この記事でわかること
令和元年度・1級管工事施工管理技士「1次検定 A㉛〜㊹」の問題と、初学者にもわかるやさしい解説です。出題分野は、排水・通気・消火・ガス・浄化槽・ポンプ・冷却塔・空気調和機・配管材料・ダクト・契約約款などです。
問31
分野:排水・通気重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)器具排水負荷単位法により
通気管径を算定する場合の通気管長さは、通気管の実長に局部損失相当長を加算する。
(2)結合通気管の管径は、通気立て管と排水立て管のうち、いずれか小さい方の管径以上とする。
(3)建物の階層が多い場合の最下階の排水横枝管は、排水立て管に接続せず、単独で排水桝に接続する。
(4)排水立て管に45度を超えるオフセットを設ける場合、オフセットの上部及び下部600mm以内には排水横枝管を接続しない。
答え・解説を見る
排水・通気の設計に関する問題です。通気管長さの考え方や、立て管まわりのルールを押さえましょう。
❌(1)器具排水負荷単位法により通気管径を算定する場合の通気管長さは、通気管の実長に局部損失相当長を加算する。
「局部損失相当長を加算する」が誤りです。通気管の長さは、実際の管の長さ(実長)をそのまま用います。
局部損失相当長とは?
曲がりや継手による抵抗を、「まっすぐな管が何mぶんに相当するか」に換算した長さです。ポンプの摩擦損失計算などで使います。
局部損失相当長を足すのはポンプの摩擦損失計算などの話で、通気管長さには加えません。別の計算の考え方を持ちこませる取り違えのひっかけです。
⭕(2)結合通気管の管径は、通気立て管と排水立て管のうち、いずれか小さい方の管径以上とする。
正しい記述です。結合通気管の管径は、通気立て管と排水立て管のうち小さいほうの管径以上とします。
高層建物で排水立て管と通気立て管をつなぎ、圧力変動をやわらげる管です。問題文は正しい内容です。
⭕(3)建物の階層が多い場合の最下階の排水横枝管は、排水立て管に接続せず、単独で排水桝に接続する。
正しい記述です。階層が多い建物の最下階の排水横枝管は、立て管に接続せず単独で排水桝へつなぎます。
最下階は、上の階から落ちてくる排水の圧力(はね返り)の影響を受けやすいためです。別系統にして逆流や封水切れを防ぎます。問題文は正しい内容です。
⭕(4)排水立て管に45度を超えるオフセットを設ける場合、オフセットの上部及び下部600mm以内には排水横枝管を接続しない。
正しい記述です。45度を超えるオフセットの上下600mm以内には排水横枝管を接続しません。
オフセットとは?
排水立て管の途中で横にずらして配管する部分のことです。ここでは流れが乱れて圧力変動が起きやすくなります。
オフセット付近は流れが乱れて圧力が不安定なので、横枝管をつなぐと封水が切れるおそれがあります。だから一定の距離をあけます。問題文は正しい内容です。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)です。通気管長さは実長をそのまま使い、局部損失相当長は加えません(それはポンプの摩擦損失計算の考え方)。
問32
分野:排水・通気重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)通気立て管の上部は、管径を縮小せずに延長し、大気に開放する。
(2)トラップ桝は、50〜100mmの封水深を確保できるものとする。
(3)管径150mmの排水横主管には、掃除口を30mごとに取り付ける。
(4)特殊継手排水システムには、排水横枝管の流れを排水立て管内に円滑に流入させ、排水立て管内の流速を高める効果がある。
答え・解説を見る
排水・通気の細部に関する問題です。通気立て管・トラップ桝・掃除口・特殊継手排水システムを押さえましょう。
