本番形式の模擬試験 | 第1回 | 学習カリキュラムの目次を見る

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いきなり35問はきつい、用語からあやしい——という方は、先に「学ぶ」記事を読んでから戻ってくると、正答率がまったく変わります。

▶ 学習スタートガイド(何から勉強する?)

▶ 第1回 危険物・乙4とは?

乙4の本番=35問・2時間・各科目60%以上で合格① 危険物に関する法令15問 - 合格に必要なのは 9問以上15問② 基礎的な物理学及び基礎的な化学10問 - 合格に必要なのは 6問以上10問③ 危険物の性質・火災予防・消火の方法10問 - 合格に必要なのは 6問以上10問3つのうち1つでも60%を割ると、合計が高くても不合格

この記事でわかること

  • 本番とまったく同じ配分(法令15問・物理化学10問・性質消火10問=35問)で、実力をたしかめられます
  • 科目ごとに何問正解できたかを数えれば、合格ラインに届いているかがすぐ分かります
  • 知識ゼロでも分かるように、5つの選択肢すべてに「なぜそうなるか」を書きました
  • まちがえた分野は、記事の最後の一覧からその分野の「学ぶ」記事へ直行できます

危険物取扱者試験は、実際に出た問題が公表されていません。そこでこの記事では、出題範囲と過去の傾向をもとに、本番と同じ形式・同じ問題数のオリジナル模擬試験を用意しました。本番そのままの問題ではありませんが、ねらわれる急所は同じです。

乙4の試験は5択(5つの中から1つを選ぶ)で35問、試験時間は2時間です。まずは解説を開かずに35問を通しで解いてから、答え合わせをするとよいでしょう。

例合格ラインは「各科目60%以上」=1科目でも落とすと不合格

①危険物に関する法令=15問中9問以上(60%)

②基礎的な物理学及び基礎的な化学=10問中6問以上(60%)

③危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法=10問中6問以上(60%)

合計点がどれだけ高くても、3科目のうち1つでも60%を割ると不合格になります。例えば法令15問全問正解でも、物理化学が5問しか取れなければ落ちます。苦手科目を捨てないのが乙4の鉄則です。

解き終わったら、科目ごとに正解数を数えてください。「合計は取れているのに、性質・消火だけ5問」——これが不合格によくあるパターンです。

①危険物に関する法令(15問)

製造所等のルール・免状・数量・手続き。まずは「だれが・何を・いつまでに」を押さえる科目です。

この模擬試験について

この35問は、ゼロパスが独自に作成したオリジナルの予想問題です。過去の出題傾向をもとに、本番と同じ構成(法令15問・物理化学10問・性質10問)で作っています。実際の試験問題の転載ではありません。
※本番の出題内容は、一般財団法人 消防試験研究センターの公表情報をご確認ください。

問1

分野:指定数量の倍数重要度 ★★★法令

軽油1,000L、重油2,000L、ギヤー油3,000Lを同一の場所で貯蔵する場合、指定数量の倍数として正しいものはどれか。

(1)1.5倍

(2)2.0倍

(3)2.5倍

(4)3.0倍

(5)3.5倍

答え・解説を見る

正解

(3)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「指定数量の倍数はいくつか」を計算させる問題です。品名が違う危険物を一緒に置いたとき、それぞれを指定数量で割って、出てきた数を全部足す——やることはこれだけ。難しいのは計算ではなく、軽油・重油・ギヤー油がそれぞれ何の品名で、指定数量が何Lかを覚えているかどうかです。そこを先に説明します。

用語指定数量とは?

指定数量とは、危険物ごとに法律で決められた「これ以上扱うなら消防署の管理下に入りなさい」という量の境目のことです。なぜ品名ごとに量が違うのか?——危険なものほど、少ない量で大きな火事になるからです。例えばガソリンは200Lで境目に達しますが、てんぷら油の仲間である動植物油類は10,000Lまで達しません。危険なものほど指定数量は小さいと考えると分かります。

用語指定数量の倍数とは?

「いま置いてある量が、指定数量の何個ぶんか」を表す数字です。式にすると倍数=実際の貯蔵量 ÷ その品名の指定数量。なぜ足し算でよいのか?——品名が違っても「危険の総量」は積み重なるからです。そこで法令は、品名ごとに倍数を出してから合計し、合計が1以上になれば「指定数量以上」として同じ規制をかけることにしています。

用語今回の3つは何の品名なのか?

軽油=第2石油類(非水溶性)で指定数量1,000L(非水溶性=水に溶けない性質)。重油=第3石油類(非水溶性)で指定数量2,000L。ギヤー油=第4石油類で指定数量6,000L。ギヤー油は歯車に使うねばねばした油で、引火点(火を近づけたときに燃え始める最低の液温)が200℃以上と非常に高く、火が付きにくいぶん指定数量が大きいのです。

コツ1ステップずつ計算してみる

ステップ1:軽油 1,000L ÷ 1,000L = 1.0(ちょうど指定数量1個ぶん)

ステップ2:重油 2,000L ÷ 2,000L = 1.0(これも1個ぶん)

ステップ3:ギヤー油 3,000L ÷ 6,000L = 0.5(6,000Lで1個ぶんなので、その半分)

ステップ4:全部足す 1.0 + 1.0 + 0.5 = 2.5倍

よって答えは2.5倍。合計が1以上なので、この場所は「指定数量以上を扱う場所」にあたり、市町村長等(許可を出す役所の長)の許可を受けた製造所等(危険物を作る・置く・扱う施設)でなければ貯蔵できません。

❌(1)1.5倍

1.5倍は誤りです。これは3つのうちどれか1つを数え忘れたときに出る数字です。例えば重油の1.0を足し忘れると、1.0+0.5=1.5になります。

倍数の計算は「置いてあるものを1つも飛ばさない」のが第一歩です。品名を書き出して、指定数量を横に書いてから割り算する習慣をつけてください。

❌(2)2.0倍

2.0倍は誤りです。これはギヤー油の0.5を切り捨ててしまったときの数字です。

倍数に「1未満は数えない」というルールはありません。0.5だろうと0.1だろうと、すべてそのまま足します。むしろ「1つ1つは指定数量未満なのに、合計すると1を超える」という状況こそ法令が狙って規制している場面です。

⭕(3)2.5倍

2.5倍が正しい答えです。軽油1.0+重油1.0+ギヤー油0.5=2.5となります。

ポイントはギヤー油の指定数量が6,000Lと大きいことです。3,000L置いても半分(0.5)にしかならない。ここを1.0や0.3と勘違いすると答えがずれます。

また、この場所は倍数が1以上なので「指定数量以上」にあたり、許可を受けた製造所等でなければ貯蔵できません。

❌(4)3.0倍

3.0倍は誤りです。これはギヤー油を「1.0」と数えてしまったときに出る数字です。

ギヤー油3,000Lは、指定数量6,000Lの半分しかありません。「3,000Lも置いてあるのだから1個ぶんはあるだろう」という感覚で答えると間違えます。感覚ではなく、必ず割り算してください。

❌(5)3.5倍

3.5倍は誤りです。これはギヤー油を6,000Lではなく2,000Lで割ったとき(3,000÷2,000=1.5)に出る数字です。

第3石油類(重油など)が2,000L、第4石油類(ギヤー油など)が6,000Lと決まっています。石油類は番号が大きいほど引火点が高く、指定数量も大きくなる——この順番で覚えると取り違えません。

覚える覚え方

石油類の指定数量は「1・2・3・4」の番号が上がるほど、火が付きにくくなって、置いてよい量が増えるとイメージすると忘れません。非水溶性でいうと第1石油類200L → 第2石油類1,000L → 第3石油類2,000L → 第4石油類6,000L、そして最後の動植物油類が10,000L。数字が大きいほど「安全側」です。計算は「割って、足すだけ」。0.5のような半端も必ず足します。

まとめこの問題のまとめ

倍数=それぞれの量÷指定数量、を全部足す。軽油1,000L(指定数量1,000L)=1.0、重油2,000L(同2,000L)=1.0、ギヤー油3,000L(同6,000L)=0.5。合計2.5倍。

問2

分野:危険物の定義重要度 ★★☆法令

消防法上の危険物について、次のうち正しいものはどれか。

(1)危険物とは、消防法別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じた性状を示すものをいう。

(2)危険物は、第1類から第7類までに分類されている。

(3)第4類の危険物は、すべて水より軽く、水に溶けない。

(4)常温(20℃)で気体である物品も、可燃性であれば消防法上の危険物に含まれる。

(5)危険物にあたるかどうかは、製造所等ごとに市町村長が個別に指定する。

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正解

(1)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「そもそも消防法でいう危険物とは何か」をたずねる、いちばん土台の問題です。第1回で学ぶ内容ですが、ここがあいまいだと法令15問の多くでつまずきやすくなるので、用語から丁寧に確認します。

用語消防法上の危険物とは?

消防法上の危険物とは、消防法の別表第一という一覧表に名前が載っていて、決められた性質の試験に当てはまる固体または液体のことです。なぜ「一覧表に載っているもの」と決めているのか?——「危険なもの」という言葉だけでは人によって判断がぶれてしまうからです。国があらかじめ表で線引きしておけば、全国どこでも同じ扱いができます。

用語危険物の6つの類とは?

危険物は第1類から第6類までの6つに分けられています。第1類=酸化性固体、第2類=可燃性固体、第3類=自然発火性物質及び禁水性物質、第4類=引火性液体、第5類=自己反応性物質、第6類=酸化性液体。なぜ第7類がないのか?——6つの性質で危険物を分類しきれる、と法律が定めているからです。「7類」という言葉が出てきたら、その時点で誤りだと判断できます。

用語第4類(引火性液体)とは?

引火性液体とは、火を近づけると燃える蒸気を出す液体のことです。ガソリン・灯油・軽油・重油・アルコールなどが入ります。なぜ「引火性」と呼ぶのか?——液体そのものが燃えているのではなく、液面から立ち上った蒸気が空気と混ざって燃えるからです。「火を引き寄せて付く」という意味で引火といいます。

⭕(1)危険物とは、消防法別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じた性状を示すものをいう。

これが正しい記述です。消防法第2条第7項は、危険物を「別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するもの」と定義しています。

かみ砕くと「表に名前が載っていて、しかも決められた試験の結果が基準に当てはまるもの」です。名前が載っているだけでも、性質だけが似ているだけでも認められず、両方そろって初めて危険物になります。

❌(2)危険物は、第1類から第7類までに分類されている。

誤りです。危険物は第1類から第6類までの6つに分類されています。第7類はありません。

試験ではこの「7類」のような存在しない区分を混ぜてくることがあります。6つという数字だけは、まず確実に覚えてください。

❌(3)第4類の危険物は、すべて水より軽く、水に溶けない。

誤りです。第4類には水より重いものも水に溶けるものもあります。

水より重い代表が二硫化炭素(液比重約1.26)で、水に沈むため水を張って貯蔵します。水に溶ける代表はメタノール・エタノール・アセトン・グリセリンなどです。

「第4類=水より軽くて水に溶けない」は多くのものに当てはまる傾向にすぎず、「すべて」と言い切った時点で誤りになります。「すべて」「必ず」「例外なく」という言葉が出たら要注意です。

❌(4)常温(20℃)で気体である物品も、可燃性であれば消防法上の危険物に含まれる。

誤りです。消防法上の危険物は固体または液体だけで、気体は含みません。

なぜ気体は入らないのか?——プロパンや水素などの可燃性ガスは、高圧ガス保安法という別の法律で管理されているからです。法律の守備範囲を分けて、二重規制にならないようにしています。

「常温で気体の危険物」という選択肢が出たら、その場で誤りと判断できます。

❌(5)危険物にあたるかどうかは、製造所等ごとに市町村長が個別に指定する。

誤りです。危険物にあたるかどうかは消防法(および政令)であらかじめ決まっており、市町村長が施設ごとに指定するものではありません。

市町村長等が行うのは、製造所等の設置・変更の許可や使用停止命令といった「施設に対する処分」です。「何が危険物か」を決めるのは国、「その施設を使ってよいか」を決めるのが市町村長等——この役割分担で覚えると混乱しません。

覚える覚え方

危険物は6類まで・固体と液体だけ。この2つを唱えるだけで、「第7類」「気体も含む」というひっかけを即座に切れます。そして第4類だけが「引火性液体」=全部が液体。気体はガスの法律、固体は他の類、というふうにすみ分けをイメージすると忘れません。

まとめこの問題のまとめ

危険物=消防法別表第一に品名が載っていて、定められた性状を示す固体または液体。分類は第1類〜第6類の6つで、気体は含まない。第4類は「すべて水より軽い・水に溶けない」わけではない。

問3

分野:免状重要度 ★★★法令

危険物取扱者免状について、次のうち正しいものはどれか。

(1)免状を亡失して再交付を受けた者が、亡失した免状を発見したときは、これを10日以内に再交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない。

(2)免状は、交付を受けた都道府県の区域内でのみ効力を有する。

(3)乙種第4類の免状を受けていれば、丙種が取り扱える範囲に限り、第4類以外の危険物も取り扱うことができる。

(4)免状の返納を命ずることができるのは、その製造所等の所在地を管轄する市町村長である。

(5)免状に貼る写真は、5年以内ごとに書換えをしなければならない。

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正解

(1)が正しい

この問題は何を聞いているのか

免状(めんじょう=危険物取扱者であることを証明する国家資格のカード)のルールを聞く問題です。効力の範囲・書換え・再交付・返納という4つの論点が1問にまとめて入っています。1つずつ、何のための決まりなのかを見ていきます。

用語危険物取扱者免状とは?

危険物取扱者免状とは、危険物を扱う資格を持っていることを証明するカード状の証明書です。甲種・乙種・丙種の3種類があり、乙種はさらに第1類〜第6類に分かれています。なぜ類ごとに分かれているのか?——危険物は類ごとに性質も消し方もまったく違うため、「自分が扱う類のことは分かっている人」に限って作業をさせるためです。

用語乙種第4類でできることは?

第4類(引火性液体)だけを、自分で取り扱い、また資格のない人が取り扱うときの立会いができます。なぜ他の類は扱えないのか?——試験で第4類しか勉強していないからです。ちなみに甲種は全部の類、丙種はガソリン・灯油・軽油・重油など決められた品目に限られ、しかも丙種は立会いができません。

用語免状の書換えと再交付の違いは?

書換え=記載内容が変わったとき(氏名や本籍地が変わった、写真が10年たった)に中身を直してもらう手続きです。再交付=なくした・破った・汚したときにもう1枚出してもらう手続きです。なぜ写真に期限があるのか?——顔が変わると本人確認ができなくなるため、撮影から10年以内ごとに貼り替えることになっています。

⭕(1)免状を亡失して再交付を受けた者が、亡失した免状を発見したときは、これを10日以内に再交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない。

これが正しい記述です。免状をなくして再交付を受けた後に元の免状を見つけた場合は、発見した日から10日以内に、再交付を受けた都道府県知事へ見つけたほうの免状を提出しなければなりません。

なぜ提出しなければならないのか?——そのままだと同じ人が有効な免状を2枚持っている状態になり、1枚を他人に貸すなどの不正ができてしまうからです。「1人1枚」に戻すための決まりだと理解すると忘れません。

❌(2)免状は、交付を受けた都道府県の区域内でのみ効力を有する。

誤りです。免状は全国どこでも効力を持ちます。

なぜ全国で使えるのか?——試験を実施しているのは都道府県ですが、根拠になっている消防法は国の法律だからです。東京都で取った免状を持って大阪で働いても、そのまま通用します。

ただし手続きの窓口は都道府県知事なので、「効力は全国・手続きは知事」と分けて覚えてください。

❌(3)乙種第4類の免状を受けていれば、丙種が取り扱える範囲に限り、第4類以外の危険物も取り扱うことができる。

誤りです。乙種第4類の免状で取り扱えるのは第4類だけです。「丙種の範囲なら他の類も」というような上乗せのルールはありません。

そもそも丙種が扱えるのはガソリン・灯油・軽油・第3石油類(重油、潤滑油、引火点130℃以上のもの)・第4石油類・動植物油類で、これらはすべて第4類の中の品目です。丙種は「第4類の一部だけを扱える免状」なので、他の類が出てくる余地がありません。

❌(4)免状の返納を命ずることができるのは、その製造所等の所在地を管轄する市町村長である。

誤りです。免状の返納を命ずることができるのはその免状を交付した都道府県知事です。市町村長ではありません。

免状に関することは知事、施設に関することは市町村長等——これが法令科目を通じての大原則です。製造所等の設置許可・使用停止命令は市町村長等、免状の交付・書換え・再交付・返納命令は都道府県知事です。

返納が命じられるのは、法令に違反したとき(保安講習を受けないなど)が該当します。

❌(5)免状に貼る写真は、5年以内ごとに書換えをしなければならない。

誤りです。写真の書換えは10年以内ごとで、5年ではありません。

正確には「免状に貼ってある写真が撮影された日から10年を経過する前に書換えを申請する」というルールです。

書換えの申請先は、免状を交付した知事のほか、居住地または勤務地の都道府県知事でも受け付けてもらえます。引っ越しても近くの窓口で手続きできるようにした配慮です。

覚える覚え方

免状まわりの数字は「10」でそろっていると覚えると楽です。写真は10年ごとに書換え/見つけた免状は10日以内に提出。そして窓口は免状のことは全部「都道府県知事」。市町村長が出てきたら、それは施設の話であって免状の話ではありません。

まとめこの問題のまとめ

免状は全国で有効。乙4で扱えるのは第4類だけ。写真の書換えは10年以内ごと、亡失した免状を発見したら10日以内に提出。返納命令を出すのは交付した都道府県知事。

問4

分野:保安講習重要度 ★★☆法令

危険物取扱者の保安講習について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)受講しなければならないのは、製造所等で危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者である。

(2)免状を持っていても、危険物の取扱作業に従事していない者には受講義務がない。

(3)新たに危険物の取扱作業に従事することとなった者は、原則として従事することとなった日から1年以内に受講しなければならない。

(4)継続して従事している者は、講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内ごとに受講しなければならない。

(5)定められた期間内に保安講習を受けなかった場合、その者の免状はその日をもって自動的に効力を失う。

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正解

(5)が誤り

この問題は何を聞いているのか

保安講習(ほあんこうしゅう)をだれが・いつ受けるのか、そして受けないとどうなるのかを聞く問題です。「免状を持っている人全員が受ける」と思い込んでいると足をすくわれます。

用語保安講習とは?

保安講習とは、危険物を扱う現場で働いている危険物取扱者が、定期的に受け直す講習のことです。なぜ定期的に受け直す必要があるのか?——法令は改正されますし、事故の教訓もあとから積み上がります。免状を取った当時の知識のままでは現場が危険なので、知識を新しくするために受け直させるのです。

用語だれが受けるのか?

「製造所等で危険物の取扱作業に現に従事している危険物取扱者」だけです。なぜ全員ではないのか?——この講習の目的は現場の事故を防ぐことだからです。免状は持っているが事務職で危険物にさわらない、という人には受けさせる意味がありません。逆に、免状を持たずに立会いのもとで作業している人は、そもそも危険物取扱者ではないので対象外です。

覚える受講の時期(ここが問われる)

①新しく従事することになった人 従事することとなった日から1年以内に受講。

②ただし例外 従事することになった日からさかのぼって2年以内に免状の交付を受けた人、または講習を受けた人は、その交付・受講の日以後の最初の4月1日から3年以内でよい。(=取りたてホヤホヤの知識なら、すぐ受け直さなくてよいということ)

③その後はずっと 講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内ごとに繰り返し受講。

数字のまとめ 新規は1年、例外の入口は2年、繰り返しは3年。1・2・3と並ぶので覚えやすい数字です。

⭕(1)受講しなければならないのは、製造所等で危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者である。

正しい記述です。受講義務があるのは製造所等で危険物の取扱作業に現に従事している危険物取扱者です。

「危険物取扱者であること」と「作業に従事していること」の両方がそろって、初めて義務になります。

⭕(2)免状を持っていても、危険物の取扱作業に従事していない者には受講義務がない。

正しい記述です。免状を持っていても、危険物の取扱作業に従事していなければ受講義務はありません。

例えば免状を取っただけで別の仕事をしている人、退職した人などが当てはまります。講習の目的が現場の事故防止である以上、当然の扱いです。

⭕(3)新たに危険物の取扱作業に従事することとなった者は、原則として従事することとなった日から1年以内に受講しなければならない。

正しい記述です。新たに従事することになった人は、従事することとなった日から1年以内に受講します。

ただし、その日からさかのぼって2年以内に免状の交付を受けた人・講習を受けた人は例外で、その日以後の最初の4月1日から3年以内でかまいません。知識が新しいうちは急いで受け直さなくてよいという考え方です。

⭕(4)継続して従事している者は、講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内ごとに受講しなければならない。

正しい記述です。2回目以降は講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内ごとに受講します。

なぜ「4月1日」が基準なのか?——受講日そのものを起点にすると人によって期限がバラバラになるため、年度の始まりにそろえて管理しやすくしているのです。

❌(5)定められた期間内に保安講習を受けなかった場合、その者の免状はその日をもって自動的に効力を失う。

これが誤りです。期間内に受講しなかったからといって、免状が自動的に失効することはありません。

実際には、講習を受けないことは法令違反にあたるため、免状を交付した都道府県知事から「免状の返納命令」を受けることがある——という扱いです。命令があって初めて免状を返すことになるのであって、放っておいて勝手に消えるわけではありません。

試験では「自動的に失効する」「ただちに無効となる」という言い回しが出ることがありますが、危険物の法令には自動失効の仕組みがないので、見かけたら誤りを疑ってください。

覚える覚え方

時期の数字は1・2・3で並べて覚えます。新しく従事したら1年以内/直前2年以内に免状か講習があれば猶予/その後は「受講した日以後の最初の4月1日から3年以内」ごと。そして受けなくても免状は勝手に消えない——知事が「返しなさい」と命令して、初めて手放すことになります。資格は勝手に消えず、取り上げられるとイメージしてください。

まとめこの問題のまとめ

保安講習は「現に危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者」だけが対象。新規は1年以内、以後は受講日以後の最初の4月1日から3年以内ごと。受けなくても自動失効はしないが、返納命令の対象になる。

問5

分野:保安監督者重要度 ★★☆法令

危険物保安監督者について、次のうち正しいものはどれか。

(1)すべての製造所等において、必ず定めなければならない。

(2)危険物保安監督者を定めたときは、市町村長等の承認を受けなければならない。

(3)危険物保安監督者になるには、甲種または乙種の免状のほかに、製造所等における3年以上の実務経験が必要である。

(4)移動タンク貯蔵所では、危険物保安監督者を定める必要がない。

(5)丙種危険物取扱者であっても、実務経験があれば危険物保安監督者になることができる。

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正解

(4)が正しい

この問題は何を聞いているのか

現場の安全を仕切る責任者=危険物保安監督者について、どこに置くのか・だれがなれるのか・置いたあと何をするのかを聞く問題です。登場人物が多くて混乱しやすい分野なので、役割から整理します。

用語危険物保安監督者とは?

危険物保安監督者とは、製造所等ごとに選ばれる現場の安全責任者です。作業する人に指示を出したり、火災が起きたときに応急の措置をとったりします。なぜ現場ごとに置くのか?——事故は現場で起きるので、その場で判断して止められる人が必要だからです。本社の人が遠くから指示しても間に合いません。

用語だれがなれるのか?

甲種または乙種の危険物取扱者で、製造所等における危険物取扱いの実務経験が6か月以上ある人です(甲種でも実務経験6か月以上が必要です)。なぜ丙種はなれないのか?——丙種は取り扱える品目が限られており、しかも資格のない人への立会いができないからです。人に指示を出す立場である監督者には向きません。

用語選任したあとの手続きは?

