【危険物乙4】本番形式の模擬試験 第1回(35問)|法令15・物理化学10・性質10
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いきなり35問はきつい、用語からあやしい——という方は、先に「学ぶ」記事を読んでから戻ってくると、正答率がまったく変わります。
この記事でわかること
- 本番とまったく同じ配分(法令15問・物理化学10問・性質消火10問=35問)で、実力をたしかめられます
- 科目ごとに何問正解できたかを数えれば、合格ラインに届いているかがすぐ分かります
- 知識ゼロでも分かるように、5つの選択肢すべてに「なぜそうなるか」を書きました
- まちがえた分野は、記事の最後の一覧からその分野の「学ぶ」記事へ直行できます
危険物取扱者試験は、実際に出た問題が公表されていません。そこでこの記事では、出題範囲と過去の傾向をもとに、本番と同じ形式・同じ問題数のオリジナル模擬試験を用意しました。本番そのままの問題ではありませんが、ねらわれる急所は同じです。
乙4の試験は5択(5つの中から1つを選ぶ)で35問、試験時間は2時間です。まずは解説を開かずに35問を通しで解いてから、答え合わせをするとよいでしょう。
例合格ラインは「各科目60%以上」=1科目でも落とすと不合格
①危険物に関する法令=15問中9問以上(60%)
②基礎的な物理学及び基礎的な化学=10問中6問以上(60%)
③危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法=10問中6問以上(60%)
合計点がどれだけ高くても、3科目のうち1つでも60%を割ると不合格になります。例えば法令15問全問正解でも、物理化学が5問しか取れなければ落ちます。苦手科目を捨てないのが乙4の鉄則です。
解き終わったら、科目ごとに正解数を数えてください。「合計は取れているのに、性質・消火だけ5問」——これが不合格によくあるパターンです。
①危険物に関する法令(15問)
製造所等のルール・免状・数量・手続き。まずは「だれが・何を・いつまでに」を押さえる科目です。
この模擬試験について
この35問は、ゼロパスが独自に作成したオリジナルの予想問題です。過去の出題傾向をもとに、本番と同じ構成(法令15問・物理化学10問・性質10問)で作っています。実際の試験問題の転載ではありません。
※本番の出題内容は、一般財団法人 消防試験研究センターの公表情報をご確認ください。
問1
軽油1,000L、重油2,000L、ギヤー油3,000Lを同一の場所で貯蔵する場合、指定数量の倍数として正しいものはどれか。
(1)1.5倍
(2)2.0倍
(3)2.5倍
(4)3.0倍
(5)3.5倍
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正解
(3)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「指定数量の倍数はいくつか」を計算させる問題です。品名が違う危険物を一緒に置いたとき、それぞれを指定数量で割って、出てきた数を全部足す——やることはこれだけ。難しいのは計算ではなく、軽油・重油・ギヤー油がそれぞれ何の品名で、指定数量が何Lかを覚えているかどうかです。そこを先に説明します。
用語指定数量とは?
指定数量とは、危険物ごとに法律で決められた「これ以上扱うなら消防署の管理下に入りなさい」という量の境目のことです。なぜ品名ごとに量が違うのか?——危険なものほど、少ない量で大きな火事になるからです。例えばガソリンは200Lで境目に達しますが、てんぷら油の仲間である動植物油類は10,000Lまで達しません。危険なものほど指定数量は小さいと考えると分かります。
用語指定数量の倍数とは?
「いま置いてある量が、指定数量の何個ぶんか」を表す数字です。式にすると倍数=実際の貯蔵量 ÷ その品名の指定数量。なぜ足し算でよいのか?——品名が違っても「危険の総量」は積み重なるからです。そこで法令は、品名ごとに倍数を出してから合計し、合計が1以上になれば「指定数量以上」として同じ規制をかけることにしています。
用語今回の3つは何の品名なのか?
軽油=第2石油類(非水溶性)で指定数量1,000L(非水溶性=水に溶けない性質)。重油=第3石油類(非水溶性)で指定数量2,000L。ギヤー油=第4石油類で指定数量6,000L。ギヤー油は歯車に使うねばねばした油で、引火点(火を近づけたときに燃え始める最低の液温)が200℃以上と非常に高く、火が付きにくいぶん指定数量が大きいのです。
コツ1ステップずつ計算してみる
ステップ1:軽油 1,000L ÷ 1,000L = 1.0(ちょうど指定数量1個ぶん)
ステップ2:重油 2,000L ÷ 2,000L = 1.0(これも1個ぶん)
ステップ3:ギヤー油 3,000L ÷ 6,000L = 0.5(6,000Lで1個ぶんなので、その半分)
ステップ4:全部足す 1.0 + 1.0 + 0.5 = 2.5倍
よって答えは2.5倍。合計が1以上なので、この場所は「指定数量以上を扱う場所」にあたり、市町村長等(許可を出す役所の長)の許可を受けた製造所等(危険物を作る・置く・扱う施設)でなければ貯蔵できません。
覚える覚え方
石油類の指定数量は「1・2・3・4」の番号が上がるほど、火が付きにくくなって、置いてよい量が増えるとイメージすると忘れません。非水溶性でいうと第1石油類200L → 第2石油類1,000L → 第3石油類2,000L → 第4石油類6,000L、そして最後の動植物油類が10,000L。数字が大きいほど「安全側」です。計算は「割って、足すだけ」。0.5のような半端も必ず足します。
まとめこの問題のまとめ
倍数=それぞれの量÷指定数量、を全部足す。軽油1,000L(指定数量1,000L)=1.0、重油2,000L(同2,000L)=1.0、ギヤー油3,000L(同6,000L)=0.5。合計2.5倍。
問2
消防法上の危険物について、次のうち正しいものはどれか。
(1)危険物とは、消防法別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じた性状を示すものをいう。
(2)危険物は、第1類から第7類までに分類されている。
(3)第4類の危険物は、すべて水より軽く、水に溶けない。
(4)常温(20℃)で気体である物品も、可燃性であれば消防法上の危険物に含まれる。
(5)危険物にあたるかどうかは、製造所等ごとに市町村長が個別に指定する。
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正解
(1)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「そもそも消防法でいう危険物とは何か」をたずねる、いちばん土台の問題です。第1回で学ぶ内容ですが、ここがあいまいだと法令15問の多くでつまずきやすくなるので、用語から丁寧に確認します。
用語消防法上の危険物とは?
消防法上の危険物とは、消防法の別表第一という一覧表に名前が載っていて、決められた性質の試験に当てはまる固体または液体のことです。なぜ「一覧表に載っているもの」と決めているのか?——「危険なもの」という言葉だけでは人によって判断がぶれてしまうからです。国があらかじめ表で線引きしておけば、全国どこでも同じ扱いができます。
用語危険物の6つの類とは?
危険物は第1類から第6類までの6つに分けられています。第1類=酸化性固体、第2類=可燃性固体、第3類=自然発火性物質及び禁水性物質、第4類=引火性液体、第5類=自己反応性物質、第6類=酸化性液体。なぜ第7類がないのか?——6つの性質で危険物を分類しきれる、と法律が定めているからです。「7類」という言葉が出てきたら、その時点で誤りだと判断できます。
用語第4類(引火性液体)とは?
引火性液体とは、火を近づけると燃える蒸気を出す液体のことです。ガソリン・灯油・軽油・重油・アルコールなどが入ります。なぜ「引火性」と呼ぶのか?——液体そのものが燃えているのではなく、液面から立ち上った蒸気が空気と混ざって燃えるからです。「火を引き寄せて付く」という意味で引火といいます。
覚える覚え方
危険物は6類まで・固体と液体だけ。この2つを唱えるだけで、「第7類」「気体も含む」というひっかけを即座に切れます。そして第4類だけが「引火性液体」=全部が液体。気体はガスの法律、固体は他の類、というふうにすみ分けをイメージすると忘れません。
まとめこの問題のまとめ
危険物=消防法別表第一に品名が載っていて、定められた性状を示す固体または液体。分類は第1類〜第6類の6つで、気体は含まない。第4類は「すべて水より軽い・水に溶けない」わけではない。
問3
危険物取扱者免状について、次のうち正しいものはどれか。
(1)免状を亡失して再交付を受けた者が、亡失した免状を発見したときは、これを10日以内に再交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない。
(2)免状は、交付を受けた都道府県の区域内でのみ効力を有する。
(3)乙種第4類の免状を受けていれば、丙種が取り扱える範囲に限り、第4類以外の危険物も取り扱うことができる。
(4)免状の返納を命ずることができるのは、その製造所等の所在地を管轄する市町村長である。
(5)免状に貼る写真は、5年以内ごとに書換えをしなければならない。
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正解
(1)が正しい
この問題は何を聞いているのか
免状(めんじょう=危険物取扱者であることを証明する国家資格のカード)のルールを聞く問題です。効力の範囲・書換え・再交付・返納という4つの論点が1問にまとめて入っています。1つずつ、何のための決まりなのかを見ていきます。
用語危険物取扱者免状とは?
危険物取扱者免状とは、危険物を扱う資格を持っていることを証明するカード状の証明書です。甲種・乙種・丙種の3種類があり、乙種はさらに第1類〜第6類に分かれています。なぜ類ごとに分かれているのか?——危険物は類ごとに性質も消し方もまったく違うため、「自分が扱う類のことは分かっている人」に限って作業をさせるためです。
用語乙種第4類でできることは?
第4類(引火性液体)だけを、自分で取り扱い、また資格のない人が取り扱うときの立会いができます。なぜ他の類は扱えないのか?——試験で第4類しか勉強していないからです。ちなみに甲種は全部の類、丙種はガソリン・灯油・軽油・重油など決められた品目に限られ、しかも丙種は立会いができません。
用語免状の書換えと再交付の違いは?