⭕(1)通気立て管の上部は、管径を縮小せずに延長し、大気に開放する。
正しい記述です。通気立て管の上部は管径を縮小せずに延長し、大気に開放します。
細くすると空気の流れがさまたげられ、通気の働きが弱まるためです。問題文は正しい内容です。
⭕(2)トラップ桝は、50〜100mmの封水深を確保できるものとする。
⭕(3)管径150mmの排水横主管には、掃除口を30mごとに取り付ける。
正しい記述です。管径150mmの排水横主管には、掃除口を30mごとに取り付けます。
詰まったときに掃除できるよう、一定間隔で掃除口を設けます。太い管(100mm超)は30mごと、細い管はより短い間隔です。問題文は正しい内容です。
❌(4)特殊継手排水システムには、排水横枝管の流れを排水立て管内に円滑に流入させ、排水立て管内の流速を高める効果がある。
「流速を高める効果」が誤りです。正しくは、特殊継手排水システムは立て管内の流速を抑える(減勢する)効果があります。
立て管との接続部に特殊な継手を使い、旋回流をつくって水の落下速度を抑えます。速度を抑えて立て管の中央に空気の通り道を確保することで通気を助けるしくみです。「高める」と逆に書いたひっかけです。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(4)です。特殊継手排水システムは、旋回流で立て管内の流速を抑え、空気の通り道を確保するしくみです(高めるのではない)。
問33
分野:排水槽・ポンプ重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)汚物ポンプは、固形物を多く含んだ水を排水するため、それに適したノンクロッグ形ポンプ、ボルテックス形ポンプ等を用いる。
(2)排水ポンプの排水量は、排水量が一定に近い場合、毎時平均排水量の1.2〜1.5倍とする。
(3)ブランチ間隔10以上を持つ排水立て管は、最上階から数えてブランチ間隔10以内に結合通気管を設ける。
(4)飲料用貯水タンクに設ける管径50mmの間接排水管の排水口空間は、最小100mmとする。
答え・解説を見る
排水ポンプ・排水槽・間接排水に関する問題です。ポンプの種類や排水量、排水口空間の数値を押さえましょう。
⭕(1)汚物ポンプは、固形物を多く含んだ水を排水するため、それに適したノンクロッグ形ポンプ、ボルテックス形ポンプ等を用いる。
正しい記述です。固形物を多く含む汚水には、詰まりにくいノンクロッグ形やボルテックス形のポンプを使います。
ノンクロッグ(詰まらない)形などは、固形物が羽根に絡まりにくい構造になっています。問題文は正しい内容です。
⭕(2)排水ポンプの排水量は、排水量が一定に近い場合、毎時平均排水量の1.2〜1.5倍とする。
正しい記述です。排水量が一定に近い場合、排水ポンプの能力は毎時平均排水量の1.2〜1.5倍とします。
多少の変動に対応できるよう、平均より少し余裕をもたせます。問題文は正しい内容です。
⭕(3)ブランチ間隔10以上を持つ排水立て管は、最上階から数えてブランチ間隔10以内に結合通気管を設ける。
正しい記述です。ブランチ間隔10以上の立て管は、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに結合通気管を設けます。
高層の立て管では圧力変動が大きくなるため、結合通気管で立て管と通気立て管をつないで圧力をやわらげます。問題文は正しい内容です。
❌(4)飲料用貯水タンクに設ける管径50mmの間接排水管の排水口空間は、最小100mmとする。
「最小100mm」が誤りです。飲料用貯水タンクの間接排水管の排水口空間は、管径にかかわらず最小150mmとします。
排水口空間とは?
