第二種電気工事士の筆記試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和元年度(2019年度) 下期(2019年10月6日実施)の問21〜問30です。

ここは工事のルール・検査・法令の分野です。計算はほとんど出てきませんが、そのかわり数字と言葉の決まりごとが多く並んでいます。丸暗記しようとすると混ざりやすいので、この記事では「なぜその決まりがあるのか」を一つずつ書きました。理由が分かると、似た数字が並んでいても迷いにくくなります。

各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、答えと考え方が出ます。まず自分で考えてから開くのがおすすめです。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:2019年度下期第二種電気工事士試験

用語この10問で問われている分野

問21 電線管の工事(CD管・PF管・VE管・金属管) / 問22 D種接地工事の省略 / 問23 電磁的平衡(金属管への電線の入れ方) / 問24 測定器の使い方 / 問25 絶縁抵抗の一括測定 / 問26 300 Vを超える回路の絶縁抵抗と接地工事 / 問27 電圧計・電流計・電力計のつなぎ方 / 問28 電気工事士法(軽微な工事) / 問29 電気用品安全法 / 問30 電圧の区分

なぜ?なぜこの10問はまとめて勉強すると効率がいいのか?

同じ考え方が、角度を変えて何度も出てくるからです。例えば問21〜23は「どの場所で、どの管を、どう使うか」、問24〜27は「何を、どの測定器で、どう測るか」、問28〜30は「どの法律が何を決めているか」です。まとまりごとに整理すると、1つ覚えたことが隣の問題にも使えます。

問21

分野:施工(電線管の工事)重要度 ★★★

木造住宅の単相3線式100/200 V屋内配線工事で,不適切な工事方法は。
ただし,使用する電線は600 V ビニル絶縁電線,直径1.6 mm(軟銅線)とする。

イ.合成樹脂製可とう電線管(CD管)を木造の床下や壁の内部及び天井裏に配管した。
ロ.合成樹脂製可とう電線管(PF管)内に通線し,支持点間の距離を1.0 mで造営材に固定した。
ハ.同じ径の硬質塩化ビニル電線管(VE)2本をTSカップリングで接続した。
ニ.金属管を点検できない隠ぺい場所で使用した。
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正解

イ.合成樹脂製可とう電線管(CD管)を木造の床下や壁の内部及び天井裏に配管した。
この問題は何を聞いているの?

「木の家の配線工事で、決まりに合わないやり方はどれか」を聞いています。4つの選択肢は、どれも電線を通す「管(くだ)」の使い方の話です。

管にはプラスチック製・金属製など、いくつも種類があります。種類ごとに「使ってよい場所」が決まっているので、まずは管の名前から1つずつ見ていきましょう。

問題文の言葉を説明する

用語単相3線式100/200 V(たんそう3せんしき)とは?

単相3線式とは、3本の電線で電気を送る、住宅で最も多い配線の方式のことです。電線の組み合わせ方によって、照明やコンセント用の100 Vと、エアコンなど用の200 Vの両方を取り出せます。

用語600 V ビニル絶縁電線(IV)とは?

600 V ビニル絶縁電線とは、銅の芯をビニルの皮で1枚だけ覆った電線のことです。略して「IV(アイブイ)」と呼びます。皮が1枚だけで傷つきやすいため、管の中に通して守るのが基本の使い方です。

用語電線管(でんせんかん)とは?

電線管とは、電線を中に通して、ぶつかりや傷から守るための管のことです。壁の中や床下に電線を通すとき、IVのような皮が1枚の電線は、管に入れて使うのが決まりになっています。

なぜ?なぜ管の種類によって使える場所が違うのか?

管の材料によって、火や水や衝撃への強さが違うからです。例えば、燃えやすい管を木の家の壁の中に置くと、万一電線が熱を持ったときに火が広がるおそれがあります。そのため法令(電気設備の技術基準の解釈)で、管ごとに使ってよい場所が決められているのです。

選択肢に出てくる管を説明する

用語合成樹脂製可とう電線管とは?

合成樹脂製可とう電線管とは、プラスチックでできた、手で曲げられる管のことです。「合成樹脂」はプラスチック、「可とう(かとう)」は曲げることができるという意味。じゃばら状なので、曲がった道すじにも通しやすくなっています。代表がCD管とPF管の2つです。

用語CD管(シーディーかん)とは?

CD管とは、合成樹脂製可とう電線管のうち、燃えにくくする工夫がされていない管のことです。CDはCombined Duct(コンバインド・ダクト)の略。見分けやすいようにオレンジ色で作られていることが多く、コンクリートの中に埋め込むための管です。

なぜ?なぜCD管はコンクリートに埋め込むときだけ使うのか?

CD管は火がつくと燃え続けてしまう管だからです。コンクリートの中なら、まわりが燃えない材料で囲まれているので、管が燃え広がる心配がありません。反対に、木の床下・壁の中・天井裏のようにまわりが燃える材料の場所では、火事の原因になりかねません。そのためCD管は、コンクリートに直接埋め込む場合を除き、燃えにくい管やダクトに入れて使う決まりです。

用語PF管(ピーエフかん)とは?

PF管とは、合成樹脂製可とう電線管のうち、火を離すと自然に消える性質(自己消火性)を持たせた管のことです。PFはPlastic Flexible(プラスチック・フレキシブル)の略です。燃え広がりにくいので、木の家の壁の中や天井裏にも使えます。

用語支持点間の距離(しじてんかんのきょり)とは?

支持点間の距離とは、管を留め具で建物に固定するときの、留め具と留め具の間隔のことです。「造営材(ぞうえいざい)」は、柱・壁・天井など、建物そのものの部分を指します。合成樹脂管(PF管・VE管など)の支持点間は1.5 m以下です。

なぜ?なぜ管を留める間隔に上限があるのか?

間隔が空きすぎると、管が自分の重さや電線の重さでたわみ、外れたり傷ついたりするからです。プラスチックの管は金属より柔らかいので、こまめに留めてまっすぐ保つ必要があります。ロの1.0 mは1.5 m以下の範囲内です。

用語硬質塩化ビニル電線管(VE管)とは?

VE管とは、硬いプラスチック(塩化ビニル)でできた、まっすぐな電線管のことです。灰色のものが多く、水道の塩ビ管に似た見た目をしています。曲げられない代わりに丈夫で、水やさびに強いのが特徴です。

用語TSカップリングとは?

TSカップリングとは、VE管どうしをつなぐための筒形の部品のことです。TSはTaper Sleeve(テーパー・スリーブ)の略で、「奥に行くほど細くなる筒」という意味です。両側からVE管を差し込み、接着剤で固定して使います。

なぜ?なぜTSカップリングは中が奥ほど細くなっているのか?

差し込むほど管がきつく締まり、抜けにくくなるからです。同じ太さの管どうしを、すき間なくしっかりつなぐための形といえます。ハの「同じ径のVE管2本をTSカップリングでつなぐ」は、まさに本来の使い方です。

用語金属管(きんぞくかん)と隠ぺい場所とは?

金属管とは、鉄などでできた硬い電線管のことです。中の電線をぶつかりや火から強く守れます。「隠ぺい場所」とは、壁の中や天井裏など、外から見えない場所のこと。さらに「点検できない隠ぺい場所」は、後から開けて見ることができない場所を指します。

なぜ?なぜ金属管は点検できない隠ぺい場所でも使えるのか?

