【第二種電気工事士】検査と測定器のきほんをゼロから解説
学科試験では、工事のあとの検査と測定器の使い分けから、3〜4問ほど出題されることが多くあります。測定器は種類が多く見えますが、「形」と「測るもの」をセットで覚えると、得点源にしやすくなります。
この記事では、電気をまったく知らない人を想定して、検査の流れから測定器の見分け方まで順に説明します。
工事のあとに必ず検査する

用語竣工検査(しゅんこうけんさ)とは?
竣工検査とは、配線工事が終わったあと、電気を通す前に安全を確かめる検査です。
なぜ?なぜ電気を通す前に検査するのか?
配線の間違いは、電気を通した瞬間に感電・火災・機器の故障を起こすおそれがあるからです。壁の中の配線は完成後は見えないので、通電前の検査が最後の砦になります。
コツ検査の順番【この流れで覚える】
手順1 目視点検 … 図面どおりに施工されているか、目で確かめる
手順2 絶縁抵抗測定 … 電気が漏れない状態かを測る
手順3 接地抵抗測定 … アース(漏れた電気を地面へ逃がす線)がきちんと大地につながっているかを測る
手順4 通電試験 … 最後に電気を通して、正しく動くか確かめる
覚え方 … 「見る → 測る → 通す」。電気を通すのは必ず最後
試験の問題文では、この4つの手順が別の呼び方で書かれることがあります。名前が変わっても、順番は「見る→測る→通す」のままです。
覚える問題文での呼び方【3つの段階】
点検 … 目で見て、配線や器具の取り付けが電技(電気設備に関する技術基準を定める省令)などに合っているか確かめる(手順1)
測定及び試験 … 絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計などで測り、基準に合っているか確かめる(手順2・3と、下の導通試験)
通電試験(試送電) … 電気を通して、配線や機器が正常に使えるか確かめる(手順4)
順番は点検→測定及び試験→通電試験。「点検→通電試験→測定及び試験」と書いた選択肢は誤り
用語導通試験(どうつうしけん)とは?
導通試験とは、電線が途中で切れていないか(断線)や、つなぎ間違い(誤接続)がないかを調べる試験です。回路計(テスタ)や導通チェッカーを使います。
なぜ?なぜ導通試験に検電器は使えないのか?
検電器は「電気が来ているか」だけを見る道具だからです。導通試験は電気を通す前に行うので、電線にはまだ電気が来ていません。回路計や導通チェッカーは、自分の電池で小さな電流を流して、線がつながっているかを確かめます。
出典:令和5年度上期(午後) 第二種電気工事士試験(学科試験)問24/令和7年度下期 第二種電気工事士試験(学科試験)問24
絶縁抵抗の測定
用語絶縁抵抗計(メガー)とは?
電線から電気が漏れないかを調べる測定器です。単位はMΩ(メガオーム)。電池で直流の高い電圧をかけて、漏れの少なさを測ります。
なぜ?なぜ高い電圧をかけて測るのか?
一般的なテスタ(電圧などを測る小型の測定器)の弱い電圧では、小さな絶縁の傷を見つけられないからです。わざと高めの電圧をかけて、それでも漏れないことを確かめます。
覚える絶縁抵抗計の基本【試験に出る4点】
出す電圧 … 直流。「交流」と書いた選択肢は誤り
種類 … 数字で出るディジタル形と、針で読む指針形(アナログ形)の両方がある
測る回路 … 電源を切った無充電の状態で、回路ごとに測る。「電源電圧が加わった状態で測る」は誤り
電子機器がある回路 … パソコンなどがつながった回路では、機器を壊さない適正な測定電圧を選ぶ
なぜ?なぜ絶縁抵抗は電源を切ってから測るのか?
回路にもともと電気が来ていると、その電気が混ざって正しく測れないからです。絶縁抵抗計は、自分の電池で作った電圧をかけて、わずかに流れる電流から抵抗を求めます。電気が来ている電線に触れる作業になるので、感電のおそれもあるのです。
なぜ?なぜ電子機器がある回路では測定電圧を選ぶのか?
