第二種電気工事士の筆記試験(いまの「学科試験」にあたる試験)を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和4年度 下期・午後(2022年10月30日実施)の問1〜10です。

問1〜問10には計算問題と配線のきまりがまとまって出てきます。数式が並ぶと身構えてしまいますが、土台になる式はオームの法則と電力の式の2本で、あとは暗記表を引く問題が中心です。この記事では、式がどうしてそうなるのか、図のどこを見て、どの順番に数字を入れるのかを1段ずつ書いていくのが、この記事の進め方です。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと答えと考え方が出ます。まず自分で考えてから開くのがおすすめです。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・写真・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:令和4年度下期第二種電気工事士試験(午後)

問1

分野:電気の基礎(直流回路の電圧)重要度 ★★★

図のような直流回路で,a−b 間の電圧[V]は。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問1 の回路図
イ.20
ロ.30
ハ.40
ニ.50
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正解

イ.20[V]
この問題は何を聞いているの?

図の左側には100Vの電池が2個、右側には40Ωと60Ωの抵抗が2個。そのまん中にaとbという2つの出口があり、aとbのあいだに何ボルトの差があるかを聞いています。まず、出てくる言葉を1つずつ確認しましょう。

用語直流(ちょくりゅう)とは?

電気の流れる向きがずっと変わらない電気のことです。乾電池の電気が代表例で、+から出て−へ戻るという一方通行で流れます。

なぜ?なぜ「直流」とわざわざ書いてあるのか?

家庭用コンセントの電気は交流といって、向きが1秒間に100回以上も入れ替わります。交流ではコイルなどが加わると計算の仕方が変わるため、問題文で「向きが変わらない、いちばん素直な電気の問題です」と最初に知らせているのです。

用語電圧[V]とは?

電気を押し出す力の強さのことです。単位はV(ボルト)。水に例えると水の高さの差にあたります。

なぜ?なぜ電圧を「高さの差」と考えると分かりやすいのか?

水は高い所から低い所へ流れ、高さの差が大きいほど勢いよく流れます。電気も同じで、電流が流れるのは電圧の差があるところだけです。この問題では、各点の「高さ」を順番に求めていく考え方がそのまま使えます。

用語抵抗[Ω]とは?

電気の流れにくさのことです。単位はΩ(オーム)。図の細長い長方形が抵抗を表しています。

なぜ?なぜ抵抗を通ると電圧が下がるのか?

水路の途中に狭い所があると、そこを通り抜けるたびに水の勢い(高さ)が失われます。電気も抵抗を通るときに押す力を使うので、抵抗の後ろでは電圧が低くなるのです。この下がる量を電圧降下といい、電流×抵抗で求められます。

用語接地(せっち)の記号とは?

図の左はしにある横線を3本重ねた記号です。電線を地面(大地)につないでいることを表し、アースとも呼ばれます。

なぜ?なぜ地面につないだ点を「0V」として考えるのか?

地面は、電圧の高さをはかるときの出発点(海面のようなもの)として使われるからです。この問題では、2つの電池のつなぎ目と点aが地面と同じ0Vになります。ここを0として、ほかの点の高さを数えていきましょう。

点ごとの「高さ」を書きこんでいく

左の2つの電池は縦に重ねてつながっていて、つなぎ目が地面(0V)です。上の電池はつなぎ目より100V高い所まで押し上げるので、回路のいちばん上の線は+100Vになります。下の電池はつなぎ目より100V低い所につながるため、いちばん下の線は−100Vです。

つまり右側の40Ωと60Ωは、+100Vの線と−100Vの線のあいだにはさまれています。その差は100−(−100)=200Vです。

なぜ?なぜaとbのあいだには電流が流れないのか?

aとbのあいだは小さな丸が2つ離れているだけで、何もつながっていません。電気は道がないと流れないので、a−b間には電流が流れないのです。aは左のつなぎ目(0V)と線でつながっているだけなので、aの高さは0Vのままです。

用語直列(ちょくれつ)とは?

部品が1本道に並んでつながっている形のことです。右側の40Ωと60Ωは、上の線から下の線まで1本道でつながっているので直列です。

なぜ?なぜ直列の抵抗は足し算でまとめられるのか?

1本道なので、電気は40Ωの邪魔と60Ωの邪魔を順番に受けるからです。スポンジを2個続けて詰めたホースが通りにくくなるのと同じで、40+60=100Ωの抵抗1本と同じ働きになります。

用語オームの法則とは?

電圧=電流×抵抗という関係のことです。形を変えると電流=電圧÷抵抗になり、電流を求めるときに使います。

なぜ?なぜ電圧が大きいほど電流が増えるのか?

押す力(電圧)が強いほど、たくさんの電気が押し出されるからです。逆に、同じ力でも邪魔(抵抗)が大きいと流れる量は減ります。例えば200Vで100Ωなら、200÷100=2Aです。

手順1 いちばん上の線は+100V、いちばん下の線は−100V。右の抵抗にかかる差は 100−(−100)=200V

手順2 40Ωと60Ωは直列なので合計 40+60=100Ω

手順3 右側に流れる電流 = 電圧÷抵抗 = 200÷100=2A

手順4 40Ωで下がる電圧 = 電流×抵抗 = 2×40=80V

手順5 点bの高さ = +100Vから80V下がった所 = 100−80=+20V

手順6 点aの高さは0V。a−b間の電圧 = 20−0=20V

よって答えはイの20Vです。

下側から計算しても同じ答えになる

確かめとして、下の60Ωの側からも数えてみましょう。60Ωで下がる電圧は2×60=120Vです。点bは、いちばん下の線(−100V)より120V高い所なので、−100+120=+20V。上から数えても下から数えても同じ20Vになり、計算が正しいと分かります。

コツわり算を楽にする「分け合い」の見方

直列の抵抗は、かかっている電圧を抵抗の大きさの比で分け合います。40Ωと60Ωは4対6なので、200Vは80Vと120Vに分かれる計算です。上の+100Vから80V下がれば+20Vです。