書換え=記載内容が変わったとき(氏名や本籍地が変わった、写真が10年たった)に中身を直してもらう手続きです。再交付=なくした・破った・汚したときにもう1枚出してもらう手続きです。なぜ写真に期限があるのか?——顔が変わると本人確認ができなくなるため、撮影から10年以内ごとに貼り替えることになっています。
覚える覚え方
免状まわりの数字は「10」でそろっていると覚えると楽です。写真は10年ごとに書換え/見つけた免状は10日以内に提出。そして窓口は免状のことは全部「都道府県知事」。市町村長が出てきたら、それは施設の話であって免状の話ではありません。
まとめこの問題のまとめ
免状は全国で有効。乙4で扱えるのは第4類だけ。写真の書換えは10年以内ごと、亡失した免状を発見したら10日以内に提出。返納命令を出すのは交付した都道府県知事。
問4
危険物取扱者の保安講習について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)受講しなければならないのは、製造所等で危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者である。
(2)免状を持っていても、危険物の取扱作業に従事していない者には受講義務がない。
(3)新たに危険物の取扱作業に従事することとなった者は、原則として従事することとなった日から1年以内に受講しなければならない。
(4)継続して従事している者は、講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内ごとに受講しなければならない。
(5)定められた期間内に保安講習を受けなかった場合、その者の免状はその日をもって自動的に効力を失う。
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正解
(5)が誤り
この問題は何を聞いているのか
保安講習(ほあんこうしゅう)をだれが・いつ受けるのか、そして受けないとどうなるのかを聞く問題です。「免状を持っている人全員が受ける」と思い込んでいると足をすくわれます。
用語保安講習とは?
保安講習とは、危険物を扱う現場で働いている危険物取扱者が、定期的に受け直す講習のことです。なぜ定期的に受け直す必要があるのか?——法令は改正されますし、事故の教訓もあとから積み上がります。免状を取った当時の知識のままでは現場が危険なので、知識を新しくするために受け直させるのです。
用語だれが受けるのか?
「製造所等で危険物の取扱作業に現に従事している危険物取扱者」だけです。なぜ全員ではないのか?——この講習の目的は現場の事故を防ぐことだからです。免状は持っているが事務職で危険物にさわらない、という人には受けさせる意味がありません。逆に、免状を持たずに立会いのもとで作業している人は、そもそも危険物取扱者ではないので対象外です。
覚える受講の時期(ここが問われる)
①新しく従事することになった人 従事することとなった日から1年以内に受講。
②ただし例外 従事することになった日からさかのぼって2年以内に免状の交付を受けた人、または講習を受けた人は、その交付・受講の日以後の最初の4月1日から3年以内でよい。(=取りたてホヤホヤの知識なら、すぐ受け直さなくてよいということ)
③その後はずっと 講習を受けた日以後における最初の4月1日から3年以内ごとに繰り返し受講。
数字のまとめ 新規は1年、例外の入口は2年、繰り返しは3年。1・2・3と並ぶので覚えやすい数字です。
覚える覚え方
時期の数字は1・2・3で並べて覚えます。新しく従事したら1年以内/直前2年以内に免状か講習があれば猶予/その後は「受講した日以後の最初の4月1日から3年以内」ごと。そして受けなくても免状は勝手に消えない——知事が「返しなさい」と命令して、初めて手放すことになります。資格は勝手に消えず、取り上げられるとイメージしてください。
まとめこの問題のまとめ
保安講習は「現に危険物の取扱作業に従事している危険物取扱者」だけが対象。新規は1年以内、以後は受講日以後の最初の4月1日から3年以内ごと。受けなくても自動失効はしないが、返納命令の対象になる。
問5
危険物保安監督者について、次のうち正しいものはどれか。
(1)すべての製造所等において、必ず定めなければならない。
(2)危険物保安監督者を定めたときは、市町村長等の承認を受けなければならない。
(3)危険物保安監督者になるには、甲種または乙種の免状のほかに、製造所等における3年以上の実務経験が必要である。
(4)移動タンク貯蔵所では、危険物保安監督者を定める必要がない。
(5)丙種危険物取扱者であっても、実務経験があれば危険物保安監督者になることができる。
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正解
(4)が正しい
この問題は何を聞いているのか
現場の安全を仕切る責任者=危険物保安監督者について、どこに置くのか・だれがなれるのか・置いたあと何をするのかを聞く問題です。登場人物が多くて混乱しやすい分野なので、役割から整理します。
用語危険物保安監督者とは?
危険物保安監督者とは、製造所等ごとに選ばれる現場の安全責任者です。作業する人に指示を出したり、火災が起きたときに応急の措置をとったりします。なぜ現場ごとに置くのか?——事故は現場で起きるので、その場で判断して止められる人が必要だからです。本社の人が遠くから指示しても間に合いません。
用語だれがなれるのか?
甲種または乙種の危険物取扱者で、製造所等における危険物取扱いの実務経験が6か月以上ある人です(甲種でも実務経験6か月以上が必要です)。なぜ丙種はなれないのか?——丙種は取り扱える品目が限られており、しかも資格のない人への立会いができないからです。人に指示を出す立場である監督者には向きません。
用語選任したあとの手続きは?
定めたとき(選任)、やめさせたとき(解任)は、遅滞なく市町村長等へ「届出」をします。なぜ「許可」や「承認」ではないのか?——だれを監督者にするかは事業者が自分で決めてよいことだからです。役所は「決まった人を教えてください」と報告を受けるだけ、という関係です。
覚える覚え方
「動くものには監督者を置かない」——移動タンク貯蔵所(タンクローリー)はいつでも不要だとイメージで押さえます。なれる人は甲か乙で、実務6か月。丙は不可(立会いができないから)。手続きは届出(報告するだけ)で、許可でも承認でもありません。
まとめこの問題のまとめ
危険物保安監督者は移動タンク貯蔵所では不要。資格は甲種または乙種+実務経験6か月以上(丙種は不可)。選任・解任は遅滞なく市町村長等へ届出。
問6
製造所等に関する手続きについて、次のうち誤っているものはどれか。
(1)製造所等を設置しようとする者は、市町村長等の許可を受けなければならない。
(2)指定数量以上の危険物を、10日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、所轄消防長又は消防署長の承認を受けなければならない。
(3)予防規程を定めたときは、市町村長等の認可を受けなければならない。
(4)製造所等の位置、構造又は設備を変更しないで、貯蔵する危険物の品名、数量又は指定数量の倍数を変更しようとする者は、変更しようとする日の10日前までに市町村長等に届け出なければならない。
(5)製造所等の譲渡又は引渡しがあったときは、譲受人又は引渡しを受けた者は、あらためて市町村長等の許可を受けなければならない。
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正解
(5)が誤り
この問題は何を聞いているのか
法令で取りこぼしやすいのが、この手続きの言葉づかいです。「許可」「承認」「認可」「届出」は日常語ではほとんど同じ意味に聞こえますが、法令ではまったく別物です。まずこの4語の違いから説明します。
用語許可・承認・認可・届出は何が違うのか?
許可=普段は禁止されていることを、特別にやってよいと認めてもらう手続きです(製造所等の設置・変更)。承認=例外的な扱いを、その場限りで認めてもらう手続きです(仮使用・仮貯蔵)。認可=自分たちで作ったルールに、役所のお墨付きをもらう手続きです(予防規程)。届出=決まったことを役所に報告するだけの手続きです(人の選任・譲渡・用途廃止など)。なぜ分ける必要があるのか?——許可・承認・認可はOKが出るまで先に進めないのに対し、届出は報告すればそれで済むからです。重さがまったく違います。
用語市町村長等とは?
市町村長・都道府県知事・総務大臣をまとめた呼び方です。なぜ3つもあるのか?——通常はその市町村の長が窓口ですが、施設が2つ以上の市町村にまたがる場合は都道府県知事、2つ以上の都道府県にまたがる場合は総務大臣と、規模に応じて窓口が上にあがっていく仕組みになっているからです。
覚える届出の期限は「10日前」と「遅滞なく」の2種類だけ
変更しようとする日の10日前まで ……品名・数量・指定数量の倍数の変更(=これから起きることなので、前もって知らせる)
遅滞なく ……製造所等の譲渡・引渡し/用途の廃止/危険物保安監督者の選任・解任(=もう起きてしまったことなので、速やかに知らせる)
見分け方 「これからやること」は10日前、「もう起きたこと」は遅滞なく。時間の向きで考えると迷いません。
覚える覚え方
4つの言葉は重さの順で並べると整理できます。許可(設置・変更)>承認(仮使用・仮貯蔵)>認可(予防規程)>届出(人・持ち主・廃止)。そして窓口は基本すべて市町村長等。ただし仮貯蔵・仮取扱いだけが消防長・消防署長。「仮に、10日だけ、消防署に」とつなげて覚えると、ここだけ違うことを忘れません。
まとめこの問題のまとめ
設置・変更=許可/仮使用=市町村長等の承認/仮貯蔵・仮取扱い=消防長・消防署長の承認(10日以内)/予防規程=認可/品名等の変更=10日前までに届出/譲渡・引渡し・用途廃止=遅滞なく届出。
問7
製造所に必要な保安距離について、対象物とその距離の組合せとして正しいものはどれか。
(1)小学校・病院・劇場など多数の人を収容する施設 30m以上
(2)高圧ガスの施設 10m以上
(3)一般の住宅(同一敷地外にあるもの) 5m以上
(4)重要文化財に指定された建造物 30m以上
(5)使用電圧35,000Vを超える特別高圧架空電線 3m以上(水平距離)
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正解
(1)が正しい
この問題は何を聞いているのか
製造所などの周りの建物から、どれだけ離さなければならないかを聞く問題です。数字を丸暗記すると混ざりますが、「守りたい相手が大事なほど遠ざける」という1本の考え方でつながっているので、そこを先に説明します。
用語保安距離とは?