間接排水で、排水管の口と受け側との間にあける大気にあいたすき間です。下水からの逆流を防ぎ、飲み水を守ります。
飲料用は汚れの逆流を絶対に避けたいので、一般の間接排水(管径65mm以上で100mm)より厳しく最小150mmとします。100mmは一般用の値で、数字を取り違えたひっかけです。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(4)です。飲料用貯水タンクの間接排水管の排水口空間は、管径によらず最小150mmです(100mmは一般用)。
問34
分野:消火設備重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)局所放出方式の不活性ガス消火設備は、常時人がいるおそれのある部分に設けることができる。
(2)不活性ガス消火設備を設置する防護区画には、その放出された消火剤及び燃焼ガスを安全な場所に排出するための措置を講ずる。
(3)不活性ガス消火設備を設置する防護区画が2以上あり、貯蔵容器を共用する場合は、防護区画ごとに選択弁を設けなければならない。
(4)全域放出方式又は局所放出方式に附置する非常電源は、当該設備を有効に1時間作動できる容量以上とする。
答え・解説を見る
不活性ガス消火設備に関する問題です。人がいる場所に使えるか、排出措置・選択弁・非常電源などを押さえましょう。
❌(1)局所放出方式の不活性ガス消火設備は、常時人がいるおそれのある部分に設けることができる。
「常時人がいるおそれのある部分に設けることができる」が誤りです。不活性ガス消火は、常時人がいるおそれのある部分には設けられません。
不活性ガス消火は酸素を減らして火を消すしくみなので、人がいると窒息の危険があります。局所放出方式でも常時人がいる場所には設置できません。「設けることができる」と逆に書いたひっかけです。
⭕(2)不活性ガス消火設備を設置する防護区画には、その放出された消火剤及び燃焼ガスを安全な場所に排出するための措置を講ずる。
正しい記述です。放出した消火剤や燃焼ガスを安全な場所へ排出する措置を設けます。
消火後にガスがこもったままだと危険なので、安全に排出できるようにします。問題文は正しい内容です。
⭕(3)不活性ガス消火設備を設置する防護区画が2以上あり、貯蔵容器を共用する場合は、防護区画ごとに選択弁を設けなければならない。
正しい記述です。容器を共用する場合は、防護区画ごとに選択弁を設けます。
火が出た区画にだけガスを送り、関係ない区画に流さないためです。問題文は正しい内容です。
⭕(4)全域放出方式又は局所放出方式に附置する非常電源は、当該設備を有効に1時間作動できる容量以上とする。
正しい記述です。非常電源は、設備を有効に1時間作動できる容量以上とします。
停電時でも確実に消火できるよう、十分な容量の非常電源を確保します。問題文は正しい内容です。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)です。不活性ガス消火は酸素を減らすため、常時人がいるおそれのある部分には設けられない点がひっかけです。
問35
分野:ガス設備重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)都市ガスの種類A・B・Cにおける燃焼速度は、Aが最も速くB・Cの順で遅くなる。
(2)液化天然ガスには、通常、一酸化炭素は含まれていない。
(3)都市ガスのガス漏れ警報器は、天井面が0.6m以上の梁等により区画されている場合は、燃焼器等側に設置する。
(4)液化石油ガス設備士でなければ、液化石油ガス配管の気密試験の作業に従事できない。
答え・解説を見る
ガス設備に関する問題です。都市ガスの燃焼速度・LNGの成分・警報器の位置・資格などを押さえましょう。
❌(1)都市ガスの種類A・B・Cにおける燃焼速度は、Aが最も速くB・Cの順で遅くなる。
「Aが最も速く」が誤りです。燃焼速度の区分はAが最も遅く、C側へ行くほど速くなります(A<B<C)。
燃焼速度の記号A・B・Cとは?
都市ガスを燃焼速度で分けた区分です。Aが遅く、B、Cの順に速くなります。器具はガスの種類に合ったものを使う必要があります。
速い・遅いを逆にしたひっかけです。A<B<Cの順で速くなると覚えましょう。
⭕(2)液化天然ガスには、通常、一酸化炭素は含まれていない。
正しい記述です。液化天然ガス(LNG)には、通常一酸化炭素は含まれていません。
LNGの主成分はメタンで、有毒な一酸化炭素は含みません。問題文は正しい内容です。
⭕(3)都市ガスのガス漏れ警報器は、天井面が0.6m以上の梁等により区画されている場合は、燃焼器等側に設置する。
正しい記述です。0.6m以上の梁で区画されている場合は、燃焼器等のある側に警報器を設置します。
都市ガス(空気より軽い)は天井付近にたまるため、梁で区切られると漏れたガスがそちら側にたまります。だから燃焼器側に設けます。問題文は正しい内容です。
⭕(4)液化石油ガス設備士でなければ、液化石油ガス配管の気密試験の作業に従事できない。
正しい記述です。LPガス配管の気密試験などは、液化石油ガス設備士でなければ従事できません。
ガス漏れは重大事故につながるため、資格者に限定されています。問題文は正しい内容です。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)です。都市ガスの燃焼速度はA<B<Cの順で速くなる(Aが最も遅い)点がひっかけです。
問36
分野:浄化槽(人員算定)重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)事務所の処理対象人員は、延べ面積に、業務用厨房設備の有無により異なる定数を乗じて算定する。
(2)病院の処理対象人員は、ベッド数を用いて算定する。
(3)飲食店の処理対象人員は、延べ面積に定数を乗じて算定する。
(4)戸建て住宅の処理対象人員は、住宅の延べ面積により5人又は6人に区分される。
答え・解説を見る
浄化槽の処理対象人員の算定に関する問題です。建物の種類ごとの算定方法と、戸建て住宅の区分を押さえましょう。
処理対象人員とは?