電子機器の中の部品は、高い電圧をかけると壊れることがあるからです。絶縁抵抗計は、ふだんより高めの電圧をかけて測る測定器でした。そのため、機器を傷めない電圧を選ぶことが求められます。
出典:令和6年度上期 第二種電気工事士試験(学科試験)問25/令和6年度下期 第二種電気工事士試験(学科試験)問25/令和7年度下期 第二種電気工事士試験(学科試験)問24
図を見せて「どれが絶縁抵抗計の目盛か」を選ばせる問題も出ます。見分けるポイントは3つです。
覚えるアナログ式絶縁抵抗計の目盛【3つの特徴】
単位 … MΩ(メガオーム。1MΩ=100万Ω)
向き … 右端が0、左端が∞(電圧計などのふつうの目盛と逆)
間隔 … 目盛りの間隔がそろっていない不均等な目盛り。∞に近い左側ほど詰まっている
なぜ?なぜ右端が0で、目盛りの間隔がそろっていないのか?
針は流れる電流が大きいほど右へ振れるしくみだからです。抵抗が小さいほど電流は多く流れるので、0が右端になります。電流がまったく流れない∞は、針が動かない左端です。
例数字で確かめる【説明のため、100Vをかけたとする】
① 0.1MΩ(10万Ω)なら … 100V ÷ 100,000Ω = 0.001A = 1mA
② 1MΩ(100万Ω)なら … 100V ÷ 1,000,000Ω = 0.0001A = 0.1mA
③ 10MΩ(1,000万Ω)なら … 100V ÷ 10,000,000Ω = 0.01mA
抵抗が10倍になるたびに、電流は10分の1になります。①から②では針が大きく動くのに、②から③ではわずかしか動きません。だから∞に近い側ほど目盛りが詰まるのです。
注意ほかの計器の目盛と見分ける
左端が0で、右へ数字が増える目盛 … 絶縁抵抗計ではない
LEAD・LAGの文字がある目盛 … 力率計(力率を測る計器)。LEADは「進み」、LAGは「遅れ」という意味
右端0・左端∞・不均等でMΩの目盛 … これが絶縁抵抗計
出典:令和7年度上期 第二種電気工事士試験(学科試験)問25
覚える絶縁抵抗の基準値【0.1/0.2/0.4】
使用電圧300V以下 かつ 対地電圧150V以下(住宅の100V回路など) … 0.1MΩ以上
使用電圧300V以下 でも 対地電圧150V超(三相200Vなど) … 0.2MΩ以上
使用電圧300V超 … 0.4MΩ以上
この基準値は、電技(電気設備に関する技術基準を定める省令)の第58条で決められています。電技は、電気設備の作り方について国が定めたルールです。第58条は「開閉器や過電流遮断器で区切れる回路ごとに」この値以上と決めています。
用語一括測定とは?
一括測定とは、分電盤ですべての分岐回路をまとめて1回で絶縁抵抗を測ることです。分岐回路は、分電盤のブレーカーから枝分かれして各部屋へ向かう回路を指します。
なぜ?なぜ一括で基準以上なら、1回路ずつ測らなくてよいのか?
一括で測った値は、全部の回路の絶縁抵抗を並列につないだ合成抵抗だからです。並列の合成抵抗は、どの1本よりも小さくなります(第1回で学んだ並列の決まり)。まとめた値が基準以上なら、1つずつの回路はそれより大きく、基準も満たしているのです。
例数字で確かめる【100Vの回路が2つある場合】
① 回路Aの絶縁抵抗 … 0.4MΩ、回路Bも0.4MΩとする
② 同じ値の2つを並列にすると、合成は半分 … 0.4 ÷ 2 = 0.2MΩ
③ 一括で測ると0.2MΩと出る。どちらの回路も、この0.2MΩより大きい
つまり一括の値が基準の0.1MΩ以上なら、中のどの回路も0.1MΩ以上です。
例過去問ではこう出る
「単相2線式100Vの屋内配線を、分電盤で一括して測定したら1.5MΩだったので、個別の分岐回路の測定を省略した」 … 適合(正しいやり方)
1.5MΩは基準の0.1MΩ以上なので、中のどの回路も基準を満たしています。
出典:令和5年度上期(午前) 第二種電気工事士試験(学科試験)問25/令和8年度上期 第二種電気工事士試験(学科試験)問25
用語停電できなくて測れないときは?
