第二種電気工事士の学科試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和6年度 下期(2024年10月27日実施)の問1〜問10です。
問1〜問10は計算と電気の基礎が中心です。公式の丸暗記より、図の読み方と手順を身につけるほうが早く解けるようになります。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと答えと考え方が出ます。まず自分で考えてから開くのがおすすめです。
この記事の問題はどこから?
問題文・図・写真・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:令和6年度下期第二種電気工事士試験(学科試験)
問1
分野:電気の基礎(合成抵抗)重要度 ★★★
図のような回路で,端子a−b間の合成抵抗[Ω]は。
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この問題は何を聞いているの?
「バラバラに置かれた抵抗を全部まとめると、aとbの間は何Ωになるか」という問題です。用語から順に説明します。
抵抗とは?
電気の流れにくさのことです。単位はΩ(オーム)。数字が大きいほど流れにくくなります。図の四角い部品が抵抗です。
なぜ電気に「流れにくさ」があるのか? ホースの中にスポンジが詰まっていると水が流れにくいのと同じで、電線の中にも電気の通りをじゃまするものがあります。その「詰まり具合」を数字にしたのが抵抗です。
直列と並列
直列=1本道に並ぶ → そのまま足し算。
並列=道が枝分かれ → 必ず小さくなる。同じ大きさ2本なら半分、大きさが違えば「かけて足して割る」。
なぜ並列だと抵抗が小さくなるのか? 並列は道幅が増える=流れやすくなるからです。計算して、いちばん小さい抵抗より大きい答えが出たら計算ミスです。
図を3つのかたまりに分ける
この図は、左のかたまり・右のかたまり・上をまたぐ6Ωの3つに分けて読みます。内側(小さいかたまり)から順にまとめるのがコツです。
左のかたまりは2Ωが上下に2本並んでいます(並列)。右のかたまりは3Ωと6Ωが上下に並んでいます(並列)。そして上の6Ωが、その左右のかたまり全体をまたいでつながっています。
手順1 左の2Ωと2Ωの並列 = 2 ÷ 2 = 1Ω(同じ大きさ2本は半分)
手順2 右の3Ωと6Ωの並列 = (3×6)÷(3+6)= 18 ÷ 9 = 2Ω
手順3 この1Ωと2Ωは1本道でつながっている(直列) = 1 + 2 = 3Ω
手順4 その3Ωと、上をまたぐ6Ωが並列 = (3×6)÷(3+6)= 18 ÷ 9 = 2Ω
よって答えはロの2Ωです。
この問題の覚え方
合成抵抗は「小さいかたまりから順にたたむ」のが鉄則です。いきなり全体を見ようとせず、並列→直列→並列と1段ずつ潰していきます。同じ大きさ2本の並列は半分と即答できるようにしておくと速くなります。
問2
分野:電気の基礎(電線の抵抗)重要度 ★★★
A,B 2本の同材質の銅線がある。Aは直径1.6 mm,長さ20 m,Bは直径3.2 mm,長さ40 mである。Aの抵抗はBの抵抗の何倍か。
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この問題は何を聞いているの?
「太さも長さも違う2本の電線で、Aの抵抗はBの何倍か」という問題です。電線の抵抗が何で決まるかを知っていれば、倍率の暗算だけで解けます。
電線の抵抗は何で決まる?