保安距離とは、製造所等の建物の外壁(またはこれに相当する工作物の外側)から、守るべき相手の建物までの距離のことです。なぜ距離を空けるのか?——万が一この施設が燃えたとき、隣の人に火や熱が届かないようにするためです。距離が離れていれば、放射熱(炎から周りへ伝わる熱)は急激に弱まり、避難する時間も稼げます。
覚える保安距離が必要な製造所等は5つだけ
製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5つです。なぜこの5つなのか?——いずれも地上にあって、まとまった量の危険物を長く扱う施設だからです。逆に地下タンク貯蔵所は地面の下なので不要、給油取扱所は街中に置くことが前提なので不要、移動タンク貯蔵所は動くので不要、と考えると納得できます。
覚える保安距離の数字(守りたい相手が大事なほど遠くなる)
特別高圧架空電線(空中に張られた、電圧がとても高い電線) 7,000V超〜35,000V以下 …… 水平距離3m以上
特別高圧架空電線 35,000V超 …… 水平距離5m以上
一般の住居(同一敷地外) …… 10m以上
高圧ガスなどの施設 …… 20m以上
学校・病院・劇場など多数の人を収容する施設 …… 30m以上
重要文化財等の建造物 …… 50m以上
並べると3・5・10・20・30・50。電線→住まい→ガス施設→大勢の人→二度と作れない文化財、と失われたときの取り返しのつかなさの順に長くなっています。
覚える覚え方
保安距離は「守りたい相手の重さの順」に並んでいます。電線3m・5m → 住まい10m → ガス施設20m → 大勢の人が集まる場所30m → 重要文化財50m。人は逃げられるが文化財は逃げられない——だから文化財がいちばん遠い、とイメージすると数字の順番を取り違えません。そして必要なのは製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5つだけです。
まとめこの問題のまとめ
保安距離は住居10m・高圧ガス施設20m・多数の人を収容する施設30m・重要文化財50m、特別高圧架空電線は7,000V超35,000V以下で3m、35,000V超で5m(水平距離)。必要なのは製造所・屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・一般取扱所の5施設。
問8
製造所等の保有空地について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)保有空地とは、消火活動や延焼防止のため、製造所等の周囲に確保しなければならない空地をいう。
(2)地下タンク貯蔵所は、タンクが地盤面下にあるため、保有空地も保安距離もどちらも必要である。
(3)保有空地には、原則として物品を置いたり、建築物を建てたりしてはならない。
(4)保有空地は、製造所、屋内貯蔵所、屋外貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、一般取扱所のほか、簡易タンク貯蔵所(屋外に設けるもの)や移送取扱所にも必要である。
(5)製造所の場合、貯蔵し、又は取り扱う危険物の指定数量の倍数が10以下のときは3m以上、10を超えるときは5m以上の幅の空地が必要である。
答え・解説を見る
正解
(2)が誤り
この問題は何を聞いているのか
保安距離と保有空地は名前が似ていて混同しやすい2大用語です。この問題は保有空地のほうを聞いています。「だれを守るか」がまったく違うので、そこから整理します。
用語保有空地とは?
保有空地とは、製造所等の周囲にぐるりと確保しておく、何も置いてはいけない空き地のことです。なぜ空けておく必要があるのか?——①消防隊がホースを持って近づき、四方から消火できるようにするため、②火が周りへ燃え移らないようにするための2つです。ものが積んであると、消防車が寄れず、そこを伝って火が広がります。
用語保安距離との違いは?
保安距離=「よその大切な建物」を守るために、そこまで離す距離。保有空地=「その施設の周り」を空けておく、自分の敷地内の空き地です。なぜ2つ必要なのか?——保安距離は遠くの他人を守るための決まり、保有空地は目の前で消火活動をする人のための決まりだからです。守る相手も向きも違うので、両方が別々に定められています。
覚える製造所の保有空地の幅(数字はこれだけ)
指定数量の倍数が10以下 …… 3m以上
指定数量の倍数が10を超える …… 5m以上
覚え方の軸 量が多いほど、空ける幅も広くなる。危険物が多ければ火も大きくなるので、消防隊がより離れた位置から消せるようにするためです。
覚える覚え方
保安距離=「よそさまを守る距離」/保有空地=「消防隊が入るための空き地」と役割で言い分けると、混ざりにくくなります。製造所の空地の幅は倍数10を境に3mか5m。そして地下タンク貯蔵所は、地面の下にあるから両方いらない——「埋まっているものには、距離も空地もいらない」とイメージしてください。
まとめこの問題のまとめ
保有空地は消火活動と延焼防止のための空き地で、製造所は倍数10以下で3m以上、10超で5m以上。物を置くのも建てるのも不可。地下タンク貯蔵所は保安距離・保有空地のどちらも不要。
問9
製造所等の区分について、次のうち正しいものはどれか。
(1)第1種販売取扱所とは、指定数量の倍数が15以下の販売取扱所をいう。
(2)製造所等は、製造所・貯蔵所・取扱所の3つに大きく分けられ、貯蔵所は全部で4種類ある。
(3)給油取扱所とは、自動車の燃料タンクに直接給油するための取扱所で、指定数量の倍数が10以下のものに限られる。
(4)屋内タンク貯蔵所とは、屋根のある場所に置かれたタンクローリーをいう。
(5)移送取扱所とは、危険物をタンクローリーで運ぶための取扱所をいう。
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正解
(1)が正しい
この問題は何を聞いているのか
製造所等(せいぞうしょとう)という言葉は、危険物を「作る・置く・使う」施設をまとめた呼び名です。この問題はその内訳(区分)を聞いています。数が多くて覚えにくいので、3つのグループに分けて整理します。
用語製造所等とは?
製造所等とは、市町村長等の許可を受けて、指定数量以上の危険物を扱う施設の総称です。大きく①製造所(作る)②貯蔵所(置いておく)③取扱所(使う・売る・運ぶ)の3つに分かれ、全部で12種類あります。なぜ細かく分けるのか?——施設の形によって危険の出方が違うため、それぞれに合った基準(構造・設備・空地など)を当てはめる必要があるからです。
用語12区分の中身
製造所(1種類)。貯蔵所(7種類)=屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所。取扱所(4種類)=給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所・一般取扱所。合わせて1+7+4=12です。覚えるコツ——貯蔵所は「タンクが付くもの5つ(屋内・屋外・地下・簡易・移動)」+「タンクの付かないもの2つ(屋内貯蔵所・屋外貯蔵所)」と数えると7になります。
覚える覚え方
区分の数は1+7+4=12。製造所は1つだけ、貯蔵所は7つ、取扱所は4つと唱えて数を先に固定します。販売取扱所の倍数は「15と40」——お店は街なかにあるので、扱える量に上限があると考えると自然です。そして「移送取扱所=パイプライン/タンクローリー=移動タンク貯蔵所」。この取り違えは狙われやすいポイントです。
まとめこの問題のまとめ
製造所等は製造所1・貯蔵所7・取扱所4の計12区分。販売取扱所は第1種=倍数15以下、第2種=15超40以下。移送取扱所は配管の施設で、タンクローリーは移動タンク貯蔵所。
問10
製造所等に設ける標識・掲示板について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)製造所等には、幅0.3m以上、長さ0.6m以上の板に、危険物の類・品名・貯蔵最大数量などを表示した掲示板を設ける。
(2)第4類の危険物を貯蔵する製造所等には、「火気厳禁」と表示した掲示板を設ける。
(3)移動タンク貯蔵所には、0.3m平方以上0.4m平方以下の黒地の板に、黄色の反射塗料で「危」と表示した標識を、車両の前後の見やすい箇所に掲げる。
(4)「火気厳禁」の掲示板は、青地に白文字とする。
(5)給油取扱所には、「給油中エンジン停止」と表示した掲示板を設ける。
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正解
(4)が誤り
この問題は何を聞いているのか
標識(ひょうしき)と掲示板(けいじばん)の色と大きさを聞く問題です。色の組合せは覚えるだけに見えますが、「何を伝えたいか」で色が決まっていると分かると一気に楽になります。
用語標識と掲示板の違いは?
標識=「ここは危険物の施設ですよ」と知らせる看板(施設名や「危」の文字)。掲示板=「中身は何で、何に気をつけるか」を知らせる看板(危険物の類・品名・数量、注意事項)。なぜ2種類あるのか?——遠くから見て「近づくな」と分かる情報と、消防隊が現場に着いてから知りたい中身の情報は、必要になる場面が違うからです。
注意注意事項の掲示板の色(これが本題)
赤地に白文字=「火気厳禁」「火気注意」(火にかかわる警告)。青地に白文字=「禁水」(水をかけるなという警告)。なぜ火は赤で、水は青なのか?——火のイメージが赤、水のイメージが青だからです。色そのものが意味と結びついているので、理屈で思い出せます。
覚えるどの類にどの掲示板がつくのか
「火気厳禁」(赤地に白文字) ……第4類のほか、第2類のうち引火性固体、第3類の自然発火性物品、第5類。(=それ自体が燃える、または火を近づけると危険なもの)
「火気注意」(赤地に白文字) …… 第2類(引火性固体を除く)。
「禁水」(青地に白文字) …… 第1類のうちアルカリ金属の過酸化物、第3類の禁水性物品。(=水と反応して危険なもの)
乙4で必要なのは「第4類=火気厳禁=赤地に白文字」の1本だけです。ここは確実に。
覚える覚え方
色は意味そのもので覚えます。火にかかわる警告は赤地に白文字(火気厳禁・火気注意)/水にかかわる警告は青地に白文字(禁水)。乙4に必要なのは「火気厳禁・赤地に白文字」だけです。タンクローリーの「危」は黒地に黄色の反射塗料——夜のトラックが光って見える場面を思い浮かべてください。
まとめこの問題のまとめ
掲示板は幅0.3m以上・長さ0.6m以上。第4類は「火気厳禁」=赤地に白文字。青地に白文字は「禁水」。移動タンク貯蔵所の標識は0.3〜0.4m平方の黒地に黄色の反射塗料で「危」。
問11
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)による危険物の移送について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)移送する危険物を取り扱うことができる危険物取扱者が乗車しなければならない。
(2)乗車している危険物取扱者は、危険物取扱者免状を携帯しなければならない。
(3)移動タンク貯蔵所には、完成検査済証を備え付けておかなければならない。
(4)長時間にわたるおそれのある移送であっても、運転者が1人であれば休憩をとる必要はない。
(5)移送の経路その他必要な事項を記載した書面を、あらかじめ関係消防機関に送付しなければならないのは、アルキルアルミニウム等を移送する場合である。
答え・解説を見る
正解
(4)が誤り
この問題は何を聞いているのか
タンクローリーで危険物を運ぶことを、法令では「移送(いそう)」といいます。この問題で聞かれているのは、移送のときに守るルールです。似た言葉の「運搬(うんぱん)」とはルールがまったく違うので、まずそこを区別します。
用語移送と運搬の違いは?
