衛生器具は、大便器・小便器・洗面器・流しなど、人が水を使うところに付く器具のことです。管工事の試験では、器具ごとに決められたトラップの最小口径が問われます。覚える数字は多くありません。流すものの量と大きさで太さが決まる——この考え方が分かれば、表を丸暗記しなくても判断しやすくなります。

トラップとは何か

用語トラップとは?

排水管の途中をU字などに曲げて、水をためておく部分。たまった水(封水)がふたの役目をして、下水のにおいや虫が室内へ上がってくるのを防ぎます。

💡 なぜ?
排水管は下水道につながっているから。まっすぐな管だけでは、においがそのまま上がってきます。水でふたをするのは、簡単で確実な方法なのです。

👉 封水と通気の話はこちら

通気管とは?封水を守るしくみ

最小口径は「流すもの」で決まる

衛生器具ごとのトラップ最小口径(大便器・汚物流し・掃除流し・小型小便器)を示した図
固形物が流れるものほど太く、水だけのものは細くて済みます。
器具 トラップの最小口径
大便器 75mm
汚物流し(病院などで汚物を流す流し) 75mm
掃除流し(掃除用流し) 65mm
壁掛け小型小便器 40mm

なぜ?なぜ器具ごとに太さが違うのですか。

流れるものが違うからです。大便器や汚物流しは固形物を含む汚水が流れるので、詰まらない太さが必要です。小便器は水が中心なので、細くて済みます。掃除流しは、モップの汚れや砂が入るぶん、小便器より太くなります。

覚える覚え方

「固形物が通るものは太い」と覚えてください。大便器と汚物流しが同じ75mmなのは、どちらも同じようなものが流れるからです。掃除流しを50mmとした誤りの選択肢は特に狙われやすいので、注意しましょう。

封水を守るという考え方

トラップは、水がたまっていてこそ役に立つものです。この水が減ってしまうことを封水切れといい、においが室内へ入ってくる原因になります。

例封水が切れる主な原因

・自己サイホン作用 … 器具から一気に流れた水が、封水まで吸い出してしまう

・誘導サイホン作用 … 別の器具の排水で管の中の圧力が変わり、封水が引っ張られる

・蒸発 … 長く使わない器具の封水が乾く

・毛細管現象 … 髪の毛などを伝って水が少しずつ流れ出る

このうちサイホン作用を防ぐために通気管を設けます。管の中の圧力を大気に近づけて、封水が引っ張られないようにするしくみです。蒸発や毛細管現象は、通気管では防げません。

注意注意

トラップを2つ直列に付ける二重トラップは禁止されています。間の空気が逃げ場を失い、水が流れにくくなるためです。

試験ではこう出る

よくある選択肢 判断
大便器 ── 75mm 正しい
汚物流し ── 75mm 正しい
掃除流し ── 50mm 誤り。65mm
壁掛け小型小便器 ── 40mm 正しい
二重トラップにしてよい 誤り。禁止

よくある質問

Q. 数字を全部覚える必要がありますか。

A. まずはこの記事の4つを押さえましょう。迷ったら固形物が流れるかどうかで大小を判断してください。

Q. 封水の深さにも決まりがありますか。

A. あります。浅すぎると切れやすく、深すぎると流れが悪くなるため、適切な範囲が決められています。

Q. 衛生器具の材質は問われますか。

A. 陶器が一般的です。試験で材質が細かく問われることは多くありません。

まとめまとめ

・トラップは封水でにおいを止めるしくみ

・大便器・汚物流し=75mm/掃除流し=65mm/小型小便器=40mm

・太さは固形物が流れるかどうかで決まる

・封水はサイホン作用・蒸発・毛細管現象で切れる。サイホン作用を防ぐのが通気管

・二重トラップは禁止