絶縁抵抗の測定は回路を停電させて行いますが、どうしても停電できない場合は、漏えい電流が1mA以下であることを確認すればよい、と決められています。
なぜ?なぜ漏えい電流で代用できるのか?
絶縁抵抗と漏れ電流は表裏の関係だからです。漏れがごくわずか(1mA以下)なら、絶縁は保たれていると判断できます。
接地抵抗の測定
用語接地抵抗計(アーステスタ)とは?
アース(接地)がどれだけスムーズに電気を大地へ逃がせるかを測る測定器です。測りたい接地極(被測定接地極)と、地面に打つ補助接地棒2本の、合わせて3点で測る(3極法)のが基本です。
なぜ?なぜ補助接地棒が2本必要なのか?
大地への流れやすさは、比べる相手(基準点)がないと測れないからです。補助の棒2本がその基準の役割をします。測定前には地電圧(地面にもともと生じている電圧)が小さいことも確認します。
覚える接地抵抗の測り方【試験に出る3点】
読む値 … 測りたい被測定接地極の接地抵抗。補助接地極は基準にするための棒で、その抵抗を読むわけではない
補助接地極の並べ方 … 被測定接地極を端にして、一直線上に約10mずつ離して2本打つ
測定器 … 接地抵抗計にはディジタル形と指針形(アナログ形)がある。地面に流すのは交流
注意補助接地極の並べ方の引っかけ
「被測定接地極を中央にして左右に並べる」 … 誤り
「1m程度ずつ離す」 … 誤り
「3本を正三角形に並べる」 … 誤り
正しくは「端から一直線に、約10mずつ」です。
出典:令和5年度上期(午後) 第二種電気工事士試験(学科試験)問26/令和7年度下期 第二種電気工事士試験(学科試験)問24・問26
覚える接地抵抗の基準値
D種(300V以下の機器) … 100Ω以下
D種で、0.5秒以内に切れる漏電遮断器を付けた場合 … 500Ω以下まで緩和
C種(300V超の低圧) … 10Ω以下
測定器図鑑 形と用途をセットで覚える
例写真問題はここで決まる
回路計(テスタ) … 赤と黒のテスト棒。電圧・抵抗・導通を測る万能選手。絶縁抵抗は測れない
絶縁抵抗計(メガー) … テスタに似るがMΩ目盛り。漏れにくさを測る
接地抵抗計 … 補助接地棒2本と3本の線が付属。アースの効きを測る
クランプ形電流計 … 先端に開く輪。電線を挟むだけで電流が測れる。回路を切らずに測れるのが強み
検相器 … 3色のクリップ。三相の順番(相回転)を調べる
検電器 … ペン型。電気が来ているかどうかだけを調べる
照度計 … 白い半球のセンサー。明るさ(ルクス)を測る
電力量計 … 家の外の電気メーター。使った合計(kWh)を測る
注意クランプで「漏れ電流」を測るときの注意
通常の負荷電流(機器が使う電流)は1本だけ挟みますが、漏れ電流を調べるときはその回路の電線を全部まとめて挟みます。
なぜ?なぜ全部まとめて挟むと漏れが分かるのか?
行きと帰りの電流は打ち消し合ってゼロになるはずだからです。全部挟んでゼロにならなければ、その差が漏れている量だと分かります。
例挟む本数【配線方式ごと】
単相2線式 … 2本すべて
単相3線式 … 中性線を含めた3本すべて
三相3線式 … 3本すべて
1本でも外すと、行きと帰りが打ち消し合わず、ふだん流れている大きな電流が表示されてしまいます。
覚える漏れ電流計(クランプ形)の特徴【試験に出る4点】
感度 … mA(ミリアンペア=1000分の1A)単位まで測れる。ふつうの負荷電流用クランプ形電流計より感度が高い
しくみ … 小さな信号を大きくする増幅回路が入っている
種類 … 漏れ電流専用のものと、レンジを切り換えて負荷電流も測れるものがある
使い方 … 接地線を挟むだけで測れる。接地線を外す(開放する)必要はない
なぜ?なぜ漏れ電流計は感度が高くないといけないのか?
