第二種電気工事士の学科試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和5年度 下期・午前(2023年10月29日実施)の問21〜30です。
ここは配線図の記号・接地工事・検査・測定・法令の分野です。計算はほとんどありません。そのかわり数字と言葉の決まりごとがぎっしり詰まっています。丸暗記だと混ざりやすいので、この記事では「なぜその決まりがあるのか」を一つずつ添えました。
各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、答えと考え方が出ます。まず自分で考えてから開くのがおすすめです。
この記事の問題はどこから?
問題文・図・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:令和5年度下期第二種電気工事士試験(午前)
用語この10問で問われている分野
問21 配線図の図記号と電線管の種類 / 問22 D種接地工事を省略できる条件 / 問23 合成樹脂管工事の支持点間の距離 / 問24 低圧検電器 / 問25 漏えい電流による絶縁性能の確認 / 問26 接地抵抗と絶縁抵抗の組合せ / 問27 アナログ計器とディジタル計器 / 問28 電気工事士法 / 問29 電気用品安全法 / 問30 電技省令の電圧の区分
なぜ?なぜこの10問はまとめて勉強すると効率がいいのか?
同じ「漏電から人を守る」という考え方が、何度も形を変えて出てくるからです。例えば問22・問25・問26は、接地(アース)と絶縁という2つの守り方を、角度を変えて聞いているのです。考え方を1回つかんでおけば、3問まとめて得点しやすくなります。
問21
分野:配線図(図記号と電線管)重要度 ★★★
低圧屋内配線の図記号と,それに対する施工方法の組合せとして,正しいものは。
イ.IV1.6(E19) 厚鋼電線管で天井隠ぺい配線。
ロ.IV1.6(PF16) 硬質ポリ塩化ビニル電線管で露出配線。
ハ.IV1.6(16) 合成樹脂製可とう電線管で天井隠ぺい配線。
ニ.IV1.6(F2 17) 2 種金属製可とう電線管で露出配線。
答え・解説を見る
正解
ニ.IV1.6(F2 17) 2 種金属製可とう電線管で露出配線。
この問題は何を聞いているの?
「配線図に描かれた線の記号が、文章で書かれた工事のやり方と合っているのはどれか」を聞いています。正しいものが1つ、まちがいが3つです。
記号から読み取るものは2つあります。①線の種類(実線か点線か)=どこに配線するかと、②線の下のカッコの中=どんな管に電線を通すかです。この2つが文章と両方とも合っているものが正解になります。
まず言葉を1つずつ説明する
用語低圧屋内配線(ていあつおくないはいせん)とは?
低圧屋内配線とは、建物の中に張る、低い電圧(交流なら600 V以下)の配線のことです。一般的な住宅のコンセントや照明につながる配線は、ほぼすべてこれに当たります。
なぜ?なぜ「低圧」と区別して呼ぶのか?
電圧の高さで、守るべき工事の決まりが変わるからです。高い電圧ほど危険が大きいので、決まりも厳しくなります。第二種電気工事士が主に扱うのは、この低圧の配線です。
用語図記号(ずきごう)とは?
図記号とは、配線図(電気工事の設計図)の中で、電線・管・器具を表すために決められた記号のことです。日本ではJIS(日本の工業規格)で形が決められています。
なぜ?なぜ記号の形が規格で決められているのか?
設計する人と工事する人が、同じ図を同じ意味で読めるようにするためです。人によって線の意味が違えば、天井に張るはずの配線を床に張る、といった取り違えが起きます。
用語IV1.6と斜線3本の意味
IVは600Vビニル絶縁電線(銅線をビニルで1回だけ包んだ電線)の略です。1.6は銅線の直径1.6 mmを表します。線の上の斜線3本(///)は、電線が3本入っているという意味です。
なぜ?なぜIVには管がセットで書かれているのか?
IVは外側を守る皮(シース)がなく、ビニル1枚だけだからです。そのまま壁や天井に這わせると傷つきやすいので、管に通して守るのが前提の電線です。そこで図記号でも、どの管に通すかをカッコで書き添えます。
①線の種類=どこに配線するか
用語天井隠ぺい配線と露出配線とは?
天井隠ぺい(いんぺい)配線とは、天井の裏側に隠して張る配線のことです。露出(ろしゅつ)配線は、壁や天井の表面に、見える状態で張る配線を指します。
なぜ?なぜ配線する場所を図で区別するのか?
場所によって工事のやり方も材料も変わるからです。隠す配線は天井を張る前に工事しますし、露出配線は見た目や傷つきにくさを考えて材料を選ぶのが一般的です。だから線の描き方で場所が一目で分かるようにしています。
覚える線の種類と配線する場所(JISの決まり)
実線(────) … 天井隠ぺい配線
破線(— — —) … 床隠ぺい配線(床の下に隠す配線)
点線(‐‐‐‐‐‐) … 露出配線
この問題の図では、ロとハが実線、イとニが細かい点線です。
②カッコの中=どんな管か
用語電線管(でんせんかん)とは?
電線管とは、電線を中に通して守るための管のことです。金属でできたものと、プラスチック(合成樹脂)でできたものがあります。
なぜ?なぜ電線を管に通すのか?
電線のビニルだけでは、ぶつかったり踏まれたりする傷から守りきれないからです。ビニルが破れて銅線がむき出しになると、漏電やショートにつながります。管は電線にとってのよろいです。
例カッコの中の記号と管の種類
(16)のように数字だけ … 厚鋼電線管(厚い鋼でできた金属管)。数字は管の太さ。
(E19) … ねじなし電線管(Eが付く金属管)。
(VE16) … 硬質ポリ塩化ビニル電線管(かたいプラスチックの管)。
(PF16) … 合成樹脂製可とう電線管(曲げられるプラスチックの管)。
(F2 17) … 2種金属製可とう電線管(曲げられる金属の管)。
用語可とう(かとう)とは?
可とうとは、曲げられるという意味です。「可とう電線管」は、じゃばらのように手で曲げられる管を指します。
なぜ?なぜ曲げられる管と曲げられない管があるのか?