定めたとき(選任)、やめさせたとき(解任)は、遅滞なく市町村長等へ「届出」をします。なぜ「許可」や「承認」ではないのか?——だれを監督者にするかは事業者が自分で決めてよいことだからです。役所は「決まった人を教えてください」と報告を受けるだけ、という関係です。

❌(1)すべての製造所等において、必ず定めなければならない。

誤りです。「すべての製造所等」ではありません。移動タンク貯蔵所(タンクローリー)は、危険物保安監督者を定める必要がありません。ほかにも、危険物の種類や指定数量の倍数によっては定めなくてよい施設があります。

なぜタンクローリーはいつも不要なのか?——決まった場所に建っている施設ではなく走って移動するので、「その場所の安全を監督する人」という考え方になじまないからです。そのかわり、実際に運転して危険物を運ぶ移送のときは、免状を持った人が乗り、免状を携帯するという別のルールでしばられています。

❌(2)危険物保安監督者を定めたときは、市町村長等の承認を受けなければならない。

誤りです。選任・解任したときは市町村長等への「届出」であり、承認は必要ありません。

届出=「決めましたので報告します」という一方向の連絡です。これに対し承認・許可・認可=「やってよいか役所に判断してもらう」手続きで、OKが出るまで先へ進めません。

危険物の法令では、設置・変更は「許可」、仮使用と仮貯蔵は「承認」、予防規程は「認可」、人の選任や譲渡は「届出」と使い分けられています。

❌(3)危険物保安監督者になるには、甲種または乙種の免状のほかに、製造所等における3年以上の実務経験が必要である。

誤りです。必要な実務経験は6か月以上で、3年ではありません。

3年という数字は保安講習を受け直す間隔のほうです。監督者の実務経験は6か月、講習の繰り返しは3年——数字が混ざりやすいので、セットで区別して覚えてください。

⭕(4)移動タンク貯蔵所では、危険物保安監督者を定める必要がない。

これが正しい記述です。危険物保安監督者を定めなくてよいのは移動タンク貯蔵所です。

逆に、製造所・屋外タンク貯蔵所・給油取扱所・移送取扱所は、危険物の種類や量にかかわらず必ず定めなければなりません。ガソリンスタンド(給油取扱所)に必ず責任者がいるのは、このためです。

❌(5)丙種危険物取扱者であっても、実務経験があれば危険物保安監督者になることができる。

誤りです。丙種危険物取扱者は、実務経験があっても危険物保安監督者になれません。

理由は丙種には立会いの権限がないためです。監督者は現場の作業に目を配り、資格のない人の作業に立ち会う場面もあるため、甲種または乙種であることが条件になっています。

覚える覚え方

「動くものには監督者を置かない」——移動タンク貯蔵所(タンクローリー)はいつでも不要だとイメージで押さえます。なれる人は甲か乙で、実務6か月。丙は不可(立会いができないから)。手続きは届出(報告するだけ)で、許可でも承認でもありません。

まとめこの問題のまとめ

危険物保安監督者は移動タンク貯蔵所では不要。資格は甲種または乙種+実務経験6か月以上(丙種は不可)。選任・解任は遅滞なく市町村長等へ届出。

問6

分野:手続き(許可・承認・認可・届出)重要度 ★★★法令

製造所等に関する手続きについて、次のうち誤っているものはどれか。

(1)製造所等を設置しようとする者は、市町村長等の許可を受けなければならない。

(2)指定数量以上の危険物を、10日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、所轄消防長又は消防署長の承認を受けなければならない。

(3)予防規程を定めたときは、市町村長等の認可を受けなければならない。

(4)製造所等の位置、構造又は設備を変更しないで、貯蔵する危険物の品名、数量又は指定数量の倍数を変更しようとする者は、変更しようとする日の10日前までに市町村長等に届け出なければならない。

(5)製造所等の譲渡又は引渡しがあったときは、譲受人又は引渡しを受けた者は、あらためて市町村長等の許可を受けなければならない。

答え・解説を見る

正解

(5)が誤り

この問題は何を聞いているのか

法令で取りこぼしやすいのが、この手続きの言葉づかいです。「許可」「承認」「認可」「届出」は日常語ではほとんど同じ意味に聞こえますが、法令ではまったく別物です。まずこの4語の違いから説明します。

用語許可・承認・認可・届出は何が違うのか?

許可=普段は禁止されていることを、特別にやってよいと認めてもらう手続きです(製造所等の設置・変更)。承認=例外的な扱いを、その場限りで認めてもらう手続きです(仮使用・仮貯蔵)。認可=自分たちで作ったルールに、役所のお墨付きをもらう手続きです(予防規程)。届出=決まったことを役所に報告するだけの手続きです(人の選任・譲渡・用途廃止など)。なぜ分ける必要があるのか?——許可・承認・認可はOKが出るまで先に進めないのに対し、届出は報告すればそれで済むからです。重さがまったく違います。

用語市町村長等とは?

市町村長・都道府県知事・総務大臣をまとめた呼び方です。なぜ3つもあるのか?——通常はその市町村の長が窓口ですが、施設が2つ以上の市町村にまたがる場合は都道府県知事、2つ以上の都道府県にまたがる場合は総務大臣と、規模に応じて窓口が上にあがっていく仕組みになっているからです。

覚える届出の期限は「10日前」と「遅滞なく」の2種類だけ

変更しようとする日の10日前まで ……品名・数量・指定数量の倍数の変更(=これから起きることなので、前もって知らせる)

遅滞なく ……製造所等の譲渡・引渡し/用途の廃止/危険物保安監督者の選任・解任(=もう起きてしまったことなので、速やかに知らせる)

見分け方 「これからやること」は10日前、「もう起きたこと」は遅滞なく。時間の向きで考えると迷いません。

⭕(1)製造所等を設置しようとする者は、市町村長等の許可を受けなければならない。

正しい記述です。製造所等の設置・変更は市町村長等の「許可」を受けなければなりません。

なぜ許可なのか?——危険物を大量に扱う施設は、周りの住民や建物に危険が及ぶおそれがあるからです。そのため「原則として禁止、審査を通った人だけに認める」という厳しいかたちを取っています。

許可を受けて工事をしたあとは、完成検査を受けて完成検査済証(基準どおりに完成したことを証明する書類)の交付を受けるまで、その施設を使うことはできません。

⭕(2)指定数量以上の危険物を、10日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、所轄消防長又は消防署長の承認を受けなければならない。

正しい記述です。仮貯蔵・仮取扱いは10日以内の期間について、所轄消防長または消防署長の「承認」を受けます。

ここだけ窓口が市町村長等ではありません。災害復旧や工事など急ぎの一時的な事情を想定した制度なので、もっとも現場に近い消防機関が判断するようになっているのです。

似た名前の「仮使用」とは別物です。仮使用は変更工事の間、工事に関係のない部分だけを使わせてもらう手続きで、こちらは市町村長等の承認です。

⭕(3)予防規程を定めたときは、市町村長等の認可を受けなければならない。

正しい記述です。予防規程は市町村長等の「認可」を受けます。変更するときも同じく認可が必要です。

予防規程とは?——その製造所等で働く人が守る火災予防のための自主的なルールブックです。なぜ認可なのか?——中身を決めるのは事業者自身ですが、ルールが緩すぎては意味がないので、役所が読んで「これでよい」とお墨付きを与えるかたちを取っています。

⭕(4)製造所等の位置、構造又は設備を変更しないで、貯蔵する危険物の品名、数量又は指定数量の倍数を変更しようとする者は、変更しようとする日の10日前までに市町村長等に届け出なければならない。

正しい記述です。位置・構造・設備を変えずに、貯蔵する危険物の品名・数量・指定数量の倍数だけを変える場合は、変更しようとする日の10日前までに市町村長等へ届出をします。

なぜ許可ではなく届出でよいのか?——建物やタンクをいじらないので、役所が現地を審査し直す必要がないからです。ただし中身が変われば消火の方法も変わるため、事前に知らせておく必要はあります。

❌(5)製造所等の譲渡又は引渡しがあったときは、譲受人又は引渡しを受けた者は、あらためて市町村長等の許可を受けなければならない。

これが誤りです。製造所等の譲渡・引渡しがあったときは、「遅滞なく市町村長等に届け出る」だけでよく、あらためて許可を受け直す必要はありません。

なぜ届出で済むのか?——許可は「その場所に、その施設を建ててよい」という施設についての判断だからです。施設そのものは何も変わっていないので、持ち主の名前が変わるだけなら報告で足ります。

そして大事なのは、譲渡・引渡しを受けた時点で譲り受けた人が、そのまま許可を受けた者の地位を引き継ぐ(届出はそのあと遅滞なく行う)という点です。同じく用途を廃止したときも「遅滞なく届出」です。

覚える覚え方

4つの言葉は重さの順で並べると整理できます。許可(設置・変更)>承認(仮使用・仮貯蔵)>認可(予防規程)>届出(人・持ち主・廃止)。そして窓口は基本すべて市町村長等。ただし仮貯蔵・仮取扱いだけが消防長・消防署長。「仮に、10日だけ、消防署に」とつなげて覚えると、ここだけ違うことを忘れません。

まとめこの問題のまとめ

設置・変更=許可/仮使用=市町村長等の承認/仮貯蔵・仮取扱い=消防長・消防署長の承認(10日以内)/予防規程=認可/品名等の変更=10日前までに届出/譲渡・引渡し・用途廃止=遅滞なく届出。

問7

分野:保安距離重要度 ★★★法令

製造所に必要な保安距離について、対象物とその距離の組合せとして正しいものはどれか。

(1)小学校・病院・劇場など多数の人を収容する施設 30m以上

(2)高圧ガスの施設               10m以上

(3)一般の住宅(同一敷地外にあるもの)      5m以上

(4)重要文化財に指定された建造物        30m以上

(5)使用電圧35,000Vを超える特別高圧架空電線   3m以上(水平距離)

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正解

(1)が正しい

この問題は何を聞いているのか

製造所などの周りの建物から、どれだけ離さなければならないかを聞く問題です。数字を丸暗記すると混ざりますが、「守りたい相手が大事なほど遠ざける」という1本の考え方でつながっているので、そこを先に説明します。

用語保安距離とは?

保安距離とは、製造所等の建物の外壁(またはこれに相当する工作物の外側)から、守るべき相手の建物までの距離のことです。なぜ距離を空けるのか?——万が一この施設が燃えたとき、隣の人に火や熱が届かないようにするためです。距離が離れていれば、放射熱(炎から周りへ伝わる熱)は急激に弱まり、避難する時間も稼げます。

覚える保安距離が必要な製造所等は5つだけ

製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5つです。なぜこの5つなのか?——いずれも地上にあって、まとまった量の危険物を長く扱う施設だからです。逆に地下タンク貯蔵所は地面の下なので不要、給油取扱所は街中に置くことが前提なので不要、移動タンク貯蔵所は動くので不要、と考えると納得できます。

覚える保安距離の数字(守りたい相手が大事なほど遠くなる)

特別高圧架空電線(空中に張られた、電圧がとても高い電線) 7,000V超〜35,000V以下 …… 水平距離3m以上

特別高圧架空電線 35,000V超 …… 水平距離5m以上

一般の住居(同一敷地外) …… 10m以上

高圧ガスなどの施設 …… 20m以上

学校・病院・劇場など多数の人を収容する施設 …… 30m以上

重要文化財等の建造物 …… 50m以上

並べると3・5・10・20・30・50。電線→住まい→ガス施設→大勢の人→二度と作れない文化財、と失われたときの取り返しのつかなさの順に長くなっています。

⭕(1)小学校・病院・劇場など多数の人を収容する施設 30m以上

これが正しい組合せです。学校・病院・劇場など多数の人を収容する施設は30m以上と定められています。

なぜ30mも必要なのか?——一度にたくさんの人が逃げなければならないからです。小さな子どもや入院患者は、自分の力で素早く避難できません。逃げるのに時間がかかる人ほど、遠ざけるという発想です。

対象になるのは、幼稚園・小中学校・高校などの学校、病院、劇場・映画館・演芸場など300人以上を収容できるもの、児童福祉施設・老人福祉施設など20人以上が出入りするものなどです。

❌(2)高圧ガスの施設               10m以上

誤りです。高圧ガスの施設は20m以上で、10mではありません。

なぜ住居より遠いのか?——高圧ガスの施設はそれ自体が爆発する危険を抱えているからです。危険物の火災がガス施設に引火すると、被害が一気に大きくなります。危険なもの同士は、より大きく離すという考え方です。

❌(3)一般の住宅(同一敷地外にあるもの)      5m以上

誤りです。同一敷地外にある一般の住居は10m以上で、5mではありません。

5mという数字は使用電圧35,000Vを超える特別高圧架空電線のほうです。住まい=10mと、まず基準になる数字として押さえてください。

ここでいう住居は同一敷地外のものです。なぜ敷地の中の住居は数えないのか?——その施設の関係者が住んでいる建物であり、危険を知ったうえでそこにいるからです。守る対象は関係のない第三者です。

❌(4)重要文化財に指定された建造物        30m以上

誤りです。重要文化財等の建造物は50m以上で、30mではありません。

なぜいちばん遠いのか?——重要文化財は燃えてしまうと二度と元に戻せないからです。人は避難できますが、建物そのものは逃げられません。そのため保安距離の中で最長の50mが定められています。

対象は重要文化財・重要有形民俗文化財・史跡・重要美術品などに指定・認定された建造物です。

❌(5)使用電圧35,000Vを超える特別高圧架空電線   3m以上(水平距離)

誤りです。使用電圧35,000Vを超える特別高圧架空電線は水平距離5m以上です。3mは、7,000Vを超え35,000V以下の電線に使う数字だと覚えておきましょう。

なぜ電線だけ「水平距離」なのか?——電線は空の上を通っているため、真下からの水平方向の距離で測らないと意味がないからです。

電圧が高いほど遠ざけるのは、高い電圧ほど離れていても放電(スパーク)が飛びやすいためです。

覚える覚え方

保安距離は「守りたい相手の重さの順」に並んでいます。電線3m・5m → 住まい10m → ガス施設20m → 大勢の人が集まる場所30m → 重要文化財50m。人は逃げられるが文化財は逃げられない——だから文化財がいちばん遠い、とイメージすると数字の順番を取り違えません。そして必要なのは製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5つだけです。

まとめこの問題のまとめ

保安距離は住居10m・高圧ガス施設20m・多数の人を収容する施設30m・重要文化財50m、特別高圧架空電線は7,000V超35,000V以下で3m、35,000V超で5m(水平距離)。必要なのは製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5施設。

問8

分野:保有空地重要度 ★★☆法令

製造所等の保有空地について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)保有空地とは、消火活動や延焼防止のため、製造所等の周囲に確保しなければならない空地をいう。

(2)地下タンク貯蔵所は、タンクが地盤面下にあるため、保有空地も保安距離もどちらも必要である。

(3)保有空地には、原則として物品を置いたり、建築物を建てたりしてはならない。

(4)保有空地は、製造所、屋内貯蔵所、屋外貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、一般取扱所のほか、簡易タンク貯蔵所(屋外に設けるもの)や移送取扱所にも必要である。

(5)製造所の場合、貯蔵し、又は取り扱う危険物の指定数量の倍数が10以下のときは3m以上、10を超えるときは5m以上の幅の空地が必要である。

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正解

(2)が誤り

この問題は何を聞いているのか

保安距離と保有空地は名前が似ていて混同しやすい2大用語です。この問題は保有空地のほうを聞いています。「だれを守るか」がまったく違うので、そこから整理します。

用語保有空地とは?

保有空地とは、製造所等の周囲にぐるりと確保しておく、何も置いてはいけない空き地のことです。なぜ空けておく必要があるのか?——①消防隊がホースを持って近づき、四方から消火できるようにするため、②火が周りへ燃え移らないようにするための2つです。ものが積んであると、消防車が寄れず、そこを伝って火が広がります。

用語保安距離との違いは?

保安距離=「よその大切な建物」を守るために、そこまで離す距離。保有空地=「その施設の周り」を空けておく、自分の敷地内の空き地です。なぜ2つ必要なのか?——保安距離は遠くの他人を守るための決まり、保有空地は目の前で消火活動をする人のための決まりだからです。守る相手も向きも違うので、両方が別々に定められています。

覚える製造所の保有空地の幅(数字はこれだけ)

指定数量の倍数が10以下 …… 3m以上

指定数量の倍数が10を超える …… 5m以上

覚え方の軸 量が多いほど、空ける幅も広くなる。危険物が多ければ火も大きくなるので、消防隊がより離れた位置から消せるようにするためです。

⭕(1)保有空地とは、消火活動や延焼防止のため、製造所等の周囲に確保しなければならない空地をいう。

正しい記述です。保有空地は消火活動のしやすさと延焼(えんしょう=火が周りに燃え移ること)の防止のために設ける空地です。

施設の周囲に確保するのがポイントで、「片側だけ空いていればよい」ではありません。

❌(2)地下タンク貯蔵所は、タンクが地盤面下にあるため、保有空地も保安距離もどちらも必要である。

これが誤りです。地下タンク貯蔵所は保安距離も保有空地も、どちらも必要ありません。

なぜ両方とも不要なのか?——タンクが地面の下に埋まっていて、周りを土やコンクリートに囲まれているからです。地上に火が出るような燃え方をしにくく、周りの建物へ熱が届く心配も小さい。また、地上に近づく空地を空けても地下のタンクを直接消火できるわけではないので、空地を設ける意味がありません。

保安距離も保有空地もどちらも不要な施設としては、ほかに屋内タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・給油取扱所・販売取扱所があります。「地下・屋内・動くもの・街中のものは、どちらも不要」とまとめて覚えると整理できます。

⭕(3)保有空地には、原則として物品を置いたり、建築物を建てたりしてはならない。

正しい記述です。保有空地には物品を置いたり建物を建てたりできません。

なぜ「置くだけ」でも認められないのか?——ドラム缶や資材を置いた時点で、消防隊がそこを通れなくなり、しかも置いたもの自体が燃えるからです。空地は「たまたま空いている土地」ではなく、空けておくことに意味がある土地です。

⭕(4)保有空地は、製造所、屋内貯蔵所、屋外貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、一般取扱所のほか、簡易タンク貯蔵所(屋外に設けるもの)や移送取扱所にも必要である。

正しい記述です。保有空地が必要なのは、保安距離が必要な5施設(製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所)に加えて、屋外に設ける簡易タンク貯蔵所と移送取扱所を加えた施設になります。

なぜ保安距離より対象が多いのか?——保有空地は「消防隊が近づけるか」という現場の話なので、屋外にむき出しで置かれている設備にも必要になるからです。

⭕(5)製造所の場合、貯蔵し、又は取り扱う危険物の指定数量の倍数が10以下のときは3m以上、10を超えるときは5m以上の幅の空地が必要である。

正しい記述です。製造所の場合、指定数量の倍数が10以下なら3m以上、10を超えるなら5m以上です。

ここは「10」という境目と「3m・5m」という幅をセットで覚えます。扱う量が増えれば火災の規模も大きくなるため、より広く空けるという素直な決まりです。

覚える覚え方

保安距離=「よそさまを守る距離」/保有空地=「消防隊が入るための空き地」と役割で言い分けると、混ざりにくくなります。製造所の空地の幅は倍数10を境に3mか5m。そして地下タンク貯蔵所は、地面の下にあるから両方いらない——「埋まっているものには、距離も空地もいらない」とイメージしてください。

まとめこの問題のまとめ

保有空地は消火活動と延焼防止のための空き地で、製造所は倍数10以下で3m以上、10超で5m以上。物を置くのも建てるのも不可。地下タンク貯蔵所は保安距離・保有空地のどちらも不要。

問9

分野:製造所等の区分重要度 ★★☆法令

製造所等の区分について、次のうち正しいものはどれか。

(1)第1種販売取扱所とは、指定数量の倍数が15以下の販売取扱所をいう。

(2)製造所等は、製造所・貯蔵所・取扱所の3つに大きく分けられ、貯蔵所は全部で4種類ある。

(3)給油取扱所とは、自動車の燃料タンクに直接給油するための取扱所で、指定数量の倍数が10以下のものに限られる。

(4)屋内タンク貯蔵所とは、屋根のある場所に置かれたタンクローリーをいう。

(5)移送取扱所とは、危険物をタンクローリーで運ぶための取扱所をいう。

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正解

(1)が正しい

この問題は何を聞いているのか

製造所等(せいぞうしょとう)という言葉は、危険物を「作る・置く・使う」施設をまとめた呼び名です。この問題はその内訳(区分)を聞いています。数が多くて覚えにくいので、3つのグループに分けて整理します。

用語製造所等とは?

製造所等とは、市町村長等の許可を受けて、指定数量以上の危険物を扱う施設の総称です。大きく①製造所(作る)②貯蔵所(置いておく)③取扱所(使う・売る・運ぶ)の3つに分かれ、全部で12種類あります。なぜ細かく分けるのか?——施設の形によって危険の出方が違うため、それぞれに合った基準(構造・設備・空地など)を当てはめる必要があるからです。

用語12区分の中身

製造所(1種類)。貯蔵所(7種類)=屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所。取扱所(4種類)=給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所・一般取扱所。合わせて1+7+4=12です。覚えるコツ——貯蔵所は「タンクが付くもの5つ(屋内・屋外・地下・簡易・移動)」+「タンクの付かないもの2つ(屋内貯蔵所・屋外貯蔵所)」と数えると7になります。

⭕(1)第1種販売取扱所とは、指定数量の倍数が15以下の販売取扱所をいう。

これが正しい記述です。販売取扱所は取り扱う量によって2つに分かれ、第1種=指定数量の倍数が15以下、第2種=指定数量の倍数が15を超え40以下と定められています。

販売取扱所とは?——塗料店や燃料店のように、容器に入ったままの危険物を、そのお店で売る施設のことです。なぜ40倍までなのか?——お店は街なかにあり、お客さんが出入りする場所だからです。それ以上の量を扱うなら、販売取扱所ではなく一般取扱所などの厳しい基準の施設にしなさい、という線引きになっています。

❌(2)製造所等は、製造所・貯蔵所・取扱所の3つに大きく分けられ、貯蔵所は全部で4種類ある。

誤りです。3つに分かれるところまでは正しいのですが、貯蔵所は4種類ではなく7種類です。

貯蔵所は屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所の7つ。製造所1+貯蔵所7+取扱所4で、全部で12区分になります。

❌(3)給油取扱所とは、自動車の燃料タンクに直接給油するための取扱所で、指定数量の倍数が10以下のものに限られる。

誤りです。給油取扱所(=ガソリンスタンド)に「指定数量の倍数が10以下」というような上限はありません。

給油取扱所は固定給油設備(地面に固定された給油機)によって自動車等の燃料タンクに直接給油するための施設です。地下タンクに大量のガソリンを貯めているのが一般的で、量による区分はされていません。

なお給油取扱所は、街なかにあることが前提なので保安距離も保有空地も不要ですが、そのかわり間口10m以上・奥行6m以上の給油空地(車が給油のために停まる空き地)を確保するなど、別の細かい基準がかけられています。

❌(4)屋内タンク貯蔵所とは、屋根のある場所に置かれたタンクローリーをいう。

誤りです。屋内タンク貯蔵所とは建物の中に固定して設置されたタンクで危険物を貯蔵する施設のことです。

タンクローリーは「移動タンク貯蔵所」で、屋根の下に停めても移動タンク貯蔵所であることは変わりません。

見分け方は「その場から動かせるかどうか」です。動かないタンク=屋内・屋外・地下・簡易タンク貯蔵所/動くタンク=移動タンク貯蔵所。

❌(5)移送取扱所とは、危険物をタンクローリーで運ぶための取扱所をいう。

誤りです。移送取扱所とは配管(パイプライン)で危険物を送るための施設です。タンクローリーで運ぶのは移動タンク貯蔵所のほうなので、取り違えないようにしましょう。

名前が紛らわしい理由——法令ではタンクローリーで危険物を運ぶことを「移送」と呼びます。そのため「移送取扱所=タンクローリー」と勘違いしやすいのですが、移送取扱所はパイプラインの施設です。

「移送=タンクローリーで運ぶ行為」/「移送取扱所=配管の施設」と、行為と施設を分けて覚えてください。

覚える覚え方

区分の数は1+7+4=12。製造所は1つだけ、貯蔵所は7つ、取扱所は4つと唱えて数を先に固定します。販売取扱所の倍数は「15と40」——お店は街なかにあるので、扱える量に上限があると考えると自然です。そして「移送取扱所=パイプライン/タンクローリー=移動タンク貯蔵所」。この取り違えは狙われやすいポイントです。

まとめこの問題のまとめ

製造所等は製造所1・貯蔵所7・取扱所4の計12区分。販売取扱所は第1種=倍数15以下、第2種=15超40以下。移送取扱所は配管の施設で、タンクローリーは移動タンク貯蔵所。

問10

分野:標識・掲示板重要度 ★★☆法令

製造所等に設ける標識・掲示板について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)製造所等には、幅0.3m以上、長さ0.6m以上の板に、危険物の類・品名・貯蔵最大数量などを表示した掲示板を設ける。

(2)第4類の危険物を貯蔵する製造所等には、「火気厳禁」と表示した掲示板を設ける。

(3)移動タンク貯蔵所には、0.3m平方以上0.4m平方以下の黒地の板に、黄色の反射塗料で「危」と表示した標識を、車両の前後の見やすい箇所に掲げる。

(4)「火気厳禁」の掲示板は、青地に白文字とする。

(5)給油取扱所には、「給油中エンジン停止」と表示した掲示板を設ける。

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正解

(4)が誤り

この問題は何を聞いているのか

標識(ひょうしき)と掲示板(けいじばん)の色と大きさを聞く問題です。色の組合せは覚えるだけに見えますが、「何を伝えたいか」で色が決まっていると分かると一気に楽になります。

用語標識と掲示板の違いは?