覚えるこの問題の覚え方

「地面=0Vにして、各点の高さを書きこむ」のが、この形の問題の解き方です。電池が2個重なっているときは、つなぎ目が0V、上が+100V、下が−100V。あとは右の抵抗で何ボルト下がるかを求め、bの高さとaの高さの差を答えます。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ロ.30/ハ.40/ニ.50 … いずれも誤りです。上の線と下の線の差が200Vであること、そしてaが0Vの点とつながっていることの2つを押さえれば、20Vにたどり着けます。40Ωにかかる80Vをそのまま答えにしないよう、最後に「bの高さ−aの高さ」を取る手順を忘れないでください。

【第二種電気工事士】オームの法則と直列・並列をゼロから解説👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】オームの法則と直列・並列をゼロから解説

問2

分野:電気の基礎(抵抗・電圧・電流・電力の関係)重要度 ★★★

抵抗R[Ω]に電圧V[V]を加えると,電流I[A]が流れ,P[W]の電力が消費される場合,抵抗R[Ω]を示す式として,誤っているものは。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問2 の選択肢(4つの式)
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正解

ニ.PI/V
この問題は何を聞いているの?

抵抗・電圧・電流・電力の4つの量のあいだには決まった関係があります。その関係から抵抗Rを表す式を4つ並べたうち、まちがっている式を1つ選ぶ問題です。「誤っているものは」と聞かれている点に注意しましょう。

用語電流[A]とは?

電線の中を流れる電気の量のことです。単位はA(アンペア)。水に例えると、1秒間に流れる水の量にあたります。

なぜ?なぜ電圧と電流を分けて考えるのか?

電圧は押す力、電流は実際に流れた量で、意味が違うからです。同じ押す力でも、抵抗が大きければ流れる量は少なくなります。力と量を区別するのが、この問題を解く出発点です。

用語電力[W]とは?

電気が1秒間に行う仕事の大きさのことです。単位はW(ワット)。抵抗では、電気のエネルギーが熱に変わって消費されます。

なぜ?なぜ電力は「電圧×電流」になるのか?

押す力が強いほど、流れる量が多いほど、たくさんの仕事ができるからです。水車を回す水も、高い所から(電圧)たくさん(電流)落ちるほど強く回ります。だからP=V×Iです。

使う式は2本だけ

この問題で必要なのは、オームの法則 V=I×Rと、電力の式 P=V×Iの2本です。この2本を組み合わせると、電力の式はほかにP=I²×RとP=V²÷Rという形にも変えられます。

なぜ?なぜP=I²×Rという形が作れるのか?

P=V×I のVのところに、オームの法則のV=I×Rを入れるからです。すると P=(I×R)×I=I²×Rになります。I²は「I×I」のことで、読み方は「Iの2乗」です。

なぜ?なぜP=V²÷Rという形も作れるのか?

今度は P=V×I のIのところに、I=V÷Rを入れます。すると P=V×(V÷R)=V²÷Rです。1つの式に別の式を入れて形を変える、という同じ作業をしているだけです。

4つの式を1つずつ確かめる

例選択肢ごとの確かめ

イ.V/I … V=I×R の両辺をIで割ると R=V÷I。正しい

ロ.P/I² … P=I²×R の両辺をI²で割ると R=P÷I²。正しい

ハ.V²/P … P=V²÷R を変形すると R=V²÷P。正しい

ニ.PI/V … Pに V×I を入れると (V×I)×I÷V=I²。抵抗ではなく電流の2乗になってしまう。誤り

なぜ?なぜニは電流の2乗になってしまうのか?

P=V×I なので、分子のP×IはV×I×Iです。これをVで割るとVが消えてI×Iだけが残ります。単位でいうと「アンペアの2乗」で、Ω(抵抗)にはなりません。

数字を入れて確かめてみる

式の変形が苦手な人は、実際の数字を入れて確かめる方法が便利です。例えばR=10Ω、V=100Vとすると、電流は100÷10=10A、電力は100×10=1,000Wです。

手順1 イ.V÷I=100÷10=10 → Rの10Ωと一致

手順2 ロ.P÷I²=1,000÷(10×10)=1,000÷100=10 → 一致

手順3 ハ.V²÷P=(100×100)÷1,000=10,000÷1,000=10 → 一致

手順4 ニ.P×I÷V=1,000×10÷100=100 → 10にならない

ニだけが10Ωになりません。よって誤っているのはニです。

覚えるこの問題の覚え方

覚えるのは「V=I×R」と「P=V×I」の2本だけです。ほかの形はすべて、この2本の組み合わせで作れます。式の形に迷ったら、R=10Ω・V=100Vのような切りのよい数字を入れて確かめると、確実に見分けられるでしょう。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

イ・ロ・ハ … どれも正しい式です。問題文の「誤っているものは」を読み落として、正しい式を見つけた時点で選んでしまうと、この3つのどれかを選ぶことになります。

【第二種電気工事士】W・Wh・Jの違いをゼロから解説(電力・電力量・熱量)👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】W・Wh・Jの違いをゼロから解説(電力・電力量・熱量)

問3

分野:電気の基礎(熱量)重要度 ★★★

抵抗器に100 Vの電圧を印加したとき,4 Aの電流が流れた。1時間20分の間に抵抗器で発生する熱量[kJ]は。

イ.960
ロ.1 920
ハ.2 400
ニ.2 700
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正解

ロ.1 920[kJ]
この問題は何を聞いているの?

抵抗器に電気を流し続けると、電気のエネルギーが熱に変わります。1時間20分のあいだに、どれだけの熱が出たかをkJ(キロジュール)という単位で答える問題です。

用語抵抗器(ていこうき)とは?

電気の流れにくさ(抵抗)を持たせるために作られた部品のことです。電気を通すと熱を出します。

なぜ?なぜ抵抗器に電気を流すと熱が出るのか?

電気が抵抗を通り抜けるときに使ったエネルギーが、熱になって外に出てくるからです。電気ストーブやトースターも、この熱を利用しています。

用語印加(いんか)とは?

電圧をかけることです。「100Vを印加した」は、100Vの電圧をかけたという意味になります。

なぜ?なぜ「かける」ではなく「印加」と書くのか?

