【第二種電気工事士】写真鑑別のコツ|材料・器具・工具を実物写真で見分ける【令和8年度】
第二種電気工事士の学科試験には、写真を見て名前や用途を答える問題が毎回出題されています。「鑑別(かんべつ)」と呼ばれる問題です。
計算問題と違って、知っていれば5秒で解けて、知らなければ考えても解くのが難しい問題です。つまり、やった分だけ点につながりやすい分野といえます。
この記事では、実際に出題された写真をそのまま使って、材料・器具・工具の3つに分けて見ていきます。写真はすべて試験センターが公表している過去問から引用し、出典を付けています。
写真の問題は、どこに何問出るのか
学科試験は50問で、そのうち写真が出るのは大きく2か所です。
例写真が出る2か所
一般問題の問16〜18あたり … 1枚の写真を見て「名前」または「用途」を答える。毎回3問前後出ます。
配線図問題の問41〜50 … 4枚の写真から正しいものを選ぶ。リングスリーブ・差込形コネクタ・測定器などが並びます。
この記事で扱うのは前者(1枚の写真の鑑別)です。直近5回ぶんの出題を、実物の写真つきで全部並べました。
用語鑑別問題とは?
鑑別問題とは、写真に写っているものが何で、何に使うのかを答える問題のことです。「写真に示す材料の名称は。」「写真に示す工具の用途は。」という形で出ます。
なぜ?なぜ写真の問題がわざわざ出るのか?
電気工事は、道具と材料を取り違えると事故になる仕事だからです。名前だけ暗記していても、現場で実物を前にして分からなければ意味がありません。だから試験では、あえて写真で見せて判断させます。
覚える覚え方
鑑別は「暗記科目」ではなく「顔を覚える科目」です。人の名前を覚えるときと同じで、特徴を1つ見つけておくと思い出しやすくなります。「うすい四角い樋(とい)=金属線ぴ」「持ち手がグルッと回る=クリックボール」のように、1個につき特徴を1つだけ決めておくのがコツです。
【材料の鑑別】直近5回の出題
材料は「どの工事で使うか」とセットで覚えると効率よく身につきます。管なのか、樋(とい)なのか、箱なのか、ケーブルなのか——まず大きな分類を見てから、細かい名前に降りていきます。
金属線ぴ(きんぞくせんぴ)

例実際の出題
写真に示す材料が使用される工事は。
イ.金属ダクト工事
ロ.金属管工事
ハ.金属可とう電線管工事
ニ.金属線ぴ工事
正解:ニ 金属線ぴ工事
見分けるポイントは「断面が四角い樋(とい)」であることです。丸い管なら金属管、じゃばらなら可とう電線管(自由に曲げられる管)、平たい箱形のレールなら金属線ぴです。
写真には25mmと幅が書かれています。線ぴは幅40mm以下のものを指し、それより大きいものは金属ダクトと呼びます。選択肢の「金属ダクト工事」と迷ったら、幅で判断してください。
VVFケーブル用のジョイントボックス

例実際の出題
写真に示す材料の用途は。
イ.VVFケーブルを接続する箇所に用いる。
ロ.スイッチやコンセントを取り付けるのに用いる。
ハ.合成樹脂管工事において,電線を接続する箇所に用いる。
ニ.天井からコードを吊り下げるときに用いる。
正解:イ VVFケーブルを接続する箇所に用いる。
半透明のうすいプラスチックのカバーです。VVFケーブル(住宅の配線に使う平たいケーブル)どうしをつないだ部分にかぶせて保護する箱で、「VVF用ジョイントボックス」と呼ばれます。
選択肢ハの「合成樹脂管工事で電線を接続する箇所」に使うのはアウトレットボックスなど金属や樹脂の箱で、この写真のような薄いカバー状のものではありません。透けていて薄い=VVF用と覚えると迷いにくくなります。
ノーマルベンド

