第3章 配管・材料・安全装置 | 第18回 | 学習カリキュラムの目次を見る

この記事でわかること

  • 耐圧試験・気密試験・真空試験の違いがわかります
  • やる順番と、それぞれの圧力がわかります
  • なぜ真空引きをするのかがわかります
  • 試運転で確認することがわかります

この分野は「順番」と「使う流体」が問われます。3つの試験を1つの流れとして覚えるのがコツです。

3つの試験を流れで覚える

耐圧試験・気密試験・真空試験の順番と使う流体の図
耐圧は液体、気密はガス。この使い分けと順番が試験で問われるポイントです。
耐圧試験・気密試験・真空試験
耐圧試験気密試験真空試験
目的壊れないか漏れないか水分と空気を抜く
使うもの水などの液体(原則)乾燥空気・窒素などのガス真空ポンプ
圧力設計圧力の1.5倍以上設計圧力以上真空(負圧)
いつ部品ごと・組立前組み立てたあと気密試験のあと

覚える覚え方

「壊れないか(水で1.5倍)→ 漏れないか(ガスで1倍)→ 抜く(真空)」。この順番は試験でも問われます。耐圧は液体、気密はガスという使い分けも、あわせて押さえておきましょう。

耐圧試験──壊れないかを確かめる

用語耐圧試験とは?

耐圧試験とは、設計圧力の1.5倍以上の圧力をかけて、容器や部品が変形・破壊しないかを確かめる試験です。

なぜ?なぜ水(液体)を使うのか

  • 液体はほとんど縮まないからです。
  • もし破裂しても、蓄えられたエネルギーが小さく、被害が小さくてすみます。
  • ガスで高い圧力をかけると、破裂したときに爆発と同じことが起きます。
  • → やむを得ずガスで行う場合は、設計圧力の1.25倍以上と、水より低い倍率になります。

例簡単なたとえ

ペットボトルに水をいっぱいに入れて割るのと、空気を詰めて割るのを想像してください。水なら「パシャッ」で終わりますが、空気だと「バン!」と破片が飛びます。気体は圧縮されてエネルギーをため込むからです。だから耐圧試験は液体で行います。

気密試験──漏れないかを確かめる

用語気密試験とは?

気密試験とは、設計圧力以上のガス圧をかけて、つなぎ目から漏れがないかを確かめる試験です。組み立てたあとに行います。

  • 使うガスは、乾燥空気・窒素・炭酸ガス(ただしアンモニアの装置に炭酸ガスは使わない)
  • 酸素・毒性ガス・可燃性ガスは使わない … 酸素は油と反応して発火する危険があります
  • 石けん水を塗って、泡が出るかを見る
  • 圧力計の指示が下がらないかを見る

注意ありがちな引っかけ

  • 「気密試験は水を用いて行う」→誤り。ガスで行います。
  • 「気密試験に酸素を使ってよい」→誤り。絶対に使いません。
  • 「気密試験は耐圧試験の前に行う」→誤り。耐圧 → 気密の順です。

真空試験(真空放置試験)

用語真空試験とは?

真空試験とは、装置の中を真空ポンプで引いて、そのまま放置し、圧力が上がってこないかを見る試験です。微細な漏れを見つけられます。

覚える真空引きの目的は3つ

  • ①水分を取り除く … 真空にすると水は低い温度でも蒸発するので、装置の中の水分を気化させて抜けます(第8回の「圧力が下がると沸点が下がる」)。
  • ②空気(不凝縮ガス)を取り除く … 残っていると凝縮圧力が上がります(第9回)。
  • ③微細な漏れを確認する
  • 真空放置は、数時間〜十数時間かける
  • 圧力が上がってきたら、漏れがあるか、水分が残っている
  • 真空計(連成計=大気圧より高い圧力と低い圧力の両方を測る計器、ではなく真空用のもの)で確認する
  • 真空引きで漏れ箇所を特定することはできない … 「あるかないか」しか分かりません

覚える覚え方

「真空引きは、水と空気を抜くため」。漏れの発見は補助的な役割で、場所までは分かりません。ここが気密試験(石けん水で場所が分かる)との違いです。

冷媒の充填

  • 真空試験のあとに充填する
  • 液で入れるか、ガスで入れるかは装置による
  • 規定量を守る … 入れすぎると凝縮圧力が上がり、少なすぎると吐出温度が上がります
  • 容器の質量の変化で量を管理する

据付けで気をつけること

  • 点検・修理のためのスペースを確保する
  • 振動が伝わらないように防振する
  • 圧縮機は水平に据え付ける
  • 凝縮器(空冷)は、風が抜ける場所に置く … 吹き出した熱い風をまた吸い込む(ショートサーキット)と能力が落ちます
  • 可燃性・毒性ガスの装置には、換気設備とガス検知警報設備

試運転で確認すること

  • 吸込み圧力・吐出し圧力が適正か
  • 過熱度(蒸発器を出た冷媒ガスの温度が、蒸発温度より何度高いか)が適正か(3〜8℃)
  • 油面・油圧が正常か
  • 異常な音・振動がないか
  • 安全装置が正しく働くか
  • 電流値が定格の範囲内か

試験ではこう出る

  • ①順番 … 「耐圧試験 → 気密試験 → 真空試験の順に行う」→正しい。
  • ②耐圧試験の流体 … 「耐圧試験は原則として液体を用いて行う」→正しい。
  • ③圧力 … 「気密試験の圧力は、設計圧力の1.5倍以上とする」→誤り。設計圧力以上です。
  • ④酸素 … 「気密試験に酸素を使用してもよい」→誤り。
  • ⑤真空試験 … 「真空試験では、漏れの箇所を特定できる」→誤り。

よくある質問

Q.耐圧試験は現場でもやるのですか?

A.一般的には工場で、部品ごとに行います。容器や部品が製造されたときにメーカーが実施して、記録を残します。現場で組み立てたあとに行うのは気密試験と真空試験です。「耐圧は組立前、気密は組立後」と覚えてください。

Q.真空ポンプで、どれくらいまで引くのですか?

A.数百Pa(パスカル)程度まで引くのが目安です。大気圧が約101,300Paなので、数百分の1程度まで減らすことになります。ここまで引くと常温でも水が蒸発するので、装置内の水分を追い出せます。

Q.冷媒を入れすぎたら、抜けばいいのではないですか?

A.簡単には抜けません。大気に放出することは禁止されているので(第26回)、回収装置を使って専用の容器に回収する必要があります。手間も費用もかかるので、最初から規定量を正確に入れることが大切です。

まとめこのページのまとめ

  • 耐圧試験(液体・設計圧力の1.5倍以上)→ 気密試験(ガス・設計圧力以上)→ 真空試験の順
  • 耐圧は液体(破裂したときの被害が小さいから)
  • 気密は乾燥空気・窒素など。酸素は使わない
  • 真空引きの目的は、水分と空気を抜くこと
  • 真空試験では漏れの箇所は特定できない
  • 据付けは点検スペース・防振・水平・風の通り

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第18回はここまでです。おつかれさまでした。続きは目次から進んでください。

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