二級ボイラー技士の公表試験問題を、ボイラーを見たことがない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和7年10月公表分の「ボイラーの取扱い」(問11〜問20)です。

専門用語はその場で説明します。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、正解と、選択肢1つずつの正誤と理由が出ます。まず自分で考えてから開くと、力がつきやすくなります。

この記事の問題はどこから?

問題文・選択肢・正答は、試験を実施している公益財団法人 安全衛生技術試験協会が公表しているものです。
出典:安全衛生技術試験協会 二級ボイラー技士 公表試験問題(令和7年10月公表)

問11 逆火(ぎゃっか)の発生原因

令和7年10月公表分野:逆火(ぎゃっか)の発生原因重要度 ★★
油だきボイラーの点火時に発生する逆火の発生原因となる事象に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)噴霧蒸気(空気)の圧力が強すぎるとき。
(2)煙道ダンパの開度が不足しているとき。
(3)点火の際に着火遅れが生じたとき。
(4)空気より先に燃料を供給したとき。
(5)複数のバーナを有するボイラーで、燃焼中のバーナの火炎を利用して次のバーナに点火したとき。
答え・解説を見る
正解

(1)
噴霧蒸気(空気)の圧力が強すぎるとき。

この問題は何を聞いている?

油だきボイラーに火をつけるときの事故、逆火の原因を問う問題です。原因に当てはまらないものを1つ選びます。

逆火とは?

点火のときなどに、炉(火を燃やす部屋)の中で一気に燃え広がった炎が、たき口などから外へ吹き出す現象。

💡 なぜ? 炉の中に燃料がたまった状態で火がつくと、大量のガスが急に燃えて、炉内の圧力が上がるからです。

(1) ❌ 誤りの記述

噴霧蒸気(空気)の圧力が強すぎるとき。

「噴霧蒸気(空気)の圧力が強すぎるとき」は、公表問題で逆火の原因に当たらないとされた記述です。噴霧蒸気(空気)とは、油を霧のように細かくするために吹き込む蒸気や空気のこと。令和8年10月公表でも、同じ記述が原因ではないものとして出題されました。

(2) ⭕ 正しい記述

煙道ダンパの開度が不足しているとき。

煙道ダンパは、燃焼ガスの通り道(煙道)の開き具合を変える板です。開き方が足りないとガスの逃げ場がなくなるので、逆火の原因になります。

(3) ⭕ 正しい記述

点火の際に着火遅れが生じたとき。

着火が遅れると、そのあいだに燃料が炉の中にたまります。たまった燃料に一気に火がつくので、逆火の原因になるのです。

(4) ⭕ 正しい記述

空気より先に燃料を供給したとき。

点火の基本は「空気が先、燃料が後」です。燃料を先に入れると、点火するまでのあいだに燃料がたまって一気に燃え広がるおそれがあります。

(5) ⭕ 正しい記述

複数のバーナを有するボイラーで、燃焼中のバーナの火炎を利用して次のバーナに点火したとき。

バーナ(燃料を吹き出して燃やす器具)が複数あるボイラーの話です。燃焼中のバーナの炎を使って次のバーナに点火することは、逆火の原因の1つとされています。

💡 覚え方

逆火の原因は「ダンパの開き不足・着火遅れ・燃料が先・隣のバーナの炎で点火」の4つ。ダンパ以外の3つは、点火のしかたの誤りです。噴霧の圧力の話は、この4つに入っていません。

以上から、正解は(1)です。

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問12 たき始めの弁・コックの開閉

令和7年10月公表分野:たき始めの弁・コックの開閉重要度 ★★★
ボイラーをたき始めるときの、各種の弁又はコックとその開閉の組合せとして、適切でないものは次のうちどれか。
弁又はコック 開閉
(1) 主蒸気弁 閉
(2) 水面計とボイラー間の連絡管の弁又はコック 閉
(3) 胴の空気抜弁 開
(4) 吹出し弁又は吹出しコック 閉
(5) 圧力計のコック 開
答え・解説を見る
正解

(2)
水面計とボイラー間の連絡管の弁又はコック / 閉

この問題は何を聞いている?

