ 正しい記述

ボイラー(移動式ボイラーを除く。)を設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、落成検査を受けなければならない。

ボイラーを設置した者は、落成検査を受けます(第14条)。ただし、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーは除かれます。移動式ボイラーも対象外です。

(2) ⭕ 正しい記述

原則として、ボイラー検査証の有効期間は、1年である。

ボイラー検査証の有効期間は、1年です(第37条)。

(3) ⭕ 正しい記述

ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、性能検査を受けなければならない。

有効期間を更新するには、性能検査を受けます(第38条第1項)。

(4) ⭕ 正しい記述

性能検査の結果により、ボイラー検査証の有効期間は、1年未満又は1年を超え2年以内の期間を定めて更新される。

性能検査の結果によって、1年未満または1年を超え2年以内の期間を定めて更新できます(第38条第2項)。

(5) ❌ 誤りの記述

ボイラーの主蒸気管を変更した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。

変更検査を受けるのは、第41条に並んだ部分や設備を変更したときです(第42条)。主蒸気管(できた蒸気を送り出す管)は、その中に入っていません。対象でない部分を、対象であるかのように書いた点が誤りです。

変更届・変更検査の対象(第41条) 具体的には
本体の主要部分 胴・ドーム・炉筒・火室・鏡板・天井板・管板・管寄せ・ステー
附属設備 過熱器・節炭器(エコノマイザ)
燃焼装置 バーナなど
据付基礎 ボイラーを据える土台

💡 覚え方

変更検査の対象は「本体の骨組み・過熱器と節炭器・燃焼装置・土台」の4つ。主蒸気管は、この4つのどこにも入りません。検査証の数字は原則1年、更新は長くて2年以内です。

以上から、正解は(5)です。

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問37 変更届が必要な部分・設備

令和8年4月公表分野:変更届が必要な部分・設備重要度 ★★★
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の次の部分又は設備を変更しようとするとき、ボイラー変更届を所轄労働基準監督署長に提出しなければならないものは、次のうちどれか。ただし、計画届の免除認定を受けていない場合とする。
(1)空気予熱器
(2)給水装置
(3)過熱器
(4)自動制御装置
(5)煙管
答え・解説を見る
正解

(3)
過熱器

この問題は何を聞いている?

ボイラーのどこを変えるときにボイラー変更届がいるかを問う問題です。提出しなければならないものを1つ選びます。

ボイラー変更届とは?

ボイラーの決められた部分や設備を変更しようとするとき、所轄労働基準監督署長に出す届け(ボイラー則第41条)。

変更届の対象(第41条) 具体的には
第1号 本体の主要部分 胴・ドーム・炉筒・火室・鏡板・天井板・管板・管寄せ・ステー
第2号 附属設備 過熱器と節炭器(エコノマイザ)に限る
第3号 燃焼装置 バーナなど
第4号 据付基礎 ボイラーを据える土台

(1) ❌ 変更届は必要ない

空気予熱器

ボイラー則でいう附属設備は、過熱器と節炭器に限ると決められています(第7条)。空気予熱器(燃焼に使う空気を温める装置)は、その中に入っていません。

(2) ❌ 変更届は必要ない

給水装置

給水装置は、第41条の4つの号のどれにも入っていません。

(3) ⭕ 変更届が必要

過熱器

過熱器は、できた蒸気をさらに熱する設備です。第41条第2号の附属設備に当たるので、変更届を出します。

(4) ❌ 変更届は必要ない

自動制御装置

自動制御装置も、第41条の4つの号のどれにも入っていません。

(5) ❌ 変更届は必要ない

煙管

第1号に並ぶのは、胴・炉筒・管板・管寄せなどです。煙管(中を燃焼ガスが通る管)の名前は、その中にありません。

💡 覚え方

附属設備は「過熱器と節炭器」の2つだけ。空気予熱器は名前が似ていても入りません。本体でも煙管は対象外、という点とあわせて押さえましょう。

変更届を提出しなければならないのは過熱器なので、正解は(3)です。

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問38 蒸気ボイラーの圧力計

令和8年4月公表分野:蒸気ボイラーの圧力計重要度 ★★
鋼製蒸気ボイラー(小型ボイラーを除く。)の蒸気部に取り付ける圧力計について講ずる措置に関するAからDまでの記述について、法令に定められているもののみを全てあげた組合せは、(1)~(5)のうちどれか。
A コック又は弁の開閉状況を容易に知ることができること。
B 蒸気側連絡管に設置する場合は、圧力計を直接連絡管に取り付けること。
C 圧力計の目盛盤の最大指度は、常用圧力の1.5倍以上3倍以下の圧力を示す指度とすること。
D 圧力計の目盛盤の径は、目盛りを確実に確認できるものとすること。
(1)A,B,D
(2)A,C
(3)A,D
(4)B,C
(5)B,D
答え・解説を見る
正解

(3)
A,D

この問題は何を聞いている?