電線の抵抗は「長さに比例して大きく」「断面積に比例して小さく」なります。式で書くと 抵抗 = 抵抗率 × 長さ ÷ 断面積。抵抗率は材質ごとの流れにくさで、この問題は同じ銅線どうしなので気にしなくてかまいません。
なぜ長いほど・細いほど抵抗が大きくなるのか? 電線をホースにたとえると、長いホースほど水は通りにくく、細いホースほど一度に流せる量が減るのと同じです。長さ=道のり、断面積=道幅にあたります。
直径と断面積の関係
断面積は直径の2乗に比例します。つまり直径を2倍にすると断面積は4倍になります。
なぜ直径2倍で面積が4倍になるのか? 面積は「縦×横」のかけ算だからです。縦も横も2倍になるので、2×2=4倍になります。
AとBを1つずつ比べる
いきなり式に入れず、長さの違いと太さの違いを別々に見るのが安全です。
長さ … Aは20m、Bは40m → Bのほうが2倍長い → この効果でBの抵抗はAの2倍になる
太さ … Aは1.6mm、Bは3.2mm → Bの直径は2倍 → 断面積は4倍 → この効果でBの抵抗はAの4分の1になる
合わせる … Bの抵抗 = Aの抵抗 × 2 ÷ 4 = Aの2分の1
逆にすると … Aの抵抗はBの2倍
よって答えはイの2倍です。
この問題の覚え方
「何倍か」の問題は長さと太さを分けて考えると間違えません。長さは素直に比例、直径は2乗して逆比例。最後にどちらが基準か(AがBの何倍か、BがAの何倍か)を読み違えないよう、問題文をもう一度見ましょう。
問3
分野:電気の基礎(電流と熱量)重要度 ★★★
電線の接続不良により,接続点の接触抵抗が0.5 Ωとなった。この電線に20 Aの電流が流れると,接続点から1時間に発生する熱量[kJ]は。ただし,接触抵抗の値は変化しないものとする。
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この問題は何を聞いているの?
「接続の悪い場所に20Aの電流が1時間流れ続けたら、何kJの熱が出るか」という問題です。これは電気工事で接続部の施工が大事な理由そのものを聞いています。接続がゆるいと、そこが電気ストーブのように発熱して火災のもとになるのです。
接触抵抗とは?
電線どうしのつなぎ目にできる余分な抵抗のことです。しっかり接続されていればほぼ0Ωですが、ゆるんだり接触面が汚れたりすると大きくなります。
なぜ接触抵抗があると発熱するのか? 電流が抵抗を通ると、電気のエネルギーが熱に変わるからです。電気ストーブはこれをわざと利用した道具ですが、接続不良では意図しない場所がストーブになってしまうということです。
熱量の求め方(ジュールの法則)
発生する熱量は 熱量Q[J] = 電流I² × 抵抗R × 時間t(秒) で求めます。電力P=I²R(ワット)に時間(秒)をかけたものです。J(ジュール)は熱やエネルギーの単位で、1,000J=1kJです。
なぜ時間は「秒」に直すのか? 1W=1秒あたり1Jのエネルギー、という約束で単位が作られているからです。時間の単位を「時間」のまま入れると答えが3,600倍ずれます。
手順1 発熱の電力 = I² × R = 20 × 20 × 0.5 = 200W(毎秒200Jの熱)
手順2 1時間 = 60分 × 60秒 = 3,600秒
手順3 熱量 = 200W × 3,600秒 = 720,000J = 720kJ
よって答えはハの720kJです。
この問題の覚え方
熱量は「I²R(ワット)×秒」。落とし穴は2つで、電流は2乗する(20Aなら400倍)ことと、時間は3,600秒に直すことです。最後にJを1,000で割ってkJにするのも忘れずに。
問4
分野:電気の基礎(交流とコンデンサ)重要度 ★★☆
図のような正弦波交流回路の電源電圧vに対する電流iの波形として,正しいものは。
選択肢
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この問題は何を聞いているの?
「コンデンサだけをつないだ交流回路で、電流と電圧の山(ピーク)はどちらが先に来るか」という問題です。計算は一切なく、覚えた1つのルールで解けます。
コンデンサとは?