電気の分野で昔から使われている決まった言い方だからです。試験の問題文によく出てくるので、印加=かけると読みかえられるようにしておきましょう。

用語熱量[J]とは?

出てきた熱の量のことです。単位はJ(ジュール)。1kJ=1,000Jです。

なぜ?なぜ電力と時間をかけると熱量になるのか?

1W(ワット)は「1秒間に1Jのエネルギーを使う」という意味だからです。400Wの抵抗器なら1秒で400J、2秒で800Jと、秒数をかけた分だけ熱がたまっていきます。

まず電力を求め、時間を「秒」に直す

熱量の式は熱量[J]=電力[W]×時間[秒]です。電力は電圧×電流なので、100V×4A=400Wになります。

なぜ?なぜ時間を「秒」に直さなければならないのか?

Jという単位が「1Wで1秒」を基準に作られているからです。時間を「分」や「時間」のまま使うと、答えの単位がJになりません。1分=60秒、1時間=3,600秒で直します。

手順1 電力 = 電圧×電流 = 100×4=400W

手順2 時間を分に直す 1時間20分=60分+20分=80分

手順3 分を秒に直す 80×60=4,800秒

手順4 熱量 = 電力×秒 = 400×4,800=1,920,000J

手順5 kJに直す(1,000で割る) 1,920,000÷1,000=1,920kJ

よって答えはロの1 920kJです。

注意「1時間20分」を1.2時間としない

時計の時間は60で1つ上がるので、20分は0.2時間ではなく3分の1時間(約0.33時間)です。小数で考えると取りちがえやすいので、いったん全部を分(80分)にしてから秒に直すのが安全です。

Wh(ワットアワー)を使って確かめる

電気料金でおなじみのWh(ワットアワー)を使っても答えは同じです。1Whは3.6kJ(1Wで3,600秒=3,600J)にあたります。

手順1 400Wを3分の4時間(1時間20分)使う 400×4÷3=約533.3Wh

手順2 kJに直す 533.3…×3.6=1,920kJ

覚えるこの問題の覚え方

「電圧×電流で電力、電力×秒で熱量」の2段で解けます。最後にJを1,000で割ってkJにするのを忘れないでください。時間は全部を分にしてから×60で秒にする、と手順を固定しておくと、半端な時間でも迷いません。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

イ.960/ハ.2 400/ニ.2 700 … いずれも誤りです。電力400W・時間4,800秒の2つを正しく出せば、1,920kJ以外にはなりません。時間を秒に直す途中で80分を取りちがえていないかを見直してください。

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問4

分野:電気の基礎(交流回路の力率)重要度 ★★☆

図のような交流回路の力率[%]を示す式は。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問4 の回路図と選択肢(4つの式)
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正解

ロ.100R/√(R²+X²)
この問題は何を聞いているの?

抵抗RとコイルXが1本道につながった交流回路で、力率(りきりつ)を%で表す式を選ぶ問題です。計算はせず、式の形を見分けます。

用語交流(こうりゅう)とは?

電気の流れる向きが、1秒間に100回以上も入れ替わる電気のことです。家庭用コンセントの電気がこれにあたります。図の左の丸に波の記号(〜)が交流の電源です。

なぜ?なぜ交流だと抵抗のほかに「X」が出てくるのか?

交流では、コイルという部品が、電流の向きの入れ替わりを邪魔するからです。その邪魔の度合いがXです。向きが変わらない直流では、この邪魔は起きません。

用語コイルとリアクタンスX[Ω]とは?

コイルは電線をぐるぐる巻いた部品で、図の山が連なったような記号がそれです。コイルが交流を邪魔する度合いを誘導性リアクタンスといい、Xで表します。単位は抵抗と同じΩです。

なぜ?なぜ同じΩなのに、抵抗RとXを単純に足せないのか?

RとXでは、電圧が最大になるタイミングがずれるからです。コイルにかかる電圧は、抵抗にかかる電圧より4分の1周期だけ先に山が来ます。タイミングがずれた2つは、そのまま足すと大きすぎる値になってしまうのです。

用語インピーダンスZ[Ω]とは?

抵抗とリアクタンスを合わせた、回路全体の電流の流れにくさのことです。RとXが直列のときは、Z=√(R²+X²)で求めます。

なぜ?なぜ2乗して足してから√(ルート)を取るのか?

RとXのずれはちょうど直角(90度)にあたるので、直角三角形の2辺として扱えるからです。横の辺がR、縦の辺がXの直角三角形をかくと、斜めの辺の長さがZになります。斜めの辺は「2乗して足して√」で求める、という三平方の定理です。√は「2乗するとその数になる数」を表す記号で、例えば√100=10です。

用語力率(りきりつ)とは?

電源が送り出した電力のうち、実際に熱や仕事として使われた割合のことです。%で表すときは100をかけます。

なぜ?なぜ力率が100%にならないことがあるのか?

コイルは電気をいったんためては電源に返す働きをしていて、その分は熱にも仕事にもならないからです。電気を消費するのは抵抗Rだけです。だから、回路全体のうちRがどれだけの割合を占めるかが力率になります。

力率=R÷Z になる理由

直列の回路では、RにもXにも同じ電流Iが流れます。実際に使われる電力はI²×R、電源が送り出しているように見える電力(皮相電力)は電圧×電流=(I×Z)×I=I²×Zです。

手順1 力率 = 実際に使われる電力÷送り出した電力 = (I²×R)÷(I²×Z)

手順2 I²が上下で消えて 力率=R÷Z

手順3 Zは√(R²+X²)なので 力率=R÷√(R²+X²)

手順4 %にするため100をかけて 100R÷√(R²+X²)