鋼製蒸気ボイラーに付ける圧力計の決まりについて、法令と合うものを全部選ぶ問題です。もとの条文はボイラー構造規格第66条です。

最高使用圧力とは?

そのボイラーの構造上、使うことができる最高の圧力のこと。圧力計の目盛りは、この圧力をもとに決められています。

A ⭕ 法令に定められている

コック又は弁の開閉状況を容易に知ることができること。

条文のとおりです(第66条第1項第2号)。圧力計につながるコックや弁は、開いているか閉じているかが容易に分かるようにします。

B ❌ 法令に定められていない

蒸気側連絡管に設置する場合は、圧力計を直接連絡管に取り付けること。

条文は「蒸気が直接圧力計に入らないようにすること」です(第66条第1項第1号)。「圧力計を直接連絡管に取り付ける」という決まりはありません。向きが逆の内容に変えられている点が誤りです。

C ❌ 法令に定められていない

圧力計の目盛盤の最大指度は、常用圧力の1.5倍以上3倍以下の圧力を示す指度とすること。

圧力計の最大指示値は、最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下です(第66条第1項)。倍率の数字は合っています。「最高使用圧力」が「常用圧力」に入れ替えられている点が誤りです。

D ⭕ 法令に定められている

圧力計の目盛盤の径は、目盛りを確実に確認できるものとすること。

第66条は、指示値を確実に確認できる圧力計を取り付けるよう求めています。目盛りを確実に確認できるものにするという記述は、この決まりに合う内容です。

🤔 蒸気が直接入らないようにするには、どうするのですか。

サイホン管という、曲がった管を使います。管の曲がりに水をためて、熱い蒸気が圧力計まで届かないようにするしくみです。

💡 覚え方

圧力計の話は、全部「最高使用圧力」が基準です。目盛りは最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下。「常用圧力」と書かれていたら、数字が合っていても誤りと判断できます。

法令に定められているのはAとDなので、正解は(3)です。

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問39 貫流ボイラーの附属品

令和8年4月公表分野:貫流ボイラーの附属品重要度 ★★
貫流ボイラー(小型ボイラーを除く。)の附属品に関する記述について、その内容が法令に定められていないものは、次のうちどれか。
(1)過熱器には、ドレン抜きを備えなければならない。
(2)ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を、過熱器の入口付近に取り付けなければならない。
(3)給水装置の給水管には、給水弁を取り付けなければならないが、逆止め弁は取り付けないことができる場合がある。
(4)ボイラーの燃焼装置には、異常消火又は燃焼用空気の異常な供給停止が起こったときに、自動的にこれを検出し、直ちに燃料の供給を遮断することができる装置を設けなければならない。
(5)給水内管は、取り外しできる構造でなければならない。
答え・解説を見る
正解

(2)
ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を、過熱器の入口付近に取り付けなければならない。

この問題は何を聞いている?

貫流ボイラーに備える附属品の決まりを問う問題です。法令に定められていないものを1つ選びます。もとの決まりはボイラー構造規格です。

貫流ボイラーとは?

水が管の入口から出口まで一方通行で流れ、その間に蒸気になるボイラー。

💡 なぜ? 構造規格には、貫流ボイラーだけほかの蒸気ボイラーと扱いが違う決まりがいくつかあります。

(1) ⭕ 正しい記述

過熱器には、ドレン抜きを備えなければならない。

条文のとおりです(第77条第3項)。過熱器(蒸気をさらに熱する設備)には、ドレン抜きを備えます。ドレンとは、蒸気が冷えてできた水のことです。

(2) ❌ 誤りの記述

ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を、過熱器の入口付近に取り付けなければならない。

条文は、最大蒸発量以上の吹出し量の安全弁を、過熱器の出口付近に取り付けることができるという内容です(第63条第2項)。「出口付近」が「入口付近」に入れ替えられている点が誤りです。文の終わりも、条文は「取り付けなければならない」ではなく「取り付けることができる」です。

(3) ⭕ 正しい記述

給水装置の給水管には、給水弁を取り付けなければならないが、逆止め弁は取り付けないことができる場合がある。

給水管には、給水弁と逆止め弁(水の逆流を防ぐ弁)を取り付けるのが原則です(第75条)。ただし貫流ボイラーと、最高使用圧力0.1MPa未満の蒸気ボイラーは、給水弁だけでよいとされています。

