管工事で出る電気設備をゼロからやさしく解説|記号・接地・電動機【管工事施工管理技士】
管工事の試験には、電気設備の問題も出ます。1級・2級の過去問を数えたところ17問ありました。配管の資格なのに電気が出るのは、ポンプもファンも冷凍機も、動かしているのは電気だからです。よく出るのは、記号の意味・接地・電動機まわりの3つです。電気の知識がゼロでも分かるように解説します。
まず、記号を読めるようにする

| 記号 | 名前 | 役割 |
|---|---|---|
| MCCB | 配線用遮断器(ブレーカー) | 電流が流れすぎたときに回路を切る |
| ELCB | 漏電遮断器 | 電気が漏れたときに切る(感電・火災を防ぐ) |
| SC | 進相コンデンサ | 力率を改善する(電気をむだなく使う) |
| サーマルリレー | 熱動継電器 | 電動機の過負荷(無理な力がかかって電流が流れすぎる状態)を検出する |
注意注意
「配線用遮断器=力率改善」は誤りです。力率改善は進相コンデンサ(SC)の役目です。役割の組み合わせを入れ替えた選択肢が、そのまま誤りとして出ます。
覚える覚え方
「切るもの」と「直すもの」で分けると混ざりません。MCCBとELCBは切る側(流れすぎ・漏れ)、SCは直す側(力率)、サーマルリレーは見張る側(過負荷)です。
接地(アース):D種は300V以下・100Ω以下
用語接地(アース)とは?
機器の金属部分を大地につないでおくこと。漏電したときに、電気を人ではなく地面へ逃がすためのしくみです。
💡 なぜ?
人が金属部分に触れたとき、電気は通りやすいほうへ流れるから。地面への通り道を作っておけば、人に流れる分を減らせます。
例試験に出る数字
・D種接地工事 … 300V以下の低圧用機器の金属製外箱などに施す
・D種の接地抵抗値 … 原則として100Ω以下
ポンプやファンの金属製の台や外箱は、このD種接地の対象になります。ただし、接地線をつなぐ接地工事は電気工事にあたり、電気工事士などの資格をもつ人が行います。
なぜ?絶縁抵抗計と接地抵抗計は、何が違うのですか。
測るものが違います。絶縁抵抗計(メガー)は、電気が漏れていないかを測る計器。接地抵抗計は、アースがきちんと効いているかを測る計器です。名前が似ていますが別物で、これを入れ替えた選択肢が出ます。
電動機まわり
例よく問われる3点
・三相3線式は、動力(電動機)に使われる配電方式
・インバータ運転は電圧の波形にひずみを含むため、使わない運転に比べて電動機の温度はやや高くなる
・出力が0.2kW以下の小さな電動機は、過負荷保護装置を省略できる
例現場の使いどころ
現場では、ポンプやファンの制御盤に、この記事に出てきた部品がそのまま並んでいます。盤の扉を開けると、ブレーカー(MCCB)、漏電遮断器(ELCB)、電磁開閉器(電動機の電気を入り切りするスイッチ)とサーマルリレーが目に入るでしょう。試運転で「ポンプが止まる」ときは、まずサーマルリレーが落ちていないかを見ます。
試験ではこう出る
| よくある選択肢 | 判断 |
|---|---|
| 配線用遮断器 ── 力率改善 | 誤り。力率改善は進相コンデンサ |
| SC ── 過負荷欠相継電器 | 誤り。SCは進相コンデンサ |
| D種接地は300V以下の機器に施す | 正しい |
| D種の接地抵抗は原則100Ω以下 | 正しい |
| インバータ運転は電動機の温度が下がる | 誤り。やや高くなる |
よくある質問
Q. 電気は苦手です。どこまで覚えればよいですか。
A. まずはこの記事の記号4つ・接地の2つの数字・電動機の3点を押さえましょう。計算問題の出題は多くありません。
Q. UPSとは何ですか。
A. 無停電電源装置です。電源と機器の間に入り、停電や電圧の乱れがあっても内蔵した蓄電池から途切れずに電気を送り続けます。
Q. 接地は管工事の仕事ですか。
A. 接地工事そのものは電気工事で、電気工事士などの資格が必要です。ただ、ポンプやファンなど管工事で扱う機器に関係するので、試験にも出ます。
まとめまとめ
・MCCB=流れすぎで切る/ELCB=漏れで切る/SC=力率改善/サーマル=過負荷検出
・D種接地は300V以下、接地抵抗は原則100Ω以下
・絶縁抵抗計=漏れを見る/接地抵抗計=アースを見る
・三相3線式は動力の配電方式
・インバータ運転は電動機の温度がやや高くなる