移送=タンクローリー(移動タンク貯蔵所)のタンクに直接入れて運ぶこと。運搬=ドラム缶やポリ容器などの容器に入れて、トラックの荷台に積んで運ぶこと。なぜルールが違うのか?——タンクローリーは一度に何千L〜何万Lという大量を積み、タンクそのものが施設(移動タンク貯蔵所)だからです。事故のときの被害が桁違いに大きいので、規制も厳しくなっています。
用語移送でいちばん大事な違い
移送は、危険物取扱者が乗っていなければならない。運搬は、危険物取扱者が同乗しなくてもよい。なぜ移送だけ人が必要なのか?——タンクローリーは走りながら中身を運び、現場でタンクから出すため、途中で漏れや異常が起きたときにその場で判断できる人が必要だからです。容器に密閉して積んだだけの運搬とは、危険の性質が違います。
覚える移送のときに守ること
①資格者が乗る その危険物を取り扱える危険物取扱者(乙4なら第4類)が乗車する。
②免状を携帯する 「持っている」だけでは不十分で、その場に持っていて見せられる状態にしておく。
③完成検査済証などを備え付ける 完成検査済証・定期点検記録・譲渡や引渡しの届出書・品名や数量の変更の届出書。
④長時間の移送は2人以上 連続運転時間が4時間を超える、または1日の運転時間が9時間を超えるような移送は、原則として2名以上の運転要員を確保する。
⑤積替え・休憩などのために停車するときは、安全な場所を選ぶ。
覚える覚え方
移送=タンクに直接/運搬=容器に入れて。この2つを分けたら、あとは「移送だけが厳しい」と覚えます。資格者が乗る・免状を持つ・書類を積む・長距離は2人——すべて「その車が走る施設だから」と考えれば理屈が通ります。運搬のほうは資格者が乗らなくてよいのが最大の違いです。
まとめこの問題のまとめ
移送は危険物取扱者の乗車と免状の携帯が必要(運搬は不要)。車には完成検査済証・定期点検の記録などを備え付ける。長時間の移送は2名以上の運転要員が原則で、アルキルアルミニウム等は経路を消防機関に事前送付。
問12
製造所等における危険物の貯蔵・取扱いの基準について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)許可や届出をした品名以外の危険物を貯蔵し、又は取り扱ってはならない。
(2)危険物のくず、かす等は、1日に1回以上、その危険物の性質に応じて安全な場所や方法で廃棄その他の処置をしなければならない。
(3)貯留設備や油分離装置にたまった危険物は、あふれないように随時くみ上げなければならない。
(4)原則として、同一の貯蔵所において類を異にする危険物を同時に貯蔵してはならない。
(5)危険物を焼却して廃棄するときは、見張人をつけなくても、燃えやすいものが周囲になければ差し支えない。
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正解
(5)が誤り
この問題は何を聞いているのか
製造所等で普段どう扱うかという現場の決まりを聞く問題です。細かく見えますが、すべて「火のもとを作らない」「たまった危険物を放置しない」という2つの発想から来ています。
用語貯蔵・取扱いの基準とは?
貯蔵・取扱いの基準とは、許可を受けた製造所等の中で、危険物を置いておくとき・使うときに守るルールです。なぜ施設の基準だけでは足りないのか?——建物やタンクをどれだけ立派に作っても、使う人が中でたばこを吸ったり、こぼしたまま放置したりすれば事故になるからです。ハード(施設)とソフト(使い方)の両方をしばっています。
用語貯留設備・油分離装置とは?
貯留設備=床にこぼれた危険物が流れ込むように作られた、ためますのような設備。油分離装置=水と油を比重の差で分け、油だけを取り出す設備です。なぜ必要なのか?——こぼれた危険物がそのまま排水溝から外に流れ出ると、川や下水で火災が起きるおそれがあるからです。いったんここで受け止めて、油だけをすくい取ってから水を流します。
覚える覚え方
現場のルールは「ためない・混ぜない・目を離さない」の3つに集約されます。ためない=くず・かすは1日1回以上処理、貯留設備は随時くみ上げ。混ぜない=類の違う危険物は原則一緒に置かない。目を離さない=焼却するときは必ず見張人。どれも「放置した時間の長さが事故につながる」という同じ発想です。
まとめこの問題のまとめ
くず・かすは1日1回以上処置、貯留設備は随時くみ上げ、類の異なる危険物は原則として同時貯蔵禁止。焼却して廃棄するときは必ず見張人をつける(海中・水中への流出投下は禁止)。
問13
容器に入れた危険物をトラックで運ぶ場合の基準について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)運搬の基準は、指定数量未満の危険物を運ぶ場合にも適用される。
(2)液体の危険物を運搬容器に収納するときは、内容積の98%以下の収納率で、かつ温度55℃で漏れないよう十分な空間容積を残す。
(3)指定数量以上の危険物を運搬する場合、車両には第5種の消火設備を備え、かつ危険物取扱者が同乗しなければならない。
(4)第4類の危険物は、第1類の危険物と同一の車両で運搬(混載)することができない。
(5)第4類の危険物のうち特殊引火物を運搬する場合は、日光の直射を避けるため、遮光性の被覆で覆わなければならない。
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正解
(3)が誤り
この問題は何を聞いているのか
運搬(うんぱん)=容器に入れて車の荷台で運ぶことのルールを聞く問題です。タンクローリーで運ぶ移送とは別物で、いちばん大きな違いは「危険物取扱者が乗らなくてよい」という点です。ここが今回の狙いどころ。
用語運搬とは?
運搬とは、ドラム缶・一斗缶・ポリ容器などの運搬容器に入れた危険物を、車両で運ぶことです。なぜ移送より緩いのか?——容器に密閉されていて、量も1つ1つは限られているからです。タンクローリーのように何千Lもの液体がむき出しのタンクに入っているのとは、危険の大きさが違います。
覚える運搬だけの大原則=「量に関係なく適用される」
運搬の基準は指定数量未満であっても適用されます。なぜ量が少なくても規制されるのか?——運搬は公道を走り、関係のない人のすぐ横を通る行為だからです。製造所等の中の話(=指定数量以上でなければ消防法の対象外)とは、危険にさらされる相手が違います。これは法令科目で問われやすい、運搬の重要ポイントです。
覚える運搬容器への収納率(数字を正確に)
液体の危険物 …… 内容積の98%以下。かつ55℃の温度でも漏れないだけの空間容積を残す。
固体の危険物 …… 内容積の95%以下。
なぜ満杯にしてはいけないのか?
液体は温度が上がると体積が膨らむからです。満杯だと逃げ場がなくなり、容器が変形したりふたが吹き飛んだりします。
覚え方の軸 液体98%・固体95%と、液体のほうが数字が大きい点が逆に覚えやすいポイントです。そのかわり液体には「55℃で漏れない空間容積を残す」という条件が付きます。
覚える第4類の混載(同じ車に積んでよい類)
第4類と混載できる …… 第2類・第3類・第5類
第4類と混載できない …… 第1類・第6類
なぜ第1類・第6類とは混載できないのか?
この2つは酸化性(他のものを強く燃やす性質)だからです。燃える液体である第4類と、燃やす力を持つ第1類・第6類が同じ車に載っていると、事故で混ざったときに激しく燃焼します。
ただし、指定数量の10分の1以下のときは、この混載の制限は適用されません。
覚える覚え方
運搬と移送の違いは「人」で覚えるのがいちばん確実です。移送(タンクローリー)=資格者が乗る/運搬(容器)=乗らなくてよい。収納率は液体98%・固体95%で、液体のほうが数字が大きいと押さえます。混載は「第4類は1と6とは組めない」——1と6は燃やす側だから、燃える側とは同席させないとイメージしてください。
まとめこの問題のまとめ
運搬は指定数量未満でも基準が適用され、危険物取扱者の同乗は不要。液体は内容積の98%以下(55℃で漏れない空間)、固体は95%以下。第4類は第1類・第6類と混載できない(指定数量の10分の1以下なら適用外)。
問14
耐火構造の壁で造られた延べ面積300㎡の一般取扱所がある。この建築物の所要単位として正しいものはどれか。
(1)1単位
(2)2単位
(3)3単位
(4)6単位
(5)10単位
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正解
(3)が正しい
この問題は何を聞いているのか
所要単位(しょよう たんい)の計算問題です。聞き慣れない言葉ですが、「その建物を消すには、消火器がどれくらい要るか」を数字にしたものだと思ってください。言葉の意味から順に説明します。
用語所要単位とは?
所要単位とは、その製造所等を消火するために、どれだけの消火能力が必要かを表す単位です。なぜ単位にするのか?——建物の広さも中身もばらばらなので、「必要な量」と「用意した消火器の力」を同じものさしで比べるためです。所要単位が3なら、能力単位の合計が3以上になるように消火設備をそろえます。
用語能力単位とは?
