消火設備・警報設備と定期点検|所要単位の計算をゼロからやさしく解説【危険物乙4】
この記事でわかること
- 消火設備の第1種〜第5種が言えるようになります
- 所要単位・能力単位の意味と計算がわかります
- 警報設備が必要な施設がわかります
- 定期点検の対象と回数(1年に1回以上・3年間保存)がわかります
カリキュラムの最後の回です。ここは数字と分類が中心なので、表で覚えて、意味で確認するという順で進めます。
消火設備は第1種〜第5種


覚える覚え方
「1栓・2スプ・3固定・4大型・5小型」。数字が大きくなるほど小さく・手軽になると覚えると、順番を取り違えません。
覚える第4類にどれを使うか
- 第3種の泡・不活性ガス・ハロゲン化物・粉末は第4類に適する(不活性ガスは燃焼を助けないガス、ハロゲン化物は燃える反応を止める薬剤)。
- 第1種・第2種(水系)は、第4類には基本的に不適。水をかけても油の火災は消しにくいからです(第14回)。
- 第5種の小型消火器は、粉末や泡のものなら第4類に使えます。「乾燥砂」も覆って空気を断つ(窒息させる)ので有効です。
所要単位と能力単位
用語所要単位とは?
所要単位とは、その施設に、どれだけの消火能力が必要かを表す物差しです。「この建物なら◯単位ぶんの消火設備がいる」という形で使います。
用語能力単位とは?
能力単位とは、消火器や水バケツが、どれだけ火を消せるかを表した数字です。消火器の本体に表示されています。
つまり「必要な量(所要単位)」を「用意した量(能力単位)」で満たす、という関係です。
- 例題 外壁が耐火構造(火災に強い造り)の製造所で、延べ面積が500㎡。所要単位は?
- ① 耐火構造の製造所は100㎡で1単位
- ② 500 ÷ 100 = 5単位
- 例題 ガソリン(指定数量200L)を4,000L貯蔵している。危険物の所要単位は?
- ① 指定数量(危険物ごとに法令で決められた規制の基準となる量)の倍数を出す 4,000 ÷ 200 = 20倍
- ② 指定数量の10倍で1単位 20 ÷ 10 = 2単位
覚える覚え方
「耐火なら2倍もつ」と考えてください。耐火構造は火に強いぶん、同じ1単位でカバーできる面積が2倍になります(製造所50→100、貯蔵所75→150)。貯蔵所は製造所の1.5倍という関係もセットで。
警報設備
用語警報設備とは?
警報設備とは、火災などの異常を知らせるための設備です。指定数量の10倍以上を扱う製造所等(製造所・貯蔵所・取扱所をまとめた呼び方)に必要です(移動タンク貯蔵所を除く)。
- 自動火災報知設備
- 消防機関に報知できる電話
- 非常ベル装置
- 拡声装置
- 警鐘
覚えるここを押さえる
- 必要になるのは指定数量の10倍以上 … 避雷設備(雷の被害を防ぐ設備)と同じ「10倍」です。セットで覚えられます。
- 移動タンク貯蔵所(タンクローリー)には不要 … 動いているので、固定の警報設備がなじまないためです。
定期点検
用語定期点検とは?
定期点検とは、製造所等の位置・構造・設備が、技術上の基準に合っているかを自分で確かめることです。1年に1回以上行い、点検記録は3年間保存します。
覚える定期点検が必要な施設
- 指定数量の10倍以上の製造所・一般取扱所
- 指定数量の150倍以上の屋内貯蔵所
- 指定数量の200倍以上の屋外タンク貯蔵所
- 指定数量の100倍以上の屋外貯蔵所
- 地下タンク貯蔵所(すべて)
- 移動タンク貯蔵所(すべて)
- 地下タンクをもつ製造所・給油取扱所・一般取扱所(数量に関係なく)
覚える覚え方
「地下タンクと移動タンクは、量に関係なく全部いる」。目で見て確かめられないもの(地下)と、動き回るもの(移動)は無条件——この理屈で覚えれば、細かい倍数を忘れても答えを絞り込みやすくなります。
用語誰が点検するのか?
危険物取扱者、または危険物施設保安員(施設の保安の業務を補佐する係の人)です。危険物取扱者の立会いがあれば、資格のない人でも点検できます。ここは「取扱作業の立会い」と同じ考え方です。
よくある質問
Q.所要単位の計算で、面積と危険物の両方があるときはどうしますか?
A.それぞれ計算して足します。建物の面積から出た単位と、危険物の量から出た単位を合計したものが、その施設に必要な所要単位です。試験ではどちらか一方だけを聞かれることが多いですが、合計するという考え方は知っておいてください。
Q.「第4種は大型、第5種は小型」の境目は何ですか?
A.能力単位で決まります。大型消火器は能力単位がA火災(木や紙などの普通火災)で10以上、B火災(油火災)で20以上のものをいい、車輪が付いていることが多いです。試験では「第4種=大型、第5種=小型」という対応を押さえておけば、まずは十分でしょう。
Q.点検記録は誰に提出するのですか?
A.提出は不要です。自分で保存します。3年間保存して、消防機関から求められたときに見せられるようにしておきます。「毎年市町村長に提出する」という選択肢は誤りです。
試験ではこう出る
例出題のされ方
- ①消火設備の種別 … 「スプリンクラー設備は第何種か」→第2種。
- ②所要単位の計算 … 耐火構造の製造所は100㎡で1単位/危険物は指定数量10倍で1単位。
- ③警報設備 … 指定数量10倍以上(移動タンク貯蔵所を除く)。
- ④定期点検 … 1年に1回以上、記録は3年間保存。
まとめこのページのまとめ
- 消火設備は第1種=消火栓/第2種=スプリンクラー/第3種=固定設備/第4種=大型消火器/第5種=小型消火器
- 第4類には第3種の泡・不活性ガス・ハロゲン化物・粉末が適する
- 所要単位=必要な量/能力単位=用意した量
- 耐火構造なら製造所100㎡・貯蔵所150㎡で1単位。危険物は指定数量10倍で1単位
- 警報設備は指定数量10倍以上(移動タンク貯蔵所を除く)
- 定期点検は1年に1回以上・記録は3年間保存。地下タンクと移動タンクは量に関係なく必要