金属管は燃えず、つぶれにくく、中の電線をしっかり守れるからです。後から点検できない場所でも、長い間、電線を守り続けられるので、金属管工事は乾燥した場所・湿気の多い場所・見える場所・隠れた場所のどこでも施設できます。

選択肢を1つずつ確かめる

イ CD管を木造の床下・壁の内部・天井裏に配管した … CD管は燃え広がる管なので、コンクリートに直接埋め込む場合を除き、そのままでは使えません。木の家の中に配管するのは決まりに反します。→ 不適切=これが答え

ロ PF管の支持点間を1.0 mにした … 合成樹脂管の支持点間は1.5 m以下。1.0 mは範囲内です。→ 適切

ハ 同じ径のVE管2本をTSカップリングでつないだ … TSカップリングはVE管どうしをつなぐ部品。正しい使い方です。→ 適切

ニ 金属管を点検できない隠ぺい場所で使った … 金属管工事はどの場所でも施設できる工事です。→ 適切

よって答えはイです。

間違えた人が選びやすいのはニ

「点検できない隠ぺい場所」という言葉は、いかにも禁止されていそうに聞こえます。そのため、ニを選んでしまう人もいるでしょう。

しかし金属管は、電線を守る力が最も強い管の1つです。守りが強いからこそ、後から見られない場所でも使ってよいのです。「場所の条件が厳しそう」ではなく、「その管は何でできているか」から考えると迷いにくくなります。

覚えるこの問題の覚え方

「CDはコンクリート(Concrete)専用、PFは家の中もOK」。CDの「C」をコンクリートの「C」と結びつけると混ざりにくくなります(正式な略は Combined Duct です)。オレンジ色の管を見たら、「コンクリートの中に埋める管」と思い出しましょう。

問22

分野:施工(D種接地工事の省略)重要度 ★★★

D種接地工事を省略できないものは。
ただし,電路には定格感度電流30 mA,定格動作時間0.1秒の漏電遮断器が取り付けられているものとする。

イ.乾燥した場所に施設する三相200 V(対地電圧200 V)動力配線の電線を収めた長さ3 mの金属管。
ロ.乾燥した場所に施設する単相3線式100/200 V(対地電圧100 V)配線の電線を収めた長さ6 mの金属管。
ハ.乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相200 V(対地電圧200 V)空気圧縮機の金属製外箱部分。
ニ.乾燥した場所のコンクリートの床に施設する三相200 V(対地電圧200 V)誘導電動機の鉄台。
答え・解説を見る
正解

ニ.乾燥した場所のコンクリートの床に施設する三相200 V(対地電圧200 V)誘導電動機の鉄台。
この問題は何を聞いているの?

「地面とつなぐ工事(接地工事)を、やめてはいけないのはどれか」を聞いています。接地工事は本来は必要な工事です。ただし条件がそろえば省略してよいという例外があり、その条件を正しく知っているかが問われています。

4つの選択肢は、金属管が2つ、機械が2つです。金属管と機械では、省略できる条件が違うので、分けて考えるのがコツです。

問題文の言葉を説明する

用語接地工事(せっちこうじ)とは?

接地工事とは、機械の金属の部分や金属管を、電線で地面(大地)とつないでおく工事のことです。「アース」ともいいます。洗濯機の後ろに付いている緑色の線を思い浮かべると分かりやすいでしょう。

なぜ?なぜ金属の部分を地面とつないでおくのか?

機械の中で電線の皮が傷み、金属の外側に電気が漏れたとき、その電気を地面へ逃がすためです。地面とつながっていないと、漏れた電気は金属にたまったままになります。そこへ人が触ると、電気が人の体を通って地面へ流れる=感電が起きてしまうのです。

用語D種接地工事(ディーしゅせっちこうじ)とは?

D種接地工事とは、使用電圧が300 V以下の機械や金属管に行う接地工事のことです。接地工事にはA種・B種・C種・D種の4種類があり、D種は第二種電気工事士の試験でよく出てくる種類です。

用語対地電圧(たいちでんあつ)とは?

対地電圧とは、電線と地面(大地)のあいだの電圧のことです。人は地面に立っているので、電線に触れたときに体にかかるのはこの電圧だと考えてください。

なぜ?なぜ「三相200 V」と「単相3線式200 V」で対地電圧が違うのか?

電線のつなぎ方が違うからです。単相3線式は、真ん中の線(中性線)が地面とつながっているので、どの電線も地面との差は100 Vで済みます。一方、この問題の三相200 Vは対地電圧200 Vと書かれているでしょう。つまり電線と地面の差が200 Vあるということです。問題文の( )の中の数字をそのまま使えば大丈夫です。

用語漏電遮断器(ろうでんしゃだんき)とは?

漏電遮断器とは、電気が本来の道から漏れたこと(漏電)を感じ取ると、自動で電気を止める装置のことです。分電盤の中にある、テストボタン付きのブレーカーがこれにあたります。

用語定格感度電流・定格動作時間とは?

定格感度電流とは、どれだけの漏れ電流で反応するかという値です。定格動作時間は、反応してから電気を止めるまでの時間を表します。この問題の漏電遮断器は「30 mA(0.03 A)の漏れで、0.1秒以内に止める」という性能です。

省略できる条件を整理する

覚える金属管のD種接地工事を省略できる主な条件

① 使用電圧300 V以下で、管の長さが4 m以下のものを、乾燥した場所に施設する

② 対地電圧150 V以下で、管の長さが8 m以下のものを、乾燥した場所に施設する(または簡易接触防護措置を施す)

※ 対地電圧が低いほど、長い管まで省略できるという関係になっています。

なぜ?なぜ短い金属管なら接地を省略できるのか?

管が短いほど、人が触れる機会も、電線が傷む場所も少ないからです。さらに乾燥した場所なら、もし触れても電気が体に流れにくくなります。危険が小さい条件がそろったときだけ、省略が認められているのです。

覚える機械の金属製外箱・鉄台のD種接地工事を省略できる主な条件

① 対地電圧150 V以下の機械を、乾燥した場所に施設する

② 乾燥した木製の床など、電気を通しにくいものの上で取り扱うように施設する

③ 水気のある場所以外で、定格感度電流15 mA以下・動作時間0.1秒以下の(電流動作型の)漏電遮断器を施設する

※ ほかに、二重絶縁の構造の機械などにも省略の決まりがあります。

なぜ?なぜ乾燥した木の床の上なら省略できるのか?

乾いた木は電気をほとんど通さないからです。人が乾いた木の床に立っていれば、機械に電気が漏れていても、電気が体を通って地面へ流れる道ができにくいのです。コンクリートの床は、湿気を含みやすく、木より電気を通しやすいため、この例外には入りません。

なぜ?なぜ30 mAの漏電遮断器では省略できないのか?

省略が認められるのは、15 mA以下で反応する、より敏感な漏電遮断器のときだけだからです。この問題の漏電遮断器は30 mAなので、条件の「15 mA以下」を満たしません。30 mAで0.1秒の漏電遮断器があれば、D種接地の抵抗値を500 Ωまでゆるめられるという別の決まりはあります。ただし、これは「省略してよい」とは違う点に注意しましょう。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 乾燥した場所・三相200 V・長さ3 mの金属管 … 使用電圧200 Vは300 V以下、長さ3 mは4 m以下、場所は乾燥。条件①を満たします。→ 省略できる

ロ 乾燥した場所・対地電圧100 V・長さ6 mの金属管 … 対地電圧100 Vは150 V以下、長さ6 mは8 m以下、場所は乾燥。条件②を満たします。→ 省略できる

ハ 乾燥した木製の床の上で取り扱う空気圧縮機の外箱 … 乾燥した木製の床の上という条件に当てはまります。→ 省略できる

ニ 乾燥した場所のコンクリートの床・対地電圧200 Vの電動機の鉄台 … 対地電圧200 Vは150 Vを超える。床は木ではなくコンクリート。漏電遮断器は30 mAで15 mAを超える。どの条件にも当てはまりません。→ 省略できない=これが答え

よって答えはニです。

間違えた人が選びやすいのはロ

「長さ6 m」を見て、「4 mを超えているから省略できない」と考える人が多いでしょう。4 mという数字だけを覚えていると、ここで引っかかります。

ロは対地電圧100 Vの配線です。対地電圧150 V以下なら8 mまで省略できるので、6 mは範囲内です。金属管の問題では、まず対地電圧を見てから、4 mと8 mのどちらで判断するかを決めましょう。

覚えるこの問題の覚え方

金属管は「300 V以下なら4 m、150 V以下なら8 m」。電圧が半分くらいになると、長さは倍まで許される——とセットで覚えると混ざりません。機械のほうは、「150 V以下・乾いた木の床・15 mAの漏電遮断器」の3つが代表的な省略の条件です。

問23

分野:施工(電磁的平衡)重要度 ★★☆

電磁的不平衡を生じないように,電線を金属管に挿入する方法として,適切なものは。

令和元年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 問23 の選択肢イ〜ニの図(電源と負荷を金属管でつないだ4通りの配線)
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正解

ロ.(1φ2W・各管に電源の左右の線が1本ずつ入る図)
この問題は何を聞いているの?