浄化槽の大きさを決めるための、その建物が出す汚水を人数に置きかえた値です。建物の用途ごとに、延べ面積やベッド数などから算定します。
⭕(1)事務所の処理対象人員は、延べ面積に、業務用厨房設備の有無により異なる定数を乗じて算定する。
正しい記述です。事務所は、延べ面積に業務用厨房の有無で異なる定数を掛けて算定します。
厨房があると汚れた水が増えるため、定数が変わります。問題文は正しい内容です。
⭕(2)病院の処理対象人員は、ベッド数を用いて算定する。
正しい記述です。病院はベッド数を用いて処理対象人員を算定します。
入院患者数の目安となるベッド数が、汚水量とよく対応するためです。問題文は正しい内容です。
⭕(3)飲食店の処理対象人員は、延べ面積に定数を乗じて算定する。
正しい記述です。飲食店は延べ面積に定数を掛けて算定します。
店の広さが利用者数・汚水量の目安になるためです。問題文は正しい内容です。
❌(4)戸建て住宅の処理対象人員は、住宅の延べ面積により5人又は6人に区分される。
「5人又は6人」が誤りです。正しくは、戸建て住宅は延べ面積130㎡以下で5人、130㎡を超えると7人に区分されます。
「6人」が誤りで、正しくは7人です。数字を取り違えたひっかけです。「130㎡を境に5人/7人」と覚えましょう。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(4)です。戸建て住宅は130㎡以下で5人、超えると7人に区分されます(6人ではない)。
問37
合併処理浄化槽において、流入水が下表のとおりで、BOD除去率が95%の場合、放流水のBOD濃度として、適当なものはどれか。
| 排水の種類 | 水量[m³/日] | BOD濃度[mg/L] |
|---|
| 汚水 | 50 | 260 |
| 雑排水 | 200 | 180 |
(1)6.2 mg/L
(2)9.8 mg/L
(3)13.5 mg/L
(4)18.7 mg/L
答え・解説を見る
合併処理浄化槽の放流水のBOD濃度を求める計算問題です。「全体の平均BOD濃度を出してから、除去されずに残る割合をかける」のが手順です。
BOD・BOD除去率とは?
BOD(生物化学的酸素要求量)は、水の汚れ(有機物の量)を表す指標です。BOD除去率は、入ってきたBODのうち浄化槽で取り除けた割合で、残りが放流されます。
解き方の手順(汚水:50m³/日・260mg/L/雑排水:200m³/日・180mg/L)
①流入するBODの総量:汚水50×260=13,000、雑排水200×180=36,000、合計=49,000
②全体の水量:50+200=250m³/日
③流入水の平均BOD濃度:49,000 ÷ 250=196mg/L
④除去率95%→残り5%が放流:196 ×(1−0.95)=196×0.05=9.8mg/L
ポイントは、水量がちがう2種類の排水を「総BOD量 ÷ 総水量」で平均濃度に直すこと。あとは残る5%を掛けるだけです。よって答えは(2)9.8mg/Lです。
この問題のまとめ
流入水の平均BOD=49,000÷250=196mg/L。除去率95%なので残り5%の196×0.05=9.8mg/Lが放流水のBOD濃度です。
問38
分野:ポンプ重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)キャビテーションは、ポンプの羽根車入口部等で局部的に生じる場合があり、騒音や振動の原因となる。
(2)同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを直列運転して得られる揚程は、ポンプを単独運転した場合の揚程の2倍より小さくなる。
(3)同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを並列運転して得られる吐出量は、ポンプを単独運転した場合の吐出量の2倍になる。
