【第二種電気工事士】法令のきほんをゼロから解説【3つの法律の役割】
学科試験の問28〜30は法令です。法律の名前が3つ出てきてややこしく見えますが、「人・モノ・設備」の役割分担が分かれば、暗記量は驚くほど少なくて済みます。
この記事では、法律を読んだことがない人を想定して、3つの法律をやさしく整理します。
3つの法律は「人・モノ・設備」の分担
まずこの対応だけ覚える
電気工事士法 … 人のルール。「誰が工事してよいか」
電気用品安全法 … モノのルール。「安全な製品しか売ってはいけない」
電気事業法 … 設備のルール。「設備はこう作る」(電気設備技術基準=電技はこの法律がもとになっている)
なぜ3つに分かれているのか?
事故を防ぐには、作る人・使う部品・できた設備の3方向すべてを押さえる必要があるからです。腕のよい人が、安全な部品で、正しい作りにする——どれが欠けても事故になります。
なぜ根拠の法律を問われるのか? 試験では「電技は電気工事士法に基づく」という誤りの選択肢が定番です。電技のもとは電気事業法。「設備のルールだから事業法」と結び付けてください。
電気工事士法 誰が工事できるか
第二種電気工事士ができること
一般用電気工作物(住宅や小さな店舗など、600V以下で受電する設備)の工事ができます。工事のときは免状の携帯が義務です。
なぜ免状を持ち歩くのか? 免状は都道府県知事が交付します。現場で「資格を持っているか」をその場で確認できるように、携帯が義務になっています。
軽微な工事とは?
危険が小さいため、資格がなくてもできると決められた作業です。
なぜ資格のいらない作業があるのか? すべてを資格者に限ると、電球の交換すらできなくなるからです。「電気に触れない」「電圧がとても低い」作業だけが例外とされています。
資格がなくてもできる作業の代表例
差込み接続器(プラグ)やソケットにコードをつなぐ
電圧600V以下で使う電気機器に、電線をねじ止めする
地中電線用の管や暗きょを設置する(電気に触れない土木作業)
36V以下の小型変圧器の二次側の配線(チャイムやインターホン)
逆に、資格が必要な作業の代表例
電線どうしを接続する
配線器具(スイッチ・コンセント)に電線を固定する
配電盤を造営材に取り付ける
電線管に電線を通す
電気用品安全法 PSEマークの話
電気用品とは?
安全確認が義務づけられた電気製品のことで、特定電気用品とそれ以外の2つに分かれます。
特定=ひし形のPSEマーク、それ以外=丸のPSEマークが付きます。
なぜ2種類のマークがあるのか? 特定電気用品はとくに危険や事故が起きやすいもので、メーカーの自己確認だけでなく第三者機関の検査まで義務づけられています。危険度で手続きを分けているのです。
特定電気用品(ひし形PSE)の代表【暗記リスト】
絶縁電線・ケーブル(100V〜600V用)
ヒューズ、配線用遮断器、漏電遮断器
タンブラースイッチ、タイムスイッチ、フロートスイッチ
差込み接続器(コンセント・プラグ)
電気温水器、電気便座など水まわり・高温のもの
特定「以外」(丸PSE)の代表【引っかけに使われる】
カバー付ナイフスイッチ
電磁開閉器
ライティングダクト
換気扇、LEDランプ、単相電動機
電気事業法と電技 電圧の区分
電圧の3区分【数字を暗記】
低圧 … 直流750V以下・交流600V以下
高圧 … 低圧を超えて7,000V以下
特別高圧 … 7,000V超
なぜ直流と交流で数字が違うのか?
同じ電圧なら、交流のほうが人体への危険が大きいとされているからです。そのぶん交流の「低圧」の上限は低め(600V)に設定されています。
なぜ交流の上限のほうが低いのか? 第二種電気工事士が扱うのはこの「低圧」の、そのまた一般用の範囲です。自分の資格の守備範囲を数字で言えるようにしておきましょう。
まとめ
この記事で覚えること
工事士法=人/用品安全法=モノ/事業法=設備(電技のもと)
免状は都道府県知事が交付・工事中は携帯義務
軽微な工事=プラグへの接続・36V以下・電気に触れない土木作業など
ひし形PSE=特定。カバー付ナイフスイッチ・電磁開閉器・ライティングダクトは特定ではない
低圧=直流750V・交流600V以下/高圧=7,000V以下
実際の過去問で確かめる(令和8年度上期 全50問)
▶ 問1〜10
計算と電気の基礎
▶ 問11〜20
材料と工具
▶ 問21〜30
工事のルールと法令
▶ 配線図 問31〜40
図記号と傍記
▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け