例実際の出題
写真に示す材料の名称は。
イ.ユニバーサル
ロ.ノーマルベンド
ハ.ベンダ
ニ.カップリング
正解:ロ ノーマルベンド
金属管を90度に曲げた形であらかじめ作ってある継手(管と管をつなぐ部品)です。現場で管を曲げる代わりに、これをつなぎます。
紛らわしい選択肢が並んでいますが、ベンダは「曲げるための工具」で材料ではありません。カップリングは「まっすぐつなぐ継手」、ユニバーサルは点検口のふたが付いた曲がりです。ふたが無くてなめらかに曲がっていればノーマルベンドです。
硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE管)用のカップリング

例実際の出題
写真に示す材料の用途は。
イ.硬質ポリ塩化ビニル電線管相互を接続するのに用いる。
ロ.金属管と硬質ポリ塩化ビニル電線管とを接続するのに用いる。
ハ.合成樹脂製可とう電線管相互を接続するのに用いる。
ニ.合成樹脂製可とう電線管とCD管とを接続するのに用いる。
正解:イ 硬質ポリ塩化ビニル電線管相互を接続するのに用いる。
灰色でつるっとしたまっすぐな短い筒です。同じ太さの管どうしを差し込んでつなぎます。
見分けの決め手は「表面がなめらかで硬そうかどうか」。じゃばら(波形)ならPF管・CD管の部品、つるつるでまっすぐならVE管の部品です。選択肢ハ・ニはどちらも「可とう(曲がる)管」の話なので、この時点で外せます。
EM-EEFケーブル(エコケーブル)

例実際の出題
写真に示す材料の名称は。(表面に「EM600V EEF/F 1.6mm …」と記されている)
イ.無機絶縁ケーブル
ロ.600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形
ハ.600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形
ニ.600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル
正解:ハ 600Vポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形
この問題は写真よりも「表面の印字」が答えの決め手です。設問に「EM600V EEF/F」と書かれていて、このEM=エコマテリアル(環境に配慮した材料)を表します。
EMが付いたら「エコケーブル」=ポリエチレン系と決まります。一般的なVVFケーブル(ビニル絶縁ビニルシース)には EM が付きません。印字にEMがあるかどうかに気づけば選べます。
覚える覚え方
材料は「丸い管/じゃばらの管/四角い樋/箱/ケーブル」の5つに仕分けてから、名前を思い出すと速いです。形の分類が先、名前はあと。
【器具の鑑別】直近5回の出題
器具は「端子が何個あるか」「つまみやレバーが付いているか」を見ると種類の見当がつきます。
線付防水ソケット

例実際の出題
写真に示す器具の名称は。
イ.キーソケット
ロ.線付防水ソケット
ハ.プルソケット
ニ.ランプレセプタクル
正解:ロ 線付防水ソケット
電線(コード)が最初から付いていて、ゴムのカバーが付いた電球用のソケットです。工事現場の仮設照明などに使います。
見分けの決め手は「コードが生えているかどうか」。ランプレセプタクルは台座に固定して使うので、コードは付いていません。キーソケットは横に小さなつまみ(キー)、プルソケットは引きひもが付いています。
熱動継電器(サーマルリレー)

例実際の出題
写真に示す器具の〇で囲まれた部分の名称は。
イ.漏電警報器
ロ.電磁接触器
ハ.漏電遮断器
ニ.熱動継電器
正解:ニ 熱動継電器
写真は電磁開閉器という装置で、上半分が電磁接触器(電気の力で開け閉めするスイッチ)、下半分(丸で囲まれた部分)が熱動継電器です。2つが組み合わさって1つの製品になっています。
丸で囲まれた「下側」を答える問題なので、上下のどちらを聞かれているかを必ず確認してください。熱動継電器はモーターに流れすぎた電流の熱を感じて止める部品で、電流を調整する小さなダイヤルが付いているのが目印です。
配線用遮断器(電動機保護兼用)