標識=「ここは危険物の施設ですよ」と知らせる看板(施設名や「危」の文字)。掲示板=「中身は何で、何に気をつけるか」を知らせる看板(危険物の類・品名・数量、注意事項)。なぜ2種類あるのか?——遠くから見て「近づくな」と分かる情報と、消防隊が現場に着いてから知りたい中身の情報は、必要になる場面が違うからです。

注意注意事項の掲示板の色(これが本題)

赤地に白文字=「火気厳禁」「火気注意」(火にかかわる警告)。青地に白文字=「禁水」(水をかけるなという警告)。なぜ火は赤で、水は青なのか?——火のイメージが赤、水のイメージが青だからです。色そのものが意味と結びついているので、理屈で思い出せます。

覚えるどの類にどの掲示板がつくのか

「火気厳禁」(赤地に白文字) ……第4類のほか、第2類のうち引火性固体、第3類の自然発火性物品、第5類。(=それ自体が燃える、または火を近づけると危険なもの)

「火気注意」(赤地に白文字) …… 第2類(引火性固体を除く)。

「禁水」(青地に白文字) …… 第1類のうちアルカリ金属の過酸化物、第3類の禁水性物品。(=水と反応して危険なもの)

乙4で必要なのは「第4類=火気厳禁=赤地に白文字」の1本だけです。ここは確実に。

⭕(1)製造所等には、幅0.3m以上、長さ0.6m以上の板に、危険物の類・品名・貯蔵最大数量などを表示した掲示板を設ける。

正しい記述です。掲示板の大きさは幅0.3m以上、長さ0.6m以上と決められています。

表示する内容は危険物の類・品名・貯蔵(取扱い)最大数量・指定数量の倍数・危険物保安監督者の氏名または職名です。

なぜ最大数量まで書くのか?——火災のとき、消防隊が「どれくらいの規模の火災になるか」を外から判断できるようにするためです。

⭕(2)第4類の危険物を貯蔵する製造所等には、「火気厳禁」と表示した掲示板を設ける。

正しい記述です。第4類は引火性液体なので「火気厳禁」の掲示板を設けます。

「火気厳禁」と「火気注意」の違いは言葉の強さです。厳禁は「火気を持ち込むこと自体を禁止する」、注意は「火気に気をつける」。蒸気が出て少しの火花でも引火する第4類は、当然厳しいほうの「厳禁」です。

⭕(3)移動タンク貯蔵所には、0.3m平方以上0.4m平方以下の黒地の板に、黄色の反射塗料で「危」と表示した標識を、車両の前後の見やすい箇所に掲げる。

正しい記述です。移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の標識は0.3m平方以上0.4m平方以下の黒地の板に、黄色の反射塗料で「危」と表示し、車両の前後の見やすい箇所に掲げます。

なぜ反射塗料なのか?——夜間、ヘッドライトの光を返して光るようにするためです。暗い道でも「危険物を積んだ車だ」と後続車や消防隊が気づけます。

黒地に黄色という組合せは、工事現場の表示と同じでもっとも目に飛び込みやすい配色として使われています。

❌(4)「火気厳禁」の掲示板は、青地に白文字とする。

これが誤りです。「火気厳禁」は赤地に白文字です。青地に白文字は「禁水」の掲示板で使われます。

火=赤、水=青。この単純な結びつきで判断できます。色を入れ替えて出題するのは定番のひっかけなので、「火の色は赤に決まっている」と即答できるようにしてください。

なお第4類に「禁水」の掲示板は付きません。禁水がつくのは水と反応して発熱・発火するもの(アルカリ金属の過酸化物、第3類の禁水性物品)です。

⭕(5)給油取扱所には、「給油中エンジン停止」と表示した掲示板を設ける。

正しい記述です。給油取扱所には「給油中エンジン停止」の掲示板を設けます。この掲示板は黄赤地に黒文字です。

なぜエンジンを止めさせるのか?——エンジンがかかっていると排気管が高温になり、電気系統から火花も出るからです。ガソリンの蒸気は空気より重く地面近くにたまるので、車の下で引火するおそれがあります。

覚える覚え方

色は意味そのもので覚えます。火にかかわる警告は赤地に白文字(火気厳禁・火気注意)/水にかかわる警告は青地に白文字(禁水)。乙4に必要なのは「火気厳禁・赤地に白文字」だけです。タンクローリーの「危」は黒地に黄色の反射塗料——夜のトラックが光って見える場面を思い浮かべてください。

まとめこの問題のまとめ

掲示板は幅0.3m以上・長さ0.6m以上。第4類は「火気厳禁」=赤地に白文字。青地に白文字は「禁水」。移動タンク貯蔵所の標識は0.3〜0.4m平方の黒地に黄色の反射塗料で「危」。

問11

分野:移送・移動タンク貯蔵所重要度 ★★★法令

移動タンク貯蔵所(タンクローリー)による危険物の移送について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)移送する危険物を取り扱うことができる危険物取扱者が乗車しなければならない。

(2)乗車している危険物取扱者は、危険物取扱者免状を携帯しなければならない。

(3)移動タンク貯蔵所には、完成検査済証を備え付けておかなければならない。

(4)長時間にわたるおそれのある移送であっても、運転者が1人であれば休憩をとる必要はない。

(5)移送の経路その他必要な事項を記載した書面を、あらかじめ関係消防機関に送付しなければならないのは、アルキルアルミニウム等を移送する場合である。

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正解

(4)が誤り

この問題は何を聞いているのか

タンクローリーで危険物を運ぶことを、法令では「移送(いそう)」といいます。この問題で聞かれているのは、移送のときに守るルールです。似た言葉の「運搬(うんぱん)」とはルールがまったく違うので、まずそこを区別します。

用語移送と運搬の違いは?

移送=タンクローリー(移動タンク貯蔵所)のタンクに直接入れて運ぶこと。運搬=ドラム缶やポリ容器などの容器に入れて、トラックの荷台に積んで運ぶこと。なぜルールが違うのか?——タンクローリーは一度に何千L〜何万Lという大量を積み、タンクそのものが施設(移動タンク貯蔵所)だからです。事故のときの被害が桁違いに大きいので、規制も厳しくなっています。

用語移送でいちばん大事な違い

移送は、危険物取扱者が乗っていなければならない。運搬は、危険物取扱者が同乗しなくてもよい。なぜ移送だけ人が必要なのか?——タンクローリーは走りながら中身を運び、現場でタンクから出すため、途中で漏れや異常が起きたときにその場で判断できる人が必要だからです。容器に密閉して積んだだけの運搬とは、危険の性質が違います。

覚える移送のときに守ること

①資格者が乗る その危険物を取り扱える危険物取扱者(乙4なら第4類)が乗車する。

②免状を携帯する 「持っている」だけでは不十分で、その場に持っていて見せられる状態にしておく。

③完成検査済証などを備え付ける 完成検査済証・定期点検記録・譲渡や引渡しの届出書・品名や数量の変更の届出書。

④長時間の移送は2人以上 連続運転時間が4時間を超える、または1日の運転時間が9時間を超えるような移送は、原則として2名以上の運転要員を確保する。

⑤積替え・休憩などのために停車するときは、安全な場所を選ぶ。

⭕(1)移送する危険物を取り扱うことができる危険物取扱者が乗車しなければならない。

正しい記述です。移送ではその危険物を取り扱える危険物取扱者が必ず乗車します。

乙種第4類の免状があれば、ガソリン・灯油・軽油などの第4類を移送することが可能です。丙種でも、ガソリン・灯油・軽油・重油など丙種が扱える品目に限れば移送に乗車できます。

⭕(2)乗車している危険物取扱者は、危険物取扱者免状を携帯しなければならない。

正しい記述です。乗車している危険物取扱者は免状を携帯しなければなりません。

なぜ携帯まで義務なのか?——警察や消防が路上で確認したとき、その場で資格を確かめられなければ意味がないからです。自宅に置いてきた免状は、確認の役に立ちません。

運搬(容器に入れて荷台で運ぶ)のときは、そもそも危険物取扱者が乗る必要がないので、携帯義務もありません。ここが移送と運搬の分かれ目です。

⭕(3)移動タンク貯蔵所には、完成検査済証を備え付けておかなければならない。

正しい記述です。移動タンク貯蔵所には完成検査済証のほか、定期点検の記録、譲渡・引渡しの届出書、品名・数量等の変更の届出書を備え付けておきます。

なぜ車に積んでおくのか?——タンクローリーは施設そのものが動いてしまうため、書類を事務所に置いておくと、路上で検査を受けたときにその施設が正規のものかを確かめられないからです。

❌(4)長時間にわたるおそれのある移送であっても、運転者が1人であれば休憩をとる必要はない。

これが誤りです。移送が長時間にわたるおそれがある場合は、原則として2名以上の運転要員を確保しなければなりません。「1人なら休憩不要」ということはありません。

なぜ人数まで決めるのか?——居眠り運転による事故を防ぐためです。大量の危険物を積んだ車が事故を起こせば、被害はその車だけでは終わりません。

目安は連続運転時間が4時間を超える移送、または1日あたりの運転時間が9時間を超える移送です。ただし、第4類(特殊引火物を除く)など一定の危険物を運び、2時間以内ごとに20分以上の休憩をとる場合などは、1名でもよいという例外があります。

⭕(5)移送の経路その他必要な事項を記載した書面を、あらかじめ関係消防機関に送付しなければならないのは、アルキルアルミニウム等を移送する場合である。

正しい記述です。アルキルアルミニウム等を移送する場合は、移送の経路などを記載した書面を、あらかじめ関係消防機関に送付し、その写しを車に備え付けます。

なぜこれだけ特別なのか?——アルキルアルミニウムは第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)で、空気に触れただけで発火し、水をかけると激しく反応するという極端に危険な物質だからです。万一の事故に備え、どの道を通るかを消防にあらかじめ知らせておくのです。

第4類にはこの義務はありませんが、「アルキルアルミニウム等だけの特別ルール」として出題されます。

覚える覚え方

移送=タンクに直接/運搬=容器に入れて。この2つを分けたら、あとは「移送だけが厳しい」と覚えます。資格者が乗る・免状を持つ・書類を積む・長距離は2人——すべて「その車が走る施設だから」と考えれば理屈が通ります。運搬のほうは資格者が乗らなくてよいのが最大の違いです。

まとめこの問題のまとめ

移送は危険物取扱者の乗車と免状の携帯が必要(運搬は不要)。車には完成検査済証・定期点検の記録などを備え付ける。長時間の移送は2名以上の運転要員が原則で、アルキルアルミニウム等は経路を消防機関に事前送付。

問12

分野:貯蔵・取扱いの基準重要度 ★★☆法令

製造所等における危険物の貯蔵・取扱いの基準について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)許可や届出をした品名以外の危険物を貯蔵し、又は取り扱ってはならない。

(2)危険物のくず、かす等は、1日に1回以上、その危険物の性質に応じて安全な場所や方法で廃棄その他の処置をしなければならない。

(3)貯留設備や油分離装置にたまった危険物は、あふれないように随時くみ上げなければならない。

(4)原則として、同一の貯蔵所において類を異にする危険物を同時に貯蔵してはならない。

(5)危険物を焼却して廃棄するときは、見張人をつけなくても、燃えやすいものが周囲になければ差し支えない。

答え・解説を見る

正解

(5)が誤り

この問題は何を聞いているのか

製造所等で普段どう扱うかという現場の決まりを聞く問題です。細かく見えますが、すべて「火のもとを作らない」「たまった危険物を放置しない」という2つの発想から来ています。

用語貯蔵・取扱いの基準とは?

貯蔵・取扱いの基準とは、許可を受けた製造所等の中で、危険物を置いておくとき・使うときに守るルールです。なぜ施設の基準だけでは足りないのか?——建物やタンクをどれだけ立派に作っても、使う人が中でたばこを吸ったり、こぼしたまま放置したりすれば事故になるからです。ハード(施設)とソフト(使い方)の両方をしばっています。

用語貯留設備・油分離装置とは?

貯留設備=床にこぼれた危険物が流れ込むように作られた、ためますのような設備。油分離装置=水と油を比重の差で分け、油だけを取り出す設備です。なぜ必要なのか?——こぼれた危険物がそのまま排水溝から外に流れ出ると、川や下水で火災が起きるおそれがあるからです。いったんここで受け止めて、油だけをすくい取ってから水を流します。

⭕(1)許可や届出をした品名以外の危険物を貯蔵し、又は取り扱ってはならない。

正しい記述です。製造所等では許可・届出をした品名・数量・指定数量の倍数を超えて貯蔵したり取り扱ったりできません。

なぜ勝手に変えてはいけないのか?——許可のときにその危険物に合わせて消火設備や構造を決めているからです。中身が変われば必要な消火設備も変わってしまいます。

中身を変えたいときは、変更しようとする日の10日前までに市町村長等へ届け出ます。

⭕(2)危険物のくず、かす等は、1日に1回以上、その危険物の性質に応じて安全な場所や方法で廃棄その他の処置をしなければならない。

正しい記述です。危険物のくず・かす等は1日に1回以上、廃棄などの処置をします。

なぜ毎日なのか?——ぼろ布にしみた油などはそのまま積んでおくと酸化熱(酸素と結びつくときに出る熱)がこもって自然発火(火の気がないのに自然に燃え出すこと)することがあるからです。実際、動植物油をふき取ったウエス(ぼろ布)の山から出火する事故は、現場でも起きています。

「1日1回以上」という数字は、そのまま出題されやすいところです。

⭕(3)貯留設備や油分離装置にたまった危険物は、あふれないように随時くみ上げなければならない。

正しい記述です。貯留設備や油分離装置にたまった危険物はあふれないように随時くみ上げます。

なぜ「随時」なのか?——たまる速さは作業量によって変わるため、「週に1回」のように決めてしまうとあふれる日があるからです。あふれれば結局そのまま外へ流れ出てしまい、設備を付けた意味がなくなります。

⭕(4)原則として、同一の貯蔵所において類を異にする危険物を同時に貯蔵してはならない。

正しい記述です。原則として、同じ貯蔵所で類の異なる危険物を一緒に貯蔵することはできません。

なぜ分けるのか?——類が違うと消し方が正反対になることがあるからです。例えば第4類は水をかけると火が広がりますが、第3類の禁水性物品は水と反応して発火します。一緒に置くと、火事のときにどちらの消し方も選べなくなるのです。

ただし例外があり、屋内貯蔵所・屋外貯蔵所では類ごとにまとめて置き、互いに1m以上の間隔を置けば、決められた組合せに限って同時貯蔵ができます。

❌(5)危険物を焼却して廃棄するときは、見張人をつけなくても、燃えやすいものが周囲になければ差し支えない。

これが誤りです。危険物を焼却して廃棄するときは必ず見張人をつけなければなりません。「周囲に燃えやすいものがなければ不要」ということはありません。

なぜ見張人が必要なのか?——危険物の焼却は炎の勢いが急に変わったり、風で火の粉が飛んだりするからです。燃やしている最中に人が離れると、異常に気づいたときには手遅れになります。

廃棄の基準はほかにも、①焼却は安全な場所で、他に危害や損害を及ぼすおそれのない方法で行い、見張人をつける ②海中や水中に流出・投下してはならない ③埋没は危険物の性質に応じ安全な場所で行うと定められています。「海や川に流してはいけない」も試験で問われやすい点です。

覚える覚え方

現場のルールは「ためない・混ぜない・目を離さない」の3つに集約されます。ためない=くず・かすは1日1回以上処理、貯留設備は随時くみ上げ。混ぜない=類の違う危険物は原則一緒に置かない。目を離さない=焼却するときは必ず見張人。どれも「放置した時間の長さが事故につながる」という同じ発想です。

まとめこの問題のまとめ

くず・かすは1日1回以上処置、貯留設備は随時くみ上げ、類の異なる危険物は原則として同時貯蔵禁止。焼却して廃棄するときは必ず見張人をつける(海中・水中への流出投下は禁止)。

問13

分野:運搬の基準重要度 ★★☆法令

容器に入れた危険物をトラックで運ぶ場合の基準について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)運搬の基準は、指定数量未満の危険物を運ぶ場合にも適用される。

(2)液体の危険物を運搬容器に収納するときは、内容積の98%以下の収納率で、かつ温度55℃で漏れないよう十分な空間容積を残す。

(3)指定数量以上の危険物を運搬する場合、車両には第5種の消火設備を備え、かつ危険物取扱者が同乗しなければならない。

(4)第4類の危険物は、第1類の危険物と同一の車両で運搬(混載)することができない。

(5)第4類の危険物のうち特殊引火物を運搬する場合は、日光の直射を避けるため、遮光性の被覆で覆わなければならない。

答え・解説を見る

正解

(3)が誤り

この問題は何を聞いているのか

運搬(うんぱん)=容器に入れて車の荷台で運ぶことのルールを聞く問題です。タンクローリーで運ぶ移送とは別物で、いちばん大きな違いは「危険物取扱者が乗らなくてよい」という点です。ここが今回の狙いどころ。

用語運搬とは?

運搬とは、ドラム缶・一斗缶・ポリ容器などの運搬容器に入れた危険物を、車両で運ぶことです。なぜ移送より緩いのか?——容器に密閉されていて、量も1つ1つは限られているからです。タンクローリーのように何千Lもの液体がむき出しのタンクに入っているのとは、危険の大きさが違います。

覚える運搬だけの大原則=「量に関係なく適用される」

運搬の基準は指定数量未満であっても適用されます。なぜ量が少なくても規制されるのか?——運搬は公道を走り、関係のない人のすぐ横を通る行為だからです。製造所等の中の話(=指定数量以上でなければ消防法の対象外)とは、危険にさらされる相手が違います。これは法令科目で問われやすい、運搬の重要ポイントです。

覚える運搬容器への収納率(数字を正確に)

液体の危険物 …… 内容積の98%以下。かつ55℃の温度でも漏れないだけの空間容積を残す。

固体の危険物 …… 内容積の95%以下。

なぜ満杯にしてはいけないのか?
液体は温度が上がると体積が膨らむからです。満杯だと逃げ場がなくなり、容器が変形したりふたが吹き飛んだりします。

覚え方の軸 液体98%・固体95%と、液体のほうが数字が大きい点が逆に覚えやすいポイントです。そのかわり液体には「55℃で漏れない空間容積を残す」という条件が付きます。

覚える第4類の混載(同じ車に積んでよい類)

第4類と混載できる …… 第2類・第3類・第5類

第4類と混載できない …… 第1類・第6類

なぜ第1類・第6類とは混載できないのか?
この2つは酸化性(他のものを強く燃やす性質)だからです。燃える液体である第4類と、燃やす力を持つ第1類・第6類が同じ車に載っていると、事故で混ざったときに激しく燃焼します。

ただし、指定数量の10分の1以下のときは、この混載の制限は適用されません。

⭕(1)運搬の基準は、指定数量未満の危険物を運ぶ場合にも適用される。

正しい記述です。運搬の基準は指定数量未満の危険物にも適用されます。

製造所等の規制は「指定数量以上」が入口ですが、運搬だけは量に関係なくルールがかかります。「運搬は量を問わない」——ここは丸暗記でよいところです。

⭕(2)液体の危険物を運搬容器に収納するときは、内容積の98%以下の収納率で、かつ温度55℃で漏れないよう十分な空間容積を残す。

正しい記述です。液体の危険物は内容積の98%以下で収納し、55℃で漏れない空間容積を残します。

なぜ55℃という数字なのか?——真夏の車の荷台や倉庫は、直射日光でそれくらいの温度まで上がるからです。実際に起こりうるいちばん厳しい条件を想定しています。

❌(3)指定数量以上の危険物を運搬する場合、車両には第5種の消火設備を備え、かつ危険物取扱者が同乗しなければならない。

これが誤りです。運搬では危険物取扱者が同乗する必要はありません。

なぜ資格者がいらないのか?——運搬は容器に密閉されたものを積んで運ぶだけで、途中で中身を出し入れしないからです。中身をタンクから直接扱う移送とは、必要な判断がまったく違います。

なお消火設備の部分は正しい記述です。指定数量以上の危険物を運搬するときは、その危険物に適応する第5種の消火設備(小型消火器など)を車両に備えます。また0.3m平方の黒地に黄色の反射塗料で「危」と表示した標識を車両の前後に掲げます。

つまりこの選択肢は「消火設備は正しいが、資格者の同乗が誤り」という組合せのひっかけです。

⭕(4)第4類の危険物は、第1類の危険物と同一の車両で運搬(混載)することができない。

正しい記述です。第4類は第1類・第6類とは混載できません。混載できるのは第2類・第3類・第5類です。

第1類(酸化性固体)・第6類(酸化性液体)は、自分は燃えないが他のものを激しく燃やすという性質を持っています。燃える液体である第4類と組み合わせるのは危険です。

⭕(5)第4類の危険物のうち特殊引火物を運搬する場合は、日光の直射を避けるため、遮光性の被覆で覆わなければならない。

正しい記述です。第4類のうち特殊引火物は、運搬にあたり遮光性の被覆(日光を遮る覆い)で覆います。

なぜ特殊引火物だけなのか?——ジエチルエーテルや二硫化炭素などの特殊引火物は沸点が低く、日光で温まるとすぐに蒸気が出るからです。ジエチルエーテルは日光や空気で過酸化物(爆発しやすい物質)を作ることもあります。

第1類・第3類の自然発火性物品・第5類・第6類も同じく遮光性の被覆が必要です。

覚える覚え方

運搬と移送の違いは「人」で覚えるのがいちばん確実です。移送(タンクローリー)=資格者が乗る/運搬(容器)=乗らなくてよい。収納率は液体98%・固体95%で、液体のほうが数字が大きいと押さえます。混載は「第4類は1と6とは組めない」——1と6は燃やす側だから、燃える側とは同席させないとイメージしてください。

まとめこの問題のまとめ

運搬は指定数量未満でも基準が適用され、危険物取扱者の同乗は不要。液体は内容積の98%以下(55℃で漏れない空間)、固体は95%以下。第4類は第1類・第6類と混載できない(指定数量の10分の1以下なら適用外)。

問14

分野:消火設備・所要単位重要度 ★★☆法令

耐火構造の壁で造られた延べ面積300㎡の一般取扱所がある。この建築物の所要単位として正しいものはどれか。

(1)1単位

(2)2単位

(3)3単位

(4)6単位

(5)10単位

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正解

(3)が正しい

この問題は何を聞いているのか

所要単位(しょよう たんい)の計算問題です。聞き慣れない言葉ですが、「その建物を消すには、消火器がどれくらい要るか」を数字にしたものだと思ってください。言葉の意味から順に説明します。

用語所要単位とは?

所要単位とは、その製造所等を消火するために、どれだけの消火能力が必要かを表す単位です。なぜ単位にするのか?——建物の広さも中身もばらばらなので、「必要な量」と「用意した消火器の力」を同じものさしで比べるためです。所要単位が3なら、能力単位の合計が3以上になるように消火設備をそろえます。

用語能力単位とは?

能力単位とは、消火器などが持っている消火能力の大きさを表す単位です。所要単位=必要な量、能力単位=用意した力という関係になります。なぜ2つの言葉があるのか?——「いくら要るか」と「いくら持っているか」を分けて考えないと、足りているかどうかを判断できないからです。

覚える1所要単位になる広さ・量(この表を覚える)

製造所・取扱所の建築物 ……耐火構造なら延べ面積100㎡=1単位/耐火構造でないなら50㎡=1単位

貯蔵所の建築物 ……耐火構造なら延べ面積150㎡=1単位/耐火構造でないなら75㎡=1単位

危険物そのもの …… 指定数量の10倍=1単位

なぜ耐火構造だと2倍の広さでよいのか?
耐火構造(コンクリートなど、火に強い造り)は火が燃え広がりにくいため、同じ広さでも必要な消火能力が半分で済むからです。

なぜ貯蔵所のほうが広くてよいのか?
貯蔵所は置いておくだけで、火のもとになる作業をしないからです。製造所・取扱所は加熱や給油などの作業をするぶん、危険が高いと考えられています。

コツこの問題を1ステップずつ計算する

ステップ1:施設の種類を確かめる 一般取扱所は「取扱所」のグループ。→ 耐火構造なら100㎡で1単位。

ステップ2:耐火構造かどうかを確かめる 問題文に「耐火構造の壁で造られた」とあるので、100㎡=1単位を使う。

ステップ3:割り算する 300㎡ ÷ 100㎡ = 3

答え=3単位。つまり、能力単位の合計が3以上になるように消火設備をそろえます。

❌(1)1単位

誤りです。1単位になるのは延べ面積が100㎡のときです。300㎡あるので1単位では足りません。

所要単位は建物が大きいほど大きくなる——広ければ広いほど、消すのに必要な力も増えるという素直な関係です。

❌(2)2単位

誤りです。2単位になるのは200㎡のときです。

割り算をした結果を切り捨てたり、感覚で丸めたりしないようにしてください。300 ÷ 100 はちょうど3です。

⭕(3)3単位

これが正しい答えです。取扱所の建築物は耐火構造なら延べ面積100㎡で1所要単位なので、300㎡ ÷ 100㎡ = 3単位となります。

もしこの建物が耐火構造でなかった場合は50㎡=1単位となり、300 ÷ 50 = 6単位と、必要な消火能力が2倍になります。耐火構造かどうかで答えが倍違うので、問題文のこの1語を見落とさないでください。

❌(4)6単位

誤りです。6単位になるのは、この建物が耐火構造でない場合(50㎡=1単位、300 ÷ 50 = 6)です。

問題文には「耐火構造の壁で造られた」とはっきり書かれているので、100㎡を使います。数字を選ぶ前に、まず問題文の条件を確かめるのが鉄則です。

❌(5)10単位

誤りです。10という数字は「危険物は指定数量の10倍で1所要単位」のほうの数字です。

今回聞かれているのは建築物の所要単位なので、面積で計算します。建物は面積、危険物は指定数量の10倍と、計算の対象で使い分けてください。

覚える覚え方

数字は100・50・150・75・10の5つだけです。製造所・取扱所は100(耐火)/50(非耐火)、貯蔵所は150(耐火)/75(非耐火)、危険物は指定数量の10倍。「耐火なら2倍の広さでよい」「貯蔵所は作業しないぶん広くてよい」という2つの理由づけで並びを思い出せます。計算は延べ面積 ÷ 1単位あたりの面積だけです。

まとめこの問題のまとめ

所要単位=必要な消火能力の量。製造所・取扱所の建築物は耐火構造で100㎡=1単位、非耐火で50㎡=1単位。本問は耐火構造の一般取扱所で300㎡なので300÷100=3単位。

問15

分野:定期点検・予防規程重要度 ★★☆法令

製造所等の定期点検及び予防規程について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)定期点検は、原則として1年に1回以上行わなければならない。

(2)定期点検の記録は、原則として3年間保存しなければならない。

(3)地下タンクを有する給油取扱所は、指定数量の倍数にかかわらず定期点検を行わなければならない。

(4)定期点検は、危険物取扱者又は危険物施設保安員が行うほか、危険物取扱者の立会いを受ければ、危険物取扱者以外の者も行うことができる。

(5)予防規程を定めたときは市町村長等の認可が必要だが、これを変更するときは届出でよい。

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正解

(5)が誤り

この問題は何を聞いているのか

定期点検と予防規程という、「日ごろの安全管理」にあたる2つの制度をまとめて聞く問題です。数字(1年・3年)と手続きの種類(認可か届出か)が狙われています。

用語定期点検とは?