場所によって向き不向きがあるからです。まっすぐな場所はかたい管のほうが丈夫で、狭い場所や曲がりの多い場所は曲げられる管のほうが通しやすくなります。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 点線・(E19) 厚鋼電線管で天井隠ぺい配線 … 点線は露出配線なので場所が違います。しかもE19はねじなし電線管で、厚鋼電線管ではありません。→ 誤り
ロ 実線・(PF16) 硬質ポリ塩化ビニル電線管で露出配線 … 実線は天井隠ぺい配線なので場所が違います。PFは合成樹脂製可とう電線管で、硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE)でもありません。→ 誤り
ハ 実線・(16) 合成樹脂製可とう電線管で天井隠ぺい配線 … 実線=天井隠ぺいは合っています。しかし数字だけの(16)は厚鋼電線管です。合成樹脂製可とう電線管ならPFが付くはず。→ 誤り
ニ 点線・(F2 17) 2種金属製可とう電線管で露出配線 … 点線=露出配線、F2=2種金属製可とう電線管。両方とも合っています。→ 正しい=これが答え
よって答えはニです。
間違えた人が選びやすいのはハ
ハは実線=天井隠ぺいの部分が正しいので、そこだけ見て選んでしまいがちです。しかしカッコの(16)には英字が付いていません。英字なしの数字は厚鋼電線管なので、管の種類が文章と合いません。
この問題は「場所」と「管」の2か所をチェックする問題です。片方だけ合っていても正解にはなりません。
覚えるこの問題の覚え方
「線の形で場所、カッコの英字で管」と2段で読みます。線は実線=天井隠ぺい/破線=床隠ぺい/点線=露出。カッコは英字なし=厚鋼、E=ねじなし、VE=かたいプラスチック、PF=曲がるプラスチック、F2=曲がる金属(2種)。この対応表を1回書き出しておくと、配線図の問題でも役に立ちます。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】配線図の図記号の読み方をゼロから解説
問22
分野:施工(D種接地工事の省略)重要度 ★★★
D 種接地工事を省略できないものは。
ただし,電路には定格感度電流30 mA,動作時間が0.1 秒以下の電流動作型の漏電遮断器が取り付けられているものとする。
イ.乾燥したコンクリートの床に施設する三相200 V(対地電圧200 V)誘導電動機の鉄台
ロ.乾燥した木製の床の上で取り扱うように施設する三相200 V(対地電圧200 V)空気圧縮機の金属製外箱部分
ハ.乾燥した場所に施設する単相3 線式100/200 V(対地電圧100 V)配線の電線を収めた長さ7 m の金属管
ニ.乾燥した場所に施設する三相200 V(対地電圧200 V)動力配線の電線を収めた長さ3 m の金属管
答え・解説を見る
正解
イ.乾燥したコンクリートの床に施設する三相200 V(対地電圧200 V)誘導電動機の鉄台
この問題は何を聞いているの?
「本来は必要なD種接地工事(アース)を、条件しだいで省いてよい場合がある。4つのうち、省いてはいけないのはどれか」を聞いています。
ポイントは、省略できる条件を知っているかどうかです。問題文の「ただし書き」にある漏電遮断器の数字(30 mA・0.1秒)も、条件を満たすかどうかの判断に使います。
まず接地工事から説明する
用語接地工事(せっちこうじ)とは?
接地工事とは、機械の金属部分と地面を、電線でつないでおく工事のことです。「アース」とも呼ばれるもの。地面に金属の棒を埋め、そこから機械まで電線を引きます。
なぜ?なぜ機械の金属部分を地面とつなぐのか?
漏電したとき、電気に「人の体より通りやすい道」を用意しておくためです。機械の中で電線が傷み、金属の外箱に電気が漏れたとします。アースがないと、触った人の体を通って電気が地面へ流れます=感電です。アースがあれば、電気の多くは通りやすいアース線のほうへ流れます。
用語D種接地工事とは?
D種接地工事とは、300 V以下の低圧の機械器具の金属製外箱などに施す接地工事のことです。接地抵抗(地面とのつながりにくさ)は原則100 Ω以下と決められています。
なぜ?なぜ接地工事にはA種〜D種の区別があるのか?
電圧が高いほど、漏電したときの危険が大きいからです。危険の大きいものほど厳しい種類(A種・C種は10 Ω以下)にしているのです。家庭用の100 V・200 Vの機械はいちばんゆるいD種に当たります。
用語対地電圧(たいちでんあつ)とは?
対地電圧とは、電線と地面とのあいだの電圧のことです。人が地面に立って電線に触れたとき、体にかかるのはこの電圧になります。
なぜ?なぜ使用電圧ではなく対地電圧で判断するのか?
感電の危険を決めるのは「地面との差」だからです。例えば単相3線式100/200 V(家庭でよく使う配線方式)は200 Vも使えますが、どの電線も地面との差は100 V以下になるように作られています。だから対地電圧は100 Vです。一方、三相200 V(工場のモーターなどに使う配線方式)は、この問題では対地電圧200 Vとされています。
用語漏電遮断器の「定格感度電流」と「動作時間」とは?
漏電遮断器は、漏電を感じると自動で電気を止める装置です。定格感度電流は「これだけ漏れたら止める」という電流の大きさ、動作時間は「感じてから止めるまでの時間」を表します。30 mA(ミリアンペア)は0.03 Aです。
なぜ?なぜ感度電流の数字が小さいほど安全なのか?
小さな漏れの段階で、早めに電気を止められるからです。30 mAの遮断器は30 mA漏れるまで止まりませんが、15 mAの遮断器なら15 mAの段階で止まるわけです。だから省略の条件ではより敏感な15 mA以下が求められます。
D種接地工事を省略できる主な条件
覚える機械器具の外箱・鉄台の場合(主なもの)
条件1 … 対地電圧150 V以下の機械器具を、乾燥した場所に施設する。
条件2 … 乾燥した木製の床など、電気を通しにくいものの上で取り扱うように施設する。
条件3 … 水気のある場所以外で、定格感度電流15 mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を施設する。
覚える電線を収めた金属管の場合
条件A … 管の長さが4 m以下のものを、乾燥した場所に施設する。
条件B … 対地電圧150 V以下で、管の長さが8 m以下のものを、乾燥した場所に施設する(または人が簡単に触れないようにする)。
なぜ?なぜ乾燥した木の床だと接地を省いてよいのか?
乾いた木は電気を通しにくいからです。外箱に電気が漏れて人が触れても、足元の木が電気の通り道をさえぎるので、体を通って地面へ流れる電流が小さくなります。一方、コンクリートの床は、この条件の「木製の床」には当たりません。
なぜ?なぜ短い金属管なら接地を省いてよいのか?
