送風機の相似則|回転数を変えると風量・静圧・軸動力はどうなる【管工事施工管理技士】
送風機の相似則は、基本となる数字が1・2・3の3つです。回転数を変えたときに、風量は1乗・静圧(空気を押し出す力の強さ)は2乗・軸動力(送風機を回すのに必要な力)は3乗で変わります。この記事では、なぜその順番になるのかまで含めて、知識ゼロからたどります。
回転数を変えたときの3つの変化

用語相似則とは?
同じ送風機の回転数や羽根車の大きさを変えたとき、風量・静圧・軸動力がどう変わるかを表した関係のこと。
💡 なぜ?
形が同じ送風機なら、空気の流れ方も相似の形になるから。だから性能どうしの比も、決まった倍率でそろいます。
| 変わるもの | 回転数Nとの関係 | 回転数を2倍にすると |
|---|---|---|
| 風量 | Nに比例(1乗) | 2倍 |
| 静圧 | Nの2乗に比例 | 4倍 |
| 軸動力 | Nの3乗に比例 | 8倍 |
なぜ1・2・3になるのか
この順番には、筋の通った理由があるのです。まず羽根が速く回れば、その分だけ空気を多く押し出すので、風量は回転数にそのまま比例します。これが1乗です。
次に静圧です。空気を押す力は空気の速さの2乗で効きます。回転が速くなれば空気の速さも比例して上がるので、静圧は回転数の2乗になります。
最後に軸動力です。動力は風量と静圧の掛け算で決まります。1乗×2乗=3乗。これで3つがつながりました。
覚える覚え方
「量は1・圧は2・力は3」。そして動力は量と圧の掛け算だから3乗になる、という筋道で覚えると、どれが何乗だったか迷いません。
羽根車の大きさを変えたとき
回転数ではなく羽根車の直径を変える場合は、指数が変わるので要注意です。こちらは出題頻度は下がりますが、数字だけ押さえておくと取りこぼしを防げます。
| 変わるもの | 羽根車の直径Dとの関係 |
|---|---|
| 風量 | Dの3乗に比例 |
| 静圧 | Dの2乗に比例 |
| 軸動力 | Dの5乗に比例 |
注意注意
羽根車を変えた場合、静圧は2乗のままですが、風量が3乗になります。回転数のときと数字が入れ替わるので、「何を変えた話か」を問題文で必ず確認してください。
空気の密度が変わったとき
気温が上がったり、標高の高い場所だったりすると空気の密度ρが下がります。このときは回転数のときとはまったく別の動き方をします。
覚える密度ρが変わったときの決まり
・風量は変わらない……羽根が同じ速さで同じ体積をかき出すから
・静圧はρに比例……軽い空気は押しても手ごたえが小さい
・軸動力もρに比例……静圧が下がるぶん、必要な力も減る
なぜ?夏に風量が落ちた気がするのは、密度のせいですか。
風量そのものは変わりません。変わるのは運べる空気の重さです。同じ体積でも、暑い空気は軽いので運べる熱の量が減ります。「体積は同じ、中身が薄い」と考えると納得しやすくなります。
試験ではこう出る
| よくある選択肢 | 判断 |
|---|---|
| 回転数を2倍にすると風量は2倍になる | 正しい |
| 回転数を2倍にすると静圧は2倍になる | 誤り。4倍 |
| 回転数を2倍にすると軸動力は4倍になる | 誤り。8倍 |
| 空気の密度が下がると風量が減る | 誤り。風量は変わらない |
| 空気の密度が下がると軸動力は減る | 正しい。密度に比例して減る |
例現場の使いどころ
省エネの説明でこの式がよく出てきます。回転数を8割に落とすと、動力は0.8の3乗でおよそ0.51。風量を2割絞るだけで電気代が理論上およそ半分になるので、ダンパ(ダクトの中で風の量を加減する板)で絞るのではなくインバータ(モーターの回転数を自由に変える装置)で回転数を下げる方法が選ばれます。
よくある質問
Q. 静圧と全圧はどう違うのですか。
A. 全圧=静圧+動圧です。動圧は空気が動いていることによる圧力で、風速の2乗で効きます。相似則はどちらも同じ2乗で動きます。
Q. 相似則はポンプでも同じですか。
A. 同じです。ポンプでは静圧の代わりに全揚程と呼びますが、流量は1乗・揚程は2乗・軸動力は3乗で変わり方はそろっています。
Q. 3乗の計算が暗算できません。
A. 試験では2倍・1.5倍・0.8倍あたりがよく使われます。2の3乗は8、1.5の3乗はおよそ3.4、0.8の3乗はおよそ0.51。この3つを覚えておけば、多くの問題に対応できるでしょう。
まとめまとめ
・回転数を変えると風量1乗・静圧2乗・軸動力3乗
・動力が3乗なのは風量(1乗)と静圧(2乗)の掛け算だから
・羽根車の直径なら風量3乗・静圧2乗・軸動力5乗
・空気の密度ρが変わると風量は変わらず、静圧と軸動力がρに比例