「電線を金属管に入れるとき、正しい入れ方はどの図か」を聞いています。図の筒の形のものが金属管、筒の中の点線が管の中を通っている電線です。

ポイントは、1つの回路の電線が、同じ管にまとまって入っているかです。言葉を説明したあと、図を1つずつ見ていきます。

図と問題文の言葉を説明する

用語1φ2W・3φ3W とは?

φ(ファイ)は「相(そう)」、Wは「線(Wire=ワイヤー)」を表す記号です。1φ2Wは単相2線式(2本の電線で送る、ふつうの100 Vなどの方式)。3φ3Wは三相3線式(3本の電線で送る、大きなモーター用の方式)です。図の縦線が電源の電線で、1φ2Wは2本、3φ3Wは3本描かれています。

用語負荷(ふか)とは?

負荷とは、電気を使う機械や器具のことです。照明・エアコン・モーターなどがこれにあたります。図の四角い箱に「負荷」と書かれているのが、それです。

用語電磁的不平衡(でんじてきふへいこう)とは?

電線に電気が流れると、電線のまわりに目に見えない「磁気(じき)の力」が生まれます。磁石が鉄を引きつけるのと同じ種類の力です。行きの電流と帰りの電流が同じ管に入っていると、この磁気の力が打ち消し合います。この状態が「電磁的平衡」です。反対に、打ち消し合わずに磁気の力が残ってしまう状態が「電磁的不平衡」です。

なぜ?なぜ行きと帰りの電線を一緒にすると磁気が打ち消し合うのか?

行きと帰りでは、電流の向きが反対だからです。電流の向きが反対なら、まわりに生まれる磁気の力の向きも反対になります。2本がすぐ近くを通っていれば、右向きの力と左向きの力がちょうど打ち消し合うのです。三相の3本も、3本そろうと合計がゼロになるように作られています。

なぜ?なぜ金属管で磁気が残ると困るのか?

金属管は鉄でできているので、磁気の影響を強く受けるからです。交流の電気は、向きの行ったり来たりを1秒間に50回か60回(地域で違う)くり返すので、磁気の力も入れかわります。すると鉄の管の中に余計な電流が流れて管が熱を持ったり、うなるような音や振動が出たりするおそれがあるのです。そのため、1つの回路の電線は全部同じ管に入れるのが決まりです。

図を1つずつ確かめる

イ 3φ3W・管が2本 … 上の管に2本、下の管に1本と、三相の3本が2つの管に分かれています。3本そろっていないので、磁気が打ち消し合いません。→ 不適切

ロ 1φ2W・負荷が2つ・管が2本 … 電源の左の線から1本、右の線から1本ずつが、それぞれの管に入っています。どちらの管にも1つの負荷の行きと帰りがそろった状態です。→ 適切=これが答え

ハ 1φ2W・負荷が2つ・管が2本 … 上の管には左の線から2本、下の管には右の線から2本が入っています。どちらの管も行きだけ・帰りだけになっていて、打ち消し合いません。→ 不適切

ニ 3φ3W・管が3本 … 三相の3本を1本ずつ別々の管に入れています。どの管も1本だけなので、磁気がそのまま残ってしまうのです。→ 不適切

よって答えはロです。

例図の見方のコツ

① 電源の縦線のどこに黒い点(●)があるかを見る … 黒い点は、その縦線から電線が分かれて出ている所です。

② 1つの管に入っている電線が、どの縦線から来ているかをたどる … 1φ2Wなら「左の線と右の線が1本ずつ」、3φ3Wなら「3本の線が1本ずつ」そろっていれば正解です。

③ 負荷までたどって確かめる … 1つの負荷の行きと帰りが、同じ管を通っているかを見ます。

間違えた人が選びやすいのはハ

ハは、ロと同じく1φ2Wで管も負荷も2つなので、ぱっと見ではそっくりです。線が交差している点も似ているので、見た目で選ぶと取り違えやすい図です。

違いは、黒い点から出た2本が、同じ縦線から出ているかです。ハは1本の縦線から2本とも同じ管に入れているので、行きどうし・帰りどうしになってしまいます。「1つの管に、違う縦線から1本ずつ」と確かめれば迷いません。

覚えるこの問題の覚え方

「1つの回路は1つの管に、全員そろって入る」。単相なら2本、三相なら3本が同じ管の中にそろっていれば平衡です。図では、1つの管に入る電線が、電源の別々の縦線から来ているかをたどりましょう。

問24

分野:検査(測定器の使い方)重要度 ★★★

屋内配線の検査を行う場合,器具の使用方法で,不適切なものは。

イ.検電器で充電の有無を確認する。
ロ.接地抵抗計(アーステスタ)で接地抵抗を測定する。
ハ.回路計(テスタ)で電力量を測定する。
ニ.絶縁抵抗計(メガー)で絶縁抵抗を測定する。
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正解

ハ.回路計(テスタ)で電力量を測定する。
この問題は何を聞いているの?

「測定器と、その測定器で測るものの組合せで、間違っているのはどれか」を聞いています。工事が終わったあとには、安全に使えるかを確かめる検査が欠かせません。その検査で使う道具の名前と使い道を知っているかが問われています。

4つの測定器を1つずつ、何を測る道具なのかから説明していきます。

選択肢の測定器を説明する

用語検電器(けんでんき)とは?

検電器とは、電線や器具に電気が来ているかどうかを調べる道具のことです。ペンのような形のものが多く、電気が来ていると光ったり音が鳴ったりします。

用語充電(じゅうでん)とは?

この問題の「充電」は、スマートフォンの充電のことではありません。電気工事では、電線や器具に電圧がかかっている(電気が来ている)状態を「充電している」といいます。「充電の有無を確認する」とは、電気が来ているかどうかを確かめるという意味です。

なぜ?なぜ作業の前に検電器で確かめるのか?

電気が切れていると思い込んで触ると、感電するおそれがあるからです。ブレーカーを切ったつもりでも、別の回路から電気が来ていることがあります。作業の前に検電器で確かめれば、思い込みによる事故を防げるのです。

用語接地抵抗計(せっちていこうけい)=アーステスタとは?

接地抵抗計とは、接地工事(機械や金属管を地面とつなぐ工事)がきちんとできているかを測る道具のことです。測るのは「接地抵抗」=地面とのつながりの、電気の通りにくさです。

なぜ?なぜ接地抵抗は小さいほうが良いのか?

漏れた電気を、地面へすばやく逃がせるからです。接地抵抗が大きいと、漏れた電気が地面へ流れにくくなり、機械の金属部分に電気が残ってしまいます。そのため接地工事の種類ごとに、「◯Ω以下」という上限が決められているのです。

用語絶縁抵抗計(ぜつえんていこうけい)=メガーとは?

絶縁抵抗計とは、電線の皮(絶縁)が傷んでいないかを調べる道具のことです。測るのは「絶縁抵抗」=電線と地面、または電線どうしのあいだの電気の通りにくさです。単位にMΩ(メガオーム=100万Ω)を使うので、「メガー」とも呼ばれます。

なぜ?なぜ絶縁抵抗は大きいほうが良いのか?