定期点検とは、製造所等の位置・構造・設備が、技術上の基準に合っているかを自分たちで点検することです。なぜ自分たちで行うのか?——消防が全国のすべての施設を毎年見て回るのは不可能だからです。そこで事業者に自主点検をさせ、記録を残させて、あとから確認できるようにするという仕組みになっています。

用語予防規程とは?

その製造所等で働く人が守る、火災予防のための自主的なルールブックです。なぜルールブックを作らせるのか?——火災の多くは設備の不良ではなく、人の手順の間違いから起きるからです。「だれが・いつ・どうやって」を文書にしておけば、担当者が変わっても同じやり方が引き継がれます。

覚える定期点検の数字と、点検できる人

回数 …… 1年に1回以上

記録の保存 …… 3年間(移動貯蔵タンクの漏れの点検記録など、より長い期間のものもある)

点検できる人 …… ①危険物取扱者 ②危険物施設保安員、または③危険物取扱者の立会いを受けた者

なぜ立会いがあれば資格のない人でもよいのか?
点検そのものは決められた項目を確認する作業であり、資格者がそばで見て責任を持つなら安全が保てると考えられているからです。これは危険物の取扱いに立会いが認められているのと同じ発想です。

⭕(1)定期点検は、原則として1年に1回以上行わなければならない。

正しい記述です。定期点検は1年に1回以上行います。

なぜ1年なのか?——配管の腐食やパッキンの劣化は1年もあれば目に見えるほど進むからです。それより長く放置すると、漏れが起きてから気づくことになります。

⭕(2)定期点検の記録は、原則として3年間保存しなければならない。

正しい記述です。定期点検の記録は3年間保存します。

なぜ記録を残すのか?——点検したかどうかはあとから外部が確認できなければ意味がないからです。また3年ぶんあれば、前の年と比べて悪化しているかも判断できます。

「1年に1回・3年間保存」はそのまま出題されやすい数字です。

⭕(3)地下タンクを有する給油取扱所は、指定数量の倍数にかかわらず定期点検を行わなければならない。

正しい記述です。地下タンクを有する給油取扱所は、指定数量の倍数にかかわらず定期点検の対象になります。

なぜ量に関係なく対象なのか?——地下のタンクは、外から目で見て確かめられないからです。腐食して穴が開いても気づかず、土の中や地下水に漏れ続けるおそれがあります。

同じ理由で、地下タンク貯蔵所や地下タンクを有する製造所・一般取扱所、そして移動タンク貯蔵所も、量に関係なく定期点検が必要です。「地下にあるもの」と「動くもの」は無条件で対象とまとめられます。

⭕(4)定期点検は、危険物取扱者又は危険物施設保安員が行うほか、危険物取扱者の立会いを受ければ、危険物取扱者以外の者も行うことができる。

正しい記述です。定期点検を行えるのは危険物取扱者・危険物施設保安員、または危険物取扱者の立会いを受けた者に限られます。

危険物施設保安員とは?——危険物保安監督者の下で、施設の構造や設備の保安の仕事をする人です。免状は不要で、大きな製造所や一般取扱所などに置かれます。

❌(5)予防規程を定めたときは市町村長等の認可が必要だが、これを変更するときは届出でよい。

これが誤りです。予防規程は定めたときも、変更するときも、どちらも市町村長等の「認可」が必要です。変更が届出でよい、ということはありません。

なぜ変更にも認可が要るのか?——認可のあとで中身を緩いものに書き換えられてしまっては、最初に審査した意味がなくなるからです。ルールブックの中身が変わるなら、そのつど役所が目を通す必要があります。

なお予防規程を定めなければならないのは、指定数量の倍数が一定以上の製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所と、倍数に関係なく給油取扱所・移送取扱所です。ガソリンスタンドは量に関係なく必要という点が問われやすいところです。

覚える覚え方

定期点検は「1年に1回・3年間保存」。対象は「地下にあるもの」と「動くもの」は無条件——目で見て確かめられないからと理由づけると忘れません。予防規程は作るときも変えるときも認可。ルールブックの中身をこっそり書き換えさせないためだ、とイメージしてください。

まとめこの問題のまとめ

定期点検は1年に1回以上、記録は3年間保存。地下タンクを有する施設と移動タンク貯蔵所は倍数に関係なく対象。点検は危険物取扱者・危険物施設保安員、または危険物取扱者の立会いを受けた者が行う。予防規程は制定も変更も市町村長等の認可。

ここまでで手が止まったら

法令は「暗記の量」で差がつく科目です。独学でつまずいている場合は、出るところだけを映像でおさらいできる講座を併用すると一気に楽になります。くわしくは学習スタートガイドにまとめました。

②基礎的な物理学及び基礎的な化学(10問)

燃焼・引火点・熱・静電気・化学の基本。計算は電卓なしで解ける程度のものしか出ません。

問16

分野:燃焼の3要素重要度 ★★★物理・化学

次のうち、燃焼が起こらないものはどれか。

(1)ガソリンの蒸気が空気中に3vol%の濃度で存在しているところに、静電気の火花が飛んだ。

(2)木炭に空気を送りながら、点火した。

(3)灯油を布にしみ込ませ、40℃以上に温めてからライターの炎を近づけた。

(4)二酸化炭素で満たされた容器の中で、灯油の蒸気に電気火花を飛ばした。

(5)エタノールを皿に入れ、常温でマッチの火を近づけた。

答え・解説を見る

正解

(4)が正しい

この問題は何を聞いているのか

燃焼が成り立つには3つのものが同時にそろう必要があります。この問題は「どれか1つが欠けている場面はどれか」を探すものです。まず、その3つが何なのかから説明します。

用語燃焼の3要素とは?

①可燃物(燃えるもの)②酸素供給源(酸素を与えるもの)③点火源(火をつけるきっかけ)の3つです。なぜ3つ全部が必要なのか?——燃焼とは「可燃物が酸素と結びついて、光と熱を出す反応」だからです。燃えるものがなければ反応する相手がいない。酸素がなければ結びつく相手がいない。そして反応を始めるためのエネルギー(点火源)がなければ、そもそも反応が始まりません。

用語酸素供給源とは?

通常は空気です。空気にはおよそ21%の酸素が含まれています。なぜ「空気」ではなく「酸素供給源」と呼ぶのか?——酸素を与えるのは空気だけではないからです。第1類・第6類の危険物(酸化性のもの)は、自分の中に酸素を持っていて、他のものに供給します。このため空気のない場所でも燃焼が起こりえます。

用語二酸化炭素の中では、なぜ燃えないのか?

二酸化炭素(CO2)は、すでに炭素が酸素と結びつき切った状態だからです。これ以上ものを燃やすための酸素を与えることができません。だから容器の中を二酸化炭素で満たすと酸素供給源が断たれ、燃焼の3要素が1つ欠けるのです。これがそのまま二酸化炭素消火器の原理(窒息消火)になっています。

❌(1)ガソリンの蒸気が空気中に3vol%の濃度で存在しているところに、静電気の火花が飛んだ。

燃焼が起こります。可燃物(ガソリン蒸気)・酸素供給源(空気)・点火源(静電気の火花)が3つともそろっています。

しかもガソリンの燃焼範囲(空気に混ざった蒸気が燃える濃さの範囲)は約1.4〜7.6vol%なので、3vol%はちょうど燃える濃さの範囲内です。

静電気の火花はごく小さなものですが、ガソリン蒸気に火をつけるには十分なエネルギーを持っています。これがガソリンスタンドで静電気除去シートに触れさせる理由です。

❌(2)木炭に空気を送りながら、点火した。

燃焼が起こります。可燃物(木炭)・酸素供給源(送り込んだ空気)・点火源(点火)がそろっています。

木炭の燃え方は表面燃焼といい、炎を出さずに固体の表面が赤く光りながら燃えるのが特徴です。木炭・コークス・金属粉などがこの燃え方をします。

❌(3)灯油を布にしみ込ませ、40℃以上に温めてからライターの炎を近づけた。

燃焼が起こります。可燃物(灯油)・酸素供給源(空気)・点火源(ライターの炎)がそろっています。

灯油の引火点は40℃以上なので、常温(20℃前後)のままでは火を近づけても燃えるだけの蒸気が出ていません。しかしこの選択肢では40℃以上に温めているので、引火するのに十分な蒸気が出ている状態です。

さらに布にしみ込ませていると、表面積が大きくなって蒸気がいっそう出やすくなるため、より燃えやすくなります。

⭕(4)二酸化炭素で満たされた容器の中で、灯油の蒸気に電気火花を飛ばした。

これが正しい答え=燃焼が起こりません。可燃物(灯油の蒸気)も点火源(電気火花)もありますが、酸素供給源が欠けています。

容器の中が二酸化炭素で満たされていると、酸素の濃度が下がり、燃焼に必要な酸素が供給されないため、火花が飛んでも燃え続けることができません。

一般に空気中の酸素濃度がおよそ14〜15%以下になると、燃焼は続かなくなるといわれています。これを利用して火を消すのが窒息消火です。

❌(5)エタノールを皿に入れ、常温でマッチの火を近づけた。

燃焼が起こります。エタノールの引火点は約13℃なので、常温(20℃前後)でもすでに燃えるだけの蒸気が出ています。

そこにマッチの火(点火源)を近づければ、当然引火するわけです。なおエタノールの炎は青白くて見えにくいため、燃えていることに気づかず近づいてやけどをする事故があります。

覚える覚え方

燃えるもの・酸素・火のもとの3つがそろって初めて燃えます。逆にいえば1つ取り除けば火は消える——これが消火の考え方そのものです。可燃物を取り除く=除去消火/酸素を断つ=窒息消火/熱を奪う=冷却消火。二酸化炭素の中は「酸素がない世界」だとイメージすれば、どんな可燃物を入れても燃えないことがすぐ分かります。

まとめこの問題のまとめ

燃焼には可燃物・酸素供給源・点火源の3つが必要。二酸化炭素で満たされた容器の中は酸素供給源がないので燃焼しない。酸素濃度がおよそ14〜15%以下になると燃焼は継続できない。

問17

分野:引火点重要度 ★★★物理・化学

引火点について、次のうち正しいものはどれか。

(1)引火点とは、可燃性液体が空気中で加熱されて、火源がなくても自ら燃え出す最低の液温をいう。

(2)引火点とは、可燃性液体の表面に、点火したときに燃え出すのに必要な濃度の蒸気を発生する最低の液温をいう。

(3)引火点が高い液体ほど、常温で引火する危険性が大きい。

(4)液温が引火点より低くても、火源を近づければ必ず引火する。

(5)同じ液体でも、容器の大きさが変われば引火点の値そのものが変わる。

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正解

(2)が正しい

この問題は何を聞いているのか

引火点(いんかてん)は、乙4でとくに大事な言葉の一つです。この1語の意味があいまいだと、物理化学でも性質・消火でもつまずきやすくなります。「液体が燃えるのではなく、蒸気が燃える」——ここから説明します。

用語引火点とは?

引火点とは、可燃性液体の表面に、点火したときに燃え出すのに必要なだけの蒸気が発生する、いちばん低い液温のことです。なぜ「液温」で決まるのか?——液体そのものは燃えません。燃えるのは液面から出てきた蒸気です。蒸気がどれだけ出るかは液体の温度で決まるので、「何℃まで温まれば火が付くか」という形で表せるのです。

用語発火点との違いは?

引火点=火を近づけたときに燃え出す最低の液温。発火点=火を近づけなくても、熱だけで自然に燃え出す最低の温度。なぜ2つの温度があるのか?——火のもとがあるかないかという条件が違うからです。当然、火を近づけるほうが低い温度で燃えます。ガソリンなら引火点は−40℃以下、発火点は約300℃と、大きく離れています。

用語燃焼範囲の下限値との関係は?

引火点は「蒸気の濃さが燃焼範囲の下限値になる液温」と言い換えられます。燃焼範囲とは?——空気に混ざった蒸気の濃さが「濃すぎず薄すぎない」ちょうどよい範囲のことです。薄すぎると燃えるものが足りず、濃すぎると酸素が足りません。液温が低いと蒸気が薄すぎて燃えない。温度を上げていってちょうど下限値に届いた瞬間の温度が引火点です。

❌(1)引火点とは、可燃性液体が空気中で加熱されて、火源がなくても自ら燃え出す最低の液温をいう。

誤りです。これは発火点の説明です。

「火源がなくても自ら燃え出す」という部分こそ、発火点の特徴にあたります。引火点は火を近づけたときの話なので、まったく別の温度です。

引火=火を引き寄せて付く/発火=ひとりでに火を発すると、漢字の意味そのままで区別できます。

⭕(2)引火点とは、可燃性液体の表面に、点火したときに燃え出すのに必要な濃度の蒸気を発生する最低の液温をいう。

これが正しい記述です。引火点とは点火したときに燃え出すのに必要な濃度の蒸気を発生する最低の液温です。

かみ砕くと「火を近づけたら燃えるだけの蒸気が出始める温度」。これより液温が低ければ、火を近づけても蒸気が足りず燃えません。

例えば灯油の引火点は40℃以上。常温(20℃)の灯油にマッチを落としても燃え広がらないのは、まだ蒸気が足りていないからです。逆にガソリンの引火点は−40℃以下なので、真冬の屋外でも十分に蒸気が出ており、非常に危険です。

❌(3)引火点が高い液体ほど、常温で引火する危険性が大きい。

誤りです。関係は逆で、引火点が低い液体ほど、常温で引火する危険性が大きいのです。

なぜ低いほうが危険なのか?——引火点が低いということは低い温度でもう燃える蒸気が出ているということだからです。ガソリン(−40℃以下)は真冬でも危険、灯油(40℃以上)は常温では引火しにくい——この差がそのまま危険性の差になります。

「引火点は低いほど危険」は乙4でとても大切な感覚です。

❌(4)液温が引火点より低くても、火源を近づければ必ず引火する。

誤りです。液温が引火点より低ければ、火源を近づけても引火しません。

なぜ火を近づけても燃えないのか?——燃えるだけの濃さの蒸気が出ていないからです。火は蒸気に付くのであって、液体そのものに付くのではありません。

ただし注意が必要なのは、布や紙にしみ込ませた場合や霧状に噴き出した場合です。表面積が一気に大きくなるため、引火点より低い温度でも燃えることがあります。霧状にすると引火点以下でも燃えるという性質は、重油などの取扱いでとくに注意されます。

❌(5)同じ液体でも、容器の大きさが変われば引火点の値そのものが変わる。

誤りです。引火点はその物質が持っている固有の値で、容器の大きさで変わるものではありません。

なぜ物質ごとに決まるのか?——引火点は「その物質が何℃でどれだけ蒸気を出すか」という性質から決まるからです。入れ物の形とは関係がありません。

ただし混合物の場合は話が別で、混ざっている成分の割合が変われば引火点も変わります。ガソリンや灯油はもともと混合物なので、「引火点は40℃以上」のように幅を持った表し方をします。

覚える覚え方

燃えているのは液体ではなく蒸気——これがすべての出発点です。引火点は「火を近づけたら燃える蒸気が出始める液温」。発火点は「火がなくても勝手に燃え出す温度」。引火は火を引く、発火は火を発すると漢字で区別してください。そして引火点が低いほど危険。ガソリン(−40℃以下)が真冬でも危険な理由が、そのまま答えになります。

まとめこの問題のまとめ

引火点=点火したときに燃え出すのに必要な濃度の蒸気を発生する最低の液温。低いほど危険。火源がなくても燃え出す温度は発火点で別物。引火点は物質固有の値で、容器の大きさでは変わらない。

問18

分野:燃焼範囲重要度 ★★☆物理・化学

燃焼範囲が1.4〜7.6vol%である可燃性蒸気について、次のうち正しいものはどれか。

(1)空気中の蒸気の濃度が1.0vol%のとき、点火すれば燃焼する。

(2)空気中の蒸気の濃度が5.0vol%のとき、点火すれば燃焼する。

(3)空気中の蒸気の濃度が10.0vol%のとき、蒸気が濃いので最もよく燃焼する。

(4)燃焼範囲の下限値が大きいものほど、危険性が高い。

(5)燃焼範囲は、液温が変わっても常に一定である。

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正解

(2)が正しい

この問題は何を聞いているのか

燃焼範囲という数字の読み方をたずねる問題です。「濃すぎても燃えない」という点が、日常の感覚とずれるのでつまずきやすいところです。理由から説明します。

用語燃焼範囲(爆発範囲)とは?

燃焼範囲とは、可燃性の蒸気が空気と混ざったとき、火を近づけると燃える濃さの範囲のことです。vol%(ボリュームパーセント)は「空気と蒸気を合わせた体積のうち、蒸気が何%を占めるか」という意味です。1.4〜7.6vol%なら、蒸気が1.4%〜7.6%のときに限って燃えます。

なぜ?なぜ薄すぎても濃すぎても燃えないのか?

薄すぎるとき(下限値より下)——燃える相手である蒸気の分子が少なすぎて、反応が続かないからです。火花が飛んでも、その場で途切れてしまいます。濃すぎるとき(上限値より上)——今度は酸素が足りないからです。蒸気ばかりで空気が押しのけられており、燃えたくても結びつく酸素がありません。燃焼は「燃えるもの」と「酸素」の割合がちょうどよいときだけ起こるのです。

用語下限値・上限値とは?

下限値=燃え始める、いちばん薄い濃さ(この例では1.4vol%)。上限値=燃えられる、いちばん濃い濃さ(この例では7.6vol%)。危険性の判断は、まず下限値を見ます。なぜ下限値が大事なのか?——空気中に少し漏れただけで下限値に届いてしまう物質は、それだけ早く危険な状態になるからです。

❌(1)空気中の蒸気の濃度が1.0vol%のとき、点火すれば燃焼する。

誤りです。1.0vol%は下限値1.4vol%より薄いので、点火しても燃焼しません。

なぜ薄いと燃えないのか?——燃える蒸気の分子が少なすぎて、反応が次へ次へとつながらないからです。マッチ1本ぶんの火花で局所的に反応が起きても、周りに燃える相手がいないため、そこで消えてしまいます。

⭕(2)空気中の蒸気の濃度が5.0vol%のとき、点火すれば燃焼する。

これが正しい記述です。5.0vol%は1.4〜7.6vol%の範囲のちょうど内側なので、点火すれば燃焼します。

燃焼範囲の問題は、与えられた濃度が範囲の中に入っているかどうかを見るだけです。1.4 < 5.0 < 7.6 なので、範囲内。これで判断は終わりです。

ちなみに1.4〜7.6vol%はガソリンの燃焼範囲です。下限値がわずか1.4%と低いため、少し漏れただけで危険な濃さに達します。

❌(3)空気中の蒸気の濃度が10.0vol%のとき、蒸気が濃いので最もよく燃焼する。

誤りです。10.0vol%は上限値7.6vol%を超えているので、濃すぎて燃焼しません。

「濃いほどよく燃える」というのは、日常の感覚から来る勘違いです。実際には蒸気が濃すぎると酸素が足りなくなり、燃えることができません。

ただし安全という意味ではありません。濃すぎる状態にあっても、空気が入って薄まった瞬間に燃焼範囲に入ってしまうからです。タンクの中が上限値を超えていても、ふたを開けたとたんに引火する——これが実際の事故の起こり方です。

❌(4)燃焼範囲の下限値が大きいものほど、危険性が高い。

誤りです。危険性が高いのは下限値が小さい(低い)ものです。

なぜ下限値が小さいほうが危険なのか?——わずかに漏れただけで燃える濃さに達してしまうからです。下限値が高い物質は、たくさん漏れないと燃える濃さにならないので、そのぶん余裕があります。

あわせて燃焼範囲の幅が広いものほど危険です。燃える濃さの守備範囲が広いということだからです。下限値が低く、範囲が広いものが最も危険——例えば二硫化炭素(1.3〜50vol%)はまさにその代表で、乙4の中でも最も危険な部類とされます。

❌(5)燃焼範囲は、液温が変わっても常に一定である。

誤りです。燃焼範囲は温度や圧力によって変化します。

一般に温度が高くなるほど燃焼範囲は広がります。なぜ広がるのか?——温度が高いと分子が活発に動き、反応が起こりやすくなるためです。同じように、圧力が高くなっても範囲は広がる傾向があります。

つまり夏場や加熱された場所では、普段より危険な状態になりやすいということです。

覚える覚え方

燃焼範囲は「濃すぎず、薄すぎず」。薄いと燃える相手が足りない、濃いと酸素が足りない——どちらか一方が足りなければ燃えないと考えれば、両端で燃えない理由が同時に分かります。危険性の見方は「下限値が低いほど危険、範囲が広いほど危険」。少し漏れただけで、しかも幅広い濃さで燃えるのがいちばん怖い、という当たり前の感覚どおりです。

まとめこの問題のまとめ

燃焼範囲は範囲の中に入っているときだけ燃える。1.4〜7.6vol%なら5.0vol%は燃え、1.0vol%(薄すぎ)も10.0vol%(濃すぎ)も燃えない。下限値が低いほど、範囲が広いほど危険。温度が上がると範囲は広がる。

問19

分野:静電気重要度 ★★★物理・化学

危険物の取扱いにおける静電気について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)静電気は、2つの物体をこすり合わせたときなどに、一方から他方へ電気(電子)が移動することで発生する。

(2)ガソリンなどの引火性液体を配管の中で流すと、液体と管の壁がこすれて静電気が発生する。

(3)静電気の発生を抑えるには、液体を配管で送るときの流速をできるだけ速くするとよい。

(4)静電気は、湿度が高いときよりも湿度が低いときのほうが発生し、たまりやすい。

(5)静電気がたまった物体から火花が飛び、それが可燃性蒸気に引火して火災になることがある。

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正解

(3)が誤り

この問題は何を聞いているのか

「静電気について、間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。静電気はドアノブでバチッとくるあれと同じもので、乙4ではガソリンの火事の火種になるものとして出題されやすいテーマです。ポイントは「どういうときに発生するか」と「どうすれば減らせるか」の2つに絞られます。

用語静電気とは?

静電気とは、物と物がこすれたときに、電気の粒(電子)が一方からもう一方へ移ってしまい、その場にたまったままになった電気のことです。「静」電気という名前は、電線を流れずにその場にとどまっているところから来ています。なぜ危険なのか?——たまった電気があるところまで増えると、空気を飛び越えてパチッと火花(放電)になります。その火花は、ガソリンの蒸気に火をつけるには十分な熱を持っているのです。

なぜ?なぜ乙4で静電気が出るのか?