図のCの記号がコンデンサです。金属の板を向かい合わせた部品で、電気をためたり吐き出したりする働きをします。バケツに水をためるイメージが近いです。
なぜコンデンサに交流が流れるのか? 直流ならすぐ満杯になって流れが止まりますが、交流は向きが行ったり来たりするので、ためる・吐き出すをくり返して電流が流れ続けるからです。
進む・遅れるの覚え方
コンデンサ(C)は電流が電圧より90度「進む」。コイル(L)は電流が電圧より90度「遅れる」。90度とは1周期(360度)の4分の1ぶんのずれのことです。
なぜコンデンサだと電流が先に来るのか? コンデンサは電圧が急に変わろうとする瞬間に、いちばん勢いよく電気が出入りするからです。図の0度の位置では電圧はまだ0ですが、これから一気に上がろうとしているので、電流はもう最大になっています。
波形を1つずつ確かめる
選択肢を1つずつ確かめる
イ 誤り … 電流iの山が電圧vより後ろに来ている。これは遅れ=コイルの波形
ロ 誤り … iとvの山が同じ位置。ずれ0度=抵抗だけの回路の波形
ハ これが正しい … 0度のところでvは0なのにiはすでに最大。iがvより90度進んでいる
ニ 誤り … iとvがまるごと逆さま(180度ずれ)。実際の回路では起こらない形
よって答えはハです。
この問題の覚え方
「コンデンサは進み、コイルは遅れ」。頭文字で「C(コンデンサ)は先(さき)」と語呂で覚える人も多いです。波形を見るときは0度の位置で電流がどうなっているかだけ見れば一瞬で判別できます。
問5
分野:電気の基礎(三相の力率の式)重要度 ★★☆
定格電圧V[V],定格電流I[A]の三相誘導電動機を定格状態で時間t[h]の間,連続運転したところ,消費電力量がW[kW・h]であった。この電動機の力率[%]を表す式は。
イ.W ÷(3VIt)× 10⁵
ロ.(√3 VI)÷(Wt)× 10⁵
ハ.(3VI)÷ W × 10⁵
ニ.W ÷(√3 VIt)× 10⁵
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この問題は何を聞いているの?
「三相モーターの力率を表す式はどれか」という問題です。数字を入れて計算するのではなく、式の形が正しいかを選びます。力率のもとの意味と単位をそろえる作業の2つで解けます。
力率とは?
電源から送った電気のうち、実際に仕事(熱や動力)に使われる割合のことです。式にすると 力率 = 実際に使った電力(W) ÷ 見かけの電力(VA)。100%に近いほど無駄がありません。
なぜ「見かけの電力」というものがあるのか? モーターの中のコイルは電気をためては返すだけで仕事をしないぶんがあるからです。電源から見ると送っているのに、仕事にはならない。その分も含めた全体が見かけの電力(皮相電力)です。
三相の見かけの電力の式
三相回路の見かけの電力(皮相電力)は √3 × 電圧V × 電流I です。√3(約1.73)が付くのが三相の特徴で、単相なら V×I だけです。
なぜ三相だけ√3が付くのか? 三相は3本の電線で、タイミングを120度ずつずらした電気を送っているからです。3本ぶんを単純に足すのではなく、ずれを考えて合成すると√3倍という数になります。ここはそういう決まりとして覚えてかまいません。
単位をそろえる
問題の消費電力量WはkW・h(キロワット時)で、時間tはh(時間)です。一方、電圧Vと電流Iから出る見かけの電力はVA(=W)。「キロ」と「%」の2つを直す必要があります。
手順1 実際に使った平均の電力 = W ÷ t [kW]
手順2 kWをWに直す = (W ÷ t)× 1,000 [W]
手順3 見かけの電力 = √3 × V × I [VA]
手順4 力率 = 手順2 ÷ 手順3。さらに%にするので × 100
手順5 1,000 × 100 = 10⁵ → 力率[%]= W ÷(√3 VIt)× 10⁵
よって答えはニです。イとハは√3ではなく3になっている点が誤り、ロは分母と分子が逆です。
この問題の覚え方
式を選ぶ問題は「分子は実際に使った電力・分母は見かけの電力」の形になっているかをまず見ます。そのうえで三相なら必ず√3が付く、と確認すれば2択まで絞れます。10⁵は「kWを直す1,000」と「%にする100」の掛け算です。
問6
分野:配電理論(電圧降下)重要度 ★★★
図のような単相2線式回路で,c−c′間の電圧が99 Vのとき,a−a′間の電圧[V]は。ただし,rは電線の抵抗[Ω]とする。
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この問題は何を聞いているの?
