第二種電気工事士の筆記試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和4年度 下期・午前(2022年10月30日実施)の問21〜問30です。
ここは工事のルール・検査・法令の分野です。計算はほとんど出てきませんが、そのかわり数字と言葉の決まりごとが多く並んでいます。丸暗記しようとすると混ざりやすいので、この記事では「なぜその決まりがあるのか」を一つずつ書きました。理由が分かると、似た数字が並んでいても迷いにくくなります。
各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、答えと考え方が出ます。まず自分で考えてから開くのがおすすめです。
この記事の問題はどこから?
問題文・図・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:令和4年度下期第二種電気工事士試験(午前)
用語この10問で問われている分野
問21 木造住宅の電線管工事(CD管・PF管) / 問22 危険な場所の配線工事 / 問23 金属可とう電線管工事 / 問24 回路計(テスタ)の使い方 / 問25 絶縁抵抗の基準値 / 問26 接地抵抗の測り方 / 問27 漏れ電流の測り方 / 問28 電気の保安に関する法令 / 問29 電気用品安全法とPSEマーク / 問30 低圧の電圧区分
なぜ?なぜこの10問はまとめて勉強すると効率がいいのか?
同じ考え方が、角度を変えて何度も出てくるからです。例えば問21〜23は「どの場所で、どの管を、どう使うか」、問24〜27は「何を、どの計器で、どう測るか」、問28〜30は「どの法律が何を決めているか」です。まとまりごとに整理すると、1つ覚えたことが隣の問題にも使えます。
問21
分野:施工(電線管の工事)重要度 ★★★
木造住宅の単相3線式100/200 V屋内配線工事で,不適切な工事方法は。
ただし,使用する電線は600V ビニル絶縁電線,直径1.6 mm(軟銅線)とする。
イ.合成樹脂製可とう電線管(CD管)を木造の床下や壁の内部及び天井裏に配管した。
ロ.合成樹脂製可とう電線管(PF管)内に通線し,支持点間の距離を1.0 mで造営材に固定した。
ハ.同じ径の硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE)2本をTSカップリングで接続した。
ニ.金属管を点検できない隠ぺい場所で使用した。
答え・解説を見る
正解
イ.合成樹脂製可とう電線管(CD管)を木造の床下や壁の内部及び天井裏に配管した。
この問題は何を聞いているの?
「木造の家で電線を通す管を使うとき、決まりに合わない使い方はどれか」を聞いています。4つの選択肢は、どれも電線を守る「管」の使い方の話です。
つまり、管の種類ごとに「どこで使ってよいか」が分かれば解ける問題です。ここから先は「単相3線式」「600Vビニル絶縁電線」「電線管」「CD管」「PF管」「VE管」「TSカップリング」「隠ぺい場所」を1つずつ全部説明していきます。
問題文の前提を説明する
用語単相3線式100/200 V(たんそうさんせんしき)とは?
単相3線式100/200 Vとは、電力会社から家まで3本の電線で電気を送る方式のことです。一般的な住宅の多くがこの方式です。3本のうち真ん中の1本は中性線(ちゅうせいせん)と呼ばれ、地面とつながっています。
なぜ?なぜ1つの方式で100 Vと200 Vの両方が使えるのか?
中性線と外側の線の間が100 V、外側の2本どうしの間が200 Vになるように送られているからです。照明や一般的なコンセントは100 Vを使い、大きなエアコンやIH調理器などは200 Vを使います。1つの方式で両方をまかなえるので、住宅で広く使われているのです。
用語600Vビニル絶縁電線(IV)とは?
600Vビニル絶縁電線とは、銅の芯(しん)を、ビニルの皮で1枚だけ覆った電線のことです。略して「IV(アイブイ)」と呼びます。「600V」は、この電線を使ってよい電圧の上限の目安。「直径1.6 mm」は中の銅の太さで、住宅でよく使われる太さです。「軟銅線(なんどうせん)」は、やわらかく曲げやすい銅線を指します。
なぜ?なぜIVは管の中に通して使うのか?
IVはビニルの皮が1枚しかなく、こすれたりぶつかったりすると傷つきやすいからです。皮が破れて銅が出ると、感電や火災の原因になります。そこで屋内では、電線管の中に通して外から守るのが基本です。
電線管の種類を1つずつ説明する
用語電線管(でんせんかん)とは?
電線管とは、電線を中に通して守るための管のことです。大きく分けて、金属でできた管と、合成樹脂(ごうせいじゅし=プラスチック)でできた管があります。管の種類ごとに、使ってよい場所が法令で決められているのがポイントです。
用語合成樹脂製可とう電線管(ごうせいじゅしせいかとうでんせんかん)とは?
合成樹脂製可とう電線管とは、手で曲げられる、じゃばら状のプラスチックの管のことです。「可とう」とは「曲げることができる」という意味です。この管にはPF管とCD管の2種類があり、見た目は似ていますが燃えにくさが違います。
用語PF管(ピーエフかん)とは?
PF管とは、燃えにくい性質をもつ合成樹脂製可とう電線管のことです。火を離せば自然に消える性質(自己消火性)があるのが特徴です。「PF」はPlastic Flexible(プラスチックの・曲がる)の頭文字とされています。燃えにくいので、木造の壁の中や天井裏、むき出しの場所でも使える管です。
用語CD管(シーディーかん)とは?
CD管とは、PF管と似ているが、燃えにくい性質をもたない合成樹脂製可とう電線管のことです。PF管と取り違えないように、オレンジ色のものが一般的です。「CD」はCombined Duct の頭文字とされています。使ってよいのは、原則としてコンクリートの中に直接埋め込む場合です。それ以外の場所では、燃えにくい専用の管やダクトに収める必要があります。
なぜ?なぜCD管はコンクリートに埋め込むときにしか使えないのか?
CD管は燃えやすいからです。コンクリートの中なら、まわりに燃える物がなく、管が燃えても火は広がりません。ところが木造の床下・壁の中・天井裏は、まわりが木です。そこにCD管をそのまま通すと、電線の発熱や火花で管が燃え、家の火災につながるおそれがあります。
用語硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE)とは?
硬質ポリ塩化ビニル電線管とは、曲がらない硬いプラスチック(塩化ビニル)の管のことです。略して「VE管」と呼びます。見た目は、灰色の水道管に似たまっすぐな管です。
用語TSカップリングとは?
TSカップリングとは、VE管どうしをつなぐ筒の形をした部品のことです。管の外側に接着剤を塗り、両側から差し込んで固定します。同じ太さのVE管どうしをつなぐための部品です。
なぜ?なぜ選択肢ハにはわざわざ「同じ径」と書いてあるのか?
TSカップリングが同じ太さの管どうしをつなぐ部品だからです。「径(けい)」とは管の太さ(直径)のことです。同じ径のVE管2本をTSカップリングでつなぐのは、部品の正しい使い方そのものといえます。
用語隠ぺい場所(いんぺいばしょ)とは?
隠ぺい場所とは、壁の中・天井裏・床下など、建物を仕上げたあとは外から見えない場所のことです。反対に、目に見える場所は展開場所(てんかいばしょ)といいます。「点検できない隠ぺい場所」とは、壁の中のように壁や天井を壊さないと中に入れない場所のことです。
用語金属管(きんぞくかん)とは?
金属管とは、鉄などの金属でできた、硬くて丈夫な電線管のことです。つぶれにくく、燃えません。そのため、展開場所でも隠ぺい場所でも、点検できない場所でも使える管です。
なぜ?なぜ金属管は点検できない場所でも使ってよいのか?
