第二種電気工事士の筆記試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和元年度(2019年度) 上期(2019年6月2日実施)の問11〜20です。

ここからは材料・工具・電気機器・工事のやり方の分野に入ります。計算は問14の1問だけで、そのかわり「アウトレットボックス」「リーマ」「パワーコンディショナ」「リモコンリレー」など、ふだんの生活では聞かない名前が次々に出てきます。名前だけを丸暗記しても、すぐに忘れてしまうでしょう。この記事ではそれが何をするための物なのか、なぜその場所で使うのかを、道具を見たことがない人でも頭に絵が浮かぶように書きました。各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと答えと考え方が出ます。まず自分で考えてから開くのがおすすめです。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・写真・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:2019年度上期第二種電気工事士試験

問11

分野:材料(ボックス類)重要度 ★★☆

アウトレットボックス(金属製)の使用方法として,不適切なものは。

イ.金属管工事で電線の引き入れを容易にするのに用いる。
ロ.金属管工事で電線相互を接続する部分に用いる。
ハ.配線用遮断器を集合して設置するのに用いる。
ニ.照明器具などを取り付ける部分で電線を引き出す場合に用いる。
答え・解説を見る
正解

ハ.配線用遮断器を集合して設置するのに用いる。
この問題は何を聞いているの?

「金属でできたアウトレットボックスという箱の使い方として、間違っているものはどれですか」と聞いている問題です。設問は「不適切なもの」を選ぶ形なので、4つのうち3つは正しい使い方です。まずはアウトレットボックスがどんな箱なのかを知るところから始めましょう。

用語金属管(きんぞくかん)とは?

電線を中に通して守るための、鉄でできたパイプのことです。見た目は水道管に似ていて、ビルや工場など電線がむき出しだと傷つきやすい場所の壁や天井に取り付けます。この管を使う配線のやり方を金属管工事といいます。

なぜ?なぜ電線を管の中に通すのか?

電線をそのまま壁に留めておくと、物がぶつかったり、ネズミにかじられたりして外側の皮が破れることがあります。皮が破れた所に人が触れると感電するおそれがあるのです。硬い管の中に入れておけば、その心配がぐっと減ります。

用語アウトレットボックスとは?

金属管と金属管のつなぎ目や、照明器具を付ける場所に取り付ける、手のひらより少し大きい四角い箱です。箱の側面に管をつなぎ込み、箱の中で電線を引き出したり、電線どうしをつないだりします。ふたが付いていて、あとから中を点検できます。

なぜ?なぜ「アウトレット」という名前なのか?

英語の outlet(アウトレット)=出口 から来ています。壁や天井の中を通ってきた電線を、外へ引き出す「出口」になる箱だからです。照明器具を付ける場所で天井から電線を出すときにも、この箱が使われます。

4つの使い方を1つずつ確かめる

用語イ.電線の引き入れを容易にする → 適切

金属管が長く続くと、電線を引っぱって通す作業(通線)が重くなります。途中にアウトレットボックスを入れていったん電線を箱の中に出すと、1回に引っぱる距離が短くなり、作業がラクになります。「容易(ようい)」とは「かんたん」という意味です。

用語ロ.電線相互を接続する部分に用いる → 適切

電線どうしをつなぐ場所(接続点)は、管の中に作ってはいけない決まりになっています。そこで、つなぐ場所にはボックスを置き、その中で接続します。アウトレットボックスはまさにこの役目に使われる箱です。

なぜ?なぜ電線のつなぎ目を管の中に作ってはいけないのか?

つなぎ目は、電線の中でもいちばん傷みやすく、熱を持ちやすい所です。管の中に隠してしまうと、あとで点検も修理もできません。ボックスの中なら、ふたを開ければいつでも確かめられます。

用語ニ.照明器具などを取り付ける部分で電線を引き出す → 適切

天井に照明器具を付ける場所では、天井裏を通ってきた電線をボックスから外へ引き出して器具につなぎます。名前の「アウトレット=出口」どおりの、いちばん基本の使い方です。

用語ハ.配線用遮断器を集合して設置する → 不適切(これが答え)

配線用遮断器とは、電気が流れすぎたときに自動で電気を止める装置で、家庭では「ブレーカー」と呼ばれています。ブレーカーをたくさん並べて取り付けるのは分電盤(ぶんでんばん)の役目です。

なぜ?なぜアウトレットボックスにはブレーカーを並べられないのか?

アウトレットボックスは手のひらより少し大きい程度の箱で、ブレーカーを何個も並べる広さはありません。分電盤は、家の玄関や廊下の上の方にあるブレーカーがずらっと並んだ箱です。役目も大きさもまったく違います。

言葉で考える、答えの出し方

ステップ1 設問の最後が「不適切なものは」であることを確かめる。正しい使い方を3つ消していけばよい。

ステップ2 アウトレットボックスの仕事は「電線を引き出す・つなぐ・通しやすくする」の3つ。イ・ロ・ニはどれもこの中に入る。

ステップ3 ハの「配線用遮断器を集合して設置」は、ブレーカーを並べる分電盤の仕事。アウトレットボックスの仕事ではない。

ステップ4 答えはハ。

覚えるこの問題の覚え方

アウトレット=出口。アウトレットボックスは電線の「出口・つなぎ場・中継所」です。ブレーカーが並ぶのは分電盤と、箱の役目を分けて覚えておきましょう。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

イ.電線の引き入れを容易にする … 「引き入れを容易にする箱」と聞くとプルボックス(大きな通線用の箱)を思い浮かべ、「アウトレットボックスの仕事ではない」と選んでしまうパターンです。アウトレットボックスも、通線の途中の中継に使われます。

ロ.電線相互を接続する部分に用いる … 「接続はジョイントボックスでするもの」と覚えていると、これを選びがちです。金属管工事では、アウトレットボックスの中で電線をつなぐのが一般的です。

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問12

分野:材料(コードの使い分け)重要度 ★★☆

使用電圧が300 V以下の屋内に施設する器具であって,付属する移動電線にビニルコードが使用できるものは。

イ.電気扇風機
ロ.電気こたつ
ハ.電気こんろ
ニ.電気トースター
答え・解説を見る
正解

イ.電気扇風機
この問題は何を聞いているの?