漏れ電流は、ふつう流れる電流に比べてごくわずかだからです。停電できないときの判定の基準は1mA以下でした。1Aは1,000mAなので、1mAはその1,000分の1にあたります。
出典:令和5年度上期(午後) 第二種電気工事士試験(学科試験)問27/令和6年度下期 第二種電気工事士試験(学科試験)問27/令和8年度上期 第二種電気工事士試験(学科試験)問27
回路計(テスタ)のダイヤルと目盛の読み方
回路計は、真ん中のダイヤル(つまみ)を回して、何をどの範囲で測るかを選ぶしくみです。試験では、ダイヤルと針の位置の図から測定値を読ませる問題が出ます。
覚えるダイヤルの4つのグループ【略号の意味】
DCV … 直流電圧。DCはDirect Current(ダイレクト・カレント=向きが一定の電流=直流)、Vはボルト
ACV … 交流電圧。ACはAlternating Current(オルタネーティング・カレント=向きが交互に入れ替わる電流=交流)
DCA … 直流電流。Aはアンペア(電流の単位)
Ω … 抵抗。Ωはオーム(抵抗の単位)
組み立て方は「DCかACか(電気の種類)+VかAか(測るもの)」です。
用語レンジとは?
レンジとは、測定器の測れる範囲の設定のことです。ダイヤルが「ACVの250」なら、交流電圧を最大250Vまで測れる目盛りで読む、という意味になります。
例目盛を読む3ステップ【ダイヤルがACVの250、針が205あたりの場合】
ステップ1 ダイヤルを見る … ACVの250 → 交流電圧を、最大250Vの範囲で測っている
ステップ2 目盛の列を選ぶ … 目盛板の中から、右端が250の列を探す
ステップ3 針を読む … 200と250の間の205あたり → 測定値は交流205V
「直流205V」「直流20.5mA」「抵抗4.5Ω」は、ダイヤルの種類が違うので誤りです。
出典:令和6年度下期 第二種電気工事士試験(学科試験)問24
用語「直近上位(ちょっきんじょうい)のレンジ」とは?
測りたい値より大きく、しかもいちばん近いレンジのことです。電圧を測るときは、あらかじめ想定される値の直近上位のレンジを選びます。
例100Vのコンセントを測る【例えばレンジが30V・300V・1000Vの場合】
30Vレンジ … 100Vより小さい。針が振り切れて計器を傷めるおそれ → 選ばない
300Vレンジ … 100Vより大きく、いちばん近い → これが直近上位
1000Vレンジ … 安全だが、針の振れが目盛り全体の10分の1しかない → 選ばない
値の見当がつかないときは、いちばん大きいレンジから始めて、針を見ながら下げていきます。
なぜ?なぜ大きすぎるレンジもよくないのか?
針の振れが小さいと、細かい値が読み取りにくいからです。100Vを1000Vレンジで測ると、針は目盛り全体の10分の1(100÷1000)しか振れません。300Vレンジなら3分の1(100÷300)まで振れ、ずっと読みやすくなります。
注意回路計の引っかけ
「回路計で測った電路と大地の間の抵抗を、絶縁抵抗値として使ってよい」 … 誤り。絶縁抵抗は絶縁抵抗計(メガー)で測る
「電圧は、想定される値の直近上位のレンジで測る」 … 正しい
出典:令和5年度上期(午前) 第二種電気工事士試験(学科試験)問24
回路計(テスタ)で抵抗を測る手順
上の測定器図鑑で、回路計(テスタ)は「電圧・抵抗・導通を測る万能選手」と紹介しました。試験では、この回路計で抵抗を測るときの手順が、順番や言葉を入れ替えた引っかけの形でくり返し出題されています。
用語回路計の「電池内蔵」とは?