(4)ポンプの軸動力は回転速度の3乗に比例し、揚程は回転速度の2乗に比例する。
答え・解説を見る
ポンプに関する問題です。キャビテーション・直列/並列運転・相似則(回転速度との関係)を押さえましょう。
⭕(1)キャビテーションは、ポンプの羽根車入口部等で局部的に生じる場合があり、騒音や振動の原因となる。
⭕(2)同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを直列運転して得られる揚程は、ポンプを単独運転した場合の揚程の2倍より小さくなる。
正しい記述です。直列運転で得られる揚程は、単独運転の2倍より小さくなります。
揚程が上がると流量も増え、それにつれて管路の抵抗も増えるためです。単純な2倍にはなりません。問題文は正しい内容です。
❌(3)同一配管系で、同じ特性の2台のポンプを並列運転して得られる吐出量は、ポンプを単独運転した場合の吐出量の2倍になる。
「2倍になる」が誤りです。正しくは、並列運転の吐出量は単独運転の2倍より小さくなります。
並列で流量が増えると、管路の抵抗(流れにくさ)も増えるため、ちょうど2倍までは出ません。直列(揚程)も並列(吐出量)も「2倍より小さい」と覚えましょう。「ちょうど2倍」と言い切ったひっかけです。
⭕(4)ポンプの軸動力は回転速度の3乗に比例し、揚程は回転速度の2乗に比例する。
正しい記述です。ポンプの相似則で、軸動力は回転速度の3乗、揚程は2乗、吐出量は1乗に比例します。
回転を少し下げるだけで動力が大きく下がる(3乗)ため、インバータ制御が省エネに有効です。問題文は正しい内容です。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(3)です。並列運転の吐出量は管路抵抗が増えるため単独の2倍より小さくなる(ちょうど2倍ではない)点がひっかけです。
問39
分野:冷却塔重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)密閉式冷却塔は、熱交換器などの空気抵抗が大きく、開放式冷却塔に比べて送風機動力が大きくなる。
(2)開放式冷却塔で使用される送風機には、風量が大きく静圧が小さい軸流送風機が使用される。
(3)冷却塔の微小水滴が、気流によって塔外へ飛散することをキャリーオーバーという。
(4)冷却塔の冷却水入口温度と出口温度の差をアプローチという。
答え・解説を見る
冷却塔に関する問題です。開放式と密閉式の違い、キャリーオーバー、用語(クーリングレンジとアプローチ)を押さえましょう。
⭕(1)密閉式冷却塔は、熱交換器などの空気抵抗が大きく、開放式冷却塔に比べて送風機動力が大きくなる。
正しい記述です。密閉式は熱交換器をもち空気抵抗が大きいため、開放式より送風機動力が大きくなります。
密閉式は冷却水を空気に直接触れさせず熱交換器を介すので、そのぶん抵抗が増えます。問題文は正しい内容です。
⭕(2)開放式冷却塔で使用される送風機には、風量が大きく静圧が小さい軸流送風機が使用される。
正しい記述です。開放式には、風量が大きく静圧が小さい軸流送風機が使われます。
開放式は空気抵抗が小さいため、大量の空気を低い静圧で送れる軸流送風機が向きます。問題文は正しい内容です。
⭕(3)冷却塔の微小水滴が、気流によって塔外へ飛散することをキャリーオーバーという。
正しい記述です。冷却塔の微小水滴が気流で塔外へ飛び出すことをキャリーオーバーといいます。
飛散した水滴は水の損失や周囲への影響になるため、エリミネータ(水滴除去板)で抑えます。問題文は正しい内容です。
❌(4)冷却塔の冷却水入口温度と出口温度の差をアプローチという。
「入口温度と出口温度の差をアプローチ」が誤りです。冷却水の入口温度と出口温度の差はクーリングレンジ(冷却幅)です。
クーリングレンジとアプローチとは?