「家の中で使う電気製品のうち、コードにビニルコードを使ってよいものはどれですか」と聞いている問題です。選択肢を見ると、扇風機だけが「熱を出さない」製品で、残りの3つはどれも熱を出すための製品です。ここに気づけるかどうかが分かれ道になります。

用語使用電圧(しようでんあつ)とは?

その器具に普段かけて使う電圧のことです。家庭用コンセントは100Vなので、「300V以下」は家庭で使う一般的な電気製品のほとんどが入ると考えてよいでしょう。

用語移動電線(いどうでんせん)とは?

電気製品から出ていて、コンセントまでつなぐ、動かせる電線のことです。扇風機やこたつのプラグ付きのコードを思い浮かべてください。壁の中に固定された電線と違い、持ち運びに合わせて動くので「移動」電線と呼ばれます。

用語ビニルコードとは?

細い銅線の束を、ビニルというプラスチックで包んだやわらかいコードです。安くて扱いやすいので、照明スタンドなど多くの家電に使われています。ただし、ビニルは熱に弱いという弱点があります。

なぜ?なぜ熱を出す器具にはビニルコードが使えないのか?

ビニルは熱が加わるとやわらかくなったり、溶けたりするプラスチックです。こたつ・こんろ・トースターは、本体が熱くなるうえに、大きな電流が流れてコード自体も温まりやすい製品です。ビニルの皮が傷むと中の銅線がむき出しになり、感電やショート(電線どうしが直接触れて大電流が流れる事故)、火災につながります。そのため、熱を出す器具には熱に強い種類のコードを使う決まりになっています。

4つの製品を「熱を出すかどうか」で分ける

例選択肢の4つを仕分けると

イ.電気扇風機 … モーターで羽根を回して風を送る製品。熱を出すための製品ではない → ビニルコードが使える
ロ.電気こたつ … ヒーターで温める製品 → 使えない
ハ.電気こんろ … ヒーターで鍋を加熱する製品 → 使えない
ニ.電気トースター … ヒーターでパンを焼く製品 → 使えない

このように、電気を「熱」に変えて使う製品には、ビニルコードを使えません。扇風機は電気を「回る力」に変えて使う製品なので、ビニルコードで問題ありません。

言葉で考える、答えの出し方

ステップ1 問題文の「ビニルコードが使用できるもの」に注目する。ビニルは熱に弱い。

ステップ2 4つの製品を、熱を出すために使うかどうかで分ける。こたつ・こんろ・トースターは熱を出す製品。

ステップ3 熱を出さないのは扇風機だけ。答えはイ.電気扇風機。

覚えるこの問題の覚え方

「ビニルは熱に弱い。だから熱を出す器具には使わない」。選択肢を「温める物か、温めない物か」で2つに分ければ、答えは1つに絞れます。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

ロ.電気こたつ … 「こたつは低い温度で温めるだけだから大丈夫そう」と考えて選ぶパターンです。温度が低くても、電気を熱に変えて使う製品であることに変わりはありません。

ニ.電気トースター … 「台所の小さな家電だから」と、製品の大きさで判断してしまうパターンです。判断の決め手は大きさではなく、熱を出すかどうかです。

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問13

分野:工具(金属管工事)重要度 ★★★

金属管(鋼製電線管)工事で切断及び曲げ作業に使用する工具の組合せとして,適切なものは。

イ.やすり
  パイプレンチ
  トーチランプ
ロ.リーマ
  金切りのこ
  パイプベンダ
ハ.やすり
  金切りのこ
  トーチランプ
ニ.リーマ
  パイプレンチ
  パイプベンダ
答え・解説を見る
正解

ロ.リーマ
  金切りのこ
  パイプベンダ
この問題は何を聞いているの?

「鉄でできた電線管を、切ったり曲げたりするときに使う道具の組合せとして、正しいものはどれですか」と聞いている問題です。「切る」「切り口を整える」「曲げる」の3つの作業に、それぞれ何の道具を使うかが分かれば解けます。

用語金属管(鋼製電線管)とは?

電線を中に通して守るための、鉄(鋼)でできたパイプのことです。「鋼製(こうせい)」とは「鋼(はがね)でできた」という意味です。硬くて丈夫なので、物がぶつかりやすい場所の配線に使われます。

なぜ?なぜ金属管を現場で切ったり曲げたりするのか?

金属管は決まった長さの、まっすぐな管として売られています。実際の建物には柱や梁(はり)があり、壁の角もあります。そこで現場で必要な長さに切り、角に合わせて曲げてから取り付けるのです。

6つの道具を1つずつ知る

用語金切りのこ(かなきりのこ)とは?

金属を切るための、細かい刃がついたのこぎりです。「金」は金属のことで、金属を切るのこだから金切りのこ。金属管を切断するときに使います。

用語リーマとは?

管の切り口の内側にできたギザギザ(バリ)を削り取る道具です。先がとがった円すい形の刃を、管の口に差し込んで回して使います。

なぜ?なぜ切り口のギザギザを削る必要があるのか?

金属管を切ると、切り口の内側に鋭いギザギザが残ります。そのまま電線を通すと、ギザギザに電線の皮がこすれて破れ、感電や漏電(電気が漏れること)の原因になります。だから切ったあとは、リーマで内側をなめらかにしておくのです。

用語パイプベンダとは?

金属管を曲げるための道具です。英語の bend(ベンド)=曲げる から来ています。管を道具の溝に当てて、長い柄をてこのように押し下げると、管がつぶれずにゆるやかに曲がります。

用語やすりとは?

表面を削ってなめらかにする、細かい凹凸がついた金属の棒です。金属管の切り口の外側の角を整えるのにも使えます。

用語パイプレンチとは?

管をがっちりつかんで回すための工具です。管のつなぎ目をねじ込んで締め付けるときなどに使います。切ることも曲げることもできません。

用語トーチランプとは?

炎を吹き出して物を温める道具です。電気工事では、硬質塩化ビニル電線管(プラスチックの管)を温めてやわらかくし、曲げるときに使います。

なぜ?なぜ金属管にはトーチランプを使わないのか?