管が短いほど、人が触れる機会も、漏電が起きる場所も少ないからです。さらに対地電圧が低い(150 V以下)なら、万一のときの危険も小さくて済むでしょう。そのため低い電圧なら8 mまで、それ以外は4 mまでと、長さの上限に差が付いています。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 乾燥したコンクリートの床・三相200 V(対地電圧200 V)の電動機の鉄台 … 対地電圧200 Vは150 Vを超えるので条件1は×。床は木製ではないので条件2も×。漏電遮断器は30 mAで、15 mA以下ではないので条件3も×。→ 省略できない=これが答え
ロ 乾燥した木製の床の上で取り扱う空気圧縮機の金属製外箱 … 条件2に当てはまる。→ 省略できる
ハ 乾燥した場所・対地電圧100 V・長さ7 mの金属管 … 対地電圧150 V以下で、7 mは8 m以下。条件Bに当てはまる。→ 省略できる
ニ 乾燥した場所・対地電圧200 V・長さ3 mの金属管 … 3 mは4 m以下。条件Aに当てはまる。→ 省略できる
よって答えはイです。
間違えた人が選びやすいのはハ
金属管の条件を「4 m以下」しか覚えていないと、7 mのハを「長すぎるから省略できない」と判断しがちです。しかしハは対地電圧100 Vなので、8 m以下まで省略できる条件Bが使えます。
また、イの「漏電遮断器が付いているから大丈夫」と考えるのも落とし穴です。省略に使える漏電遮断器は15 mA以下のもの。この問題の30 mAでは足りません。
覚えるこの問題の覚え方
機械器具は「150 V以下+乾燥」「乾いた木の床」「15 mA・0.1秒の漏電遮断器」、金属管は「乾燥なら4 m、150 V以下なら8 m」と整理します。コンクリートの床は省略の条件にならない、30 mAの漏電遮断器も省略の条件にならない——この2つが、この問題のひっかけどころです。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】接地工事|A〜D種と省略できる条件を知識ゼロから【第15回】
問23
分野:施工(合成樹脂管工事)重要度 ★★☆
低圧屋内配線の合成樹脂管工事で,合成樹脂管(合成樹脂製可とう電線管及びCD 管を除く)を造営材の面に沿って取り付ける場合,管の支持点間の距離の最大値[m]は。
答え・解説を見る
この問題は何を聞いているの?
「プラスチックの電線管を壁や天井に沿って取り付けるとき、留め具どうしの間隔は最大で何mまでか」を聞いています。数字を1つ覚えていれば解ける問題です。
まず言葉を1つずつ説明する
用語合成樹脂管(ごうせいじゅしかん)とは?
合成樹脂管とは、プラスチックでできた電線管のことです。この問題では「合成樹脂製可とう電線管及びCD管を除く」とあるので、かたくてまっすぐな硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE管)を指しています。
なぜ?なぜ金属ではなくプラスチックの管を使うのか?
軽くて加工しやすく、さびないからです。のこぎりで切れて、熱を加えれば曲げることも可能です。水気のある場所でもさびないので、屋外や湿気の多い場所でも使われます。
用語造営材(ぞうえいざい)とは?
造営材とは、柱・壁・天井・梁(はり)など、建物そのものを形作っている材料のことです。「造営材の面に沿って取り付ける」は、壁や天井の表面に沿わせて管を固定するという意味になります。
なぜ?なぜ「造営材」という難しい言葉を使うのか?
壁・柱・天井などをまとめて1語で言うためです。法令の文章は、場合分けを減らすためにまとめた言葉を使います。試験でも同じ言葉が出てくるので、意味だけ押さえておきましょう。
用語支持点間(しじてんかん)の距離とは?
支持点間の距離とは、管を留め具(サドルなど)で固定した点と、次の固定点とのあいだの長さのことです。
なぜ?なぜ留め具の間隔に上限があるのか?
間隔が広すぎると、管が自分の重さや中の電線の重さでたわむからです。たわんだ管は外れたり、接続部に無理な力がかかったりするでしょう。決まった間隔ごとにしっかり留めることで、管の形を保ちます。
答えの数字
覚える合成樹脂管工事の支持点間の距離
合成樹脂管(合成樹脂製可とう電線管・CD管を除く)を造営材の面に沿って取り付ける場合、支持点間の距離は1.5 m以下と決められています。つまり最大値は1.5 mです。
なぜ?なぜ合成樹脂管は間隔を短くしなければいけないのか?
プラスチックは金属よりやわらかく、たわみやすいからです。同じ長さで支えると、金属管よりも真ん中が垂れ下がりやすいのです。そのためこまめに留める必要があります。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 1 m … 1 m間隔で留めても違反ではありませんが、聞かれているのは最大値。1 mより広く留めてよいので誤り。
ロ 1.5 m … 決まりどおりの最大値。→ これが答え
ハ 2 m … 1.5 mを超えるので誤り。
ニ 2.5 m … 1.5 mを超えるので誤り。
よって答えはロです。
間違えた人が選びやすいのはハ
2 mは、ケーブル(VVFなど)を造営材の下面や側面に沿って取り付けるときの、支持点間の距離の上限と同じ数字です。「ケーブルは2 m、合成樹脂管は1.5 m」と分けて覚えておかないと、ここで混ざります。
覚えるこの問題の覚え方
「やわらかいプラスチック管ほど、こまめに留める」とイメージします。合成樹脂管は1.5 m以下、ケーブルは2 m以下。管とケーブルで数字が違うことを、セットで覚えましょう。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】電線管の種類と配線工事のきほんをゼロから解説
問24
分野:検査・測定(低圧検電器)重要度 ★★☆
低圧検電器に関する記述として,誤っているものは。
イ.低圧検電器では,接触式と非接触式のものがある。
ロ.音響発光式には電池が必要であるが,ネオン式には不要である。
ハ.使用電圧100V のコンセントの接地側極では検知するが,非接地側極では検知しない。
ニ.電路の充電の有無を確認するには,当該電路の全ての電線について検電することが必要である。
答え・解説を見る
正解
ハ.使用電圧100V のコンセントの接地側極では検知するが,非接地側極では検知しない。
この問題は何を聞いているの?
「電気が来ているかどうかを調べる道具(低圧検電器)について、誤った説明はどれか」を聞いています。正しいものが3つ、誤りが1つです。
まず検電器そのものを説明する
用語低圧検電器(ていあつけんでんき)とは?
低圧検電器とは、電線や器具に電気が来ているか(充電しているか)を、当てるだけで調べられるペン型の道具のことです。電気が来ていると、光ったり音が鳴ったりして知らせます。
なぜ?なぜ工事の前に検電器で確かめるのか?
電気は目に見えないので、ブレーカーを切ったつもりでも、まだ電気が来ていることがあるからです。切り忘れや、別の回路から電気が来ている場合もあります。触る前に必ず確かめるための道具です。
用語接触式と非接触式とは?(選択肢イ)
接触式は、先端の金属を電線の銅の部分や端子に当てて調べるタイプです。非接触式は、電線のビニルの上から近づけるだけで調べられるタイプ。どちらも実際にあります。
なぜ?なぜ触れなくても電気が来ていると分かるのか?