例実際の出題
写真に示す器具の名称は。
イ.漏電警報器
ロ.電磁開閉器
ハ.配線用遮断器(電動機保護兼用)
ニ.漏電遮断器
正解:ハ 配線用遮断器(電動機保護兼用)
家庭の分電盤(家の電気を部屋ごとに分ける箱)にあるブレーカーと同じ形で、正面にレバーが1本あります。写真では「10A」と定格電流(安全に流し続けられる電流の大きさ)が大きく書かれています。
漏電遮断器との見分け方は「テストボタンがあるかどうか」です。漏電遮断器には漏電(電気が本来の通り道の外へ漏れること)を模擬する黄色や赤のテストボタンが必ず付いています。それが無ければ配線用遮断器です。
熱線式自動スイッチ

例実際の出題
写真に示す器具の用途は。
イ.照明器具の明るさを調整するのに用いる。
ロ.人の接近による自動点滅器に用いる。
ハ.蛍光灯の力率改善に用いる。
ニ.周囲の明るさに応じて街路灯などを自動点滅させるのに用いる。
正解:ロ 人の接近による自動点滅器に用いる。
人が近づくと自動で明かりがつくスイッチです。玄関やトイレでよく使われています。人の体温(熱線)を感じて働くので熱線式自動スイッチと呼ばれます。
選択肢ニの「周囲の明るさで点いたり消えたりする」のは自動点滅器で、街路灯に使う別の器具です。人に反応するのか、明るさに反応するのか——ここが引っかけどころです。
【工具の鑑別】直近5回の出題
工具は「何を相手にする道具か」で覚えます。管を曲げるのか、電線を圧着するのか、穴をあけるのか。
クリックボール

例実際の出題
写真に示す工具の用途は。
イ.リーマと組み合わせて,金属管の面取りに用いる。
ロ.面取器と組み合わせて,ダクトのバリを取るのに用いる。
ハ.羽根ぎりと組み合わせて,鉄板に穴を開けるのに用いる。
ニ.ホルソと組み合わせて,コンクリートに穴を開けるのに用いる。
正解:イ リーマと組み合わせて,金属管の面取りに用いる。
手でぐるっと回して使う、大きなハンドルの付いた道具です。一般にクリックボールと呼ばれます。先端に別の刃物を取り付けて回します。
ここで使う相棒がリーマです。金属管を切ると切り口の内側にバリ(とげ)が残り、電線の被覆(電線を覆うビニール)を傷つけます。それを削り取るのが面取りで、そのためにリーマをクリックボールに付けて回します。
「クリックボール+リーマ=金属管の面取り」はセットで覚えてください。過去問でも、この組み合わせで繰り返し問われています。
手動油圧式圧着器

例実際の出題
写真に示す工具の名称は。
イ.手動油圧式圧着器
ロ.手動油圧式カッタ
ハ.ノックアウトパンチャ(油圧式)
ニ.手動油圧式圧縮器
正解:イ 手動油圧式圧着器
長い柄が2本ある大きなペンチのような工具で、太い電線に端子やスリーブを押し付けて固定するときに使います。
選択肢がどれも「手動油圧式」で紛らわしいですが、先端の形で分かれます。切る刃が付いていればカッタ、丸い穴あけの型が付いていればノックアウトパンチャ、電線をはさむ口になっていれば圧着器です。
ガストーチランプ

例実際の出題
写真に示す工具の用途は。
イ.硬質ポリ塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる。
ロ.合成樹脂製可とう電線管の接続加工に用いる。
ハ.ライティングダクトの曲げ加工に用いる。
ニ.金属管(鋼製電線管)の曲げ加工に用いる。
正解:イ 硬質ポリ塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる。
ガスのボンベに火口が付いた、炎を出す道具です。一般にガストーチランプと呼ばれます。
「あぶって曲げる」のは樹脂の管だけです。硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE管)は熱するとやわらかくなるので、トーチであぶって曲げます。金属管は熱では曲げません——ベンダという工具でぐいと曲げます。
この問題は令和7年度上期にも、ほぼ同じ形で出ています。出題の写真は別ですが、聞かれていることも答えも同じです。

