第二種電気工事士の学科試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和7年度 上期(2025年5月25日実施)の問1〜問10です。

問1〜問10は計算と電気の基礎が中心です。公式の丸暗記より、図の読み方と手順を身につけるほうが早く解けるようになります。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと答えと考え方が出ます。まず自分で考えてから開くのがおすすめです。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・写真・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:令和7年度上期第二種電気工事士試験(学科試験)

問1

分野:電気の基礎(合成抵抗とスイッチ)重要度 ★★★

図のような回路で,スイッチS₁を閉じ,スイッチS₂を開いたときの,端子a−b間の合成抵抗[Ω]は。

令和7年度上期 第二種電気工事士 学科 問1 の図
イ.45
ロ.60
ハ.75
ニ.120
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正解

ロ.60[Ω]
この問題は何を聞いているの?

「スイッチを操作したあとの回路で、aとbの間の合成抵抗(ごうせいていこう)は何Ωか」という問題です。スイッチ付きの回路は毎年のように出ますが、やることは2つだけです。用語から順に説明します。

合成抵抗とは?

バラバラに置かれた抵抗(電気の流れにくさ。単位はΩ=オーム)を、ぜんぶまとめて1個に置きかえたら何Ωになるかという値です。直列(1本道)なら足し算並列(枝分かれ)なら小さくなる、が基本ルールです。

なぜスイッチの開け閉めで合成抵抗が変わるのか? スイッチは電気の通り道を作ったり消したりする部品だからです。道が増えれば流れやすく(抵抗は小さく)、道が消えれば流れにくく(抵抗は大きく)なります。

「閉じる」と「開く」はどっちがON?

閉じる=ON(つながる)開く=OFF(切れる)です。日常の感覚と逆に感じる人が多いので注意してください。ドアではなく「橋」をイメージすると、閉じる=橋がかかって渡れる、開く=橋が上がって渡れない、と覚えられます。

なぜ「閉じる」がONなのか? スイッチの中では金属の接点どうしがくっつく(閉じる)と電気が流れるからです。接点が離れる(開く)と、そこで道が途切れます。

スイッチを図から消していく

スイッチ付きの回路は、計算の前に図を描きかえるのがコツです。ルールは2つだけです。

スイッチ回路の描きかえルール

ルール1 開いたスイッチがある枝=道が途切れている → その枝をまるごと消す

ルール2 閉じたスイッチ=抵抗ゼロの近道 → 並列につながっている抵抗は素通りされて無視できる(0Ωあつかい)

この問題に当てはめます。S₂は開いているので、右側の30Ωを通る枝は途切れています。電流はそこを通れないので、右の30ΩとS₂はまるごと消します

S₁は閉じているので、上の30Ωには「抵抗ゼロの近道」が並列にできています。電流は楽な道しか通らないので、上の30Ωは素通り(0Ω)になります。

手順1 S₂が開いている → 右の30Ωの枝を消す

手順2 S₁が閉じている → 並列の30Ωは0Ωあつかいで消す

手順3 残るのはaの直後の30Ω縦の30Ωの1本道(直列) = 30 + 30 = 60Ω

よって答えはロの60Ωです。

この問題の覚え方

スイッチ問題は「開いた枝は消す・閉じたスイッチと並列の抵抗も消す」の2ステップで、図を単純な1本道に描きかえてから計算します。計算より描きかえの練習が点になります。

問2

分野:電気の基礎(電線の抵抗)重要度 ★★★

直径1.6 mm,長さ8 mの軟銅線と電気抵抗が等しくなる長さ32 mの軟銅線の直径[mm]は。ただし,軟銅線の抵抗率は同一とする。

イ.0.8
ロ.2.0
ハ.3.2
ニ.6.4
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正解

ハ.3.2[mm]
この問題は何を聞いているの?

「長さが8mから32mへ4倍になっても、抵抗が変わらないようにするには直径を何mmにすればよいか」という問題です。電線の抵抗が何で決まるかを知っていれば計算はほとんど要りません。

電線の抵抗は何で決まる?