絶縁抵抗が大きいほど、電気が漏れにくいからです。電線の皮が傷むと、本来は電気が通ってはいけない所へ電気が漏れます。接地抵抗は「小さいほど良い」、絶縁抵抗は「大きいほど良い」と、向きが逆になる点を押さえておきましょう。

用語回路計(かいろけい)=テスタとは?

回路計とは、1台で電圧・電流・抵抗などを切りかえて測れる、手のひらサイズの測定器のことです。「テスタ」とも呼ばれます。ダイヤルを回して、何を測るか(電圧・電流・抵抗など)を選ぶ仕組みです。

用語電力量(でんりょくりょう)とは?

電力量とは、ある時間のあいだに使った電気の量の合計のことです。単位はkWh(キロワットアワー)で、電気料金の計算にも使われます。例えば1 kW(1,000 W)の電気器具を2時間使うと、1 × 2 = 2 kWhです。

なぜ?なぜテスタでは電力量を測れないのか?

電力量は「電気の強さ × 使った時間」を積み重ねた量だからです。テスタは、その瞬間の電圧や電流を測る道具です。時間とともに積み重なる量を記録する機能はありません。電力量を測るのは、家の外に付いている電力量計(でんりょくりょうけい)の役目です。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 検電器で充電の有無を確認する … 検電器は電気が来ているかを調べる道具。正しい使い方です。→ 適切

ロ 接地抵抗計で接地抵抗を測定する … 名前のとおりの使い方です。→ 適切

ハ 回路計(テスタ)で電力量を測定する … テスタで測れるのは電圧・電流・抵抗など。電力量は電力量計で測ります。→ 不適切=これが答え

ニ 絶縁抵抗計で絶縁抵抗を測定する … 名前のとおりの使い方です。→ 適切

よって答えはハです。

間違えた人が選びやすいのはイ

「充電」という言葉を、スマートフォンや電池に電気をためることだと思うと、イがおかしく見えるでしょう。「検電器で電池の充電を確かめるの?」と感じて選んでしまうのです。

電気工事の言葉では、充電=電気が来ている状態という意味です。日常の言葉と意味が違う専門用語は、問題文の中で別の意味になっていないかを一度疑ってみましょう。

覚えるこの問題の覚え方

測定器は「名前の最後」が測るもの。接地抵抗計→接地抵抗、絶縁抵抗計→絶縁抵抗、電力量計→電力量、検電器→電気が来ているか。テスタは「その場の電圧・電流・抵抗」だけで、時間の積み重ね(電力量)は測れないと覚えましょう。

問25

分野:検査(絶縁抵抗の一括測定)重要度 ★★★

分岐開閉器を開放して負荷を電源から完全に分離し,その負荷側の低圧屋内電路と大地間の絶縁抵抗を一括測定する方法として,適切なものは。

イ.負荷側の点滅器をすべて「切」にして,常時配線に接続されている負荷は,使用状態にしたままで測定する。
ロ.負荷側の点滅器をすべて「切」にして,常時配線に接続されている負荷は,すべて取り外して測定する。
ハ.負荷側の点滅器をすべて「入」にして,常時配線に接続されている負荷は,使用状態にしたままで測定する。
ニ.負荷側の点滅器をすべて「入」にして,常時配線に接続されている負荷は,すべて取り外して測定する。
答え・解説を見る
正解

ハ.負荷側の点滅器をすべて「入」にして,常時配線に接続されている負荷は,使用状態にしたままで測定する。
この問題は何を聞いているの?

「家の配線と地面のあいだの絶縁抵抗を、まとめて1回で測るとき、スイッチと電気器具をどうしておくか」を聞いています。選択肢は、スイッチを「切」か「入」かと、器具を付けたままか外すかの組合せです。

2つのことを1つずつ決めれば答えが出ます。まずは問題文の言葉から見ていきましょう。

問題文の言葉を説明する

用語分岐開閉器(ぶんきかいへいき)とは?

分岐開閉器とは、分電盤の中で、部屋ごと・用途ごとに分かれた回路の電気を入れたり切ったりする装置のことです。家庭では分電盤に並んでいる小さなブレーカーがこれにあたります。「開放する」とは、電気を切るという意味です。

なぜ?なぜ測る前に分岐開閉器を開放するのか?

絶縁抵抗計は、測るときに自分で電圧をかける道具だからです。電源から電気が来たままだと、正しく測れないうえに、測定器や人が危険になります。だから最初に分岐開閉器を切り、電源から完全に切り離してから測るのです。

用語絶縁抵抗(ぜつえんていこう)とは?

絶縁抵抗とは、電線と地面のあいだ(または電線どうしのあいだ)の、電気の通りにくさのことです。電線の皮が健全なら、ここはほとんど電気を通さないので数値は大きくなります。数値が大きいほど、電気が漏れにくい良い状態です。

用語一括測定(いっかつそくてい)とは?

一括測定とは、たくさんの電線をまとめてつなぎ、1回で絶縁抵抗を測る方法のことです。1本ずつ測るより早く済みます。まとめて測って基準を満たしていれば、どの電線も基準を満たしていると判断してよいのです。

用語点滅器(てんめつき)とは?

点滅器とは、照明などを点けたり消したりするスイッチのことです。壁に付いている、ふつうの照明のスイッチを思い浮かべてください。

用語常時配線に接続されている負荷とは?

負荷とは、電気を使う器具のことです。「常時配線に接続されている負荷」とは、コンセントに差すのではなく、配線に直接つながっている器具を指します。天井に取り付けた照明器具などがその例です。

スイッチは「切」か「入」か

なぜ?なぜ点滅器は「入」にしておくのか?

スイッチの先の電線まで、全部測るためです。スイッチを「切」にすると、スイッチの先にある電線が、測定器から切り離されてしまいます。そこに皮の傷があっても見つけられません。「入」にしておけば、スイッチの先の照明器具までの電線もまとめて測れるのです。

例身近な例で考えると

水道管のもれを調べるとき、途中の蛇口を閉めたままだと、その先の管は調べられません。全部の管を調べるには、途中の弁をすべて開けておく必要があります。点滅器を「入」にするのも、これと同じ考え方です。

器具は付けたままか、外すか

なぜ?なぜ大地間の測定では器具を付けたままでよいのか?

この問題で測るのは、電線と地面(大地)のあいだです。器具の中は電線と電線のあいだをつないでいますが、電線と地面のあいだはつないでいません。そのため、器具を付けたままでも、電線と地面のあいだの測定には影響しないのです。

なぜ?なぜ電線どうし(線間)の測定では器具を外すのか?

器具が電線どうしのあいだをつないでいるからです。器具を付けたまま線間を測ると、器具の中を通って電気が流れてしまい、絶縁が悪いように見えてしまいます。だから線間を測るときは器具を外すのです。「大地間は付けたまま、線間は外す」と区別しておきましょう。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 点滅器「切」・器具は付けたまま … 「切」ではスイッチの先の電線を測れません。→ 不適切

ロ 点滅器「切」・器具はすべて外す … 「切」では測れない所が残ります。器具を外す必要もありません。→ 不適切

ハ 点滅器「入」・器具は付けたまま … スイッチの先まで全部測れて、大地間なので器具は付けたままでよい。→ 適切=これが答え

ニ 点滅器「入」・器具はすべて外す … 「入」は正しいですが、器具を外すのは線間を測るときの方法です。→ 不適切

よって答えはハです。

間違えた人が選びやすいのはニ

「器具を付けたまま測ると、器具に悪い影響があるのでは」と考えて、ニを選ぶ人も多いでしょう。外したほうが丁寧に見えるのも、迷う理由の1つです。

器具を外すのは線間の測定のときです。この問題は大地間の測定なので、外す必要はありません。問題文の「大地間」という言葉を見落とさないことが大切です。

覚えるこの問題の覚え方

大地間の一括測定は「スイッチ入・器具そのまま」。スイッチを入れるのは先の電線まで全部測るため。器具を外すのは線間を測るときだけ。「入れて、そのまま」と短く覚えておきましょう。

問26

分野:法令(絶縁抵抗と接地工事)重要度 ★★★

次の空欄(A),(B)及び(C)に当てはまる組合せとして,正しいものは。

使用電圧が300Vを超える低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は区切ることのできる電路ごとに (A) [MΩ]以上でなければならない。また,当該電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱には (B) 接地工事を施し,接地抵抗値は (C) [Ω]以下に施設することが必要である。
ただし,当該電路に施設された地絡遮断装置の動作時間は0.5秒を超えるものとする。

イ.(A)0.4  (B)C種  (C)10
ロ.(A)0.4  (B)C種  (C)500
ハ.(A)0.2  (B)D種  (C)100
ニ.(A)0.4  (B)D種  (C)500
答え・解説を見る
正解

イ.(A)0.4  (B)C種  (C)10
この問題は何を聞いているの?