金属管は丈夫で燃えないので、中の電線をしっかり守れるからです。点検できない場所は、あとから傷みに気づけません。だからこそ、長い間電線を守り続けられる丈夫な管が向いています。
「支持点間の距離」も確認する
用語支持点間の距離(しじてんかんのきょり)とは?
支持点間の距離とは、管を壁や柱に留め具で固定するときの、留め具どうしの間隔のことです。問題文の「造営材(ぞうえいざい)」とは、建物の柱・壁・天井など、建物そのものの部分のことです。合成樹脂管(PF管・VE管など)の支持点間の距離は、1.5 m以下と決まっています。
なぜ?なぜ留め具の間隔に上限があるのか?
間隔が空きすぎると、管が自分の重さでたわんだり、外れたりするからです。プラスチックの管は金属の管よりやわらかいので、こまめに留めて形を保つ必要があります。
選択肢を1つずつ確かめる
イ CD管を木造の床下・壁の内部・天井裏に配管した … CD管は燃えやすく、コンクリートに埋め込むのが原則です。木に囲まれた場所にそのまま通すのは決まりに合いません。→ 不適切=これが答え
ロ PF管を支持点間1.0 mで固定した … 合成樹脂管の支持点間は1.5 m以下。1.0 mは1.5 mより短いので、決まりを守れています。→ 適切
ハ 同じ径のVE管2本をTSカップリングで接続した … TSカップリングは同じ太さのVE管どうしをつなぐ部品です。→ 適切
ニ 金属管を点検できない隠ぺい場所で使用した … 金属管は丈夫で燃えないので、点検できない隠ぺい場所でも使えます。→ 適切
よって答えはイです。
間違えた人が選びやすいのはロ
数字が書いてある選択肢は、ひっかけに見えやすいものです。しかし合成樹脂管の支持点間の上限は1.5 mなので、1.0 mは決まりの内側に入っています。
ニの「点検できない」という言葉も、なんとなく危なそうに聞こえます。それでも、金属管はどんな場所でも使える丈夫な管です。言葉の印象ではなく、管の性質で判断しましょう。
覚えるこの問題の覚え方
「CD管=燃える管=コンクリートに埋めるとき専用」「PF管=燃えにくい管=木造の中でも使える」。見た目がそっくりな2つの管は、燃えにくいかどうかで使える場所が分かれます。CD管が木造の壁や天井裏に出てきたら、その選択肢を疑うのが近道です。
問22
分野:施工(特殊場所の工事)重要度 ★★☆
特殊場所とその場所に施工する低圧屋内配線工事の組合せで,不適切なものは。
イ.プロパンガスを他の小さな容器に小分けする可燃性ガスのある場所
厚鋼電線管で保護した600V ビニル絶縁ビニルシースケーブルを用いたケーブル工事
ロ.小麦粉をふるい分けする可燃性粉じんのある場所
硬質ポリ塩化ビニル電線管VE28を使用した合成樹脂管工事
ハ.石油を貯蔵する危険物の存在する場所
金属線ぴ工事
ニ.自動車修理工場の吹き付け塗装作業を行う可燃性ガスのある場所
厚鋼電線管を使用した金属管工事
答え・解説を見る
正解
ハ.石油を貯蔵する危険物の存在する場所 金属線ぴ工事
この問題は何を聞いているの?
「爆発や火事が起きやすい場所で、使ってはいけない配線の方法はどれか」を聞いています。4つの選択肢は、どれも「危険な場所」と「配線の方法」の組合せです。
解くために必要なのは、危険な場所で認められている配線の方法を知っていることです。まず言葉を説明し、そのあと場所ごとの決まりを表にまとめます。
まず言葉を説明する
用語特殊場所(とくしゅばしょ)とは?
この問題でいう特殊場所とは、燃えやすいガス・粉・液体があって、電気の火花ひとつで爆発や火事が起きるおそれのある場所のことです。このような場所では、配線の方法が法令で厳しく限られています。
なぜ?なぜ危険な場所では配線の方法が限られるのか?
電線や接続部分から出るわずかな火花や熱が、ガスや粉に火をつけるおそれがあるからです。そこで、ガスや粉が電線のそばに入り込みにくく、外からの力にも強い方法だけが認められています。
用語低圧屋内配線(ていあつおくないはいせん)とは?
低圧屋内配線とは、建物の中に施設する、600 V以下の電気の配線のことです。「低圧」は、交流なら600 V以下の電圧を指します。
用語可燃性ガス(かねんせいガス)のある場所とは?
可燃性ガスのある場所とは、プロパンガスや塗料から出る気体など、燃えるガスがたまるおそれのある場所のことです。選択肢イの「プロパンガスを小分けする場所」や、ニの「自動車の吹き付け塗装をする場所」がこれにあたります。
用語可燃性粉じん(かねんせいふんじん)のある場所とは?
可燃性粉じんのある場所とは、小麦粉やでんぷんなど、燃える細かい粉が空気中に舞う場所のことです。選択肢ロの「小麦粉をふるい分けする場所」がこれにあたります。
なぜ?なぜ小麦粉のような身近な粉が危険なのか?
細かい粉が空気中に舞うと、粉の一粒一粒が空気に触れて、とても燃えやすくなるからです。そこに火花が飛ぶと、一気に燃え広がって爆発(粉じん爆発)を起こすことがあります。
用語危険物(きけんぶつ)の存在する場所とは?
この問題でいう危険物の存在する場所とは、石油・ガソリン・灯油など、燃えやすい液体を作ったり、ためたりしている場所のことです。選択肢ハの「石油を貯蔵する場所」がこれにあたります。
選択肢に出てくる工事の方法を説明する
用語厚鋼電線管(あつこうでんせんかん)とは?
厚鋼電線管とは、鉄でできた、管の壁が厚い金属管のことです。金属管の中でも特に丈夫です。この管を使った工事を金属管工事といいます。
用語600V ビニル絶縁ビニルシースケーブルとは?
600V ビニル絶縁ビニルシースケーブルとは、ビニルで覆った電線を何本か束ね、その外側をもう1枚ビニルの覆い(シース)で包んだもののことです。略してVVF(平形)・VVR(丸形)と呼びます。このようなケーブルを壁などに沿わせて配線するのがケーブル工事です。
用語VE28を使った合成樹脂管工事とは?
VE管(硬質ポリ塩化ビニル電線管)とは、曲がらない硬いプラスチックの管のことです。「28」は、管の太さを表す数字を意味しています。この管に電線を通して配線するのが合成樹脂管工事です。VE28は、管の厚さが2 mm以上あります。
用語金属線ぴ工事(きんぞくせんぴこうじ)とは?
金属線ぴ工事とは、金属でできた細長い溝形のカバー(線ぴ)に電線を入れ、壁や天井に沿わせて配線する工事のことです。「線ぴ」は「線樋」と書き、雨どいの「樋(とい)」のように電線を収める溝という意味です。
なぜ?なぜ金属線ぴは危険な場所で使えないのか?
