第二種電気工事士の筆記試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和4年度 下期・午後(2022年10月30日実施)の問21〜問30です。

ここは工事のルール・検査・法令の分野です。計算は少なめですが、そのかわり数字と言葉の決まりごとがたくさん出てきます。丸暗記だけでは混ざりやすいので、この記事では「なぜその決まりがあるのか」を一つずつ書きました。理由が分かると、似た数字が並んでいても迷いにくくなります。

各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、答えと考え方が出ます。まず自分で考えてから開くのがおすすめです。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:令和4年度下期第二種電気工事士試験(午後)

用語この10問で問われている分野

問21 パイロットランプの異時点滅 / 問22 D種接地工事の省略 / 問23 電流減少係数 / 問24 測定器とその用途 / 問25 単相3線式の中性線の断線 / 問26 絶縁抵抗と接地工事 / 問27 クランプ形漏れ電流計の使い方 / 問28 電気工事士法 / 問29 電気用品安全法 / 問30 一般用電気工作物

なぜ?なぜこの10問はまとめて勉強すると効率がいいのか?

出てくる数字と考え方が、たがいに関係し合っているからです。例えば問22と問26はどちらもD種接地工事を、問25と問27はどちらも単相3線式の3本の線を扱う問題です。1回まとめて理解しておけば、角度を変えて聞かれても得点しやすくなります。

問21

分野:施工(パイロットランプの結線)重要度 ★★☆

図に示す一般的な低圧屋内配線の工事で,スイッチボックス部分におけるパイロットランプの異時点滅(負荷が点灯していないときパイロットランプが点灯)回路は。
ただし, ⓐは電源からの非接地側電線(黒色), ⓑは電源からの接地側電線(白色)を示し, 負荷には電源からの接地側電線が直接に結線されているものとする。
なお,パイロットランプは100 V用を使用する。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問21 の配線図と選択肢イ〜ニの結線図。電源からジョイントボックスを経て照明とスイッチボックスへつながる配線図と、パイロットランプとスイッチのつなぎ方が違う4つの図。
イ.(上の図のイ)
ロ.(上の図のロ)
ハ.(上の図のハ)
ニ.(上の図のニ)
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正解

ロ.(パイロットランプをスイッチと並列につなぐ図)
この問題は何を聞いているの?

「スイッチの横に付ける小さな確認ランプ(パイロットランプ)を、照明が消えているときだけ光らせたい。スイッチボックスの中をどうつなげばよいか」という問題です。4つの図はどれも同じ部品(ランプ1個とスイッチ1個)を使っていて、つなぎ方だけが違います。

ポイントは「ランプとスイッチを横に並べる(並列)か、1本道にする(直列)か」と「白い線(接地側電線)につなぐかどうか」の2つです。まず言葉を1つずつ説明します。

問題文の言葉を順に説明する

用語パイロットランプとは?

パイロットランプとは、スイッチのそばに付ける小さな表示ランプのことです。図ではスイッチ(●)の横の「○」がこのランプです。暗い廊下でスイッチの場所を知らせたり、換気扇などが動いているかを知らせたりするのに使います。

なぜ?なぜ「異時点滅」という光り方が必要なのか?

暗い場所でスイッチの位置を見つけやすくするためです。照明が消えて真っ暗なときにスイッチの横が光っていれば、手探りしなくても押せます。照明が点いたあとは周りが明るいので、ランプは消えてかまいません。この「照明と反対のタイミングで光る」使い方が異時点滅です。

用語異時点滅・同時点滅・常時点灯とは?

異時点滅(いじてんめつ) … 照明が消えているときにランプが光る。照明が点くとランプは消える。「異なる時に点く」と読む。

同時点滅(どうじてんめつ) … 照明が点いているときにランプも光る。「点け忘れ」を知らせる使い方。

常時点灯(じょうじてんとう) … スイッチに関係なくいつも光っている。

用語非接地側電線(黒)と接地側電線(白)とは?

家庭の100 Vの配線は、2本の線の組み合わせです。非接地側電線とは、電気を送り出す側の線のことで、黒い被覆(ひふく=電線を包むビニル)の線を使うのが一般的です。接地側電線とは、地面とつながっていて電圧がほぼ0 Vの、電気が帰ってくる側の線で、白い線を使います。図のⓐが黒、ⓑが白です。

なぜ?なぜスイッチは黒い線の側に入れるのか?

スイッチを切ったとき、照明側に電気が来ない状態にするためです。黒い線は電気を送り出す側なので、ここを切れば照明器具には電気が届きません。電球を交換するときなどに感電しにくくなるのです。白い線をスイッチで切っても照明は消えますが、照明器具には黒い線から電気が来たままになります。

用語直列と並列とは?

直列(ちょくれつ)とは、部品を1本道にずらっと並べるつなぎ方です。並列(へいれつ)とは、2つの部品の両端どうしをつないで、道を2本に分けるつなぎ方です。

なぜ?なぜスイッチと並列にすると「スイッチを入れたときだけランプが消える」のか?

スイッチを入れると、スイッチはただの1本の線(抵抗がほぼ0)と同じです。電気は通りやすい道を選ぶので、ほとんど全部がスイッチ側を通り、横のランプには流れなくなります。スイッチを切ると、スイッチ側の道は途切れた状態です。このとき電気はランプを通る道しかないので、ランプが光ります。

問題の図はどうつながっているのか

例左下の配線図を順に読む

①電源(1φ2W 100 V) … 「1φ2W」は単相2線式のこと。2本の線で100 Vを送る、家庭で一般的な配線です。

②斜線の入った丸 … ジョイントボックス(電線どうしをつなぐ場所の箱)。ここで電源・照明・スイッチへの線が分かれる。

③上の照明(記号のそばに「イ」) … 点滅させたい照明。「イ」はスイッチ「イ」で点けたり消したりするという印。

④スイッチボックスの中の「○●」 … 「○」がパイロットランプ、「●」がスイッチ。今回、中のつなぎ方を選ぶ部分。

問題文には「負荷には電源からの接地側電線が直接に結線されている」とあります。負荷(ふか)とは、電気を使う側の器具、ここでは照明のことです。つまり白い線(ⓑ)は照明に直接つながっていて、スイッチボックスまで来る必要がない、という意味になります。

異時点滅になる理由を順に追う

手順1 スイッチを切ったとき:電気は「ⓐ黒 → ランプ → 照明 → 白い線で帰る」の1本道を通る。ランプが光る。

手順2 このときランプと照明は直列。パイロットランプは電気をとても通しにくい(抵抗が大きい)部品なので、100 Vのほとんどがランプにかかる。照明に流れる電流はごくわずかで、照明は点かない。

手順3 スイッチを入れたとき:スイッチが抵抗ほぼ0の近道になる。電気は「ⓐ黒 → スイッチ → 照明」と流れ、照明が点き、ランプは消える。

手順4 まとめると「照明が消えているときだけランプが光る」=異時点滅。必要なのはランプとスイッチを並列にすること。

選択肢を1つずつ確かめる

イ … ⓐ黒→スイッチ→ランプ→負荷へ、とランプとスイッチが1本道(直列)。スイッチを切ると電気が流れず、ランプも照明も点かない。スイッチを入れても、抵抗の大きいランプが照明への道をふさぐ。→ 誤り

ロ … ⓐ黒から分かれた2本の道にランプとスイッチが横並び(並列)。その先が負荷へ。手順1〜3のとおり異時点滅になる。→ 正しい=これが答え

ハ … ランプがⓐ黒とⓑ白の間に直接つながっている。スイッチに関係なくいつも100 Vがかかる=常時点灯。→ 誤り

ニ … ランプがⓑ白と、スイッチの後ろの赤(負荷へ)の間にある。照明と並列なので、照明と一緒に点いて一緒に消える=同時点滅。→ 誤り

よって答えはロです。

なぜ?なぜロの図だけ白い線(ⓑ)が電源につながっていないのか?