回路計は、抵抗を測るときに自分の電池から小さな電流を流して測ります。そのため、針で読むアナログ式も、数字が出るディジタル式も、どちらも電池を内蔵しています。
なぜ?なぜ抵抗を測るのに電池が要るのか?
抵抗は「電気の流れにくさ」なので、実際に電気を流してみないと分からないからです。抵抗を測る相手(回路から切り離した電線や器具など)には電気が来ていません。そこで回路計が自分の電池で電流を流し、その流れ方から抵抗の大きさを求めています。電池が弱っていると決まった電流が流れず、正しい値が出ません。
覚える抵抗を測るときに出るのは直流
電池が出せるのは直流だけです。そのため、抵抗を測るときに回路計の端子から出る電圧は直流になります。「交流電圧が出る」と書いた選択肢は誤りです。
出典:令和5年度上期(午前) 第二種電気工事士試験(学科試験)問24
コツ抵抗を測る4つの手順【この順番で覚える】
手順1 電池を確かめる … 電池が有効(弱っていない)かを最初に確認する
手順2 抵抗レンジを選ぶ … ダイヤルを抵抗(Ω)に合わせる。だいたいの値が分かっていれば、合う倍率(×1・×10・×100など)を選ぶ
手順3 0Ω調整をする … 赤と黒のテストリード(測定用の線)の先をくっつけて(短絡して)、針がちょうど0Ωを指すようにつまみで合わせる
手順4 測って倍率をかける … 測りたいものにリードを当てて目盛りを読み、読んだ値×倍率を測定値とする
用語「短絡」と「開放」とは?
短絡(たんらく) … 2本のリードの先を直接くっつけること。間に何もないので、抵抗は0Ω
開放(かいほう) … リードを離したままにすること。間は空気で電気が流れないので、抵抗は無限大(∞)
なぜ?なぜ0Ω調整はリードをくっつけて行うのか?
くっつけた状態は「抵抗が0Ω」だとはっきり分かっているので、そこに針を合わせれば基準がそろうからです。電池が減ってくると、同じ抵抗でも針の振れ方が変わってしまいます。測る前にこの調整で合わせ直せば、そのずれを打ち消せます。なお、リードを離したまま(開放)だと針は∞のほうを指すので、0Ωには合わせられません。
例倍率をかける計算【×100のレンジで針が「5」を指したら】
① 目盛りから読んだ値 … 5
② 選んだレンジの倍率 … ×100
③ 測定値 … 5 × 100 = 500Ω
もし倍率で割ってしまうと、5 ÷ 100 = 0.05Ω となり、けた違いに小さい値になってしまいます。目盛りは1本しかないので、倍率は「目盛りの何倍の範囲を測っているか」を表しています。だからかけるのです。
注意試験の引っかけ【この3つが定番】
「アナログ式は電池を必要としない」 … 誤り。抵抗を測るにはアナログ式も電池が要る
「リードを開放して0Ωに調整する」 … 誤り。0Ω調整はリードを短絡して行う
「読んだ値を倍率で割る」 … 誤り。読んだ値に倍率をかける
測る前の準備 電池と「0」の確認
電池で動くのは回路計だけではありません。絶縁抵抗計(メガー)と接地抵抗計(アーステスタ)も電池式の測定器です。試験では「測る前に何を確かめるか」が問われるので、3つを並べて覚えておくと混乱しにくくなります。
なぜ?なぜ絶縁抵抗計や接地抵抗計にも電池が要るのか?