電気が来ている電線のまわりには、目に見えない電気の影響が広がっているからです。非接触式は、その影響を先端で感じ取って知らせます。ビニルをはがさずに調べられるのが利点です。
用語ネオン式と音響発光式とは?(選択肢ロ)
ネオン式は、中のネオンランプが光って知らせるタイプです。音響発光式は、電池で動く回路が、音と光で知らせるタイプです。
なぜ?なぜネオン式は電池がなくても光るのか?
調べている電線の電気そのものでランプを光らせているからです。先端を電線に当てると、電線→検電器→人の手→体→地面という道で、ごくわずかな電流が流れるのです。この電流でネオンランプが光ります。人が感じないほど小さな電流なので安全です。一方の音響発光式は、音を鳴らす回路を動かすために電池が必要です。
コンセントの2つの穴の違い(選択肢ハ)
用語接地側極と非接地側極とは?
家庭用コンセント(100 V)の2つの穴のうち、接地側極は地面とつながっている側です。穴が少し長いほうで、「W」の表示があることもあります。もう片方の非接地側極は、地面との差が100 Vある側です。
なぜ?なぜ接地側極では検電器が反応しないのか?
検電器は「地面との電圧の差」を感じて光るからです。接地側極は地面とつながっているので、地面との差がほぼ0 V。だから反応しません。非接地側極は地面との差が100 Vあるので、ここで光ります。
つまり選択肢ハの「接地側極では検知するが,非接地側極では検知しない」は、反応する側としない側が逆になっています。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 接触式と非接触式がある … どちらも実際にある。→ 正しい
ロ 音響発光式は電池が必要、ネオン式は不要 … ネオン式は調べる電線の電気で光るので電池は要らない。→ 正しい
ハ 接地側極で検知し、非接地側極で検知しない … 実際は非接地側極で検知し、接地側極では検知しない。逆になっている。→ 誤り=これが答え
ニ 全ての電線について検電する … 1本だけ調べて「電気が来ていない」と決めつけると、別の電線に電気が来ていたときに感電する。全部調べるのが正しい。→ 正しい
よって答えはハです。
間違えた人が選びやすいのはロ
「電池なしで光る道具がある」というのが意外に感じられ、ロを誤りだと思ってしまう人がいます。しかしネオン式は、調べている電線の電気を少しだけ借りて光る仕組みです。電池が要らないのは正しい説明です。
覚えるこの問題の覚え方
「検電器は地面との差で光る」の1つだけ覚えておけば、ハの誤りに気づけます。地面とつながった接地側(穴が長いほう)は光らない、非接地側は光る。ネオン式は人の体を通して地面へ流れるわずかな電流で光るので、電池が要りません。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】検査と測定器のきほんをゼロから解説
問25
分野:検査・測定(漏えい電流)重要度 ★★★
使用電圧が低圧の電路において,絶縁抵抗測定が困難であったため,使用電圧が加わった状態で漏えい電流により絶縁性能を確認した。
「電気設備の技術基準の解釈」に定める,絶縁性能を有していると判断できる漏えい電流の最大値[mA]は。
答え・解説を見る
この問題は何を聞いているの?
「停電させて絶縁抵抗を測るのが難しいとき、電気を流したまま漏れ出る電流を測って確かめる方法がある。何mA以下なら合格か」を聞いています。
まず言葉を1つずつ説明する
用語絶縁(ぜつえん)と絶縁抵抗とは?
絶縁とは、電気が決まった道以外へ漏れないように、ビニルなどでさえぎることです。絶縁抵抗は、そのさえぎる力の強さを表す数値で、単位はMΩ(メガオーム)。1 MΩ=1,000,000 Ωです。
なぜ?なぜ絶縁抵抗は大きいほどよいのか?
抵抗が大きいほど、電気が漏れにくいからです。ビニルが古くなったり傷ついたりすると、絶縁抵抗が下がり、電気が少しずつ漏れはじめるのです。これが漏電や火災のもとになります。
用語絶縁抵抗の測定が「困難」とは?
絶縁抵抗は、一般に絶縁抵抗計(メガー)という測定器で測るのが基本です。ただし測るときは電気を止める(停電させる)必要があります。
なぜ?なぜ絶縁抵抗を測るには停電が必要なのか?
絶縁抵抗計は、自分で電圧をかけて漏れる電流を調べる測定器だから。電気が流れている配線に当てると正しく測れず、つながっている機器を傷めるおそれもあるでしょう。しかし病院や工場のように簡単には電気を止められない場所も少なくありません。そこで代わりの方法が認められています。
用語漏えい電流(ろうえいでんりゅう)とは?
漏えい電流とは、本来の道から外れて、地面のほうへ漏れ出ている電流のことです。単位のmA(ミリアンペア)は1 Aの1000分の1です。
なぜ?なぜ漏えい電流を測ると絶縁の良し悪しが分かるのか?
絶縁が悪いほど、漏れる電流が増えるからです。逆に言えば、電気を流したまま漏れている電流を測り、それが十分小さければ、絶縁がしっかりしていると判断できるわけです。クランプ形漏れ電流計という、電線をはさむだけで測れる測定器を使います。
答えの数字
覚える「電気設備の技術基準の解釈」の決まり
絶縁抵抗の測定が困難な場合は、使用電圧が加わった状態で、漏えい電流が1 mA以下であれば、絶縁性能を有していると判断できます。
1 mAという数字が絶縁抵抗の基準とつり合っていることを、計算で確かめてみましょう。100 Vの配線の絶縁抵抗の基準は0.1 MΩ以上です。
手順1 0.1 MΩをΩに直す。0.1 × 1,000,000 = 100,000 Ω。
手順2 オームの法則「電流=電圧÷抵抗」で、100 Vをかけたときに漏れる電流を求める。100 ÷ 100,000 = 0.001 A。
手順3 AをmAに直す。0.001 A × 1000 = 1 mA。
100 Vの配線で絶縁抵抗がちょうど基準の0.1 MΩなら、漏れる電流はちょうど1 mAです。1 mA以下なら、絶縁抵抗の基準を満たしている状態と同じくらいと考えると、数字を覚えやすくなります。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 0.1 … 1 mAより小さい。最大値ではないので誤り。
ロ 0.2 … 1 mAより小さい。最大値ではないので誤り。
ハ 1 … 決まりどおりの最大値。→ これが答え
ニ 2 … 1 mAを超えるので誤り。
よって答えはハです。
間違えた人が選びやすいのはイ・ロ
0.1と0.2は、絶縁抵抗の基準(0.1 MΩ・0.2 MΩ)と同じ数字です。単位を見ずに数字だけで覚えていると、ここで引っかかります。この問題の単位は[mA]=漏れる電流で、絶縁抵抗の[MΩ]ではありません。
覚えるこの問題の覚え方
「止められないときは、流したまま漏れを測る。1 mA以下ならOK」。100 V ÷ 0.1 MΩ = 1 mA、と計算でつながることを1回確かめておくと、絶縁抵抗の数字(MΩ)と漏えい電流の数字(mA)を取り違えにくくなります。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】検査と測定器のきほんをゼロから解説
問26
分野:検査・測定(接地抵抗と絶縁抵抗)重要度 ★★★
使用電圧100 V の低圧電路に,地絡が生じた場合0.1秒で自動的に電路を遮断する装置が施してある。この電路の屋外にD 種接地工事が必要な自動販売機がある。その接地抵抗値a[Ω]と電路の絶縁抵抗値b[MΩ]の組合せとして,「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「電気設備の技術基準の解釈」に適合していないものは。
イ.a 600 b 2.0
ロ.a 450 b 1.0
ハ.a 200 b 0.2
ニ.a 50 b 0.1
答え・解説を見る
この問題は何を聞いているの?