(4) ⭕ 正しい記述

ボイラーの燃焼装置には、異常消火又は燃焼用空気の異常な供給停止が起こったときに、自動的にこれを検出し、直ちに燃料の供給を遮断することができる装置を設けなければならない。

条文のとおりです(第85条第1項)。火が消えたり、燃焼用の空気が止まったりしたら、自動で検出して、直ちに燃料を遮断する装置を設けます。

(5) ⭕ 正しい記述

給水内管は、取り外しできる構造でなければならない。

条文のとおりです(第76条)。給水内管は、取外しができる構造でなければなりません。

💡 覚え方

過熱器の安全弁は、「出口付近」。過熱器に備える安全弁の決まり(第63条第1項)も出口付近です。安全弁と過熱器の組み合わせで「入口」と出たら誤りと判断できます。

以上から、正解は(2)です。

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問40 圧力のある水源からの給水(返り管)

令和8年4月公表分野:圧力のある水源からの給水(返り管)重要度 ★★★
給水が水道その他圧力を有する水源から供給されるAからDまでのボイラー(小型ボイラーを除く。)について、法令上、当該水源に係る管を返り管に取り付けなければならないもののみを全てあげた組合せは、(1)~(5)のうちどれか。
A 炉筒煙管ボイラー
B 鋳鉄製ボイラー
C 熱媒ボイラー
D 貫流ボイラー
(1)A,B,C
(2)A,D
(3)B
(4)B,C,D
(5)C,D
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正解

(3)
B

この問題は何を聞いている?

水道などから給水するとき、その管を返り管に取り付けなければならないボイラーを全部選ぶ問題です。もとの条文はボイラー構造規格第100条です。

返り管とは?

暖房などに使い終わった水が、ボイラーへ戻ってくるための管のこと。

第100条は、こう決めています。「給水が水道その他圧力を有する水源から供給される場合には、その水源の管を返り管に取り付けなければならない」。この条文があるのは、構造規格の第2編「鋳鉄製ボイラー」の中です。

A ❌ この決まりの対象ではない

炉筒煙管ボイラー

炉筒煙管ボイラーは、鋼でつくる丸ボイラーの代表です。第100条は鋳鉄製ボイラーの編の決まりなので、当てはまりません。

B ⭕ 返り管に取り付ける決まりがある

鋳鉄製ボイラー

鋳鉄製ボイラーは、鋳物の板(セクション)を重ねた中に水を入れるボイラーです。第100条はこのボイラーの決まりなので、水源の管を返り管に取り付けます。

C ❌ この決まりの対象ではない

熱媒ボイラー

熱媒ボイラーは、水の代わりに沸点の高い油(熱媒)を温めて、常圧で高い温度の熱を送るボイラーです(三浦工業の製品資料)。第100条の対象である鋳鉄製ボイラーではないので、当てはまりません。

D ❌ この決まりの対象ではない

貫流ボイラー

貫流ボイラーは、水が管の中を一方通行で流れるボイラーです。これも鋳鉄製ボイラーではないので、当てはまりません。

💡 覚え方

「鋳鉄は返り管」。暖房用の鋳鉄製ボイラーは、使い終わった水が返り管を通って戻ってきます。給水もボイラーに直接ではなく返り管を通して入れる、とつなげて覚えましょう。

返り管に取り付けなければならないのはBの鋳鉄製ボイラーだけなので、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第21回 附属品の規格 / 第3回 丸ボイラーと鋳鉄製ボイラー

令和8年4月公表「関係法令」のまとめ

まとめ

・伝熱面積に入らないのはエコノマイザ・過熱器・蒸気ドラム。耐火れんがでおおわれた水管は投影面積で算入

・廃止したボイラーを再び設置する順序は使用検査→設置届→落成検査

・伝熱面積3m²を超えるボイラーは、専用の建物か障壁で区画された場所(ボイラー室)へ

・二級を作業主任者に選べるのは25m²未満。貫流は10分の1、廃熱は2分の1で数える

・附属品の管理は、圧力計の表示=最高使用圧力、水位の表示=常用水位、連絡管=耐熱材料で防護

・変更届・変更検査の対象は本体の主要部分・過熱器と節炭器・燃焼装置・据付基礎。主蒸気管・煙管・空気予熱器は対象外

・圧力計の目盛りは最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下。貫流ボイラーの安全弁は過熱器の出口付近。水道からの給水は鋳鉄製ボイラーの返り管へ