異時点滅では、ランプはスイッチの横に並ぶだけで、白い線(接地側電線)につなぐ必要がないからです。スイッチボックスに来るのはⓐの黒と、照明へ向かう線の2本だけになります。ロの「白」の線は、ⓑではなくスイッチから照明へ向かう線(帰りの線)に白い電線を使っているだけです。

間違えた人が選びやすいのはニ

ニはランプに白い線がつながっていて、いかにも「ちゃんと配線した」ように見えるため選ばれやすい図です。しかしニのランプは照明と同じ場所に並んでいるので、照明が点くときにランプも点く「同時点滅」になります。ランプが「スイッチの横」か「照明の横(白い線とつながる)」かを見分けてください。

覚えるこの問題の覚え方

「異時点滅=スイッチと並列」「同時点滅=照明と並列(白い線につなぐ)」「常時点灯=黒と白の間」。異時点滅はスイッチの近道で消えると覚えると、図の向きが変わっても迷いにくくなります。

問22

分野:施工(D種接地工事の省略)重要度 ★★★

D種接地工事を省略できないものは。
ただし,電路には定格感度電流30 mA,定格動作時間0.1 秒の漏電遮断器が取り付けられているものとする。

イ.乾燥した場所に施設する三相200 V(対地電圧200 V)動力配線の電線を収めた長さ3 m の金属管。
ロ.乾燥した場所に施設する単相3 線式100/200 V(対地電圧100 V)配線の電線を収めた長さ6 m の金属管。
ハ.乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相200 V(対地電圧200 V)空気圧縮機の金属製外箱部分。
ニ.乾燥した場所のコンクリートの床に施設する三相200 V(対地電圧200 V)誘導電動機の鉄台。
答え・解説を見る
正解

ニ.乾燥した場所のコンクリートの床に施設する三相200 V(対地電圧200 V)誘導電動機の鉄台。
この問題は何を聞いているの?

「4つの場面のうち、D種接地工事を『やらなくてよい』と認められていないのはどれか」を聞いています。言いかえると、省略の条件に1つも当てはまらないものを探す問題です。

この問題を解くには、「接地工事とは何か」「どんなときに省略できるのか」を知ることが必要です。順に説明します。

問題文の言葉を順に説明する

用語接地工事(せっちこうじ)とは?

接地工事とは、機械の金属部分や金属の管を、電線で地面(大地)とつないでおく工事のことです。「アース」とも呼ばれます。

なぜ?なぜ金属部分を地面とつなぐのか?

機械の中で電線が傷むと、電気が金属の外箱に漏れることがあります。そこに人が触ると、人の体を通って電気が地面に流れる=感電です。あらかじめ外箱を地面とつないでおけば、漏れた電気は抵抗の小さい接地線のほうを流れ、人の体を通る電気を小さくできます。

用語D種接地工事とは?

D種接地工事とは、使用電圧が300 V以下の機械器具や金属管に行う接地工事のことです。接地工事にはA種〜D種の4種類があり、第二種電気工事士の範囲で最もよく出てくるのがD種です。決まりでは接地抵抗(地面とのつながりにくさ)を100 Ω以下にします。

なぜ?なぜ電圧によって接地工事の種類が分かれているのか?

電圧が高いほど、漏れたときの危険が大きいからです。高い電圧の機械ほど、より確実に地面へ逃がせる(接地抵抗の小さい)接地工事が必要です。300 V以下の低い電圧ではD種、300 Vを超える低圧ではC種、というように分けられています。

用語対地電圧(たいちでんあつ)とは?

対地電圧とは、電線と地面との間の電圧のことです。人は地面に立っているので、電線に触れたとき体にかかるのは対地電圧です。問題文の「三相200 V(対地電圧200 V)」「単相3線式100/200 V(対地電圧100 V)」は、この値を示しています。

なぜ?なぜ「単相3線式100/200 V」の対地電圧は100 Vなのか?

単相3線式は、真ん中の線(中性線)が地面とつながっている配線だからです。外側の2本の間は200 Vですが、どちらの線も地面(=中性線)との差は100 Vです。そのため、200 Vの機械を使っていても、人が触れたときにかかる電圧は100 Vで済みます。

用語漏電遮断器の「定格感度電流」「定格動作時間」とは?

漏電遮断器とは、電気が漏れたことを感じて自動で電気を止める装置です。定格感度電流は「これだけ漏れたら切る」という電流の大きさ、定格動作時間は「漏れを感じてから切るまでの時間」です。この問題では30 mA(0.03 A)・0.1秒のものが付いています。

なぜ?なぜ30 mAの漏電遮断器があってもD種接地工事を省略できない場合があるのか?

機械器具の接地を漏電遮断器を理由に省略できるのは、定格感度電流15 mA以下・動作時間0.1秒以下のものを付けた場合(水気のある場所以外)と決められているからです。この問題の漏電遮断器は30 mAなので、この条件を満たしません。つまり、この問題では漏電遮断器を理由にした省略は使えないのです。

D種接地工事を省略できる主な条件

例金属管の場合(電線を入れる金属の管)

条件1 … 管の長さが4 m以下で、乾燥した場所に施設する。

条件2 … 対地電圧150 V以下で、管の長さが8 m以下のものを乾燥した場所に施設する(または人が簡単に触れないようにする)。

例機械器具の金属の台・外箱の場合

条件1 … 対地電圧150 V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する。

条件2 … 乾燥した木製の床など、電気を通しにくいものの上で取り扱うように施設する。

条件3 … 定格感度電流15 mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を付ける(水気のある場所以外)。

なぜ?なぜ乾燥した木の床の上なら接地を省略できるのか?

乾いた木は電気をほとんど通さないからです。外箱に電気が漏れて人が触っても、足元の木の床が電気の通り道をふさぐので、体を通って地面へ流れる電気はごくわずかになります。コンクリートは水分を含みやすく、木ほど電気を止めてくれません。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 乾燥した場所・対地電圧200 V・長さ3 mの金属管 … 対地電圧は150 Vを超えるが、4 m以下で乾燥した場所なので金属管の条件1に当てはまる。→ 省略できる

ロ 乾燥した場所・対地電圧100 V・長さ6 mの金属管 … 対地電圧150 V以下、8 m以下、乾燥した場所なので金属管の条件2に当てはまる。→ 省略できる

ハ 乾燥した木製の床の上で扱う空気圧縮機の外箱 … 対地電圧は200 Vだが、乾燥した木製の床の上なので機械器具の条件2に当てはまる。→ 省略できる

ニ 乾燥した場所のコンクリートの床に置く誘導電動機の鉄台 … 対地電圧200 Vで150 Vを超える。床はコンクリートで木製ではない。漏電遮断器は30 mAで15 mA以下ではない。どの条件にも当てはまらない。→ 省略できない=これが答え

よって答えはニです。なお、誘導電動機とは工場などで使われる一般的なモーター、鉄台はそれを載せる金属の台のことです。

間違えた人が選びやすいのはイ

イは対地電圧200 Vなので、「150 Vを超えているから省略できない」と考えてしまいがちです。しかし金属管には「4 m以下で乾燥した場所なら、電圧に関係なく省略できる」という別の条件があるのです。金属管は「長さ」、機械器具は「床」という見方を持っておくと見分けやすくなります。

覚えるこの問題の覚え方

金属管は「乾燥した場所で4 m以下」、対地電圧150 V以下なら「8 m以下」。機械器具は「150 V以下で乾燥」「乾いた木の床」「15 mAの漏電遮断器」。漏電遮断器が出てきたら、15 mAか30 mAかを必ず確かめるのがコツです。

問23

分野:施工(電流減少係数)重要度 ★★★

低圧屋内配線工事で,600V ビニル絶縁電線を金属管に収めて使用する場合,その電線の許容電流を求めるための電流減少係数に関して,同一管内の電線数と電線の電流減少係数との組合せで,誤っているものは。
ただし,周囲温度は30℃以下とする。

イ.2 本  0.80
ロ.4 本  0.63
ハ.5 本  0.56
ニ.6 本  0.56
答え・解説を見る
正解

イ.2 本  0.80
この問題は何を聞いているの?