電線の抵抗は「長さに比例して大きく」「断面積に比例して小さく」なります。式で書くと 抵抗 = 抵抗率 × 長さ ÷ 断面積 です。抵抗率(ていこうりつ)は材質ごとの流れにくさで、この問題では同じ軟銅線どうしなので気にしなくてかまいません。

なぜ長いほど・細いほど抵抗が大きくなるのか? 電線をホースにたとえると、長いホースほど水は通りにくく、細いホースほど一度に流せる量が減るのと同じです。長さ=道のり、断面積=道幅にあたります。

直径と断面積の関係

断面積は直径の2乗に比例します(円の面積は半径×半径×π)。つまり直径を2倍にすると断面積は4倍、直径を3倍にすると断面積は9倍です。

なぜ直径2倍で面積が4倍になるのか? 面積は「縦×横」のかけ算だからです。縦も横も2倍になるので、2×2=4倍になります。正方形で考えると分かりやすいですが、円でも同じことが起きています。

手順1 長さが8m→32mで4倍になる → そのままでは抵抗も4倍になってしまう

手順2 抵抗を元に戻すには断面積を4倍にすればよい(断面積が4倍なら抵抗は4分の1)

手順3 断面積を4倍にするには直径を2倍にすればよい(2×2=4)

手順4 直径 = 1.6mm × 2 = 3.2mm

よって答えはハの3.2mmです。

この問題の覚え方

「長さ4倍なら直径2倍でチャラ」。抵抗は長さに比例・断面積(=直径の2乗)に反比例、という関係だけ覚えれば、この型の問題はすべて倍率の暗算で解けます。

問3

分野:電気の基礎(電流と熱量)重要度 ★★★

電線の接続不良により,接続点の接触抵抗が0.2 Ωとなった。この電線に10 Aの電流が流れると,接続点から1時間に発生する熱量[kJ]は。ただし,接触抵抗の値は変化しないものとする。

イ.72
ロ.144
ハ.288
ニ.576
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正解

イ.72[kJ]
この問題は何を聞いているの?

「接続の悪い場所(接触抵抗0.2Ω)に10Aの電流が1時間流れ続けたら、何kJの熱が出るか」という問題です。実はこれ、電気工事で接続部の施工が大事な理由そのものを聞いています。接続がゆるいと、そこが電熱器のように発熱して火災のもとになるのです。

接触抵抗とは?

電線どうしのつなぎ目にできる余分な抵抗のことです。しっかり接続されていればほぼ0Ωですが、ゆるんだり接触面が汚れたりすると大きくなります。

なぜ接触抵抗があると発熱するのか? 電流が抵抗を通ると、電気のエネルギーが熱に変わるからです。電気ストーブはこれをわざと利用した道具ですが、接続不良では意図しない場所がストーブになってしまうということです。

熱量の求め方(ジュールの法則)

発生する熱量は 熱量Q[J] = 電流I² × 抵抗R × 時間t(秒) で求めます。電力P=I²R(ワット)に時間(秒)をかけたものです。J(ジュール)は熱やエネルギーの単位で、1,000J=1kJです。

なぜ時間は「秒」で入れるのか? 1W=1秒あたり1Jのエネルギー、という約束で単位が作られているからです。時間の単位を「時間」のまま入れると答えがずれるので、1時間=3,600秒に直してから計算します。

手順1 発熱の電力 = I² × R = 10 × 10 × 0.2 = 20W(毎秒20Jの熱)

手順2 1時間 = 60分 × 60秒 = 3,600秒

手順3 熱量 = 20W × 3,600秒 = 72,000J = 72kJ

よって答えはイの72kJです。

この問題の覚え方

熱量は「I²R(ワット)×秒」。単位の落とし穴は2つで、時間は3,600秒に直す答えはJを1,000で割ってkJにする。この2つさえ守れば計算自体は九九レベルです。

問4

分野:電気の基礎(交流回路と力率)重要度 ★★☆

図のような交流回路で,電源電圧102 V,抵抗の両端の電圧が90 V,リアクタンスの両端の電圧が48 Vであるとき,負荷の力率[%]は。

令和7年度上期 第二種電気工事士 学科 問4 の図
イ.47
ロ.69
ハ.88
ニ.96
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正解

ハ.88[%]
この問題は何を聞いているの?