ボイラーに火を入れるとき、それぞれの弁やコックを開けておくか、閉めておくかを問う問題です。適切でない組合せを1つ選びます。

弁やコックは、管の途中で流れを止めたり通したりする部品です。たき始めの開閉は、1つずつ理由を考えれば決められます。

(1) ⭕ 正しい組合せ

主蒸気弁 / 閉

主蒸気弁は、できた蒸気を使う場所へ送り出す弁です。たき始めはまだ蒸気が出ていないうえ、冷えた配管へ送らないために閉にしておきます。

(2) ❌ 誤った組合せ

水面計とボイラー間の連絡管の弁又はコック / 閉

水面計は、ボイラーの中の水位を外から見るためのガラスの計器です。ボイラーとつなぐ連絡管の弁やコックを閉じると、水面計に本当の水位が出ません。正しくは開です。「閉」になっている点が誤りです。

(3) ⭕ 正しい組合せ

胴の空気抜弁 / 開

空気抜弁は、ボイラーの中の空気を外へ逃がす弁です。たき始めから開けておき、白い蒸気が出てくるのを確かめてから閉じます。

(4) ⭕ 正しい組合せ

吹出し弁又は吹出しコック / 閉

吹出し弁・吹出しコックは、ボイラーの水を外へ抜くための弁です。開いていると水が抜けて水位が下がるので、閉にしておきます。

(5) ⭕ 正しい組合せ

圧力計のコック / 開

圧力計のコックを閉じていると、圧力が計れません。たき始めから開にしておくのが正しい状態です。

💡 覚え方

「見る物は開け、出す物は閉める」。水面計と圧力計は見るための物なので開。主蒸気弁と吹出し弁は蒸気や水を出す物なので閉。空気抜弁だけは、空気を出すために開です。

以上から、正解は(2)です。

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問13 燃焼の維持・調節と炎の色

令和7年10月公表分野:燃焼の維持・調節と炎の色重要度 ★★
油だきボイラーの燃焼の維持及び調節などに関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)燃焼時に火炎の流れの方向を監視し、ボイラー本体及びれんが壁に火炎が触れないようにする。
(2)蒸気圧力又は温水温度を一定に保つように、負荷の変動に応じて燃焼量を増減する。
(3)燃焼中に突然消火の可能性があるため、監視を怠らない。
(4)燃焼用空気量の過不足は、計測して得た燃焼ガス中のCO₂、CO又はO₂の値により判断する。
(5)燃焼用空気量が適量の場合は、炎が輝白色で、炉内の見通しがきく。
答え・解説を見る
正解

(5)
燃焼用空気量が適量の場合は、炎が輝白色で、炉内の見通しがきく。

この問題は何を聞いている?

火がついたあとの燃やし方の管理についての問題です。適切でないものを1つ選びます。

(1) ⭕ 正しい記述

燃焼時に火炎の流れの方向を監視し、ボイラー本体及びれんが壁に火炎が触れないようにする。

燃焼中は炎の流れの向きを見ておきます。炎が直接当たると、れんがや本体の一部だけが高温になって傷むからです。

(2) ⭕ 正しい記述

蒸気圧力又は温水温度を一定に保つように、負荷の変動に応じて燃焼量を増減する。

負荷とは、蒸気の使用量のことです。負荷の変化に合わせて燃焼量を増減し、蒸気圧力や温水温度を一定に保ちます。

(3) ⭕ 正しい記述

燃焼中に突然消火の可能性があるため、監視を怠らない。

燃焼中は、火が突然消える可能性があります。だから監視を怠らないことが大切なのです。

(4) ⭕ 正しい記述

燃焼用空気量の過不足は、計測して得た燃焼ガス中のCO₂、CO又はO₂の値により判断する。

空気が足りないと、燃料が燃え切らずにCO(一酸化炭素)が増えます。空気が多すぎると、使われなかった酸素が残ってO₂が増え、CO₂の割合は下がるのです。だから燃焼ガスの成分を測れば、空気の過不足を数字で判断できます。