例令和7年度上期 問18
設問=写真に示す工具の電気工事における用途は。
正解=イ.硬質ポリ塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる。
2回続けて同じことが問われている=それだけ重視されている、と考えられます。
張線器(シメラー)

例実際の出題
写真に示す工具の用途は。
イ.電線の支線として用いる。
ロ.太い電線を曲げてくせをつけるのに用いる。
ハ.施工時の電線管の回転等すべり止めに用いる。
ニ.架空線のたるみを調整するのに用いる。
正解:ニ 架空線のたるみを調整するのに用いる。
ワイヤーとフック、レバーが組み合わさった道具です。一般に張線器(ちょうせんき)、現場ではシメラーと呼ばれます。
空中に張った電線(架空線)は、そのままだとたるみます。この道具で引っぱって、ちょうどよい張り具合に調整します。「引っぱる」形をしていたら張線器、と覚えてください。
まちがえやすいペアだけ、先に潰しておく
鑑別で落とすのは、たいてい「似ているもの同士」です。過去問に出た範囲で、特に紛らわしい組み合わせをまとめました。
コツ見分けの決め手
金属線ぴ と 金属ダクト … 幅。40mm以下が線ぴ。
VE管の部品 と PF・CD管の部品 … 表面。つるつるがVE、じゃばらが可とう管。
ノーマルベンド と ユニバーサル … ふた。点検口のふたがあればユニバーサル。
配線用遮断器 と 漏電遮断器 … テストボタン。あれば漏電遮断器。
電磁接触器 と 熱動継電器 … 上下。組み合わせた製品の上が接触器、下が継電器。
熱線式自動スイッチ と 自動点滅器 … 何に反応するか。人か、明るさか。
ランプレセプタクル と 線付防水ソケット … コード。生えていれば線付防水。
覚える覚え方
鑑別の勉強は「1日3枚、写真を眺める」くらいから始めて構いません。解こうとせず、写真と名前をセットで眺めるのを繰り返してください。本番では考える時間はいりません。見た瞬間に分かるか、分からないかだけです。
この先の進め方
ここに載せたのは直近5回の一般問題に出た写真です。これで毎回3問前後の「1枚もの」の鑑別は、ある程度カバーできます。
もうひとつの写真問題である配線図(問41〜50)の4択は、実際の問題と一緒に見たほうが早いので、過去問の解説記事で1問ずつ扱っています。
まとめ
まとめこの回の要点
写真の問題は一般問題で毎回3問前後+配線図で4択がいくつも出る。
鑑別は知っていれば5秒、知らなければ0点。やった分だけ点になる。
材料は形で仕分けてから名前(丸い管/じゃばら/四角い樋/箱/ケーブル)。
器具はテストボタン・つまみ・コードの有無で見分ける。
工具は相手が何か(管を曲げる/電線を圧着する/穴をあける)で覚える。
ガストーチランプ=VE管を曲げるは2回続けて出題された。
次の回では、実際に電線をつなぐ場面の話に入ります。ここで覚えた材料が、どの工事でどう使われるのかが見えてきます。
用語この記事の写真と情報について
この記事に掲載した写真は、一般財団法人 電気技術者試験センターが公表している第二種電気工事士学科試験の過去問題から引用し、各写真に出典を明記しています。同センターは、公表している過去問題について「許諾や使用料は必要ありません」と案内しています(出典の明記が条件)。正解はいずれも公式の解答によります。
なぜ?なぜ公式サイトも見たほうがよいのか?
出題される材料や器具は、年度によって入れ替わるからです。ここに載せたのは直近5回ぶんで、これがすべてではありません。過去問そのものは試験センターの公式サイトで公開されているので、受験前には最新の回も確認してください。