これは選択肢のロです。

数字を入れて確かめてみる

R=8Ω、X=6Ωとすると、Z=√(8×8+6×6)=√(64+36)=√100=10Ωです。力率は8÷10=0.8で80%になるはずです。

例R=8、X=6を4つの式に入れると

イ.100RX÷(R²+X²) … 100×8×6÷100=48

ロ.100R÷√(R²+X²) … 800÷10=80 → 80%と一致

ハ.100X÷√(R²+X²) … 600÷10=60

ニ.100R÷(R+X) … 800÷14=約57

覚えるこの問題の覚え方

「力率は R÷Z」と覚えましょう。電気を消費するのは抵抗Rだけなので、分子は必ずRです。分母のZは直角三角形の斜めの辺=√(R²+X²)。直角三角形の絵をかいて、横の辺R÷斜めの辺Zと見るのが確実です。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ニ.100R÷(R+X) … RとXをそのまま足してしまった人が選ぶ式です。RとXはタイミングが直角にずれているので、足すときは2乗して足して√にします。

ハ.100X÷√(R²+X²) … 分子にRではなくXを入れてしまった人が選ぶ式です。電気を消費するのは抵抗Rだけなので、力率の分子はRになります。

イ.100RX÷(R²+X²) … 誤りです。分子がR×Xになっていて、力率の「R÷Z」の形ではありません。

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問5

分野:電気の基礎(三相交流のY結線)重要度 ★★★

図のような三相3線式回路に流れる電流I[A]は。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問5 の回路図
イ.8.3
ロ.11.6
ハ.14.3
ニ.20.0
答え・解説を見る
正解

ロ.11.6[A]
この問題は何を聞いているの?

3本の電線で電気を送る回路に、10Ωの抵抗が3個、Yの字の形につながっています。電線どうしのあいだはどこも200Vです。このとき電線1本に流れる電流Iを求めます。

用語三相3線式(さんそうさんせんしき)とは?

タイミングを少しずつずらした3つの交流を、3本の電線で送る方式のことです。図の「3φ3W」は、3φ=三相、3W=電線3本(Wは英語のWireの頭文字)を表しています。φはギリシャ文字で、読み方は「ファイ」です。

なぜ?なぜわざわざ3つの交流を使うのか?

3つの交流を組み合わせると、モーターを回す力が途切れにくく、少ない電線で多くの電力を送れるからです。工場やビルの大きなモーター(動力)によく使われています。

用語Y(スター)結線とは?

3つの抵抗の片方のはしを1か所にまとめ、残りのはしをそれぞれの電線につなぐ形のことです。図の形がアルファベットのYに見えるのでY結線、または星形に見立ててスター結線といいます。

なぜ?なぜY結線では、電線の電流と抵抗の電流が同じになるのか?

図をたどると、上の電線から入った電流は、10Ωの抵抗を1個だけ通ってまん中の点へ行くことが分かります。途中で枝分かれしないので、電線に流れる電流I=その抵抗に流れる電流です。

抵抗1個にかかる電圧は200Vではない

ここがこの問題の山場です。図の200Vは、電線と電線のあいだの電圧(線間電圧)です。ところが電線から電線までをたどると、10Ωの抵抗を2個通ります。つまり抵抗1個にかかる電圧(相電圧)は200Vより小さいのです。

なぜ?なぜ抵抗1個の電圧は「200Vの半分」ではないのか?

三相の3つの交流は、山が来るタイミングが3分の1周期ずつずれているからです。タイミングのずれた2つの電圧を合わせても、ちょうど2倍にはならず、√3倍(約1.73倍)になることが分かっています。だからY結線では線間電圧=相電圧×√3で、逆に相電圧=線間電圧÷√3です。

コツ√3(ルート3)とは?

2乗すると3になる数のことで、約1.73です。問題用紙の最初にも「√3=1.73」と書いてあるので、その値を使います。

手順1 線間電圧は200V(電線と電線のあいだ)

手順2 抵抗1個にかかる相電圧 = 200÷1.73=約115.6V

手順3 抵抗1個に流れる電流 = 電圧÷抵抗 = 115.6÷10=約11.56A

手順4 Y結線では電線の電流=抵抗の電流なので I=約11.6A

よって答えはロの11.6Aです。

例確かめ:電力から逆算する

抵抗1個の電力 … 電流²×抵抗=11.56×11.56×10=約1,336W

3個分の電力 … 1,336×3=約4,008W

三相の電力の式 … √3×線間電圧×電流=1.73×200×11.56=約4,000W → ほぼ一致

覚えるこの問題の覚え方

「Y(スター)結線は、電圧を√3で割る」と覚えましょう。図の200Vは電線どうしの電圧なので、抵抗1個には200÷1.73≒115.6Vしかかかりません。電流は電線も抵抗も同じなので、115.6÷10でそのまま答えになります。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ニ.20.0 … 200Vがそのまま抵抗1個にかかると考えて、200÷10=20Aとした人が選ぶ値です。Y結線では、抵抗1個の電圧は200Vを√3で割った値になります。

イ.8.3/ハ.14.3 … どちらも誤りです。「相電圧=200÷1.73」「電流=相電圧÷10」の2段で、11.6Aになります。

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問6

分野:配電理論(電圧降下)重要度 ★★★

図のように,電線のこう長8 mの配線により,消費電力2 000 Wの抵抗負荷に電力を供給した結果,負荷の両端の電圧は100 Vであった。配線における電圧降下[V]は。ただし,電線の電気抵抗は長さ1 000 m当たり5.0 Ωとする。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問6 の回路図
イ.0.2
ロ.0.8
ハ.1.6
ニ.2.4
答え・解説を見る
正解

ハ.1.6[V]
この問題は何を聞いているの?

電源から8m離れた所に、2,000Wの電気ストーブのような機械がつながっている回路です。電線にもわずかな抵抗があるので、電線を通るあいだに電圧が少し下がります。その下がった量(電圧降下)を求める問題です。

用語こう長とは?

電源から負荷までの、配線の道のりの長さのことです。漢字では「亘長」と書きます。この問題では8mです。

なぜ?なぜこう長が8mなのに、電線は16mぶん考えるのか?

電気は行きの電線で負荷へ行き、帰りの電線で電源へ戻ってくるからです。図を見ると、上にも下にも8mの電線があります。こう長は道のり1本分の長さなので、電線の合計は8m×2本=16mです。

用語抵抗負荷(ていこうふか)とは?