能力単位とは、消火器などが持っている消火能力の大きさを表す単位です。所要単位=必要な量、能力単位=用意した力という関係になります。なぜ2つの言葉があるのか?——「いくら要るか」と「いくら持っているか」を分けて考えないと、足りているかどうかを判断できないからです。
覚える1所要単位になる広さ・量(この表を覚える)
製造所・取扱所の建築物 ……耐火構造なら延べ面積100㎡=1単位/耐火構造でないなら50㎡=1単位
貯蔵所の建築物 ……耐火構造なら延べ面積150㎡=1単位/耐火構造でないなら75㎡=1単位
危険物そのもの …… 指定数量の10倍=1単位
なぜ耐火構造だと2倍の広さでよいのか?
耐火構造(コンクリートなど、火に強い造り)は火が燃え広がりにくいため、同じ広さでも必要な消火能力が半分で済むからです。
なぜ貯蔵所のほうが広くてよいのか?
貯蔵所は置いておくだけで、火のもとになる作業をしないからです。製造所・取扱所は加熱や給油などの作業をするぶん、危険が高いと考えられています。
コツこの問題を1ステップずつ計算する
ステップ1:施設の種類を確かめる 一般取扱所は「取扱所」のグループ。→ 耐火構造なら100㎡で1単位。
ステップ2:耐火構造かどうかを確かめる 問題文に「耐火構造の壁で造られた」とあるので、100㎡=1単位を使う。
ステップ3:割り算する 300㎡ ÷ 100㎡ = 3
答え=3単位。つまり、能力単位の合計が3以上になるように消火設備をそろえます。
覚える覚え方
数字は100・50・150・75・10の5つだけです。製造所・取扱所は100(耐火)/50(非耐火)、貯蔵所は150(耐火)/75(非耐火)、危険物は指定数量の10倍。「耐火なら2倍の広さでよい」「貯蔵所は作業しないぶん広くてよい」という2つの理由づけで並びを思い出せます。計算は延べ面積 ÷ 1単位あたりの面積だけです。
まとめこの問題のまとめ
所要単位=必要な消火能力の量。製造所・取扱所の建築物は耐火構造で100㎡=1単位、非耐火で50㎡=1単位。本問は耐火構造の一般取扱所で300㎡なので300÷100=3単位。
問15
製造所等の定期点検及び予防規程について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)定期点検は、原則として1年に1回以上行わなければならない。
(2)定期点検の記録は、原則として3年間保存しなければならない。
(3)地下タンクを有する給油取扱所は、指定数量の倍数にかかわらず定期点検を行わなければならない。
(4)定期点検は、危険物取扱者又は危険物施設保安員が行うほか、危険物取扱者の立会いを受ければ、危険物取扱者以外の者も行うことができる。
(5)予防規程を定めたときは市町村長等の認可が必要だが、これを変更するときは届出でよい。
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正解
(5)が誤り
この問題は何を聞いているのか
定期点検と予防規程という、「日ごろの安全管理」にあたる2つの制度をまとめて聞く問題です。数字(1年・3年)と手続きの種類(認可か届出か)が狙われています。
用語定期点検とは?
定期点検とは、製造所等の位置・構造・設備が、技術上の基準に合っているかを自分たちで点検することです。なぜ自分たちで行うのか?——消防が全国のすべての施設を毎年見て回るのは不可能だからです。そこで事業者に自主点検をさせ、記録を残させて、あとから確認できるようにするという仕組みになっています。
用語予防規程とは?
その製造所等で働く人が守る、火災予防のための自主的なルールブックです。なぜルールブックを作らせるのか?——火災の多くは設備の不良ではなく、人の手順の間違いから起きるからです。「だれが・いつ・どうやって」を文書にしておけば、担当者が変わっても同じやり方が引き継がれます。
覚える定期点検の数字と、点検できる人
回数 …… 1年に1回以上
記録の保存 …… 3年間(移動貯蔵タンクの漏れの点検記録など、より長い期間のものもある)
点検できる人 …… ①危険物取扱者 ②危険物施設保安員、または③危険物取扱者の立会いを受けた者
なぜ立会いがあれば資格のない人でもよいのか?
点検そのものは決められた項目を確認する作業であり、資格者がそばで見て責任を持つなら安全が保てると考えられているからです。これは危険物の取扱いに立会いが認められているのと同じ発想です。
覚える覚え方
定期点検は「1年に1回・3年間保存」。対象は「地下にあるもの」と「動くもの」は無条件——目で見て確かめられないからと理由づけると忘れません。予防規程は作るときも変えるときも認可。ルールブックの中身をこっそり書き換えさせないためだ、とイメージしてください。
まとめこの問題のまとめ
定期点検は1年に1回以上、記録は3年間保存。地下タンクを有する施設と移動タンク貯蔵所は倍数に関係なく対象。点検は危険物取扱者・危険物施設保安員、または危険物取扱者の立会いを受けた者が行う。予防規程は制定も変更も市町村長等の認可。
ここまでで手が止まったら
法令は「暗記の量」で差がつく科目です。独学でつまずいている場合は、出るところだけを映像でおさらいできる講座を併用すると一気に楽になります。くわしくは学習スタートガイドにまとめました。
②基礎的な物理学及び基礎的な化学(10問)
燃焼・引火点・熱・静電気・化学の基本。計算は電卓なしで解ける程度のものしか出ません。
問16
次のうち、燃焼が起こらないものはどれか。
(1)ガソリンの蒸気が空気中に3vol%の濃度で存在しているところに、静電気の火花が飛んだ。
(2)木炭に空気を送りながら、点火した。
(3)灯油を布にしみ込ませ、40℃以上に温めてからライターの炎を近づけた。
(4)二酸化炭素で満たされた容器の中で、灯油の蒸気に電気火花を飛ばした。
(5)エタノールを皿に入れ、常温でマッチの火を近づけた。
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正解
(4)が正しい
この問題は何を聞いているのか
燃焼が成り立つには3つのものが同時にそろう必要があります。この問題は「どれか1つが欠けている場面はどれか」を探すものです。まず、その3つが何なのかから説明します。
用語燃焼の3要素とは?
①可燃物(燃えるもの)②酸素供給源(酸素を与えるもの)③点火源(火をつけるきっかけ)の3つです。なぜ3つ全部が必要なのか?——燃焼とは「可燃物が酸素と結びついて、光と熱を出す反応」だからです。燃えるものがなければ反応する相手がいない。酸素がなければ結びつく相手がいない。そして反応を始めるためのエネルギー(点火源)がなければ、そもそも反応が始まりません。
用語酸素供給源とは?
通常は空気です。空気にはおよそ21%の酸素が含まれています。なぜ「空気」ではなく「酸素供給源」と呼ぶのか?——酸素を与えるのは空気だけではないからです。第1類・第6類の危険物(酸化性のもの)は、自分の中に酸素を持っていて、他のものに供給します。このため空気のない場所でも燃焼が起こりえます。
用語二酸化炭素の中では、なぜ燃えないのか?
二酸化炭素(CO2)は、すでに炭素が酸素と結びつき切った状態だからです。これ以上ものを燃やすための酸素を与えることができません。だから容器の中を二酸化炭素で満たすと酸素供給源が断たれ、燃焼の3要素が1つ欠けるのです。これがそのまま二酸化炭素消火器の原理(窒息消火)になっています。
覚える覚え方
燃えるもの・酸素・火のもとの3つがそろって初めて燃えます。逆にいえば1つ取り除けば火は消える——これが消火の考え方そのものです。可燃物を取り除く=除去消火/酸素を断つ=窒息消火/熱を奪う=冷却消火。二酸化炭素の中は「酸素がない世界」だとイメージすれば、どんな可燃物を入れても燃えないことがすぐ分かります。
まとめこの問題のまとめ
燃焼には可燃物・酸素供給源・点火源の3つが必要。二酸化炭素で満たされた容器の中は酸素供給源がないので燃焼しない。酸素濃度がおよそ14〜15%以下になると燃焼は継続できない。
問17
引火点について、次のうち正しいものはどれか。
(1)引火点とは、可燃性液体が空気中で加熱されて、火源がなくても自ら燃え出す最低の液温をいう。
(2)引火点とは、可燃性液体の表面に、点火したときに燃え出すのに必要な濃度の蒸気を発生する最低の液温をいう。
(3)引火点が高い液体ほど、常温で引火する危険性が大きい。
(4)液温が引火点より低くても、火源を近づければ必ず引火する。
(5)同じ液体でも、容器の大きさが変われば引火点の値そのものが変わる。
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正解
(2)が正しい
この問題は何を聞いているのか
引火点(いんかてん)は、乙4でとくに大事な言葉の一つです。この1語の意味があいまいだと、物理化学でも性質・消火でもつまずきやすくなります。「液体が燃えるのではなく、蒸気が燃える」——ここから説明します。
用語引火点とは?
引火点とは、可燃性液体の表面に、点火したときに燃え出すのに必要なだけの蒸気が発生する、いちばん低い液温のことです。なぜ「液温」で決まるのか?——液体そのものは燃えません。燃えるのは液面から出てきた蒸気です。蒸気がどれだけ出るかは液体の温度で決まるので、「何℃まで温まれば火が付くか」という形で表せるのです。
用語発火点との違いは?
引火点=火を近づけたときに燃え出す最低の液温。発火点=火を近づけなくても、熱だけで自然に燃え出す最低の温度。なぜ2つの温度があるのか?——火のもとがあるかないかという条件が違うからです。当然、火を近づけるほうが低い温度で燃えます。ガソリンなら引火点は−40℃以下、発火点は約300℃と、大きく離れています。
用語燃焼範囲の下限値との関係は?