「1本の金属管の中に電線を何本入れると、1本あたりに流してよい電流をどれだけ減らすのか」という決まりの数字を問う問題です。4つの組合せのうち数字が間違っているものを選びます。

この問題は表の数字を知っているかどうかが分かれ目です。ただ、数字だけ覚えるより「なぜ減らすのか」が分かっているほうが忘れにくいので、そこから説明します。

問題文の言葉を順に説明する

用語600Vビニル絶縁電線(IV線)とは?

600Vビニル絶縁電線とは、銅の線をビニルで1重に包んだだけの電線のことです。略してIV(アイブイ)線と呼ばれます。「600V」は600 Vまでの電圧で使えるという意味です。

なぜ?なぜIV線は金属管などに入れて使うのか?

IV線はビニルが1重だけなので、傷が付くと中の銅線が出てしまうからです。そのまま壁や天井に這わせると危険なので、金属管などの管に入れて守ってから使います。

用語許容電流(きょようでんりゅう)とは?

許容電流とは、その電線に安全に流し続けてよい電流の上限のことです。例えば直径1.6 mmのIV線は27 A、直径2.0 mmは35 Aと決められています(周囲温度30℃以下、管に入れないとき)。

なぜ?なぜ電線には流してよい電流の上限があるのか?

電線は電流が流れると熱を持つからです。流す電流が大きいほど熱くなり、上限を超えて流し続けるとビニルが傷んだり溶けたりして、火災や漏電の原因になります。

用語電流減少係数(でんりゅうげんしょうけいすう)とは?

電流減少係数とは、管に電線を何本も入れたときに、許容電流に掛けて小さくするための数のことです。「係数」とは掛け算に使う数のことをいいます。

なぜ?なぜ管の中の電線が多いほど、流してよい電流を減らすのか?

管の中に電線が何本も詰まっていると、それぞれの電線が出す熱が管の中にこもり、外へ逃げにくくなるからです。満員電車の中が暑くなるのと同じで、本数が多いほど熱がこもるので、1本あたりに流す電流を小さくして発熱を抑えます。

電流減少係数の表

例金属管などに収めたときの電流減少係数(周囲温度30℃以下)

3本以下 … 0.70

4本 … 0.63

5本・6本 … 0.56

7本〜15本 … 0.49

表の数字は本数が増えるほど小さくなっています。熱がこもりやすくなるほど、許容電流を大きく削るという意味です。2本でも3本でも同じ0.70である点に注意してください。

数字を使って1回計算してみる

手順1 直径1.6 mmのIV線の許容電流は27 A。

手順2 金属管に3本入れると、電流減少係数は0.70。

手順3 27 × 0.70 = 18.9。小数点以下1位を7捨8入すると19 A。管に入れる前より8 Aも減る。

なぜ?なぜ18.9 Aが19 Aになるのか?

許容電流を計算したあとの端数の扱いは、小数点以下1位を7以下なら切り捨て、8以上なら切り上げるという決まりがあるからです。27×0.70=18.9は小数点以下が9なので、切り上げて19 Aになります。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 2本 0.80 … 2本は「3本以下」に入るので、正しくは0.70。0.80という数字は表にない。→ 誤り=これが答え

ロ 4本 0.63 … 表のとおり。→ 正しい

ハ 5本 0.56 … 表のとおり。→ 正しい

ニ 6本 0.56 … 5本と6本は同じ0.56。→ 正しい

よって答えはイです。

間違えた人が選びやすいのはニ

ハとニが同じ0.56になっているので、「本数が違うのに同じ数字なのはおかしい」と考えてニを選んでしまう人がいます。しかし表では5本と6本はひとまとめで0.56です。同じ数字が2つ並んでいても、それだけで誤りとは限りません。

覚えるこの問題の覚え方

「3本まで0.70、4本0.63、5・6本0.56、7本から0.49」。0.70 → 0.63 → 0.56 → 0.49と、0.07ずつ減っていくと覚えると、表がまるごと書けます。

問24

分野:検査(測定器の用途)重要度 ★★☆

低圧電路で使用する測定器とその用途の組合せとして,誤っているものは。

イ.絶縁抵抗計 と 絶縁不良箇所の確認
ロ.回路計(テスタ) と 導通の確認
ハ.検相器 と 電動機の回転速度の測定
ニ.検電器 と 電路の充電の有無の確認
答え・解説を見る
正解

ハ.検相器 と 電動機の回転速度の測定
この問題は何を聞いているの?

「電気の工事や点検で使う4つの測定器と、その使い道の組合せのうち、間違っているものはどれか」を聞いています。測定器の名前から、何を調べる道具かが分かれば解ける問題です。

4つの測定器を1つずつ説明します。名前の漢字に、何を調べるかのヒントが入っているものが多いので、そこにも注目してください。

4つの測定器を順に説明する

用語絶縁抵抗計(ぜつえんていこうけい)とは?

絶縁抵抗計とは、電線の被覆などが、どれだけしっかり電気を止めているか(絶縁抵抗)を測る道具です。別名は「メガー」です。絶縁とは、電気を通さないように隔てることをいいます。

なぜ?なぜ絶縁抵抗計で「絶縁不良箇所」が分かるのか?

被覆が傷んでいると、そこから電気が漏れて絶縁抵抗の値が小さくなるからです。回路を区切って1つずつ測れば、値が小さい回路=傷んだところがある回路と分かります。イの組合せは正しい使い方です。

用語回路計(テスタ)とは?

回路計とは、電圧・電流・抵抗などを1台で測れる道具のことです。一般に「テスタ」と呼ばれます。

なぜ?なぜテスタで「導通の確認」ができるのか?

導通(どうつう)とは、電線が途中で切れずにつながっていることです。テスタの抵抗を測る機能で電線の両端を測ると、つながっていれば抵抗はほぼ0、切れていれば電気が通らず値が出ません。この違いで、切れているかどうかが分かります。ロの組合せは正しい使い方です。

用語検相器(けんそうき)とは?

検相器とは、三相の電気の「相の順番(相順)」を調べる道具です。「検」=調べる、「相」=三相の相、という意味の名前です。

なぜ?なぜ三相の「相の順番」を調べる必要があるのか?

三相とは、3本の線に少しずつタイミングをずらした電気を流す方式のことで、工場のモーターなどで一般的です。この3本のつなぐ順番を入れ替えると、モーターが逆向きに回ります。ポンプや機械が逆回転すると故障や事故につながるので、つなぐ前に順番を確かめるのです。

用語検電器(けんでんき)とは?

検電器とは、電線や器具に電気が来ているかどうかを調べる道具です。先を電線に近づけると、電気が来ていれば光ったり音が鳴ったりします。

なぜ?なぜ作業の前に「充電の有無」を確かめるのか?