線ぴは、溝にふたをかぶせる形なので、金属管ほどぴったり閉じていないからです。すき間からガスや粉が入り込みやすく、管のように強く守る構造でもありません。そのため、危険な場所で使える配線の方法には含まれていません。
場所ごとの決まりを表にする
例危険な場所で使える低圧屋内配線の方法
可燃性ガスのある場所 … 金属管工事(薄鋼電線管以上の強さの管)・ケーブル工事(ケーブルを鉄の管などで保護する)
可燃性粉じんのある場所 … 金属管工事・ケーブル工事・合成樹脂管工事(厚さ2 mm未満の管とCD管は除く)
危険物の存在する場所 … 金属管工事・ケーブル工事・合成樹脂管工事(厚さ2 mm未満の管とCD管は除く)
どの場所でも、金属線ぴ工事は認められていない
「薄鋼(うすこう)電線管」とは、厚鋼電線管より壁の薄い金属管のことです。つまり厚鋼電線管なら、強さの条件を満たします。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 可燃性ガスの場所に、厚鋼電線管で保護したケーブル工事 … ケーブル工事は使える方法で、丈夫な鉄の管で保護もしています。→ 適切
ロ 可燃性粉じんの場所に、VE28の合成樹脂管工事 … 粉じんの場所では合成樹脂管工事も使える(厚さ2 mm以上・CD管以外)。VE28は条件を満たします。→ 適切
ハ 危険物の場所に、金属線ぴ工事 … 金属線ぴ工事は、危険な場所では認められていません。→ 不適切=これが答え
ニ 可燃性ガスの場所に、厚鋼電線管の金属管工事 … 金属管工事は使える方法で、厚鋼電線管は強さも十分。→ 適切
よって答えはハです。
間違えた人が選びやすいのはロ
「プラスチックの管は燃えそうだから、危険な場所には使えないはず」と考えてロを選ぶ人がいます。しかし、粉じんの場所と危険物の場所では、厚さ2 mm以上の合成樹脂管工事が認められているのです。
一方、可燃性ガスの場所では合成樹脂管工事は使えません。場所によって違うのはここだけなので、「ガスの場所は金属管とケーブルだけ」とセットで覚えておきましょう。
覚えるこの問題の覚え方
危険な場所の基本は「金属管・ケーブル・合成樹脂管」の3つ。ただしガスの場所は合成樹脂管を除いた2つ。そして金属線ぴは、どの危険な場所でも使えません。選択肢に「金属線ぴ」と危険な場所の組合せが出てきたら、まずそれを疑いましょう。
問23
分野:施工(金属可とう電線管工事)重要度 ★★★
使用電圧200 Vの電動機に接続する部分の金属可とう電線管工事として,不適切なものは。
ただし,管は2種金属製可とう電線管を使用する。
イ.管とボックスとの接続にストレートボックスコネクタを使用した。
ロ.管の長さが6 mであるので,電線管のD種接地工事を省略した。
ハ.管の内側の曲げ半径を管の内径の6倍以上とした。
ニ.管と金属管(鋼製電線管)との接続にコンビネーションカップリングを使用した。
答え・解説を見る
正解
ロ.管の長さが6 mであるので,電線管のD種接地工事を省略した。
この問題は何を聞いているの?
「モーターにつなぐ配線を、曲げられる金属の管で守るとき、決まりに合わない工事はどれか」を聞いています。選択肢は、部品の選び方・管の曲げ方・アース(接地工事)が要るかどうかの3種類の話です。
この中で数字の決まりが関係するのはロとハです。まず言葉を全部説明してから、数字を1つずつ確かめます。
問題文の言葉を説明する
用語電動機(でんどうき)とは?
電動機とは、電気の力で軸を回す機械=モーターのことです。工場のポンプや換気扇、エアコンの室外機の中などで使われています。
用語使用電圧200 Vとは?
使用電圧とは、その配線をふだん使っている電圧のことです。この問題のモーターは200 Vで動いています。200 Vは300 V以下という点が、あとで判定に使うポイントです。
用語金属可とう電線管(きんぞくかとうでんせんかん)とは?
金属可とう電線管とは、金属でできているのに、手で曲げられる電線管のことです。「可とう」は「曲げることができる」という意味です。問題の「2種金属製可とう電線管」は、現在よく使われている種類で、「プリカチューブ」という商品名で呼ばれることもあります。
なぜ?なぜモーターへの配線に曲げられる管を使うのか?
モーターは動いているときに振動し、取り付け位置を調整することもあるからです。硬い管でつなぐと、振動で管や接続部が傷みやすくなります。曲げられる管なら、その動きを吸収できるというわけです。
選択肢に出てくる部品を説明する
用語ボックスとストレートボックスコネクタとは?
ボックスとは、電線どうしをつないだり、配線を枝分かれさせたりする部分を収める箱のことです。ストレートボックスコネクタとは、金属可とう電線管の端をボックスに取り付けるための部品です。「ストレート」は、管をまっすぐ差し込む形を表しています。
用語コンビネーションカップリングとは?
コンビネーションカップリングとは、種類の違う管どうしをつなぐ部品のことです。「コンビネーション」は「組み合わせ」という意味です。この問題のように、金属可とう電線管と金属管(鋼製電線管=鉄でできた硬い電線管)をつなぐときに使います。
曲げ半径を説明する
用語曲げ半径(まげはんけい)と内径(ないけい)とは?
曲げ半径とは、管を曲げたときのカーブの大きさを、円の半径で表したものです。半径とは、円の中心から縁までの長さのことです。数字が大きいほど、ゆるやかなカーブになります。内径とは、管の内側の直径のことです。
なぜ?なぜ管を急に曲げてはいけないのか?
急に曲げると、管の中が狭くなって電線を通しにくくなり、無理に引っぱると電線の皮が傷つくからです。管そのものもつぶれやすくなります。そこで、2種金属製可とう電線管は、曲げ半径を管の内径の6倍以上にするのが原則です。
例数字で確かめてみる
例えば、内径が17 mmの管なら … 17 mm × 6 = 102 mm
つまり、半径102 mm(約10 cm)以上のゆるやかなカーブで曲げればよい、ということです。
選択肢ハの「内径の6倍以上」は、この決まりどおりです。
D種接地工事と、省略できる条件を説明する
用語D種接地工事(ディーしゅせっちこうじ)とは?
接地工事とは、機械や管の金属部分と地面を電線でつなぐ工事のことです。「アース」とも呼びます。D種接地工事は、300 V以下の低圧の機械や金属管などに行う接地工事で、接地抵抗(地面への電気の逃げにくさ)は原則100 Ω以下が条件です。
なぜ?なぜ金属の管に接地工事をするのか?
管の中の電線が傷んで電気が漏れると、金属の管全体に電気が来てしまうからです。そのまま人が触れると感電します。地面につないでおけば、漏れた電気は人の体より通りやすい接地線のほうへ流れるため、感電を防ぎやすくなるのです。
用語接地工事を省略できる条件とは?
金属可とう電線管のD種接地工事は、使用電圧が300 V以下で、管の長さが4 m以下の場合に省略できます。どちらか一方でも外れると、省略できません。
なぜ?なぜ選択肢ロの「6 m」では省略できないのか?