プラスチックの管は温めるとやわらかくなるので、炎で温めてから曲げます。ところが鉄の管は、トーチランプの炎で温めた程度では手で曲げられるほどやわらかくなりません。そのため金属管は、炎ではなくパイプベンダの力で曲げるのです。

言葉で考える、答えの出し方

ステップ1 作業を3つに分ける。①切る ②切り口の内側を整える ③曲げる。

ステップ2 ①切る=金切りのこ。②内側を整える=リーマ。③金属管を曲げる=パイプベンダ。

ステップ3 選択肢の中から、この3つがそろった組合せを探す。ロ(リーマ・金切りのこ・パイプベンダ)がぴったり当てはまる。

ステップ4 念のため他を確かめる。イは切る道具も曲げる道具もない。ハは曲げる道具がトーチランプ(プラスチック管用)。ニは切る道具がない。答えはロ。

覚えるこの問題の覚え方

金属管は「のこで切って、リーマで整えて、ベンダで曲げる」。トーチランプは塩ビ管(プラスチック)専用、パイプレンチは回す道具と、仲間外れの道具もセットで覚えておきましょう。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

ハ.やすり・金切りのこ・トーチランプ … 「切る道具(金切りのこ)が入っているから」と選んでしまうパターンです。曲げる道具がトーチランプになっていて、これはプラスチックの管を曲げる道具です。

ニ.リーマ・パイプレンチ・パイプベンダ … 「リーマとパイプベンダがあるから」と選んでしまうパターンです。切断に使う道具が入っていません。パイプレンチでは管を切れません。

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問14

分野:電気機器(モーターの回転速度)重要度 ★★★

極数6の三相かご形誘導電動機を周波数50 Hzで使用するとき,最も近い回転速度[min-1]は。

イ.500
ロ.1 000
ハ.1 500
ニ.3 000
答え・解説を見る
正解

ロ.1 000
この問題は何を聞いているの?

「極数が6のモーターを、50Hzの電気で回すと、1分間に何回くらい回りますか」と聞いている問題です。決まった式に数字を2つ入れるだけで解けますが、まず問題文の言葉の意味から確かめていきます。

用語三相かご形誘導電動機(さんそうかごがたゆうどうでんどうき)とは?

工場のポンプや送風機などで広く使われている、丈夫なモーターのことです。「電動機」はモーターのこと。「三相」は工場などで使う3本の電線で送る電気、「かご形」は回る部分の中身が鳥かごのような形をしていることを表します。

用語極数(きょくすう)とは?

モーターの中にできる磁石のN極とS極の数を合わせたものです。極数6なら、N極3つとS極3つが、モーターの内側にぐるりと並ぶイメージです。

用語周波数(しゅうはすう)とは?

交流の電気の波が、1秒間に何回くり返されるかを表す数です。単位はHz(ヘルツ)。日本では東日本が50Hz、西日本が60Hzです。50Hzなら、1秒間に波が50回くり返されます(1回の波でプラスとマイナスが2回入れかわるので、入れかわる回数は100回です)。

用語回転速度[min-1]とは?

モーターの軸が1分間に何回転するかを表す数です。min-1は「毎分」と読み、「1分あたり」という意味です。1 000 min-1なら、1分間に1 000回転という意味になります。

なぜ?なぜ極数が多いほど回転が遅くなるのか?

モーターの中では、電気の入れかわりに合わせて磁石の極が順番に隣へ移っていきます。回る部分は、この移っていく磁石に引っぱられて回ります。極が多いと、1回の入れかわりで進む距離が短くなるので、ひと回りするのに時間がかかるのです。つまり極数が2倍になると、回転速度は半分。

回転速度を求める式

例同期速度(どうきそくど)の式

同期速度 = 120 × 周波数 ÷ 極数[min-1]
同期速度とは、モーターの中で磁石の極がぐるりと回る速さのことです。実際の回転速度は、これよりわずかに遅くなります。

なぜ?なぜ実際の回転速度は同期速度より少し遅いのか?

かご形誘導電動機は、回る磁石と回る部分の速さに「ずれ」があるときだけ力が生まれるしくみです。ずれがゼロになると力がなくなってしまうので、回る部分はいつも少しだけ遅れて回ります。このずれをすべりといい、数%程度のことが多いです。問題文が「最も近い」回転速度と聞いているのは、このためです。

1ステップずつ計算する

ステップ1 問題文から数字を取り出す。周波数=50Hz、極数=6。

ステップ2 式に入れる。120 × 50 = 6 000。

ステップ3 極数で割る。6 000 ÷ 6 = 1 000。同期速度は1分間に1 000回転。

ステップ4 実際の回転速度はこれより少し遅いが、選択肢でいちばん近いのはロ.1 000。

例数字を変えて1回確かめる

同じモーターを60Hzの地域で使うと、120 × 60 ÷ 6 = 1 200 min-1。極数が4のモーターを50Hzで使うと、120 × 50 ÷ 4 = 1 500 min-1です。周波数が上がると速く、極数が増えると遅くなることが、数字でも確かめられます。

覚えるこの問題の覚え方

「ひゃくにじゅう かける 周波数 わる 極数」。式の先頭の120だけは数字ごと覚えてしまいましょう。周波数は上(かける)、極数は下(わる)と位置をセットにすると、取り違えにくくなります。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

イ.500 … 式の先頭を120ではなく60と覚え違えると、60 × 50 ÷ 6 = 500になります。式の数字は120です。

ハ.1 500 … 極数6のモーターの答えとしては誤りです。1 500は、極数4のモーターを50Hzで回したときの同期速度です。問題文の極数を必ず確かめましょう。

【第二種電気工事士】モーターと進相コンデンサのきほんをゼロから解説👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】モーターと進相コンデンサのきほんをゼロから解説

問15

分野:電気機器(太陽光発電)重要度 ★★☆

系統連系型の小出力太陽光発電設備において,使用される機器は。

イ.調光器
ロ.低圧進相コンデンサ
ハ.自動点滅器
ニ.パワーコンディショナ
答え・解説を見る
正解

ニ.パワーコンディショナ
この問題は何を聞いているの?

「家の屋根などに付ける太陽光発電で、電力会社の電線とつないで使うタイプに使われる機器はどれですか」と聞いている問題です。太陽光パネルが作る電気と、家で使う電気は種類が違うという点がカギになります。

用語太陽光発電設備とは?