「電源102Vのうち、抵抗に90V・コイル(リアクタンス)に48Vかかっているとき、力率(りきりつ)は何%か」という問題です。数字が3つ出てきますが、使うのは割り算1回だけです。

力率とは?

電源から送った電気のうち、実際に仕事(熱や動力)に使われる割合のことです。100%に近いほど無駄がありません。この回路では、仕事をするのは抵抗で、コイルは仕事をしない電気を行ったり来たりさせているだけです。

なぜコイルの分は仕事にならないのか? コイルは電気をため込んでは返すだけの部品だからです。ブランコを押しては受け止めるように、エネルギーが電源とコイルの間を往復するだけで、熱にも動力にもなりません。

電圧の足し算が90+48=138にならない理由

交流では、抵抗の電圧とコイルの電圧はタイミング(位相)がずれています。だから単純な足し算ではなく、直角三角形の斜辺として合成されます。実際、90² + 48² = 8,100 + 2,304 = 10,404 = 102²となり、電源電圧102Vとぴったり合います。

なぜ直角三角形になるのか? コイルの電圧は抵抗の電圧よりちょうど90度(4分の1周期)遅れて山が来るからです。90度=直角なので、2つの電圧は三角形の底辺と高さの関係になります。

手順1 力率 = 抵抗の電圧 ÷ 電源電圧 という関係を使う(仕事をする分÷全体)

手順2 90 ÷ 102 = 0.882…

手順3 %に直して 約88%

よって答えはハの88%です。

この問題の覚え方

直列回路の力率は「抵抗の電圧÷電源電圧」の1発です。リアクタンスの48Vは使わない数字(ひっかけ)。迷ったら「仕事をするのは抵抗だけ」と思い出してください。

問5

分野:電気の基礎(三相交流回路)重要度 ★★☆

図のような三相3線式回路に流れる電流I[A]は。

令和7年度上期 第二種電気工事士 学科 問5 の図
イ.8.3
ロ.11.6
ハ.14.3
ニ.20.0
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正解

ロ.11.6[A]
この問題は何を聞いているの?

「線間電圧200Vの三相3線式回路で、電線に流れる電流Iは何Aか」という問題です。1つの相(そう)に抵抗8Ωとコイル6Ωが直列で入った、Y結線(スター結線)の回路です。

三相3線式とは?

3本の電線で送る電気の方式です。工場のモーターなど大きな機械を動かすときの標準で、この試験にもほぼ毎回出ます。3つの負荷のつなぎ方にはY結線(スター)とΔ結線(デルタ)の2種類があり、この図は中心の1点に3つの負荷が集まっているのでY結線です。

なぜY結線だと分かることが大事なのか? Y結線とΔ結線では負荷にかかる電圧の求め方が違うからです。Y結線では、負荷1つにかかる電圧(相電圧)は線間電圧÷√3(約1.73)になります。Δ結線なら線間電圧がそのままかかります。

インピーダンスとは?

交流回路での抵抗とコイルを合わせた「流れにくさの合計」です。記号はZ。抵抗RとリアクタンスXは向きが90度違うので、Z = √(R² + X²)という直角三角形の斜辺で求めます。

なぜ8+6=14Ωと足してはいけないのか? 問4と同じ理由で、抵抗とコイルでは電圧のタイミングが90度ずれているからです。8と6の組は√(64+36)=√100=10という、試験で大好きされるきれいな数字になります。

手順1 1相分のインピーダンス = √(8² + 6²) = √100 = 10Ω

手順2 Y結線なので、1相にかかる電圧 = 200 ÷ 1.73 = 約115.6V

手順3 電流I = 115.6 ÷ 10 = 約11.6A(Y結線は線の電流=相の電流)