省略してよいのは管の長さが4 m以下のときだけだからです。この問題の使用電圧は200 Vなので、「300 V以下」の条件は満たしています。しかし6 mは4 mより長いので、もう1つの条件を満たしません。長い管ほど、人が触れるおそれのある金属部分も長くなると考えるとイメージしやすいでしょう。
コツ選択肢ロを手順で確かめる
手順1 使用電圧は200 V。300 V以下か? → はい
手順2 管の長さは6 m。4 m以下か? → いいえ
手順3 条件が1つ欠けている → D種接地工事は省略できない
選択肢を1つずつ確かめる
イ 管とボックスの接続にストレートボックスコネクタ … 可とう管をボックスに取り付ける正しい部品です。→ 適切
ロ 管の長さ6 mなのでD種接地工事を省略 … 省略できるのは4 m以下のときだけ。6 mでは省略できません。→ 不適切=これが答え
ハ 曲げ半径を内径の6倍以上 … 2種金属製可とう電線管の原則どおりです。→ 適切
ニ 管と金属管の接続にコンビネーションカップリング … 種類の違う管どうしをつなぐ正しい部品です。→ 適切
よって答えはロです。
間違えた人が選びやすいのはハ
「6倍」という数字と、ロの「6 m」が同じ6なので、どちらが正しい数字か混ざりやすい問題です。6が出てくるのは曲げ半径(内径の6倍以上)のほうで、接地工事の省略は4 m以下です。
覚えるこの問題の覚え方
「可とう管の接地省略=300 V以下で4 m以下」「曲げ半径=内径の6倍以上」。数字を単独で覚えず、何の数字かとセットで覚えましょう。部品は、ボックスにつなぐ=ボックスコネクタ、違う管どうし=コンビネーションカップリングです。
問24
分野:検査(回路計)重要度 ★★☆
回路計(テスタ)に関する記述として,正しいものは。
イ.ディジタル式は電池を内蔵しているが,アナログ式は電池を必要としない。
ロ.電路と大地間の抵抗測定を行った。その測定値は電路の絶縁抵抗値として使用してよい。
ハ.交流又は直流電圧を測定する場合は,あらかじめ想定される値の直近上位のレンジを選定して使用する。
ニ.抵抗を測定する場合の回路計の端子における出力電圧は,交流電圧である。
答え・解説を見る
正解
ハ.交流又は直流電圧を測定する場合は,あらかじめ想定される値の直近上位のレンジを選定して使用する。
この問題は何を聞いているの?
「テスタという測定器の使い方として、正しい説明はどれか」を聞いています。正しいものを1つ選ぶ問題なので、残りの3つはどこかに誤りがあるということです。
ポイントは、テスタが抵抗を測るときに何をしているかです。ここが分かると、イ・ロ・ニの誤りがまとめて見えてきます。
まずテスタを説明する
用語回路計(かいろけい)・テスタとは?
回路計とは、電圧・電流・抵抗などを1台で測れる、手のひらサイズの測定器のことです。「テスタ」とも呼びます。使い方は、つまみを回して、何を測るかとどのくらいの大きさまで測るかを切り替えるだけです。
用語アナログ式とディジタル式とは?
アナログ式とは、針が振れて、目盛りを読むタイプです。ディジタル式とは、画面に数字で表示されるタイプです。どちらも、電圧・電流・抵抗を測れます。
用語抵抗(ていこう)とは?
抵抗とは、電気の流れにくさのことです。単位はΩ(オーム)です。数字が大きいほど、電気が流れにくいことを表します。
なぜ?なぜテスタは抵抗を測るときに電池を使うのか?
抵抗は、実際に電気を流してみないと測れないからです。テスタは、自分の中の電池から小さな電流を流し、その流れやすさから抵抗を求めています。このため、アナログ式でも抵抗を測るには電池が必要です。
なぜ?なぜ抵抗を測るときの出力は直流なのか?
電気を送り出しているのが、テスタの中の電池だからです。電池が出す電気は、向きが変わらない直流です。そのため、抵抗を測るときに端子から出ている電圧は直流になります。
絶縁抵抗とレンジを説明する
用語絶縁抵抗(ぜつえんていこう)とは?
絶縁抵抗とは、電線と地面(大地)の間の、電気の漏れにくさのことです。電線の皮がしっかりしていれば、とても大きな値になります。問題文の「電路(でんろ)」とは、電気が通る道(電線や器具のつながり)のことです。
なぜ?なぜテスタで測った値を絶縁抵抗として使ってはいけないのか?
絶縁抵抗は、専用の絶縁抵抗計(メガー)で、決まった高い電圧をかけて測ることになっているからです。テスタが抵抗を測るときの電圧は、中の電池の小さな電圧です。小さな電圧では、電線の皮の弱っている所が見つからないことがあります。だから、テスタの値を絶縁抵抗の値として使うことはできません。
用語レンジとは?
レンジとは、その設定で測れる最大の値のことです。テスタはつまみで、例えば「30 V・150 V・300 V」のようにレンジを切り替えます。
なぜ?なぜ「直近上位」のレンジを選ぶのか?
レンジが小さすぎると、針が振り切れてテスタを壊すおそれがあるからです。逆に大きすぎると、針の振れが小さくて正確に読めません。そこで、測りたい値より少しだけ大きいレンジ(直近上位)を選びます。「直近上位」とは、すぐ上の段という意味です。
例数字で確かめてみる
家庭用コンセントの電圧(約100 V)を測りたい。レンジは30 V・150 V・300 Vの3つ。
30 V … 100 Vより小さい。振り切れてしまう。
300 V … 測れるが、針の振れが小さく読みにくい。
150 V … 100 Vより大きい中でいちばん近い。→ これが直近上位のレンジ
選択肢を1つずつ確かめる
イ アナログ式は電池を必要としない … アナログ式も抵抗を測るときに電池を使います。→ 誤り
ロ テスタで測った電路と大地間の抵抗を、絶縁抵抗値として使ってよい … 絶縁抵抗は絶縁抵抗計で測ります。→ 誤り
ハ 電圧を測るときは、想定される値の直近上位のレンジを選ぶ … 正しい使い方です。→ 正しい=これが答え
ニ 抵抗を測るときの出力電圧は交流 … 中の電池から出るので直流です。→ 誤り
よって答えはハです。
間違えた人が選びやすいのはイ
アナログ式は、電圧や電流を測るときは、測る相手の電気で針を動かしています。そのため「アナログ式は電池がいらない」と思い込みやすいのです。しかし抵抗を測るときは、アナログ式も電池を使います。「必要としない」と言い切っているイは誤りです。
覚えるこの問題の覚え方
「テスタの抵抗測定=中の電池で直流を流して測る」。ここから、アナログ式も電池が要る(イは誤り)、出力は直流(ニは誤り)が出てきます。そして絶縁抵抗は専用の絶縁抵抗計(ロは誤り)、レンジは直近上位(ハが正しい)と覚えましょう。
問25
分野:検査(絶縁抵抗の基準値)重要度 ★★★
低圧屋内配線の電路と大地間の絶縁抵抗を測定した。「電気設備に関する技術基準を定める省令」に適合していないものは。
イ.単相3線式100/200 Vの使用電圧200 V空調回路の絶縁抵抗を測定したところ0.16 MΩであった。
ロ.三相3線式の使用電圧200 V(対地電圧200 V)電動機回路の絶縁抵抗を測定したところ0.18 MΩであった。
ハ.単相2線式の使用電圧100 V屋外庭園灯回路の絶縁抵抗を測定したところ0.12 MΩであった。
ニ.単相2線式の使用電圧100 V屋内配線の絶縁抵抗を,分電盤で各回路を一括して測定したところ,1.5 MΩであったので個別分岐回路の測定を省略した。
答え・解説を見る
正解
ロ.三相3線式の使用電圧200 V(対地電圧200 V)電動機回路の絶縁抵抗を測定したところ0.18 MΩであった。
この問題は何を聞いているの?
「電線の漏れにくさを測った結果のうち、法令の基準に足りていないものはどれか」を聞いています。4つの測定結果を、法令の基準の数字と比べる問題です。
判定に必要なのは、①基準の数字(0.1・0.2・0.4 MΩ)と、②どの基準を使うかを決める「対地電圧」の2つです。順に説明します。
言葉を説明する
用語絶縁抵抗(ぜつえんていこう)とは?
絶縁抵抗とは、電線と地面(大地)の間の、電気の漏れにくさのことです。電線の皮が傷んでいなければ大きな値になり、傷んでくると小さな値になります。つまり、値が大きいほど安全です。
用語MΩ(メガオーム)とは?
