危険物乙4の「物理・化学」では、物質の分け方と変化の分け方は出題されやすいテーマです。単体・化合物・混合物、そして物理変化・化学変化の2組です。どちらも、覚えることはそれほど多くありません。しかもガソリンや灯油が何にあたるかが分かるようになるので、性質の勉強にもそのままつながります。この記事では、化学がまったく分からない状態からでも読めるように解説します。

単体・化合物・混合物

単体・化合物・混合物のちがいと、物理変化・化学変化のちがいを示した図
「1種類だけか」「結びついているか」「混ざっているだけか」で分かれます。

例3つの言葉の意味

・単体 … 1種類の元素だけ(元素とは、物質をつくる基本の成分の種類)でできている物質(例:酸素、水素、鉄、硫黄)

・化合物 … 2種類以上の元素が結びついて、1つの物質になったもの(例:水、エタノール、二硫化炭素)

・混合物 … 複数の物質が、結びつかずに混ざっているだけのもの(例:空気、食塩水、ガソリン)

なぜ?化合物と混合物は、どう見分けるのですか。

結びついて別の物になっているか、混ざっているだけかが分かれ目です。化合物は決まった割合でできていて、成分ごとに分けるには化学的な反応が必要です。混合物は割合が決まっておらず、蒸留(液体を熱して蒸気にし、冷やして取り出す方法)やろ過(こして分ける方法)のような物理的な方法で分けられます。

注意注意

乙4でいちばん大事なのは、ガソリン・灯油・軽油・重油は混合物だという点です。石油からとれるこれらは、いろいろな成分が混ざったものなので、沸点(液体が沸騰する温度)や引火点(火を近づけたときに燃え始める最低の液温)が「◯◯℃から◯◯℃まで」と幅で示されます。エタノールや二硫化炭素のような化合物は、決まった温度になります。

覚える覚え方

「純粋なもの(単体・化合物)か、混ざりものか」でまず二分し、純粋なもののうち1種類の元素だけなら単体——という順に考えると迷いにくくなります。ガソリンが混合物だと知っていれば、それだけで1問取れることがあります。

物理変化と化学変化

用語物理変化とは?

物理変化とは、形や状態だけが変わり、物質そのものは変わらない変化のことです。水が氷になる、ガソリンが蒸発する、砂糖が水に溶ける——これらはすべて物理変化です。

💡 なぜ?
氷も水蒸気も水のままだから。別の物質になっていません。

用語化学変化とは?

化学変化とは、別の物質に変わる変化のことです。鉄がさびる、紙が燃えて灰になる、といった変化です。

💡 なぜ?
さびは鉄と酸素が結びついた別の物質だから。もとの鉄には戻りません。

できごと どちらか 理由
水が氷になる 物理変化 状態が変わっただけで、水のまま
ガソリンが蒸発する 物理変化 液体から気体になっただけ
砂糖が水に溶ける 物理変化 溶けても砂糖のまま
鉄がさびる 化学変化 酸素と結びついて別の物になる
紙が燃えて灰になる 化学変化 燃えて別の物になる

注意注意

「溶ける」は物理変化です。試験では、ここが特に狙われやすくなっています。見た目が大きく変わるので化学変化に見えますが、砂糖は砂糖のままです。

覚える覚え方

「別の物になったか」だけで判断してください。元に戻せるかどうかも手がかりになります。氷は溶かせば水に戻りますが、燃えた紙は紙に戻りません。

なぜ乙4でこれを学ぶのか

例現場の使いどころ

危険物の事故は、多くが蒸発(物理変化)で発生した蒸気に、火がついて燃える(化学変化)という順で起きます。ガソリンそのものが燃えているのではなく、蒸発した気体が燃えている——この理解が、引火点や燃焼範囲の話につながります。物理変化と化学変化の区別は、その入口にあたります。

👉 蒸気と火の話はこちら

引火点・発火点・燃焼範囲って何が違う?

試験ではこう出る

問われ方 答えのポイント
次のうち混合物はどれか ガソリン・灯油・軽油・重油・空気・食塩水が混合物
次のうち単体はどれか 1種類の元素だけ(酸素・水素・鉄・硫黄)
物理変化・化学変化の正誤 溶ける・蒸発する・凍るは物理変化
さびるのはどちらか 化学変化(酸化)

よくある質問

Q. 元素と物質は、どう違うのですか。

A. 元素は物質をつくる材料の種類、物質はその材料でできたものです。乙4では、この区別まで細かく問われることはありません。

Q. ガソリンはなぜ混合物なのですか。

A. 原油からとれた、いろいろな成分が混ざったものだからです。そのため、引火点や沸点が幅で示されます。

Q. 化学が苦手でも大丈夫ですか。

A. 大丈夫です。この分野は言葉の意味と、代表例を覚えれば、十分に得点を狙えます。計算もありません。

まとめまとめ

・単体=1種類の元素/化合物=結びついた/混合物=混ざっただけ

・ガソリン・灯油・軽油・重油は混合物(引火点などが幅で示される)

・物理変化=物質は変わらない/化学変化=別の物になる

・溶ける・蒸発する・凍るは物理変化

・さびる・燃えるは化学変化