どちらも自分で電気を作って流し、その流れ方から抵抗を求めているからです。絶縁抵抗計は電池の電気から高い直流の電圧を作って電線にかけます。接地抵抗計は電池の電気から交流を作って地面に流します。電池が弱っていると決められた電圧や電流が出せず、正しい値が得られません。
覚える測る前に確かめること【3つの測定器を比べる】
回路計(抵抗を測るとき) … ①電池の確認 ②抵抗レンジと倍率を選ぶ ③リードを短絡して0Ω調整
絶縁抵抗計 … ①電池の確認 ②E端子(アース側)とL端子(ライン=電線側)を短絡して、針が0を指すことを確認 ③測る回路の電源を切っておく
接地抵抗計 … ①電池の確認 ②地電圧(地面にもともと生じている電圧)が許容値以下であることを確認 ③補助接地棒を適切な位置に打つ
共通 … どの測定器も、まず電池が有効かを確かめる
注意接地抵抗計に「開放して零点調整」という手順はない
「接地抵抗を測る前に、端子間を開放して零点を調整する」という選択肢は誤りです。接地抵抗計の準備は電池・地電圧・補助接地棒の位置の3つで、開放して零点を合わせる手順はありません。回路計の0Ω調整と混ぜた引っかけで、しかも回路計のほうも開放ではなく短絡して調整します。
計器の目盛板の記号
針で読むアナログの電圧計や電流計の目盛板には、小さな記号がいくつも書かれています。試験では目盛板の図を見せて、何を測る計器か・中のしくみは何か・どう置いて使うかを答えさせる問題が出ます。記号は日本産業規格(JIS C 1102-1)で決められています。
用語直動式指示電気計器とは?
測りたい電気の力で中の部品(可動部)が動き、それにつながった針が値を指す計器のことです。試験問題ではこの長い名前で出てきますが、「針で読むアナログの電気計器」と考えて構いません。
覚える目盛板の文字と記号【まずここから読む】
V … 電圧計(電圧の単位ボルト)
A … 電流計(電流の単位アンペア)
W … 電力計(電力の単位ワット)
〜(波の形) … 交流用
=に似た形(実線の下に破線を添えた形) … 直流用
目盛板には、計器の動作原理(中で針を動かしているしくみ)を表す記号も書かれています。第二種電気工事士の試験でよく出るのは次の3つです。
用語永久磁石可動コイル形とは?
動かない永久磁石のあいだに、動くコイル(電線をぐるぐる巻いたもの)を置いた計器です。コイルに電流が流れると、磁石の力でコイルが回り、針が振れます。
なぜ?なぜ永久磁石可動コイル形は直流用なのか?
コイルが回る向きが電流の向きで決まるからです。交流は流れる向きが絶えず入れ替わる電気なので、コイルは右へ左へと細かく押し戻され、針は値を示せません。向きが変わらない直流でなければ使えないしくみです。
用語可動鉄片形とは?
動かないコイルに電流を流して磁石の力を作り、その力で鉄片(鉄の小さな板)を動かして針を振らせる計器です。
なぜ?なぜ可動鉄片形は交流でも針が振れるのか?
鉄は、磁石の力の向きがどちらでも同じように引き寄せられるからです。磁石のN極を近づけてもS極を近づけても鉄のクリップがくっつくのと同じで、交流で向きが入れ替わっても、鉄片は同じ向きに動きます。そのため可動鉄片形は交流の測定によく使われます。
用語誘導形とは?
交流の電磁石が作る磁界で、動く金属の板に電流(渦電流)を起こし、その力で動かす計器です。交流の磁界を使うしくみなので、交流用です。
覚える動作原理の記号【形と、直流・交流をセットで】
永久磁石可動コイル形 … 記号はU字形(馬てい形)の磁石の中に小さな四角。直流用
可動鉄片形 … 記号はぎざぎざの線(コイル)の横に黒い太い棒(鉄片)。主に交流用
誘導形 … 記号は円の中に小さな丸、円の右側に縦線。交流用
覚える置き方(取付姿勢)の記号
⊥(逆さのTの形) … 目盛板を鉛直に立てて使う
⊓(横線の両端が下に折れた形) … 目盛板を水平に置いて使う
∠60°(斜めの線と角度) … 目盛板を傾けて使う(60°は例)
なぜ?なぜ計器の置き方まで決まっているのか?