充電(じゅうでん)とは、ここでは電線に電圧がかかっている状態のことです。ブレーカーを切ったつもりでも、別の回路から電気が来ていることもあるのです。触る前に検電器で確かめれば、感電を防げます。ニの組合せは正しい使い方です。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 絶縁抵抗計と絶縁不良箇所の確認 … 絶縁抵抗を測って傷んだ回路を探す。→ 正しい

ロ 回路計(テスタ)と導通の確認 … 抵抗を測って電線がつながっているかを見る。→ 正しい

ハ 検相器と電動機の回転速度の測定 … 検相器は相の順番を調べる道具で、回転の速さは測れない。→ 誤り=これが答え

ニ 検電器と電路の充電の有無の確認 … 電気が来ているかを調べる。→ 正しい

よって答えはハです。電動機(モーター)の回転速度を測るのは、回転計(タコメータ)という別の道具です。

間違えた人が選びやすいのはイ

「絶縁抵抗計は絶縁抵抗の値を測る道具で、場所を探す道具ではない」と考えて、イを選ぶ人もいるでしょう。しかし回路ごとに測れば、どの回路の絶縁が悪いかを絞り込むことが可能です。これも絶縁不良箇所の確認に当たります。

なぜ?なぜ検相器と回転の話が結び付けられやすいのか?

検相器で調べる相の順番がモーターの回る向きを決めるからです。「向き」に関係する道具なので、回転に関係する何かを測る道具と思い込みやすくなります。検相器が分かるのは「向き(順番)」で、「速さ」ではないと区別してください。

覚えるこの問題の覚え方

名前の漢字で覚えるのが近道です。検「相」器=相の順番/検「電」器=電気が来ているか/「絶縁抵抗」計=絶縁の良し悪し/回路計=何でも測れるテスタ。回転の速さは回転計です。

問25

分野:検査(単相3線式の中性線断線)重要度 ★★★

図のような単相3 線式回路で,開閉器を閉じて機器A の両端の電圧を測定したところ120 V を示した。この原因として,考えられるものは。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問25 の図。単相3線式の電源から開閉器を通り、a線と中性線の間に機器A、中性線とb線の間に機器Bがつながり、機器Aの両端を電圧計で測っている回路図。
イ.a 線が断線している。
ロ.中性線が断線している。
ハ.b 線が断線している。
ニ.機器Aの内部で断線している。
答え・解説を見る
正解

ロ.中性線が断線している。
この問題は何を聞いているの?

「100 Vの機械につながっているはずなのに、測ってみたら120 Vもあった。どこが故障するとこうなるのか」を聞いています。100 Vより大きくなるという点が最大のヒントです。

まず「単相3線式」と「中性線」の仕組みを説明し、そのあと実際の数字で120 Vになる理由を計算してみます。

問題文の言葉を順に説明する

用語単相3線式(たんそうさんせんしき)とは?

単相3線式とは、3本の線で100 Vと200 Vの両方を取り出せる配線のことです。図では上からa線・中性線・b線の3本があり、a線と中性線の間が100 V、中性線とb線の間が100 V、a線とb線の間が200 Vになっています。今の住宅の多くがこの方式です。

なぜ?なぜ住宅で単相3線式が使われているのか?

照明やテレビなどの100 Vの家電と、エアコンなどの200 Vの機械を、同じ配線で使えるからです。2本だけの配線(単相2線式)では100 Vしか取り出せませんが、3本にすれば200 Vも使えます。

用語中性線(ちゅうせいせん)とは?

中性線とは、単相3線式の真ん中の線のことです。地面とつながっていて、電圧はほぼ0 Vです。上の100 Vの機械(機器A)と下の100 Vの機械(機器B)は、どちらも中性線を「帰り道」として共有しています。

なぜ?なぜ中性線が切れると、機械にかかる電圧が変わってしまうのか?

中性線は機器Aと機器Bの電圧を、それぞれ100 Vずつに分けて固定する役目をしているからです。中性線が切れると、機器Aと機器Bはa線とb線の間の200 Vに、1本道(直列)でつながった状態です。すると200 Vを2台で分け合うことになり、分け方はそれぞれの機械の電気の通しにくさ(抵抗)で決まります。

用語断線(だんせん)とは?

断線とは、電線が途中で切れて、電気が通れなくなることです。

なぜ?なぜ「120 V」という数字から故障の場所が分かるのか?

a線やb線が切れたり、機器Aの中で切れたりしても、機器Aの両端が100 Vを超えることはないからです。100 Vを超えるのは、200 Vを2台で分け合う状態=中性線が切れたときだけです。下の計算で確かめてみます。

図はどういうつながりになっているのか

例図を左から順に読む

①左の3本の線 … 上の線と真ん中の線の間が100 V、真ん中と下の間が100 V、上と下の間が200 V。

②開閉器 … 点線で囲まれた部分。3本の線をまとめて入れたり切ったりするスイッチ。問題では「閉じて」=入れた状態。

③機器Aと機器B … 機器Aはa線と中性線の間、機器Bは中性線とb線の間につながる100 Vの機械。

④Ⓥ(電圧計) … 機器Aの両端の電圧を測っている。この値が120 Vだった。

数字を使って120 Vになる理由を確かめる

問題には機械の抵抗が書かれていないので、説明のための例として、機器Aを60 Ω、機器Bを40 Ωとしてみます。Ω(オーム)は電気の通しにくさ(抵抗)の単位です。

手順1 中性線が切れると、機器Aと機器Bは200 Vに直列でつながる。

手順2 直列の抵抗は足し算なので、全体の抵抗は60 + 40 = 100 Ω。

手順3 流れる電流=電圧 ÷ 抵抗=200 ÷ 100 = 2 A。

手順4 機器Aにかかる電圧=電流 × 抵抗=2 × 60 = 120 V。

手順5 機器Bにかかる電圧=2 × 40 = 80 V。合わせて120 + 80 = 200 Vで、200 Vを2台で分け合っていることが分かる。

このように、中性線が切れると抵抗の大きい機械のほうに、100 Vより大きな電圧がかかるのです。機器Aの120 Vは、中性線の断線で起こる現象とぴったり合います。

なぜ?なぜ抵抗の大きい機械のほうに大きな電圧がかかるのか?

直列では2台に同じ電流が流れるので、「電圧=電流×抵抗」の式から、抵抗が大きいほど電圧も大きくなるからです。上の例では、同じ2 Aに対して60 Ωの機器Aは120 V、40 Ωの機器Bは80 Vでした。なお、消費電力の小さい機械ほど抵抗は大きいので、小さな機械ほど高い電圧を受けて壊れやすくなります。

選択肢を1つずつ確かめる

イ a線が断線している … 機器Aに電気が届かなくなる。機器Aの両端は0 Vになり、120 Vにはならない。→ 誤り

ロ 中性線が断線している … 上の計算のとおり、200 Vを2台で分け合い、100 Vを超える電圧がかかることがある。→ 考えられる=これが答え

ハ b線が断線している … 機器Bが止まるだけ。機器Aはa線と中性線の間に100 Vのままつながっている。→ 誤り

ニ 機器Aの内部で断線している … 機器Aは動かなくなるが、両端にはa線と中性線の100 Vがそのままかかる。→ 誤り

よって答えはロです。

間違えた人が選びやすいのはニ

「機械の両端の電圧がおかしい=その機械が壊れている」と考えて、ニを選ぶ人がいます。しかし、機械の中で線が切れても、外から来ている電圧(100 V)が増えることはありません。100 Vより大きくなる原因は、電源側の中性線にあります。