(5) ❌ 誤りの記述

燃焼用空気量が適量の場合は、炎が輝白色で、炉内の見通しがきく。

空気が適量のときの炎はオレンジ色で、炉内の見通しがききます。輝白色(かがやくような白)になるのは、空気が多すぎるときです。炎の色が入れ替えられている点が誤りです。「見通しがきく」の部分は合っています。

空気の量 炎の様子
適量 オレンジ色で、炉の中の見通しがきく
少なすぎる 炎が長く、色が暗く、すすが出やすい
多すぎる 炎が短く、輝白色になる

💡 覚え方

空気が足りない炎はろうそくのようにゆらゆら長い。多すぎる炎はガスバーナーのように短く白い。ちょうどよい炎は、そのあいだのオレンジ色です。

以上から、正解は(5)です。

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問14 キャリオーバが発生したときの処置

令和7年10月公表分野:キャリオーバが発生したときの処置重要度 ★★★
ボイラーにキャリオーバが発生した場合の処置に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)燃焼量を下げる。
(2)主蒸気弁を急開して蒸気圧力を下げる。
(3)ボイラー水位が高いときは、一部を吹出しする。
(4)ボイラー水の水質試験を行う。
(5)ボイラー水が過度に濃縮されたときは、吹出し量を増し、その分を給水する。
答え・解説を見る
正解

(2)
主蒸気弁を急開して蒸気圧力を下げる。

この問題は何を聞いている?

キャリオーバが起きたときに、どう対応するかを問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

キャリオーバとは?

ボイラー水が、水滴や泡のまま蒸気と一緒にボイラーの外へ運び出されること。

💡 なぜ? 蒸気に水が混じると蒸気の純度が下がり、水に溶けていた不純物まで配管や機械へ運ばれてしまうからです。

キャリオーバの原因は、蒸気を急に大量に取り出すこと、水位が高いこと、水の汚れや濃縮などです。処置は、この原因を1つずつ打ち消す内容になっています。

(1) ⭕ 正しい記述

燃焼量を下げる。

キャリオーバが起きたときは、燃焼量を下げます。処置の1番目に挙げられる対応です。

(2) ❌ 誤りの記述

主蒸気弁を急開して蒸気圧力を下げる。

正しい処置は、主蒸気弁(蒸気を送り出す弁)を絞って、蒸気の取り出しを減らすことです。急に開ければ蒸気が一気に出て、かえってキャリオーバがひどくなるでしょう。「絞る」が「急開」に入れ替えられている点が誤りです。

(3) ⭕ 正しい記述

ボイラー水位が高いときは、一部を吹出しする。

水位が高いことは、キャリオーバの原因の1つです。水位が高いときは、ボイラー水の一部を吹出し(外へ抜くこと)します。

(4) ⭕ 正しい記述

ボイラー水の水質試験を行う。

キャリオーバが起きたときは、ボイラー水の水質試験を行います。原因には、水にふくまれる有機物・油脂分・不純物の多さや、過度の濃縮があるからです。

(5) ⭕ 正しい記述

ボイラー水が過度に濃縮されたときは、吹出し量を増し、その分を給水する。

ボイラーの中では蒸気だけが出ていき、溶けていた成分は残るので、水はだんだん濃くなります。濃くなりすぎたときは吹出し量を増やし、そのぶん新しい水を入れて薄めるのです。

💡 覚え方

キャリオーバの原因は「水が多すぎ・汚れすぎ・急ぎすぎ」。だから処置は、水位を下げる・水を入れ替える・蒸気をゆっくり出す(弁を絞る)です。「急開」は急ぎすぎの側です。