針や可動部には重力がかかっているからです。作ったときと違う向きで使うと、針のつり合いがずれて誤差が出ます。そこで、どの向きで使う前提の計器なのかを記号で示しています。
コツ置き方の記号は形がそのまま向き
⊥ … 縦の棒が立っている=目盛板を立てて使う
⊓ … 横の線が寝ている=目盛板を水平に置いて使う
例目盛板を読んでみる
目盛板に「V」「〜」「ぎざぎざの線と黒い棒の記号」「⊓」が書かれていたら
→ 交流の電圧を測る、可動鉄片形の計器で、水平に置いて使う
この計器を「永久磁石可動コイル形」と書いた選択肢は誤りです。〜(交流用)と、直流用の永久磁石可動コイル形は両立しないので、記号の形に自信がなくても見抜けます。
電圧計・電流計・電力計のつなぎ方
電気の量を測る計器は、回路へのつなぎ方が決まっています。試験でも、正しくつないだ回路図を選ばせる問題が定番です。
覚えるつなぎ方の決まり【3つ】
電流計(A) … 負荷(電気を使う機器)と直列。電線の途中に割り込ませる
電圧計(V) … 負荷と並列。負荷の両端に橋をかけるようにつなぐ
電力計(W) … 中に2つのコイルがある。電流コイルは直列、電圧コイルは並列
なぜ?なぜ電流計は直列につなぐのか?
直列の道では、どこでも同じ大きさの電流が流れるからです(第1回で学んだ直列の決まり)。電線の途中に電流計を入れれば、負荷に流れる電流がそのまま電流計も通ります。
なぜ?なぜ電圧計は並列につなぐのか?
並列につないだものには、同じ大きさの電圧がかかるからです。負荷の両端に電圧計をつなげば、負荷にかかっている電圧と同じ値が読めます。
注意電流計を並列につなぐのは厳禁
電流計は、電流を通しやすいように中の抵抗がとても小さく作られた計器です。負荷と並列につなぐと、電流が負荷を通らずに電流計へ一気に流れ込みます。これは短絡(ショート)と同じ状態で、計器を傷めるおそれがあるのです。
例回路図の見分け方
電線の途中にはさまっている計器 … 直列(電流計・電力計の電流コイルはこちら)
行きの線と帰りの線の間に橋のようにかかっている計器 … 並列(電圧計・電力計の電圧コイルはこちら)
正解の図は「電流計と電力計の電流コイルが直列、電圧計と電力計の電圧コイルが並列」です。
出典:令和5年度上期(午前) 第二種電気工事士試験(学科試験)問27
まとめ
まとめこの記事で覚えること
検査の順番は「見る→測る→通す」。通電は必ず最後
絶縁抵抗 0.1/0.2/0.4MΩ。停電できなければ漏えい電流1mA以下
接地抵抗 D種100Ω(0.5秒漏電遮断器で500Ω)
輪=クランプ/棒2本=テスタ/棒+MΩ=メガー/クリップ3色=検相器
漏れ電流は全部まとめて挟む
回路計の抵抗測定=電池→レンジ→短絡して0Ω調整→読んだ値×倍率
測る前はどの測定器も電池の確認。接地抵抗計に「開放して零点調整」はない
U字磁石=可動コイル形(直流)/ぎざぎざ+鉄片=可動鉄片形(主に交流)。⊥=立てる/⊓=水平
問題文の呼び方=点検→測定及び試験→通電試験。導通試験は回路計・導通チェッカー
絶縁抵抗計=直流・電源を切って回路ごと・目盛は右0・左∞・不均等
分電盤で一括測定して基準以上なら、分岐回路ごとの測定は省略できる
接地抵抗=補助接地極を端から一直線に約10mずつ
回路計=DCV・ACV・DCA・Ω。電圧は直近上位のレンジ。抵抗測定の出力は直流
漏れ電流計=mA単位・高感度・増幅回路入り。単相3線式は3本まとめて挟む
電流計は直列、電圧計は並列。電力計は電流コイル直列・電圧コイル並列
実際の過去問で確かめる(令和8年度上期 全50問)
▶ 問1〜10
計算と電気の基礎
▶ 問11〜20
材料と工具
▶ 問21〜30
工事のルールと法令
▶ 配線図 問31〜40
図記号と傍記
▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け
学科のあとは、技能試験の準備が要ります
技能試験は40分で実際に配線を組み立てる試験です。工具と練習用の材料がないと、実際に手を動かす練習ができません。通信講座は必要か、材料は買うか借りるか——実際の価格で比べました。