注意中性線が切れると実際に起こること

片方の機械に100 Vより高い電圧がかかるため、家電が壊れたり、発熱したりするおそれがあり、危険です。電圧が上がる機械と下がる機械が同時に出るので、「明るすぎる照明と暗すぎる照明が同時に出る」といった形で気づくこともあります。

覚えるこの問題の覚え方

「100 Vの機械に100 Vより大きい電圧=中性線の断線」。中性線が切れると200 Vを2台で分け合う。電線や機械の中が切れただけでは、電圧は0 Vか100 Vのままです。

問26

分野:検査(絶縁抵抗と接地工事)重要度 ★★★

次の空欄(A),(B)及び(C)に当てはまる組合せとして,正しいものは。
使用電圧が300 V 以下で対地電圧が150 V を超える低圧の電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗は区切ることのできる電路ごとに (A) [MΩ]以上でなければならない。また,当該電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱には (B) 接地工事を施し,接地抵抗値は (C) [Ω]以下に施設することが必要である。
ただし,当該電路に施設された地絡遮断装置の動作時間は0.5 秒を超えるものとする。

イ.(A)0.4 (B)C 種 (C)10
ロ.(A)0.2 (B)C 種 (C)500
ハ.(A)0.2 (B)D 種 (C)100
ニ.(A)0.2 (B)D 種 (C)500
答え・解説を見る
正解

ハ.(A)0.2 (B)D 種 (C)100
この問題は何を聞いているの?

「200 Vの配線(対地電圧が150 Vを超えるもの)について、絶縁抵抗の最低値・接地工事の種類・接地抵抗の上限値の3つを答えよ」という穴うめ問題です。3つの空欄が全部そろっている組合せを選びます。

空欄(A)は絶縁抵抗、(B)と(C)は接地工事の話です。「以上」と「以下」で向きが逆になっている点にも注目しながら、順に説明します。

問題文の言葉を順に説明する

用語絶縁抵抗(ぜつえんていこう)とは?

絶縁抵抗とは、電線の被覆などが電気をどれだけ止めているかを表す値のことです。単位はMΩ(メガオーム)を使い、1 MΩ=1,000,000 Ω(100万Ω)に当たります。値が大きいほど、電気が漏れにくい=安全です。

なぜ?なぜ絶縁抵抗は「〇〇MΩ以上」と決められているのか?

絶縁抵抗は大きいほど電気が漏れにくいからです。小さすぎると漏電や感電の危険があるので、「少なくともこれ以上はないといけない」という最低ラインが決められています。

例低圧の電路の絶縁抵抗の最低値

使用電圧300 V以下で、対地電圧150 V以下 … 0.1 MΩ以上(例:単相100 V、単相3線式100/200 V)

使用電圧300 V以下で、対地電圧150 V超 … 0.2 MΩ以上(例:三相3線式200 V)

使用電圧300 V超 … 0.4 MΩ以上(例:三相400 V)

なぜ?なぜ三相200 Vの対地電圧は150 Vを超えるのか?

三相3線式200 Vでは、3本の線のうち1本が地面とつながっていることが一般的だからです。すると残りの線と地面の間は200 Vになり、対地電圧は200 Vで150 Vを超えます。これに対して単相3線式100/200 Vは、真ん中の線が地面とつながっているので、対地電圧は100 Vです。

用語C種接地工事とD種接地工事とは?

接地工事とは、機械の金属の外箱などを電線で地面とつなぐ工事です。低圧の機械では、使用電圧300 V以下ならD種、300 Vを超えるならC種を行います。

なぜ?なぜ300 V以下の機械にはD種接地工事なのか?

電圧が低いほど、漏れたときの危険が小さいからです。300 V以下ならD種、それより高い300 V超の低圧ではより厳しいC種、と電圧に合わせた区分です。問題文は「使用電圧が300 V以下」なのでD種になります。

用語接地抵抗(せっちていこう)とは?

接地抵抗とは、接地した金属部分と地面との間の、電気の流れにくさのことです。単位にはΩ(オーム)を使います。値が小さいほど、漏れた電気がすぐ地面に逃げる=安全です。

なぜ?なぜ接地抵抗は「〇〇Ω以下」と決められているのか?

接地抵抗は小さいほど電気が地面へ逃げやすいからです。絶縁抵抗とは向きが逆で、「これより大きくてはいけない」という上限が決められています。絶縁抵抗=大きいほど安全(以上)/接地抵抗=小さいほど安全(以下)と対で覚えましょう。

例C種とD種の接地抵抗の上限値

D種接地工事 … 100 Ω以下。ただし、漏電したとき0.5秒以内に自動で電気を切る装置があれば500 Ω以下でよい。

C種接地工事 … 10 Ω以下。同じく0.5秒以内に切る装置があれば500 Ω以下でよい。

用語地絡遮断装置(ちらくしゃだんそうち)とは?

地絡(ちらく)とは、電気が本来の道からはずれて地面へ流れてしまうこと、つまり漏電のことです。地絡遮断装置とは、地絡を感じて自動で電気を止める装置のことで、代表的なものが漏電遮断器です。

なぜ?なぜ0.5秒以内に切れる装置があると、接地抵抗が大きくてもよいのか?

漏電してもすぐに電気が止まれば、危険な状態が続く時間がとても短いからです。すぐ止まる仕組みがあるなら、接地の性能(抵抗の小ささ)を少しゆるめても安全を保てる、という考え方です。この問題は「動作時間は0.5秒を超える」なので、ゆるめた値(500 Ω)は使えません。

空欄を1つずつ埋める

(A) 使用電圧300 V以下で、対地電圧150 V超 → 絶縁抵抗は0.2 MΩ以上。

(B) 使用電圧300 V以下の機械器具の外箱 → D種接地工事。

(C) D種で、地絡遮断装置の動作時間は0.5秒を超える → 500 Ωにゆるめられないので100 Ω以下。

選択肢を1つずつ確かめる

イ (A)0.4 (B)C種 (C)10 … 3つとも300 Vを超える場合の値。この問題は300 V以下なので合わない。→ 誤り

ロ (A)0.2 (B)C種 (C)500 … (A)は正しいが、300 V以下なので(B)はD種。(C)も0.5秒を超えるので500 Ωは使えない。→ 誤り

ハ (A)0.2 (B)D種 (C)100 … 3つとも正しい。→ 正しい=これが答え

ニ (A)0.2 (B)D種 (C)500 … (C)の500 Ωは0.5秒以内に切れる装置があるときの値。この問題は0.5秒を超えるので誤り。→ 誤り

よって答えはハです。

間違えた人が選びやすいのはニ

「D種=500 Ω」と覚えていると、ニを選んでしまいます。500 Ωが使えるのは0.5秒以内に自動で切れるときだけです。問題文の最後の「動作時間は0.5秒を超える」という一文が、100 Ωと500 Ωを分ける決め手になっています。

覚えるこの問題の覚え方

絶縁抵抗は「0.1・0.2・0.4」の順に厳しくなる(以上)。D種は100 Ω、0.5秒以内に切れるなら500 Ω(以下)。ただし書きに「0.5秒」が出てきたら、「以内」か「超える」かを必ず確かめましょう。

問27

分野:検査(クランプ形漏れ電流計)重要度 ★★☆

単相3 線式回路の漏れ電流の有無を,クランプ形漏れ電流計を用いて測定する場合の測定方法として,正しいものは。
ただし,斜線模様の線は中性線を示す。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問27 の選択肢イ〜ニの図。クランプ形漏れ電流計の輪に、黒い電線と斜線模様の中性線がそれぞれ何本通っているかが違う4つの図。
イ.(上の図のイ)
ロ.(上の図のロ)
ハ.(上の図のハ)
ニ.(上の図のニ)
答え・解説を見る
正解

ニ.(3本の電線すべてをまとめてはさむ図)
この問題は何を聞いているの?

