フロン排出抑制法は、1級・2級管工事の過去問で9問出ていました。業務用のエアコンや冷凍機に入っているフロンを、勝手に大気へ逃がさないための法律です。出題の中心はだれが何の手続きをするかで、登録・許可・証明書の3つを整理すれば得点しやすくなります。この記事では、法令の知識がない状態からでも分かるように解説します。

なぜこの法律があるのか

フロンは、冷媒(エアコンや冷凍機の中をめぐって熱を運ぶ物質)として非常に使いやすい物質です。毒性も可燃性もほとんどなく、扱いやすい圧力で冷やせます。その代わり、大気に出ると地球を温める力がとても大きいという弱点があります。

そこで、機器を使うとき・整備するとき・捨てるときのそれぞれで、フロンを逃がさないための決まりが作られました。それがこの法律です。

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まず「特定製品」を分ける

第一種特定製品と第二種特定製品、管理者・充填回収業者・破壊業者の関係を示した図
だれがどの手続きをするか。この関係が、そのまま問われます。
区分 中身
第一種特定製品 業務用のエアコン・冷蔵機器・冷凍機器のうち、冷媒としてフロン類が入っているもの
第二種特定製品 自動車に搭載されているエアコン(カーエアコン)

管工事で関係するのは第一種特定製品のほうです。ビルや店舗のエアコン、冷凍冷蔵庫がこれにあたります。

登場人物と、その手続き

例だれが、だれに、何を

・管理者(機器の持ち主) … 簡易点検・定期点検を行い、漏えいがあれば修理し、記録簿を保存する

・第一種フロン類充填回収業者 … フロンの充填(機器に入れること)・回収(機器から抜き取ること)を行う。都道府県知事の登録を受ける

・フロン類破壊業者 … 回収したフロンを壊す。主務大臣(環境大臣・経済産業大臣)の許可を受ける

注意注意

登録と許可、相手も違います。充填回収業者は「都道府県知事の登録」、破壊業者は「主務大臣(環境大臣・経済産業大臣)の許可」です。ここを入れ替えた選択肢は、特に出題されやすいところです。

覚える覚え方

「近いものは知事、遠いものは大臣」と覚えると整理できます。現場でフロンを出し入れする充填回収業者は地域の知事に登録、フロンを壊す設備を持つ破壊業者は国(環境大臣・経済産業大臣)の許可です。

証明書の流れ

例だれが、だれに渡すか

・充填証明書 … 充填回収業者 → 管理者(整備を発注した人)へ交付

・回収証明書 … 充填回収業者 → 管理者へ交付

・破壊証明書 … 破壊業者 → フロンを引き取った充填回収業者へ送付

つまり、作業をした人が、頼んだ人へ「やりました」と紙を返すという流れです。「破壊証明書は送付しなくてよい」という選択肢は誤りになります。

例現場の使いどころ

現場では、業務用エアコンの入れ替え工事のときに、この手続きが欠かせません。撤去する機器からフロンを回収すると、充填回収業者から管理者(建物の持ち主など)へ「引取証明書」が交付されます。機器を解体・廃棄の業者へ引き渡すときはこの写しが必要で、ないと機器を引き取ってもらえません。試験の知識が、そのまま工事の段取りになっている分野です。

管理者がやること

例使っているあいだの義務

・簡易点検を定期的に行う(見て、聞いて、異常がないかを確かめる)

・一定規模以上の機器は定期点検を行う

・漏えいが見つかったら修理する(修理せずに充填し続けることはできない)

・点検整備の記録簿を保存する

注意注意

「漏れたら足せばよい」ではありません。漏れたまま充填を続けることは認められていません。まず直す、が原則です。

試験ではこう出る

よくある選択肢 判断
破壊業者は都道府県知事の許可 誤り。主務大臣(環境大臣・経済産業大臣)の許可
充填回収業者は都道府県知事の登録 正しい
第二種特定製品はカーエアコン 正しい
破壊証明書は送付しなくてよい 誤り。回収業者へ送付する
充填したら管理者に充填証明書を交付 正しい

よくある質問

Q. 家庭用のエアコンも対象ですか。

A. 第一種特定製品は業務用です。家庭用エアコンは家電リサイクル法など別の枠組みで扱われます。

Q. 充填と回収は、だれでもできますか。

A. できません。第一種フロン類充填回収業者が行います。

Q. 何を覚えれば足りますか。

A. 製品の2区分、登録(知事)と許可(大臣)の違い、証明書の渡し先の3点です。

まとめまとめ

・第一種=業務用エアコン・冷凍冷蔵機器/第二種=カーエアコン

・充填回収業者は都道府県知事の登録

・破壊業者は主務大臣(環境大臣・経済産業大臣)の許可

・充填・回収証明書は管理者へ、破壊証明書は回収業者へ

・管理者は点検・修理・記録簿の保存を行う