太陽の光を受けて電気を作るパネル(太陽電池)と、その電気を使えるようにする機器のまとまりのことです。家の屋根に並んでいる黒っぽい板がそのパネルです。

用語系統連系型(けいとうれんけいがた)とは?

電力会社の電線(系統)とつないで使うタイプのことです。「連系」は「つなぐ」という意味です。発電した電気を家で使い、余った電気は電力会社の電線へ流して売ることができます。

用語小出力(しょうしゅつりょく)とは?

発電できる量が小さい設備という意味です。一般の住宅の屋根に付けるような規模の太陽光発電がこれに当たります。

なぜ?なぜ太陽光パネルの電気はそのまま家で使えないのか?

太陽光パネルが作るのは、乾電池と同じ「直流(ちょくりゅう)」という、流れる向きが一定の電気です。一方、家のコンセントや電力会社の電線に流れているのは、向きが1秒間に100回以上(50Hzなら100回、60Hzなら120回)入れかわる「交流(こうりゅう)」です。種類が違うので、直流を交流に変える機器が必要になります。

答えの機器「パワーコンディショナ」とは

用語パワーコンディショナとは?

太陽光パネルが作った直流の電気を、家や電力会社の電線と同じ交流の電気に変える機器です。あわせて、電力会社の電気と波の形や向きのタイミングをそろえる仕事や、停電などの異常があったときに自動で切り離す仕事も受け持ちます。略して「パワコン」と呼ばれます。

なぜ?なぜ「コンディショナ」という名前なのか?

英語の condition(コンディション)=状態を整える から来ています。パワー(電気)の状態を、そのまま使える形に整える機器という意味です。

他の3つは何をする機器なのか

用語イ.調光器(ちょうこうき)とは?

照明の明るさを、つまみなどで変えられるようにする器具です。「光を調整する器」と書いて調光器。太陽光発電とは関係ありません。

用語ロ.低圧進相(ていあつしんそう)コンデンサとは?

工場のモーターなどに取り付けて、電気のむだを減らす(力率を改善する)ための機器です。力率とは、送った電気のうち、実際に仕事に使われる割合のこと。モーターの効率に関わる機器で、太陽光発電に必要な機器ではありません。

用語ハ.自動点滅器(じどうてんめつき)とは?

周りの明るさを感じて、暗くなると照明をつけ、明るくなると消すスイッチです。門灯や街灯に使われます。太陽の光を「感じる」器具ですが、発電とは関係ありません。

言葉で考える、答えの出し方

ステップ1 太陽光パネルが作るのは直流、家と電力会社の電線は交流だと思い出す。

ステップ2 系統連系型では、直流を交流に変えて、電力会社の電気と合わせる機器が必要になる。

ステップ3 その仕事をするのはパワーコンディショナ。答えはニ。

覚えるこの問題の覚え方

「太陽光とくればパワコン」。パネルは直流、家は交流、その間に立つ通訳がパワコンとイメージしておくと、役目ごと忘れにくくなります。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

ハ.自動点滅器 … 「太陽の光で動く器具」という連想で選んでしまうパターンです。自動点滅器は明るさを感じて照明を点けたり消したりするだけで、電気を作ったり変えたりはしません。

ロ.低圧進相コンデンサ … 「電気を整える機器」というぼんやりしたイメージで選ぶパターンです。進相コンデンサはモーターなどの力率を改善する機器で、直流を交流に変える働きはありません。

問16

分野:写真鑑別(材料)重要度 ★★★

写真に示す材料の用途は。

令和元年度上期 第二種電気工事士 筆記試験 問16 の写真
イ.住宅でスイッチやコンセントを取り付けるのに用いる。
ロ.多数の金属管が集合する箇所に用いる。
ハ.フロアダクトが交差する箇所に用いる。
ニ.多数の遮断器を集合して設置するために用いる。
答え・解説を見る
正解

イ.住宅でスイッチやコンセントを取り付けるのに用いる。
この問題は何を聞いているの?

「写真の黒い箱は、何に使う材料ですか」と聞いている問題です。写真の下に(合成樹脂製)と書いてあるのが大きなヒントになります。合成樹脂とはプラスチックのこと。プラスチックでできた、縦長で小さな箱だという点に注目しましょう。

用語写真の材料の名前は?

この材料は合成樹脂製(ごうせいじゅしせい)のスイッチボックスです。壁の中に埋め込んで、スイッチやコンセントを取り付けるための箱で、家の壁のスイッチのカバー(プレート)を外すと、その奥にこの箱が入っています。

コツ写真のどこを見れば分かるのか?

①縦長で小さい:スイッチやコンセントが1個〜2個収まる大きさです。
②上下にねじ穴がある:スイッチやコンセントの取り付け枠を、ここにねじで留めます。
③プラスチック製:住宅の壁の中で、VVFケーブル(家の配線によく使われる、平たい電線)を引き込んで使うことが多い材料です。

なぜ?なぜスイッチを付けるのに箱が必要なのか?

スイッチやコンセントの裏では、電線がむき出しのねじや金具につながっています。壁の中にそのまま置くと、壁の中の木材や断熱材に電線のつなぎ目が触れたり、器具がぐらついたりします。箱に収めて固定することで、器具がしっかり留まり、つなぎ目も守られるのです。

他の3つの用途に使う箱は何か

用語ロ.多数の金属管が集合する箇所 → プルボックス

プルボックスは、金属管がたくさん集まる場所に置く大きめの箱です。英語の pull(プル)=引っぱる から来ていて、電線を引っぱって通しやすくするために使います。写真の小さな箱では、多数の管をつなぎ込めません。

用語ハ.フロアダクトが交差する箇所 → ジャンクションボックス

フロアダクトとは、事務所などの床の中に埋め込む、電線を通すための金属の通り道です。そのダクトどうしが交わる所には、ジャンクションボックスという床に埋め込む専用の箱を使います。junction(ジャンクション)は「合流点」という意味です。

用語ニ.多数の遮断器を集合して設置する → 分電盤

遮断器(しゃだんき)とは、電気が流れすぎたときに自動で電気を止める装置で、家庭では「ブレーカー」と呼ばれます。ブレーカーをたくさん並べて取り付けるのは分電盤です。