「いちばん奥(c−c′)で99Vになっているとき、入口(a−a′)では何Vだったか」という問題です。電線で失われたぶんを奥から入口へ足し戻していくのがコツです。
電圧降下とは?
電線にも抵抗があるので、電気が電線を通るあいだに電圧が少しずつ失われることです。失われる量は電圧降下 = 電流 × 電線の抵抗で求めます。
なぜ奥へ行くほど電圧が下がるのか? 電線を通るたびに少しずつ削られていくからです。だから入口がいちばん高く、奥がいちばん低い。逆に言えば、奥から入口へ戻るときは足していけばよいことになります。
区間ごとに流れる電流がちがう
この回路はb点とc点の2か所に10Aずつの負荷があります。b−c間を流れるのはc側の負荷ぶんだけで10A。a−b間は2つの負荷の合計が通るので20Aです。
なぜa−b間だけ20Aになるのか? a−b間は2つの負荷へ向かう電気がまだ分かれる前の場所だからです。川で言えば本流にあたります。枝分かれより手前は合計、あとは分かれたぶんだけと覚えます。
行きと帰りで電線は2本
単相2線式は上下2本の電線で電気を送ります。図でも上下に同じrが並んでいます。電圧降下は2本ぶんを数えます。
なぜ帰りの電線でも電圧が下がるのか? 抵抗があるのは行きも帰りも同じだからです。電流は必ず1周まわるので、往復どちらの電線でも同じだけ電圧を失います。
手順1 b−c間の電圧降下 = 10A × 0.1Ω × 2本 = 2V
手順2 b−b′間の電圧 = 99 + 2 = 101V
手順3 a−b間の電圧降下 = 20A × 0.1Ω × 2本 = 4V
手順4 a−a′間の電圧 = 101 + 4 = 105V
よって答えはニの105Vです。
この問題の覚え方
この型は「奥から順に足し戻す」「区間ごとに電流を数え直す」「電線は2本ぶん」の3点セットです。とくに×2(往復)を忘れると102Vや103Vという、ちゃんと選択肢に用意された誤答になります。
問7
分野:配電理論(電力損失の比較)重要度 ★★☆
図1のような単相3線式回路を,図2のような単相2線式回路に変更した場合,配線の電力損失はどうなるか。ただし,負荷電圧は100 V一定で,負荷A,負荷Bはともに消費電力1 kWの抵抗負荷で,電線の抵抗は1線当たり0.1 Ωとする。
イ.4分の1倍になる。
ロ.2分の1倍になる。
ハ.2倍になる。
ニ.4倍になる。
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この問題は何を聞いているの?
「同じ負荷を、単相3線式から単相2線式に変えたら、電線で無駄になる電力は何倍になるか」という問題です。2つの回路それぞれで損失を計算して比べるだけです。
電力損失とは?
