第二種電気工事士の技能試験は、13問の候補問題があらかじめ公表されています。当日はそのうち1問が出題される仕組みです。この記事ではNo.10を、知識ゼロの人が読んでも複線図(実際の電線を一本ずつ描き分けた配線図)が書けるところまで分解します。

No.10で登場するのは確認表示灯(パイロットランプ)です。しかも公表図には(特記)確認表示灯は、同時点滅とすると書かれています。この「同時点滅」が最大のポイントです。

この記事でわかること

  • 候補問題No.10にどんな器具が出てくるか
  • 常時点灯と同時点滅のちがい
  • 同時点滅の確認表示灯をどうつなぐか
  • 複線図を白→黒→戻りの3ステップで書く手順

候補問題No.10はどんな問題か

  • 電源は 1φ2W 100V。B(配線用遮断器)は施工省略(試験では作らなくてよい部分)。配線は VVF 2.0-2C
  • ジョイントボックス(電線どうしをつなぐ場所)が1つ
  • 引掛シーリング(角形・イ)が1つ
  • ランプレセプタクル(イ)が1つ
  • 確認表示灯(イ)・点滅器イ・コンセントが同じスイッチボックス(スイッチやコンセントを壁に取り付けるための箱)に3つ並ぶ
  • (特記)確認表示灯は同時点滅とする

まず用語をそろえます

  • 確認表示灯(パイロットランプ)…今どうなっているかを知らせるためだけの小さなランプです。部屋を照らす役目はありません。図記号は白い丸○。
  • 常時点灯…電気が来ているあいだずっと光るつなぎ方。
  • 同時点滅…照明と一緒に光るつなぎ方。スイッチを入れると照明と同時に点き、切ると同時に消えます。
  • 特記…公表図に書かれた注意書きです。どちらの点き方にするかは特記で決まります。
  • B(配線用遮断器)…いわゆるブレーカー。No.10では施工省略です。

「常時点灯」と「同時点滅」のちがい

確認表示灯は同じ部品です。違うのはつなぎ方だけ。

常時点灯と同時点滅のちがい

覚える覚え方

  • 常時点灯…白と黒をつなぐ。=コンセントと同じつなぎ方
  • 同時点滅…白と戻り線をつなぐ。=照明と同じつなぎ方

つまり「その表示灯は、コンセントの仲間か、照明の仲間か」を決めるだけです。

No.10は同時点滅なので、照明の仲間。引掛シーリングやランプレセプタクルとまったく同じように配線します。

ちなみにNo.2の確認表示灯は常時点灯です。同じ部品が出てくる2問で、点き方が逆になっています。どちらか思い出せなくなったら、当日の特記を読めば確認できます。

複線図を3ステップで書く

順番は白 → 黒 → 戻りです。

ステップ1 白い線を引く

候補問題No.10の複線図 ステップ1 白い線

白い線(接地側。大地とつながっている側の線)は、電気を使うものにつなぎます。

  • 引掛シーリング
  • ランプレセプタクル
  • 確認表示灯(自分で光る=電気を使います)
  • コンセント

点滅器には白を引きません。確認表示灯は「電気を使う側」だと覚えてください。常時点灯でも同時点滅でも、白は必ずつなぎます。

ステップ2 黒い線を引く

候補問題No.10の複線図 ステップ2 黒い線

黒い線(非接地側。電気を送り出す側の線)の行き先は2つだけです。

  • コンセント(スイッチを通さず直接)
  • 点滅器「イ」

ここがNo.2との最大の違いです。同時点滅の確認表示灯には、黒を直接つなぎません。黒をつないでしまうと、スイッチを切っても光りっぱなしになります。

ステップ3 戻り線を引く

候補問題No.10の複線図 ステップ3 戻り線

戻り線(スイッチから照明へ戻っていく線)は3本です。点滅器「イ」から、

  • 引掛シーリング(イ)
  • ランプレセプタクル(イ)
  • 確認表示灯(イ)

の3つへ戻します。これで完成です。スイッチを入れると、照明2つと確認表示灯が同時に光ります。

用語形はまったく照明と同じ

同時点滅の確認表示灯は、複線図の上では照明と1ミリも変わりません。

  • 白をつなぐ
  • 黒はつながない
  • 戻り線をつなぐ

「白い丸だから特別」と思わず、引掛シーリングがもう1つ増えただけと考えると迷いません。

間違えやすいところ

確認表示灯に黒をつないでしまう

特に多い失敗です。No.2(常時点灯)で練習した人ほどやりがちです。特記が「同時点滅」なら、黒はつなぎません。

確認表示灯に白を引き忘れる

逆の失敗です。「スイッチのそばにあるから」と、スイッチと同じ扱いにしてしまいます。確認表示灯は自分で光る=電気を使う器具なので、白は必ずつなぎます。

特記を読まない

常時点灯か同時点滅かは、問題用紙の特記にしか書いてありません。記憶で決めず、必ず当日の紙を読んでください。ここを読み違えると、配線がまるごと変わります。

わたり線を用意し忘れる

確認表示灯・点滅器イ・コンセントが並ぶのは、同じスイッチボックスの中です。ボックスに来る線は限られているので、中で器具から器具へつなぐ短い線(わたり線)が必要になります。

覚える電線の色と本数について

この記事で説明しているのは、複線図のつながり方です。実際に使う電線の太さ・本数、わたり線の長さ、リングスリーブ(電線どうしをまとめてつなぐ金属の筒)の大きさや刻印は、試験当日に配られる問題用紙の「施工条件」に書かれています。候補問題の公表段階では決まっていないので、当日の指示を必ず読んでください。

よくある質問

Q. 同時点滅の確認表示灯は、何のために付けるのですか?

A. 照明が点いているかどうかが手元で分かるようにするためです。換気扇や、離れた場所・見えない場所の照明に使います。「消したつもりが点いていた」を防げます。

Q. 常時点灯はどんなときに使うのですか?

A. 暗い場所でスイッチの位置を知らせるためです。ホタルスイッチ(No.1。切れているときにスイッチ自体が光るもの)と似た目的ですが、ホタルはスイッチ本体、確認表示灯は別の器具という違いがあります。

Q. 白い丸の記号だけでは、どちらか分かりませんか?

A. 分かりません。記号は同じです。特記でしか判別できません。だから公表図でも問題用紙でも、特記を先に読む習慣をつけてください。

Q. No.10は難しいですか?

A. やさしいほうです。スイッチは1つだけ、ジョイントボックスも1つだけ。同時点滅の意味さえ分かれば、あとは基本形です。

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複線図が書けたら、次は手を動かす番です

技能試験は、複線図が書けただけでは受かりません。40分のあいだ、実際に電線を切って、つないで、器具に差し込む試験です。ここから先は、読むより手を動かした回数がそのまま点数になります。

そこで要るのが練習用の材料です。ケーブルも器具も、練習すれば減っていきます。13問を1回ずつ通すだけでも、それなりの量が要ります。通信講座と材料セット、どちらにお金を使うべきかを、実際の値段でくらべた記事があります。

通信講座と技能試験の材料をくらべるお金の使いどころお金をかけるべきは「講座」ではなく「技能の材料」複線図が書けても、材料がなければ手は動きません。5社を比べました