以上から、正解は(2)です。

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問15 異常な低水位に気付いたときの措置

令和7年10月公表分野:異常な低水位に気付いたときの措置重要度 ★★
ボイラー水位が安全低水面以下にあると気付いたときの措置に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)炉筒煙管ボイラーでは、水面が煙管のある位置より低下した場合は、まず第一に、徐々に給水を行い煙管を冷却する。
(2)鋳鉄製ボイラーでは、いかなる場合であっても給水しない。
(3)燃料の供給を止めて、燃焼を停止する。
(4)燃焼系統の換気を行い、炉を冷却する。
(5)ボイラーが冷却してから、原因及び各部の損傷の有無を調査する。
答え・解説を見る
正解

(1)
炉筒煙管ボイラーでは、水面が煙管のある位置より低下した場合は、まず第一に、徐々に給水を行い煙管を冷却する。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの水が減りすぎていると気付いたときの対応を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

安全低水面とは?

ボイラーを使っている間、これより水位を下げてはいけない最低の水面のこと。

💡 なぜ? これより下がると、熱を受ける面(伝熱面)が水から出て空だきの状態になり、焼損や破裂のおそれが出るからです。

(1) ❌ 誤りの記述

炉筒煙管ボイラーでは、水面が煙管のある位置より低下した場合は、まず第一に、徐々に給水を行い煙管を冷却する。

炉筒煙管ボイラーは、胴(円筒形の容器)の中に、火を燃やす筒と、燃焼ガスを通す多数の管(煙管)を入れたボイラーです。熱くなりすぎた部分にいきなり水を入れると、急な温度変化で割れるおそれがあります。水が一気に蒸気になって破裂するおそれもあるのです。「まず第一に給水」が誤りで、まず火を止めて、冷えるのを待つのが先です。

(2) ⭕ 正しい記述

鋳鉄製ボイラーでは、いかなる場合であっても給水しない。

鋳鉄製ボイラーは、鋳鉄(型に流し込んでつくった鉄)でできたボイラーです。低水位に気付いたとき、鋳鉄製ボイラーではどんな場合も給水しない決まりです。

(3) ⭕ 正しい記述

燃料の供給を止めて、燃焼を停止する。

最初に行うのは、燃料の供給を止めて、燃焼を停止することです。水が足りないまま燃やし続けると、空だきが進んでしまいます。

(4) ⭕ 正しい記述

燃焼系統の換気を行い、炉を冷却する。

火を止めたら、燃焼系統を換気して、炉を冷やします。

(5) ⭕ 正しい記述

ボイラーが冷却してから、原因及び各部の損傷の有無を調査する。

原因や各部の損傷を調べるのは、ボイラーが冷えてからです。

低水位に気付いたときの措置のながれ

①燃料の供給を止めて、燃焼を停止する

②燃焼系統を換気して、炉を冷やす

③ボイラーが冷えてから、原因と各部の損傷を調べる

💡 覚え方

「空だきに気付いたら、水より先に火を止める」。焼けた鍋に水を差すとジュッと危ないのと同じで、給水は冷えてからです。

以上から、正解は(1)です。

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問16 ガラス水面計の機能試験を行う時期

令和7年10月公表分野:ガラス水面計の機能試験を行う時期重要度 ★★★
ボイラーのガラス水面計の機能試験を行う時期に関するAからDまでの記述で、必要性の高い時期のみを全て挙げた組合せは、(1)~(5)のうちどれか。
A ガラス管の取替えなどの補修を行ったとき。
B 水位が絶えず上下にかすかに動いているとき。
C 取扱い担当者が交替し、次の者が引き継いだとき。
D プライミングやホーミングが生じたとき。
(1)A,C
(2)A,C,D
(3)A,D
(4)B,C
(5)B,C,D
答え・解説を見る
正解

(2)
A,C,D

この問題は何を聞いている?