電線自体の抵抗で熱になって捨てられてしまう電力のことです。式は損失 = 電流² × 電線の抵抗。負荷に届く前に消えてしまうぶんなので、少ないほど良い配線です。
なぜ電流を2乗するのか? 問3と同じジュールの法則です。電流が2倍になると発熱は4倍になります。この「2乗」がこの問題の答えを決めます。
単相3線式の中性線は電流ゼロになることがある
単相3線式は電圧線2本+中性線1本の3本で送ります。上下の負荷が同じ大きさ(平衡)なら、中性線に流れる電流は0Aになります。
なぜ平衡すると中性線が0Aになるのか? 上の負荷から帰ってくる電流と、下の負荷へ向かう電流が中性線の中で打ち消し合うからです。この問題は負荷Aも負荷Bも1kWで同じなので、まさに打ち消し合います。
図1(単相3線式)の損失
手順1 各負荷の電流 = 1,000W ÷ 100V = 10A
手順2 電圧線2本に10Aずつ流れる。中性線は平衡なので0A
手順3 損失 = 10² × 0.1 × 2本 = 10 × 2 = 20W
図2(単相2線式)の損失
図2では、負荷Aと負荷Bが同じ100Vの線に並べてつながれます。合計2kWぶんの電流が2本の電線に集中します。
手順1 合計の電流 = 2,000W ÷ 100V = 20A
手順2 損失 = 20² × 0.1 × 2本 = 40 × 2 = 80W
手順3 80 ÷ 20 = 4倍
よって答えはニの4倍です。
この問題の覚え方
「電流が2倍になれば損失は4倍」。これが単相3線式が住宅で使われている理由そのものです。同じ電力を送るのに電流を半分にできる=電線が細くて済み、無駄も4分の1。理屈まで覚えると忘れません。
問8
分野:配線設計(許容電流)重要度 ★★★
金属管による低圧屋内配線工事で,管内に断面積5.5 mm²の600Vビニル絶縁電線(軟銅線)4本を収めて施設した場合,電線1本当たりの許容電流[A]は。ただし,周囲温度は30 ℃以下,電流減少係数は0.63とする。
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この問題は何を聞いているの?
「太さ5.5mm²の電線を管の中に4本まとめて入れたとき、1本あたり何Aまで流してよいか」という問題です。暗記した数字×係数のかけ算1回で解けます。
許容電流とは?
その電線に安全に流し続けられる電流の上限です。超えると電線が熱を持ち、被覆が溶けて火災につながります。覚える数字は、直径1.6mm=27A・2.0mm=35A・断面積5.5mm²=49A・8mm²=61Aです。
なぜ5.5mm²は49Aと決まっているのか? 電線の太さごとに発熱と放熱がつり合う電流が実験で決められているからです。理屈で導く数字ではないので、ここはそのまま暗記するのが正解です。
電流減少係数とは?
電線を管の中に複数本まとめて入れるときに掛ける割引率です。3本以下=0.70、4本=0.63、5〜6本=0.56。管に入れると熱がこもるので、流せる電流を減らして安全を保ちます。
なぜ本数が増えるほど係数が小さくなるのか? 電線が増えるほどお互いの熱で温め合ってしまい、熱の逃げ場も減るからです。満員電車ほど暑くなるのと同じ理屈です。
手順1 5.5mm²の許容電流(単独のとき) = 49A(暗記)
手順2 管内に4本 → 電流減少係数0.63(問題文にも書いてある)
手順3 49 × 0.63 = 30.87 → 小数点以下を切り捨てて31A
計算すると30.87で、選択肢のうち最も近いハの31Aが答えです。
この問題の覚え方
この型は毎回ほぼ確実に出るサービス問題です。27・35・49(1.6mm・2.0mm・5.5mm²)と0.70・0.63・0.56(3本・4本・5〜6本)の2セットを唱えて覚えれば、本番では30秒で解けます。
問9
分野:配線設計(幹線からの分岐)重要度 ★★★
図のように定格電流125 Aの過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して,10 mの位置に過電流遮断器を施設するとき,a−b間の電線の許容電流の最小値[A]は。
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この問題は何を聞いているの?