クーリングレンジ=冷却水の入口温度−出口温度(冷やせた幅)。アプローチ=冷却水の出口温度−入口空気の湿球温度(理論限界までの近さ)。
2つの用語を取り違えたひっかけです。「水の温度差=レンジ」「水と湿球の差=アプローチ」と整理しましょう。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(4)です。冷却水の入口温度と出口温度の差はクーリングレンジで、アプローチ(出口水温と入口空気の湿球温度の差)ではありません。
問40
分野:空調機重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)スクロールダンパ方式では、回転操作ハンドルにより送風機ケーシングのスクロールの形状を変えて送風特性を変化させる。
(2)冷却コイルは、供給冷水温度は通常5〜7℃、コイル面通過風速は2.5m/s前後で選定される。
(3)デシカント除湿ローターは、高温の排気と外気とを熱交換する際に外気の湿度を除去する。
(4)加熱コイルには温水コイルと蒸気コイルがあり、温水コイル、蒸気コイルとも冷却コイルと兼用することができる。
答え・解説を見る
空調機(エアハンドリングユニット)の構成に関する問題です。ダンパ・冷却コイル・デシカント・加熱コイルを押さえましょう。
⭕(1)スクロールダンパ方式では、回転操作ハンドルにより送風機ケーシングのスクロールの形状を変えて送風特性を変化させる。
正しい記述です。スクロールダンパ方式は、ケーシングのスクロール形状を変えて送風特性を変える方式です。
風量調整の一手法で、ハンドル操作で送風の特性を変えられます。問題文は正しい内容です。
⭕(2)冷却コイルは、供給冷水温度は通常5〜7℃、コイル面通過風速は2.5m/s前後で選定される。
正しい記述です。冷却コイルは、冷水温度5〜7℃、面通過風速2.5m/s前後で選定します。
風速が速すぎると結露水が飛散(キャリーオーバー)するため、2.5m/s前後が目安です。問題文は正しい内容です。
⭕(3)デシカント除湿ローターは、高温の排気と外気とを熱交換する際に外気の湿度を除去する。
正しい記述です。デシカント除湿ローターは、吸湿材で外気の湿気を除去し、高温の排気でローターを再生(乾燥)させます。
デシカントとは?
湿気を吸う乾燥剤(吸湿材)のことです。ローターに塗って回転させ、外気の除湿と、排気熱による再生を連続して行います。
温度を下げずに湿気だけを取れるため、潜熱処理に有効です。問題文は正しい内容です。
❌(4)加熱コイルには温水コイルと蒸気コイルがあり、温水コイル、蒸気コイルとも冷却コイルと兼用することができる。
「温水コイル、蒸気コイルとも兼用できる」が誤りです。冷却コイルと兼用できるのは温水コイルだけです。
温水コイルは、流す水を冷水と温水で切りかえれば冷却にも使えます。しかし蒸気コイルは蒸気専用で、冷水を流す冷却コイルとしては使えません。「蒸気コイルも兼用できる」としたひっかけです。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(4)です。冷却コイルと兼用できるのは温水コイルだけで、蒸気コイルは兼用できない点がひっかけです。
問41
分野:配管材料重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)圧力配管用炭素鋼鋼管は、350℃程度以下の蒸気や高温水などの圧力の高い配管に使用される。
(2)配管用炭素鋼鋼管の使用に適した流体の温度は、−15〜350℃程度である。
(3)硬質ポリ塩化ビニル管(VP)の設計圧力の上限は、1.0MPaである。
(4)水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管の使用に適した流体の温度は、60℃以下である。
答え・解説を見る
配管材料に関する問題です。各種鋼管・塩ビ管の使用温度や圧力の上限を押さえましょう。
⭕(1)圧力配管用炭素鋼鋼管は、350℃程度以下の蒸気や高温水などの圧力の高い配管に使用される。
正しい記述です。圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG)は、350℃程度以下の蒸気や高温水など圧力の高い配管に使われます。
一般配管用より高い圧力・温度に耐えられる管です。問題文は正しい内容です。
⭕(2)配管用炭素鋼鋼管の使用に適した流体の温度は、−15〜350℃程度である。
正しい記述です。配管用炭素鋼鋼管(SGP)の適した流体温度は−15〜350℃程度です。
いわゆる「ガス管」と呼ばれる一般的な鋼管の使用範囲です。問題文は正しい内容です。
⭕(3)硬質ポリ塩化ビニル管(VP)の設計圧力の上限は、1.0MPaである。
正しい記述です。硬質ポリ塩化ビニル管(VP)の設計圧力の上限は1.0MPaです。
金属管より圧力に弱いため、上限が決められています。問題文は正しい内容です。
❌(4)水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管の使用に適した流体の温度は、60℃以下である。
「60℃以下」が誤りです。正しくは、適した流体温度は40℃以下です。
塩ビライニング鋼管とは?