言葉で考える、答えの出し方

ステップ1 写真の特徴を確かめる。プラスチック製・縦長で小さい・上下にねじ穴。

ステップ2 小さいので、多数の管が集まる所(ロ)や多数のブレーカーを並べる所(ニ)には使えない。

ステップ3 フロアダクトは床の中に埋める金属の通り道で、交差する所には専用の箱を使う。写真の箱ではない(ハ)。

ステップ4 残るイ.住宅でスイッチやコンセントを取り付けるが答え。

覚えるこの問題の覚え方

「縦長・小さい・上下にねじ穴=スイッチボックス」。箱の写真が出たら、まず大きさを見ましょう。小さければ器具を付ける箱、大きければ電線を通す・ブレーカーを並べる箱と大きく分けられます。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

ロ.多数の金属管が集合する箇所に用いる … 「箱=管をつなぐもの」というイメージで選ぶパターンです。多数の管が集まる所に使うのは大きなプルボックスで、写真のような小さなプラスチックの箱ではありません。

ニ.多数の遮断器を集合して設置するために用いる … 「箱の中に何かを並べる」と考えて選ぶパターンです。ブレーカーを並べるのは分電盤で、大きさも形もまったく違います。

【第二種電気工事士】写真鑑別のコツ|材料・器具・工具を実物写真で見分ける【令和8年度】👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】写真鑑別のコツ|材料・器具・工具を実物写真で見分ける【令和8年度】

問17

分野:写真鑑別(器具)重要度 ★★☆

写真に示す器具の用途は。

令和元年度上期 第二種電気工事士 筆記試験 問17 の写真
イ.リモコン配線の操作電源変圧器として用いる。
ロ.リモコン配線のリレーとして用いる。
ハ.リモコンリレー操作用のセレクタスイッチとして用いる。
ニ.リモコン用調光スイッチとして用いる。
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正解

ロ.リモコン配線のリレーとして用いる。
この問題は何を聞いているの?

「写真の器具は、リモコン配線の中で何の役目をする器具ですか」と聞いている問題です。選択肢はどれも「リモコン」で始まるので、リモコン配線のしくみと、写真の器具に書かれている文字が手がかりになります。

用語リモコン配線とは?

照明を、離れた場所にある小さなスイッチからまとめて点けたり消したりできるようにする配線のやり方です。ビルや大きな家で、1か所のスイッチで多くの照明を操作したいときに使われます。

なぜ?なぜリモコン配線では弱い電気でスイッチを操作するのか?

照明につながる電気は100Vや200Vですが、スイッチからの線までその電気を引き回すと、電線が太く長くなり、操作する場所も危険になります。そこでスイッチ側には24V程度の弱い電気だけを流し、その合図を受けて照明の電気を入り切りする器具(リレー)を別に置くのです。

リモコン配線に出てくる器具

用語リモコンリレーとは?

スイッチからの弱い電気の合図を受けて、照明につながる電気を入れたり切ったりする器具です。リレー(relay)は英語で「中継する」という意味です。合図を中継して、大きな電気を動かす役目をします。

用語リモコントランス(操作電源変圧器)とは?

100Vの電気を、リモコンのスイッチ用の24V程度の弱い電気に下げる器具です。変圧器(トランス)とは、電圧を変える機器のことです。

用語セレクタスイッチとは?

たくさんのボタンが並んでいて、どの照明を点けるかを選んで操作できるスイッチです。select(セレクト)=選ぶ、から来ています。

コツ写真のどこを見ればリレーだと分かるのか?

写真の器具には、「主回路側」と「操作側」という文字が書かれています。
主回路側=照明につながる大きな電気の側。表示に「定格電流 20A」「定格電圧 AC 300V」とあります。
操作側=スイッチからの合図の側。「操作回路 0.35A AC 24V」と弱い電気が書かれ、アオ・アカの2つの端子があります。
大きな電気の側と、弱い電気の側の両方を持つのがリモコンリレーの特徴です。手で入り切りできる「手動レバー」(OFFの表示)も付いています。

言葉で考える、答えの出し方

ステップ1 写真の文字を読む。「主回路側」と「操作側」の両方がある。

ステップ2 主回路は20A・300Vの大きな電気、操作回路は24Vの弱い電気。弱い電気の合図で、大きな電気を入り切りする器具だと分かる。

ステップ3 この仕事をするのはリモコンリレー。答えはロ。

ステップ4 変圧器(イ)なら「電圧を下げる」器具、セレクタスイッチ(ハ)ならボタンがたくさん並ぶはずで、写真とは合わない。

覚えるこの問題の覚え方

「主回路側と操作側の2つの顔=リモコンリレー」。リモコン配線の3点セットは、トランス(電圧を下げる)→スイッチ(合図を出す)→リレー(大きな電気を入り切り)の順番で覚えておきましょう。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

イ.リモコン配線の操作電源変圧器として用いる … 表示の「AC 24V」を見て、「電圧を下げる器具だ」と思い込むパターンです。24Vは合図を受ける側の電圧で、もう一方に主回路側(20A・300V)があることから、リレーだと見分けられます。

ハ.リモコンリレー操作用のセレクタスイッチとして用いる … 「リモコン」「操作」という言葉につられて選ぶパターンです。セレクタスイッチは壁に付けるボタンの並んだスイッチで、写真の器具には押しボタンがありません。

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問18

分野:写真鑑別(工具)重要度 ★★★

写真に示す工具の用途は。

令和元年度上期 第二種電気工事士 筆記試験 問18 の写真
イ.硬質塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる。
ロ.合成樹脂製可とう電線管の接続加工に用いる。
ハ.ライティングダクトの曲げ加工に用いる。
ニ.金属管(鋼製電線管)の曲げ加工に用いる。
答え・解説を見る
正解

イ.硬質塩化ビニル電線管の曲げ加工に用いる。
この問題は何を聞いているの?

「写真の赤い道具は、何をするための工具ですか」と聞いている問題です。上に炎の出る筒(火口)が付いているのがポイントです。炎で何を温めるのかを考えれば答えにたどり着けます。

用語写真の工具の名前は?