MΩとは、抵抗の大きさを表す単位です。「メガ」は100万倍という意味なので、1 MΩ=1,000,000 Ωです。0.1 MΩなら10万Ωになります。
用語電技省令(でんぎしょうれい)とは?
「電気設備に関する技術基準を定める省令」を、略して電技省令といいます。電気設備が守るべき安全の基準を国が定めたものです。絶縁抵抗の基準の数字も、この省令に書かれています。
用語使用電圧と対地電圧(たいちでんあつ)とは?
使用電圧とは、電線どうしの間の電圧のことです。対地電圧とは、電線と地面の間の電圧のことです。絶縁抵抗は「電線と地面の間」の漏れにくさなので、基準を決めるときに対地電圧も使います。
なぜ?なぜ単相3線式の200 Vは対地電圧が100 Vなのか?
単相3線式では、3本のうち真ん中の中性線が地面とつながっているからです。外側の2本どうしの間は200 Vですが、地面から見ると、外側の線はどちらも100 Vです。だから、使用電圧が200 Vでも、対地電圧は100 Vになります。
用語三相3線式(さんそうさんせんしき)とは?
三相3線式とは、3本の電線で、工場のモーターなどに電気を送る方式のことです。この問題では、問題文に「対地電圧200 V」と書いてあります。この数字をそのまま使えば判定できるので、迷う必要はありません。
基準の数字を表にする
例低圧の電路の絶縁抵抗の基準(電技省令)
使用電圧300 V以下で、対地電圧150 V以下 … 0.1 MΩ以上
使用電圧300 V以下で、上以外(対地電圧150 V超) … 0.2 MΩ以上
使用電圧300 V超 … 0.4 MΩ以上
なぜ?なぜ電圧が高いほど絶縁抵抗の基準が厳しいのか?
同じ絶縁抵抗でも、電圧が高いほど漏れる電流が大きくなるからです。電流は「電圧÷抵抗」で計算できます。例えば100 V÷0.1 MΩ=1 mAに対し、200 V÷0.1 MΩ=2 mAと2倍です。200 Vで0.2 MΩなら1 mAに戻るので、電圧が上がるほど大きな絶縁抵抗が求められている、と見ることができます。
選択肢を1つずつ判定する
コツ判定の手順
手順1 対地電圧を求める(150 V以下か、超えるか)
手順2 表から基準を決める(0.1か0.2か0.4か)
手順3 測定値と比べる(基準以上なら適合)
イ 単相3線式の200 V回路で0.16 MΩ … 単相3線式なので対地電圧100 V。基準は0.1 MΩ以上。0.16は0.1以上。→ 適合
ロ 三相3線式200 V(対地電圧200 V)で0.18 MΩ … 対地電圧が150 Vを超えるので、基準は0.2 MΩ以上。0.18は0.2より小さい。→ 適合していない=これが答え
ハ 単相2線式100 Vで0.12 MΩ … 対地電圧は100 V以下。基準は0.1 MΩ以上。0.12は0.1以上。→ 適合
ニ 単相2線式100 Vを一括測定して1.5 MΩ、個別の測定を省略 … 基準は0.1 MΩ以上。一括で1.5 MΩなら、どの回路も1.5 MΩ以上あります(理由は下で説明)。→ 適合
なぜ?なぜ一括で1.5 MΩなら、1本ずつ測らなくてよいのか?
分電盤でまとめて測ると、全部の回路を並列(横に並べてつないだ状態)にして測ることになるからです。並列にすると、漏れる道が増えるので、全体の値はどの1本よりも小さく出ます。例えば3 MΩの回路が2本なら、まとめると1.5 MΩです。つまり全体で1.5 MΩなら、1本1本は1.5 MΩ以上あり、基準の0.1 MΩを大きく上回っています。
よって答えはロです。
間違えた人が選びやすいのはイ
「使用電圧200 Vだから基準は0.2 MΩ」と考えると、0.16 MΩは足りないように見えてイを選んでしまいます。しかし単相3線式は対地電圧が100 Vなので、基準は0.1 MΩです。電線どうしの電圧だけで判断しないことが、この問題のいちばんの落とし穴です。
覚えるこの問題の覚え方
「0.1・0.2・0.4」の3つの数字と、「単相3線式の200 Vは対地電圧100 V」の2点を覚えましょう。三相3線式の200 Vは対地電圧200 Vで0.2 MΩです。単相3線式と三相3線式は、同じ200 Vでも基準が違うことを押さえておくと迷いません。
問26
分野:検査(接地抵抗の測定)重要度 ★★☆
直読式接地抵抗計(アーステスタ)を使用して直読で接地抵抗を測定する場合,補助接地極(2箇所)の配置として,適切なものは。
イ.被測定接地極を中央にして,左右一直線上に補助接地極を10 m程度離して配置する。
ロ.被測定接地極を端とし,一直線上に2箇所の補助接地極を順次10 m程度離して配置する。
ハ.被測定接地極を端とし,一直線上に2箇所の補助接地極を順次1 m程度離して配置する。
ニ.被測定接地極と2箇所の補助接地極を相互に5 m程度離して正三角形に配置する。
答え・解説を見る
正解
ロ.被測定接地極を端とし,一直線上に2箇所の補助接地極を順次10 m程度離して配置する。
この問題は何を聞いているの?
「アースの効き具合を測るとき、測定用の棒2本をどう並べればよいか」を聞いています。選択肢は、並べ方(一直線か三角形か、どれが端か)と間隔(10 m・1 m・5 m)の組合せです。
ここから先は「接地極」「接地抵抗」「接地抵抗計」「補助接地極」を順に説明し、なぜその並べ方になるのかまで見ていきます。
まず言葉を説明する
用語接地極(せっちきょく)とは?
接地極とは、アース(接地工事)のために地面に埋めた金属の棒や板のことです。機械の金属部分から引いた電線を、この接地極につないで電気を地面へ逃がします。問題文の「被測定接地極(ひそくていせっちきょく)」は、いま効き具合を測りたい接地極のことです。
用語接地抵抗(せっちていこう)とは?
接地抵抗とは、接地極から地面へ電気が流れるときの流れにくさのことです。単位はΩ(オーム)で、値が小さいほど、漏れた電気を地面へ逃がしやすい=よく効くアースです。
用語接地抵抗計(アーステスタ)と「直読式」とは?
接地抵抗計とは、接地抵抗を測るための専用の測定器のことです。「アーステスタ」とも呼びます。「直読式(ちょくどくしき)」とは、計算しなくても、針や数字で接地抵抗の値をそのまま読めるタイプという意味です。
用語補助接地極(ほじょせっちきょく)とは?
補助接地極とは、測定のためだけに、一時的に地面に打ち込む2本の金属の棒のことです。接地抵抗計には、ふつうE・P・Cの3つの端子があります。Eは測りたい接地極、Pは電圧を測るための補助接地極、Cは電流を流すための補助接地極につなぐのが基本です。
なぜ?なぜ測定に補助接地極が2本も必要なのか?
地面に電流を流す役(C)と、電圧を測る役(P)を分けて使うからです。接地抵抗計は、EとCの間に電流を流し、EとPの間の電圧を測って、「電圧÷電流」で接地抵抗を求めます。そのため、電流用と電圧用で2本の補助接地極が必要なのです。
正しい並べ方と、その理由
例正しい並べ方
E(測りたい接地極) ― 約10 m ― P(電圧用) ― 約10 m ― C(電流用)
Eを端にして、PとCを一直線上に、順に10 m程度ずつ離して並べる。
Pは真ん中、Cがいちばん遠くになります。
なぜ?なぜ10 mも離して並べるのか?