「単相3線式の配線で漏電していないかを、輪っか形の測定器(クランプ形漏れ電流計)で調べるとき、どの電線を輪の中に通せばよいか」という問題です。4つの図は、輪の中に入っている電線の本数と種類が違います。

図の黒い太線は電圧のかかった線(電圧側の線)、斜線模様の線は中性線です(問題文の「ただし」書きのとおり)。まず測定器の仕組みから説明します。

問題文の言葉を順に説明する

用語クランプ形漏れ電流計とは?

クランプ形漏れ電流計とは、電線を輪っか(クランプ)ではさむだけで、漏れている電流を測れる測定器のことです。「クランプ」とははさむという意味です。電線を切ったり外したりしなくてよいので、電気を使ったまま測れます。

なぜ?なぜ電線をはさむだけで電流が分かるのか?

電線に電流が流れると、電線のまわりに目に見えない磁気の力(磁界)ができるからです。輪っかの部分がこの磁界を感じ取り、流れている電流の大きさを計算して表示します。電線に触れなくても測れるのはこのためです。

用語漏れ電流(もれでんりゅう)とは?

漏れ電流とは、電線の傷などから地面のほうへ漏れ出している電流のことです。漏電しているかどうかは、この漏れ電流があるかないかで判断します。

なぜ?なぜ全部の線をまとめてはさむと、漏れ電流だけが分かるのか?

漏電していなければ、電源から出ていった電流と、帰ってくる電流はちょうど同じ量だからです。行きと帰りは向きが反対なので、全部の線を1つの輪に通すと磁界が打ち消し合って0になるのです。ところが漏電していると、漏れた分だけ帰りの電流が少なくなり、打ち消しきれない差が残ります。この差が漏れ電流です。

数字を使って1回確かめる

説明のための例として、a線に10 Aが流れ、そのうち0.1 Aが漏電で地面に逃げたとします(中性線とb線には電流が流れていないとします)。

手順1 行き(a線):10 A。

手順2 帰り(中性線):漏れた0.1 Aを引いて、10 − 0.1 = 9.9 A。

手順3 両方を輪に通すと、反対向きなので差し引き10 − 9.9 = 0.1 A。これが漏れ電流として表示される。

手順4 もしa線だけをはさむと、表示は10 A。これは漏れ電流ではなく、機械が使っている電流(負荷電流)になってしまう。

なぜ?なぜ単相3線式では3本全部をはさむ必要があるのか?

単相3線式では、電流がa線・中性線・b線の3本に分かれて行き来するからです。2本だけでは、残りの1本を通る電流の分だけ差が出てしまい、漏電していなくても値が出てしまうのです。3本全部をはさんで初めて、行きと帰りが打ち消し合います。

選択肢を1つずつ確かめる

イ … 輪の中に入っているのは中性線と電圧側の線1本。上の黒い線が輪の外にあり、3本そろっていない。→ 誤り

ロ … 輪の中は電圧側の線1本だけ。手順4のとおり、使っている電流(負荷電流)を測ることになる。→ 誤り

ハ … 輪の中は中性線1本だけ。中性線に流れる電流が測れるだけで、漏れ電流は分からない。→ 誤り

ニ … 電圧側の線2本と中性線、3本すべてが輪の中。行きと帰りが打ち消し合い、漏れた分だけが表示される。→ 正しい=これが答え

よって答えはニです。

間違えた人が選びやすいのはハ

「漏電は地面に関係するから、地面とつながっている中性線を測ればよい」と考えてハを選ぶ人がいます。しかし中性線1本だけでは、a線側とb線側の使い方の差(どちらにどれだけ電気を使っているか)が表示されるだけです。漏れ電流は「全部まとめて」はさんだときだけ分かります。

覚えるこの問題の覚え方

「漏れ電流は全部まとめてはさむ。1本だけなら負荷電流」。単相2線式なら2本、単相3線式なら3本、三相3線式なら3本——その回路の線を全部はさみます。

問28

分野:法令(電気工事士法)重要度 ★★★

「電気工事士法」において,一般用電気工作物の工事又は作業で電気工事士でなければ従事できないものは。

イ.インターホーンの施設に使用する小型変圧器(二次電圧が36 V 以下)の二次側の配線をする。
ロ.電線を支持する柱,腕木を設置する。
ハ.電圧600 V 以下で使用する電力量計を取り付ける。
ニ.電線管とボックスを接続する。
答え・解説を見る
正解

ニ.電線管とボックスを接続する。
この問題は何を聞いているの?

「住宅などの電気工事のうち、電気工事士の資格を持っていないとやってはいけない作業はどれか」を聞いています。言いかえると、資格がなくてもできる「軽微な工事」ではないものを探す問題です。

4つの選択肢のうち3つは「軽微な工事」として資格がいらない作業です。まず法律の言葉から説明します。

問題文の言葉を順に説明する

用語電気工事士法(でんきこうじしほう)とは?

電気工事士法とは、電気工事をしてよい人を決めている法律です。工事の欠陥による災害を防ぐために、決められた作業は電気工事士の資格を持つ人でなければ行えないとしています。

なぜ?なぜ電気工事に資格が必要なのか?

電気工事の間違いは、感電や火災に直結するからです。しかも、壁の中の配線などは完成後に外から見えず、間違いに気づきにくいのも特徴です。そのため、知識と技能を確かめた人だけが工事をできるようにしています。

用語一般用電気工作物(いっぱんようでんきこうさくぶつ)とは?

一般用電気工作物とは、電力会社から600 V以下の低い電圧(低圧)で電気を受けて使う、住宅や小さな商店などの電気設備のことです。第二種電気工事士が工事できるのは、主にこの範囲です。

なぜ?なぜ住宅などは「一般用」として分けられているのか?

住宅や小さな商店は電圧が低く、規模も小さいからです。工場やビルのような大きな設備(高い電圧で受電するもの)とは危険の大きさが違うので、扱える資格の種類や管理のしかたを分けています。

用語軽微な工事(けいびなこうじ)とは?

軽微な工事とは、電気工事士の資格がなくても行ってよいと法律で決められた、危険の少ない工事のことです。

なぜ?なぜ資格がなくてもよい工事が決められているのか?

電圧が低い、壁の中の配線に触れない、電気が流れる部分ではないなど、間違えても大きな災害になりにくい作業があるからです。そうした作業まで資格を求めると、日常のちょっとした作業もできなくなってしまいます。

例試験によく出る「軽微な工事」(資格がいらない)

① 電圧600 V以下で使う電力量計・電流制限器・ヒューズを取り付けたり外したりする工事。

② インターホン・電鈴(ベル)・火災感知器などに使う小型変圧器(二次電圧36 V以下)の二次側の配線工事。

③ 電線を支える柱・腕木などを設置・変更する工事。

④ 地中電線用の管などを設置・変更する工事。

⑤ 600 V以下で使う差込み接続器やスイッチにコードをつなぐ工事、電気機器の端子に電線をねじ止めする工事。

用語小型変圧器の「二次側」とは?

変圧器とは、電圧を上げたり下げたりする機械のことです。電気が入ってくる側を一次側、電圧を変えたあとに出ていく側を二次側といいます。インターホン用の小型変圧器は、100 Vを36 V以下の低い電圧に下げて二次側から出す仕組みです。

なぜ?なぜ二次電圧36 V以下の配線なら資格がいらないのか?