「屋外の自動販売機のアースの数値(接地抵抗)と、配線の絶縁抵抗の数値の組合せで、決まりを守れていないのはどれか」を聞いています。a(接地抵抗)とb(絶縁抵抗)を別々に判定し、どちらか一方でも基準を外れていれば「適合していない」と判定する問題です。
aの基準=接地抵抗
用語接地抵抗(せっちていこう)とは?
接地抵抗とは、アース線と地面とのあいだの、電気の通りにくさを表した数値です。単位はΩ。小さいほど地面とよくつながっているという意味です。
なぜ?なぜ接地抵抗は小さいほどよいのか?
漏れた電気を、人の体ではなくアース線のほうへ流したいからです。アース側が通りやすいほど、自動販売機に触れた人の体を流れる電流は小さくなります。
覚えるD種接地工事の接地抵抗の上限
原則 … 100 Ω以下
地絡が起きたとき0.5秒以内に自動で電路を遮断する装置がある場合 … 500 Ω以下
用語地絡(ちらく)とは?
地絡とは、電気が本来の道から外れて、地面へ流れてしまうことです。「漏電」とほぼ同じ意味で使われます。
なぜ?なぜ早く切れる装置があると500 Ωまでゆるめてよいのか?
危険な状態が続く時間が短いからです。アースの効きが少し悪くても、0.5秒以内に電気そのものが止まれば、人が感電し続けることはありません。「アースの効き」と「切れる速さ」のどちらかで安全を確保する考え方です。
この問題の装置は0.1秒で遮断する装置です。0.1秒は0.5秒以内なので、aの上限は500 Ω以下になります。
bの基準=絶縁抵抗
用語絶縁抵抗(ぜつえんていこう)とは?
絶縁抵抗とは、電線のビニルなどが電気の漏れをさえぎる力の強さを表した数値です。単位はMΩ(メガオーム)で、大きいほど漏れにくいという意味です。
なぜ?なぜ接地抵抗は「以下」、絶縁抵抗は「以上」なのか?
守りたい向きが逆だからです。アースは電気を地面へ通したいので抵抗は小さいほどよく、上限(以下)が決まっているのです。絶縁は電気を通したくないので抵抗は大きいほどよく、下限(以上)が決まっています。
覚える低圧の電路の絶縁抵抗の下限
使用電圧300 V以下で、対地電圧150 V以下 … 0.1 MΩ以上
使用電圧300 V以下で、それ以外 … 0.2 MΩ以上
使用電圧300 Vを超えるもの … 0.4 MΩ以上
この問題の電路は使用電圧100 Vです。対地電圧(地面との電圧の差)も150 V以下なので、bの下限は0.1 MΩ以上になります。
選択肢を1つずつ確かめる
イ a 600 Ω、b 2.0 MΩ … bは0.1 MΩ以上でOK。しかしaの600 Ωが上限の500 Ωを超えている。→ 適合していない=これが答え
ロ a 450 Ω、b 1.0 MΩ … 450 Ωは500 Ω以下、1.0 MΩは0.1 MΩ以上。→ 適合
ハ a 200 Ω、b 0.2 MΩ … 200 Ωは500 Ω以下、0.2 MΩは0.1 MΩ以上。→ 適合
ニ a 50 Ω、b 0.1 MΩ … 50 Ωは500 Ω以下、0.1 MΩはちょうど下限で「以上」を満たす。→ 適合
よって答えはイです。
間違えた人が選びやすいのはニ
100 Vの配線の絶縁抵抗を0.2 MΩ以上と覚え違えていると、ニのb=0.1 MΩを「足りない」と判断してしまいます。0.2 MΩは対地電圧が150 Vを超える場合の数字です。100 Vなら0.1 MΩ以上で足ります。
また、aを原則の100 Ω以下で判定すると、ロ・ハも不適合に見えて答えが1つに決まりません。「0.1秒で遮断」=0.5秒以内に切れる装置あり=500 Ω、と問題文から読み取ることが大切です。
覚えるこの問題の覚え方
接地は「以下」、絶縁は「以上」。D種は100 Ω、0.5秒以内に切れるなら500 Ω。絶縁抵抗は0.1/0.2/0.4 MΩで、判断は対地電圧150 Vと使用電圧300 Vの2つの境目で行います。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】接地工事|A〜D種と省略できる条件を知識ゼロから【第15回】
問27
分野:検査・測定(アナログ計器とディジタル計器)重要度 ★★☆
アナログ計器とディジタル計器の特徴に関する記述として,誤っているものは。
イ.アナログ計器は永久磁石可動コイル形計器のように,電磁力等で指針を動かし,振れ角でスケールから値を読み取る。
ロ.ディジタル計器は測定入力端子に加えられた交流電圧などのアナログ波形を入力変換回路で直流電圧に変換し,次にA-D 変換回路に送り,直流電圧の大きさに応じたディジタル量に変換し,測定値が表示される。
ハ.電圧測定では,アナログ計器は入力抵抗が高いので被測定回路に影響を与えにくいが,ディジタル計器は入力抵抗が低いので被測定回路に影響を与えやすい。
ニ.アナログ計器は変化の度合いを読み取りやすく,測定量を直感的に判断できる利点を持つが,読み取り誤差を生じやすい。
答え・解説を見る
正解
ハ.電圧測定では,アナログ計器は入力抵抗が高いので被測定回路に影響を与えにくいが,ディジタル計器は入力抵抗が低いので被測定回路に影響を与えやすい。
この問題は何を聞いているの?
