【第二種電気工事士】電線の接続|リングスリーブと差込形コネクタ【第14回】
電線どうしをつなぐ作業は、この試験の中心と言っていい場所です。学科でも問われますし、技能試験では実際に自分の手でつなぎます。
つなぎ方を間違えると、そこが発熱して火災の原因にもなりかねません。だからこそ、法令でルールが決められ、試験でも細かく採点されます。
この回ではルール・道具・選び方の3つを順番に押さえていきましょう。
接続の基本は3つの原則
なぜ?なぜ「電気抵抗を増やさない」ことが大事なのか?
抵抗が増えると、そこで熱が出るからです。つなぎ目が緩いと、そこだけ抵抗が大きくなります。電流が流れるたびに発熱し、じわじわ焦げて、最後は火災の原因になります。
なぜ?なぜ「引張強さを20%以上減らさない」と決まっているのか?
引張強さとは、引っぱる力にどこまで耐えられるかのことです。つなぎ目が電線そのものより弱くなってはいけないからです。天井裏や壁の中で、いつもつなぎ目から切れるようでは困ります。20%までという具体的な数字で線引きされています。
例接続の3原則(電気設備技術基準)
①電気抵抗を増加させない … つないだところで電気が流れにくくならないこと
②引張強さを20%以上減少させない … 引っぱったときにつなぎ目から切れないこと
③絶縁は、元の電線と同等以上に … つなぎ目もきちんと絶縁すること
もう一つ、大事な決まりがあるので押さえておきましょう。電線をつなぐときは、必ず接続器具を使うということです。リングスリーブや差込形コネクタを使わず、ねじってテープを巻いただけというのは認められません。
覚える覚え方
3原則は「抵抗・強さ・絶縁」の3語で覚えます。流れにくくしない、切れやすくしない、むき出しにしない——どれも「元の電線より悪くするな」という同じことを言っています。
つなぐ道具は2種類
リングスリーブ(圧着接続)
用語リングスリーブとは?
金属の輪です。この中に電線を通して、専用の圧着工具でつぶして固定します。つぶされた金属が電線をがっちり挟むので、簡単には抜けません。
なぜ?なぜわざわざ工具でつぶすのか?
手で押さえるだけでは、必要な力が出ないからです。圧着工具はてこの原理で強い力をかけ、金属を変形させて密着させます。この密着があるから、抵抗が増えず、引っぱっても抜けません。
つぶすと、工具の刃の形が刻印(圧着マーク)としてスリーブに残ります。この刻印が正しいかどうかも採点対象です。
コツスリーブ選びのコツ
1.6mmが2本だけ … 小スリーブで、刻印は○。ここだけが特別なので、先に覚えてしまいます。
それ以外で小スリーブを使うとき … 刻印も小。
太い線が増えたら中スリーブ … 刻印も中。
2.0mmは1.6mmの約1.6本分と考えると、境目の判断がしやすくなります。
用語スリーブでよくある勘違い
スリーブの大きさと刻印は同じとは限らない … 1.6mm×2本は「小」スリーブなのに、刻印は「○」。ここだけずれます。
1つのスリーブを2回つぶさない … 刻印が2つある=欠陥です。1回で決めます。
1か所に2個のスリーブを使わない … これも欠陥です。
覚える覚え方
迷ったら「1.6が2本だけ○、あとは小、太い線が増えたら中」。この3段階だけ覚えておけば、試験に出る組み合わせはほぼカバーできます。
差込形コネクタ
用語差込形コネクタとは?
穴に電線を差し込むだけでつながる部品です。中にバネのような金具が入っていて、差し込むと抜けない向きに食いつきます。
なぜ?なぜ工具がいらないのか?
部品の中にバネが仕込んであるからです。押し込む方向には入りますが、引き抜こうとすると金具が食い込んで抜けなくなります。そのぶん、あとから外すのは難しく、基本は使い切りです。
例差込形コネクタの使い方
穴の数で使い分ける … 2本用・3本用・4本用があります。つなぐ本数と穴の数を合わせます。
被覆をむく長さは、器具に書いてある目盛りに合わせる … ストリップゲージという目印があります。
差したあと真横から確認 … 「上から見えて、下から見えない」が正解です。
この「上から見えて、下から見えない」は、技能試験の欠陥基準にそのまま書かれています。奥まで届いていないと上から見えず、むきすぎると下からはみ出します。
つないだあとの絶縁処理

リングスリーブでつないだ部分は、そのままでは金属がむき出しです。接続の3原則の3つめ「絶縁は元の電線と同等以上に」を守るため、絶縁処理をします。
例絶縁処理の方法
ビニルテープを巻く … 半幅以上重ねて2回(4層)以上巻くのが目安です。
絶縁キャップをかぶせる … リングスリーブ用のキャップをかぶせれば、テープは不要です。
差込形コネクタは処理不要 … コネクタ自体が絶縁体なので、上からテープを巻く必要はありません。
注意学科でよく問われる形
「絶縁処理として不適切なものは」という聞き方が定番です。
厚さ約0.2mmのビニルテープを、半幅以上重ねて1回(2層)だけ巻いた→ 巻き足りないので不適切。
差込形コネクタで接続し、テープを巻かなかった→ 適切(巻く必要がない)。
過去問では、こう出る
例出題のされ方
①絶縁処理の適否 … テープの巻き方やコネクタの使い方が適切か。問19前後の定番です。
②リングスリーブの選択 … 配線図の問題で「⑯で示すボックス内の接続をすべてリングスリーブで行う場合、使用するスリーブの種類と最小個数は」。
③刻印の組み合わせ … 4枚の写真から、正しい刻印の組み合わせを選ぶ。
④差込形コネクタの個数 … 複線図を描いて、何本ずつ何か所つなぐかを数える問題。
②や④は複線図(実際の電線の本数どおりに描いた配線図)が描けないと解くのが難しい問題です。接続の知識と複線図は、セットで身につけましょう。
なぜ、つなぎ目はボックスの中でなければいけないのか

電線をつなぐ場所にも決まりがあります。接続部分は、ジョイントボックスやアウトレットボックス(主に金属製で、器具の取り付けにも使う箱)の中で行います。壁の中や天井裏で、むき出しのままつないではいけません。
用語ジョイントボックスとは?
電線どうしをつなぐための箱です。金属製と樹脂製があり、ふたを開ければ中のつなぎ目を確認できるようになっています。
なぜ?なぜ箱の中でつながなければいけないのか?
2つ理由があります。1つはあとから点検・修理ができるようにするため。つなぎ目が壁の中に散らばっていると、不具合の原因を探せません。もう1つは万一発熱したときに、火が燃え広がらないようにするためです。
だから複線図でも、電線が集まる場所(ボックス)を丸や四角で描き、そこでつなぐという描き方をします。
よくある質問
まとめ
まとめこの回の要点
接続の3原則は抵抗を増やさない・強さを20%以上減らさない・絶縁は同等以上。
必ず接続器具を使う。ねじってテープだけは不可。
つなぐ道具はリングスリーブと差込形コネクタ。
スリーブは1.6が2本だけ○、あとは小、太くなったら中。
差込形コネクタは上から見えて、下から見えない。
リングスリーブは絶縁処理が必要、差込形コネクタは不要。