この工具はトーチランプです。中の燃料を燃やして、先の筒から炎を吹き出す道具です。torch(トーチ)は英語で「たいまつ」のこと。

用語硬質塩化ビニル電線管(こうしつえんかびにるでんせんかん)とは?

電線を通して守るための、硬いプラスチック(塩化ビニル)でできた管です。灰色の水道用の塩ビ管によく似ています。金属管と違ってさびないので、湿気の多い場所などで使われます。

なぜ?なぜ硬質塩化ビニル電線管を曲げるのに炎を使うのか?

塩化ビニルは温めるとやわらかくなり、冷えると元の硬さに戻る性質があります。そこでトーチランプの炎で管をまんべんなく温めてやわらかくし、手で曲げ、そのまま冷やして形を固定します。鉄の管と違い、熱でやわらかくなるプラスチックの管だからこそ使えるやり方です。

他の3つの作業には何を使うのか

用語ロ.合成樹脂製可とう電線管(かとうでんせんかん)の接続 → カップリングなど

可とう電線管とは、手で自由に曲げられる、じゃばら状のプラスチックの管です。「可とう」は「曲げられる」という意味です。管どうしはカップリングという部品に差し込んでつなぐので、炎で温める必要はありません。

用語ハ.ライティングダクトの曲げ → 曲げない

ライティングダクトとは、天井に取り付ける細長い金属のレールで、好きな位置に照明器具を付け替えられるものです。お店のスポットライトがよく付いています。中に電気の通り道が入った製品なので、現場で炎を当てて曲げることはしません。

用語ニ.金属管の曲げ → パイプベンダ

鉄の管は、トーチランプで温めた程度では手で曲げられるほどやわらかくなりません。金属管はパイプベンダという、てこの力で曲げる工具を使います。

言葉で考える、答えの出し方

ステップ1 写真の工具は、炎を出すトーチランプだと見分ける。

ステップ2 炎で温めて加工する材料は、熱でやわらかくなるプラスチック。

ステップ3 選択肢で曲げ加工をするプラスチックの管は硬質塩化ビニル電線管だけ。可とう電線管はもともと手で曲がるので、温める必要がない。

ステップ4 答えはイ。

覚えるこの問題の覚え方

「炎で温めて曲げるのは塩ビ管、力で曲げるのは金属管(パイプベンダ)」。トーチランプの写真が出たら、「硬質塩化ビニル電線管の曲げ」と結びつけて覚えましょう。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

ニ.金属管(鋼製電線管)の曲げ加工に用いる … 「金属は熱すると曲がる」というイメージで選んでしまうパターンです。電気工事で金属管を曲げるときは、炎ではなくパイプベンダを使います。

ロ.合成樹脂製可とう電線管の接続加工に用いる … 「プラスチックの管なら炎を使う」と考えて選ぶパターンです。可とう電線管はもともと手で曲げられる管で、接続も部品に差し込むだけです。

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問19

分野:施工(電線の接続)重要度 ★★★

単相100 Vの屋内配線工事における絶縁電線相互の接続で,不適切なものは。

イ.絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分被覆した。
ロ.電線の引張強さが15 %減少した。
ハ.電線相互を指で強くねじり,その部分を絶縁テープで十分被覆した。
ニ.接続部の電気抵抗が増加しないように接続した。
答え・解説を見る
正解

ハ.電線相互を指で強くねじり,その部分を絶縁テープで十分被覆した。
この問題は何を聞いているの?

「家の中の配線で、電線どうしをつなぐときのやり方として、間違っているものはどれですか」と聞いている問題です。電線のつなぎ方には法令で決められた条件があり、その条件に合わないものを選びます。

用語単相100V(たんそう100ボルト)とは?

家庭用コンセントと同じ、100Vの電気のことです。家の照明やコンセントの配線の多くが、この電気を使っています。

用語絶縁電線(ぜつえんでんせん)とは?

電気を通す銅線のまわりを、電気を通さないビニルなど(絶縁物)で包んだ電線です。電線どうしをつなぐときは、つなぐ部分の絶縁物をはがして、銅線どうしを触れさせる必要があります。

なぜ?なぜ電線のつなぎ方に決まりがあるのか?

つなぎ目は、電線の中でいちばん弱くなりやすい所です。つなぎ方が悪いと、つなぎ目で熱が出て火災になったり、引っぱられて抜けたり、むき出しの銅線に触れて感電したりします。そこで、どんなつなぎ方なら安全かが法令(電気設備の技術基準の解釈)で決められているのです。

電線をつなぐときの4つの条件

例法令で決められている主な条件

①電気抵抗を増加させない:つなぎ目で電気が流れにくくならないようにする。
②引張強さを20%以上減少させない:つなぎ目が、元の電線の強さの80%以上を保つようにする。
③接続管その他の器具を使用するか、ろう付けする:リングスリーブや差込形コネクタなどの接続用の部品を使うか、ろう(はんだ)で固める。
④絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分被覆する:むき出しの部分を、元の電線と同じくらい電気を通さない物で包む。

用語引張強さ(ひっぱりつよさ)とは?

電線を引っぱったとき、どれくらいの力まで切れずに耐えられるかという強さのことです。

用語電気抵抗(でんきていこう)とは?

電気の流れにくさのことです。つなぎ目の接触が悪いと、そこだけ電気が流れにくくなり、流れにくい所で熱が出ます。

4つの選択肢を条件と照らし合わせる

用語イ.同等以上の絶縁効力のあるもので十分被覆した → 適切

条件④そのものです。絶縁テープや、絶縁物の付いた接続部品で包めば、この条件を満たします。

用語ロ.引張強さが15%減少した → 適切

条件②は「20%以上減少させない」です。15%の減少なら、元の強さの85%が残っていて、決まりの80%以上を保っています。

例数字で確かめる

元の電線が100の力まで耐えられるとします。15%減ると、100 × 0.15 = 15 だけ弱くなり、100 − 15 = 85。決まりの下限は100の80%で80なので、85はこれを上回っています。

用語ニ.電気抵抗が増加しないように接続した → 適切

条件①そのものです。正しい使い方なので、選びません。

用語ハ.指で強くねじり、絶縁テープで被覆した → 不適切(これが答え)

絶縁テープで包んでいるので条件④は満たしていますが、条件③の「接続管その他の器具を使用するか、ろう付けする」を満たしていません。指でねじっただけでは、接続用の部品も使っていなければ、はんだで固めてもいないからです。

なぜ?なぜ指でねじっただけのつなぎ方はいけないのか?