水面計の機能試験を、どんなときに行う必要性が高いかを問う問題です。AからDのうち、必要性の高い時期を全部選びます。

水面計の機能試験とは?

ガラス水面計(水位を見る計器)の中をブローして、正しく動くかを試すこと。ブローとは、中の水や蒸気を吹き出させることです。

💡 なぜ? 水面計が詰まっていると、本当の水位と違う高さを示してしまうからです。

A ⭕ 必要性が高い

ガラス管の取替えなどの補修を行ったとき。

ガラス管の取替えなどの補修をしたときは、機能試験が特に必要な時期の1つです。

B ❌ 必要性が高いとはいえない

水位が絶えず上下にかすかに動いているとき。

水面計が正常なら、水位はいつも少し揺れているのが普通です。かすかに動いているのは正常なしるしなので、必要性が高い時期とはされていません。逆にまったく動かないときこそ、詰まりを疑うべきでしょう。

C ⭕ 必要性が高い

取扱い担当者が交替し、次の者が引き継いだとき。

取扱い担当者が交替して引き継いだときも、機能試験が特に必要な時期の1つです。

D ⭕ 必要性が高い

プライミングやホーミングが生じたとき。

プライミングは、ボイラー水が水滴のまま蒸気と一緒に運び出される現象です。ホーミングは、泡が広がって水分が蒸気に混じる現象。この2つが起きたときも、機能試験が特に必要な時期の1つです。

このほか、休止していたボイラーを動かすときも、機能試験が特に必要な時期に挙げられています。

💡 覚え方

必要なのは「いつもと違うことがあったとき」。直した・人が替わった・水が暴れた・休ませていた、の4つです。かすかに動く水位は「いつもどおり」なので、当てはまりません。

必要性の高い時期はA・C・Dなので、正解は(2)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第10回 運転中の管理と異常時の対応

問17 ばね安全弁の蒸気漏れの原因

令和7年10月公表分野:ばね安全弁の蒸気漏れの原因重要度 ★★★
ボイラーのばね安全弁に蒸気漏れが生じる原因となる事項として、適切でないものは次のうちどれか。
(1)弁体と弁座の間に、ごみなどの異物が付着している。
(2)弁体と弁座のすり合わせが悪くなっている。
(3)弁体と弁座の中心がずれて、当たり面の接触圧力が不均一になっている。
(4)ばねが腐食して、弁体を押し下げる力が弱くなっている。
(5)蒸気による熱膨張などにより、弁体円筒部と弁体ガイド部が密着している。
答え・解説を見る
正解

(5)
蒸気による熱膨張などにより、弁体円筒部と弁体ガイド部が密着している。

この問題は何を聞いている?

閉じているはずの安全弁から蒸気が漏れる原因を問う問題です。原因に当てはまらないものを1つ選びます。

ばね安全弁とは?