「300 Vを超える低圧の回路で、絶縁抵抗の最低値・接地工事の種類・接地抵抗の上限はいくつか」を聞いています。3つの空欄に入る数字と言葉の組合せを選ぶ問題です。

3つとも法令で決まった値なので、覚えているかどうかで決まります。ただし理由とセットで覚えると混ざりにくいので、1つずつ見ていきましょう。

問題文の言葉を説明する

用語使用電圧(しようでんあつ)と低圧(ていあつ)とは?

使用電圧とは、その回路でふだん使っている電圧のことです。低圧とは、法令で決められた電圧の区分で、交流なら600 V以下を指します。この問題は「300 Vを超える低圧」なので、300 Vより大きく600 V以下の回路です。工場の400 V級のモーターの回路などがこれにあたります。

用語絶縁抵抗(ぜつえんていこう)とは?

絶縁抵抗とは、電線どうし、または電線と地面のあいだの、電気の通りにくさのことです。電線の皮が健全なら、ここはほとんど電気を通しません。数値が大きいほど、電気が漏れにくい良い状態です。単位はMΩ(メガオーム=100万Ω)を使います。

用語接地工事(せっちこうじ)と接地抵抗とは?

接地工事とは、機械の金属の部分を、電線で地面とつないでおく工事のことです。接地抵抗とは、そのつながりの電気の通りにくさのこと。漏れた電気を地面へすばやく逃がしたいので、接地抵抗は小さいほど良い値です。

なぜ?なぜ絶縁抵抗は「以上」、接地抵抗は「以下」なのか?

目的が反対だからです。絶縁抵抗は電気を通さないための壁なので、大きい(=◯以上)ほど安全と言えます。接地抵抗は電気を地面へ逃がす道なので、小さい(=◯以下)ほど安全です。問題文でも、(A)は「以上」、(C)は「以下」と書かれています。

用語地絡遮断装置(ちらくしゃだんそうち)とは?

地絡遮断装置とは、電気が地面へ漏れたこと(地絡)を感じ取ると、自動で電気を止める装置のことです。漏電遮断器がその代表です。この問題では、その動作時間が「0.5秒を超える」、つまり止まるまでに0.5秒より長くかかるという条件が付いています。

(A)絶縁抵抗の最低値

覚える低圧の電路の絶縁抵抗の最低値(電気設備の技術基準)

使用電圧300 V以下で、対地電圧150 V以下 → 0.1 MΩ以上

使用電圧300 V以下で、対地電圧150 Vを超える → 0.2 MΩ以上

使用電圧300 Vを超える → 0.4 MΩ以上

※ 0.1・0.2・0.4と、倍々に増えていくと覚えます。

なぜ?なぜ電圧が高いほど絶縁抵抗の基準が厳しくなるのか?

電圧が高いほど、同じ絶縁抵抗でも漏れる電流が大きくなるからです。漏れる電流は電圧 ÷ 抵抗で決まります。例えば0.1 MΩ(10万Ω)のとき、100 Vなら100 ÷ 100,000 = 0.001 Aです。400 Vなら400 ÷ 100,000 = 0.004 Aで、4倍に増えてしまいます。電圧が高い回路ほど大きな絶縁抵抗が求められるのです。

この問題は「使用電圧が300 Vを超える」回路なので、(A)は0.4です。

(B)接地工事の種類

覚える低圧の機械器具の金属製の台・外箱の接地工事

使用電圧300 V以下 → D種接地工事

使用電圧300 Vを超える低圧 → C種接地工事

なぜ?なぜ300 Vを超えるとC種になるのか?

電圧が高い機械ほど、漏電したときの感電の危険が大きいからです。C種はD種より接地抵抗の上限が厳しい(小さい)接地工事。危険が大きい機械には、より確実に電気を地面へ逃がせる工事を求めているのです。

この問題は300 Vを超える低圧なので、(B)はC種です。

(C)接地抵抗の上限

覚えるC種・D種接地工事の接地抵抗の上限

C種接地工事 → 10 Ω以下(地絡が起きたとき0.5秒以内に自動で電気を止める装置があれば500 Ω以下)

D種接地工事 → 100 Ω以下(同じ装置があれば500 Ω以下)

なぜ?なぜ0.5秒以内に止まる装置があると500 Ωまでゆるめられるのか?

漏電してもすぐに電気が止まれば、人が感電している時間が短くなるからです。電気がすぐ止まるなら、地面へ逃がす道が多少通りにくくても、危険は小さく済みます。反対に止まるまで0.5秒より長くかかるなら、ゆるめることはできません。

この問題は「地絡遮断装置の動作時間は0.5秒を超える」と書かれています。500 Ωにゆるめる条件を満たさないので、(C)はC種の本来の上限=10です。

選択肢を1つずつ確かめる

イ (A)0.4 (B)C種 (C)10 … 300 V超=0.4 MΩ/C種/0.5秒を超えるので10 Ω。3つとも合っています。→ 正しい=これが答え

ロ (A)0.4 (B)C種 (C)500 … 500 Ωにできるのは0.5秒以内に止まる装置があるときだけ。この問題は0.5秒を超えます。→ 誤り

ハ (A)0.2 (B)D種 (C)100 … 0.2 MΩとD種は、どちらも300 V以下の回路の値です。→ 誤り

ニ (A)0.4 (B)D種 (C)500 … 300 Vを超えるのでD種ではなくC種。500 Ωにする条件も満たしません。→ 誤り

よって答えはイです。

間違えた人が選びやすいのはロ

「C種は条件によって500 Ω」という知識を持っている人ほど、ロに引き寄せられます。(A)と(B)が合っているので、最後の(C)だけで迷う作りになっているのです。

決め手は問題文の最後の「ただし書き」です。0.5秒を「超える」なら10 Ω、0.5秒「以内」なら500 Ω。ただし書きは答えを分けるために書かれていることが多いので、必ず読みましょう。

覚えるこの問題の覚え方

「300 Vを超えたら、0.4 MΩ・C種・10 Ω」の3点セット。300 V以下なら0.1か0.2 MΩ・D種・100 Ωです。どちらも「0.5秒以内に止まる装置があれば500 Ω」という例外を、ただし書きと見比べて使いましょう。

問27

分野:検査(計器のつなぎ方)重要度 ★★★

図の交流回路は,負荷の電圧,電流,電力を測定する回路である。図中にa,b,cで示す計器の組合せとして,正しいものは。

令和元年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 問27 の図(単相2線式電源と負荷のあいだに計器a・b・cをつないだ回路)
イ.a電流計  b電圧計  c電力計
ロ.a電力計  b電流計  c電圧計
ハ.a電圧計  b電力計  c電流計
ニ.a電圧計  b電流計  c電力計
答え・解説を見る
正解

ニ.a電圧計  b電流計  c電力計
この問題は何を聞いているの?