指でねじっただけでは、銅線どうしの触れ合いが弱く、時間がたつとゆるんでくることがあります。ゆるむとつなぎ目の電気抵抗が大きくなり、熱が出て、テープの中で焦げたり火災につながったりします。だからリングスリーブで圧着する、差込形コネクタに差し込む、はんだで固めるなど、ゆるまない方法が求められているのです。

言葉で考える、答えの出し方

ステップ1 設問は「不適切なもの」を選ぶ形だと確かめる。

ステップ2 電線の接続の条件を思い出す。抵抗を増やさない/強さを20%以上減らさない/器具を使うかろう付け/十分に絶縁。

ステップ3 ロの15%減少は、20%未満なので問題なし。イとニは条件そのもの。

ステップ4 ハは指でねじるだけで、器具もろう付けも使っていない。答えはハ。

覚えるこの問題の覚え方

「抵抗は増やさない、強さは20%まで、つなぐのは器具かはんだ」。「ねじってテープ」だけでは不合格と覚えておきましょう。強さの数字は「20%以上減らさない=80%以上残す」と、両方の言い方で言えるようにしておくと安心です。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

ロ.電線の引張強さが15 %減少した … 「強さが減ったらだめ」と考えて選んでしまうパターンです。決まりは20%以上減らさないことなので、15%の減少は認められている範囲です。

問20

分野:施工(工事の決まり)重要度 ★★★

100 Vの低圧屋内配線工事で,不適切なものは。

イ.フロアダクト工事で,ダクトの長さが短いのでD種接地工事を省略した。
ロ.ケーブル工事で,ビニル外装ケーブルと弱電流電線が接触しないように施設した。
ハ.金属管工事で,ワイヤラス張りの貫通箇所のワイヤラスを十分に切り開き,貫通部分の金属管を合成樹脂管に収めた。
ニ.合成樹脂管工事で,その管の支持点間の距離を1.5 mとした。
答え・解説を見る
正解

イ.フロアダクト工事で,ダクトの長さが短いのでD種接地工事を省略した。
この問題は何を聞いているの?

「家や建物の中の100Vの配線工事で、決まりに合っていないものはどれですか」と聞いている問題です。4つの選択肢はそれぞれ別の種類の工事の話なので、1つずつ決まりと照らし合わせていきます。

用語低圧屋内配線工事(ていあつおくないはいせんこうじ)とは?

建物の中で、600V以下の電気を送る電線を取り付ける工事のことです。家庭の100Vや200Vの配線は、すべて低圧です。

イ.フロアダクト工事のD種接地工事

用語フロアダクト工事とは?

事務所などの床の中に、電線を通すための金属の通り道(ダクト)を埋め込む工事です。床のあちこちにコンセントを出せるので、机の配置が変わる事務所で使われます。

用語D種接地工事(ディーしゅせっちこうじ)とは?

電線を入れる金属の管や箱などを、電線で地面とつないでおく工事のうち、300V以下の配線で使う種類です。「アース」とも呼ばれます。

なぜ?なぜ金属のダクトを地面とつないでおくのか?

中の電線の皮が傷むと、電気が金属のダクトへ漏れる(漏電する)ことがあります。そのダクトに人が触れると、人の体を通って電気が地面へ流れ、感電します。ダクトを地面とつないでおけば、漏れた電気は人より流れやすいアースの線を通って地面へ逃げるので、感電の危険が小さくなるのです。

用語イ.長さが短いのでD種接地工事を省略した → 不適切(これが答え)

フロアダクト工事では、ダクトにD種接地工事を施すことが決められていて、長さが短いからといって省略できる決まりはありません。

なぜ?なぜ「短いから省略」が認められないのか?

金属管工事などでは、管の長さが短く、乾燥した場所であるなど、条件をそろえたときに限って接地を省略できる決まりがあります。ところがフロアダクト工事の決まりには、この省略の条件が書かれていません。「金属管なら省略できる場合がある」ことと混同しないようにしましょう。

ロ.ケーブルと弱電流電線

用語弱電流電線(じゃくでんりゅうでんせん)とは?

電話線・インターネットの線・インターホンの線など、とても弱い電気しか流れない電線のことです。

用語ロ.接触しないように施設した → 適切

ケーブル工事では、ケーブルが弱電流電線に触れないように施設することが決められています。選択肢はこの決まりどおりなので、正しい工事です。

なぜ?なぜ電力のケーブルと弱電流電線を触れさせないのか?

100Vの電線と、弱い電気しか流れない電話線などが触れていると、電線が傷んだときに弱電流電線に100Vの電気が入り込み、電話機などの機械が壊れたり、受話器を持った人が感電したりするおそれがあるからです。

ハ.金属管がワイヤラスを貫通する部分

用語ワイヤラスとは?

建物の外壁などで、モルタル(セメントに砂を混ぜた壁の材料)を塗る下地に使う、金網のことです。金属でできているので、電気を通します。

用語ハ.ワイヤラスを切り開き、金属管を合成樹脂管に収めた → 適切

金属管がワイヤラスの壁を通り抜ける所では、ワイヤラスを十分に切り開き、金属管を電気を通さない合成樹脂管(プラスチックの管)などに収めて、金属管とワイヤラスが触れないようにする決まりです。選択肢はそのとおりにしています。

なぜ?なぜ金属管とワイヤラスを触れさせてはいけないのか?

金属管に漏電が起きたとき、金属管がワイヤラスに触れていると、壁一面の金網に電気が広がってしまうからです。壁に触れた人が感電したり、電気の流れで熱が出て火災になったりするおそれがあります。

ニ.合成樹脂管の支持点間の距離

用語支持点間(しじてんかん)の距離とは?

