第4章 高圧ガス保安法 | 第25回 | 学習カリキュラムの目次を見る

この記事でわかること

  • ガス容器(ボンベ)の塗色が覚えられます
  • 刻印に何が書いてあるかがわかります
  • 「可燃性」「毒性」の表示のしかたがわかります
  • 容器検査と再検査の期間がわかります

容器の分野は2〜3問。色と記号を覚えることが中心なので、効率のよい得点源です。通勤中に眺めるだけでも、得点につなげやすい分野でしょう。

容器の塗色──色は法令で決まっている

高圧ガス容器の塗色。酸素は黒、水素は赤、液化炭酸ガスは緑、液化アンモニアは白、液化塩素は黄、アセチレンはかっ色、その他のガスはねずみ色。
ガスの種類ごとに決められた容器の色。フロンは「その他のガス」なのでねずみ色です。
ガス 塗色
酸素 黒
水素 赤
液化炭酸ガス(二酸化炭素) 緑
液化アンモニア 白
液化塩素 黄
アセチレン かっ色(茶)
その他のガス(フロンなど) ねずみ色(グレー)

覚える覚え方

冷凍で覚えるべきは「アンモニアは白、フロンはねずみ色」の2つ。残りは「酸素は黒・水素は赤・炭酸は緑・塩素は黄・アセチレンは茶」を順に唱えて覚えます。「酸黒・水赤・炭緑・アン白・塩黄・アセ茶」と略して口ずさむのも一つの方法です。

覚える塗色のルール

  • 容器の外面の見やすい箇所に、表面積の2分の1以上について、定められた色を塗る。
  • 「全部を塗る」ではありません——2分の1以上という数字がそのまま問われることがあります。

容器に書く表示

  • ガスの名称
  • 「燃」(可燃性ガス)/「毒」(毒性ガス)の文字
  • 充填者の氏名・住所など

覚えるアンモニアは「燃」も「毒」も

  • アンモニアは、可燃性ガスであり、かつ毒性ガスです。
  • したがって「燃」と「毒」の両方を表示します。
  • フロン類(不活性ガス)は、どちらも不要です。
  • 冷凍三種で出てくる冷媒の中では「アンモニアだけ両方」と覚えると迷いにくくなります。

用語可燃性ガス・毒性ガスとは?

可燃性ガスは、空気中で燃える濃さの幅(爆発下限界が10%以下、または上限と下限の差が20%以上)を持つガス。毒性ガスは、アンモニア・塩素・硫化水素など、人体に有毒なガスとして法令で定められたガスです。アンモニアは両方にあてはまります。

刻印──容器に打ち込まれた身分証

用語刻印とは?

刻印とは、容器の肩の部分などに打ち込まれた、消えない表示です。容器検査に合格した容器に、検査を行った者が刻印します。

  • 検査実施者の名称の符号
  • 容器製造業者の名称の符号
  • 充填すべきガスの種類(記号)
  • 容器の記号・番号
  • 内容積(記号 V、単位 L)
  • 容器の質量(記号 W、単位 kg)
  • 容器検査に合格した年月
  • 耐圧試験圧力(記号 TP、単位 MPa)
  • 最高充填圧力(記号 FP、単位 MPa) … 圧縮ガスの容器

覚える覚え方

記号は「V=内容積、W=質量、TP=耐圧試験圧力、FP=最高充填圧力」。TP(Test Pressure)とFP(Filling Pressure)と英語で考えると取り違えにくくなります。

覚える押さえておきたい組み合わせ

  • 「内容積はVで、単位はL」→正しい。
  • 「TPは最高充填圧力を表す」→誤り。TPは耐圧試験圧力です。
  • 刻印は容器検査に合格した容器に行う … 不合格のものには刻印しません。

容器検査と容器再検査

溶接容器などの再検査の間隔を年表で示した図。製造後20年未満は5年ごと、20年以上は2年ごと。継目なし容器は年数に関係なく5年ごと。
容器は古くなるほど検査の間隔が短くなります。
いつ 誰が
容器検査 容器を作ったとき(使用前) 経済産業大臣・協会・指定容器検査機関
容器再検査 一定の期間ごと 同上(または認定を受けた者)

覚える再検査の期間

  • 溶接容器など(製造後20年未満) … 5年ごと
  • 溶接容器など(製造後20年以上) … 2年ごと
  • 継目なし容器 … 経過年数にかかわらず5年ごと
  • → 溶接容器などは、古いほど短い間隔で検査する、という考え方です。

なぜ?なぜ古いほど頻繁に検査するのか?

金属は使ううちに疲れて弱くなるからです。腐食やへこみ、繰り返しの圧力で少しずつ傷んでいきます。新しいうちは丈夫でも、年数が経つほど「壊れる前に見つける」必要が高まる——だから間隔を短くします。

  • 附属品(バルブなど)にも検査がある … 附属品検査・附属品再検査。
  • 再検査に合格しなかった容器は、くず化などして使用できないようにする。

充填のルール

  • 刻印された種類以外のガスを充填してはいけない
  • 液化ガスは、質量で計って充填する(体積ではありません)
  • 最高充填質量を超えて充填してはいけない
  • 容器再検査の期間を過ぎた容器には充填できない

覚える覚え方

「液化ガスは重さで入れる」。液体は温度で膨らむので、体積で管理すると、温まったときにあふれます。質量なら温度が変わっても増えません——これが理由です。

試験ではこう出る

  • ①塗色 … 「液化アンモニアを充填する容器の外面は、ねずみ色に塗る」→誤り。白です。
  • ②表示 … 「アンモニアの容器には『燃』と『毒』の両方を表示する」→正しい。
  • ③刻印の記号 … 「TPは耐圧試験圧力を表す」→正しい。
  • ④塗色の面積 … 「表面積の2分の1以上について塗色する」→正しい。
  • ⑤再検査の期間 … 「製造後20年以上の容器は5年ごとに再検査を受ける」→誤り。2年ごと。

よくある質問

Q.フロンの容器が「ねずみ色」なのはなぜですか?

A.特別な色が決められていないガスは、すべてねずみ色とされているからです。酸素・水素・炭酸・アンモニア・塩素・アセチレンには個別の色がありますが、それ以外は一括して「その他のガス=ねずみ色」。フロン類はこの「その他」に入ります。

Q.刻印と表示は何が違うのですか?

A.刻印は打ち込んで消えないようにしたもの、表示は塗ったり貼ったりするものです。刻印は容器そのものの身分証(内容積・質量・試験圧力など)、表示はいま何が入っているか(ガスの名称・燃・毒)を知らせるためのもの、と役割が分かれています。

Q.容器を運ぶときにも決まりがありますか?

A.あります。転落・転倒を防ぐ、バルブを保護する、可燃性ガスと酸素を同じ車両に積まないなど、移動の基準が定められています。次の第26回で詳しく見ます。

まとめこのページのまとめ

  • 塗色は酸素=黒/水素=赤/炭酸=緑/アンモニア=白/塩素=黄/アセチレン=かっ色/その他(フロン)=ねずみ色
  • 表面積の2分の1以上を塗色する
  • アンモニアは「燃」と「毒」の両方を表示
  • 刻印の記号はV=内容積/W=質量/TP=耐圧試験圧力/FP=最高充填圧力
  • 再検査は溶接容器などで20年未満は5年ごと、20年以上は2年ごと(継目なし容器は5年ごと)
  • 液化ガスは質量で充填する

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