棒に電流を流すと、そのまわりの地面にも電圧の影響が広がるからです。棒どうしが近すぎると、それぞれの影響が重なり合って、正しい値が出なくなります。十分に離せば、測りたい接地極だけの値に近づけられるのです。
なぜ?なぜ測りたい接地極を端にして一直線に並べるのか?
この測り方は、EからCへ流れる電流の道すじの途中にPを置き、その間の電圧を測る仕組みだからです。Eを端、Cを反対の端、Pをその間に一直線に並べると、この仕組みどおりに測ることができます。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 測りたい接地極を中央にして、左右に10 m … 測りたい接地極(E)は端に置きます。真ん中に置く並べ方ではありません。→ 不適切
ロ 測りたい接地極を端にして、一直線上に順に10 m程度 … 正しい並べ方です。→ 適切=これが答え
ハ 測りたい接地極を端にして、一直線上に順に1 m程度 … 並べ方は合っていますが、1 mでは近すぎて影響が重なります。→ 不適切
ニ 3本を5 m程度離して正三角形に … 一直線になっていないうえ、間隔も足りません。→ 不適切
よって答えはロです。
間違えた人が選びやすいのはイ
測りたい接地極を真ん中にして左右に並べると、つり合いがよく正しそうに見えます。しかし、この測り方は「Eから電流を流してCで受け、途中のPで電圧を測る」仕組みです。Eは必ず端に置くと覚えておきましょう。
覚えるこの問題の覚え方
「E・P・Cの順に一直線、10 mずつ」。測りたい接地極(E)が端で、電圧のP、電流のCの順に並べます。間隔が1 mや5 mの選択肢、三角形や中央の選択肢は誤りです。
問27
分野:検査(漏れ電流の測定)重要度 ★★★
単相2線式100 V回路の漏れ電流を,クランプ形漏れ電流計を用いて測定する場合の測定方法として,正しいものは。
ただし,は接地線を示す。
イ.(図のイ)
ロ.(図のロ)
ハ.(図のハ)
ニ.(図のニ)
答え・解説を見る
正解
イ.(図のイ:回路の2本の電線を一緒に挟み、接地線は挟まない)
この問題は何を聞いているの?
「電気がどこかへ漏れていないかを、挟んで測る計器で調べるとき、どの電線を挟めばよいか」を聞いています。図の4つで違うのは、挟んでいる電線の組合せだけです。
ポイントは、漏れ電流は「行きの電流」と「帰りの電流」の差として現れることです。この考え方が分かれば、どの電線を挟めばよいかは自然に決まります。
まず言葉を説明する
用語単相2線式100 V(たんそうにせんしき)とは?
単相2線式100 Vとは、2本の電線で100 Vの電気を送る方式のことです。2本のうち1本は地面とつながった線(接地側の線)、もう1本は地面とつながっていない線(非接地側の線)です。電気は、片方の線を通って機械へ行き、もう片方の線を通って戻ってきます。
用語漏れ電流(もれでんりゅう)とは?
漏れ電流とは、電線や機械の傷んだ所から、本来の道を外れて地面のほうへ流れてしまう電流のことです。漏れ電流が大きいと、感電や火災の原因になります。
用語クランプ形漏れ電流計(クランプがたもれでんりゅうけい)とは?
クランプ形漏れ電流計とは、先端の輪を開いて電線を挟むだけで、電線に触れずに漏れ電流を測れる計器のことです。「クランプ」は「挟む」という意味です。電線に電流が流れると、まわりに磁界(じかい=磁石の力がはたらく範囲)ができます。計器は、輪の中を通る磁界の強さから電流を求める仕組みです。
用語接地線(せっちせん)とは?
接地線とは、機械の金属部分と地面をつなぐ電線(アース線)のことです。図では緑色の太い線で描かれています。ふだんは電流が流れず、漏電したときだけ、漏れた電気を地面へ逃がす道として働く線です。
なぜ「2本まとめて」挟むのか
なぜ?なぜ行きと帰りの2本を一緒に挟むと漏れ電流が分かるのか?
漏れがなければ、行きと帰りの電流は同じ大きさで、向きが反対だからです。2本を一緒に挟むと、2本のまわりの磁界が打ち消し合って、計器は0を示します。ところがどこかで漏れていると、帰りの電流は漏れた分だけ少なくなるはずです。その差の分だけ磁界が残るので、計器はその差=漏れ電流を示すのです。
例数字でイメージする
漏れがないとき … 行き5 A、帰り5 A → 差は0 A
漏れがあるとき … 行き5 A、帰り4.99 A → 差は0.01 A(10 mA)=これが漏れ電流
※数字は考え方を示すための例です。
なぜ?なぜ電線を1本だけ挟んではいけないのか?
1本だけ挟むと、その電線を流れている電流そのもの(負荷電流)を測ってしまうからです。負荷電流とは、機械を動かすためにふつうに流れている電流のことです。漏れ電流は、その中のごく一部の「差」なので、1本だけでは見分けられません。
なぜ?なぜ接地線まで一緒に挟んではいけないのか?
接地線には、漏れた電流そのものが流れているからです。回路の2本と一緒に接地線まで挟むと、せっかく現れた「差」が、接地線を流れる電流で打ち消されてしまいます。その結果、正しい漏れ電流が読めません。
図を1つずつ確かめる
図の緑の線が接地線、斜線の入った線と黒い線が、回路の2本の電線です。輪の中を通っている線が、挟んでいる線です。
イ 回路の2本(斜線の線と黒い線)を挟み、接地線は外 … 行きと帰りをまとめて挟み、接地線は挟まない。正しい測り方です。→ 正しい=これが答え
ロ 黒い線1本だけを挟む … 負荷電流を測ってしまいます。→ 誤り
ハ 斜線の線1本だけを挟む … これも負荷電流を測ってしまいます。→ 誤り
ニ 回路の2本と接地線の3本を挟む … 接地線まで挟むと、漏れ電流が打ち消されて正しく測れません。→ 誤り
よって答えはイです。
間違えた人が選びやすいのはニ
「全部まとめて挟めば、漏れも含めて全部測れる」と考えてニを選ぶ人がいます。しかし、漏れた電流は接地線を通って流れるので、接地線まで挟むと差が消えてしまうのです。挟むのは回路の電線だけ、接地線は外が決まりです。
覚えるこの問題の覚え方
「漏れ電流=行きと帰りの差。だから回路の電線を全部まとめて挟み、接地線は外す」。逆に1本だけ挟むのは、負荷電流を測るときの使い方です。本数を数えて、回路の2本だけが輪の中にある図を選びましょう。
問28
分野:法令(電気保安に関する法令)重要度 ★★★
電気の保安に関する法令についての記述として,誤っているものは。
イ.「電気工事士法」は,電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め,もって電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与することを目的とする。
ロ.「電気設備に関する技術基準を定める省令」は,「電気工事士法」の規定に基づき定められた経済産業省令である。
ハ.「電気用品安全法」は,電気用品の製造,販売等を規制するとともに,電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより,電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的とする。
ニ.「電気用品安全法」において,電気工事士は電気工作物の設置又は変更の工事に適正な表示が付されている電気用品の使用を義務づけられている。
答え・解説を見る
正解
ロ.「電気設備に関する技術基準を定める省令」は,「電気工事士法」の規定に基づき定められた経済産業省令である。
この問題は何を聞いているの?
