空調設備の自動制御は、1級管工事施工管理技士の一次検定でほぼ毎年1問出ています。「何をはかって、何を動かすか」という組み合わせを問う形が多く、機器の役目を知っていれば、暗記に頼らなくても判断しやすいのが特徴です。この記事では、設備の知識がない状態からでも読めるように、仕組みから順に解説します。

自動制御は「はかる・くらべる・動かす」

検出器ではかり、調節器でくらべ、操作器で動かすという自動制御の流れ図
どの制御も、この3つの役割でできています。

例3つの役割

① 検出器 … 温度・湿度・圧力・CO₂濃度などをはかる(センサー)

② 調節器 … はかった値と目標値をくらべる

③ 操作器 … 弁やダンパー(ダクトの中で風の量を調節する板)を動かす

用語フィードバック制御とは?

動かした結果をもう一度はかって、目標に近づけていく制御のしかた。エアコンが設定温度に近づくと弱運転になるのは、これです。

💡 なぜ?
結果を見ずに動かすと、行きすぎたり足りなかったりするから。はかる→くらべる→動かす、を繰り返すことで目標に収まります。

二位置制御と比例制御

制御 動き 向いている場面
二位置制御 入・切の2つだけを切り替える 細かい調整がいらないもの(冷却塔ファンなど)
比例制御 ずれの大きさに応じて開度(弁やダンパーの開き具合)を連続で変える 室温や濃度など、なめらかに合わせたいもの

試験では、この2つの使い分けと、何を検出しているかが問われます。例えばCO₂濃度の制御では、還気(部屋から空調機へ戻ってくる空気)が通るダクト内のCO₂濃度をはかり、外気・排気・還気のダンパーを比例制御します。必要なときだけ外気を多く取り入れることで、換気と省エネを両立させる仕組みです。

押さえておきたい組み合わせ

例「何をはかって、何を動かすか」

・冷却塔ファン … 冷却水の温度(出口温度)をはかって二位置制御

・熱源機器の台数制御 … 往き・還りの水温と流量から負荷熱量を求めて台数を増減

・CO₂濃度制御 … 還気ダクト内のCO₂濃度をはかってダンパーを比例制御

・加湿器 … 空調機ファンとインターロック(連動)させる

注意注意

「冷却塔ファンを外気温度で制御する」は誤りです。冷却塔の役目は冷却水を冷やすことなので、はかるのは冷却水の温度です。その機器が何を目的にしているかを考えると、検出する対象は自然に決まります。

なぜ?なぜ加湿器はファンと連動させるのですか。

風が止まったまま加湿すると、ダクトの中で結露するからです。水が霧のまま流れず、たまってしまいます。だから「ファンが回っているときだけ加湿する」という連動(インターロック)をかけます。

覚える覚え方

熱量は「流量 × 温度差」で決まります。だから台数制御に必要なのは往きの水温・還りの水温・流量の3つ。圧力は熱量の計算に入らないので、「往きヘッダー(水を各系統へ分ける太い管)内圧力」は誤りの選択肢として出題されやすい項目です。

台数制御とローテーション

冷凍機やポンプを複数台そなえている建物では、負荷に応じて動かす台数を変えます。このとき、いつも同じ機械ばかり動かすと、その機械だけが早く傷んでしまうでしょう。

そこで、運転時間や運転回数が均等になるよう順番を入れ替えます。これをローテーションといい、機器の寿命をそろえる目的があります。

例現場の使いどころ

実際の中央監視室では、機器ごとの積算運転時間が画面に並んでいます。ローテーションが効いていれば、数字はほぼ同じくらいになるでしょう。片方だけ極端に多いときは、制御の設定か、手動運転のままになっていることを疑います。

試験ではこう出る

よくある選択肢 判断
冷却塔ファンは外気温度で二位置制御 誤り。冷却水の温度ではかる
台数制御に往きヘッダー内圧力が必要 誤り。熱量は流量×温度差
加湿器はファンとインターロックする 正しい
台数制御はローテーションを行う 正しい。寿命をそろえるため
CO₂濃度制御はダンパーを比例制御 正しい

よくある質問

Q. 制御の専門用語を全部覚える必要がありますか。

A. ありません。検出器・調節器・操作器の3つと、二位置制御・比例制御・インターロックが分かれば、多くの選択肢は判断できます。

Q. どう勉強すれば速いですか。

A. 選択肢を読むときに「その機器は何のためにあるか」を先に考えてください。冷却塔なら冷却水を冷やすため。だから見るのは冷却水の温度です。

Q. DDCとは何ですか。

A. DDCとは、デジタル形の調節器のことです。細かい内容までは問われないので、調節器の一種と押さえておけば十分です。

まとめまとめ

・自動制御は検出器(はかる)・調節器(くらべる)・操作器(動かす)

・二位置制御=入切だけ/比例制御=連続で調整

・冷却塔ファンは冷却水の温度で制御(外気温度ではない)

・台数制御に必要なのは往き・還りの水温と流量(圧力ではない)

・加湿器はファンとインターロック、台数制御はローテーション