鋼管の内面に硬質塩化ビニル(塩ビ)を貼って、さびを防いだ管です。内面の塩ビが熱に弱いため、高温の流体には向きません。
内面の塩ビが熱に弱いため、適温は40℃以下です。60℃は高すぎる、と数字を大きくしたひっかけです。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(4)です。水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管の適した流体温度は40℃以下です(60℃は高すぎ)。
問42
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)低圧ダクトと高圧ダクトは、通常運転時におけるダクト内圧が正圧、負圧ともに300Paで区分される。
(2)定風量ユニット(CAV)は、上流側の圧力が変動する場合でも、風量を一定に保つ機能を持っている。
(3)変風量ユニット(VAV)は、外部からの制御信号により風量を変化させる機能を持っている。
(4)材料、断面積、風量が同じ場合、円形ダクトの方が長方形ダクトより単位摩擦抵抗が小さい。
答え・解説を見る
ダクトに関する問題です。低圧/高圧ダクトの区分、CAV/VAVユニット、円形ダクトの特性を押さえましょう。
❌(1)低圧ダクトと高圧ダクトは、通常運転時におけるダクト内圧が正圧、負圧ともに300Paで区分される。
「300Paで区分」が誤りです。正しくは、正圧・負圧ともに±500Paを境に区分します。
おおむね±500Pa以下が低圧ダクトです。数字を小さくしたひっかけです。低圧か高圧かで使う板厚や継手・補強の基準が変わります。
⭕(2)定風量ユニット(CAV)は、上流側の圧力が変動する場合でも、風量を一定に保つ機能を持っている。
正しい記述です。定風量ユニット(CAV)は、上流の圧力が変動しても風量を一定に保つ機能をもちます。
CAV=Constant Air Volume(一定風量)。各室へ常に決まった風量を送りたいときに使います。問題文は正しい内容です。
⭕(3)変風量ユニット(VAV)は、外部からの制御信号により風量を変化させる機能を持っている。
正しい記述です。変風量ユニット(VAV)は、制御信号に応じて風量を変える機能をもちます。
VAV=Variable Air Volume(可変風量)。負荷に応じて風量を絞れるので省エネになります。問題文は正しい内容です。
⭕(4)材料、断面積、風量が同じ場合、円形ダクトの方が長方形ダクトより単位摩擦抵抗が小さい。
正しい記述です。同じ断面積・風量なら、円形ダクトのほうが単位摩擦抵抗が小さいです。
円形は、同じ断面積で空気に触れる周長(内周)が最も短く、摩擦が少なくなるためです。問題文は正しい内容です。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(1)です。低圧ダクトと高圧ダクトは正圧・負圧ともに±500Paを境に区分します(300Paではない)。
問43
分野:契約約款重要度 ★★☆
次の記述のうち、適当でないものはどれか。
(1)受注者は、工事現場内に搬入した材料を監督員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはならない。
(2)受注者は、工事目的物及び工事材料等を設計図書に定めるところにより、火災保険、建設工事保険等に付さなければならない。
(3)設計図書の表示が明確でない場合は、工事現場の状況を勘案し、受注者の判断で施工する。
(4)約款及び設計図書に特別な定めがない仮設、施工方法等は、受注者がその責任において定める。
答え・解説を見る
工事の契約約款に関する問題です。材料の搬出・保険・設計図書が不明確なときの扱い・仮設の責任を押さえましょう。
⭕(1)受注者は、工事現場内に搬入した材料を監督員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはならない。
正しい記述です。搬入した材料を現場外に持ち出すには、監督員の承諾が必要です。
勝手な搬出は工事の品質・進行に影響するため、承諾を求めます。問題文は正しい内容です。
⭕(2)受注者は、工事目的物及び工事材料等を設計図書に定めるところにより、火災保険、建設工事保険等に付さなければならない。
正しい記述です。工事目的物や材料は、設計図書に従い火災保険・建設工事保険などに加入します。
万一の火災や事故に備えるためです。問題文は正しい内容です。