「幹線から枝分かれした電線のブレーカーまでが10mのとき、その電線はどのくらいの許容電流が必要か」という問題です。分岐の長さで決まる3段階ルールの暗記問題です。
幹線と分岐回路
幹線=建物の中の電気の大通り、分岐回路=そこから枝分かれして各部屋へ向かう脇道です。図のBマークは過電流遮断器(ブレーカー)で、電気の流しすぎを検知して自動で止める装置です。
なぜ分岐した電線にもルールが要るのか? 枝分かれした細い電線は幹線の大きなブレーカー(125A)では守りきれないからです。細い電線に125A近い電流が流れ続けても、幹線用ブレーカーは「まだ正常」と判断してしまいます。そこで分岐側に専用のブレーカーを置きますが、そこまでの区間は無防備なので、長さに応じて電線の太さでカバーします。
3m・8mルール
分岐点からブレーカーまでの長さで、必要な許容電流が変わります。3m以下=制限なし/3m超え8m以下=幹線ブレーカーの35%以上/8m超え=55%以上です。
なぜ長いほど厳しくなるのか? 無防備な区間が長いほど、事故(ショートなど)が起きたときに燃えるリスクが高いからです。短ければ「すぐブレーカーに届くから多めに見る」、長ければ「電線自体を太くして耐えさせる」という考え方です。
手順1 分岐点からブレーカーまで = 10m
手順2 10mは「8m超え」 → 55%ルールが適用
手順3 125A × 0.55 = 68.75A以上 → 最も近い69A
よって答えはハの69Aです。
この問題の覚え方
「サンパチ・サンゴーゴーゴー」=3m・8mの境目で、35%・55%。図から分岐の長さを読み取り、区分に当てはめて幹線ブレーカーの定格に掛けるだけ。8mちょうどなら35%、8mを超えたら55%という境目の扱いも押さえておきましょう。
問10
分野:配線設計(分岐回路の組合せ)重要度 ★★★
低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。ただし,分岐点から配線用遮断器までは3 m,配線用遮断器からコンセントまでは8 mとし,電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。
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正解
ロ.20Aの配線用遮断器+2.0mm+定格電流20Aのコンセント2個
この問題は何を聞いているの?
「ブレーカーの大きさ・電線の太さ・コンセントの定格の3点セットとして正しい組合せはどれか」という問題です。組合せ表の暗記で解く、超・定番問題です。
分岐回路の組合せルール
ブレーカーの定格ごとに、使ってよい電線とコンセントが決められています。20A回路=電線1.6mm以上・コンセント20A以下/30A回路=電線2.6mm(または5.5mm²)以上・コンセント20A以上30A以下。この2行だけでほとんどの問題が解けます。
なぜコンセントには上限も下限もあるのか? 上限は、ブレーカーより大きいコンセントを付けると、コンセントいっぱいまで使ったときにブレーカーが飛んでしまうから。下限(30A回路の20A以上)は、小さいコンセントに大電流の機器がつながれると、ブレーカーが落ちる前にコンセント側が焼けるからです。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 誤り … 30Aブレーカーに15Aコンセント。30A回路の下限(20A以上)を割っている(電線5.5mm²は問題なし)
ロ これが正しい … 20Aブレーカー・2.0mm(1.6mm以上でOK)・20Aコンセント2個。すべて条件内
ハ 誤り … 30Aブレーカーに2.0mmの電線。30A回路は2.6mm以上が必要
ニ 誤り … 20Aブレーカーに30Aコンセント。上限(20A以下)を超えている
よって答えはロです。コンセントの個数には制限がないことも覚えておいてください。
この問題の覚え方
見るのは「30Aなのに細い電線」「ブレーカーに対して大きすぎ・小さすぎのコンセント」の2種類の誤りだけ。ほぼ毎回、数字を入れ替えただけの同じ問題が出るので、確実に取りたい1問です。
この記事のまとめ
この10問で必ず持ち帰ること
問1 合成抵抗 … 小さいかたまりから順にたたむ。同じ2本の並列は半分
問2 電線の抵抗 … 長さは比例・直径は2乗して反比例。長さと太さを分けて考える
問3 熱量 … I²R(ワット)× 秒。1時間=3,600秒
問4 波形 … コンデンサは進み・コイルは遅れ(各90度)
問5 三相の力率 … 実際の電力 ÷(√3 VI)。三相には必ず√3
問6・7 電圧降下と損失 … 2線式は往復2本ぶん/電流2倍なら損失4倍
問8〜10 配線設計 … 49×0.63/10mは55%/20A回路=1.6mm・30A回路=2.6mm
出典
令和6年度下期第二種電気工事士試験(学科試験)
問題・図・写真・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。