第3章 材料と機器 | 第10回 | 学習カリキュラムの目次を見る

スイッチとコンセントは、いちばん身近な電気の部品です。そして試験にもたびたび登場します。図記号でも、写真でも、複線図(実際の電線の本数どおりに描いた配線図)でも、繰り返し顔を出します。

この回では、種類と見分け方をまとめて覚えてしまいましょう。実物を思い浮かべながら読むと頭に入りやすくなります。

スイッチは「何か所から操作するか」で決まる

スイッチは「何か所から操作するか」で決まる図記号の横についた小さな数字が種類を表します●単極(片切)スイッチ1か所から入切する、いちばん普通のスイッチ2P両切スイッチ2本の線をまとめて切る。200Vの回路などに使う33路スイッチ2か所から操作する。必ず2個1組で使う44路スイッチ3か所以上から操作。3路2個の間にはさむ
図記号の横の「3」「4」がそのまま3路・4路を表します。数字が無ければ単極です。

用語単極(片切)スイッチとは?

1か所から入切する、最も一般的なスイッチです。部屋の入口にあるスイッチの多くがこれにあたります。2本の電線のうち、危険なほう(非接地側=黒)だけを切ります。

なぜ?なぜ2本のうち片方だけを切るのか?

危険なほうを止めれば、それで安全が確保できるからです。接地側(白)は地面とつながっているので、そちらを切っても器具には黒から電気が来たままになり、電球を替えるときに感電するおそれがあります。だから「片切」は必ず黒い線に入れます。

用語3路スイッチとは?

2か所のどちらからでも、同じ照明をつけたり消したりできるスイッチです。階段の上と下、長い廊下の両端などで使われます。必ず2個1組です。

なぜ?なぜ2個そろわないと使えないのか?

3路スイッチは「切る」部品ではなく「切り替える」部品だからです。電気の通り道を、2本あるうちのどちらかに切り替えているだけなので、1個だけでは、どちらの道もつながったままになってしまいます。2個を向かい合わせにして、道がそろうかずれるかで点いたり消えたりする仕組みです。

3か所以上から操作したいときは、3路スイッチ2個の間に4路スイッチを挟みます。4路スイッチは2本の道を左右で入れ替える部品で、間に何個挟んでも同じように働きます。

コツ図記号での見分け方

記号のうしろに何も無い … 単極(片切)スイッチ

「2P」 … 両切スイッチ(2本まとめて切る。200V回路などで使う)

「3」 … 3路スイッチ

「4」 … 4路スイッチ

「H」 … ホタルスイッチ(消えているときに小さく光る)

「L」 … 位置表示灯内蔵(確認表示灯付き)

覚える覚え方

スイッチの図記号は「数字がそのまま種類」です。3と書いてあれば3路、4と書いてあれば4路。数字が無ければ、いちばん普通の片切です。これを覚えておけば、スイッチの図記号はほぼ読めるでしょう。

パイロットランプは「どこにつなぐか」で動きが変わる

パイロットランプのつなぎ方3種類を比べた図。電源につなぐ常時点灯はいつも光る、照明につなぐ同時点滅は照明がついている間だけ光る、スイッチにつなぐ異時点滅は照明が消えている間だけ光る
名前ではなく「どこにつなぐか」で動きが決まります。

用語パイロットランプ(確認表示灯)とは?

パイロットランプとは、スイッチの横で小さく光っているランプのことです。暗い場所でスイッチの位置を知らせたり、換気扇がまだ回っていることを知らせたりします。

なぜ?なぜ動き方が何種類もあるのか?

使う場所によって、知りたいことが違うからです。暗い廊下では「スイッチはどこか」を知りたいのでいつも光っていてほしい。換気扇では「まだ回っているか」を知りたいので動いている間だけ光ってほしい。目的が違えば、つなぐ場所も変わります。

例3つのつなぎ方

常時点灯 … 電源に直接つなぐ。スイッチと関係なくいつも光る。

同時点滅 … 照明と同じところにつなぐ。照明がついている間だけ光る。

異時点滅 … スイッチと同じところにつなぐ。照明が消えている間だけ光る。

名前だけで覚えようとすると混乱しがちです。「つなぐ相手で動きが変わる」と考えてください。電源につなげば電源と同じでいつも光り、照明につなげば照明と一緒に光り、スイッチにつなげば照明とは逆(照明が消えている間だけ)に光ります。

コンセントは「穴の形」で定格が分かる

コンセントは「穴の形」で電圧と電流が分かる配線図の写真問題でよく問われます15A 125V縦2本(片方が長い)いちばん普通のコンセント20A 125V片方がL字(横向き)20Aの機器も差せる形15A 250V横2本(ハの字)200Vのエアコンなど接地極付丸い穴がもう1つ洗濯機・電子レンジなど
穴の向きと形が、そのまま定格を表しています。写真問題では、まず穴の形を見てください。