よって答えはロの11.6Aです。

この問題の覚え方

Y結線は「÷1.73してからオームの法則」。8Ωと6Ωを見たら反射的にZ=10Ω。この2つのお約束だけで、三相の計算問題はかなりの確率で解けます。

問6

分野:配電理論(電圧降下と電線の太さ)重要度 ★★☆

図のような単相2線式回路において,配線の長さは100 m,負荷電流は10 Aで,抵抗負荷が接続されている。配線の電圧降下(Vs−Vr)を4 V以内にするための電線の最小太さ(断面積)[mm²]は。ただし,電線の抵抗は表のとおりとする。

令和7年度上期 第二種電気工事士 学科 問6 の図
イ.5.5
ロ.8
ハ.14
ニ.22
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正解

ハ.14[mm²]
この問題は何を聞いているの?

「電線で失われる電圧(電圧降下)を4V以内におさえるには、表のどの太さの電線を選べばよいか」という問題です。表の見方さえ分かれば、割り算2回で解けます。

電圧降下とは?

電線にも抵抗があるので、電気が電線を通るあいだに電圧が少しずつ失われることです。送り出しの電圧Vsと、届いたときの電圧Vrの差(Vs−Vr)で表します。

なぜ電圧降下を小さくおさえる必要があるのか? 電圧が下がりすぎると、届いた先で機器が正しく動かないからです。照明が暗くなったりモーターの力が落ちたりします。だから電線は「流したい電流」に対して十分太いものを選びます。

この問題最大の落とし穴:電線は2本ある

単相2線式は行きと帰りの2本で電気を送ります。図の「長さ100m」は片道の距離なので、電流が通る電線は合計200mです。電圧降下は2本分で計算します。

なぜ帰りの電線でも電圧が下がるのか? 抵抗があるのは行きも帰りも同じだからです。電流は必ず1周まわるので、往復どちらの電線でも同じだけ電圧を失います。

手順1 許される電線の抵抗の合計 = 電圧降下4V ÷ 電流10A = 0.4Ω

手順2 電線の長さは往復で 100m × 2 = 200m = 0.2km

手順3 1kmあたりに許される抵抗 = 0.4Ω ÷ 0.2km = 2.0Ω/km以下

手順4 表で2.0以下を探す → 8mm²は2.31でオーバー、14mm²は1.30で合格

最小の太さを聞かれているので、合格するものの中でいちばん細いハの14mm²が答えです。

この問題の覚え方

電圧降下の表問題は「4V÷電流→÷往復km→表で下回るもの」の3ステップ。×2(往復)を忘れると1段細い電線を選んでしまうように選択肢が作られています。

問7

分野:配電理論(単相3線式)重要度 ★★☆

図のような単相3線式回路において,電線1線当たりの抵抗が0.1 Ωのとき,a−b間の電圧[V]は。

令和7年度上期 第二種電気工事士 学科 問7 の図
イ.99
ロ.100
ハ.101
ニ.102
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正解

ロ.100[V]
この問題は何を聞いているの?

「単相3線式で上の負荷に20A・下の負荷に10A流れているとき、a−b間(上の負荷にかかる電圧)は何Vか」という問題です。ポイントは真ん中の線(中性線)に流れる電流です。

単相3線式とは?

電圧線2本+中性線(ちゅうせいせん)1本の合計3本で送る方式です。一般住宅への引込みはほぼこれで、外側どうしで200V、外側と中性線で100Vが取れます。この図では上下それぞれ103Vずつです。

なぜ3本で2種類の電圧が取れるのか? 乾電池2本を直列にしたものを想像してください。両端をつなげば2本分、真ん中から取れば1本分の電圧になります。中性線は「真ん中から取り出すための線」です。

中性線に流れる電流

中性線には上の電流と下の電流の差だけが流れます。この問題では20A−10A=10Aです。上下の負荷が同じ(バランスしている)なら0Aになります。

なぜ差だけになるのか? 上の負荷から帰ってくる20Aと、下の負荷へ向かう10Aが中性線の中で正面衝突してすれ違うからです。ぶつかり合って相殺し、多いほうの余り10Aだけが流れます。