「針で示す計器(アナログ)と、数字で示す計器(ディジタル)の特徴について、誤った説明はどれか」を聞いています。誤りは1つです。
まず言葉を1つずつ説明する
用語アナログ計器とディジタル計器とは?
アナログ計器は、針が振れて目盛りを指す計器です。ディジタル計器は、測った値を数字で画面に表示する計器です。
なぜ?なぜ今でもアナログ計器が使われているのか?
針の動きで、値の変化のしかたが一目で分かるからです。じわじわ上がっているのか、急に振れたのかが、数字を読むより直感的につかめるでしょう。選択肢ニは、この利点を説明しています。
用語永久磁石可動コイル形計器とは?(選択肢イ)
永久磁石可動コイル形計器とは、磁石のあいだに置いた小さなコイル(電線を巻いたもの)に電流を流し、そのとき生まれる力でコイルと針を回すアナログ計器のことです。主に直流の測定に使われます。
なぜ?なぜコイルに電流を流すと針が動くのか?
磁石のそばで電線に電流を流すと、電線に力が働くからです。この力を電磁力と呼ぶのです。電流が大きいほど力も大きくなり、針が大きく振れます。その振れ角を目盛りで読むのが、選択肢イの説明どおりの仕組みです。
用語A-D変換とは?(選択肢ロ)
A-D変換とは、連続的に変わる量(アナログ量)を、数字(ディジタル量)に置き換えることです。Aはアナログ、Dはディジタルの頭文字です。
なぜ?なぜディジタル計器は交流をいったん直流に変えるのか?
向きと大きさが絶えず変わる交流のままでは、1つの数字に置き換えにくいからです。そこで入力変換回路で大きさに応じた直流電圧に変え、それをA-D変換回路で数字にして表示する仕組みです。選択肢ロは、この流れを正しく説明しています。
ここが答えのポイント=入力抵抗(選択肢ハ)
用語入力抵抗(にゅうりょくていこう)とは?
入力抵抗とは、計器を回路につないだときの、計器そのものが持つ電気の通りにくさのことです。
なぜ?なぜ電圧計は入力抵抗が高いほどよいのか?
電圧計は、測りたい部分に並列(横並び)につなぐためです。並列につなぐと、電流の一部が計器のほうへ分かれて流れるのです。入力抵抗が低いと、計器に電流がたくさん分かれて、測りたい回路の状態そのものが変わってしまうでしょう。入力抵抗が高ければ計器にはほとんど流れず、回路に影響を与えにくくなります。
どのくらい違うのか、数字で見てみましょう。10 kΩ(10,000 Ω)の抵抗の両端の電圧を測る場合です。並列の合成抵抗は「掛け算÷足し算」で求めます。
入力抵抗10 kΩの計器をつないだ場合 … (10 × 10) ÷ (10 + 10) = 5 kΩ。測りたい部分の抵抗が半分になり、回路の状態が大きく変わる。
入力抵抗10 MΩ(10,000 kΩ)の計器をつないだ場合 … (10 × 10,000) ÷ (10 + 10,000) = 約9.99 kΩ。ほとんど変わらない。
一般に、入力抵抗が高いのはディジタル計器のほうです。ディジタル計器は内部の電子回路で電圧を受け取るので、入力抵抗を高くしやすいのです。選択肢ハは「アナログは高い、ディジタルは低い」と、逆に書かれています。
選択肢を1つずつ確かめる
イ アナログ計器は電磁力などで針を動かし、振れ角で読む … 永久磁石可動コイル形の説明どおり。→ 正しい
ロ ディジタル計器は交流を直流に変換し、A-D変換して表示する … ディジタル計器の仕組みどおり。→ 正しい
ハ アナログ計器は入力抵抗が高く、ディジタル計器は低い … 実際はディジタル計器のほうが入力抵抗が高く、回路に影響を与えにくい。逆。→ 誤り=これが答え
ニ アナログ計器は変化を読み取りやすいが、読み取り誤差を生じやすい … 針の位置を目で読むので、見る角度などで読み違いが出やすい。→ 正しい
よって答えはハです。
間違えた人が選びやすいのはロ
ロは文章が長く、専門用語(A-D変換回路など)が多いので、「難しそうだから誤りだろう」と選ばれやすい選択肢です。しかし内容はディジタル計器の正しい仕組みです。長い文章ほど誤り、とは限りません。
覚えるこの問題の覚え方
「ディジタル計器は入力抵抗が高い=回路を乱しにくい」。電圧計は並列につなぐので、計器に電流が流れ込まないほどよいと考えると、高い・低いの向きを取り違えにくくなります。アナログ計器の強みは変化が見やすいこと、弱みは読み取り誤差です。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】検査と測定器のきほんをゼロから解説
問28
分野:法令(電気工事士法)重要度 ★★★
「電気工事士法」において,第二種電気工事士免状の交付を受けている者であっても従事できない電気工事の作業は。
イ.自家用電気工作物(最大電力500 kW 未満の需要設備)の低圧部分の電線相互を接続する作業
ロ.自家用電気工作物(最大電力500 kW 未満の需要設備)の地中電線用の管を設置する作業
ハ.一般用電気工作物の接地工事の作業
ニ.一般用電気工作物のネオン工事の作業
答え・解説を見る
正解
イ.自家用電気工作物(最大電力500 kW 未満の需要設備)の低圧部分の電線相互を接続する作業
この問題は何を聞いているの?
「第二種電気工事士の免状を持っていても、やってはいけない作業はどれか」を聞いています。カギは、その作業がどんな建物・設備で行われるかです。
まず言葉を1つずつ説明する
用語電気工事士法(でんきこうじしほう)とは?
電気工事士法とは、電気工事を行う「人」の資格を決めた法律のことです。どの資格を持っていれば、どの範囲の工事をしてよいかが決められています。
なぜ?なぜ電気工事に資格が必要なのか?
工事のミスが、感電や火災に直結するからです。配線のつなぎ方を誤ると、住んでいる人が知らないうちに危険にさらされかねません。そこで知識と技能を確かめた人だけが工事できるようにしています。
用語一般用電気工作物と自家用電気工作物とは?
一般用電気工作物とは、電力会社から低圧(600 V以下)で電気を受けている住宅や小さな店の設備のことです。自家用電気工作物は、高圧(6,600 Vなど)で電気を受けているビルや工場などの設備を指します。
なぜ?なぜ設備の種類で工事できる資格が分かれているのか?
規模が大きく、電圧の高い設備ほど、工事の難しさも事故の影響も大きいからです。だから自家用電気工作物では、より上の資格が求められます。
用語需要設備・最大電力500 kW未満・低圧部分とは?
