乙4で金属が出てくるのは、危険物を入れるタンクや配管が金属でできているからです。金属がさびる(腐食する)と、そこから危険物が漏れます。そのため試験では、金属の性質とさびやすさの順番(イオン化傾向)が問われるのです。化学の知識がなくても、この記事だけで分かるように解説します。

金属に共通する性質

例まず、この5つ

① 熱や電気をよく通す

② 磨くと光る(金属光沢)

③ たたくと広がり、引っ張ると延びる

④ 常温では固体(水銀だけが液体)

⑤ 多くは水より重い

注意注意

⑤は「多くは」であって「すべて」ではありません。ナトリウムやカリウムのように水より軽い金属もあります。試験では「金属はすべて水より重い」という形で誤りの選択肢が作られます。「すべて」と書いてあったら、いったん疑ってください。

もう一つ大事なのが粉にすると燃えやすくなるという性質です。同じ金属でも、細かい粉にすると空気に触れる面積が増えるので、火がつきやすくなります。

イオン化傾向とは

用語イオン化傾向とは?

イオン化傾向とは、金属が水や酸の中で陽イオン(電子を手放してプラスの電気を帯びた粒)になろうとする性質の強さのことです。イオン化傾向が大きい金属ほど反応しやすく、さびたり酸に溶けたりしやすい。

💡 なぜ?
金属が陽イオンになるということは、相手に電子を渡して別の物に変わるということ。つまり反応しやすさそのものを表しています。

イオン化傾向が大きい金属はさびやすく、小さい金属はさびにくいことを示した図
左へ行くほど反応しやすく、右へ行くほど安定してさびにくくなります。
イオン化傾向 反応のしやすさ 例
大きい 反応しやすい=さびやすい ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄
小さい 安定している=さびにくい 銅、銀、金・白金

注意注意

「イオン化傾向が大きいほど、さびにくい」は誤りです。逆です。大きいほど反応しやすく、さびやすい。さびにくいのは、イオン化傾向の小さい金や白金です。ここは引っかけとしてねらわれやすいポイントです。

覚える覚え方

金(きん)は、ずっと光ったまま——この光景で覚えてください。古い金貨がさびていないのは、金のイオン化傾向が小さいからです。逆に、鉄のフライパンはすぐさびます。

さび(腐食)はなぜ起きるのか

鉄がさびるのは、鉄が空気中の酸素や水分と結びつくからです。これは酸化の一種で、化学変化にあたります。湿った空気の中では特に進みます。

覚える腐食が進みやすい条件

・水分がある(湿気・結露・雨)

・酸素がある

・塩分がある(海の近く、凍結防止剤)

・土の中に埋まっている(土の性質や迷い電流=線路などから地中に漏れ出た電流の影響を受ける)

なぜ?地下に埋めた配管が、なぜ特に腐食しやすいのですか。

土の性質(湿り気・酸性度)や、地中を流れる電流の影響を受けるからです。外から見えないぶん、気づいたときには穴があいていることもあります。そのため、地下タンクや地下配管には、点検の決まりが別に設けられています。

例現場の使いどころ

現場では、塗装・ライニング(内面の被覆)・電気防食といった方法で腐食を防ぎます。電気防食は、守りたい金属より、イオン化傾向の大きい金属をわざと取り付けて、そちらを先にさびさせるという考え方です。イオン化傾向の話が、そのまま現場の対策につながっています。

試験ではこう出る

よくある選択肢 判断
金属はすべて水より重い 誤り。水より軽い金属もある
イオン化傾向が大きいほどさびにくい 誤り。大きいほどさびやすい
鉄がさびるのは酸化の一種 正しい
金属を粉にすると燃えやすくなる 正しい。空気に触れる面積が増える
金や白金はさびにくい 正しい。イオン化傾向が小さい

よくある質問

Q. イオン化傾向の順番を暗記する必要はありますか。

A. 乙4では、大小で「さびやすい・さびにくい」が決まることが分かれば十分です。全部の並び順を覚える必要はありません。

Q. アルミニウムはさびにくい気がします。

A. アルミニウムはイオン化傾向が大きい金属ですが、表面にできた酸化の膜が内部を守るため、見た目には進みにくくなります。性質としては反応しやすい側です。

Q. どうして乙4で金属を学ぶのですか。

A. 危険物を入れるタンク・配管・ドラム缶が金属だからです。腐食は漏えい事故の原因になるため、性質と防ぎ方が問われます。

まとめまとめ

・金属は熱・電気をよく通し、磨くと光り、延びる

・「すべて水より重い」は誤り(水より軽い金属もある)

・イオン化傾向が大きい=反応しやすい=さびやすい

・金・白金はさびにくい(イオン化傾向が小さい)

・さびは酸化=化学変化。水分・酸素・塩分で進む