36 V以下という低い電圧なら、触れても大きな感電事故になりにくいからです。ただし資格がいらないのは二次側(36 V以下の側)だけで、100 Vがかかる一次側の配線は電気工事士の作業になります。

選択肢を1つずつ確かめる

イ インターホンの小型変圧器(二次電圧36 V以下)の二次側の配線 … 軽微な工事②。→ 資格がいらない

ロ 電線を支持する柱、腕木を設置する … 軽微な工事③。腕木(うでぎ)とは、柱から横に出して電線を支える部材。→ 資格がいらない

ハ 電圧600 V以下で使用する電力量計を取り付ける … 軽微な工事①。電力量計とは、電気の使用量を測るメーター。→ 資格がいらない

ニ 電線管とボックスを接続する … 電気工事士でなければできない作業として決められている。→ 資格が必要=これが答え

よって答えはニです。

用語電線管とボックスとは?

電線管とは、電線を中に通して守る管のことです。ボックスとは、電線どうしをつないだり、スイッチやコンセントを取り付けたりするための箱です。電線管とボックスをつなぐ作業は、法令で電気工事士でなければできない作業の1つに挙げられています。

なぜ?なぜ中に電線が入っていない管とボックスの接続でも、資格が必要なのか?

管とボックスの接続は、あとで中に通す電線を守るための大事な部分だからです。接続がゆるいと、電線の被覆が傷付いたり、金属の管の接地がとれなくなったりして、漏電や感電の原因になります。そのため、電線そのものに触れない作業でも資格が求められているのです。

間違えた人が選びやすいのはハ

電力量計は電気の通り道の途中に付ける本格的な機器なので、「資格が要りそう」と感じて、ハを選びがちです。しかし600 V以下で使う電力量計の取り付け・取り外しは、軽微な工事として決められています。電力量計・ヒューズ=取り付けは資格不要とセットで覚えましょう。

覚えるこの問題の覚え方

「資格がいらない=36 V以下の二次側・柱と腕木・電力量計とヒューズ・地中電線用の管」。それ以外の電線・電線管・ボックス・配線器具を扱う作業は資格が必要と考えると、見分けやすくなります。

問29

分野:法令(電気用品安全法)重要度 ★★★

「電気用品安全法」の適用を受ける次の電気用品のうち,特定電気用品は。

イ.定格消費電力20 W の蛍光ランプ
ロ.外径19 mm の金属製電線管
ハ.定格消費電力500 W の電気冷蔵庫
ニ.定格電流30 A の漏電遮断器
答え・解説を見る
正解

ニ.定格電流30 A の漏電遮断器
この問題は何を聞いているの?

「電気用品安全法で決められた電気用品のうち、特に危険が大きいとされる『特定電気用品』はどれか」を聞いています。4つとも電気用品安全法の対象ですが、特定電気用品はそのうち1つだけです。

まず「電気用品安全法」「特定電気用品」という言葉を説明し、そのあと4つの品物を1つずつ見ていきます。

問題文の言葉を順に説明する

用語電気用品安全法(でんきようひんあんぜんほう)とは?

電気用品安全法とは、電線・ブレーカー・家電などの電気用品が、安全な品質で作られ売られるように決めた法律です。電気工事士法が「工事する人」の決まりなのに対して、こちらは「使う品物」の決まりです。

なぜ?なぜ品物そのものにも法律の決まりがあるのか?

どれだけ正しく工事をしても、使う電線や器具が粗悪品なら、火災や感電が起こるからです。そこで、国の基準を満たした品物だけを売ってよいという仕組みにしています。

用語特定電気用品(とくていでんきようひん)とは?

特定電気用品とは、電気用品のうち、作りや使い方からみて特に危険や障害が起こりやすいものとして指定されたものです。それ以外は「特定電気用品以外の電気用品」と呼ばれます。

なぜ?なぜ特定電気用品は特別に扱われるのか?

壊れたときの被害が大きい、または長時間使い続けるものが多いからです。そのため特定電気用品は、国の登録を受けた検査機関による検査(適合性検査)を受ける必要があり、ほかの電気用品より手続きが厳しくなっています。

例表示の記号の違い

特定電気用品 … ひし形の中に「PS」と、横に「E」の記号。

特定電気用品以外の電気用品 … 丸の中に「PS」と、横に「E」の記号。

なぜ?なぜ漏電遮断器は特定電気用品なのか?

漏電遮断器は、漏電したときに電気を止めて人や建物を守る「最後の守り」だからです。もし壊れていて肝心なときに働かなければ、感電や火災をそのまま見逃してしまうでしょう。配線用遮断器(ブレーカー)や電線、スイッチやコンセントなどの配線器具も、同じ理由で多くが特定電気用品に指定されています。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 定格消費電力20 Wの蛍光ランプ … 特定電気用品以外の電気用品(丸い記号)。→ 誤り

ロ 外径19 mmの金属製電線管 … 特定電気用品以外の電気用品(丸い記号)。電線管は電線を守る管で、電気が流れる部品ではない。→ 誤り

ハ 定格消費電力500 Wの電気冷蔵庫 … 特定電気用品以外の電気用品(丸い記号)。→ 誤り

ニ 定格電流30 Aの漏電遮断器 … 特定電気用品(ひし形の記号)。→ 正しい=これが答え

よって答えはニです。定格消費電力とは、その器具が決められた使い方で使う電力のこと、定格電流とは、その器具に流してよい電流の大きさのことです。

間違えた人が選びやすいのはハ

電気冷蔵庫は24時間ずっと動き続ける家電なので、「危険が大きそう」と考えてハを選ぶ人がいます。しかし冷蔵庫は特定電気用品以外です。試験では「電気を止める・つなぐ・送る部品(遮断器・配線器具・電線)」が特定電気用品になりやすい、と覚えておくと選びやすくなります。

覚えるこの問題の覚え方

「ひし形=特定=配線の部品(漏電遮断器・ブレーカー・電線・配線器具)」「丸=特定以外=家電・ランプ・電線管」。迷ったら「壊れたときに人や建物を守れなくなる部品かどうか」で考えると、ニのような遮断器を選びやすくなります。

問30

分野:法令(一般用電気工作物)重要度 ★★☆

一般用電気工作物に関する記述として,誤っているものは

イ.低圧で受電するもので,出力60 kW の太陽電池発電設備を同一構内に施設するものは,一般用電気工作物となる。
ロ.低圧で受電するものは,小出力発電設備を同一構内に施設しても一般用電気工作物となる。
ハ.低圧で受電するものであっても,火薬類を製造する事業場など,設置する場所によっては一般用電気工作物とならない。
ニ.高圧で受電するものは,受電電力の容量,需要場所の業種にかかわらず,一般用電気工作物とならない。
答え・解説を見る
正解

イ.低圧で受電するもので,出力60 kW の太陽電池発電設備を同一構内に施設するものは,一般用電気工作物となる。
この問題は何を聞いているの?

「どんな電気設備が『一般用電気工作物』になるのか。その説明として間違っているものはどれか」を聞いています。ポイントは「受電の電圧」「発電設備の大きさ」「設置する場所」の3つです。

まず「一般用電気工作物」の考え方を説明し、そのあと発電設備の決まりを見ていきます。

問題文の言葉を順に説明する

用語一般用電気工作物とは?

一般用電気工作物とは、電力会社から600 V以下の低い電圧(低圧)で電気を受けている、住宅や小さな商店などの電気設備のことです。電気工作物とは、発電・送電・電気の使用のために設置する機械や電線などをまとめた呼び名です。

なぜ?なぜ「一般用」かどうかを区別する必要があるのか?