「図の中のa・b・cの丸は、それぞれどの計器か」を聞いています。電圧計・電流計・電力計は、回路へのつなぎ方がそれぞれ決まっている計器です。問われているのは、そのつなぎ方を図から読み取る力です。

まずは3つの計器が何を測るものかを説明し、そのあとで図の線をたどってつなぎ方を確かめます。

図と問題文の言葉を説明する

用語1φ2W 電源・負荷とは?

1φ2Wは単相2線式のことで、2本の電線で電気を送る方式です。図の左の2つの白い丸が電源の2本の線の端です。右の四角い「負荷」は、電気を使う器具(照明やモーターなど)を表しています。

用語電圧計(でんあつけい)とは?

電圧計とは、2点のあいだの電圧(電気を押し出す力の差)を測る計器のことです。水に例えると、2つのタンクの水面の高さの差を測る道具にあたります。

なぜ?なぜ電圧計は回路に並列につなぐのか?

電圧は「2点のあいだの差」だからです。差を測るには、測りたい2点に計器の両端をそれぞれ当てる必要があります。これが並列(へいれつ)=電線をまたぐようにつなぐつなぎ方です。図では、上の線と下の線をつなぐ縦向きの計器が並列です。

用語電流計(でんりゅうけい)とは?

電流計とは、電線を流れる電気の量(電流)を測る計器のことです。水に例えると、管の中を1秒間に流れる水の量を測る道具にあたります。

なぜ?なぜ電流計は回路に直列につなぐのか?

流れている電気を、全部計器の中に通して数える必要があるからです。そのため、電線を途中で切って、そのあいだに計器をはさむようにつなぎます。これが直列(ちょくれつ)=1本の道の途中に入れるつなぎ方です。図では、1本の線の途中に横向きに入っている計器が直列です。

用語電力計(でんりょくけい)とは?

電力計とは、負荷が使っている電気の大きさ(電力、単位W)を測る計器のことです。電力は電圧と電流の両方から決まる量です。そのため電力計の中には、電流を測る部分(電流コイル)と電圧を測る部分(電圧コイル)の両方が入っています。

なぜ?なぜ電力計は直列と並列の両方につなぐのか?

電流と電圧の両方を同時に測るからです。電流コイルは電流計と同じく直列に、電圧コイルは電圧計と同じく並列につなぎます。そのため図の電力計は、線の途中に入っているうえに、もう1本の線が下の線へ伸びている形です。

図の線をたどって確かめる

a … 上の線と下の線のあいだに、縦向きにつながっています。2本の線をまたぐ並列のつなぎ方なので、電圧計です。

b … 上の線の途中に、横向きに入っています。電気がbの中を通って流れる直列のつなぎ方なので、電流計です。

c … 上の線の途中に入っている(直列)うえに、右下から下の線へ線が伸びています(並列)。直列と並列の両方につながっているので、電力計です。

a=電圧計、b=電流計、c=電力計なので、答えはニです。

例数字で確かめるイメージ

例えば、aの電圧計が100 V、bの電流計が5 Aを指したとします。負荷が電熱器のように電気をそのまま熱に変える器具なら、電力は100 × 5 = 500 Wです。cの電力計は、この電圧と電流をかけ合わせた値を、1台で直接表示する計器です(モーターなどでは、500 Wより小さく表示されることがあります)。

間違えた人が選びやすいのはイ

電圧・電流・電力の順に並んでいれば、a・b・cもその順だろうと考えて、つい選びたくなるのがイです。しかし、計器の並び順と、問題文の言葉の順番は関係ありません。

計器はつなぎ方で見分けるのが基本です。縦向き(2本の線をまたぐ)=電圧計、横向き(1本の線の途中)=電流計、両方=電力計。図の線を指でたどるつもりで確かめましょう。

覚えるこの問題の覚え方

「電流は直列、電圧は並列、電力は両方」。電流は流れを全部くぐらせて数えるから直列、電圧は2点の差を測るから並列。電力は電流×電圧なので、両方のつなぎ方を持っていると覚えましょう。

問28

分野:法令(電気工事士法)重要度 ★★★

電気工事士法において,一般用電気工作物の工事又は作業で電気工事士でなければ従事できないものは。

イ.インターホーンの施設に使用する小型変圧器(二次電圧が36 V以下)の二次側の配線をする。
ロ.電線を支持する柱,腕木を設置する。
ハ.電圧600 V以下で使用する電力量計を取り付ける。
ニ.電線管とボックスを接続する。
答え・解説を見る
正解

ニ.電線管とボックスを接続する。
この問題は何を聞いているの?

「住宅などの電気工事のうち、電気工事士の資格がないとやってはいけない作業はどれか」を聞いています。電気工事の中には、危険が小さいので資格がなくてもできる工事もあり、その区別がこの問題のポイントです。

ここでは「資格が要らない工事」の一覧を覚えておくのが近道です。まずは言葉から説明していきます。

問題文の言葉を説明する

用語電気工事士法(でんきこうじしほう)とは?

電気工事士法とは、電気工事をする「人」についての決まりを定めた法律のことです。誰がどの電気工事をしてよいか、つまり資格と工事の範囲などが書かれています。

なぜ?なぜ電気工事には資格が必要なのか?

工事の出来が悪いと、感電や火事を引き起こすからです。電線のつなぎ方を間違えると、接続部分が熱を持って燃えたり、電気が漏れたりします。こうした事故を防ぐため、知識と技能を試験で確かめた人だけに工事を任せているのです。

用語一般用電気工作物(いっぱんようでんきこうさくぶつ)とは?

一般用電気工作物とは、一般住宅や小さな商店など、低い電圧(600 V以下)で電気を受けている建物の電気設備のことです。第二種電気工事士が工事できるのは、この一般用電気工作物です。

用語軽微な工事(けいびなこうじ)とは?

軽微な工事とは、危険が小さいので、電気工事士の資格がなくてもしてよいと法令で決められた工事のことです。電気工事士法の政令(電気工事士法施行令)に一覧が載っています。

覚える資格がなくてもできる「軽微な工事」(電気工事士法施行令)

① 電圧600 V以下で使う差込み接続器・ソケット・ローゼットなどに、コードやキャブタイヤケーブルをつなぐ工事

② 電圧600 V以下で使う電気機器(配線器具を除く)や蓄電池の端子に、電線をねじ止めする工事

③ 電圧600 V以下で使う電力量計・電流制限器・ヒューズを取り付けたり外したりする工事

④ 電鈴(ベル)・インターホーン・火災感知器・豆電球などに使う小型変圧器(二次電圧36 V以下)の二次側の配線工事

⑤ 電線を支持する柱・腕木などを設置したり変更したりする工事

⑥ 地中電線用の暗きょや管を設置したり変更したりする工事

選択肢に出てくる言葉を説明する

用語小型変圧器の二次側とは?

変圧器(へんあつき)とは、電圧を上げたり下げたりする装置のことです。電気が入る側を一次側、出ていく側を二次側といいます。インターホーンでは、100 Vを36 V以下の低い電圧に下げて使うのが一般的です。その低い電圧になった後の配線が「二次側の配線」です。

なぜ?なぜ36 V以下の二次側の配線は資格がなくてもよいのか?

電圧が低く、感電や火事の危険が小さいからです。36 V以下なら、触れても大きな電流が体に流れにくい電圧です。ただし、変圧器の一次側(100 Vの側)の配線は資格が必要なので注意しましょう。

用語電線を支持する柱・腕木(うでぎ)とは?

電線を支持する柱とは、電線を空中に張るための柱(電柱など)のことです。腕木とは、柱の上のほうに横向きに取り付ける棒で、電線を支える部分です。

なぜ?なぜ柱や腕木の設置は資格がなくてもよいのか?