コンセントは、差してよい機器が形で決まっています。間違った機器が差さらないように、わざと穴の形を変えてあるのです。

例穴の形と定格

縦に2本(片方が少し長い) … 15A 125V。いちばん普通のコンセント。長いほうが接地側(W)です。

片方がL字(横向き) … 20A 125V。15Aのプラグも差せる兼用形です。

横に2本/ハの字 … 250V用。200Vのエアコンなどに使います。100Vの機器は差さりません。

丸い穴がもう1つある … 接地極付。

三角に3つ … 三相200V用(動力用)。

用語接地極付コンセントとは?

アース(接地)をつなぐための穴が、もう1つ付いたコンセントです。洗濯機・冷蔵庫・電子レンジなど、水気のある場所で使う機器に使います。

なぜ?なぜ水まわりの機器にアースが必要なのか?

万一の漏電のときに、電気を地面へ逃がすためです。ぬれた手で触ると、体を通って電気が流れるおそれがあります。アースがあれば、電気は抵抗の小さい接地線のほうへ流れ、漏電遮断器(漏電を感知して電気を止める装置)も異常に気づいて回路を切ります。

覚えるコンセントで覚えておく決まり

接地側(白)は、必ず長いほうの穴(W端子)へ。逆にすると極性(線をつなぐ向き)の間違いとなり、技能試験では欠陥になります。

15Aのコンセントに20Aのブレーカーという組み合わせはできません。ブレーカー・電線・コンセントの組み合わせは決まっています(第7回)。

屋外や水気のある場所は防雨形(記号WP)を使います。

覚える覚え方

コンセントは「縦は100V、横は200V」。そしてL字が入っていたら20A、丸い穴が増えていたら接地極付。形がそのまま「差してよい機器」を教えてくれているのです。

取付枠のルールも、ここで覚えておく

スイッチやコンセントは、取付枠という枠にはめ込んで壁に固定します。技能試験では付ける位置まで採点されます。

例器具の数と付ける位置

1個のとき … 枠の中央に付ける

2個のとき … 中央を空けて上と下に付ける

3個のとき … 指定された器具を中央に、残りを上下に付ける

裏返して付けるのは欠陥 … 枠には表と裏があります

過去問では、こう出る

例出題のされ方

①図記号を読む … 配線図の問31〜40で「⑦で示す図記号のスイッチは」という形。数字が種類。

②写真から選ぶ … 問41〜50で「この図記号に対応する器具はどれか」と4枚の写真から選ぶ。

③コンセントの定格 … 「20A250Vのコンセントはどれか」と穴の形で選ばせる。

④パイロットランプの結線 … 複線図の問題として、どこにつなぐかを問う。

注意つまずきやすいところ

3路と4路を逆にする … 2か所なら3路2個、3か所以上なら3路2個+4路。「4路だけ2個」という使い方はありません。

コンセントの縦横を取りちがえる … 縦が100V、横が200V。

ホタルスイッチと確認表示灯を混同する … ホタル(H)は消えているときに光る、確認表示灯(L)は動いているときに光るのが基本です。

よくある質問

よくある質問

Q. 片切スイッチを、白い線(接地側)に入れてしまうとどうなりますか?

A. スイッチを切っても、器具に電気が来たままになります。見た目には消えていますが、電球を替えようとして金属部分に触れると感電するおそれがあります。技能試験では欠陥(誤結線)として扱われるので注意が必要です。

Q. 3路スイッチの端子にある「0」「1」「3」は何ですか?

A. 0が共通の端子、1と3が切り替え先です。片方の3路スイッチの0に電源の黒を入れ、もう片方の3路スイッチの0から照明へ出します。1と3どうしを2本の線でつなぐのが基本形です。

Q. コンセントの2つの穴は、どちらが長いのですか?

A. 接地側(白い線をつなぐほう)が長い穴です。器具の裏側にも「W」の刻印があります。長いほう・Wのほうに白、と覚えてください。逆にすると極性の間違いになります。

まとめ

まとめこの回の要点

スイッチは単極・両切・3路・4路。図記号の数字がそのまま種類。

片切スイッチは黒(非接地側)に入れる。

3路は2個1組、3か所以上なら間に4路。

パイロットランプはつなぐ相手で動きが変わる(電源=いつも/照明=一緒/スイッチ=逆)。

コンセントは縦が100V・横が200V・L字が20A・丸穴が接地極付。

取付枠は1個なら中央、2個なら中央を空ける。