ガソリンや灯油のような石油系の液体は電気を通しにくいため、発生した静電気がその場に居座ってどんどんたまるという性質があるからです。水なら電気を通すのでたまりませんが、ガソリンはたまります。そのため給油中・タンクへの注入中の静電気火災が現実に起きており、試験でも問われやすいテーマです。

覚える静電気を減らす4つの方法(そのまま覚えてよい)

①流速を遅くする こすれる勢いが弱くなるほど、発生する量も減ります。

②接地(アース)する 地面へ電気の逃げ道を作り、たまる前に流してしまいます。

③湿度を高くする 空気中の水分が電気の通り道になり、自然に逃げていきます。

④導電性の高い材料を使う 電気を通す材料なら、そもそもたまりません。ホースや容器を「静電気対策品」にするのはこのためです。

まとめると「ゆっくり流す・地面へ逃がす・湿らせる・電気を通す物を使う」。どれもたまる前に逃がすという同じ考え方です。

⭕(1)静電気は、2つの物体をこすり合わせたときなどに、一方から他方へ電気(電子)が移動することで発生する。

正しい記述です。これが静電気の発生のしくみそのものです。

2つの物をこすり合わせると、電子(電気の粒)が一方から他方へ移動します。電子をもらったほうはマイナスに、取られたほうはプラスに片寄ります。この片寄りが静電気です。

こすれるだけでなく、くっついた物をはがすとき・液体が飛び散るときにも同じことが起きます。

⭕(2)ガソリンなどの引火性液体を配管の中で流すと、液体と管の壁がこすれて静電気が発生する。

正しい記述です。液体と管の内側の壁がこすれるため、配管の中を流すだけで静電気は発生します。

「こすり合わせる=手でこする」だけをイメージしていると見落としますが、液体が固体の面をなでるように流れるのも立派な摩擦です。タンクローリーからタンクへガソリンを注ぐとき、ノズルやホースの中でこの現象がずっと起きています。

❌(3)静電気の発生を抑えるには、液体を配管で送るときの流速をできるだけ速くするとよい。

これが誤りです。流速は速くするのではなく、遅くします。

なぜ速いといけないのか?——液体と管の壁がこすれる勢いが強くなるほど、発生する静電気の量も増えるからです。手を速くこすると熱くなるのと同じで、勢いが強いほど現象は激しくなります。

実際の基準でも、危険物をタンクに注入するときは「静電気が発生するおそれのある場合は、流速を抑えて注入する」と定められています。「静電気対策=ゆっくり」と覚えてください。

⭕(4)静電気は、湿度が高いときよりも湿度が低いときのほうが発生し、たまりやすい。

正しい記述です。乾いているほど静電気はたまります。

なぜ湿度が関係するのか?——空気中の水分は電気を通すため、湿度が高い日は、発生した静電気が空気中の水分を通じて逃げていくからです。逆に乾いた冬はその逃げ道がなく、たまり続けます。

冬にドアノブでよくバチッとくるのは、まさにこの理由です。危険物の現場でも乾燥した日ほど警戒が必要ということになります。

⭕(5)静電気がたまった物体から火花が飛び、それが可燃性蒸気に引火して火災になることがある。

正しい記述です。これが静電気を警戒する理由そのものです。

たまった静電気は、ある量を超えると空気を飛び越えて放電(火花)になります。その火花のエネルギーは小さく見えても、ガソリンの蒸気に火をつけるには十分です。

火災になる条件は「可燃性の蒸気が燃焼範囲に入っていること」と「火種があること」の2つ。静電気は、この火種の側を用意してしまうわけです。

覚える覚え方

静電気対策は「ゆっくり・アース・湿らす・通す」の4つ。発想はぜんぶ同じで、たまる前に逃がすか、そもそも作らないかのどちらかです。流速だけは「速いほうがよさそう」と直感が逆に働くので、急ぐと摩擦が増える=バチッとくるとイメージで結び付けておくと引っかかりません。

まとめこの問題のまとめ

静電気はこすれ・流れ・はがれで発生し、乾いているほどたまる。減らす方法は流速を遅くする・接地する・湿度を上げる・電気を通す材料を使うの4つ。流速を速くするのは逆効果。

問20

分野:比熱・熱量重要度 ★★☆物理・化学

比熱2.0J/(g・K)の液体200gを、20℃から70℃まで温めるのに必要な熱量として正しいものはどれか。

(1)0.1kJ

(2)10kJ

(3)20kJ

(4)28kJ

(5)40kJ

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正解

(3)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「温めるのに何ジュールの熱が要るか」を計算させる問題です。使う式は1つだけで、熱量=比熱 × 質量 × 温度の上がりはば。ここで大事なのは計算そのものより、比熱とは何か・単位の J(ジュール)と K(ケルビン)は何を表すのかを実感として分かっておくことです。そこから説明します。

用語比熱(ひねつ)とは?

比熱とは、その物質1g(1グラム)を1℃だけ温めるのに必要な熱の量のことです。比熱が大きい=温まりにくい(そして冷めにくい)物質です。例えば水の比熱は約4.2J/(g・K)ととても大きく、だからお風呂はなかなか沸きませんし、一度沸けばなかなか冷めません。一方、鉄の比熱は約0.45J/(g・K)と小さいので、フライパンはすぐ熱くなり、すぐ冷めます。

用語J(ジュール)とK(ケルビン)とは?

J(ジュール)=熱や仕事の量の単位です。「どれだけのエネルギーか」を表します。1,000J=1kJ(キロジュール)。K(ケルビン)=温度の差を表す単位で、1Kの差=1℃の差とまったく同じ幅です。ですから比熱の単位 J/(g・K) は、そのまま読むと「1gを1℃上げるのに必要なジュール数」という意味になります。

用語式のかたち

熱量Q = 比熱c × 質量m × 温度差Δt。なぜかけ算なのか?——「1gを1℃上げるのに必要な熱」が比熱ですから、g数が2倍になれば熱も2倍、上げたい温度が2倍になれば熱も2倍だからです。Δt(デルタ ティー)の「Δ」は差を表す記号で、Δt=温めたあとの温度 − 温める前の温度です。

コツ1ステップずつ計算する

ステップ1:温度差を出す 70℃ − 20℃ = 50℃(=50K)

ステップ2:式に入れる 2.0 J/(g・K) × 200 g × 50 K

ステップ3:順にかける 2.0 × 200 = 400 → 400 × 50 = 20,000J

ステップ4:kJ に直す 1,000J=1kJ なので、20,000J = 20kJ

よって答えは20kJです。意味としては「この液体200gを50℃ぶん温めるには20,000J分の熱が要る」ということ。

❌(1)0.1kJ

0.1kJは誤りです。これは質量の200gをかけ忘れたときの数字です。2.0 × 50 = 100J = 0.1kJ となります。

式の3つの数字「比熱・質量・温度差」のうち、どれか1つでも抜けると答えは何十倍もずれます。計算の前に3つを書き出す習慣をつけてください。

❌(2)10kJ

10kJは誤りです。これは比熱2.0をかけ忘れた(1.0として計算した)ときの数字です。200 g × 50 K = 10,000J = 10kJ。

比熱は物質ごとに違う「温まりにくさ」ですから、省略できません。比熱2.0ということは、水(約4.2)よりは温まりやすい液体だと分かります。

⭕(3)20kJ

これが正しい答えです。2.0 × 200 × 50 = 20,000J = 20kJ。

確かめ方として、単位で検算してみます。J/(g・K) × g × K の中で、gとgが消え、KとKが消えて、残るのはJ(ジュール)だけ。求めたいのは熱量=Jですから、式の使い方が合っていると分かります。

この「単位で確かめる」やり方は計算問題全般で使えます。答えの単位がおかしければ、かけ算・割り算のどこかを間違えている証拠です。

❌(4)28kJ

28kJは誤りです。これは温度差ではなく、温めたあとの温度70℃をそのまま使ったときに近い数字です(2.0 × 200 × 70 = 28,000J = 28kJ)。

必要なのは「どこまで上げたか」ではなく「何度ぶん上げたか」です。20℃の液体を70℃にするなら、上げたぶんは50℃。この取り違えは起こりやすいので、問題文を読んだらまず引き算を先にやると決めてしまうと安全です。

❌(5)40kJ

40kJは誤りです。これは比熱を2倍にしてしまった(4.0として計算した)ときの数字です。水の比熱4.2と混同するとこの誤りが出ます。

問題文には「比熱2.0J/(g・K)の液体」とはっきり書いてあります。覚えている数値ではなく、問題文に書かれた数値を使う——当たり前ですが、焦ると水の値を入れてしまいがちです。

覚える覚え方

式は「比熱 × 重さ × 上がったぶん」の3つのかけ算だけ。順番も何も気にせず3つ書き出してかけると決めてしまえば迷いません。100%とは言えませんが、引っかけの多くは温度差です。「70℃にする」ではなく「50℃ぶん上げる」——階段は何段目に着いたかではなく、何段上ったかで疲れるとイメージしてください。

まとめこの問題のまとめ

熱量Q = 比熱c × 質量m × 温度差Δt。2.0 × 200 × (70−20) = 20,000J = 20kJ。温度は「差」を使うのが最大の注意点。比熱が大きいほど温まりにくい。

問21

分野:状態変化・沸点重要度 ★★☆物理・化学

物質の状態変化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)液体の表面から蒸発が起こるのは、沸点に達したときだけである。

(2)液体が沸騰している間は、熱を加え続けても液体の温度は上がらない。

(3)液体が気体に変わることを気化(蒸発)といい、そのとき必要な熱を蒸発熱(気化熱)という。

(4)液体を加熱したとき、液体の蒸気圧が外の大気圧と等しくなる温度を沸点という。

(5)気体が液体に変わるときは、気化のときに吸収した熱と同じ量の熱を放出する。

答え・解説を見る

正解

(1)が誤り

この問題は何を聞いているのか

「液体と気体の行き来について、間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。乙4でこれが問われるのは、危険物が燃えるのは液体そのものではなく蒸気だからです。どんなときに蒸気が出るのかが分かっていないと、引火点も火災予防も理解できません。まずそこを押さえます。

用語気化(蒸発)とは?

気化(蒸発)とは、液体が気体に変わることです。そのとき液体は周りから熱を奪います。この熱を蒸発熱(気化熱)といいます。なぜ熱が要るのか?——液体の中では分子どうしがくっつき合っているので、そのつながりを引きはがして自由に飛び回らせるにはエネルギーが要るからです。汗をかくと涼しくなるのは、汗が蒸発するときに体から熱を持っていくためです。

用語沸点(ふってん)とは?

沸点とは、液体の中からもぶくぶくと蒸気が出始める温度のことです。もう少しきちんと言うと、液体の蒸気圧が、外から押している大気圧と等しくなった温度。なぜ「等しくなる」と沸騰するのか?——液体の内部で蒸気の泡ができようとしても、外の空気に押しつぶされている間は泡がつぶれてしまうからです。蒸気の押す力が空気の押す力に追いついた瞬間、泡がつぶれずに浮き上がれるようになります。

用語蒸気圧とは?

蒸気圧とは、液体の表面から飛び出した蒸気が、周りを押す力のことです。温度が高いほど蒸気は多く飛び出すので、温度が上がるほど蒸気圧も大きくなります。蒸気圧が大きい液体=蒸発しやすい液体で、ガソリンのように蒸気圧が大きいものほど危険だと考えてください。

例「表面から」と「内部から」の違い

蒸発(表面から) どんな温度でも起きています。洗濯物が20℃でも乾くのがその証拠です。沸点でなくても起きるのがポイント。

沸騰(内部からも) 沸点に達したときだけ起きます。やかんの底からぶくぶく泡が上がってくるあの状態です。

つまり蒸発はいつでも、沸騰は沸点だけ。この差が今回の問題のポイントです。

危険物で怖いのは常温でも表面から蒸気が出ていることです。ガソリンはフタを開けただけで、火が付く濃さの蒸気を出しています。

❌(1)液体の表面から蒸発が起こるのは、沸点に達したときだけである。

これが誤りです。蒸発は沸点に達していなくても、どんな温度でも表面から起きています。

証拠は身の回りにあります。水の沸点は100℃ですが、洗濯物は20℃でも乾きますし、コップの水を置いておけば減っていくでしょう。これは沸騰ではなく蒸発です。

ここは乙4でとくに大事なところです。ガソリンの沸点はおよそ40〜220℃ですが、常温でもどんどん蒸気を出しているから危険なのです。「沸騰していないから安全」という考え方は、危険物ではまったく通用しません。

⭕(2)液体が沸騰している間は、熱を加え続けても液体の温度は上がらない。

正しい記述です。沸騰している間、加えた熱は温度を上げるためではなく、液体を気体に変えるために使われます。

なぜ温度が上がらないのか?——加えた熱が全部分子のつながりを引きはがす仕事に消えるからです。こういう温度を変えずに状態だけを変える熱を潜熱(せんねつ)といいます。「潜(ひそ)む熱」という名前どおり、温度計には現れません。

逆に、温度を変えるほうに使われる熱は顕熱(けんねつ)といいます。問20で計算したのはこちらです。

⭕(3)液体が気体に変わることを気化(蒸発)といい、そのとき必要な熱を蒸発熱(気化熱)という。

正しい記述です。気化(蒸発)と蒸発熱の定義そのものです。

液体が気体になるとき、まわりから熱を奪います。この熱が蒸発熱(気化熱)です。危険物をこぼしたところが冷たく感じるのは、蒸発熱が奪われているからです。

⭕(4)液体を加熱したとき、液体の蒸気圧が外の大気圧と等しくなる温度を沸点という。

正しい記述です。これが沸点の正式な定義です。

蒸気圧=大気圧になった温度が沸点。ですから大気圧が下がれば沸点も下がります。高い山の上では気圧が低いので、水は100℃より低い温度で沸騰します。ごはんがうまく炊けないのはこのためです。

⭕(5)気体が液体に変わるときは、気化のときに吸収した熱と同じ量の熱を放出する。

正しい記述です。気体が液体に戻ることを凝縮(ぎょうしゅく)といい、このとき気化のときに吸った熱と同じ量の熱を放出します。

なぜ同じ量なのか?——行きに使ったエネルギーが、帰りにそのまま返ってくるだけだからです。階段を上るのに使った力が、下りるときに戻ってくるのと同じイメージです。

100℃の湯より100℃の水蒸気に触れたほうがひどいやけどになりやすいのは、水蒸気が皮膚の上で水に戻るときにこの熱を放出するからです。

覚える覚え方

蒸発はいつでも、沸騰は沸点だけ——この一言に尽きます。洗濯物は100℃にしなくても乾くとイメージすれば、「沸点に達したときだけ蒸発する」が間違いだとすぐに気づけるでしょう。そしてガソリンは常温でも蒸気を出し続けている——この事実が、乙4の火災予防の考え方の土台になっています。

まとめこの問題のまとめ

蒸発は温度に関係なく表面から起きる。沸騰は蒸気圧=大気圧になった沸点でだけ起きる。沸騰中は熱を加えても温度は上がらない(潜熱に使われる)。凝縮のときは、気化で吸った熱と同じ量を放出する。

問22

分野:酸化と還元重要度 ★★☆物理・化学

酸化と還元に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)物質が水素と化合することを酸化という。

(2)燃焼は、物質が熱と光を出しながら急激に酸化される反応である。

(3)酸化と還元は、別々の場所で別々に起こる反応である。

(4)物質が酸素を失うことを酸化といい、酸素と化合することを還元という。

(5)鉄がさびる反応は、酸素とは関係がないので酸化ではない。

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正解

(2)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「酸化と還元について、正しいのはどれか」を選ぶ問題です。難しそうな言葉ですが、乙4で必要な理解は「酸素とくっつくのが酸化、離れるのが還元」という1行だけです。そして燃焼はその酸化の激しいやつ——ここが分かれば、この分野の多くの問題に対応できます。

用語酸化とは?

酸化とは、物質が酸素とくっつくことです。鉄がさびる、りんごの切り口が茶色くなる、油が古くなる——これらはすべて酸化です。もう少し広く言うと「酸素と化合する(結びついて別の物質になる)/水素を失う/電子を失う」のどれかにあてはまれば酸化ですが、乙4では「酸素とくっつく」だけ覚えれば足ります。

用語還元とは?

還元とは、酸化のちょうど逆で、物質が酸素を失うことです。鉄鉱石(鉄の酸化物)から酸素を取り除いて鉄を作るのが、代表的な還元です。「酸化=酸素をもらう/還元=酸素を返す」と覚えてください。

用語酸化と還元はいつも同時

片方だけが起こることはありません。なぜか?——酸素をもらう相手がいるということは、その酸素を渡した相手が必ずいるからです。ある物質が酸化されたなら、酸素を渡した側は同時に還元されています。キャッチボールで、投げる人がいれば必ず受け取る人がいるのと同じです。この2つがセットで起きることを酸化還元反応といいます。

例燃焼=酸化の中でもとくに激しいもの

ゆっくりした酸化 鉄がさびる、油が酸化する。熱は出ていますが、少しずつなので気づきません。

激しい酸化=燃焼 熱と光(炎)をはっきり出しながら、一気に酸素と結びつく。

つまり燃焼と「さび」は、速さが違うだけで仲間です。

この見方が分かると、動植物油類の自然発火も理解できます。ゆっくりした酸化でも、熱が逃げずにたまれば、やがて発火点に届いて燃えだす——これが自然発火のしくみです。

❌(1)物質が水素と化合することを酸化という。

誤りです。水素と化合するのは還元のほうです。

正しくは「酸素と化合する=酸化」「水素を失う=酸化」。逆に「酸素を失う=還元」「水素と化合する=還元」です。

乙4では水素での説明はほとんど出てきません。酸素だけで判断すれば十分なので、「酸素とくっつく=酸化」を軸に考えてください。

⭕(2)燃焼は、物質が熱と光を出しながら急激に酸化される反応である。

これが正しい記述です。燃焼の定義そのものです。

燃焼=熱と光を出しながら急激に進む酸化反応。3つの条件「可燃物・酸素供給源・点火源」がそろったときに起こります。

「熱と光」の両方が要るのがポイントです。鉄がさびるのも酸化ですが、光は出ませんし熱もじわじわなので、燃焼とは呼びません。燃焼は酸化の一種だが、酸化がすべて燃焼というわけではない——この関係を押さえておくと、ひっかけに強くなります。

❌(3)酸化と還元は、別々の場所で別々に起こる反応である。

誤りです。酸化と還元は必ず同時に、同じ反応の中で起こります。

なぜ同時なのか?——ある物質が酸素をもらったのなら、その酸素を手放した相手が必ずいるからです。渡す側と受け取る側は、片方だけでは成立しません。

だからこの反応はまとめて「酸化還元反応」と呼ばれます。

❌(4)物質が酸素を失うことを酸化といい、酸素と化合することを還元という。

誤りです。説明が逆になっています。

正しくは「酸素と化合する=酸化」「酸素を失う=還元」。選択肢は酸化と還元の言葉を入れ替えた典型的なひっかけです。

「酸化」という言葉の中に「酸」=酸素が入っていると考えれば、酸素とくっつくほうが酸化だと迷わなくなります。

❌(5)鉄がさびる反応は、酸素とは関係がないので酸化ではない。

誤りです。鉄がさびるのはまさに酸化の代表例です。

鉄は空気中の酸素や水分と結びついて、酸化鉄(赤さび)になります。これは酸素とくっつく反応ですから、定義どおり酸化です。

さびが燃焼と呼ばれないのは、進み方がゆっくりで、熱と光がはっきり出ないからというだけの違いです。

覚える覚え方

酸化=酸素をもらう/還元=酸素を返す。「酸化」の字に「酸(=酸素)」が入っているので、酸素をもらうほうが酸化と結び付ければ、逆に覚える心配がありません。そして燃焼=酸化の中でとくに激しいもの(熱と光が出る)。さびは「超スローモーションの燃焼」とイメージすると、自然発火の話までひとつながりになります。

まとめこの問題のまとめ

酸化=酸素と化合する/還元=酸素を失うで、この2つは必ず同時に起こる。燃焼は、熱と光を出しながら急激に進む酸化反応。さびもゆっくりした酸化で、速さが違うだけの仲間。

問23

分野:比重・蒸気比重重要度 ★★★物理・化学

ガソリンが流出した屋内で、その蒸気がたまりやすい場所と、その理由の組合せとして正しいものはどれか。

(1)天井付近/ガソリンの蒸気は空気より軽いため。

(2)床面付近/ガソリンの液体は水より重いため。

(3)天井付近/ガソリンの液体は水より軽いため。

(4)床面付近/ガソリンの蒸気は空気より重いため。

(5)室内に一様に広がる/ガソリンの蒸気の重さは空気とほぼ同じため。

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正解

(4)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「ガソリンの蒸気はどこにたまるか、それはなぜか」を問う問題です。ここでカギになるのが比重と蒸気比重という2つのよく似た言葉です。この2つを混ぜてしまうと間違えやすくなりますので、まず何と何を比べているのかをはっきりさせます。

用語比重(ひじゅう)とは?

比重とは、液体(や固体)の重さを、水と比べた数字です。水を1.0として、それより軽ければ1より小さく、重ければ1より大きくなります。ガソリンの比重はおよそ0.65〜0.75なので水より軽く、水に浮きます。第4類の危険物はほとんどが水より軽いのが特徴です(二硫化炭素やグリセリンなど、水より重い例外もあります)。

用語蒸気比重とは?

蒸気比重とは、蒸気(気体)の重さを、空気と比べた数字です。空気を1.0として、それより重ければ1より大きくなります。ガソリンの蒸気比重はおよそ3〜4で、空気の3〜4倍も重いということです。第4類の蒸気は、ほぼすべて空気より重いと覚えてかまいません(ごく一部に例外があります)。

コツ2つを混同しないコツ

比重=液体の話・比べる相手は水。蒸気比重=気体の話・比べる相手は空気。なぜ相手が違うのか?——液体がどこへ行くかは水に浮くか沈むかで決まり、蒸気がどこへ行くかは空気より重いか軽いかで決まるからです。比べる相手が違えば、答えも別物になります。

例この2つが火災現場で意味すること

①蒸気は低いところにたまる(蒸気比重>1) ガソリンの蒸気は空気より重いので、床・ピット・地下室・側溝に流れ込んでたまります。低い場所ほど濃く、危険です。

②蒸気は遠くまで流れて着火する 重い蒸気は低いところを這うように広がるため、離れた場所の火種に届いて、そこから火が戻ってくることがあります。

③液体は水に浮く(比重<1) だからガソリン火災に水をかけてはいけないのです。水の上に浮いたガソリンが燃えたまま流れ、火事を広げてしまいます。

つまり「蒸気は下にたまる、液体は水に浮く」の2つが、乙4の火災予防と消火の考え方の土台になっています。

❌(1)天井付近/ガソリンの蒸気は空気より軽いため。

誤りです。場所も理由も逆になっています。

ガソリンの蒸気比重はおよそ3〜4で、空気より重いため、天井付近ではなく床面付近にたまります。

「気体だから上に行くはず」という思い込みが、この選択肢の狙いです。上に行くのは空気より軽い気体だけで、第4類の蒸気はほぼすべて空気より重いと覚えてください。

❌(2)床面付近/ガソリンの液体は水より重いため。

誤りです。「床面付近」は合っていますが、理由が間違っています。

ガソリンの液体は水より軽い(比重およそ0.65〜0.75)ので、「水より重い」は事実として誤りです。

また、たまる場所の理由になるのは液体の比重ではなく蒸気比重です。結論が合っていても理由が違えば不正解——組合せを選ばせる問題は、必ず両方をチェックしてください。

❌(3)天井付近/ガソリンの液体は水より軽いため。

誤りです。「ガソリンの液体は水より軽い」という部分は正しいのですが、それは蒸気がどこへ行くかの理由にはなりません。

液体が水に浮くことと、蒸気が空気より重いことは別の話です。比べている相手が水と空気で違います。

さらに、たまる場所を「天井付近」としている点も誤りです。正しい事実を、間違った結論の理由に使う——これは典型的なひっかけ方なので注意してください。

⭕(4)床面付近/ガソリンの蒸気は空気より重いため。

これが正しい組合せです。ガソリンの蒸気は空気より重い(蒸気比重3〜4)ので、床面付近にたまります。

だから危険物の施設では、換気口や排出口を床に近い低い位置に付けるのが原則です。天井に換気扇を付けても、下にたまった重い蒸気は抜けてくれません。

同じ理由で、地下室・ピット・くぼみ・側溝は蒸気の吹きだまりになります。こうした場所での作業前に換気を徹底するのは、この性質があるためです。

❌(5)室内に一様に広がる/ガソリンの蒸気の重さは空気とほぼ同じため。

誤りです。ガソリンの蒸気比重はおよそ3〜4で、空気とほぼ同じどころか、3倍以上重いのです。

蒸気比重が空気とほぼ同じ(1に近い)なら室内に一様に広がりますが、ガソリンはそうではありません。第4類のほとんどは1を超えます。

だからこそ「低い場所を疑う」のが危険物取扱いの基本になります。

覚える覚え方

比重は水と、蒸気比重は空気と比べる——比べる相手をセットで覚えるのがいちばんの近道です。そのうえで第4類は「液体は水に浮く・蒸気は床に沈む」。本体は浮いて、影(蒸気)は沈むとイメージすると、2つを取り違えません。この1組から「水で消すな」「換気口は低い位置に」が両方導けます。

まとめこの問題のまとめ

比重=液体を水と比べる/蒸気比重=気体を空気と比べる。ガソリンは比重0.65〜0.75で水に浮き、蒸気比重3〜4で空気より重い。だから蒸気は床・地下・ピットにたまる。第4類の蒸気はほぼすべて空気より重い。

問24

分野:消火理論重要度 ★★★物理・化学

消火の方法とその原理の組合せについて、次のうち誤っているものはどれか。

(1)ろうそくの炎にコップをかぶせて消す/窒息消火

(2)燃えている木材に水をかけて消す/冷却消火

(3)灯油の火災に泡消火剤をかけて消す/冷却消火

(4)ガスこんろの元栓を閉めて火を消す/除去消火

(5)粉末消火剤(りん酸塩類)を放射して炎を消す/抑制(負触媒)消火

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正解

(3)が誤り

この問題は何を聞いているのか

「消し方と、その原理の組合せで間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。消火の方法はたった4種類しかありません。しかも燃えるのに必要なものを1つ取り上げるという同じ発想でできています。まずそこから説明します。

用語燃焼の3要素とは?