需要設備とは、電気を受けて使う側の設備のことです。最大電力500 kW未満は、ビルや工場の中でも中くらいまでの規模のこと。低圧部分は、その設備の中で、変圧器で下げたあとの600 V以下の配線を指します。
なぜ?なぜ低圧部分なのに第二種では工事できないのか?
電気工事士法では、電圧ではなく「どの電気工作物か」で資格を分けているからです。自家用電気工作物の中にある配線は、低圧であっても自家用電気工作物の一部として扱われます。そのため第一種電気工事士か、低圧部分に限って工事できる認定電気工事従事者が必要です。
例資格と工事できる範囲(この問題に必要な部分)
第二種電気工事士 … 一般用電気工作物の工事
第一種電気工事士 … 一般用電気工作物と、自家用電気工作物(最大電力500 kW未満の需要設備)の工事
認定電気工事従事者 … 自家用電気工作物(500 kW未満の需要設備)の低圧部分の工事
用語ネオン工事と特殊電気工事とは?(選択肢ニ)
ネオン工事とは、ネオンサイン(光る看板)のための電気工事のことです。自家用電気工作物では、ネオン工事は特殊電気工事とされ、専用の資格(特種電気工事資格者)が必要になります。
なぜ?なぜ一般用電気工作物のネオン工事は第二種でできるのか?
特殊電気工事という区分は、自家用電気工作物について決められたものだからです。一般用電気工作物のネオン工事は、一般用電気工作物の工事の1つとして、第二種電気工事士が行えます。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 自家用電気工作物(500 kW未満)の低圧部分の電線相互を接続する作業 … 電線どうしをつなぐのは資格が必要な作業。自家用電気工作物なので、第一種か認定電気工事従事者でなければできない。→ 第二種は従事できない=これが答え
ロ 自家用電気工作物(500 kW未満)の地中電線用の管を設置する作業 … 地中に埋める管を据えるだけの作業は、電気工事士でなくても従事できる作業として扱われている。→ 従事できる
ハ 一般用電気工作物の接地工事の作業 … 一般用電気工作物の工事なので、第二種で行える。→ 従事できる
ニ 一般用電気工作物のネオン工事の作業 … 特殊電気工事は自家用電気工作物の区分。一般用なら第二種で行える。→ 従事できる
よって答えはイです。
間違えた人が選びやすいのはニ
「ネオン工事には特別な資格が必要」とだけ覚えていると、ニを選んでしまいます。特別な資格が必要なのは自家用電気工作物のネオン工事です。問題文の「一般用」か「自家用」かを必ず確かめましょう。
覚えるこの問題の覚え方
第二種は「一般用」まで。選択肢に「自家用」と出てきたら、まず第二種では従事できないと疑います。ただし管を据えるだけの作業(地中電線用の管の設置)は電線に触れないので例外。ネオン工事の特別な資格は自家用だけの話です。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】法令のきほんをゼロから解説【3つの法律の役割】
問29
分野:法令(電気用品安全法)重要度 ★★★
「電気用品安全法」の適用を受ける次の電気用品のうち,特定電気用品は。
イ.定格電流20 Aの漏電遮断器
ロ.消費電力30 Wの換気扇
ハ.外径19 mmの金属製電線管
ニ.消費電力40 W の蛍光ランプ
答え・解説を見る
この問題は何を聞いているの?
「電気用品安全法で決められた電気用品のうち、とくに厳しく管理される『特定電気用品』はどれか」を聞いています。4つの品物の中から1つ選ぶ問題です。
まず言葉を1つずつ説明する
用語電気用品安全法(でんきようひんあんぜんほう)とは?
電気用品安全法とは、電気を使う「モノ」の安全を守るための法律のことです。電線・ブレーカー・家電などを作ったり輸入したりする人に、決められた検査や表示を求めています。
なぜ?なぜ電気用品を法律で管理するのか?
粗悪な電気用品は、使う人が気をつけていても火災や感電を起こすからです。どんなに工事が正しくても、ブレーカーや電線そのものが不良品なら事故は防げません。そこで売られる前の段階で安全を確かめる仕組みになっています。
用語特定電気用品と特定電気用品以外の電気用品とは?
特定電気用品とは、電気用品のうち、構造や使い方から見て、とくに危険や障害が起きるおそれが多いものです。表示はひし形のPSEマーク。それ以外は特定電気用品以外の電気用品で、表示は丸形のPSEマークです。
なぜ?なぜ漏電遮断器は特定電気用品なのか?
漏電遮断器は、いざというときに電気を止めて人を守る装置だからです。もし不良品で止まらなければ、感電や火災をそのまま見逃すことになるでしょう。壊れたときの影響が大きいものほど、特定電気用品として厳しく検査されます。
例特定電気用品と特定電気用品以外の例(この問題に出てくるもの)
特定電気用品(ひし形PSE) … 漏電遮断器・配線用遮断器(定格電流100 A以下のもの)、ヒューズ、電線、タンブラスイッチ、コンセントなど
特定電気用品以外(丸形PSE) … 換気扇、金属製電線管、蛍光ランプ、テレビなどの家電の多く
なぜ?なぜ換気扇や蛍光ランプは特定電気用品ではないのか?
電気の通り道を守ったり切ったりする部品ではなく、電気を使う側の品物だからです。もちろん安全の決まりはありますが、ブレーカーや電線のように建物の配線全体の安全を左右する部品と比べると、管理の区分が1段ゆるくなっています。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 定格電流20 Aの漏電遮断器 … 漏電遮断器(定格電流100 A以下)は特定電気用品。20 Aは100 A以下。→ これが答え
ロ 消費電力30 Wの換気扇 … 特定電気用品以外の電気用品。
ハ 外径19 mmの金属製電線管 … 特定電気用品以外の電気用品。
ニ 消費電力40 Wの蛍光ランプ … 特定電気用品以外の電気用品。
よって答えはイです。
間違えた人が選びやすいのはハ
金属製電線管は電線を守る部品なので、「配線の安全にかかわる=特定電気用品」と考えてしまいがちです。しかし電線管は電気を通したり止めたりする部品ではなく、特定電気用品以外の電気用品に分類されています。
覚えるこの問題の覚え方
「電気を止めて守る部品(遮断器・ヒューズ)と、電気を通す部品(電線・スイッチ・コンセント)はひし形」と覚えます。家電・ランプ・電線管は丸形。選択肢に遮断器があれば、まずそれを疑いましょう。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】法令のきほんをゼロから解説【3つの法律の役割】
問30
分野:法令(電技省令の電圧の区分)重要度 ★★★
「電気設備に関する技術基準を定める省令」における電圧の低圧区分の組合せで,正しいものは。
イ.直流600 V 以下,交流750 V 以下
ロ.直流600 V 以下,交流600 V 以下
ハ.直流750 V 以下,交流600 V 以下
ニ.直流750 V 以下,交流300 V 以下
答え・解説を見る
正解
ハ.直流750 V 以下,交流600 V 以下
この問題は何を聞いているの?