引火点は「蒸気の濃さが燃焼範囲の下限値になる液温」と言い換えられます。燃焼範囲とは?——空気に混ざった蒸気の濃さが「濃すぎず薄すぎない」ちょうどよい範囲のことです。薄すぎると燃えるものが足りず、濃すぎると酸素が足りません。液温が低いと蒸気が薄すぎて燃えない。温度を上げていってちょうど下限値に届いた瞬間の温度が引火点です。
覚える覚え方
燃えているのは液体ではなく蒸気——これがすべての出発点です。引火点は「火を近づけたら燃える蒸気が出始める液温」。発火点は「火がなくても勝手に燃え出す温度」。引火は火を引く、発火は火を発すると漢字で区別してください。そして引火点が低いほど危険。ガソリン(−40℃以下)が真冬でも危険な理由が、そのまま答えになります。
まとめこの問題のまとめ
引火点=点火したときに燃え出すのに必要な濃度の蒸気を発生する最低の液温。低いほど危険。火源がなくても燃え出す温度は発火点で別物。引火点は物質固有の値で、容器の大きさでは変わらない。
問18
燃焼範囲が1.4〜7.6vol%である可燃性蒸気について、次のうち正しいものはどれか。
(1)空気中の蒸気の濃度が1.0vol%のとき、点火すれば燃焼する。
(2)空気中の蒸気の濃度が5.0vol%のとき、点火すれば燃焼する。
(3)空気中の蒸気の濃度が10.0vol%のとき、蒸気が濃いので最もよく燃焼する。
(4)燃焼範囲の下限値が大きいものほど、危険性が高い。
(5)燃焼範囲は、液温が変わっても常に一定である。
答え・解説を見る
正解
(2)が正しい
この問題は何を聞いているのか
燃焼範囲という数字の読み方をたずねる問題です。「濃すぎても燃えない」という点が、日常の感覚とずれるのでつまずきやすいところです。理由から説明します。
用語燃焼範囲(爆発範囲)とは?
燃焼範囲とは、可燃性の蒸気が空気と混ざったとき、火を近づけると燃える濃さの範囲のことです。vol%(ボリュームパーセント)は「空気と蒸気を合わせた体積のうち、蒸気が何%を占めるか」という意味です。1.4〜7.6vol%なら、蒸気が1.4%〜7.6%のときに限って燃えます。
なぜ?なぜ薄すぎても濃すぎても燃えないのか?
薄すぎるとき(下限値より下)——燃える相手である蒸気の分子が少なすぎて、反応が続かないからです。火花が飛んでも、その場で途切れてしまいます。濃すぎるとき(上限値より上)——今度は酸素が足りないからです。蒸気ばかりで空気が押しのけられており、燃えたくても結びつく酸素がありません。燃焼は「燃えるもの」と「酸素」の割合がちょうどよいときだけ起こるのです。
用語下限値・上限値とは?
下限値=燃え始める、いちばん薄い濃さ(この例では1.4vol%)。上限値=燃えられる、いちばん濃い濃さ(この例では7.6vol%)。危険性の判断は、まず下限値を見ます。なぜ下限値が大事なのか?——空気中に少し漏れただけで下限値に届いてしまう物質は、それだけ早く危険な状態になるからです。
覚える覚え方
燃焼範囲は「濃すぎず、薄すぎず」。薄いと燃える相手が足りない、濃いと酸素が足りない——どちらか一方が足りなければ燃えないと考えれば、両端で燃えない理由が同時に分かります。危険性の見方は「下限値が低いほど危険、範囲が広いほど危険」。少し漏れただけで、しかも幅広い濃さで燃えるのがいちばん怖い、という当たり前の感覚どおりです。
まとめこの問題のまとめ
燃焼範囲は範囲の中に入っているときだけ燃える。1.4〜7.6vol%なら5.0vol%は燃え、1.0vol%(薄すぎ)も10.0vol%(濃すぎ)も燃えない。下限値が低いほど、範囲が広いほど危険。温度が上がると範囲は広がる。
問19
危険物の取扱いにおける静電気について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)静電気は、2つの物体をこすり合わせたときなどに、一方から他方へ電気(電子)が移動することで発生する。
(2)ガソリンなどの引火性液体を配管の中で流すと、液体と管の壁がこすれて静電気が発生する。
(3)静電気の発生を抑えるには、液体を配管で送るときの流速をできるだけ速くするとよい。
(4)静電気は、湿度が高いときよりも湿度が低いときのほうが発生し、たまりやすい。
(5)静電気がたまった物体から火花が飛び、それが可燃性蒸気に引火して火災になることがある。
答え・解説を見る
正解
(3)が誤り
この問題は何を聞いているのか
「静電気について、間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。静電気はドアノブでバチッとくるあれと同じもので、乙4ではガソリンの火事の火種になるものとして出題されやすいテーマです。ポイントは「どういうときに発生するか」と「どうすれば減らせるか」の2つに絞られます。
用語静電気とは?
静電気とは、物と物がこすれたときに、電気の粒(電子)が一方からもう一方へ移ってしまい、その場にたまったままになった電気のことです。「静」電気という名前は、電線を流れずにその場にとどまっているところから来ています。なぜ危険なのか?——たまった電気があるところまで増えると、空気を飛び越えてパチッと火花(放電)になります。その火花は、ガソリンの蒸気に火をつけるには十分な熱を持っているのです。
なぜ?なぜ乙4で静電気が出るのか?
ガソリンや灯油のような石油系の液体は電気を通しにくいため、発生した静電気がその場に居座ってどんどんたまるという性質があるからです。水なら電気を通すのでたまりませんが、ガソリンはたまります。そのため給油中・タンクへの注入中の静電気火災が現実に起きており、試験でも問われやすいテーマです。
覚える静電気を減らす4つの方法(そのまま覚えてよい)
①流速を遅くする こすれる勢いが弱くなるほど、発生する量も減ります。
②接地(アース)する 地面へ電気の逃げ道を作り、たまる前に流してしまいます。
③湿度を高くする 空気中の水分が電気の通り道になり、自然に逃げていきます。
④導電性の高い材料を使う 電気を通す材料なら、そもそもたまりません。ホースや容器を「静電気対策品」にするのはこのためです。
まとめると「ゆっくり流す・地面へ逃がす・湿らせる・電気を通す物を使う」。どれもたまる前に逃がすという同じ考え方です。
覚える覚え方
静電気対策は「ゆっくり・アース・湿らす・通す」の4つ。発想はぜんぶ同じで、たまる前に逃がすか、そもそも作らないかのどちらかです。流速だけは「速いほうがよさそう」と直感が逆に働くので、急ぐと摩擦が増える=バチッとくるとイメージで結び付けておくと引っかかりません。
まとめこの問題のまとめ
静電気はこすれ・流れ・はがれで発生し、乾いているほどたまる。減らす方法は流速を遅くする・接地する・湿度を上げる・電気を通す材料を使うの4つ。流速を速くするのは逆効果。
問20
比熱2.0J/(g・K)の液体200gを、20℃から70℃まで温めるのに必要な熱量として正しいものはどれか。
(1)0.1kJ
(2)10kJ
(3)20kJ
(4)28kJ
(5)40kJ
答え・解説を見る
正解
(3)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「温めるのに何ジュールの熱が要るか」を計算させる問題です。使う式は1つだけで、熱量=比熱 × 質量 × 温度の上がりはば。ここで大事なのは計算そのものより、比熱とは何か・単位の J(ジュール)と K(ケルビン)は何を表すのかを実感として分かっておくことです。そこから説明します。
用語比熱(ひねつ)とは?
比熱とは、その物質1g(1グラム)を1℃だけ温めるのに必要な熱の量のことです。比熱が大きい=温まりにくい(そして冷めにくい)物質です。例えば水の比熱は約4.2J/(g・K)ととても大きく、だからお風呂はなかなか沸きませんし、一度沸けばなかなか冷めません。一方、鉄の比熱は約0.45J/(g・K)と小さいので、フライパンはすぐ熱くなり、すぐ冷めます。
用語J(ジュール)とK(ケルビン)とは?
J(ジュール)=熱や仕事の量の単位です。「どれだけのエネルギーか」を表します。1,000J=1kJ(キロジュール)。K(ケルビン)=温度の差を表す単位で、1Kの差=1℃の差とまったく同じ幅です。ですから比熱の単位 J/(g・K) は、そのまま読むと「1gを1℃上げるのに必要なジュール数」という意味になります。
用語式のかたち
熱量Q = 比熱c × 質量m × 温度差Δt。なぜかけ算なのか?——「1gを1℃上げるのに必要な熱」が比熱ですから、g数が2倍になれば熱も2倍、上げたい温度が2倍になれば熱も2倍だからです。Δt(デルタ ティー)の「Δ」は差を表す記号で、Δt=温めたあとの温度 − 温める前の温度です。
コツ1ステップずつ計算する
ステップ1:温度差を出す 70℃ − 20℃ = 50℃(=50K)
ステップ2:式に入れる 2.0 J/(g・K) × 200 g × 50 K
ステップ3:順にかける 2.0 × 200 = 400 → 400 × 50 = 20,000J
ステップ4:kJ に直す 1,000J=1kJ なので、20,000J = 20kJ
よって答えは20kJです。意味としては「この液体200gを50℃ぶん温めるには20,000J分の熱が要る」ということ。
覚える覚え方
式は「比熱 × 重さ × 上がったぶん」の3つのかけ算だけ。順番も何も気にせず3つ書き出してかけると決めてしまえば迷いません。100%とは言えませんが、引っかけの多くは温度差です。「70℃にする」ではなく「50℃ぶん上げる」——階段は何段目に着いたかではなく、何段上ったかで疲れるとイメージしてください。
まとめこの問題のまとめ
熱量Q = 比熱c × 質量m × 温度差Δt。2.0 × 200 × (70−20) = 20,000J = 20kJ。温度は「差」を使うのが最大の注意点。比熱が大きいほど温まりにくい。
問21
物質の状態変化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)液体の表面から蒸発が起こるのは、沸点に達したときだけである。
(2)液体が沸騰している間は、熱を加え続けても液体の温度は上がらない。
(3)液体が気体に変わることを気化(蒸発)といい、そのとき必要な熱を蒸発熱(気化熱)という。
(4)液体を加熱したとき、液体の蒸気圧が外の大気圧と等しくなる温度を沸点という。
(5)気体が液体に変わるときは、気化のときに吸収した熱と同じ量の熱を放出する。
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正解
(1)が誤り
この問題は何を聞いているのか
「液体と気体の行き来について、間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。乙4でこれが問われるのは、危険物が燃えるのは液体そのものではなく蒸気だからです。どんなときに蒸気が出るのかが分かっていないと、引火点も火災予防も理解できません。まずそこを押さえます。
用語気化(蒸発)とは?