柱や腕木を立てるだけなら、電線に直接触れる作業ではないからです。電気が流れる部分をいじらないので、工事の出来が感電や火事に直接つながりにくいのです。ただし、その柱に電線を取り付ける作業は別で、資格が必要になります。

用語電力量計(でんりょくりょうけい)とは?

電力量計とは、家で使った電気の量を測って記録する計器のことです。家の外壁に付いている、電気料金のもとになる数字を表示するメーターです。

なぜ?なぜ電力量計の取り付けは資格がなくてもよいのか?

電線の通り道を新しく作る作業ではないため、危険が小さいと考えられているからです。法令(電気工事士法施行令)でも、電圧600 V以下で使う電力量計の取り付け・取り外しは軽微な工事と決められています。

用語電線管とボックスとは?

電線管とは、電線を中に通して守るための管のことです。ボックスとは、電線どうしをつないだり、スイッチやコンセントを取り付けたりするための箱のことです。電線管とボックスをつなぐと、電線の通り道がひと続きになります。

なぜ?なぜ電線管とボックスの接続には資格が必要なのか?

つなぎ方が悪いと、電線の皮が管の切り口で傷つき、漏電や感電の原因になるからです。金属管の場合は、管とボックスがしっかりつながっていないと、接地(地面とのつながり)が切れてしまうこともあります。そのため、電線管を曲げたり、ボックスとつないだりする作業は、電気工事士でなければできないと決められているのです。

選択肢を1つずつ確かめる

イ インターホーン用小型変圧器(36 V以下)の二次側の配線 … 軽微な工事④に当たります。→ 資格なしでできる

ロ 電線を支持する柱・腕木の設置 … 軽微な工事⑤に当たります。→ 資格なしでできる

ハ 600 V以下で使う電力量計の取り付け … 軽微な工事③に当たります。→ 資格なしでできる

ニ 電線管とボックスの接続 … 軽微な工事の一覧に入っていません。電気工事士でなければできない作業です。→ 電気工事士でなければ従事できない=これが答え

よって答えはニです。

間違えた人が選びやすいのはハ

電力量計は電気の量を測る大切な計器なので、「取り付けには資格が要るはず」と考えてハを選ぶ人もいるでしょう。

しかし法令では、600 V以下で使う電力量計の取り付けは軽微な工事です。「大切そう」「難しそう」という印象ではなく、軽微な工事の一覧に入っているかどうかで判断しましょう。

覚えるこの問題の覚え方

資格が要らないのは「36 V以下の二次側」「柱・腕木」「電力量計・ヒューズ」「コードをつなぐ」「端子にねじ止め」「地中の管」。反対に、電線管・ボックス・電線どうしの接続など、電線の通り道をつくる作業は資格が必要と覚えましょう。

問29

分野:法令(電気用品安全法)重要度 ★★★

電気用品安全法における電気用品に関する記述として,誤っているものは。

イ.電気用品の製造又は輸入の事業を行う者は,電気用品安全法に規定する義務を履行したときに,経済産業省令で定める方式による表示を付すことができる。
ロ.特定電気用品は構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品であって,政令で定めるものである。
ハ.特定電気用品には 令和元年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 問29 の選択肢ハにある丸形のPSEマーク 又は(PS)Eの表示が付されている。
ニ.電気工事士は,電気用品安全法に規定する表示の付されていない電気用品を電気工作物の設置又は変更の工事に使用してはならない。
答え・解説を見る
正解

ハ.特定電気用品には丸形のPSEマーク又は(PS)Eの表示が付されている。
この問題は何を聞いているの?

「電気用品安全法の説明のうち、間違っているものはどれか」を聞いています。特に、電気用品に付けるマークの形を正しく覚えているかがポイントです。

まず法律の目的と言葉を説明し、そのあとでマークの形の違いを確かめていきます。

問題文の言葉を説明する

用語電気用品安全法(でんきようひんあんぜんほう)とは?

電気用品安全法とは、電気製品や電気工事の材料などの「モノ」の安全を守るための法律のことです。危険な電気製品が売られたり使われたりしないように、作る人・輸入する人・使う人に決まりを課しています。

なぜ?なぜ電気製品の安全を法律で決めているのか?

質の悪い電気製品は、火事や感電の原因になるからです。見た目では安全かどうか分からないので、国の基準を満たした製品にだけマークを付けさせ、買う人や使う人が見分けられるようにしています。

用語電気用品とは?

この法律でいう電気用品とは、電線・ブレーカー・スイッチ・コンセント・家電製品など、法律の対象として決められた電気製品や材料のことです。

用語特定電気用品(とくていでんきようひん)とは?

特定電気用品とは、電気用品の中でも特に危険や障害が起きるおそれが多いとして、政令で決められたもののことです。例えば、電線(一定の太さのもの)・配線用遮断器(ブレーカー)・タンブラースイッチ・差込み接続器(コンセントなど)などが入ります。それ以外の電気用品は「特定電気用品以外の電気用品」です。

なぜ?なぜ特定電気用品は別扱いになっているのか?

事故が起きたときの被害が大きいものだからです。ブレーカーやコンセントは、家の中の配線に直接組み込まれ、長い間使われ続けます。そのため特定電気用品は、国に登録された検査機関の検査を受けるなど、ほかの電気用品より厳しい手続きが求められるのです。

マークの形を確かめる

覚える電気用品安全法のマーク(PSEマーク)

特定電気用品 → ひし形のPSEマーク(文字で書くときは <PS>E)

特定電気用品以外の電気用品 → 丸形のPSEマーク(文字で書くときは (PS)E)

※ < >はひし形、( )は丸と、記号の形がマークの形をそのまま表しています。

なぜ?なぜPSEマークは2つの形に分かれているのか?

見ただけで、どちらの区分の製品か分かるようにするためです。PSEはProduct Safety Electrical appliance & materialsの略で、「電気用品の安全」を意味します。特定電気用品はひし形、それ以外は丸形と、形で区別しているのです。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 製造・輸入の事業者は、義務を果たしたときに表示を付けられる … 国の基準に合っているか確かめるなど、法律の義務を果たした事業者だけがPSEマークを付けられます。→ 正しい

ロ 特定電気用品は、特に危険や障害のおそれが多い電気用品で、政令で定めるもの … 特定電気用品の定義そのものです。→ 正しい

ハ 特定電気用品には丸形のPSEマーク又は(PS)Eの表示 … 丸形と(PS)Eは特定電気用品以外の表示です。特定電気用品はひし形(<PS>E)。→ 誤り=これが答え

ニ 電気工事士は、表示のない電気用品を工事に使ってはならない … 電気用品安全法に、電気工事士などはPSEマークのない電気用品を工事に使ってはならないという決まりがあります。→ 正しい

よって答えはハです。

間違えた人が選びやすいのはイ

イは「表示を付すことができる」という、少し遠回りな言い方になっています。「付けなければならない、が正しいのでは?」と感じて選ぶ人もいるでしょう。

この法律では、義務を果たした事業者に「表示を付けてよい」と認める書き方になっています。マークのない電気用品は売ることも、工事に使うこともできないので、結果として表示が必要になる仕組みです。言い回しに迷ったら、マークの形のような「はっきり間違いと言える所」を先に探しましょう。

覚えるこの問題の覚え方

「特定はひし形、特定以外は丸」。危険が大きいものほど、角ばった目立つ形と結びつけると覚えやすくなります。文字の表記も、<PS>E=ひし形、(PS)E=丸と、かっこの形で見分けましょう。

問30

分野:法令(電圧の区分)重要度 ★★★

「電気設備に関する技術基準を定める省令」における電圧の低圧区分の組合せで,正しいものは。

イ.交流600 V以下,直流750 V以下
ロ.交流600 V以下,直流700 V以下
ハ.交流600 V以下,直流600 V以下
ニ.交流750 V以下,直流600 V以下
答え・解説を見る
正解

イ.交流600 V以下,直流750 V以下
この問題は何を聞いているの?