物が燃え続けるには①可燃物(燃えるもの)②酸素供給源(空気)③点火源(熱・火種)の3つが同時に必要です。これを燃焼の3要素といいます。逆に言えば、この3つのうちどれか1つを取り上げれば火は消える——これが消火のすべての出発点です。

用語消火の4つの方法

①除去消火=燃えるものを取り除く(ガスの元栓を閉める)。②窒息消火=酸素を断つ(フタをする・泡で覆う・二酸化炭素で置き換える)。③冷却消火=熱を奪って温度を下げる(水をかける)。④抑制(負触媒)消火=燃える化学反応そのものにブレーキをかける(ハロゲン・粉末)。①〜③が3要素に1対1で対応し、④だけは反応の連鎖を止める別枠です。

用語抑制(負触媒)消火とは?

燃焼は、目に見えない「反応の連鎖」(次々に反応が続いていく状態)で成り立っています。その連鎖に割り込んで止めてしまうのが抑制消火です。負触媒という言葉は、反応を速める触媒の逆=反応を止める働きという意味。粉末消火剤やハロゲン化物消火剤がこの働きを持ち、炎に当てた瞬間にパッと消えるのが特徴です。

例泡消火剤はなぜ第4類の主役なのか

泡は液面をびっしり覆います。これで酸素が液面に届かなくなる=窒息消火。これが泡の主役の働きです。

あわせて蒸気が上がってくるのも押さえこむので、燃える材料そのものの供給も止まります。

泡の中の水分による冷却効果も多少はありますが、それは主役ではありません。試験では「泡=窒息」で答えます。

なぜ第4類に泡なのか?——水をかけると油が水に浮いて燃えたまま流れ出すから使えません。そこで浮いてフタになってくれる泡が最適なのです。

⭕(1)ろうそくの炎にコップをかぶせて消す/窒息消火

正しい組合せです。コップをかぶせると中の酸素が使い切られ、新しい空気も入ってこないので火が消えます。これが窒息消火です。

燃焼の3要素のうち「酸素供給源」を断つ方法にあたります。砂をかける、ぬれた毛布をかぶせる、二酸化炭素で満たす——これらもすべて同じ窒息消火の仲間です。

⭕(2)燃えている木材に水をかけて消す/冷却消火

正しい組合せです。水は蒸発するときに大量の熱を奪うので、木材の温度を燃え続けられない温度まで下げます。これが冷却消火です。

なぜ水が冷却に強いのか?——水は比熱が大きい(温まりにくい)うえに、蒸発するときに奪う熱(蒸発熱)がとても大きいからです。身近な液体の中でずば抜けて熱を持ち去る力があります。

ただし第4類の火災に水をかけるのは厳禁です。油は水に浮くので、燃えたまま水に乗って広がってしまいます。

❌(3)灯油の火災に泡消火剤をかけて消す/冷却消火

これが誤りです。泡消火剤の主な原理は冷却ではなく窒息消火です。

泡は液面を覆ってフタになり、酸素を断ちます。あわせて蒸気が上がるのも押さえこみます。泡には水分が含まれるので冷却の効果もいくらかありますが、主役はあくまで窒息です。

なぜ灯油に泡なのか?——水は油に浮かれてしまって役に立たない一方、泡は油の上に乗ってフタになれるからです。第4類の火災=泡・粉末・二酸化炭素・ハロゲン化物と覚えてください。

⭕(4)ガスこんろの元栓を閉めて火を消す/除去消火

正しい組合せです。元栓を閉めると燃えるガスそのものが来なくなるので消えます。これが除去消火です。

燃焼の3要素のうち「可燃物」を断つ方法です。ろうそくの火を吹き消すのも、気化した燃料(ろうの蒸気)を吹き飛ばして取り除いているので除去消火にあたります。

⭕(5)粉末消火剤(りん酸塩類)を放射して炎を消す/抑制(負触媒)消火

正しい組合せです。粉末消火剤(りん酸塩類など)は燃焼の反応の連鎖に割り込んで止める=抑制(負触媒)消火が主な働きです。

粉が炎に触れた瞬間、反応の続きが起きなくなるので、大きな炎でも一瞬で消えるのが粉末の強み。ガソリンスタンドに置かれている消火器の多くがこのタイプです。

なお粉末には、粉が積もって空気を遮る窒息の効果もあります。ただし冷却の力はほとんどないため、消えたあとに再び火が付く再着火には注意が必要です。

覚える覚え方

消火は「取り除く・ふさぐ・冷やす・止める」の4つだけ。前の3つは燃焼の3要素を1つずつ奪うもので、最後の1つだけが反応そのものにブレーキという別枠です。第4類でとくに押さえたいのは「泡=窒息」。泡は油の上に乗るフタとイメージすれば、「冷却」と書かれた選択肢にだまされません。

まとめこの問題のまとめ

消火は除去・窒息・冷却・抑制(負触媒)の4つ。泡消火剤の主原理は窒息(冷却ではない)。水は冷却だが第4類には使えない(油が浮いて広がる)。粉末は抑制が主役で、冷却の力がないので再着火に注意。

問25

分野:単体・化合物・混合物重要度 ★★☆物理・化学

次のうち、混合物であるものはどれか。

(1)エタノール

(2)硫黄

(3)アセトン

(4)二硫化炭素

(5)ガソリン

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正解

(5)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「この中で混合物はどれか」を選ぶ問題です。ここで問われているのは、単体・化合物・混合物という3つの言葉の意味だけです。化学が苦手でも、3つの区別さえ分かれば十分に解けます。そして乙4では、ガソリン・灯油・軽油・重油が混合物であるという点が実務にも直結する重要ポイントになります。

用語単体・化合物・混合物とは?

単体=1種類の元素だけでできている物質。例:酸素(O₂)、水素、鉄、硫黄。化合物=2種類以上の元素が結びついて、1つの物質になったもの。例:水(H₂O)、エタノール、二硫化炭素。混合物=複数の物質が、結びつかずにただ混ざっているだけのもの。例:空気、食塩水、ガソリン。

コツ化合物と混合物の見分け方

結びついて別の物になっているか、混ざっているだけかが分かれ目です。化合物は決まった割合でできていて、成分ごとに分けるには化学反応が要ります。一方混合物は割合が決まっておらず、蒸留(温めて蒸気にし、冷やして分ける方法)やろ過など、物理的な方法で分けられます。塩水を煮つめれば塩と水に戻せる(混合物)のに対し、水を煮つめても水素と酸素には戻らない(化合物)——この違いです。

なぜ?なぜガソリンは混合物なのか?

ガソリンは原油からとれた、さまざまな炭化水素(炭素と水素でできた物質)が混ざった液体だからです。「ガソリンという1つの分子」があるわけではありません。だから性質も幅を持ちます。ガソリンの沸点が「40〜220℃」のように幅で示されるのは、いろいろな沸点の成分が混ざっているからです。灯油・軽油・重油も同じく混合物で、これらも数値は幅で表されます。

例乙4に出てくるものを3つに仕分けると

単体 硫黄、鉄粉、赤りん、マグネシウム。(第4類ではなく、他の類の危険物に多く出てきます。)

化合物 エタノール、メタノール、アセトン、ベンゼン、トルエン、二硫化炭素、ジエチルエーテル、酢酸、グリセリン。「決まった名前と決まった化学式がある液体」はほぼ化合物です。

混合物 ガソリン・灯油・軽油・重油・潤滑油・動植物油。石油からとった「油」の名前が付くものはほぼ混合物と考えてよいです。

見分けのコツ=「化学の名前(〜オール、〜ベンゼンなど)=化合物」「油の名前(ガソリン・灯油・重油)=混合物」。

❌(1)エタノール

誤りです。エタノールは化合物です。

エタノールの化学式はC₂H₅OH。炭素・水素・酸素という2種類以上の元素が結びついて、1つの物質になっています。ですから化合物です。

「アルコール度数◯%のお酒」は混ざりものですが、それはエタノールと水の混合物であって、エタノールそのものは化合物です。ここは区別してください。

❌(2)硫黄

誤りです。硫黄は単体です。

硫黄は硫黄という元素だけでできています。1種類の元素だけなので単体です。

なお硫黄は第4類ではなく第2類(可燃性固体)の危険物です。乙4の試験でも、他の類の代表例として名前が出ることがあります。

❌(3)アセトン

誤りです。アセトンは化合物です。

化学式はCH₃COCH₃で、炭素・水素・酸素が結びついて1つの物質になっています。

アセトンは第1石油類(水溶性)で指定数量400L。水にもよく溶けるため、消火には水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使います。一般の泡は水に溶けて壊れてしまうためです。

❌(4)二硫化炭素

誤りです。二硫化炭素は化合物です。

化学式はCS₂で、炭素と硫黄という2種類の元素が結びついて、1つの物質を作っています。

「硫黄が入っているから硫黄と同じ仲間では」と考えると迷いますが、元素が結びついて別の物質になったら化合物です。二硫化炭素は特殊引火物で、引火点−30℃・発火点90℃と乙4の中でもとくに危険な物質として頻出します。

⭕(5)ガソリン

これが正しい答えです。ガソリンは混合物です。

ガソリンは原油を分けてとった、いろいろな炭化水素が混ざった液体で、「ガソリンという1つの分子」は存在しません。

だから数値が幅で示されます。引火点は−40℃以下、沸点はおよそ40〜220℃、比重はおよそ0.65〜0.75——どれも「およそ」「〜以下」「〜から〜」という書き方になるのは、中身が一定でない混合物だからです。

灯油・軽油・重油も同じく混合物です。これらの数値も幅で覚えることになります。

覚える覚え方

単体=元素1種類/化合物=結びついて別物/混合物=混ざっているだけ。乙4での見分け方はもっと簡単で、「油」の名前が付くもの(ガソリン・灯油・軽油・重油)は混合物、化学の名前が付くもの(〜オール、アセトン、ベンゼン)は化合物。数値が「幅」で書いてあったら混合物——これは覚え方としても、確かめ方としても使えます。

まとめこの問題のまとめ

単体=1種類の元素/化合物=2種類以上が結びついた1つの物質/混合物=ただ混ざっているだけ。ガソリン・灯油・軽油・重油は混合物で、だから引火点や沸点が幅で示される。エタノール・アセトン・二硫化炭素は化合物、硫黄は単体。

③危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(10問)

第4類の各品名の性質と、その火の消し方。数字(引火点・比重)を覚えているかが勝負です。

問26

分野:第4類の共通性状重要度 ★★★性質・消火

第4類の危険物に共通する性状について、次のうち正しいものはどれか。

(1)蒸気は空気より重く、低い場所に流れてたまりやすい。

(2)燃えているのは液体そのものであり、蒸気は燃えない。

(3)いずれも水によく溶けるので、水をかけて薄めれば消火できる。

(4)いずれも電気をよく通すので、静電気はたまりにくい。

(5)すべて常温(20℃)で引火する危険がある。

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正解

(1)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「第4類ぜんぶに共通することは何か」を選ぶ問題です。第4類は引火性液体——ガソリンから天ぷら油まで、性格の違うものが同じ類に入っています。そこで「全部にあてはまる」と言い切れることだけをえり分けるのがこの問題の狙いです。「よく溶ける」「すべて常温で」のような言い切りの言葉に反例がないかを探しながら読んでください。

用語第4類(引火性液体)とは?

引火性液体とは、火を近づけると引火する液体のことです。ガソリン・灯油・軽油・重油・アルコール・てんぷら油などが入ります。危険物取扱者の乙種第4類(乙4)は、この第4類だけを扱える資格です。身の回りの燃料のほとんどが第4類なので、8種類(甲種・乙種6つ・丙種)ある危険物取扱者の資格の中でいちばん受験者が多いのもこの理由です。

用語第4類に共通する5つの性質

①液体である(常温で液体、または加熱で液体)。②蒸気が空気と混ざって燃える(燃えているのは蒸気)。③蒸気は空気より重い(蒸気比重が1より大きい)。④多くは水より軽く、水に溶けにくい(比重1未満・非水溶性が多い)。⑤電気を通しにくいので静電気がたまりやすい。このうち①②は例外なし、③もほぼすべてに当てはまり、④⑤は「多くは」という違いに注意してください。

用語「燃えているのは蒸気」とは?

ライターやろうそくの炎をよく見ると、炎は液体の表面から少し浮いたところにあります。これは液面から出た蒸気が空気と混ざって燃えているからです。液体そのものは燃えていません。この理解があると、引火点=火が付くのに十分な量の蒸気が出る最低の温度という定義がすんなり入ります。

例「例外なし」と「多くは」を仕分ける

ほぼ例外なし=蒸気は空気より重い。第4類の蒸気比重は、ほとんどが1を超えます。だから低い場所にたまる——試験ではこう覚えておけば十分です。

例外あり=水より軽い。多くは比重1未満ですが、二硫化炭素(約1.26)・グリセリン・エチレングリコール・酢酸などは水より重いです。

例外あり=水に溶けない。アルコール類・アセトン・酢酸・グリセリンなどは水によく溶けます。(これらを水溶性と呼び、第1〜第3石油類では指定数量が非水溶性の2倍になります。)

例外あり=常温で引火する。ガソリン(引火点−40℃以下)は常温で危険ですが、灯油(40℃以上)・重油(60℃以上)・ギヤー油(200℃以上)は常温では引火しません。

⭕(1)蒸気は空気より重く、低い場所に流れてたまりやすい。

これが正しい記述です。第4類の蒸気は、ほぼすべて空気より重い(蒸気比重が1より大きい)ため、床・ピット・地下室・側溝など低い場所に流れてたまります。

これが危険な理由は2つあります。1つは低い場所ほど蒸気が濃くなり、燃焼範囲に入りやすいこと。もう1つは低いところを這って遠くまで流れ、離れた火種に届いてしまうことです。

だから危険物施設では換気口や蒸気の排出口を低い位置に設けるのが原則。天井の換気扇では、下にたまった重い蒸気は抜けません。

❌(2)燃えているのは液体そのものであり、蒸気は燃えない。

誤りです。燃えているのは液体ではなく、液面から出た蒸気です。

証拠は炎の位置にあります。ろうそくの炎は、液体になったろうの表面から少し浮いたところにあります。蒸気が空気と混ざったところで燃えているのです。

この理解が乙4の土台です。引火点=火が付くのに足りるだけの蒸気が出る、いちばん低い温度。「液体が燃える」と考えていると、引火点も燃焼範囲も理解できません。

❌(3)いずれも水によく溶けるので、水をかけて薄めれば消火できる。

誤りです。第4類の多くは水に溶けません。

ガソリン・灯油・軽油・重油・ベンゼン・トルエンなどは水に溶けず、水に浮きます。ここへ水をかけると燃えている油が水の上に乗って広がり、火事を拡大させます。

アルコール類やアセトンのように水に溶けるものもありますが、「いずれも」=全部、とは言えません。そして水に溶けるものでも、薄めて消すのは現実的ではありません。燃えなくなるまで薄めるには膨大な水が必要だからです。

❌(4)いずれも電気をよく通すので、静電気はたまりにくい。

誤りです。逆です。第4類の多くは電気を通しにくく、だから静電気がたまりやすいのです。

なぜ通しにくいと危険なのか?——配管を流すときなどに発生した静電気が、液体の中を逃げていけず、その場にたまり続けるからです。たまった電気はやがて火花(放電)になり、自分が出した蒸気に自分で火をつけてしまいます。

だから接地(アース)・流速を遅くする・湿度を上げるという静電気対策が、第4類の取扱いでは必ずセットになります。

❌(5)すべて常温(20℃)で引火する危険がある。

誤りです。「すべて」が言い過ぎです。

常温(20℃)で引火するのは、引火点が20℃より低いものに限られます。ガソリン(−40℃以下)・アセトン(約−20℃)・エタノール(約13℃)はあてはまりますが、灯油(40℃以上)・軽油(45℃以上)・重油(60℃以上)・ギヤー油(200℃以上)は常温では引火しません。

ただし「常温で引火しない=安全」ではありません。灯油でも霧状にしたり、布にしみ込ませたりすれば引火点より低い温度でも火が付くことがあり、加熱されて液温が引火点以上になれば当然引火します。

覚える覚え方

第4類で言い切ってよいのは「液体」「燃えるのは蒸気」の2つ、ほぼ言い切ってよいのが「蒸気は空気より重い」。「水より軽い」「水に溶けない」「常温で引火」には必ず例外があります。選択肢に「すべて」「いずれも」が出てきたら、反例を1つ思い出すと決めておくと引っかかりません(水より重い=二硫化炭素/水に溶ける=アルコール/常温で引火しない=灯油)。

まとめこの問題のまとめ

第4類に例外なく共通するのは「蒸気が燃える」、ほぼすべてに共通するのが「蒸気は空気より重い」。水より軽い・水に溶けない・常温で引火するには例外がある。電気を通しにくいので静電気がたまりやすいのも多くに共通する弱点。

問27

分野:ガソリン重要度 ★★★性質・消火

自動車の燃料として用いられるガソリンについて、次のうち誤っているものはどれか。

(1)引火点は−40℃以下で、冬の屋外でも引火する危険がある。

(2)発火点はおよそ300℃で、引火点よりはるかに高い。

(3)水によく溶けるため、火災のときは水をかけて薄めるのが有効である。

(4)見分けやすくするため、オレンジ系の色に着色されている。

(5)蒸気は空気より重く、低い場所にたまりやすい。

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正解

(3)が誤り

この問題は何を聞いているのか

「ガソリンについて間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。ガソリンは乙4で出題されやすい物質で、数字も性質もそのまま覚えてしまう価値があります。ここでは引火点・発火点・蒸気比重・色・水との関係という5つの角度から確認していきます。

用語ガソリンとは?

ガソリンとは、原油からとったいろいろな炭化水素が混ざった液体(混合物)で、法令では第1石油類(非水溶性)・指定数量200Lに分類されます。混合物なので、数値は幅で示されます(沸点およそ40〜220℃、比重およそ0.65〜0.75)。指定数量200Lは第4類の中でもかなり小さい部類で、それだけ危険と判断されているということです。

用語引火点と発火点の違い

引火点=火を近づけたときに燃え出す、いちばん低い温度。火種が要ります。発火点=火を近づけなくても、熱だけで自然に燃え出す温度。火種は要りません。なぜ発火点のほうがずっと高いのか?——火種があれば少しの熱で足りますが、自分だけで燃え出すにはずっと大きな熱が要るからです。ガソリンは引火点−40℃以下、発火点およそ300℃と、340℃以上も離れています。

覚えるガソリンの数字(この5つだけ覚える)

引火点 −40℃以下 真冬の屋外でも、蒸気は火が付く濃さで出ています。「寒いから安全」はまったく通用しません。

発火点 およそ300℃ 引火点より高いのがポイント。逆に書いてあったら誤りです。

燃焼範囲 およそ1.4〜7.6vol% この濃さの間だけ燃えます。薄すぎても濃すぎても燃えません。

比重 およそ0.65〜0.75(水より軽い)/蒸気比重 3〜4(空気より重い)。

色 オレンジ系に着色(JIS規格〈国が定めた工業製品の規格〉で決められています)。灯油や軽油と取り違えないようにするためです。

⭕(1)引火点は−40℃以下で、冬の屋外でも引火する危険がある。

正しい記述です。ガソリンの引火点は−40℃以下で、日本の冬の屋外でも、引火する濃さの蒸気を出しています。

これがガソリンがとくに危険とされる最大の理由です。灯油(40℃以上)なら常温では火を近づけても燃えませんが、ガソリンはフタを開けただけで、そこに火種があれば燃えます。

ストーブに灯油と間違えてガソリンを入れる事故が重大化するのは、この差によるものです。

⭕(2)発火点はおよそ300℃で、引火点よりはるかに高い。

正しい記述です。ガソリンの発火点はおよそ300℃。引火点(−40℃以下)よりはるかに高い温度です。

なぜ発火点のほうが高いのか?——引火は「火種を借りて」燃え出すのに対し、発火は「自力で」燃え出すからです。自力で燃え出すには、それだけ大きな熱が要ります。

試験では「発火点のほうが低い」という逆の記述が出ることがあります。第4類ではすべて引火点<発火点と覚えてください。

❌(3)水によく溶けるため、火災のときは水をかけて薄めるのが有効である。

これが誤りです。ガソリンは水に溶けません(非水溶性)。そして水より軽いので、水をかけると水の上に浮きます。

何が起きるか?——燃えているガソリンが水に乗って流れ、火事が広がります。これを火面拡大といい、ガソリン火災に水をかけてはいけない最大の理由です。

正しい消火方法は泡・粉末・二酸化炭素・ハロゲン化物。中でも泡は液面を覆ってフタになり、酸素を断つ(窒息消火)ので、油火災の主役になります。

⭕(4)見分けやすくするため、オレンジ系の色に着色されている。

正しい記述です。自動車ガソリンはオレンジ系の色に着色されています。

なぜ着色するのか?——灯油や軽油と見た目で区別できるようにするためです。無色のままだと、灯油だと思ってストーブに入れるといった取り違えの事故が起きてしまいます。

灯油はほぼ無色(または薄い黄色)、軽油は薄い黄色〜淡褐色。色で見分けられるようにしてあるのは、それだけ取り違えが危険だからです。

⭕(5)蒸気は空気より重く、低い場所にたまりやすい。

正しい記述です。ガソリンの蒸気比重はおよそ3〜4で、空気の3倍以上重いため、床・ピット・側溝などにたまります。

だから地下タンクやピットの近くでの作業は、まず換気が鉄則です。目に見えない重い蒸気が、低いところにたまっている可能性があります。

また低いところを這って遠くまで流れ、離れた火種に届くこともあります。「近くに火がないから大丈夫」とは言い切れません。

覚える覚え方

ガソリンは「−40/300/3〜4/オレンジ」の3つの数字と色で覚えます。引火点−40℃以下=真冬でも危険、発火点300℃=自力で燃えるにはこれだけ要る、蒸気比重3〜4=蒸気は床にたまる、オレンジ=灯油と取り違えないため。そして水に浮くから水はNG、浮くフタになる泡がOK——「浮く」という1つの性質から、危険も消火法も両方導けるのがガソリンです。

まとめこの問題のまとめ

ガソリンは第1石油類(非水溶性)・指定数量200L・混合物。引火点−40℃以下/発火点およそ300℃/燃焼範囲およそ1.4〜7.6vol%/比重0.65〜0.75/蒸気比重3〜4/オレンジ系に着色。水に溶けず水より軽いので、水をかけると燃え広がる。消火は泡・粉末など。

問28

分野:灯油・軽油重要度 ★★★性質・消火

灯油および軽油の性状について、次のうち正しいものはどれか。

(1)どちらも引火点が0℃以下で、常温で容易に引火する。

(2)どちらも電気をよく通すので、静電気による火災の心配はない。

(3)どちらも水より重いため、水をかけると水面の下に沈む。

(4)布や綿にしみ込ませても、引火点が下がることはないので危険性は変わらない。

(5)どちらも第2石油類に分類され、指定数量は1,000Lである。

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正解

(5)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「灯油と軽油について正しいのはどれか」を選ぶ問題です。灯油と軽油はほとんど同じ性質を持つ兄弟のような存在で、どちらも第2石油類・指定数量1,000Lです。この問題では「ガソリンほどではないが、決して安全ではない」という灯油・軽油の位置づけを押さえておきましょう。

用語第2石油類とは?