気化(蒸発)とは、液体が気体に変わることです。そのとき液体は周りから熱を奪います。この熱を蒸発熱(気化熱)といいます。なぜ熱が要るのか?——液体の中では分子どうしがくっつき合っているので、そのつながりを引きはがして自由に飛び回らせるにはエネルギーが要るからです。汗をかくと涼しくなるのは、汗が蒸発するときに体から熱を持っていくためです。
用語沸点(ふってん)とは?
沸点とは、液体の中からもぶくぶくと蒸気が出始める温度のことです。もう少しきちんと言うと、液体の蒸気圧が、外から押している大気圧と等しくなった温度。なぜ「等しくなる」と沸騰するのか?——液体の内部で蒸気の泡ができようとしても、外の空気に押しつぶされている間は泡がつぶれてしまうからです。蒸気の押す力が空気の押す力に追いついた瞬間、泡がつぶれずに浮き上がれるようになります。
用語蒸気圧とは?
蒸気圧とは、液体の表面から飛び出した蒸気が、周りを押す力のことです。温度が高いほど蒸気は多く飛び出すので、温度が上がるほど蒸気圧も大きくなります。蒸気圧が大きい液体=蒸発しやすい液体で、ガソリンのように蒸気圧が大きいものほど危険だと考えてください。
例「表面から」と「内部から」の違い
蒸発(表面から) どんな温度でも起きています。洗濯物が20℃でも乾くのがその証拠です。沸点でなくても起きるのがポイント。
沸騰(内部からも) 沸点に達したときだけ起きます。やかんの底からぶくぶく泡が上がってくるあの状態です。
つまり蒸発はいつでも、沸騰は沸点だけ。この差が今回の問題のポイントです。
危険物で怖いのは常温でも表面から蒸気が出ていることです。ガソリンはフタを開けただけで、火が付く濃さの蒸気を出しています。
覚える覚え方
蒸発はいつでも、沸騰は沸点だけ——この一言に尽きます。洗濯物は100℃にしなくても乾くとイメージすれば、「沸点に達したときだけ蒸発する」が間違いだとすぐに気づけるでしょう。そしてガソリンは常温でも蒸気を出し続けている——この事実が、乙4の火災予防の考え方の土台になっています。
まとめこの問題のまとめ
蒸発は温度に関係なく表面から起きる。沸騰は蒸気圧=大気圧になった沸点でだけ起きる。沸騰中は熱を加えても温度は上がらない(潜熱に使われる)。凝縮のときは、気化で吸った熱と同じ量を放出する。
問22
酸化と還元に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)物質が水素と化合することを酸化という。
(2)燃焼は、物質が熱と光を出しながら急激に酸化される反応である。
(3)酸化と還元は、別々の場所で別々に起こる反応である。
(4)物質が酸素を失うことを酸化といい、酸素と化合することを還元という。
(5)鉄がさびる反応は、酸素とは関係がないので酸化ではない。
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正解
(2)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「酸化と還元について、正しいのはどれか」を選ぶ問題です。難しそうな言葉ですが、乙4で必要な理解は「酸素とくっつくのが酸化、離れるのが還元」という1行だけです。そして燃焼はその酸化の激しいやつ——ここが分かれば、この分野の多くの問題に対応できます。
用語酸化とは?
酸化とは、物質が酸素とくっつくことです。鉄がさびる、りんごの切り口が茶色くなる、油が古くなる——これらはすべて酸化です。もう少し広く言うと「酸素と化合する(結びついて別の物質になる)/水素を失う/電子を失う」のどれかにあてはまれば酸化ですが、乙4では「酸素とくっつく」だけ覚えれば足ります。
用語還元とは?
還元とは、酸化のちょうど逆で、物質が酸素を失うことです。鉄鉱石(鉄の酸化物)から酸素を取り除いて鉄を作るのが、代表的な還元です。「酸化=酸素をもらう/還元=酸素を返す」と覚えてください。
用語酸化と還元はいつも同時
片方だけが起こることはありません。なぜか?——酸素をもらう相手がいるということは、その酸素を渡した相手が必ずいるからです。ある物質が酸化されたなら、酸素を渡した側は同時に還元されています。キャッチボールで、投げる人がいれば必ず受け取る人がいるのと同じです。この2つがセットで起きることを酸化還元反応といいます。
例燃焼=酸化の中でもとくに激しいもの
ゆっくりした酸化 鉄がさびる、油が酸化する。熱は出ていますが、少しずつなので気づきません。
激しい酸化=燃焼 熱と光(炎)をはっきり出しながら、一気に酸素と結びつく。
つまり燃焼と「さび」は、速さが違うだけで仲間です。
この見方が分かると、動植物油類の自然発火も理解できます。ゆっくりした酸化でも、熱が逃げずにたまれば、やがて発火点に届いて燃えだす——これが自然発火のしくみです。
覚える覚え方
酸化=酸素をもらう/還元=酸素を返す。「酸化」の字に「酸(=酸素)」が入っているので、酸素をもらうほうが酸化と結び付ければ、逆に覚える心配がありません。そして燃焼=酸化の中でとくに激しいもの(熱と光が出る)。さびは「超スローモーションの燃焼」とイメージすると、自然発火の話までひとつながりになります。
まとめこの問題のまとめ
酸化=酸素と化合する/還元=酸素を失うで、この2つは必ず同時に起こる。燃焼は、熱と光を出しながら急激に進む酸化反応。さびもゆっくりした酸化で、速さが違うだけの仲間。
問23
ガソリンが流出した屋内で、その蒸気がたまりやすい場所と、その理由の組合せとして正しいものはどれか。
(1)天井付近/ガソリンの蒸気は空気より軽いため。
(2)床面付近/ガソリンの液体は水より重いため。
(3)天井付近/ガソリンの液体は水より軽いため。
(4)床面付近/ガソリンの蒸気は空気より重いため。
(5)室内に一様に広がる/ガソリンの蒸気の重さは空気とほぼ同じため。
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正解
(4)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「ガソリンの蒸気はどこにたまるか、それはなぜか」を問う問題です。ここでカギになるのが比重と蒸気比重という2つのよく似た言葉です。この2つを混ぜてしまうと間違えやすくなりますので、まず何と何を比べているのかをはっきりさせます。
用語比重(ひじゅう)とは?
比重とは、液体(や固体)の重さを、水と比べた数字です。水を1.0として、それより軽ければ1より小さく、重ければ1より大きくなります。ガソリンの比重はおよそ0.65〜0.75なので水より軽く、水に浮きます。第4類の危険物はほとんどが水より軽いのが特徴です(二硫化炭素やグリセリンなど、水より重い例外もあります)。
用語蒸気比重とは?
蒸気比重とは、蒸気(気体)の重さを、空気と比べた数字です。空気を1.0として、それより重ければ1より大きくなります。ガソリンの蒸気比重はおよそ3〜4で、空気の3〜4倍も重いということです。第4類の蒸気は、ほぼすべて空気より重いと覚えてかまいません(ごく一部に例外があります)。
コツ2つを混同しないコツ
比重=液体の話・比べる相手は水。蒸気比重=気体の話・比べる相手は空気。なぜ相手が違うのか?——液体がどこへ行くかは水に浮くか沈むかで決まり、蒸気がどこへ行くかは空気より重いか軽いかで決まるからです。比べる相手が違えば、答えも別物になります。
例この2つが火災現場で意味すること
①蒸気は低いところにたまる(蒸気比重>1) ガソリンの蒸気は空気より重いので、床・ピット・地下室・側溝に流れ込んでたまります。低い場所ほど濃く、危険です。
②蒸気は遠くまで流れて着火する 重い蒸気は低いところを這うように広がるため、離れた場所の火種に届いて、そこから火が戻ってくることがあります。
③液体は水に浮く(比重<1) だからガソリン火災に水をかけてはいけないのです。水の上に浮いたガソリンが燃えたまま流れ、火事を広げてしまいます。
つまり「蒸気は下にたまる、液体は水に浮く」の2つが、乙4の火災予防と消火の考え方の土台になっています。
覚える覚え方
比重は水と、蒸気比重は空気と比べる——比べる相手をセットで覚えるのがいちばんの近道です。そのうえで第4類は「液体は水に浮く・蒸気は床に沈む」。本体は浮いて、影(蒸気)は沈むとイメージすると、2つを取り違えません。この1組から「水で消すな」「換気口は低い位置に」が両方導けます。
まとめこの問題のまとめ
比重=液体を水と比べる/蒸気比重=気体を空気と比べる。ガソリンは比重0.65〜0.75で水に浮き、蒸気比重3〜4で空気より重い。だから蒸気は床・地下・ピットにたまる。第4類の蒸気はほぼすべて空気より重い。
問24
消火の方法とその原理の組合せについて、次のうち誤っているものはどれか。
(1)ろうそくの炎にコップをかぶせて消す/窒息消火
(2)燃えている木材に水をかけて消す/冷却消火
(3)灯油の火災に泡消火剤をかけて消す/冷却消火
(4)ガスこんろの元栓を閉めて火を消す/除去消火
(5)粉末消火剤(りん酸塩類)を放射して炎を消す/抑制(負触媒)消火
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正解
(3)が誤り
この問題は何を聞いているのか
「消し方と、その原理の組合せで間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。消火の方法はたった4種類しかありません。しかも燃えるのに必要なものを1つ取り上げるという同じ発想でできています。まずそこから説明します。
用語燃焼の3要素とは?