ばねの力で、弁体(ふた)を弁座(受け口)に押しつけている安全弁。ボイラーの圧力が上がりすぎたときに開いて、蒸気を逃がします。

蒸気が漏れる原因は、どれも「弁体と弁座がぴったり当たっていない」ことにつながっています。

(1) ⭕ 正しい記述

弁体と弁座の間に、ごみなどの異物が付着している。

弁体と弁座の間にごみなどの異物がはさまると、すき間ができます。ぴったり当たらなくなるので、蒸気漏れの原因です。

(2) ⭕ 正しい記述

弁体と弁座のすり合わせが悪くなっている。

弁体と弁座のすり合わせ(当たり面のなじみ)が悪いと、ぴったり当たりません。これも蒸気漏れの原因になります。

(3) ⭕ 正しい記述

弁体と弁座の中心がずれて、当たり面の接触圧力が不均一になっている。

弁体と弁座の中心がずれると、当たる力が場所によって不均一になります。力の弱い所ができるので、蒸気漏れの原因です。

(4) ⭕ 正しい記述

ばねが腐食して、弁体を押し下げる力が弱くなっている。

ばねが腐食すると、弁体を弁座に押しつける力が弱くなります。押さえが弱ければ、蒸気が漏れる原因になるのです。

(5) ❌ 誤りの記述

蒸気による熱膨張などにより、弁体円筒部と弁体ガイド部が密着している。

弁体円筒部とガイド部(弁体の動きを案内する部分)が密着すると、弁が動かなくなります。これは弁が開かないトラブルで、蒸気漏れとは別の話です。「漏れる」原因の中に、「動かない」原因がまぎれ込んでいる点が誤りです。

💡 覚え方

漏れる=ふたが浮いている、密着=ふたが動かない。異物・すり合わせ・中心のずれ・ばねの弱りは、どれもふたが浮く話。密着だけが反対向きのトラブルです。

以上から、正解は(5)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第13回 附属品の取扱い

問18 休止中の満水保存法

令和7年10月公表分野:休止中の満水保存法重要度 ★★
ボイラーの休止中の満水保存法に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)ボイラーの燃焼側及び煙道は、すすや灰を完全に除去して、防錆油、防錆剤などを塗布する。
(2)休止期間が3か月程度以内の場合に採用される。
(3)凍結のおそれがあるときは、採用できない。
(4)満水保存剤は、所定の濃度になるようにボイラーに連続注入するか、又は間欠的に注入する。
(5)保存水の管理のため、水素イオン指数(pH)のみ月に1~2回測定し、所定の値を維持する。
答え・解説を見る
正解

(5)
保存水の管理のため、水素イオン指数(pH)のみ月に1~2回測定し、所定の値を維持する。

この問題は何を聞いている?

ボイラーをしばらく使わないときの保存のしかた(満水保存法)の問題です。適切でないものを1つ選びます。

満水保存法とは?

休止中のボイラーを、薬剤(保存剤)を入れた水でいっぱいに満たして保存する方法。

💡 なぜ? さびは水と酸素がそろうと進みます。水で満たせば、空気(酸素)の入り込むすき間がなくなるからです。

(1) ⭕ 正しい記述

ボイラーの燃焼側及び煙道は、すすや灰を完全に除去して、防錆油、防錆剤などを塗布する。

火の側(燃焼側)と煙道(燃焼ガスの通り道)は、すすや灰をきれいに取り除きます。そのうえで、さびを防ぐ防錆油や防錆剤を塗っておく決まりです。

(2) ⭕ 正しい記述

休止期間が3か月程度以内の場合に採用される。

満水保存法は、休止期間が3か月程度以内のときに使います。それより長く休ませるときは、中を乾かして保存する乾燥保存法です。

(3) ⭕ 正しい記述

凍結のおそれがあるときは、採用できない。

凍結のおそれがあるときは、水が凍って破損するので採用できません。

(4) ⭕ 正しい記述

満水保存剤は、所定の濃度になるようにボイラーに連続注入するか、又は間欠的に注入する。

保存剤の入れ方は2通りです。所定の濃度になるよう連続して注入するか、間をおいて(間欠的に)注入するかのどちらかです。

(5) ❌ 誤りの記述

保存水の管理のため、水素イオン指数(pH)のみ月に1~2回測定し、所定の値を維持する。

保存中は月に1回以上、保存水の薬剤の濃度などを測って管理します。水素イオン指数(pH)は、水が酸性かアルカリ性かを表す数字です。これ「のみ」を測ればよいとしている点が誤りです。

比べる点 満水保存法 乾燥保存法
やり方 保存剤を入れた水で満たす 中を乾かし、吸湿剤を置いて密閉する
休止期間の目安 3か月程度以内 それより長いとき
凍結のおそれがあるとき 採用しない 採用できる

