耐圧試験・気密試験・真空試験|順番と使う流体【冷凍三種】
この記事でわかること
- 耐圧試験・気密試験・真空試験の違いがわかります
- やる順番と、それぞれの圧力がわかります
- なぜ真空引きをするのかがわかります
- 試運転で確認することがわかります
この分野は「順番」と「使う流体」が問われます。3つの試験を1つの流れとして覚えるのがコツです。
3つの試験を流れで覚える


覚える覚え方
「壊れないか(水で1.5倍)→ 漏れないか(ガスで1倍)→ 抜く(真空)」。この順番は試験でも問われます。耐圧は液体、気密はガスという使い分けも、あわせて押さえておきましょう。
耐圧試験──壊れないかを確かめる
用語耐圧試験とは?
耐圧試験とは、設計圧力の1.5倍以上の圧力をかけて、容器や部品が変形・破壊しないかを確かめる試験です。
なぜ?なぜ水(液体)を使うのか
- 液体はほとんど縮まないからです。
- もし破裂しても、蓄えられたエネルギーが小さく、被害が小さくてすみます。
- ガスで高い圧力をかけると、破裂したときに爆発と同じことが起きます。
- → やむを得ずガスで行う場合は、設計圧力の1.25倍以上と、水より低い倍率になります。
例簡単なたとえ
ペットボトルに水をいっぱいに入れて割るのと、空気を詰めて割るのを想像してください。水なら「パシャッ」で終わりますが、空気だと「バン!」と破片が飛びます。気体は圧縮されてエネルギーをため込むからです。だから耐圧試験は液体で行います。
気密試験──漏れないかを確かめる
用語気密試験とは?
気密試験とは、設計圧力以上のガス圧をかけて、つなぎ目から漏れがないかを確かめる試験です。組み立てたあとに行います。
- 使うガスは、乾燥空気・窒素・炭酸ガス(ただしアンモニアの装置に炭酸ガスは使わない)
- 酸素・毒性ガス・可燃性ガスは使わない … 酸素は油と反応して発火する危険があります
- 石けん水を塗って、泡が出るかを見る
- 圧力計の指示が下がらないかを見る
注意ありがちな引っかけ
- 「気密試験は水を用いて行う」→誤り。ガスで行います。
- 「気密試験に酸素を使ってよい」→誤り。絶対に使いません。
- 「気密試験は耐圧試験の前に行う」→誤り。耐圧 → 気密の順です。
真空試験(真空放置試験)
用語真空試験とは?
真空試験とは、装置の中を真空ポンプで引いて、そのまま放置し、圧力が上がってこないかを見る試験です。微細な漏れを見つけられます。
覚える真空引きの目的は3つ
- ①水分を取り除く … 真空にすると水は低い温度でも蒸発するので、装置の中の水分を気化させて抜けます(第8回の「圧力が下がると沸点が下がる」)。
- ②空気(不凝縮ガス)を取り除く … 残っていると凝縮圧力が上がります(第9回)。
- ③微細な漏れを確認する
- 真空放置は、数時間〜十数時間かける
- 圧力が上がってきたら、漏れがあるか、水分が残っている
- 真空計(連成計=大気圧より高い圧力と低い圧力の両方を測る計器、ではなく真空用のもの)で確認する
- 真空引きで漏れ箇所を特定することはできない … 「あるかないか」しか分かりません
覚える覚え方
「真空引きは、水と空気を抜くため」。漏れの発見は補助的な役割で、場所までは分かりません。ここが気密試験(石けん水で場所が分かる)との違いです。
冷媒の充填
- 真空試験のあとに充填する
- 液で入れるか、ガスで入れるかは装置による
- 規定量を守る … 入れすぎると凝縮圧力が上がり、少なすぎると吐出温度が上がります
- 容器の質量の変化で量を管理する
据付けで気をつけること
- 点検・修理のためのスペースを確保する
- 振動が伝わらないように防振する
- 圧縮機は水平に据え付ける
- 凝縮器(空冷)は、風が抜ける場所に置く … 吹き出した熱い風をまた吸い込む(ショートサーキット)と能力が落ちます
- 可燃性・毒性ガスの装置には、換気設備とガス検知警報設備
試運転で確認すること
- 吸込み圧力・吐出し圧力が適正か
- 過熱度(蒸発器を出た冷媒ガスの温度が、蒸発温度より何度高いか)が適正か(3〜8℃)
- 油面・油圧が正常か
- 異常な音・振動がないか
- 安全装置が正しく働くか
- 電流値が定格の範囲内か
試験ではこう出る
- ①順番 … 「耐圧試験 → 気密試験 → 真空試験の順に行う」→正しい。
- ②耐圧試験の流体 … 「耐圧試験は原則として液体を用いて行う」→正しい。
- ③圧力 … 「気密試験の圧力は、設計圧力の1.5倍以上とする」→誤り。設計圧力以上です。
- ④酸素 … 「気密試験に酸素を使用してもよい」→誤り。
- ⑤真空試験 … 「真空試験では、漏れの箇所を特定できる」→誤り。
よくある質問
Q.耐圧試験は現場でもやるのですか?
A.一般的には工場で、部品ごとに行います。容器や部品が製造されたときにメーカーが実施して、記録を残します。現場で組み立てたあとに行うのは気密試験と真空試験です。「耐圧は組立前、気密は組立後」と覚えてください。
Q.真空ポンプで、どれくらいまで引くのですか?
A.数百Pa(パスカル)程度まで引くのが目安です。大気圧が約101,300Paなので、数百分の1程度まで減らすことになります。ここまで引くと常温でも水が蒸発するので、装置内の水分を追い出せます。
Q.冷媒を入れすぎたら、抜けばいいのではないですか?
A.簡単には抜けません。大気に放出することは禁止されているので(第26回)、回収装置を使って専用の容器に回収する必要があります。手間も費用もかかるので、最初から規定量を正確に入れることが大切です。
まとめこのページのまとめ
- 耐圧試験(液体・設計圧力の1.5倍以上)→ 気密試験(ガス・設計圧力以上)→ 真空試験の順
- 耐圧は液体(破裂したときの被害が小さいから)
- 気密は乾燥空気・窒素など。酸素は使わない
- 真空引きの目的は、水分と空気を抜くこと
- 真空試験では漏れの箇所は特定できない
- 据付けは点検スペース・防振・水平・風の通り
費用はいくらかかる? 講座は必要?
冷凍三種はお金のかけどころがはっきりしている試験です。国家試験の前に受けられる公式の講習を使うと、本番が2科目から法令1科目だけになります。免除を持つ人の合格率は87.9%、2科目受験の人は45.0%(令和7年度)。講習・独学・通信講座の費用を、実際の金額で並べました。
第18回はここまでです。おつかれさまでした。続きは目次から進んでください。