区分によって、工事できる資格や、安全を管理するしくみが違うからです。一般用電気工作物は第二種電気工事士が工事でき、電力会社などが定期的に安全を調べます。一方、工場やビルなどの大きな設備(自家用電気工作物)は、持ち主が自分で安全を管理しなければなりません。

用語低圧と高圧とは?

交流の場合、600 V以下が低圧、600 Vを超え7,000 V以下が高圧です。住宅は100 Vや200 Vの低圧、ビルや工場の多くは6,600 Vの高圧で電気を受けています。

なぜ?なぜ高圧で受電する設備は一般用電気工作物にならないのか?

高圧の電気は危険が大きく、受け入れるために変圧器などの専門の設備が必要だからです。そのため、規模や業種に関係なく、高圧で受電する設備は自家用電気工作物として扱われます。

用語小出力発電設備(しょうしゅつりょくはつでんせつび)とは?

小出力発電設備とは、出力の小さい発電設備として法令で決められたもののことです。この試験が行われた2022年当時、太陽電池発電設備は出力50 kW未満が小出力発電設備とされていました。kW(キロワット)は1,000 Wのことで、50 kWは50,000 Wです。

なぜ?なぜ小さい発電設備なら一般用電気工作物のままでよいのか?

出力が小さければ、事故が起きたときの影響も小さいからです。住宅の屋根に載せる程度の太陽光発電なら、家の電気設備の一部として、一般用のまま扱えるしくみです。逆に、小出力発電設備の大きさを超える発電設備を置くと、一般用電気工作物ではなくなります。

一般用電気工作物になる条件を整理する

例一般用電気工作物になる条件(試験当時)

条件1 … 低圧(600 V以下)で受電している。

条件2 … 同じ敷地内に発電設備を置く場合は、小出力発電設備であること(太陽電池なら50 kW未満)。

条件3 … 火薬類を製造する事業場など、爆発や火災の危険が大きい場所ではないこと。

なぜ?なぜ火薬類を作る場所は低圧でも一般用電気工作物にならないのか?

電気の小さな火花でも、爆発や大きな火災につながるおそれがあるからです。電圧が低くても危険の大きさが住宅とはまったく違うので、一般用ではなく、より厳しく管理する区分に入れられています。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 低圧受電で、出力60 kWの太陽電池発電設備を同じ構内に置くものは一般用電気工作物 … 60 kWは50 kW以上なので小出力発電設備ではない。条件2を満たさず、一般用電気工作物にはならない。→ 誤り=これが答え

ロ 低圧受電なら、小出力発電設備を同じ構内に置いても一般用電気工作物 … 条件1と条件2を満たす。→ 正しい

ハ 低圧受電でも、火薬類を製造する事業場などは一般用電気工作物にならない … 条件3のとおり。→ 正しい

ニ 高圧受電なら、容量や業種に関係なく一般用電気工作物にならない … 条件1を満たさない。→ 正しい

よって答えはイです。構内(こうない)とは、塀などで囲まれた同じ敷地の中のことです。

注意現在の規定との違い

2023年3月20日から、太陽電池発電設備の出力10 kW以上50 kW未満は小規模事業用電気工作物という別の区分になりました。現在は、一般用電気工作物として扱える太陽電池発電設備は10 kW未満です。この問題のイ(60 kW)は、当時の決まりでも今の決まりでも一般用電気工作物にはならないので、答えは変わりません。

間違えた人が選びやすいのはハ

「低圧で受電しているのに一般用にならない」という書き方に違和感を持ち、ハを誤りと考えがちです。しかし一般用電気工作物には「設置する場所」の条件もあります。電圧・発電設備の大きさ・場所の3つをそろえて確かめることが大切です。

覚えるこの問題の覚え方

一般用電気工作物=「低圧で受電」+「発電設備は小出力まで」+「危険な場所ではない」。高圧で受電したら、その時点で一般用ではない。発電設備の数字が出たら、小出力発電設備の上限を超えていないかを確かめましょう。

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この記事のまとめ

問21〜30は施工のルール・検査・法令の分野でした。計算が少ないぶん、数字と言葉を正確に覚えているかが勝負になります。下に、この10問から持ち帰ってほしいことをまとめました。

まとめこの10問で持ち帰ること

問21 パイロットランプ … 異時点滅=スイッチと並列。同時点滅=照明と並列、常時点灯=黒と白の間。

問22 D種接地工事の省略 … 金属管は乾燥した場所で4 m以下(対地電圧150 V以下なら8 m以下)。機械器具は乾いた木の床などで省略できる。漏電遮断器で省略できるのは15 mA以下。

問23 電流減少係数 … 3本以下0.70/4本0.63/5・6本0.56/7〜15本0.49。

問24 測定器 … 検相器=相の順番。回転の速さは回転計。

問25 中性線の断線 … 100 Vの機械に100 Vより大きい電圧がかかったら中性線の断線。200 Vを2台で分け合う。

問26 絶縁抵抗と接地 … 対地電圧150 V超・300 V以下は0.2 MΩ以上。D種は100 Ω以下(0.5秒以内に切れるなら500 Ω)。

問27 漏れ電流の測り方 … 全部の線をまとめてはさむ。1本だけなら負荷電流。

問28 電気工事士法 … 電線管とボックスの接続は資格が必要。電力量計の取り付け・36 V以下の二次側・柱と腕木は軽微な工事。

問29 電気用品安全法 … 漏電遮断器は特定電気用品(ひし形の記号)。蛍光ランプ・電線管・冷蔵庫は特定以外(丸の記号)。

問30 一般用電気工作物 … 低圧受電+小出力発電設備まで+危険な場所ではない。60 kWの太陽電池は一般用にならない。

コツこの分野を伸ばすコツ

数字が出てきたら、「何の数字か」と「以上か以下か」をセットで書き出すことです。0.1・0.2・0.4 MΩ(絶縁抵抗=以上)/100 Ω・500 Ω(D種の接地抵抗=以下)/4 m・8 m(金属管の接地の省略)/15 mA(漏電遮断器での省略)/36 V(軽微な工事)——この分野で特に大事な数字です。

なぜ?なぜ数字は文章ごと覚えたほうがよいのか?

数字だけ覚えると、どの場面の数字かが混ざりやすいからです。例えば「500」はD種の接地抵抗にもC種の接地抵抗にも登場する数字です。「D種は100 Ω以下、0.5秒以内に切れるなら500 Ω以下」のように、条件まで含めて文章で覚えると混ざりにくくなります。

出典

令和4年度下期第二種電気工事士試験(午後)
問題・図・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。

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計算のきほん(直流回路の電圧・抵抗の式・熱量・力率・三相・電圧降下・電力損失・許容電流・幹線の分岐・分岐回路)

▶ 問11〜20
材料と器具(プルボックス・ビニルコード・工具・誘導電動機・ヒューズ・写真の材料と器具・絶縁処理・施設場所と工事の種類)

▶ 配線図 問31〜40
図記号と数字もの(ペンダント・調光器・コンセントの極配置・工事方法・絶縁抵抗・接地工事・電線本数・PF管・小勢力回路)

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接続と写真の見分け(差込形コネクタ・リングスリーブ・ケーブル・器具の裏面配線・写真で選ぶ材料と器具)

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工事士法=人/用品安全法=モノ/事業法=設備

▶ モーターと進相コンデンサ
回転速度・始動電流・力率改善

学科のあとは、技能試験の準備が要ります

技能試験は40分で実際に配線を組み立てる試験です。工具と練習用の材料がないと1問も練習できません。通信講座は必要か、材料は買うか借りるか——実際の価格で比べました。

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