💡 覚え方

「水で守るのは短期、乾かして守るのは長期」。水を張るので冬の凍結に弱いことも一緒に押さえましょう。選択肢に「のみ」があったら、ほかに測るものがないかを疑います。

以上から、正解は(5)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第11回 運転の停止・保存・清掃

問19 ボイラー水中の不純物(スケールとスラッジ)

令和7年10月公表分野:ボイラー水中の不純物(スケールとスラッジ)重要度 ★★
ボイラー水中の不純物に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
(1)溶存しているO₂は、鋼材の腐食の原因となる。
(2)溶存しているCO₂は、鋼材の腐食の原因となる。
(3)スケールは、溶解性蒸発残留物が濃縮され、ドラム底部などに沈積した軟質沈殿物である。
(4)スケールの熱伝導率は、炭素鋼の熱伝導率より低い。
(5)懸濁物には、りん酸カルシウムなどの不溶物質、エマルジョン化された鉱物油などがある。
答え・解説を見る
正解

(3)
スケールは、溶解性蒸発残留物が濃縮され、ドラム底部などに沈積した軟質沈殿物である。

この問題は何を聞いている?

ボイラーの水にふくまれる不純物の種類と害を問う問題です。適切でないものを1つ選びます。

グループ 中身 困ること
溶存気体 水に溶けたO₂(酸素)・CO₂(二酸化炭素) 鋼材の腐食
溶解性蒸発残留物 水に溶けている塩類など。水が蒸発すると残る 濃縮してスケールになる
懸濁物 りん酸カルシウムなどの溶けない物質、エマルジョン化した鉱物油など 沈殿・泡立ち

(1) ⭕ 正しい記述

溶存しているO₂は、鋼材の腐食の原因となる。

水に溶けているO₂(酸素)は、鋼材(ボイラーの鉄)を腐食させる原因です。

(2) ⭕ 正しい記述

溶存しているCO₂は、鋼材の腐食の原因となる。

水に溶けているCO₂(二酸化炭素)も、同じく鋼材の腐食の原因です。

(3) ❌ 誤りの記述

スケールは、溶解性蒸発残留物が濃縮され、ドラム底部などに沈積した軟質沈殿物である。

「ドラム底部などに沈積した軟質沈殿物」は、スラッジ(かま泥)の説明です。スケール(湯あか)は、溶解性蒸発残留物が濃縮して出てきて、管壁などの伝熱面に固着したもの。スケールとスラッジの説明が入れ替えられている点が誤りです。

(4) ⭕ 正しい記述

スケールの熱伝導率は、炭素鋼の熱伝導率より低い。

スケールの熱伝導率(熱の伝えやすさ)は、炭素鋼よりずっと低いのが問題です。伝熱面にスケールが付くと熱が水へ逃げられず、鉄が過熱してしまいます。

(5) ⭕ 正しい記述

懸濁物には、りん酸カルシウムなどの不溶物質、エマルジョン化された鉱物油などがある。

懸濁物には、りん酸カルシウムなどの溶けない物質があります。エマルジョン化された鉱物油なども懸濁物です。

呼び方 どんなものか
スケール(湯あか) 伝熱面に固着したもの
スラッジ(かま泥) ドラムの底などに沈んでたまった、やわらかい沈殿物

💡 覚え方

スケール=やかんの内側にこびりつく白い湯あか(壁にくっつく)。スラッジ=底にたまる泥(沈むだけ)。台所のやかんを思い浮かべると、入れ替えに気付けます。

以上から、正解は(3)です。

▶ 基礎から学び直すなら講座の 第12回 ボイラーの水管理

問20 単純軟化法のグラフと貫流点

令和7年10月公表分野:単純軟化法のグラフと貫流点重要度 ★★
単純軟化法における残留硬度と処理水量の関係を示す次のグラフにおいて、A(横軸)、B(縦軸)に入る語句及びP点(名称)について、適切な組合せは(1)~(5)のうちどれか。
二級ボイラー技士 令和7年10月公表 問20 の図
A B P点
(1) 処理水量 残留硬度 臨界点
(2) 処理水量 残留硬度 貫流点
(3) 処理水量 残留硬度 飽和点
(4) 残留硬度 処理水量 臨界点
(5) 残留硬度 処理水量 貫流点
答え・解説を見る
正解

(2)
処理水量 / 残留硬度 / 貫流点

この問題は何を聞いている?