「電気の安全を守る法律について、間違った説明はどれか」を聞いています。登場する法律は電気工事士法・電技省令・電気用品安全法の3つです。
解くコツは、それぞれの法律が「何を」守るための決まりかを区別することです。まず法律を1つずつ説明します。
出てくる法律を1つずつ説明する
用語電気工事士法(でんきこうじしほう)とは?
電気工事士法とは、電気工事をする「人」の資格と義務を定めた法律のことです。資格のない人が工事をして事故が起きないように、誰がどの工事をしてよいかなどを決めています。選択肢イは、この法律の目的を書いたもので、内容は正しい説明です。
用語電気用品安全法(でんきようひんあんぜんほう)とは?
電気用品安全法とは、電線・コンセント・家電などの「モノ(電気用品)」の安全を守る法律のことです。作る・輸入する・売るときの決まりを定めています。選択肢ハは、この法律の目的を書いたもので、内容は正しい説明です。
用語電気事業法(でんきじぎょうほう)とは?
電気事業法とは、電気を作る・送る・使うための「設備(電気工作物)」の安全などを定めた法律のことです。「電気工作物」とは、発電所から家の配線まで、電気を使うための設備全体を指します。
用語電技省令(でんぎしょうれい)と「省令」とは?
省令(しょうれい)とは、法律にもとづいて、国の大臣が細かい決まりを定めたもののことです。「電気設備に関する技術基準を定める省令」(略して電技省令)は、電気設備が守るべき技術的な基準を、経済産業大臣が定めた経済産業省令です。
なぜ?なぜ電技省令は電気工事士法ではなく電気事業法にもとづくのか?
電技省令が決めているのは「設備」の安全の基準だからです。設備の安全を扱う法律は電気事業法で、電技省令はその規定(第39条・第56条)にもとづいて定められています。電気工事士法は「人」の決まりなので、設備の技術基準のもとにはなりません。
例3つの法律の役割
電気工事士法 … 人(工事をする人の資格と義務)
電気用品安全法 … モノ(電線・器具・家電などの電気用品)
電気事業法 … 設備(電気工作物)。電技省令はこの法律にもとづく
選択肢ニの「義務づけ」を確かめる
なぜ?なぜ電気工事士が電気用品安全法の義務を負うのか?
電気用品安全法には、電気工事士などは、決められた表示が付いていない電気用品を、電気工作物の工事に使ってはならないという決まりがあるからです。工事で使う器具が安全な物であることを、工事をする人の側でも守らせるねらいがあります。つまり、適正な表示が付いた電気用品を使う義務があるので、選択肢ニは正しい説明です。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 電気工事士法の目的 … 工事をする人の資格と義務を定め、欠陥工事による災害を防ぐ。正しい説明です。→ 正しい
ロ 電技省令は電気工事士法にもとづく … 電技省令は電気事業法にもとづく省令です。→ 誤り=これが答え
ハ 電気用品安全法の目的 … 製造・販売の規制と民間事業者の自主的な活動の促進で、電気用品による危険を防ぐ。正しい説明です。→ 正しい
ニ 電気工事士は、表示の付いた電気用品を使う義務がある … 電気用品安全法の決まりどおりです。→ 正しい
よって答えはロです。
間違えた人が選びやすいのはニ
「電気工事士の義務なのに、電気工事士法ではなく電気用品安全法に書いてある」という点に違和感をもち、ニを選んでしまう人がいます。しかし、表示のない電気用品を工事に使ってはいけない決まりは、電気用品安全法の中にあるのです。法律の名前と中身のつながりを正確に覚えておきましょう。
覚えるこの問題の覚え方
「工事士法=人/用品安全法=モノ/事業法=設備」。電技省令は設備の基準なので、電気事業法にもとづくと結びつけておきましょう。「電技省令は電気工事士法にもとづく」という文が出たら、すぐに誤りと判断できます。
問29
分野:法令(電気用品安全法)重要度 ★★★
「電気用品安全法」における電気用品に関する記述として,誤っているものは。
イ.電気用品の製造又は輸入の事業を行う者は,「電気用品安全法」に規定する義務を履行したときに,経済産業省令で定める方式による表示を付すことができる。
ロ.特定電気用品は構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品であって,政令で定めるものである。
ハ.特定電気用品には

又は(PS)Eの表示が付されている。
ニ.電気工事士は,「電気用品安全法」に規定する表示の付されていない電気用品を電気工作物の設置又は変更の工事に使用してはならない。
答え・解説を見る
正解
ハ.特定電気用品には

又は(PS)Eの表示が付されている。
この問題は何を聞いているの?
「電気用品安全法の説明として、間違っているものはどれか」を聞いています。中でも大事なのは、電気用品に付いている「PSEマーク」の形です。
PSEマークにはひし形と丸形の2種類があり、問われているのはどちらがどの電気用品に付くかです。まず言葉を説明し、そのあとマークの違いを整理します。
まず言葉を説明する
用語電気用品(でんきようひん)とは?
電気用品とは、電気用品安全法の対象になる、電線・コンセント・スイッチ・家電製品などのことです。正確には、住宅などの配線の一部になる機械・器具・材料や、家庭で使う電気製品などのうち、政令で定められたものをいいます。
用語特定電気用品(とくていでんきようひん)とは?
特定電気用品とは、電気用品の中でも、特に危険や障害が起きるおそれが多いものとして、政令で定められたもののことです。例えば、電線(一定の太さまで)・ヒューズ・スイッチやコンセントなどの配線器具がこれにあたります。選択肢ロは、この定義をそのまま書いたもので、正しい説明です。
用語政令(せいれい)とは?
政令とは、法律にもとづいて内閣が定める決まりのことです。「どの電気用品を特定電気用品にするか」は、この政令で具体的に決められています。
PSEマークの2つの形を整理する
例PSEマークの形と、付く電気用品
特定電気用品 … ひし形(◇)の中にPSとEを入れたマーク。文字だけで表すときは<PS>E
特定電気用品以外の電気用品 … 丸形(
)のマーク。文字だけで表すときは(PS)E
なぜ?なぜマークの形を2種類に分けているのか?
特定電気用品は危険が大きいので、国に登録された検査機関の検査を受けるなど、より厳しい手続きが必要だからです。どちらの手続きを経た電気用品かを、マークの形でひと目で見分けられるようにしています。
なぜ?なぜ選択肢ハは誤りなのか?
選択肢ハに書かれている丸形のマーク(
)と(PS)Eは、どちらも特定電気用品「以外」の表示だからです。特定電気用品に付くのは、ひし形のマーク(文字では<PS>E)です。特定電気用品とマークの組合せが逆になっています。
残りの選択肢の言葉を確かめる
用語表示を付すことができる(選択肢イ)とは?
電気用品を作る・輸入する事業者は、法律で決められた検査などの義務を果たしたときに、PSEマークなどの表示を付けることができます。言い換えると、義務を果たしていない電気用品には表示を付けられません。選択肢イは、この決まりどおりの正しい説明です。
用語表示のない電気用品を工事に使ってはならない(選択肢ニ)とは?