電気を熱に変えて使う機械のことです。電気ストーブや電気ポットのヒーターがこれにあたります。「負荷」とは、電気を使う側の機械をまとめて呼ぶ言葉です。

なぜ?なぜ「抵抗」負荷とわざわざ書いてあるのか?

抵抗負荷なら、電力=電圧×電流の式がそのまま使えるからです。モーターなどは力率が関係して計算が変わるので、問題文で「抵抗負荷です」と断っています。

用語単相2線式(たんそうにせんしき)とは?

図の「1φ2W」のことで、1φ=単相(ふつうの交流1つ)、2W=電線2本を表します。家庭用の100Vコンセントの回路がこの形です。

なぜ?なぜ単相2線式では電線2本分の電圧降下を数えるのか?

電流は行きの1本と帰りの1本の両方を通るからです。どちらの電線にも抵抗があるので、両方で電圧が下がります。

用語電圧降下(でんあつこうか)とは?

電線などの抵抗に電流が流れたとき、そこで電圧が下がることです。下がる量は電流×抵抗で求めます。

なぜ?なぜ電線でも電圧が下がるのか?

電線は銅でできていて電気を通しやすいものの、抵抗がまったくのゼロではないからです。長くなるほど抵抗が増え、電流が大きいほど下がる量も大きくなります。

まず電流、次に電線の抵抗

負荷の両はしの電圧が100Vで、消費電力が2,000Wと分かっているので、電流=電力÷電圧で求められます。

なぜ?なぜ電流は電源の電圧ではなく負荷の電圧100Vで計算するのか?

問題文で分かっているのが「負荷の両端の電圧は100V」だからです。負荷が使っている2,000Wは、負荷にかかっている100Vと、負荷を流れる電流の積です。電源の電圧はこの問題では書かれていませんし、使う必要もありません。

手順1 負荷に流れる電流 = 電力÷電圧 = 2,000÷100=20A

手順2 電線1mあたりの抵抗 = 5.0Ω÷1,000m=0.005Ω

手順3 電線1本(8m)の抵抗 = 0.005×8=0.04Ω

手順4 行きと帰りの2本で 0.04×2=0.08Ω

手順5 電圧降下 = 電流×抵抗 = 20×0.08=1.6V

よって答えはハの1.6Vです。

コツ「1,000m当たり5.0Ω」の読み方

1,000mの電線で5.0Ωという意味です。8mはその1,000分の8なので、5.0×8÷1,000=0.04Ωと一気に計算してもかまいません。

覚えるこの問題の覚え方

「電流は負荷から、抵抗は往復で」と覚えましょう。電流は負荷の電力÷負荷の電圧、電線の抵抗はこう長×2本で数えます。最後に電流×抵抗をすれば電圧降下です。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ロ.0.8 … 電線を1本分(8m)しか数えなかった人が選ぶ値です。20×0.04=0.8V。電流は帰りの電線も通るので、2本分の0.08Ωを使います。

ニ.2.4 … 電線を3本分と数えると20×0.04×3=2.4Vになります。単相2線式の電線は2本です。

イ.0.2 … 誤りです。電流20Aと、往復の電線抵抗0.08Ωを正しく出せば1.6Vになります。

【第二種電気工事士】単相2線式・単相3線式・三相3線式の違いをゼロから解説👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】単相2線式・単相3線式・三相3線式の違いをゼロから解説

問7

分野:配電理論(単相3線式の電力損失)重要度 ★★★

図のような単相3 線式回路で,電線1 線当たりの抵抗が0.1 Ω,抵抗負荷に流れる電流がともに20 A のとき,この電線路の電力損失[W]は。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問7 の回路図
イ.40
ロ.69
ハ.80
ニ.120
答え・解説を見る
正解

ハ.80[W]
この問題は何を聞いているの?

3本の電線で2つの負荷に電気を送る回路です。電線1本ごとに0.1Ωの抵抗があり、そこで電気の一部が熱になってむだに消えます。3本の電線全体で、どれだけの電力がむだになるかを求める問題です。

用語単相3線式(たんそうさんせんしき)とは?

図の「1φ3W」のことで、単相の交流を3本の電線で送る方式です。上下の電線のあいだは200V、上とまん中・まん中と下のあいだはそれぞれ100Vになります。多くの家庭に引き込まれているのがこの方式です。

なぜ?なぜ家庭では単相3線式が使われるのか?

1つの配線で100Vと200Vの両方が取り出せるからです。照明や一般の家電には100V、大きめのエアコンやIH調理器には200V、と使い分けられます。

用語中性線(ちゅうせいせん)とは?

単相3線式のまん中の電線のことです。上の負荷と下の負荷の両方につながっている共通の電線で、図では2つの負荷のあいだの点につながっています。

なぜ?なぜ中性線には電流が流れないことがあるのか?

上の負荷の電流と下の負荷の電流は、中性線の中で逆向きになるからです。図の矢印を見ると、上の負荷では電流が上から下へ、下の負荷でも上から下へ流れています。まん中の点から見ると、上の負荷からは20Aが入ってきて、下の負荷へは20Aが出ていく形です。出入りが同じ20Aなので、中性線に流れる電流は20−20=0Aです。

用語電力損失(でんりょくそんしつ)とは?

電線の抵抗で、電気が熱に変わってむだに失われる電力のことです。電線1本あたり電流²×抵抗で求めます。

なぜ?なぜ電力損失は「電流の2乗」で効いてくるのか?

