認定指定設備(にんていしていせつび)は、冷凍三種の法令でほぼ毎年1問出る分野です。名前はいかめしいものの、中身は簡単です。認定指定設備とは、「工場でまるごと組み立てられ、そのまま運び込まれる冷凍設備」のこと。この記事では、なぜそんな区分があるのか、どんな条件を満たすと認定されるのかを、法令の知識ゼロからやさしく解説します。

なぜ「認定」という区分があるのか

冷凍の設備は本来、現場で配管をつないで組み立てます。つなぎ目が多いほど、漏れる場所も増えます。ところが、工場で完成させて、そのまま現場に運び込める設備なら、現場でのつなぎ作業がほとんどありません。そのぶん、安全性が高いといえるのです。

用語認定指定設備とは?

定められた条件を満たすとして認定を受けた冷凍設備のこと。認定を受けると、手続きの一部が軽くなります。

💡 なぜ?
工場で組み立てて試運転まで終えた状態で運び込まれるため、現場での作業が少なく、品質がそろいやすいから。その代わり、認定の条件は細かく決められています。

認定指定設備の条件(架台上に一体で組み立て・試運転済み・分割せず搬入・自動制御装置・止め弁は手動式でない)の図
「工場で完成させて、そのまま持ってくる」——条件はこの一言から出てきます。

認定の条件(ここがそのまま出ます)

工場で一体に組み立てて試運転し、分割せずに搬入する認定指定設備
工場で一体に組み立て、分割せずに搬入する

覚えるよく問われる5つの条件

① 冷媒設備(冷やすための物質=冷媒が流れる機器と配管)は、製造業者の事業所で脚上または1つの架台上に組み立てられている(架台=機器をのせる台)

② 製造業者の事業所で試運転を行っている

③ 使用場所へ分割されずに搬入される

④ 自動制御装置(人の操作なしで運転を調整する装置)を設けている

⑤ 日常の運転操作に必要な冷媒ガスの止め弁(配管の流れを止める弁)に、手動式のものを使っていない

なぜ?⑤の「手動式を使わない」は、なぜ条件なのですか。

人が手で開け閉めする弁があると、閉め忘れ・開け忘れという人のミスが入り込むからです。認定指定設備は「工場で仕上げて、現場では極力さわらない」という考え方なので、日常の運転に人の操作が必要な作りは、その考え方に合いません。

注意注意

条件は「工場で完成させる」「現場でさわらない」の2つの方向でできています。細かく丸暗記しようとせず、この2つから考えると、初めて見る選択肢でも判断できます。

ふつうの製造設備と何がちがう?

ふつうの製造設備認定指定設備
組み立てる場所使用する現場でつなぐ製造業者の工場(架台の上に一体で)
試運転現場で行う工場で行ってから運ぶ
搬入のしかた部品ごとに分けて運び、現場で接続分割せずにそのまま搬入
日常の運転手動の操作が入ることもある自動制御。止め弁も手動式にしない
製造中の点検1日に1回以上同じく1日に1回以上

表のとおり、違うのはどこで組み立て、どう運び、どう動かすかです。一方で、運転中にやることは変わりません。この「変わるところ」と「変わらないところ」の線引きが、そのまま出題ポイントになります。

例現場の使いどころ

現場では、屋上に置くパッケージ型の冷凍機やチラー(冷水をつくる冷凍機)が、この認定指定設備にあたることがあります。トラックで運んできて、クレーンで吊り上げ、基礎の上に据えて、配管と電気をつなげば動く——という形です。現場での接続が少ないぶん、工期も短くなります。「工場で完成させてから運ぶ」という言葉を、この光景で覚えておくと忘れにくくなります。

認定を受けたあとに注意すること

認定は「一度もらえば、ずっとそのまま」ではありません。設備に手を加えたり、場所を移したりすると、認定の前提が崩れます。

例認定後に問われる2点

・変更の工事をしたときや設備を移設したときは、(特に定めるものを除き)指定設備認定証を返納しなければならない場合がある

・製造中の点検は、一般の設備と同じ。自動制御装置があっても、1日に1回以上、異常の有無を点検する

注意注意

「自動制御装置があるので、点検は1か月に1回でよい」は誤りです。認定指定設備であっても、製造中の点検は1日に1回以上。ここは毎年のように問われます。

覚える覚え方

認定指定設備は「工場で完成、現場でさわらない」と覚えてください。組み立ても試運転も工場、搬入は分割せず、運転は自動——すべてこの一言から出てきます。そしてさわったら(工事・移設)認定証を返す、と続けて覚えると流れになります。

試験ではこう出る

よく出る形判断
認定指定設備なら、点検は1か月に1回でよい誤り。1日に1回以上
日常の運転に使う止め弁は手動式でよい誤り。手動式は使わない
現場で分割して搬入し、そこで組み立ててもよい誤り。分割せずに搬入する
移設しても認定証はそのまま使える誤り。返納が必要な場合がある
自動制御装置を設けなくてよい誤り。自動制御装置は条件のひとつ

よくある質問

Q. 認定指定設備だと、何が軽くなるのですか。

A. 手続きの一部です。細かい内容まで問われることは少ないため、「認定の条件」と「認定証の返納」を押さえるほうが得点につながります。

Q. だれが認定するのですか。

A. 経済産業大臣、高圧ガス保安協会、または指定設備認定機関が行います。試験では認定する側ではなく、認定される設備の条件が問われます。

Q. 一般の製造設備との違いを一言でいうと。

A. 工場で完成しているかどうかです。現場で組み立てる設備は、その現場の作業品質に左右されます。

まとめまとめ

・認定指定設備=工場で組み立て・試運転まで終えて、分割せずに運び込む設備

・条件は架台上に一体・試運転済み・分割せず搬入・自動制御・止め弁は手動式でない

・変更の工事や移設をすると、認定証の返納が必要な場合がある

・自動制御装置があっても、製造中の点検は1日に1回以上