管を壁や天井に留める金具と金具の間の長さのことです。間が長すぎると、管がたわんだり外れたりします。

用語ニ.支持点間の距離を1.5mとした → 適切

合成樹脂管工事では、支持点間の距離を1.5m以下にする決まりです。1.5mはちょうど上限で、「以下」には1.5mも含まれるので、決まりを守っています。

なぜ?なぜ合成樹脂管は留める間隔を短くするのか?

プラスチックの管は鉄の管よりやわらかく、温度が上がると曲がりやすいからです。こまめに留めておかないと、管が垂れ下がったり、ゆがんだりします。

言葉で考える、答えの出し方

ステップ1 設問は「不適切なもの」を選ぶ形だと確かめる。

ステップ2 ロ(ケーブルと弱電流電線を離す)、ハ(ワイヤラスと金属管を絶縁する)は、どちらも決まりどおり。

ステップ3 ニの1.5mは、合成樹脂管の支持点間の上限1.5m以下に収まっている。

ステップ4 イのフロアダクトのD種接地工事は省略できない。答えはイ。

覚えるこの問題の覚え方

「フロアダクトは床の中=水と人。だから接地は省略なし」。短いから省略できる場合があるのは金属管の話です。数字は合成樹脂管の支持点間=1.5m以下をセットで覚えておきましょう。

間違えた人が選びやすい選択肢

なぜ?なぜその選択肢を選んでしまうのか?

ニ.合成樹脂管工事で,その管の支持点間の距離を1.5 mとした … 「1.5m以下」の決まりを「1.5m未満」と取り違えて、「ちょうど1.5mはだめ」と選んでしまうパターンです。「以下」は1.5mちょうども含みます。

ハ.金属管を合成樹脂管に収めた … 「金属管工事なのにプラスチックの管を使うのはおかしい」と感じて選ぶパターンです。ワイヤラスを通る部分では、金属管とワイヤラスを電気的に離すために、合成樹脂管などに収めるのが正しいやり方です。

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この記事のまとめ

問11〜20でおさえた内容を、1問1行でふり返ります。解き終わったあとにここだけ読み返すと、記憶に残りやすくなります。

まとめこの10問で必ず持ち帰ること

問11 アウトレットボックス … アウトレット=出口。電線を引き出す・つなぐ・通しやすくする箱。ブレーカーを並べるのは分電盤

問12 ビニルコード … ビニルは熱に弱い。こたつ・こんろ・トースターなど熱を出す器具には使えない。扇風機は使える

問13 金属管の切断と曲げ … 金切りのこで切る→リーマで内側を整える→パイプベンダで曲げる。トーチランプは塩ビ管用

問14 モーターの回転速度 … 120×周波数÷極数。50Hz・6極=1 000 min-1。実際は少しだけ遅い

問15 太陽光発電 … パネルは直流、家は交流。直流を交流に変えるのがパワーコンディショナ

問16 合成樹脂製スイッチボックス … 縦長・小さい・上下にねじ穴。住宅でスイッチやコンセントを付ける箱

問17 リモコンリレー … 主回路側(20A・300V)と操作側(24V)の2つの顔。弱い合図で大きな電気を入り切り

問18 トーチランプ … 炎で温めて硬質塩化ビニル電線管を曲げる。金属管はパイプベンダ

問19 電線の接続 … 抵抗を増やさない・強さは20%以上減らさない・器具かろう付け・十分に絶縁。指でねじってテープは不可

問20 工事の決まり … フロアダクトのD種接地は省略できない。合成樹脂管の支持点間は1.5m以下

この10問は、「知っていれば一瞬で解けるが、知らなければ手が出ない」問題が中心でした。そのぶん、覚えたことがそのまま点数につながりやすい分野です。

覚えるときのコツは、名前を単語として覚えるのではなく、その物の仕事と結びつけることです。アウトレットボックスは「電線の出口になる箱」、パイプベンダは「管を曲げる道具」、パワーコンディショナは「電気の状態を整える機器」——名前の意味が分かると、写真を見た瞬間に名前が浮かび、名前を見た瞬間に用途が浮かぶようになります。

また、この範囲では設問が「適切なもの」を聞いているのか、「不適切なもの」を聞いているのかが問題ごとに入れ替わります。この10問でも、問11・問19・問20は「不適切」、問12・問13は「使用できる・適切」を選ぶ形でした。設問の最後の一文に印をつけてから選択肢を読むようにすると、うっかりミスを減らせるでしょう。

出典

2019年度上期第二種電気工事士試験
問題・図・写真・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。

あわせて読みたい(第二種電気工事士 令和元年度上期 全5記事)

▶ 問1〜10
計算のきほん(電圧降下・単相3線式・許容電流・幹線と分岐回路 ほか)

▶ 問21〜30
施工・検査・法令(ルームエアコンの工事方法・接地工事 ほか)

▶ 配線図 問31〜40
配線図の読み取り(図記号・電線本数・工事の決まり)

▶ 配線図 問41〜50
配線図の続き(材料・器具・工具を写真から選ぶ)

用語からつまずいた人へ(やさしい基礎解説)

▶ オームの法則と直列・並列
電圧・電流・抵抗のきほんから

▶ W・Wh・Jの違い
電力・電力量・熱量

▶ 単相2線式・単相3線式・三相3線式
配線方式のちがい

▶ 配線図の図記号の読み方
スイッチ・コンセント・照明の記号

▶ 電線とケーブルの種類・許容電流
VVF・IV・1.6mm=27Aなどの暗記ポイント

▶ 電線管の種類と配線工事
金属管・VE・PF・CD管のちがいと付属品

▶ 幹線と分岐回路の決まり
幹線の計算とブレーカー×電線×コンセントの表

▶ 複線図の書き方【3ステップ】
電線の本数もリングスリーブもこれで数えられる

▶ 検査と測定器のきほん
「見る→測る→通す」と測定器の見分け方

▶ 法令のきほん
工事士法=人/用品安全法=モノ/事業法=設備

▶ モーターと進相コンデンサ
回転速度・始動電流・力率改善

学科のあとは、技能試験の準備が要ります

技能試験は40分で実際に配線を組み立てる試験です。工具と練習用の材料がないと1問も練習できません。通信講座は必要か、材料は買うか借りるか——実際の価格で比べました。

▶ 通信講座5社と工具・材料の費用を比較する