電力は電圧×電流で、電線で下がる電圧は電流×抵抗だからです。2つを合わせると電流×抵抗×電流=電流²×抵抗になります。電流が2倍になると、損失は4倍に増えるわけです。

電線1本ずつ損失を計算して足す

損失は電線1本ごとに「電流²×抵抗」を計算し、最後に合計します。上と下の電線には20A、まん中の中性線を流れる電流は0Aです。

手順1 上の電線の損失 = 20×20×0.1=40W

手順2 まん中の中性線 電流0Aなので 0×0×0.1=0W

手順3 下の電線の損失 = 20×20×0.1=40W

手順4 合計 = 40+0+40=80W

よって答えはハの80Wです。

注意上下の電流が違うときは中性線にも流れる

この問題は上下の負荷の電流がどちらも20Aなので、中性線が0Aになりました。例えば上が20A、下が10Aなら、中性線には20−10=10Aが流れ、その分の損失も数えます。まず中性線の電流を出してから計算する習慣をつけましょう。

覚えるこの問題の覚え方

「上下がつり合えば、中性線は0A」。損失を数える電線は実質2本になり、電流²×抵抗×2本で求められます。損失の計算に√3(1.73)は使いません。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ニ.120 … 中性線にも20Aが流れると考え、3本分(40W×3)を足した人が選ぶ値です。上下がつり合っているので、中性線は0Aです。

イ.40 … 電線1本分しか数えなかった人が選ぶ値です。電流が流れている電線は上と下の2本あります。

ロ.69 … 1本分の40Wに1.73をかけた(40×1.73=69.2)人が選ぶ値です。√3は三相の電力などで使う数で、この計算には出てきません。

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問8

分野:配線設計(許容電流)重要度 ★★★

金属管による低圧屋内配線工事で,管内に直径2.0 mm の600V ビニル絶縁電線(軟銅線)5 本を収めて施設した場合,電線1 本当たりの許容電流[A]は。ただし,周囲温度は30 ℃以下,電流減少係数は0.56 とする。

イ.15
ロ.19
ハ.27
ニ.35
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正解

ロ.19[A]
この問題は何を聞いているの?

金属のパイプの中に、直径2.0mmの電線を5本まとめて通したとき、電線1本にどれだけの電流まで流してよいかを聞いています。暗記している数字に、問題文で与えられた係数をかけるだけの問題です。

用語許容電流(きょようでんりゅう)とは?

その電線に安全に流してよい電流の上限のことです。これを超えると電線が熱を持ちすぎて、まわりのビニル(電気を通さない被覆)が傷みます。

なぜ?なぜ電線の太さによって上限が違うのか?

太い電線ほど電気が通りやすく、熱も出にくいからです。細い電線に大きな電流を流すと熱がこもり、火事の原因になります。そこで太さごとに「ここまで」という数字が決められているのです。

用語金属管(きんぞくかん)とは?

電線を中に通して守るための金属のパイプのことです。壁の中や天井、外から傷つけられやすい場所で使われます。

なぜ?なぜ管に入れると流せる電流が減ることがあるのか?

管の中は空気の通りが悪く、熱が外に逃げにくいからです。何本も詰めこむと、まわりの電線の熱もこもって管の中が熱くなります。だから本数が多いほど、1本に流してよい電流を減らすのです。

用語600Vビニル絶縁電線(軟銅線)とは?

やわらかい銅の線のまわりを、ビニルで1枚包んだ電線のことです。記号はIV。600Vまでの回路に使えます。軟銅線とは、加工しやすいようにやわらかくした銅線のことです。

なぜ?なぜIVは管に入れて使うことが多いのか?

ビニルの被覆が1枚だけなので、外からの傷に弱いからです。外側にもう1枚じょうぶな皮(シース)があるケーブルとは、ここが違います。

用語電流減少係数(でんりゅうげんしょうけいすう)とは?

1本の管に何本もまとめて入れたときに、許容電流を減らすための割合です。この問題では0.56と問題文で与えられています。

なぜ?なぜ5本のときに0.56という数字になるのか?

電気設備の技術基準の解釈という決まりの中に、本数ごとの係数の表があるからです。3本以下は0.70、4本は0.63、5〜6本は0.56と決められています。この問題では親切に0.56を書いてくれているので、表を思い出す必要はありません。

まず「直径2.0mmは35A」を思い出す

この問題で必要な暗記は、直径2.0mmの電線の許容電流は35Aということです。これは周囲温度30℃以下で、管に入れない電線1本のときの数字です。

覚える単線の許容電流(周囲温度30℃以下のとき)

直径1.6mm … 27A

直径2.0mm … 35A ← この問題で使う

なぜ?なぜ問題文に「周囲温度は30℃以下」と書いてあるのか?

許容電流の表はまわりの温度が30℃以下という前提で作られているからです。この一文は、表の35Aをそのまま使ってよいという合図になっています。

手順1 直径2.0mmの電線1本の許容電流を思い出す = 35A

手順2 5本まとめたので減少係数をかける 35×0.56=19.6A

手順3 選択肢(15・19・27・35)のうち、19.6にいちばん近いもの = 19A

よって答えはロの19Aです。

なぜ?なぜ「5本」という数字は計算に使わないのか?

本数の影響は、すでに減少係数0.56の中に入っているからです。35÷5のように本数で割ってしまうと、まったく違う答えになります。与えられた係数をそのままかけるだけで十分です。

覚えるこの問題の覚え方

「表の数字×減少係数」の1回のかけ算です。表は1.6mm=27A、2.0mm=35Aをまず確実に覚えましょう。35×0.56は、35×0.5=17.5と35×0.06=2.1を足して19.6、と分けると暗算しやすくなります。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ニ.35 … 減少係数をかけ忘れた人が選ぶ値です。35Aは管に入れないとき(電線1本)の数字です。

ハ.27 … 直径1.6mmの許容電流と取りちがえた人が選ぶ値です。しかも係数もかけていません。

イ.15 … 1.6mmの27Aに0.56をかけた(27×0.56=15.12)人が選ぶ値です。この問題の電線は直径2.0mmです。

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問9

分野:配線設計(幹線の分岐)重要度 ★★★

図のように定格電流50 A の過電流遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐して,7 m の位置に過電流遮断器を施設するとき,a−b 間の電線の許容電流の最小値[A]は。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問9 の回路図
イ.12.5
ロ.17.5
ハ.22.5
ニ.27.5
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正解

ロ.17.5[A]
この問題は何を聞いているの?