電気工事士などは、PSEマークなどの表示が付いていない電気用品を、電気工作物(電気を使うための設備)の工事に使ってはいけません。これは電気用品安全法に定められた決まりで、選択肢ニは正しい説明です。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 事業者は義務を果たしたときに表示を付けられる … 決まりどおりです。→ 正しい
ロ 特定電気用品の定義 … 特に危険・障害のおそれが多く、政令で定めるもの。正しい説明です。→ 正しい
ハ 特定電気用品には丸形のPSEか(PS)Eの表示 … 丸形と(PS)Eは特定電気用品以外の表示。特定電気用品はひし形(<PS>E)です。→ 誤り=これが答え
ニ 表示のない電気用品を工事に使ってはならない … 決まりどおりです。→ 正しい
よって答えはハです。
間違えた人が選びやすいのはロ
ロは文章が長く、法律の言い回しがそのまま書かれているため、どこかに誤りが隠れていそうに見えます。しかし内容は、特定電気用品の定義そのものです。長い文ほど誤りに見えやすいので、マークの形のような、はっきり判定できる所から先に確かめるのがおすすめです。
覚えるこの問題の覚え方
「特定=ひし形(<PS>E)/特定以外=丸形((PS)E)」。危険が大きい物ほど角ばったひし形と、形の印象で結びつけておくと混ざりにくくなります。カッコの形も、特定は< >、特定以外は( )です。
問30
分野:法令(電圧の区分)重要度 ★★★
「電気設備に関する技術基準を定める省令」における電圧の低圧区分の組合せで,正しいものは。
イ.直流にあっては600 V以下,交流にあっては600 V以下のもの
ロ.直流にあっては750 V以下,交流にあっては600 V以下のもの
ハ.直流にあっては600 V以下,交流にあっては750 V以下のもの
ニ.直流にあっては750 V以下,交流にあっては750 V以下のもの
答え・解説を見る
正解
ロ.直流にあっては750 V以下,交流にあっては600 V以下のもの
この問題は何を聞いているの?
「法令でいう『低圧』とは、何V以下の電圧のことか」を聞いています。直流と交流で、それぞれ上限の数字を答える問題です。
選択肢に出てくる数字は600 Vと750 Vの2つだけです。直流と交流のどちらが750 Vかを覚えていれば解けます。
まず言葉を説明する
用語直流(ちょくりゅう)と交流(こうりゅう)とは?
直流とは、乾電池のように、電気が一方向にだけ流れる電気のことです。交流とは、家庭用コンセントの電気のように、流れる向きが1秒間に100回以上も入れ替わる電気のことです。
用語低圧・高圧・特別高圧とは?
電技省令(電気設備に関する技術基準を定める省令)では、電圧を低圧・高圧・特別高圧の3つに分けています。数字が大きくなるほど危険が大きいので、区分ごとに守るべき決まりが違うのです。
例電技省令による電圧の区分
低圧 … 直流は750 V以下、交流は600 V以下
高圧 … 直流は750 Vを超え7,000 V以下、交流は600 Vを超え7,000 V以下
特別高圧 … 7,000 Vを超えるもの(直流・交流とも)
なぜ?なぜ第二種電気工事士の試験で低圧の区分が問われるのか?
第二種電気工事士が工事できるのは、主に低圧で電気を受けている住宅や小さな店などの設備だからです。「低圧=交流600 V以下」は、第二種電気工事士の仕事の範囲を考えるときの基本の数字になります。
例身近な例で確かめる
家庭用コンセント(交流100 V) … 600 V以下なので低圧
エアコンなどの200 V(交流) … 600 V以下なので低圧
乾電池(直流1.5 V) … 750 V以下なので低圧
選択肢を1つずつ確かめる
イ 直流600 V以下、交流600 V以下 … 直流の上限が違います(正しくは750 V)。→ 誤り
ロ 直流750 V以下、交流600 V以下 … 電技省令の区分どおりです。→ 正しい=これが答え
ハ 直流600 V以下、交流750 V以下 … 直流と交流の数字が逆です。→ 誤り
ニ 直流750 V以下、交流750 V以下 … 交流の上限が違います(正しくは600 V)。→ 誤り
よって答えはロです。
間違えた人が選びやすいのはイ
第二種電気工事士の勉強では「低圧=600 V以下」という言い方をよく目にします。そのため、直流も600 Vだと思い込んでイを選びやすいのです。600 V以下は交流の話で、直流は750 V以下まで低圧です。
なお、この区分は現在の電技省令でも同じです。
覚えるこの問題の覚え方
「低圧は、直流750・交流600」。直流のほうが数字が大きいと覚えておけば、ハのように数字が入れ替わった選択肢にも迷いません。高圧と特別高圧の境目は、直流・交流とも7,000 Vです。
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この記事のまとめ
問21〜30は施工のルール・検査・法令の分野でした。計算がないぶん、数字と言葉を正確に覚えているかが得点を左右します。下に、この10問から持ち帰ってほしいことをまとめました。
まとめこの10問で持ち帰ること
問21 電線管の工事 … CD管は燃える=コンクリートに埋めるとき専用。PF管は燃えにくく木造の中でも使える。合成樹脂管の支持点間は1.5 m以下。
問22 危険な場所の工事 … 基本は金属管・ケーブル・合成樹脂管。ガスの場所は合成樹脂管も不可。金属線ぴはどの危険な場所でも不可。
問23 金属可とう電線管 … D種接地工事の省略は300 V以下で4 m以下。曲げ半径は内径の6倍以上。
問24 回路計(テスタ) … 抵抗測定は中の電池で直流を流す。アナログ式も電池が要る。レンジは直近上位。絶縁抵抗は絶縁抵抗計で測る。
問25 絶縁抵抗 … 0.1/0.2/0.4 MΩ。決め手は対地電圧。単相3線式の200 Vは対地電圧100 V、三相3線式の200 Vは0.2 MΩ。
問26 接地抵抗の測定 … E・P・Cの順に一直線、10 m程度ずつ。測りたい接地極は端。
問27 漏れ電流の測定 … 回路の電線を全部まとめて挟み、接地線は挟まない。1本だけなら負荷電流になる。
問28 保安の法令 … 工事士法=人/用品安全法=モノ/事業法=設備。電技省令は電気事業法にもとづく。
問29 電気用品安全法 … 特定=ひし形(<PS>E)/特定以外=丸形((PS)E)。
問30 電圧の区分 … 低圧は直流750 V以下・交流600 V以下。
コツこの分野を伸ばすコツ
数字が出てきたら、必ず「何の数字か」をセットで書き出すことです。1.5 m(合成樹脂管の支持点間)/4 m(可とう管の接地省略)/内径の6倍(曲げ半径)/0.1・0.2・0.4 MΩ(絶縁抵抗)/10 m(補助接地極の間隔)/750 V・600 V(低圧の上限)——この10問に出てきた大事な数字です。
なぜ?なぜ数字だけを丸暗記するのは危ないのか?
数字だけ覚えると、どの場面の数字かが混ざるからです。問23では「6 m」と「内径の6倍」のように、同じ6がまったく別の意味で並んでいました。「可とう管の接地省略は4 m以下」のように、いつも文章まるごとで覚えると混ざりにくくなります。
出典
令和4年度下期第二種電気工事士試験(午前)
問題・図・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
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▶ 問1〜10
計算と配線の設計(直流回路・電線の抵抗・電力量・三相の断線・電圧降下・許容電流・幹線の分岐)
▶ 問11〜20
材料と器具(2号コネクタ・絶縁物の最高許容温度・工具の組合せ・周波数と回転速度・写真の材料と機器)
▶ 配線図 問31〜40
図記号と数字もの(図記号の名称・引込口開閉器・絶縁抵抗・配線用遮断器・小勢力回路・接地工事)
▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け(リングスリーブ・差込形コネクタ・測定器・ケーブル・コンセントとスイッチ)
学科のあとは、技能試験の準備が要ります
技能試験は40分で実際に配線を組み立てる試験です。工具と練習用の材料がないと1問も練習できません。通信講座は必要か、材料は買うか借りるか——実際の価格で比べました。
▶ 通信講座5社と工具・材料の費用を比較する