❌(3)設計図書の表示が明確でない場合は、工事現場の状況を勘案し、受注者の判断で施工する。
「受注者の判断で施工する」が誤りです。設計図書が明確でない場合は、まず監督員に通知し、協議・確認してから施工します。
勝手に判断して進めると、あとで「設計と違う」とトラブルになります。不明確なら自己判断せず、必ず監督員と協議するのが原則です。「受注者の判断で」としたひっかけです。
⭕(4)約款及び設計図書に特別な定めがない仮設、施工方法等は、受注者がその責任において定める。
正しい記述です。特別な定めのない仮設や施工方法は、受注者が責任をもって定めます。
手段の選択は受注者にゆだねられています。(3)の「設計図書の解釈」とは別の話である点に注意しましょう。問題文は正しい内容です。
この問題のまとめ
この問題で誤っているのは(3)です。設計図書が明確でないときは自己判断せず、監督員に通知して協議・確認してから施工します。
問44
分野:空調機(仕様)重要度 ★★☆
次の文中、[ ]内に当てはまる用語の組合せとして、適当なものはどれか。
設計図書には、ユニット形空気調和機の形式、冷却能力、加熱能力、風量、[ A ]、コイル通過風速、コイル列数、水量、冷水入口温度、温水入口温度、コイル出入口空気温度、加湿器形式、有効加湿量、電動機の電源種別、[ B ]、基礎形式等を記載する。
| (A) | (B) |
|---|
| (1) | 機外静圧 | 電動機出力 |
| (2) | 機外静圧 | 電流値 |
| (3) | 全静圧 | 電動機出力 |
| (4) | 全静圧 | 電流値 |
答え・解説を見る
ユニット形空気調和機の仕様書に書く項目について、空欄A・Bに入る用語を選ぶ組合せ問題です。
機外静圧とは?
送風機が、空調機の外側のダクト系に対して出せる静圧(押す力)のことです。機器を選ぶときの基本となる値で、仕様書に必ず記載します。
(A)機外静圧…送風能力は、空調機の外(ダクト側)の抵抗に打ち勝って風を送れる力で表します。送風機そのものが出す「全静圧」ではなく、ダクト系に使える「機外静圧」を記載します。
(B)電動機出力…電動機(モーター)の仕様は、能力を表す「出力(kW)」で記載します。電流値ではありません。
したがって、(A)機外静圧・(B)電動機出力の組合せが正しく、答えは(1)です。
この問題のまとめ
空調機の仕様書には、送風能力として(A)機外静圧、電動機の仕様として(B)電動機出力を記載します。よって正しい組合せは(1)です。
この14問の要点(直前チェック用)
- 問31:通気管の長さは実長を用い、局部損失相当長は加算しない
- 問32:特殊継手排水システムは、立て管内の流速を抑える(高めない)
- 問33:飲料用タンクの間接排水の排水口空間は、管径によらず最小150mm
- 問34:不活性ガス消火は、常時人がいるおそれのある場所には設けられない
- 問35:都市ガスの燃焼速度はA<B<Cで、Aが最も遅い
- 問36:戸建て住宅は5人(130㎡以下)又は7人(130㎡超)。6人ではない
- 問37:放流水BOD=平均流入BOD(196)×(1−0.95)=9.8mg/L
- 問38:並列運転の吐出量は、管路抵抗のため単独の2倍より小さい
- 問39:入口水温と出口水温の差はクーリングレンジ(アプローチではない)
- 問40:温水コイルは冷却と兼用できるが、蒸気コイルは兼用できない
- 問41:塩ビライニング鋼管の使用温度は40℃以下(60℃ではない)
- 問42:低圧・高圧ダクトの区分は±500Pa(300Paではない)
- 問43:設計図書が不明確なときは、監督員に通知し協議・確認する
- 問44:仕様の空欄はА=機外静圧、B=電動機出力
NEXT STEP
次の一歩を、選ぼう。
“これから合格”する人も、“資格を活かす”人も 👇
独学のムダ、減らしませんか?
スマホ完結のeラーニングで、“出るところ”だけを効率よく対策できます。
✓出題傾向を分析した映像講義
✓スマホ・PCでスキマ学習
✓疑問は講師が無料でサポート
\ 30日間、全額返金保証! /
講座を見てみる →
受講生25万人突破・スマホ完結
経験を、年収アップに。
経験・資格をもっと評価する職場へ。応募が前提でなくてもOKです。
✓建設・施工管理に特化
✓キャリアのプロが無料で相談
✓年収も働き方もまとめて相談
\ 施工管理特化のプロが無料サポート /
無料で適正年収を聞く →
在職中OK・完全無料・相談だけでも可