太い幹の電線から枝分かれさせて、7m先にブレーカーを付けるとき、枝分かれした所(a)からブレーカー(b)までの電線にどれだけの許容電流が必要かを聞いています。距離で決まる3つのルールを覚えていれば、かけ算1回で解ける問題です。

用語幹線(かんせん)とは?

建物に引き込んだ電気を、各部屋へ配る前に通す太い電線のことです。木の幹にあたるので幹線と呼びます。そこから枝分かれした先が分岐回路です。

なぜ?なぜ幹と枝に分けて配線するのか?

枝ごとにブレーカーを付けておけば、故障した枝だけを止めて、ほかの部屋は使い続けられるからです。1本の電線で全部の部屋に配ると、どこか1か所の故障で建物全体が止まってしまいます。

用語過電流遮断器(かでんりゅうしゃだんき)とは?

決められた値より大きな電流が流れたら、自動で電気を切る装置のことです。家庭でいうブレーカーで、図では四角の中にBと書かれた記号です。幹線側には50Aと書かれています。

なぜ?なぜ大きすぎる電流を切らなければならないのか?

電線に許容電流を超える電流が流れ続けると、熱で被覆が傷み、火事につながるからです。電線が傷む前にブレーカーが電気を切る、という関係になるように配線を決めます。

用語定格電流(ていかくでんりゅう)とは?

ブレーカーなどの機器に決められている基準の電流の値のことです。この問題では、幹線を守るブレーカーの定格電流が50Aです。

なぜ?なぜ枝の電線の太さを、幹線側のブレーカーの数字で決めるのか?

a−b間の電線は、bのブレーカーより手前にあるからです。bのブレーカーはbより先を守るもので、a−b間を守っているのは50Aのブレーカーだけです。そこで、50Aを基準にした割合で太さの条件が決められています。

距離で決まる3つのルール

分岐点からブレーカーまでの長さによって、a−b間の電線に必要な許容電流が電気設備の技術基準の解釈で決められています。基準は手前のブレーカーの定格電流です。

覚える分岐点からブレーカーまでの長さで決まるルール

3m以下 … 許容電流の条件なし

3mを超えて8m以下 … 手前のブレーカーの定格電流の35%以上

8mを超える … 手前のブレーカーの定格電流の55%以上

なぜ?なぜ距離が長いほど太い電線が必要になるのか?

a−b間は自分専用のブレーカーにまだ守られていない区間です。その区間が長くなるほど、より大きな電流にも耐えられる電線にしておくという考え方で決まっている、と理解すると覚えやすくなります。35%・55%という数字そのものは、理屈で導くものではなく決まりとして覚える値です。

7mなので「35%」を使う

手順1 分岐点aからブレーカーbまでの長さを読む = 図より7m

手順2 7mは「3mを超えて8m以下」にあたる → 使うルールは35%以上

手順3 手前のブレーカーの定格電流 = 50A

手順4 必要な許容電流 = 50×0.35=17.5A

よって答えはロの17.5Aです。

なぜ?なぜ「最小値」と聞かれているのか?

ルールは「35%以上」なので、17.5A以上ならどの電線でもよいからです。いちばん細くて済む下限を聞いているので、かけ算した値がそのまま答えになります。

覚えるこの問題の覚え方

「3m・8m・35%・55%」の4つの数字をセットで覚えましょう。3m以下は条件なし、8mまでは35%、それより先は55%です。あとは手前のブレーカーの数字(この問題では50A)にかけるだけ。50×0.35は、50×0.3=15と50×0.05=2.5を足して17.5と計算できます。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

ニ.27.5 … 55%のルールを使ってしまった人が選ぶ値です。50×0.55=27.5。55%は8mを超えるときのルールで、7mなら35%を使います。

イ.12.5/ハ.22.5 … どちらも誤りです。距離のルールで使う割合は35%と55%の2つで、12.5や22.5はどちらの割合にも当てはまりません。

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問10

分野:配線設計(分岐回路)重要度 ★★★

低圧屋内配線の分岐回路の設計で,配線用遮断器,分岐回路の電線の太さ及びコンセントの組合せとして,適切なものは。ただし, 分岐点から配線用遮断器までは3 m, 配線用遮断器からコンセントまでは8 mとし, 電線の数値は分岐回路の電線(軟銅線)の太さを示す。また,コンセントは兼用コンセントではないものとする。

令和4年度下期 第二種電気工事士 筆記試験 午後 問10 の選択肢(4つの分岐回路の図)
答え・解説を見る
正解

ニ.20A(配線用遮断器)・2.0mm・定格電流20Aのコンセント2個
この問題は何を聞いているの?

ブレーカー・電線の太さ・コンセントの3つの組み合わせのうち、決まりに合っているものを1つ選ぶ問題です。計算はなく、1つの対応表を覚えているかどうかで決まります。

用語分岐回路(ぶんきかいろ)とは?

幹線から枝分かれして、部屋のコンセントや照明につながる回路のことです。分電盤(ブレーカーが並んだ箱)から出ている1本1本が、それぞれ分岐回路にあたります。

なぜ?なぜ回路をいくつにも分けるのか?

1か所の故障で家中の電気が止まらないようにするためです。また、1つの回路に電気を使いすぎないようにする役目もあります。

用語配線用遮断器(はいせんようしゃだんき)とは?

決められた電流を超えたら自動で電気を切り、何度でも入れ直して使えるブレーカーのことです。図では四角の中にBの記号で表され、横に20A・30Aといった定格電流が書かれています。

なぜ?なぜ「配線用」という名前がついているのか?

守っている相手が配線(電線)だからです。電線に大きすぎる電流が流れて熱くなる前に、電気を切るための装置です。

用語コンセントの定格電流とは?

そのコンセントに流してよい電流の上限のことです。15A用・20A用・30A用など、種類ごとに決まっています。

なぜ?なぜブレーカーに合わせてコンセントを選ぶ必要があるのか?