引火点が21℃以上70℃未満の液体のことです。常温(20℃)では引火しないが、少し温めれば引火する——ちょうどそのあたりの危険度にあたるグループです。代表は灯油・軽油(非水溶性・指定数量1,000L)と酢酸(水溶性・指定数量2,000L)。水溶性は非水溶性の2倍という関係は第1〜第3石油類で共通します。

用語灯油と軽油の数字

灯油=引火点40℃以上、発火点およそ220℃、比重およそ0.8、色はほぼ無色〜薄い黄色。軽油=引火点45℃以上、発火点およそ220℃、比重およそ0.85、色は薄い黄色〜淡褐色。どちらも常温では引火しませんが、発火点はガソリン(約300℃)より低いという点がむしろ注意すべきところです。

例「常温で引火しない」=安全ではない

灯油の引火点は40℃以上なので、20℃の部屋でマッチを近づけても燃えません。しかし次の3つの場合は火が付くおそれがあります。①霧状にしたとき(細かい粒になると表面積が増え、引火点より低い温度でも火が付くことがある)。②布・紙・ウエスにしみ込ませたとき(同じ理由)。③加熱されたとき(ストーブの近く、真夏の車内などで液温が引火点の40℃以上になれば引火する)。「常温では燃えない」は、条件付きの安心でしかありません。

例灯油・軽油とガソリンを比べる

引火点 ガソリン−40℃以下 < 灯油40℃以上 < 軽油45℃以上。ガソリンだけが常温で危険です。

発火点 灯油・軽油およそ220℃ < ガソリンおよそ300℃。ここは逆転します。熱いものに触れたときは、灯油のほうが自然に燃え出しやすいということです。

指定数量 ガソリン200L < 灯油・軽油1,000L。危険なものほど指定数量は小さいという原則どおりです。

共通点 どちらも水に溶けず、水より軽く、蒸気は空気より重く、電気を通しにくい(静電気がたまる)。消火は泡・粉末・二酸化炭素で、水はNG。

❌(1)どちらも引火点が0℃以下で、常温で容易に引火する。

誤りです。灯油の引火点は40℃以上、軽油は45℃以上で、常温(20℃)では引火しません。

0℃以下の引火点を持つのはガソリン(−40℃以下)やアセトン(約−20℃)など第1石油類・特殊引火物の仲間です。

ただし「常温で引火しない=安全」ではありません。霧状にしたり布にしみ込ませたりすれば、引火点より低い温度でも火が付きます。

❌(2)どちらも電気をよく通すので、静電気による火災の心配はない。

誤りです。逆です。灯油も軽油も電気を通しにくいため、静電気がたまりやすいのです。

電気を通しにくい=発生した静電気の逃げ道がないということ。配管やホースの中を流すだけで静電気は発生し、それが液の中にたまって、やがて放電(火花)になります。

だから灯油・軽油をタンクへ注ぐときも、接地(アース)をとり、流速を抑えることが求められます。セルフのスタンドで給油前に静電気除去シートに触れるよう案内があるのも同じ理由です。

❌(3)どちらも水より重いため、水をかけると水面の下に沈む。

誤りです。灯油の比重はおよそ0.8、軽油はおよそ0.85で、どちらも水より軽く、水に浮きます。

だから水をかけて消そうとすると、燃えている油が水に乗って広がります。これを火面拡大といい、油火災に水を使ってはいけない理由です。

第4類で水より重いものは、二硫化炭素・グリセリン・エチレングリコール・酢酸など少数派。灯油・軽油はその例外には入りません。

❌(4)布や綿にしみ込ませても、引火点が下がることはないので危険性は変わらない。

誤りです。布や綿にしみ込ませると、危険性はむしろ高まります。

なぜ危険になるのか?——布にしみ込むと液体が細かく広がって、空気に触れる面積が一気に増えるためです。蒸気が出やすくなるので、引火点より低い温度でも火が付くことがあります。

同じ理由で霧状(スプレー状)にすることも危険です。実際、灯油を含んだウエスが火元になる火災も起きています。「使い終わった油しみのウエスは密閉した金属容器に入れる」のはこのためです。

⭕(5)どちらも第2石油類に分類され、指定数量は1,000Lである。

これが正しい記述です。灯油も軽油も第2石油類(非水溶性)で、指定数量はどちらも1,000Lです。

第2石油類=引火点21℃以上70℃未満。灯油40℃以上、軽油45℃以上はどちらもこの範囲に入ります。

指定数量1,000Lは、ガソリンの200Lの5倍です。危険なものほど指定数量が小さいという原則から見ると、ガソリンのほうが5倍あぶないと法令が評価している、と読むことができます。

なお家庭用の灯油ポリタンクは18Lなので、約55個ぶんで指定数量に達する計算になります。

覚える覚え方

灯油と軽油はほとんど双子で、どちらも第2石油類・指定数量1,000L・水より軽い・静電気がたまる。数字は「灯油40/軽油45」とだけ覚えれば足ります。いちばん大事なのは「常温で引火しない」は条件付きの安心だということ。布にしみ込む・霧になる・温められる——この3つのどれかが起きれば、灯油でも火は付きます。

まとめこの問題のまとめ

灯油・軽油はどちらも第2石油類(非水溶性)・指定数量1,000L。引火点は灯油40℃以上・軽油45℃以上で常温では引火しないが、霧状・布にしみ込む・加熱では引火する。水より軽く、電気を通しにくい(静電気に注意)。発火点はおよそ220℃でガソリンより低い。

問29

分野:特殊引火物重要度 ★★★性質・消火

特殊引火物の性状および貯蔵方法について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)特殊引火物の指定数量は50Lで、第4類の中で最も小さい。

(2)特殊引火物は引火点が高いため、常温では引火する危険がほとんどない。

(3)二硫化炭素は水より重く、水に溶けにくいので、水中に貯蔵して蒸気の発生を防ぐ方法がとられる。

(4)二硫化炭素の発火点はおよそ90℃と低く、熱湯や高温の配管に触れただけで発火するおそれがある。

(5)ジエチルエーテルは、日光や空気にさらされると爆発性の過酸化物を生じることがある。

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正解

(2)が誤り

この問題は何を聞いているのか

「特殊引火物について間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。特殊引火物は第4類の中でいちばん危険なグループで、指定数量50Lという小ささがそれを物語っています。ここではなぜ「特殊」なのか=どこが飛び抜けて危険なのかを定義から確認していきます。

用語特殊引火物とは?(定義がそのまま出ます)

特殊引火物とは、次のどちらかにあてはまる第4類の液体をいいます。①1気圧で発火点が100℃以下のもの、または②1気圧で引火点が−20℃以下で、かつ沸点が40℃以下のもの。代表はジエチルエーテル・二硫化炭素・アセトアルデヒド・酸化プロピレンの4つ。指定数量は50Lで、第4類で最も小さい数量です。

なぜ?なぜこの2つの条件なのか?

①発火点100℃以下——お湯が沸く温度で自然に燃え出すということです。火種がなくても、熱い配管や湯気に触れただけで燃えかねません。②引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下——とても低い温度で火が付き、しかもすぐ蒸発してしまうということ。手のひらの体温くらいで沸いてしまう液体もあります。どちらも「普段の生活温度で危険」という点が共通しています。

用語二硫化炭素の水中貯蔵とは?

二硫化炭素は比重およそ1.26で水より重く、水に溶けにくいという第4類では珍しい性質を持ちます。そこで容器に水を張り、その水の下に沈めて保管する方法がとられます。なぜ効くのか?——液面が水でフタをされるので、蒸気が空気中に出てこられないからです。水より重く、水に溶けないという2つの性質がそろって初めて成り立つ方法です。

例特殊引火物4つの押さえどころ

ジエチルエーテル 引火点−45℃と非常に低い。日光や空気にさらされると爆発性の過酸化物ができるため、日光を避け、密栓して冷暗所に保管します。

二硫化炭素 発火点およそ90℃という第4類で最も低い発火点。水より重く水に溶けないので水中貯蔵。燃えると有毒な二酸化硫黄を出します。

アセトアルデヒド 沸点およそ20℃=常温で沸いてしまう。水にもよく溶けます。

酸化プロピレン 沸点およそ35℃。こちらも常温近くで沸きます。

この4つに共通するのは「普段の気温で、すでに危険」ということ。だから指定数量50Lと厳しく決められています。

⭕(1)特殊引火物の指定数量は50Lで、第4類の中で最も小さい。

正しい記述です。特殊引火物の指定数量は50Lで、第4類の中で最も小さい数量です。

比べてみると、ガソリン(第1石油類・非水溶性)が200L、灯油・軽油(第2石油類)が1,000L、重油(第3石油類)が2,000L、ギヤー油(第4石油類)が6,000L、動植物油類が10,000L。

危険なものほど指定数量は小さいという原則が、この並びにはっきり表れています。50Lは家庭のポリタンク3個ぶんにも満たない量で、それを超えれば市町村長等の許可が必要になります。

❌(2)特殊引火物は引火点が高いため、常温では引火する危険がほとんどない。

これが誤りです。特殊引火物は、引火点が高いどころか極端に低いのです。

ジエチルエーテル−45℃、二硫化炭素−30℃、アセトアルデヒドおよそ−38℃——いずれも真冬の屋外よりはるかに低い温度で引火します。

そもそも特殊引火物の定義自体が「発火点100℃以下」または「引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下」。定義の時点で「低い温度で危険」ことが条件になっています。「引火点が高い」という記述は、定義と真っ向から矛盾します。

⭕(3)二硫化炭素は水より重く、水に溶けにくいので、水中に貯蔵して蒸気の発生を防ぐ方法がとられる。

正しい記述です。二硫化炭素は水より重く(比重およそ1.26)、水に溶けにくいので、水中に沈めて保管します。

なぜ蒸気の発生を防げるのか?——液面の上を水が覆うため、蒸気が空気中に出ていけなくなるからです。水そのものがフタの役割をしています。

この方法は二硫化炭素だからできることに注意してください。ガソリンや灯油は水より軽いので、水を入れると上に浮いてしまい、まったく逆効果になります。

⭕(4)二硫化炭素の発火点はおよそ90℃と低く、熱湯や高温の配管に触れただけで発火するおそれがある。

正しい記述です。二硫化炭素の発火点はおよそ90℃で、第4類の中で最も低い発火点です。

90℃という温度がどれくらいか?——お湯が沸く100℃より低いのです。つまり熱い蒸気配管・湯気の出ている機器・熱湯に触れただけで、火種がなくても発火するおそれがあるということ。

これが二硫化炭素が「特殊」とされる最大の理由です。なお引火点は−30℃で、こちらも常温をはるかに下回ります。

⭕(5)ジエチルエーテルは、日光や空気にさらされると爆発性の過酸化物を生じることがある。

正しい記述です。ジエチルエーテルは、日光や空気にさらされると爆発性の過酸化物を生じます。

過酸化物とは?——酸素が余分に付いた不安定な物質で、衝撃や加熱で爆発するおそれがあります。長く放置された容器の底にたまるのが典型的で、ふたを開けたときの摩擦で爆発する事故も報告されているほどです。

だから日光を避け、密栓して冷暗所に保管するのが原則です。ジエチルエーテルの引火点は−45℃と非常に低く、この点でも第4類で最も引火しやすい部類に入ります。

覚える覚え方

特殊引火物の「特殊」は「普段の気温ですでに危険」という意味だと考えてください。定義は「発火点100℃以下」または「引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下」。お湯の温度で勝手に燃える/体温くらいで沸いてしまう——このどちらかにあてはまれば特殊引火物です。だから指定数量も第4類で最小の50L。危険なほど小さいという原則がいちばんはっきり出ています。

まとめこの問題のまとめ

特殊引火物=発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下。指定数量50L(第4類で最小)。ジエチルエーテル=引火点−45℃・過酸化物に注意、二硫化炭素=発火点約90℃・水より重く水中貯蔵、アセトアルデヒド=沸点約20℃。「引火点が高い」という記述は定義と矛盾する。

問30

分野:アルコール類重要度 ★★☆性質・消火

アルコール類(メタノール・エタノール)の性状について、次のうち正しいものはどれか。

(1)どちらも水に溶けないので、火災のときは一般の泡消火剤が有効である。

(2)どちらも引火点が40℃以上あるので、常温では引火しない。

(3)メタノールは飲用に用いられるが、エタノールには強い毒性がある。

(4)どちらも水によく溶けるため、火災には水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使う。

(5)どちらも炎の色があざやかな赤色で、日中でも見つけやすい。

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正解

(4)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「メタノールとエタノールについて正しいのはどれか」を選ぶ問題です。アルコール類は第4類の中では珍しく「水にいくらでも溶ける」グループで、そのせいで消火のしかたが他と変わります。ここではなぜ一般の泡が効かないのかまで理解しておくと、一気に忘れなくなります。

用語アルコール類とは?(法令上の定義)

法令では「炭素の数が1個から3個までの、飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)」を第4類のアルコール類としています。難しい言い方ですが、試験に出るのは実質メタノール・エタノール・n(ノルマル)プロピルアルコール・イソプロピルアルコールの4つだけです。指定数量は400L(アルコール類は水溶性ですが、独立した品名として400Lと決められています)。

用語水溶性とは?なぜ消火が変わるのか

水溶性=水にいくらでも溶けるという意味です。一般の泡消火剤は、たくさんの水を泡の膜で包んだもの。これを水溶性の液体にかけると、泡の中の水がアルコールに吸い取られて、泡が壊れてしまいます。フタになるはずの泡が消えてしまえば、当然消火できません。そこでアルコールに吸われても壊れにくい特別な泡=水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使います。

用語メタノールとエタノールの違い

メタノール=引火点およそ11℃、発火点はおよそ385〜465℃(資料により幅があります)。強い毒性があり、飲むと失明や死亡につながります。工業用アルコール・燃料として使われます。エタノール=引火点13℃、発火点363℃、燃焼範囲3.3〜19vol%。お酒や消毒液に使われるアルコールで、メタノールのような強い毒性はありません。「飲めるのはエタノール、飲むと危険なのがメタノール」——ここは問われやすいポイントです。

覚えるアルコール類でよく問われる4点

①水にいくらでも溶ける だから一般の泡は使えない=耐アルコール泡を使います。

②引火点が低い(メタノール約11℃・エタノール13℃) 常温(20℃)ですでに引火します。「アルコールは水っぽいから安全」は完全な誤解です。

③炎が見えにくい アルコールの炎は薄い青色でほとんど見えません。日中は燃えていることに気づかないため、かえって危険です。

④毒性はメタノールが強い エタノールは飲用にも使われますが、メタノールは失明・死亡につながる強い毒性を持ちます。

❌(1)どちらも水に溶けないので、火災のときは一般の泡消火剤が有効である。

誤りです。前半も後半も逆です。

メタノールもエタノールも水にいくらでも溶けます(水溶性)。そして水溶性の液体に一般の泡消火剤は効きません。

なぜ効かないのか?——一般の泡は水を膜で包んだものなので、その水がアルコールに吸い取られて泡が壊れてしまうからです。フタの役目を果たす前に泡が消えてしまいます。

❌(2)どちらも引火点が40℃以上あるので、常温では引火しない。

誤りです。どちらも常温で引火します。

メタノールの引火点はおよそ11℃、エタノールは13℃。どちらも常温(20℃)より低いので、室温でフタを開ければ、火が付く濃さの蒸気が出ています。

法令上の位置づけも第1石油類と同じ危険度帯にあり、「アルコール消毒液の近くで火を使わない」よう注意されるのはこのためです。

❌(3)メタノールは飲用に用いられるが、エタノールには強い毒性がある。

誤りです。説明が完全に逆になっています。

飲用に使われるのはエタノール(お酒のアルコール)です。メタノールには強い毒性があり、飲むと失明や死亡につながります。

見た目もにおいも似ているため、過去に工業用メタノールを酒と誤って飲む重大事故が起きています。「メタ=目に来る」とイメージしておくと取り違えません。

⭕(4)どちらも水によく溶けるため、火災には水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使う。

これが正しい記述です。メタノール・エタノールはどちらも水によく溶けるため、水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使います。

耐アルコール泡とは?——アルコールに水を吸い取られても壊れにくいように作られた泡です。これなら液面にとどまってフタになり、窒息消火の働きをしてくれます。

「水溶性なら耐アルコール泡」という関係は、アセトン・酢酸・グリセリンなど他の水溶性の危険物にも共通します。まとめて覚えてしまってください。

❌(5)どちらも炎の色があざやかな赤色で、日中でも見つけやすい。

誤りです。逆に、アルコールの炎は薄い青色でほとんど見えません。

これがアルコール火災の怖いところです。明るい日中では、燃えていることに気づかないまま近づいてしまうおそれがあります。

ガソリンなどの炎はすすを含んでオレンジ色に見えますが、アルコールはすすがほとんど出ないため炎が見えにくいのです。「見えないから燃えていない」と判断しないことが大切です。

覚える覚え方

アルコール類は「よく溶ける・よく燃える・炎が見えない」の3点セット。水に溶けるから一般の泡は水を吸われて壊れる——だから耐アルコール泡。ここは理屈で覚えれば忘れません。毒性は「メタ=目に来る(失明)」「エタ=お酒の成分(飲料にも使われる)」とイメージで分けてください。引火点は11と13——どちらも室温より低いと押さえておけば十分です。

まとめこの問題のまとめ

メタノール・エタノールはアルコール類・指定数量400L。どちらも水にいくらでも溶けるので、一般の泡は水を吸われて壊れ、耐アルコール泡を使う。引火点はメタノール約11℃・エタノール13℃で常温でも引火。炎は薄い青色で見えにくい。強い毒性があるのはメタノール。

問31

分野:第1石油類重要度 ★★☆性質・消火

第1石油類に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)第1石油類とは、引火点が21℃未満のものをいう。

(2)ベンゼンには蒸気を吸い込んだときの毒性があるが、トルエンには毒性がない。

(3)ベンゼン・トルエンは水に溶けない非水溶性で、指定数量は200Lである。

(4)アセトンは水によく溶ける水溶性で、指定数量は400Lである。

(5)いずれも引火点が低いので、常温で引火する危険がある。

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正解

(2)が誤り

この問題は何を聞いているのか

「第1石油類について間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。第1石油類はガソリンが入っているグループで、常温でも簡単に火が付く危険度帯にあたります。ここでは引火点による定義・水溶性と非水溶性の指定数量・毒性の3点を確認します。

用語第1石油類とは?

引火点が21℃未満の液体のことです(特殊引火物にあてはまるものを除きます)。常温(20℃)より低い温度で引火するということなので、通常の室温ですでに危険なグループです。代表はガソリン・ベンゼン・トルエン(非水溶性・指定数量200L)とアセトン・ピリジン(水溶性・指定数量400L)。

なぜ?なぜ水溶性は指定数量が2倍なのか?

水に溶けるものは、水で薄めることで危険を減らせると評価されているためです。また水で薄まれば燃えにくくなるという性質もあります。そのぶん非水溶性より緩い数量が設定されており、第1石油類なら非水溶性200L・水溶性400L、第2石油類なら1,000L・2,000L、第3石油類なら2,000L・4,000Lと、すべて2倍の関係になっています。

用語ベンゼン・トルエンとは?

どちらも塗料の溶剤や化学原料に使われる、においの強い液体です。ベンゼン=引火点およそ−11℃、水に溶けず、比重0.88ほど。発がん性を含む強い毒性があります。トルエン=引火点およそ4℃、水に溶けず、比重0.87ほど。こちらにも毒性があります(頭痛・めまい・意識障害など、蒸気の吸入による健康被害が知られています)。

例第4類の引火点による区分(この並びが全部の土台)

特殊引火物 発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下。(50L)

第1石油類 引火点21℃未満。ガソリン・ベンゼン・トルエン200L/アセトン400L。

アルコール類 炭素数1〜3の飽和1価アルコール。(400L)

第2石油類 引火点21℃以上70℃未満。灯油・軽油1,000L/酢酸2,000L。

第3石油類 引火点70℃以上200℃未満。重油2,000L/グリセリン4,000L。

第4石油類 引火点200℃以上250℃未満。ギヤー油6,000L。

動植物油類 引火点250℃未満。(10,000L)

⭕(1)第1石油類とは、引火点が21℃未満のものをいう。

正しい記述です。第1石油類=引火点21℃未満です(特殊引火物にあたるものを除きます)。

なぜ21℃という中途半端な数字なのか?——常温(およそ20℃)を境目にしていると考えれば分かります。21℃未満=常温ですでに引火するグループ、21℃以上=常温では引火しないグループ、という線引きです。

ガソリン(−40℃以下)、ベンゼン(約−11℃)、トルエン(約4℃)、アセトン(約−20℃)——いずれも21℃を下回っています。

❌(2)ベンゼンには蒸気を吸い込んだときの毒性があるが、トルエンには毒性がない。

これが誤りです。トルエンにも毒性があります。

ベンゼンの毒性がとくに強い(発がん性を含む)のは事実ですが、トルエンにも毒性はあります。蒸気を吸い込むと頭痛・めまい・吐き気、多量では意識障害を起こすことが知られており、決して無害ではありません。

「片方には毒性がない」という言い切りが誤りです。そもそも第4類の有機溶剤は、おおむね何らかの健康被害をもたらすものと考えて扱うべきで、換気と保護具が欠かせません。

試験では「◯◯には毒性がない」という断定は疑ってかかると覚えておくと有利です。

⭕(3)ベンゼン・トルエンは水に溶けない非水溶性で、指定数量は200Lである。

正しい記述です。ベンゼン・トルエンはどちらも水に溶けない非水溶性で、指定数量は200Lです。

ガソリンと同じ数量で、第4類の中でも小さい部類。それだけ危険と評価されているということです。

水に溶けず水より軽い(比重0.87〜0.88)ので、水をかけると浮いて燃え広がります。消火は泡・粉末・二酸化炭素です。

⭕(4)アセトンは水によく溶ける水溶性で、指定数量は400Lである。

正しい記述です。アセトンは水によく溶ける水溶性で、指定数量は400Lです。

アセトンはマニキュアの除光液などに使われる、においの強い液体。引火点はおよそ−20℃と非常に低く、常温で簡単に引火します。

水溶性なので、消火には水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使います。一般の泡では、泡の水分がアセトンに吸われて壊れてしまうからです。

⭕(5)いずれも引火点が低いので、常温で引火する危険がある。

正しい記述です。第1石油類は定義が「引火点21℃未満」なので、常温(20℃)で引火する危険があるのは定義そのものから言えます。

ガソリン−40℃以下、アセトン約−20℃、ベンゼン約−11℃、トルエン約4℃——いずれも常温を大きく下回ります。

だから第1石油類の取扱いでは、火気厳禁・換気・静電気対策が常に欠かせません。

覚える覚え方

第1石油類は「引火点21℃未満=室温でもう危険」グループ。21℃という数字は、常温の20℃のすぐ上に線を引いたと考えれば自然に頭に入ります。指定数量は非水溶性200L・水溶性400Lで、水に溶けるほうが2倍緩い——これは第1〜第3石油類で共通のルールです。毒性については「毒性がない」と書いてあったらまず疑う。有機溶剤に安全なものはない、という感覚を持ってください。

まとめこの問題のまとめ

第1石油類=引火点21℃未満=常温で引火する。ガソリン・ベンゼン・トルエン=非水溶性200L、アセトン=水溶性400L。水溶性は非水溶性の2倍という関係は第1〜第3石油類で共通。ベンゼンもトルエンも毒性がある(「毒性がない」は誤り)。

問32

分野:第3石油類(重油)重要度 ★★☆性質・消火

ボイラーなどの燃料に使われる重油の性状について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)重油はふつう第3石油類に分類され、指定数量は2,000Lである。

(2)重油は原油から作られた混合物で、褐色または暗褐色のねばりのある液体である。

(3)比重は1よりやや小さく、水に溶けないので水に浮く。

(4)引火点が高いので、加熱されても引火する危険はない。

(5)火災になると液温が非常に高くなり、消火に手間がかかる。

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正解

(4)が誤り

この問題は何を聞いているのか

「重油について間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。重油は、ボイラーや船の燃料に使われるどろっとした油。引火点が高い=常温では火が付かないのですが、そこから「だから安全」と考えてよいか——それがこの問題の狙いです。

用語第3石油類とは?

引火点が70℃以上200℃未満の液体のことです。常温ではまず引火しないが、加熱されれば引火するという危険度帯にあたります。代表は重油・クレオソート油(非水溶性・指定数量2,000L)とグリセリン・エチレングリコール(水溶性・指定数量4,000L)。ここでも水溶性は非水溶性の2倍という関係が成り立ちます。

用語重油とは?

重油とは、原油からガソリンや灯油をとったあとに残る、重い成分を集めた油です。混合物なので性質は幅を持ち、引火点はおよそ60〜150℃、発火点はおよそ250〜380℃、比重はおよそ0.9〜1.0(水よりやや軽い)とされます。色は褐色〜暗褐色で、ねばりが強いのが特徴。規格上は1種(A重油)・2種(B重油)・3種(C重油)に分かれ、数字が大きいほどねばりが強くなります。

用語引火点が高いのに、なぜ危険なのか?