水をやわらかくする装置(軟化装置)のグラフの読み方を問う問題です。横軸A・縦軸Bの名前と、P点の呼び名の正しい組合せを選びます。

単純軟化法とは?

水を強酸性陽イオン交換樹脂を詰めた塔に通して、カルシウムやマグネシウムを取り除く方法。

💡 なぜ? カルシウムやマグネシウム(硬度の成分)は、スケール(伝熱面に固着する湯あか)のもとになるからです。

残留硬度とは、処理したあとの水に残っている硬度の成分の量のことです。処理水量は、装置に通して処理した水の量を指します。

グラフの読み方

①処理した水の量が増えていく(グラフを右へ進む)

②はじめのうち、残留硬度は低いまま(線は底をはう)

③ある点を境に、残留硬度が急に増える(線が立ち上がる)。この点が貫流点

「水を通していくと、どうなるか」を表すグラフなので、横軸Aが処理水量、縦軸Bが残留硬度です。線が立ち上がる手前のP点が貫流点に当たります。

(1) ❌ 誤りをふくむ組合せ

処理水量 / 残留硬度 / 臨界点

AとBは合っています。しかしP点の名前は貫流点で、「臨界点」ではありません。令和6年10月公表でも、「臨界点」に入れ替えた記述が誤りとして出題されました。

(2) ⭕ 正しい組合せ

処理水量 / 残留硬度 / 貫流点

A=処理水量、B=残留硬度、P点=貫流点。3つとも合っています。

(3) ❌ 誤りをふくむ組合せ

処理水量 / 残留硬度 / 飽和点

AとBは合っています。しかしP点の名前は貫流点で、「飽和点」ではありません。

(4) ❌ 誤りをふくむ組合せ

残留硬度 / 処理水量 / 臨界点

AとBが逆です。横軸が処理水量、縦軸が残留硬度でした。P点の「臨界点」も誤りです。

(5) ❌ 誤りをふくむ組合せ

残留硬度 / 処理水量 / 貫流点

P点の「貫流点」は合っています。しかしAとBが逆になっている点が誤りです。

💡 覚え方

貫流点=硬度が「突き抜けて(貫いて)流れ出す」点。樹脂がいっぱいになると、カルシウムなどが素通りし始めると考えましょう。交換能力が落ちた樹脂は、一般に食塩水で再生します。

A=処理水量、B=残留硬度、P点=貫流点なので、正解は(2)です。

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令和7年10月公表「ボイラーの取扱い」のまとめ

まとめ

・逆火の原因=ダンパの開き不足・着火遅れ・燃料が先・隣のバーナの炎で点火。噴霧の圧力が強すぎることは入らない

・たき始めは主蒸気弁・吹出し弁が閉、空気抜弁・水面計・圧力計が開(見る物は開け、出す物は閉める)

・空気が適量の炎はオレンジ色。輝白色は空気が多すぎるとき

・キャリオーバの処置は主蒸気弁を絞る(急開は誤り)。低水位ではまず燃料を止め、給水は急がない

・水面計の機能試験は補修後・担当者の交替時・プライミングやホーミングの発生時。かすかに動く水位は正常

・安全弁の蒸気漏れは弁体と弁座が当たっていないことが原因。密着は動かなくなる別のトラブル

・満水保存は3か月程度以内・凍結時は不可・薬剤の濃度などを管理。スケールは固着、スラッジは沈殿。急増する点は貫流点