コンセントも、差し込む部分の金具などに流せる電流の限界があるからです。ブレーカー・電線・コンセントの3つの組み合わせは、電気設備の技術基準の解釈で表として決められています。

覚えるのはこの表ひとつ

覚える分岐回路の組合せ表(主なもの)

20A 配線用遮断器 … 電線1.6mm以上 / コンセント20A以下

30A 配線用遮断器 … 電線2.6mm(または5.5mm²)以上 / コンセント20A以上30A以下

40A 配線用遮断器 … 電線8mm²以上 / コンセント30A以上40A以下

なぜ?なぜ電線の太さは「以上」で決められているのか?

太いぶんには、熱に強く安全だからです。決まりで問題になるのは細すぎるときだけです。だから20A回路に2.0mmの電線を使うのは問題ありません。

なぜ?なぜ30A回路のコンセントには「20A以上」という下限もあるのか?

30Aのブレーカーは、30Aを超えるまでは電気を切らないからです。そこに15Aのコンセントを付けると、コンセントの上限を超える電流が流れても、ブレーカーが切れないことになります。そのため表では、コンセントは大きすぎても小さすぎても使えないと決められているのです。

選択肢を1つずつ表と照らし合わせる

見るところはブレーカー・電線・コンセントの3つです。1つでも表から外れていたら、その選択肢は不適切と判断します。

例選択肢ごとの判定

イ 30A/2.0mm/20Aコンセント2個 … コンセント20Aは30A回路の範囲(20A以上30A以下)に入る。しかし30A回路の電線は2.6mm以上が必要で、2.0mmは細すぎる。不適切

ロ 20A/2.0mm/30Aコンセント1個 … 電線2.0mmは1.6mm以上なので問題なし。しかし20A回路のコンセントは20A以下で、30Aは大きすぎる。不適切

ハ 30A/2.6mm/15Aコンセント2個 … 電線2.6mmは問題なし。しかし30A回路のコンセントは20A以上30A以下で、15Aは小さすぎる。不適切

ニ 20A/2.0mm/20Aコンセント2個 … 電線2.0mmは1.6mm以上、コンセント20Aは20A以下。すべて表のとおりで適切

よって答えはニです。

ただし書きの「3m」「8m」と「兼用コンセント」

なぜ?なぜ「分岐点から配線用遮断器までは3m」と書いてあるのか?

問9で出てきた距離のルールに関わるからです。分岐点からブレーカーまでが3m以下なら、その区間の電線に許容電流の条件は付きません。「距離の条件は満たしているので、表だけで判断してよい」と知らせる一文です。

用語兼用コンセントとは?

15A用と20A用の両方のプラグが差し込める形のコンセントのことです。問題文では「兼用コンセントではない」として、図に書かれた定格電流だけを持つコンセントとして考えるよう指定しています。

なぜ?なぜ兼用コンセントでないと断る必要があるのか?

兼用コンセントだと、どの定格として表に当てはめるかで迷いが生まれるからです。この一文があることで、図の数字をそのまま表に当てはめればよいと決まります。

覚えるこの問題の覚え方

「電線は細すぎるとだめ、コンセントは大きすぎても小さすぎてもだめ」。数字は20Aは1.6mm、30Aは2.6mm、40Aは8mm²。コンセントの範囲は「ブレーカーの1つ下の段から、ブレーカーと同じ数字まで」(30A回路なら20A〜30A)と、階段がずれたイメージで覚えると下限も思い出せます。20A回路は20A以下なので、15Aでも20Aでもかまいません。

注意まちがえた人が選びやすい選択肢

イ 30A・2.0mm・20Aコンセント … コンセントだけを見て正しいと思った人が選びやすい形です。30A回路の電線は2.6mm以上なので、2.0mmでは細すぎます。

ハ 30A・2.6mm・15Aコンセント … 「小さいコンセントなら安全だろう」と考えた人が選びやすい形です。30A回路のコンセントは20A以上が必要です。

ロ 20A・2.0mm・30Aコンセント … 電線が太めなので安全だと考えた人が選びやすい形です。電線は問題ありませんが、20Aのブレーカーに30Aのコンセントは付けられません。

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この記事のまとめ

問1〜10で使った考え方を、1問1行でふり返ります。解き終わったあとにここだけ読み返すと、記憶に残りやすくなるでしょう。

まとめこの10問で持ち帰ること

問1 直流回路の電圧 … 地面を0Vにして、上の線+100V・下の線−100V。40Ωで80V下がってbは+20V

問2 R・V・I・Pの関係 … V=I×R と P=V×I の2本から全部作れる。迷ったら数字を入れて確かめる

問3 熱量 … 電力400W×4,800秒=1,920,000J。最後に1,000で割ってkJ

問4 力率 … 力率=R÷Z。Zは直角三角形の斜めの辺=√(R²+X²)

問5 Y(スター)結線 … 抵抗1個の電圧は200÷1.73。電流は電線も抵抗も同じ

問6 電圧降下 … 電流は負荷の電力÷電圧、電線の抵抗はこう長×2本

問7 単相3線式の損失 … 上下がつり合えば中性線は0A。損失は2本分

問8 許容電流 … 2.0mm=35A。減少係数0.56をかけて19.6→19A

問9 幹線の分岐 … 3m以下は条件なし、8mまで35%、それより先は55%。7mなので50×0.35

問10 分岐回路 … 20A=1.6mm・30A=2.6mm。コンセントは大きすぎても小さすぎても不可

この10問の計算の土台は、オームの法則(電圧=電流×抵抗)と電力(電圧×電流、または電流²×抵抗)の2本でした。三相の√3や力率の直角三角形が加わっても、中で使っている考え方は同じです。式を増やすより、この2本の使い方に慣れることが合格への近道になります。

出典

令和4年度下期第二種電気工事士試験(午後)
問題・図・写真・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。

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▶ 問11〜20
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配線方式のちがい

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▶ 法令のきほん
工事士法=人/用品安全法=モノ/事業法=設備

▶ モーターと進相コンデンサ
回転速度・始動電流・力率改善

学科のあとは、技能試験の準備が要ります

技能試験は40分で実際に配線を組み立てる試験です。工具と練習用の材料がないと1問も練習できません。通信講座は必要か、材料は買うか借りるか——実際の価格で比べました。

▶ 通信講座5社と工具・材料の費用を比較する