重油は「使うときに温める」油だからです。ねばりが強いので、そのままではポンプで送れず、配管も詰まります。そこでボイラーの燃料として使うときは、タンクや配管を加熱してさらさらにしてから送るのが一般的です。加熱すれば当然、引火点を超えることがあります。「常温では引火しない」は、常温で置いてある間だけの話にすぎません。

例重油の火災が手ごわい理由

①液温が非常に高くなる 引火点が高いということは、燃えているときの液体そのものが100℃をはるかに超えているということ。

②水をかけると危険 高温の油に水をかけると、水が一瞬で水蒸気になって体積が急に膨らみ、燃えている油を吹き飛ばします。これをスロップオーバーといいます。

③ねばりが強く、消火剤が届きにくい 表面を覆うのに時間がかかります。

ですから消火は泡が第一選択。液面を覆って窒息消火します。水は絶対に使いません。

⭕(1)重油はふつう第3石油類に分類され、指定数量は2,000Lである。

正しい記述です。重油は一般に第3石油類に分類され、指定数量は2,000Lです。

第3石油類は引火点70℃以上200℃未満で、重油の引火点(およそ60〜150℃)はおおむねこの範囲に入ります。

指定数量2,000Lは、ガソリンの200Lの10倍。常温で引火しないぶん、危険度は低く評価されているということです。

⭕(2)重油は原油から作られた混合物で、褐色または暗褐色のねばりのある液体である。

正しい記述です。重油は原油からとった重い成分の混合物で、褐色または暗褐色でねばりのある液体です。

混合物だからこそ数値が幅で示されます。引火点60〜150℃、比重0.9〜1.0のように「およそ」でしか言えないのは、中身が一定ではないためです。

ねばりが強いので、使うときには温めてさらさらにする必要があります。これが後に出てくる「加熱されるから危険」という話につながります。

⭕(3)比重は1よりやや小さく、水に溶けないので水に浮く。

正しい記述です。重油の比重はおよそ0.9〜1.0で、1よりやや小さく、水に溶けないので水に浮きます。

ガソリン(0.65〜0.75)や灯油(約0.8)と比べるとかなり水に近い重さですが、それでも水よりは軽いのが一般的です。

水に浮くということは、水をかけると燃えたまま広がるということ。ここは第4類のほとんどに共通する注意点です。

❌(4)引火点が高いので、加熱されても引火する危険はない。

これが誤りです。引火点が高くても、加熱されれば当然引火します。

むしろ重油は「加熱して使うのが一般的な油」です。ねばりが強くてそのままでは送れないため、タンクや配管を温めてから使います。加熱された重油は、引火点を超えた状態で扱われていることになります。

「引火点が高い=安全」ではありません。引火点は「その温度になったら火が付く」という境目を示すだけで、その温度に達しないという保証はどこにもないからです。

この考え方は動植物油類(引火点250℃未満)にもあてはまります。天ぷら油の火災は、まさに加熱によって引火点を超えたときに起きています。

⭕(5)火災になると液温が非常に高くなり、消火に手間がかかる。

正しい記述です。重油の火災は液温が非常に高くなり、消火に手間がかかります。

引火点が60〜150℃ということは、燃えているときの油はそれ以上の温度になっているということ。ここへ水をかけると、水が一瞬で水蒸気になって体積が急に膨らみ、燃えている油を周囲に吹き飛ばします(スロップオーバー)。

ですから消火は泡で液面を覆う(窒息消火)のが基本。ねばりが強いぶん、泡が行きわたるまでに時間がかかることも「手間がかかる」といわれる理由です。

覚える覚え方

重油は「常温では燃えないが、温めて使う油」。ここが最大のポイントです。引火点が高い=安全、ではありません。てんぷら油が火を出すのと同じで、温めれば必ず境目を越えます。数字は第3石油類=70〜200℃・重油2,000Lだけ押さえれば十分。消火は泡(窒息)で、高温の油に水をかけると吹き飛ぶ——ここは天ぷら鍋の事故と同じ理屈です。

まとめこの問題のまとめ

重油は第3石油類(非水溶性)・指定数量2,000L・混合物。引火点およそ60〜150℃・比重0.9〜1.0で水より軽い・褐色でねばりが強い。使うときは加熱するので、引火点が高くても危険はある。火災では液温が非常に高くなり、水は厳禁・泡で窒息消火。

問33

分野:第4石油類・動植物油類重要度 ★★☆性質・消火

動植物油類の自然発火について、次のうち正しいものはどれか。

(1)動植物油類は引火点が高いので、自然に発火することはない。

(2)ヨウ素価が大きい油(乾性油)ほど自然発火しやすい。

(3)油がしみ込んだ布を、風通しのよい場所に広げておくと自然発火しやすくなる。

(4)自然発火は、外から火種が入ることによって起こる現象である。

(5)動植物油類の指定数量は2,000Lで、重油と同じである。

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正解

(2)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「動植物油類の自然発火について正しいのはどれか」を選ぶ問題です。自然発火——火の気がまったくないのに、油のしみた布が勝手に燃え出す現象です。なぜそんなことが起きるのかを理屈で理解しておけば、この問題は考えて解けます。丸暗記は要りません。

用語動植物油類とは?

動植物油類とは、動物や植物からとった油で、引火点が250℃未満のものです。サラダ油・なたね油・大豆油・あまに油・魚油など。指定数量は10,000Lで、第4類の中で最も大きい数量です。引火点が高い=普段は火が付きにくいと評価されているためです。ちなみに第4石油類(ギヤー油・シリンダー油)は引火点200℃以上250℃未満で指定数量6,000L。どちらもねばりのある重い油の仲間です。

用語自然発火とは?

自然発火とは、火種がまったくないのに、物質そのものの中で熱が生まれ、それがたまって、ついに発火点に達して燃え出す現象です。火が外から入ってくるのではありません。しくみは3段階——①油が空気中の酸素とゆっくり結びつく(酸化)→②そのとき熱が出る→③熱が逃げずにたまり、温度が上がっていく。これが繰り返されて発火点に届くと、勝手に燃え出します。

用語ヨウ素価とは?

ヨウ素価とは、その油がどれくらい酸素と結びつきやすいかを表す数字です。ヨウ素価が大きいほど、酸素と結びつきやすい=酸化しやすい。そして酸化しやすいほど熱がたくさん出るので、自然発火しやすいのです。ヨウ素価130以上を乾性油(あまに油・きり油など)、100以下を不乾性油(オリーブ油・つばき油など)、その間を半乾性油と呼びます。「乾性油=自然発火しやすい」と覚えてください。

覚える自然発火しやすい条件・しにくい条件

しやすい条件① 酸化しやすい油(乾性油・ヨウ素価が大きい) 熱が生まれる量そのものが多いからです。

しやすい条件② 空気に触れる面積が広い 布やウエスにしみ込むと、酸化が一気に進みます。

しやすい条件③ 熱が逃げない ここが決定的です。布を丸めて積み上げたり、山にして放置したりすると、中で出た熱が外に出られずたまり続けます。

しにくい条件=風通しのよい場所に広げる 熱がどんどん逃げていくので、たまりません。だから対策は「広げる・冷やす・密閉した金属容器に入れる」。

まとめると「たくさん熱が出て、逃げ場がない」ときに自然発火する。この2つがそろわないと起きません。

❌(1)動植物油類は引火点が高いので、自然に発火することはない。

誤りです。引火点が高くても自然発火は起こります。

引火点と自然発火はまったく別の話だからです。引火点は「火を近づけたら燃える温度」の話。自然発火は「火種なしで、自分の中の熱で発火点に達する」話です。

実際、油のしみた布による自然発火は繰り返し起きている事故で、塗装現場や飲食店の清掃用ウエスなどが火元になります。

⭕(2)ヨウ素価が大きい油(乾性油)ほど自然発火しやすい。

これが正しい記述です。ヨウ素価が大きい油(乾性油)ほど自然発火しやすいのです。

なぜか?——ヨウ素価が大きい=酸素と結びつきやすいということ。酸素と結びつくときには熱が出ますから、結びつきやすい油ほど、たくさん熱が出ることになります。

ヨウ素価130以上が乾性油(あまに油・きり油など)。これらは塗料や油性ペンキに使われるため、塗装作業に使ったウエスの管理が現場では重要になります。

逆にヨウ素価100以下の不乾性油(オリーブ油など)は酸化しにくく、自然発火のおそれは小さくなります。

❌(3)油がしみ込んだ布を、風通しのよい場所に広げておくと自然発火しやすくなる。

誤りです。風通しのよい場所に広げると、自然発火は起こりにくくなります。

なぜか?——広げれば、発生した熱がどんどん空気に逃げていくからです。熱がたまらなければ、温度は上がりません。

危険なのは逆で、丸めて積み上げたり、山にして放置したときです。中心部で出た熱が外に出られず、こもり続けて温度が上がっていきます。

正しい対策は「広げて熱を逃がす」または「ふたのある金属容器に入れて空気を断つ」のどちらかです。

❌(4)自然発火は、外から火種が入ることによって起こる現象である。

誤りです。自然発火に外からの火種は関係ありません。

自然発火は、物質そのものの中で熱が生まれて起こる現象です。①酸素とゆっくり結びつく→②熱が出る→③熱がたまる→④発火点に達する——この流れに火種はまったく登場しません。

だから怖いのです。火気厳禁を徹底していても、油のしみた布を放置しただけで火事になり得ます。

❌(5)動植物油類の指定数量は2,000Lで、重油と同じである。

誤りです。動植物油類の指定数量は10,000Lで、第4類の中で最も大きい数量です。重油(第3石油類)は2,000Lなので、5倍の差があります。

なぜこんなに大きいのか?——引火点が250℃未満と高く、普段は火が付きにくいと評価されているためです。危険なものほど指定数量は小さいという原則どおりです。

ただし指定数量が大きい=安全という意味ではありません。自然発火という別の危険があること、そして天ぷら油火災のように加熱されれば火を出すことは変わりません。

覚える覚え方

自然発火は「熱がたくさん出て、逃げ場がない」ときに起きる——これだけで全部説明できます。ヨウ素価が大きい=酸素とくっつきやすい=熱がたくさん出るので危険。丸めて積む=熱が逃げないので危険。逆に広げる=熱が逃げるので安全。ふとんを重ねると中があたたかいのと同じイメージで、「こもると熱くなる」と考えれば迷いません。

まとめこの問題のまとめ

動植物油類=引火点250℃未満・指定数量10,000L(第4類で最大)。自然発火=火種なしで、酸化熱がたまって発火点に達する現象。ヨウ素価が大きい乾性油(130以上)ほど起こりやすい。丸めて積むと危険、広げて熱を逃がすと安全。

問34

分野:火災予防重要度 ★★★性質・消火

第4類の危険物をあつかう場所での火災予防について、次のうち誤っているものはどれか。

(1)蒸気が発生したときは、濃度を燃焼範囲の中に保てば燃えないので安全である。

(2)蒸気がたまらないように換気を行い、換気口は低い位置に設ける。

(3)タンクに注入するときは、静電気の発生をおさえるため流速をおそくする。

(4)容器に危険物を入れるときは、温度の上昇による膨張を考えて、少し空間を残しておく。

(5)容器は密栓し、直射日光を避けて、風通しのよい冷暗所に保管する。

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正解

(1)が誤り

この問題は何を聞いているのか

「火災予防のやり方で間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。火災予防のルールは数が多そうに見えますが、やっていることは3つだけです。①蒸気を出さない ②出た蒸気をためない ③火種を作らない。どの対策も、この3つのどれかにあてはまります。そう考えると、まる暗記しなくても判断できるようになります。

なぜ?なぜ「密栓・冷暗所」なのか?

蒸気を出さないためです。温度が高いほど蒸気はたくさん出ますから、涼しく(冷)暗く(暗)保つことで蒸気の発生を抑えられます。そして密栓すれば、出た蒸気が外に漏れません。直射日光を避けるのは、日に当たると容器の中の温度がぐんぐん上がるからです。夏の車内が高温になるのと同じ理屈です。

なぜ?なぜ換気口は低い位置なのか?

第4類の蒸気は、ほぼすべて空気より重いからです。蒸気は床の上を這うように広がり、低いところにたまります。したがって抜くための口も低いところに付けなければ意味がありません。天井に換気扇を付けても、下にたまった重い蒸気は動きません。「重いものは下にたまる、だから下から抜く」——これだけの話です。

用語燃焼範囲とは?(この問題の核心)

燃焼範囲とは、空気に混ざった蒸気が、火を近づけたときに燃える「濃さの範囲」のことです。薄すぎても濃すぎても燃えません。例えばガソリンはおよそ1.4〜7.6vol%。この範囲の中に入っているときこそが「燃える状態」=いちばん危険です。範囲の中に保つ=いつでも燃える状態を維持するということなので、安全とは正反対になります。

例火災予防を3つに整理する

①蒸気を出さない 密栓する・冷暗所に置く・直射日光を避ける・むやみに加熱しない。

②出た蒸気をためない 換気する・換気口は低い位置に・低い場所(ピット、地下)を点検する。

③火種を作らない 火気厳禁・接地(アース)・流速を遅く・湿度を上げる・衝撃や摩擦を避ける・電気設備は防爆型(火花が外へ漏れない構造)にする。

そして容器には少し空間を残す。なぜか?——液体は温まると膨らむので、いっぱいに詰めると容器が変形したり、あふれたりするからです。

❌(1)蒸気が発生したときは、濃度を燃焼範囲の中に保てば燃えないので安全である。

これが誤りです。燃焼範囲の中こそが、いちばん危険な状態です。

燃焼範囲=火を近づけたときに燃える濃さの範囲。ガソリンならおよそ1.4〜7.6vol%です。この範囲に入っているということは、火種があればいつでも燃える状態

正しい対策は逆で、燃焼範囲の外に出すことです。具体的には換気をして、蒸気の濃さを下限値より薄くするのが基本になります。(濃くして上限値を超えさせるという方法は、ふたを開けたとたんに空気と混ざって範囲に入るため、安全策にはなりません。)

「範囲の中に保つ」という表現は、安全対策の言い方をそっくり逆にしたひっかけです。落ち着いて読めば気づけます。

⭕(2)蒸気がたまらないように換気を行い、換気口は低い位置に設ける。

正しい記述です。第4類の蒸気は空気より重いので、換気口は低い位置に設けます。

なぜ低い位置なのか?——重い蒸気は床付近にたまるので、そこから抜かなければ排出できないからです。天井にいくら換気扇を付けても、下の蒸気は動きません。

同じ理由で、ピット・地下室・側溝など低い場所は蒸気の吹きだまりになります。これらの場所に入る前の換気は必須です。

⭕(3)タンクに注入するときは、静電気の発生をおさえるため流速をおそくする。

正しい記述です。流速が遅いほど、液体と管の壁の摩擦が弱くなり、静電気の発生が減ります。

第4類は電気を通しにくいので、発生した静電気が逃げずにたまります。たまった静電気はやがて火花(放電)となり、自分が出した蒸気に火をつけてしまうおそれがあるのです。

流速を抑えるほかに、接地(アース)をとる・湿度を上げる・導電性の材料を使うという対策があります。

⭕(4)容器に危険物を入れるときは、温度の上昇による膨張を考えて、少し空間を残しておく。

正しい記述です。容器には少し空間を残します。

なぜか?——液体は温度が上がると膨らむ(熱膨張する)からです。いっぱいに詰めた容器の温度が上がると、逃げ場のない液体が容器を押し広げ、変形・破損・あふれにつながります。

法令でも液体の危険物は運搬容器の内容積の98%以下に収納し、55℃の温度でも漏れないだけの空間を残すと定められています。(固体は95%以下)。ペットボトルを凍らせるときに満タンにしない、というのと同じ発想です。

⭕(5)容器は密栓し、直射日光を避けて、風通しのよい冷暗所に保管する。

正しい記述です。密栓=蒸気を外に出さない、直射日光を避ける・冷暗所=温度を上げず、蒸気の発生を抑える。どちらも「蒸気を出さない」ための基本です。

とくに直射日光は要注意です。夏の日なたに置いた容器の中は、思っている以上に高温になります。温度が上がれば蒸気圧も上がり、容器の内圧が高まって危険です。

なおジエチルエーテルのように日光で爆発性の過酸化物ができるものもあり、遮光の意味はいっそう大きくなります。

覚える覚え方

火災予防は「出さない・ためない・火種を作らない」の3つに整理できます。密栓と冷暗所は出さない、換気はためない、アースと流速は火種を作らない。そして最大のひっかけが燃焼範囲。燃焼範囲は「燃える濃さ」なのだから、そこに入れるのは危険——字のとおりに読めば逆だと分かるタイプの選択肢です。対策は換気で薄くして、範囲の外に出す。

まとめこの問題のまとめ

火災予防は①蒸気を出さない(密栓・冷暗所・遮光)②蒸気をためない(換気・換気口は低い位置)③火種を作らない(火気厳禁・アース・流速を遅く)の3本立て。容器は膨張を考えて少し空間を残す(液体は内容積の98%以下)。燃焼範囲の中は「いつでも燃える状態」=最も危険で、換気で範囲の外(薄いほう)に出すのが正解。

問35

分野:消火方法重要度 ★★★性質・消火

第4類の危険物の火災の消火方法について、次のうち正しいものはどれか。

(1)棒状の水を勢いよくかけて、燃えている液体を吹き飛ばすのが最も効果的である。

(2)アセトンやエタノールの火災には、一般の泡消火剤が最も適している。

(3)二酸化炭素消火剤は、狭い室内でも人体への影響がないので安心して使える。

(4)粉末消火剤は冷却効果が大きいので、消火後に再び燃え出すことはない。

(5)泡消火剤は液面をおおって空気を断つので、第4類の火災に有効である。

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正解

(5)が正しい

この問題は何を聞いているのか

「第4類の火災の消し方で正しいのはどれか」を選ぶ問題です。第4類の消火は「水は使えない、泡が主役」という1本の軸さえ通っていれば、多くの選択肢を判断できます。なぜ水が使えず、なぜ泡がよいのか——その理由から順に確認していきましょう。

なぜ?なぜ第4類に水を使ってはいけないのか?

第4類の多くは、水に溶けず、水より軽いからです。燃えている油に水をかけると、油が水の上に浮いて、燃えたまま流れ広がります。これを火面拡大といい、火事を大きくしてしまいます。さらに高温の油に水がかかると、水が一瞬で水蒸気になって体積が急に膨らみ、燃えている油を吹き飛ばします(スロップオーバー)。広げるか、吹き飛ばすか——どちらにしても逆効果です。

用語第4類に使える消火剤4種類

①泡=液面を覆ってフタになる(窒息)。油火災の主役。②粉末=燃焼の連鎖に割り込んで止める(抑制)。消えるのが速い。③二酸化炭素=空気中の酸素を追い出す(窒息)。あとが汚れないので精密機器に向く。④ハロゲン化物=抑制。いずれも「酸素を断つ」か「反応を止める」のどちらかで、水のように冷やす方法は使いません。

用語水溶性の危険物は泡も選ぶ

アセトン・エタノール・メタノール・酢酸・グリセリンのように水に溶ける危険物には、一般の泡消火剤は使えません。なぜか?——泡は水を膜で包んだものなので、その水を吸い取られて泡が壊れてしまうからです。そこで水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使います。「水に溶けるものには、溶けに強い泡」と覚えてください。

例消火剤ごとの得意・不得意

泡 ⭕液面を覆って確実に消え、再着火しにくい。❌水溶性の液体には一般の泡が使えない(耐アルコール泡が必要)。

粉末 ⭕炎が一瞬で消える。屋外でも効く。❌冷却効果がほとんどないので、高温のままだと再び燃え出す(再着火)。

二酸化炭素 ⭕あとが残らず、電気設備や精密機器にも使える。❌狭い室内では酸素が減り、人が窒息するおそれがある。風のある屋外では流されて効きにくい。

水(棒状・霧状) ❌第4類には使わない。油が浮いて広がる/高温の油で水蒸気爆発的に吹き飛ぶ。

❌(1)棒状の水を勢いよくかけて、燃えている液体を吹き飛ばすのが最も効果的である。

誤りです。棒状の水は、第4類の火災に使ってはいけません。

理由は2つあります。1つは油が水に浮いて、燃えたまま流れ広がる(火面拡大)こと。もう1つは勢いよくかけると燃えている液体が飛び散ることです。

とくに重油のような高温になる油では、水が一瞬で水蒸気になり、体積が急に膨らんで燃えている油を吹き飛ばします(スロップオーバー)。「吹き飛ばして消す」という発想自体が誤りです。

❌(2)アセトンやエタノールの火災には、一般の泡消火剤が最も適している。

誤りです。アセトンやエタノールのような水溶性の危険物には、一般の泡消火剤は適していません。

なぜか?——一般の泡は水を膜で包んだものなので、その水が水溶性の液体に吸い取られて泡が壊れてしまうからです。フタになる前に泡が消えてしまえば、消火できません。

正しくは水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使います。アルコール類・アセトン・酢酸・グリセリン・エチレングリコールなど、水に溶ける危険物すべてに共通する注意点です。

❌(3)二酸化炭素消火剤は、狭い室内でも人体への影響がないので安心して使える。

誤りです。二酸化炭素消火剤は、狭い室内で使うと人が窒息するおそれがあります。

そもそも二酸化炭素が火を消すしくみが、酸素を追い出すこと(窒息消火)です。火にとって危険な状態は、人にとっても危険——当たり前ですが、ここが問われます。

実際に地下や機械室で二酸化炭素消火設備が作動し、中にいた人が亡くなる事故が起きています。だから放出前の警報と、退避してからの起動が、設備の要件とされているのです。

長所はあとが汚れず、電気を通さないので電気設備にも使えること。短所とセットで覚えてください。

❌(4)粉末消火剤は冷却効果が大きいので、消火後に再び燃え出すことはない。

誤りです。粉末消火剤には、冷却効果がほとんどありません。

粉末消火剤の主な働きは抑制(負触媒)消火——燃焼の反応の連鎖に割り込んで止めることです。炎は一瞬で消えますが、液体の温度は下がっていません。

だから再着火に注意が要ります。消えたように見えても、液温が発火点や引火点を超えたままなら、また燃え出すおそれがあります。

「速く消えるが、冷めてはいない」——これが粉末の性格です。確実に鎮火させたい油火災では、液面を覆い続ける泡のほうが向いています。

⭕(5)泡消火剤は液面をおおって空気を断つので、第4類の火災に有効である。

これが正しい記述です。泡消火剤は液面を覆って空気を断つ(窒息消火)ので、第4類の火災に有効に働きます。

なぜ泡が油に効くのか?——泡は油の上に浮いてフタになれるからです。フタになれば酸素が液面に届かなくなり、同時に蒸気が上がってくるのも押さえられます。燃焼の3要素のうち、酸素と可燃物の両方を断っていることになります。

さらに泡は液面にとどまり続けるので、消えたあとに再び燃え出しにくいのも大きな利点です。これが油火災で泡が主役とされる理由です。

ただし水溶性の危険物には、一般の泡ではなく水溶性液体用(耐アルコール)泡を使います。

覚える覚え方

第4類の消火は「水は使えない、泡が主役」の1本で通せます。理由も1つで、油は水に浮くから。浮いてしまう水は使えない、浮いてフタになる泡はよい——この対比で覚えてください。例外の注意も1つだけ、水に溶けるものには耐アルコール泡。そして各消火剤の弱点は「粉末は冷えない(再着火)」「二酸化炭素は人も窒息する」の2つを押さえれば十分です。

まとめこの問題のまとめ

第4類の火災は水を使わない(油が浮いて広がる・水蒸気で吹き飛ぶ)。泡が主役=液面を覆って窒息消火し、再着火にも強い。粉末は消えるのが速いが冷却効果がなく再着火に注意。二酸化炭素は狭い室内では人が窒息する危険。水溶性のものには耐アルコール泡。

覚えるこの35問の最重要ポイント(直前チェック)

  • 指定数量の倍数は、品名ごとに割ってから全部足す。軽油1,000L/重油2,000L/ギヤー油6,000Lは丸暗記してよい数字です。
  • 保安講習は「その日以後における最初の4月1日から3年以内」ごと。「受講した日から3年」ではありません。新しく従事したときは1年以内。
  • 手続きの言葉を取りちがえない——設置・変更=許可/仮貯蔵・仮使用=承認/予防規程=認可/品名や数量の変更=10日前までに届出。
  • 保安距離は、守りたい相手が大事なほど長い——住居10m/高圧ガス20m/学校・病院など30m/重要文化財50m。
  • 保有空地は指定数量の倍数10以下で3m以上、10を超えると5m以上(製造所の場合)。
  • 定期点検は1年に1回以上、記録の保存は3年間。移動タンク貯蔵所と地下タンクを持つ施設は、規模に関係なく必ず定期点検。
  • 移動タンク貯蔵所は、容量30,000L以下・間仕切で4,000L以下ごと・容量2,000L以上の部分には防波板。走行中の液体の揺れを抑えるためです。
  • 静電気対策は「流速をおそく・接地(アース)・湿度を上げる・電気を通す材料」。流速を速くするのは逆効果です。
  • 熱量=比熱×質量×温度差。温度は「何℃にしたか」ではなく「何℃ぶん上げたか」を使います。
  • 蒸発はどんな温度でも起きる/沸騰は沸点だけ。ガソリンが常温で危ないのは、沸騰していなくても蒸気が出ているからです。
  • 比重は水と比べる、蒸気比重は空気と比べる。第4類は液体は水に浮き、蒸気は床に沈む。
  • 消火は除去・窒息・冷却・抑制の4つ。泡の主原理は窒息(冷却ではありません)。
  • ガソリン=引火点−40℃以下・発火点約300℃・蒸気比重3〜4・オレンジ系に着色・指定数量200L。灯油40℃以上・軽油45℃以上でどちらも1,000L。
  • 特殊引火物=発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下・指定数量50L。二硫化炭素は発火点約90℃・水より重いので水中貯蔵。
  • 水に溶ける危険物(アルコール・アセトン・酢酸・グリセリン)には耐アルコール泡。一般の泡は水を吸われて壊れてしまいます。
  • 自然発火は「熱がたくさん出て、にげ場がない」ときに起きる。ヨウ素価が大きい乾性油ほど危険で、油のしみた布はまるめて積まず、広げるか密閉容器へ。
科目 問番号 問題数 合格ライン あなたの正解数
法令 問1〜問15 15問 9問以上   /15
物理・化学 問16〜問25 10問 6問以上   /10
性質・消火 問26〜問35 10問 6問以上   /10

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