電圧降下を追いかける

a−b間の電圧は、電源の103Vから、電流が通る電線で失われる分を引いた残りです。上の負荷の電流は「上の電圧線」を通って行き、「中性線」を通って帰ります。

手順1 上の電圧線での電圧降下 = 20A × 0.1Ω = 2V

手順2 中性線での電圧降下 = 10A × 0.1Ω = 1V(流れるのは差の10A)

手順3 a−b間 = 103 − 2 − 1 = 100V

よって答えはロの100Vです。

この問題の覚え方

単相3線式の電圧計算は「中性線は差の電流」がすべてです。103 −(電圧線の降下)−(中性線の降下)という型で、この形の問題はほぼ毎回解けます。

問8

分野:配線設計(許容電流)重要度 ★★★

合成樹脂製可とう電線管(PF管)による低圧屋内配線工事で,管内に断面積5.5 mm²の600Vビニル絶縁電線(軟銅線)3本を収めて施設した場合,電線1本当たりの許容電流[A]は。ただし,周囲温度は30 ℃以下,電流減少係数は0.70とする。

イ.26
ロ.34
ハ.42
ニ.49
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正解

ロ.34[A]
この問題は何を聞いているの?

「太さ5.5mm²の電線を管の中に3本まとめて入れたとき、1本あたり何Aまで流してよいか」という問題です。暗記した数字×係数のかけ算1回で解けます。

許容電流とは?

その電線に安全に流し続けられる電流の上限です。超えると電線が熱を持ち、被覆が溶けて火災につながります。太い電線ほど許容電流は大きくなります。覚える数字は、1.6mm=27A・2.0mm=35A・5.5mm²=49A・8mm²=61Aです。

なぜ5.5mm²は49Aと決まっているのか? 電線の太さごとに発熱と放熱がつり合う電流が実験で決められているからです。理屈で導く数字ではないので、ここはそのまま暗記するのが正解です。

電流減少係数とは?

電線を管の中に複数本まとめて入れるときに掛ける割引率です。3本以下=0.70、4本=0.63、5〜6本=0.56。管に入れると熱がこもるので、流せる電流を減らして安全を保ちます。

なぜ本数が増えるほど係数が小さくなるのか? 電線が増えるほどお互いの熱で温め合ってしまい、熱の逃げ場も減るからです。満員電車ほど暑くなるのと同じ理屈です。

手順1 5.5mm²の許容電流(単独のとき) = 49A(暗記)

手順2 管内に3本 → 電流減少係数0.70(問題文にも書いてある)

手順3 49 × 0.70 = 34.3 → 小数点以下を切り捨てて34A

よって答えはロの34Aです。

この問題の覚え方

この型は毎回ほぼ確実に出るサービス問題です。27・35・49(1.6mm・2.0mm・5.5mm²)と0.70・0.63・0.56(3本・4本・5〜6本)の2セットを唱えて覚えれば、本番では30秒で解けます。

問9

分野:配線設計(幹線からの分岐)重要度 ★★★

図のように定格電流100 Aの過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して,6 mの位置に過電流遮断器を施設するとき,a−b間の電線の許容電流の最小値[A]は。

令和7年度上期 第二種電気工事士 学科 問9 の図
イ.25
ロ.35
ハ.45
ニ.55
答え・解説を見る
正解

ロ.35[A]
この問題は何を聞いているの?

「幹線(かんせん)から枝分かれした電線のブレーカーまでが6mのとき、その電線はどのくらいの許容電流が必要か」という問題です。分岐の長さで決まる3段階ルールの暗記問題です。

幹線と分岐回路

幹線=建物の中の電気の大通り分岐回路=そこから枝分かれして各部屋へ向かう脇道です。図のBマークは過電流遮断器(ブレーカー)で、電気の流しすぎを検知して自動で止める装置です。

なぜ分岐した電線にもルールが要るのか? 枝分かれした細い電線は幹線の大きなブレーカー(100A)では守りきれないからです。細い電線に100A近い電流が流れ続けても、幹線用ブレーカーは「まだ正常」と判断してしまいます。そこで分岐側に専用のブレーカーを置きますが、そこまでの区間は無防備なので、長さに応じて電線の太さでカバーします。