「法令で『低圧』と呼ぶのは、直流なら何V以下、交流なら何V以下か」を聞く問題です。2つの数字の組合せを覚えていれば解けます。
まず言葉を1つずつ説明する
用語電気設備に関する技術基準を定める省令とは?
この省令は、電気設備が守るべき安全の基準を国が決めたルールです。「電技(でんぎ)」と略されることの多い省令です。電圧の区分も、この省令で決められています。
なぜ?なぜ電圧の区分を法令で決めておくのか?
電圧の高さによって、必要な安全対策も、工事できる資格も変わるからです。区分の境目がはっきりしていないと、どの決まりを守ればよいかが人によって変わってしまいます。
用語直流と交流とは?
直流(ちょくりゅう)とは、乾電池のように、いつも同じ向きに流れる電気のことです。交流(こうりゅう)は、家庭用コンセントの電気のように、向きが1秒間に100回以上も入れ替わる電気を指します。
なぜ?なぜ直流と交流で区分の数字が違うのか?
同じ「600 V」でも、直流と交流では電圧の表し方や性質が違うからです。そのため法令では、直流と交流で別々の上限が決められているのです。試験では、理由よりも数字の組合せが問われます。
覚える電圧の区分(電技省令)
低圧 … 直流750 V以下、交流600 V以下
高圧 … 低圧を超え、7,000 V以下
特別高圧 … 7,000 Vを超えるもの
家庭用コンセントの100 V・200 Vは交流600 V以下なので、すべて低圧です。電柱の上の電線(6,600 V)は高圧に当たります。
選択肢を1つずつ確かめる
イ 直流600 V以下、交流750 V以下 … 直流と交流の数字が逆。→ 誤り
ロ 直流600 V以下、交流600 V以下 … 交流は正しいが、直流は750 V。→ 誤り
ハ 直流750 V以下、交流600 V以下 … 決まりどおり。→ 正しい=これが答え
ニ 直流750 V以下、交流300 V以下 … 直流は正しいが、交流は600 V。→ 誤り
よって答えはハです。
間違えた人が選びやすいのはイ
600と750という2つの数字は覚えていても、どちらが直流かで迷う人が多い問題です。イは数字が入れ替わっているだけなので、うろ覚えだと選んでしまいます。
ニの300 Vは、C種とD種の接地工事の境目や、絶縁抵抗の区分の境目に出てくる数字です。低圧の区分とは別物なので、混ぜないようにしましょう。
覚えるこの問題の覚え方
「交流は600、直流はそれより大きい750」。家庭用コンセントは交流なので、見慣れた交流のほうを先に600 Vと固定し、残りの750 Vを直流に当てはめると迷いにくくなります。300 Vは接地や絶縁抵抗の境目で、低圧の区分ではありません。
👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】法令のきほんをゼロから解説【3つの法律の役割】
📝 読んだあとは、解いて確かめる
令和5年度 下期 午前 第二種電気工事士 学科(全50問)を、1問ずつ解いて答え合わせ
全50問。選択肢を選ぶとその場で正解・不正解と解説が出ます。登録も料金もいりません。
ドリルで解く →
この記事のまとめ
問21〜30は配線図の記号・接地工事・検査・測定・法令の分野でした。計算が少ないぶん、数字と言葉を正確に覚えているかが得点を左右します。この10問の要点を下にまとめました。
まとめこの10問で持ち帰ること
問21 図記号 … 実線=天井隠ぺい/破線=床隠ぺい/点線=露出。カッコは英字なし=厚鋼、E=ねじなし、VE、PF、F2。
問22 D種接地工事の省略 … 150 V以下+乾燥/乾いた木の床/15 mA・0.1秒の漏電遮断器。金属管は4 m(150 V以下なら8 m)。
問23 合成樹脂管の支持点間 … 1.5 m以下。ケーブルは2 m以下。
問24 低圧検電器 … 地面との差で光る。接地側極では光らず、非接地側極で光る。ネオン式は電池不要。
問25 漏えい電流 … 絶縁抵抗が測れないときは1 mA以下でOK。
問26 接地抵抗と絶縁抵抗 … 0.5秒以内に切れるならD種は500 Ω以下。100 Vの絶縁抵抗は0.1 MΩ以上。
問27 計器 … ディジタル計器のほうが入力抵抗が高く、回路に影響を与えにくい。
問28 電気工事士法 … 第二種は一般用まで。自家用の低圧部分の電線接続は第一種か認定電気工事従事者。
問29 電気用品安全法 … 漏電遮断器は特定電気用品(ひし形PSE)。換気扇・電線管・蛍光ランプは特定以外。
問30 電圧の区分 … 低圧=直流750 V以下・交流600 V以下。
コツこの分野を伸ばすコツ
数字が出てきたら、「何の数字か」とセットで書き出すことです。100 Ω・500 Ω(D種の接地抵抗)/0.1・0.2・0.4 MΩ(絶縁抵抗)/1 mA(漏えい電流)/1.5 m(合成樹脂管)/4 m・8 m(金属管の接地省略)/600 V・750 V(低圧の区分)——この分野で特に大事な数字です。
なぜ?なぜ数字だけを丸暗記してはいけないのか?
同じ数字が別の場面で何度も出てくるからです。例えば0.1は、絶縁抵抗(0.1 MΩ)にも、漏電遮断器の動作時間(0.1秒)にも出てくる数字です。「100 Vの絶縁抵抗は0.1 MΩ以上」のように文章まるごとで覚えると混ざりにくくなります。
出典
令和5年度下期第二種電気工事士試験(午前)
問題・図・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
この回の他の問題(第二種電気工事士 令和5年度下期 午前 全5記事)
▶ 問1〜10
計算のきほん(直流回路・電線の抵抗・発熱量・電圧降下・電力損失・許容電流)
▶ 問11〜20
材料・器具・工具(プルボックス・写真の機器と工具・電線接続の絶縁処理)
▶ 配線図 問31〜40
配線図の読み取り(図記号・工事の決まり)
▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け(リングスリーブ・差込形コネクタ・ケーブル・工具)
学科のあとは、技能試験の準備が要ります
技能試験は40分で実際に配線を組み立てる試験です。工具と練習用の材料がないと1問も練習できません。通信講座は必要か、材料は買うか借りるか——実際の価格で比べました。
▶ 通信講座5社と工具・材料の費用を比較する