容器の刻印・塗色・表示|アンモニアは白、フロンはねずみ色【冷凍三種】
この記事でわかること
- ガス容器(ボンベ)の塗色が覚えられます
- 刻印に何が書いてあるかがわかります
- 「可燃性」「毒性」の表示のしかたがわかります
- 容器検査と再検査の期間がわかります
容器の分野は2〜3問。色と記号を覚えることが中心なので、効率のよい得点源です。通勤中に眺めるだけでも、得点につなげやすい分野でしょう。
容器の塗色──色は法令で決まっている

覚える覚え方
冷凍で覚えるべきは「アンモニアは白、フロンはねずみ色」の2つ。残りは「酸素は黒・水素は赤・炭酸は緑・塩素は黄・アセチレンは茶」を順に唱えて覚えます。「酸黒・水赤・炭緑・アン白・塩黄・アセ茶」と略して口ずさむのも一つの方法です。
覚える塗色のルール
- 容器の外面の見やすい箇所に、表面積の2分の1以上について、定められた色を塗る。
- 「全部を塗る」ではありません——2分の1以上という数字がそのまま問われることがあります。
容器に書く表示
- ガスの名称
- 「燃」(可燃性ガス)/「毒」(毒性ガス)の文字
- 充填者の氏名・住所など
覚えるアンモニアは「燃」も「毒」も
- アンモニアは、可燃性ガスであり、かつ毒性ガスです。
- したがって「燃」と「毒」の両方を表示します。
- フロン類(不活性ガス)は、どちらも不要です。
- 冷凍三種で出てくる冷媒の中では「アンモニアだけ両方」と覚えると迷いにくくなります。
用語可燃性ガス・毒性ガスとは?
可燃性ガスは、空気中で燃える濃さの幅(爆発下限界が10%以下、または上限と下限の差が20%以上)を持つガス。毒性ガスは、アンモニア・塩素・硫化水素など、人体に有毒なガスとして法令で定められたガスです。アンモニアは両方にあてはまります。
刻印──容器に打ち込まれた身分証
用語刻印とは?
刻印とは、容器の肩の部分などに打ち込まれた、消えない表示です。容器検査に合格した容器に、検査を行った者が刻印します。
- 検査実施者の名称の符号
- 容器製造業者の名称の符号
- 充填すべきガスの種類(記号)
- 容器の記号・番号
- 内容積(記号 V、単位 L)
- 容器の質量(記号 W、単位 kg)
- 容器検査に合格した年月
- 耐圧試験圧力(記号 TP、単位 MPa)
- 最高充填圧力(記号 FP、単位 MPa) … 圧縮ガスの容器
覚える覚え方
記号は「V=内容積、W=質量、TP=耐圧試験圧力、FP=最高充填圧力」。TP(Test Pressure)とFP(Filling Pressure)と英語で考えると取り違えにくくなります。
覚える押さえておきたい組み合わせ
- 「内容積はVで、単位はL」→正しい。
- 「TPは最高充填圧力を表す」→誤り。TPは耐圧試験圧力です。
- 刻印は容器検査に合格した容器に行う … 不合格のものには刻印しません。
容器検査と容器再検査

覚える再検査の期間
- 溶接容器など(製造後20年未満) … 5年ごと
- 溶接容器など(製造後20年以上) … 2年ごと
- 継目なし容器 … 経過年数にかかわらず5年ごと
- → 溶接容器などは、古いほど短い間隔で検査する、という考え方です。
なぜ?なぜ古いほど頻繁に検査するのか?
金属は使ううちに疲れて弱くなるからです。腐食やへこみ、繰り返しの圧力で少しずつ傷んでいきます。新しいうちは丈夫でも、年数が経つほど「壊れる前に見つける」必要が高まる——だから間隔を短くします。
- 附属品(バルブなど)にも検査がある … 附属品検査・附属品再検査。
- 再検査に合格しなかった容器は、くず化などして使用できないようにする。
充填のルール
- 刻印された種類以外のガスを充填してはいけない
- 液化ガスは、質量で計って充填する(体積ではありません)
- 最高充填質量を超えて充填してはいけない
- 容器再検査の期間を過ぎた容器には充填できない
覚える覚え方
「液化ガスは重さで入れる」。液体は温度で膨らむので、体積で管理すると、温まったときにあふれます。質量なら温度が変わっても増えません——これが理由です。
試験ではこう出る
- ①塗色 … 「液化アンモニアを充填する容器の外面は、ねずみ色に塗る」→誤り。白です。
- ②表示 … 「アンモニアの容器には『燃』と『毒』の両方を表示する」→正しい。
- ③刻印の記号 … 「TPは耐圧試験圧力を表す」→正しい。
- ④塗色の面積 … 「表面積の2分の1以上について塗色する」→正しい。
- ⑤再検査の期間 … 「製造後20年以上の容器は5年ごとに再検査を受ける」→誤り。2年ごと。
よくある質問
Q.フロンの容器が「ねずみ色」なのはなぜですか?
A.特別な色が決められていないガスは、すべてねずみ色とされているからです。酸素・水素・炭酸・アンモニア・塩素・アセチレンには個別の色がありますが、それ以外は一括して「その他のガス=ねずみ色」。フロン類はこの「その他」に入ります。
Q.刻印と表示は何が違うのですか?
A.刻印は打ち込んで消えないようにしたもの、表示は塗ったり貼ったりするものです。刻印は容器そのものの身分証(内容積・質量・試験圧力など)、表示はいま何が入っているか(ガスの名称・燃・毒)を知らせるためのもの、と役割が分かれています。
Q.容器を運ぶときにも決まりがありますか?
A.あります。転落・転倒を防ぐ、バルブを保護する、可燃性ガスと酸素を同じ車両に積まないなど、移動の基準が定められています。次の第26回で詳しく見ます。
まとめこのページのまとめ
- 塗色は酸素=黒/水素=赤/炭酸=緑/アンモニア=白/塩素=黄/アセチレン=かっ色/その他(フロン)=ねずみ色
- 表面積の2分の1以上を塗色する
- アンモニアは「燃」と「毒」の両方を表示
- 刻印の記号はV=内容積/W=質量/TP=耐圧試験圧力/FP=最高充填圧力
- 再検査は溶接容器などで20年未満は5年ごと、20年以上は2年ごと(継目なし容器は5年ごと)
- 液化ガスは質量で充填する
費用はいくらかかる? 講座は必要?
冷凍三種はお金のかけどころがはっきりしている試験です。国家試験の前に受けられる公式の講習を使うと、本番が2科目から法令1科目だけになります。免除を持つ人の合格率は87.9%、2科目受験の人は45.0%(令和7年度)。講習・独学・通信講座の費用を、実際の金額で並べました。