3m・8mルール

分岐点からブレーカーまでの長さで、必要な許容電流が変わります。3m以下=制限なし/3m超え8m以下=幹線ブレーカーの35%以上/8m超え=55%以上です。

なぜ長いほど厳しくなるのか? 無防備な区間が長いほど、事故(ショートなど)が起きたときに燃えるリスクが高いからです。短ければ「すぐブレーカーに届くから多めに見る」、長ければ「電線自体を太くして耐えさせる」という考え方です。

手順1 分岐点からブレーカーまで = 6m

手順2 6mは「3m超え8m以下」 → 35%ルールが適用

手順3 100A × 0.35 = 35A以上

よって答えはロの35Aです。

この問題の覚え方

「サンパチ・サンゴーゴーゴー」=3m・8mの境目で、35%・55%。図から分岐の長さを読み取り、区分に当てはめて幹線ブレーカーの定格に掛けるだけ。毎年のように出る定番です。

問10

分野:配線設計(分岐回路の組合せ)重要度 ★★★

低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。ただし,分岐点から配線用遮断器までは3 m,配線用遮断器からコンセントまでは8 mとし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。

令和7年度上期 第二種電気工事士 学科 問10 の選択肢(分岐回路の組合せ)
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正解

ニ.20Aの配線用遮断器+2.0mm+定格電流20Aのコンセント2個
この問題は何を聞いているの?

「ブレーカーの大きさ・電線の太さ・コンセントの定格の3点セットとして正しい組合せはどれか」という問題です。組合せ表の暗記で解く、超・定番問題です。

分岐回路の組合せルール

ブレーカーの定格ごとに、使ってよい電線とコンセントが決められています。20A回路=電線1.6mm以上・コンセント20A以下/30A回路=電線2.6mm以上・コンセント20A以上30A以下。この2行だけでほとんどの問題が解けます。

なぜコンセントには上限も下限もあるのか? 上限は、ブレーカーより大きいコンセントを付けると、コンセントいっぱいまで使ったときにブレーカーが飛んでしまうから。下限(30A回路の20A以上)は、小さいコンセントに大電流の機器がつながれると、ブレーカーが落ちる前にコンセント側が焼けるからです。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 誤り … 30Aブレーカーに2.0mmの電線。30A回路は2.6mm以上が必要

ロ 誤り … 20Aブレーカーに30Aコンセント。上限(20A以下)を超えている

ハ 誤り … 30Aブレーカーに15Aコンセント。下限(20A以上)を割っている(電線5.5mm²は問題なし)

ニ これが正しい … 20Aブレーカー・2.0mm(1.6mm以上でOK)・20Aコンセント2個。すべて条件内

よって答えはです。コンセントの個数には制限がないことも覚えておいてください。

この問題の覚え方

見るのは「30Aなのに細い電線」「ブレーカーに対して大きすぎ・小さすぎのコンセント」の2種類の誤りだけ。令和7年度下期にもほぼ同じ問題が出ており、解き方まで毎回同じです。

この記事のまとめ

この10問で必ず持ち帰ること

問1 スイッチ回路 … 開いた枝は消す・閉じたスイッチと並列の抵抗も消す

問2 電線の抵抗 … 長さに比例・直径の2乗に反比例。「長さ4倍なら直径2倍」

問3 熱量 … I²R(ワット)× 秒。1時間=3,600秒

問4 力率 … 直列回路は「抵抗の電圧÷電源電圧」の1発

問5 三相Y結線 … ÷1.73してからオームの法則。8と6を見たらZ=10

問6・7 電圧降下 … 2線式は往復2本分/単相3線式の中性線は差の電流

問8〜10 配線設計 … 49×0.70/3m-8mは35%/20A回路=1.6mm・30A回路=2.6mm

出典

令和7年度上期第二種電気工事士試験(学科試験)
問題・図・写真・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。

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幹線の計算とブレーカー×電線×コンセントの表

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回転速度・始動電流・力率改善