「法令で『低圧』と呼ばれるのは、何ボルトまでか」を聞いています。電圧は、大きさによって低圧・高圧・特別高圧の3つに分けられ、問われているのはそのいちばん低い区分の上限です。

交流と直流で上限の数字が違うのがポイントです。まずは言葉を1つずつ説明していきます。

問題文の言葉を説明する

用語電気設備に関する技術基準を定める省令とは?

この省令とは、電気設備を安全に作るために守るべき基本のルールを定めた、国の決まりのことです。略して「電技(でんぎ)」や「電技省令」と呼ばれます。電圧の区分も、この省令で決められているのです。

用語交流(こうりゅう)と直流(ちょくりゅう)とは?

交流とは、電気の流れる向きが、1秒間に50回か60回(地域で違う)の周期で行ったり来たりする電気のことです。家庭用コンセントの電気は交流です。直流とは、流れる向きがいつも同じ電気のこと。乾電池や、太陽光パネルが作る電気が直流です。

用語低圧・高圧・特別高圧とは?

電技省令では、電圧を大きさによって3つの区分に分けています。低圧はいちばん低い区分で、住宅や小さな商店の電気設備はほとんどがここに入るでしょう。

覚える電圧の区分(電気設備に関する技術基準を定める省令)

低圧 … 交流600 V以下、直流750 V以下

高圧 … 低圧を超えて、7,000 V以下(交流・直流とも)

特別高圧 … 7,000 Vを超えるもの

なぜ?なぜ交流と直流で低圧の上限が違うのか?

理由の1つとして、交流は一番高い瞬間の電圧が、表示の数字より高くなることが挙げられます。交流の電圧は波のように上下していて、ふだん「100 V」と呼ぶのは実効値(同じ熱を出す直流に置きかえた大きさ)です。実際には一番高い瞬間に約141 V(100 Vの約1.41倍)まで上がります。同じ数字なら交流のほうが山が高いと考えると、交流の上限(600 V)が直流の上限(750 V)より低いことを覚えやすいでしょう。

例身近な電圧を区分に当てはめると

家庭用コンセント(交流100 V) … 600 V以下なので低圧

エアコンやIH(交流200 V) … 600 V以下なので低圧

電柱の上の電線(交流6,600 V) … 600 Vを超え7,000 V以下なので高圧

選択肢を1つずつ確かめる

イ 交流600 V以下、直流750 V以下 … 電技省令の低圧の区分と一致します。→ 正しい=これが答え

ロ 交流600 V以下、直流700 V以下 … 直流の上限は750 Vです。→ 誤り

ハ 交流600 V以下、直流600 V以下 … 直流の上限は750 Vです。→ 誤り

ニ 交流750 V以下、直流600 V以下 … 交流と直流の数字が逆になっています。→ 誤り

よって答えはイです。

間違えた人が選びやすいのはニ

600と750の2つの数字だけを覚えていると、どちらが交流でどちらが直流か分からなくなりがちです。数字が両方そろっているニは、最も迷いやすい選択肢でしょう。

ここで役に立つのが、「交流は一番高い瞬間の電圧が表示より高い」という考え方です。交流のほうが厳しい(数字が小さい)=交流600 V。理由から考えれば、逆に覚える心配が減ります。

覚えるこの問題の覚え方

「交流は600、直流は750、高圧は7,000まで」。交流のほうが一番高い瞬間の電圧が高いので、上限は低めと結びつけて覚えましょう。直流の750は「ななひゃくごじゅう」と、交流の600より大きいことを意識しておくと逆にしません。

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この記事のまとめ

問21〜30は施工のルール・検査・法令の分野でした。計算がないぶん、数字と言葉を正確に覚えているかが得点を左右します。下に、この10問から持ち帰ってほしいことをまとめました。

まとめこの10問で持ち帰ること

問21 電線管の工事 … CD管はコンクリートに埋め込む専用(木造の床下・壁の中・天井裏にそのまま使えない)。合成樹脂管の支持点間は1.5 m以下。TSカップリングはVE管どうし。

問22 D種接地工事の省略 … 金属管は300 V以下・4 m以下・乾燥か対地150 V以下・8 m以下・乾燥。機械は対地150 V以下で乾燥/乾燥した木の床/15 mA・0.1秒の漏電遮断器。

問23 電磁的平衡 … 1つの回路の電線(単相2本・三相3本)は同じ管にそろえて入れる。

問24 測定器 … テスタは電圧・電流・抵抗。電力量は電力量計。検電器の「充電」は電気が来ている状態。

問25 絶縁抵抗の一括測定 … 大地間は点滅器を全部「入」、負荷は付けたまま。負荷を外すのは線間のとき。

問26 300 Vを超える低圧 … 絶縁抵抗0.4 MΩ以上・C種接地・10 Ω以下(0.5秒以内に止まる装置があれば500 Ω)。

問27 計器のつなぎ方 … 電圧計は並列、電流計は直列、電力計は両方。

問28 軽微な工事 … 36 V以下の二次側・柱や腕木・電力量計の取り付けは資格不要。電線管とボックスの接続は電気工事士でなければできない。

問29 PSEマーク … 特定電気用品=ひし形(<PS>E)/特定以外=丸((PS)E)。

問30 電圧の区分 … 低圧は交流600 V以下・直流750 V以下。高圧は7,000 V以下。

コツこの分野を伸ばすコツ

名前や記号の意味から、使い道を考えることです。PF=プラスチック・フレキシブル(曲がる管)/接地抵抗計→接地抵抗を測る/< >=ひし形、( )=丸——名前の中に答えのヒントが入っていることが多くあります。

なぜ?なぜ数字や名前だけを丸暗記するのは危ないのか?

理由を知らないと、言葉を少し変えられただけで迷うからです。問22の「6 mの金属管」も、対地電圧が低いと8 mまで省略できると分かっていれば迷いません。「なぜそうするのか」とセットで覚えると、本番で迷いにくくなります。

出典

2019年度下期第二種電気工事士試験
問題・図・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。

あわせて読みたい(第二種電気工事士 令和元年度下期 全5記事)

▶ 問1〜10
計算と配線の設計(合成抵抗・電線の抵抗・発熱量・交流の波形・三相・断線時の電圧・電圧降下・許容電流・幹線の分岐・分岐回路)

▶ 問11〜20
材料と器具(コンセント・絶縁物の最高許容温度・工具・スターデルタ始動・遮断器・写真の材料と器具・リングスリーブ・工事の種類)

▶ 配線図 問31〜40
図記号と数字もの(配線図の図記号・電線本数・工事の決まり)

▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け(材料・工具・器具を写真から選ぶ)

用語からつまずいた人へ(やさしい基礎解説)

▶ オームの法則と直列・並列
電圧・電流・抵抗のきほんから

▶ W・Wh・Jの違い
電力・電力量・熱量

▶ 単相2線式・単相3線式・三相3線式
配線方式のちがい

▶ 配線図の図記号の読み方
スイッチ・コンセント・照明の記号

▶ 電線とケーブルの種類・許容電流
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金属管・VE・PF・CD管のちがいと付属品

▶ 幹線と分岐回路の決まり
幹線の計算とブレーカー×電線×コンセントの表

▶ 複線図の書き方【3ステップ】
電線の本数もリングスリーブもこれで数えられる

▶ 検査と測定器のきほん
「見る→測る→通す」と測定器の見分け方

▶ 法令のきほん
工事士法=人/用品安全法=モノ/事業法=設備

▶ モーターと進相コンデンサ
回転速度・始動電流・力率改善

学科のあとは、技能試験の準備が要ります

技能試験は40分で実際に配線を組み立てる試験です。工具と練習用の材料がないと1問も練習できません。通信講座は必要か、材料は買うか借りるか——実際の価格で比べました。

▶ 通信講座5社と工具・材料の費用を比較する