物が燃え続けるには①可燃物(燃えるもの)②酸素供給源(空気)③点火源(熱・火種)の3つが同時に必要です。これを燃焼の3要素といいます。逆に言えば、この3つのうちどれか1つを取り上げれば火は消える——これが消火のすべての出発点です。
用語消火の4つの方法
①除去消火=燃えるものを取り除く(ガスの元栓を閉める)。②窒息消火=酸素を断つ(フタをする・泡で覆う・二酸化炭素で置き換える)。③冷却消火=熱を奪って温度を下げる(水をかける)。④抑制(負触媒)消火=燃える化学反応そのものにブレーキをかける(ハロゲン・粉末)。①〜③が3要素に1対1で対応し、④だけは反応の連鎖を止める別枠です。
用語抑制(負触媒)消火とは?
燃焼は、目に見えない「反応の連鎖」(次々に反応が続いていく状態)で成り立っています。その連鎖に割り込んで止めてしまうのが抑制消火です。負触媒という言葉は、反応を速める触媒の逆=反応を止める働きという意味。粉末消火剤やハロゲン化物消火剤がこの働きを持ち、炎に当てた瞬間にパッと消えるのが特徴です。
例泡消火剤はなぜ第4類の主役なのか
泡は液面をびっしり覆います。これで酸素が液面に届かなくなる=窒息消火。これが泡の主役の働きです。
あわせて蒸気が上がってくるのも押さえこむので、燃える材料そのものの供給も止まります。
泡の中の水分による冷却効果も多少はありますが、それは主役ではありません。試験では「泡=窒息」で答えます。
なぜ第4類に泡なのか?——水をかけると油が水に浮いて燃えたまま流れ出すから使えません。そこで浮いてフタになってくれる泡が最適なのです。
覚える覚え方
消火は「取り除く・ふさぐ・冷やす・止める」の4つだけ。前の3つは燃焼の3要素を1つずつ奪うもので、最後の1つだけが反応そのものにブレーキという別枠です。第4類でとくに押さえたいのは「泡=窒息」。泡は油の上に乗るフタとイメージすれば、「冷却」と書かれた選択肢にだまされません。
まとめこの問題のまとめ
消火は除去・窒息・冷却・抑制(負触媒)の4つ。泡消火剤の主原理は窒息(冷却ではない)。水は冷却だが第4類には使えない(油が浮いて広がる)。粉末は抑制が主役で、冷却の力がないので再着火に注意。
問25
次のうち、混合物であるものはどれか。
(1)エタノール
(2)硫黄
(3)アセトン
(4)二硫化炭素
(5)ガソリン
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正解
(5)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「この中で混合物はどれか」を選ぶ問題です。ここで問われているのは、単体・化合物・混合物という3つの言葉の意味だけです。化学が苦手でも、3つの区別さえ分かれば十分に解けます。そして乙4では、ガソリン・灯油・軽油・重油が混合物であるという点が実務にも直結する重要ポイントになります。
用語単体・化合物・混合物とは?
単体=1種類の元素だけでできている物質。例:酸素(O₂)、水素、鉄、硫黄。化合物=2種類以上の元素が結びついて、1つの物質になったもの。例:水(H₂O)、エタノール、二硫化炭素。混合物=複数の物質が、結びつかずにただ混ざっているだけのもの。例:空気、食塩水、ガソリン。
コツ化合物と混合物の見分け方
結びついて別の物になっているか、混ざっているだけかが分かれ目です。化合物は決まった割合でできていて、成分ごとに分けるには化学反応が要ります。一方混合物は割合が決まっておらず、蒸留(温めて蒸気にし、冷やして分ける方法)やろ過など、物理的な方法で分けられます。塩水を煮つめれば塩と水に戻せる(混合物)のに対し、水を煮つめても水素と酸素には戻らない(化合物)——この違いです。
なぜ?なぜガソリンは混合物なのか?
ガソリンは原油からとれた、さまざまな炭化水素(炭素と水素でできた物質)が混ざった液体だからです。「ガソリンという1つの分子」があるわけではありません。だから性質も幅を持ちます。ガソリンの沸点が「40〜220℃」のように幅で示されるのは、いろいろな沸点の成分が混ざっているからです。灯油・軽油・重油も同じく混合物で、これらも数値は幅で表されます。
例乙4に出てくるものを3つに仕分けると
単体 硫黄、鉄粉、赤りん、マグネシウム。(第4類ではなく、他の類の危険物に多く出てきます。)
化合物 エタノール、メタノール、アセトン、ベンゼン、トルエン、二硫化炭素、ジエチルエーテル、酢酸、グリセリン。「決まった名前と決まった化学式がある液体」はほぼ化合物です。
混合物 ガソリン・灯油・軽油・重油・潤滑油・動植物油。石油からとった「油」の名前が付くものはほぼ混合物と考えてよいです。
見分けのコツ=「化学の名前(〜オール、〜ベンゼンなど)=化合物」「油の名前(ガソリン・灯油・重油)=混合物」。
覚える覚え方
単体=元素1種類/化合物=結びついて別物/混合物=混ざっているだけ。乙4での見分け方はもっと簡単で、「油」の名前が付くもの(ガソリン・灯油・軽油・重油)は混合物、化学の名前が付くもの(〜オール、アセトン、ベンゼン)は化合物。数値が「幅」で書いてあったら混合物——これは覚え方としても、確かめ方としても使えます。
まとめこの問題のまとめ
単体=1種類の元素/化合物=2種類以上が結びついた1つの物質/混合物=ただ混ざっているだけ。ガソリン・灯油・軽油・重油は混合物で、だから引火点や沸点が幅で示される。エタノール・アセトン・二硫化炭素は化合物、硫黄は単体。
③危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(10問)
第4類の各品名の性質と、その火の消し方。数字(引火点・比重)を覚えているかが勝負です。
問26
第4類の危険物に共通する性状について、次のうち正しいものはどれか。
(1)蒸気は空気より重く、低い場所に流れてたまりやすい。
(2)燃えているのは液体そのものであり、蒸気は燃えない。
(3)いずれも水によく溶けるので、水をかけて薄めれば消火できる。
(4)いずれも電気をよく通すので、静電気はたまりにくい。
(5)すべて常温(20℃)で引火する危険がある。
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正解
(1)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「第4類ぜんぶに共通することは何か」を選ぶ問題です。第4類は引火性液体——ガソリンから天ぷら油まで、性格の違うものが同じ類に入っています。そこで「全部にあてはまる」と言い切れることだけをえり分けるのがこの問題の狙いです。「よく溶ける」「すべて常温で」のような言い切りの言葉に反例がないかを探しながら読んでください。
用語第4類(引火性液体)とは?
引火性液体とは、火を近づけると引火する液体のことです。ガソリン・灯油・軽油・重油・アルコール・てんぷら油などが入ります。危険物取扱者の乙種第4類(乙4)は、この第4類だけを扱える資格です。身の回りの燃料のほとんどが第4類なので、8種類(甲種・乙種6つ・丙種)ある危険物取扱者の資格の中でいちばん受験者が多いのもこの理由です。
用語第4類に共通する5つの性質
①液体である(常温で液体、または加熱で液体)。②蒸気が空気と混ざって燃える(燃えているのは蒸気)。③蒸気は空気より重い(蒸気比重が1より大きい)。④多くは水より軽く、水に溶けにくい(比重1未満・非水溶性が多い)。⑤電気を通しにくいので静電気がたまりやすい。このうち①②は例外なし、③もほぼすべてに当てはまり、④⑤は「多くは」という違いに注意してください。
用語「燃えているのは蒸気」とは?
ライターやろうそくの炎をよく見ると、炎は液体の表面から少し浮いたところにあります。これは液面から出た蒸気が空気と混ざって燃えているからです。液体そのものは燃えていません。この理解があると、引火点=火が付くのに十分な量の蒸気が出る最低の温度という定義がすんなり入ります。
例「例外なし」と「多くは」を仕分ける
ほぼ例外なし=蒸気は空気より重い。第4類の蒸気比重は、ほとんどが1を超えます。だから低い場所にたまる——試験ではこう覚えておけば十分です。
例外あり=水より軽い。多くは比重1未満ですが、二硫化炭素(約1.26)・グリセリン・エチレングリコール・酢酸などは水より重いです。
例外あり=水に溶けない。アルコール類・アセトン・酢酸・グリセリンなどは水によく溶けます。(これらを水溶性と呼び、第1〜第3石油類では指定数量が非水溶性の2倍になります。)
例外あり=常温で引火する。ガソリン(引火点−40℃以下)は常温で危険ですが、灯油(40℃以上)・重油(60℃以上)・ギヤー油(200℃以上)は常温では引火しません。
覚える覚え方
第4類で言い切ってよいのは「液体」「燃えるのは蒸気」の2つ、ほぼ言い切ってよいのが「蒸気は空気より重い」。「水より軽い」「水に溶けない」「常温で引火」には必ず例外があります。選択肢に「すべて」「いずれも」が出てきたら、反例を1つ思い出すと決めておくと引っかかりません(水より重い=二硫化炭素/水に溶ける=アルコール/常温で引火しない=灯油)。
まとめこの問題のまとめ
第4類に例外なく共通するのは「蒸気が燃える」、ほぼすべてに共通するのが「蒸気は空気より重い」。水より軽い・水に溶けない・常温で引火するには例外がある。電気を通しにくいので静電気がたまりやすいのも多くに共通する弱点。
問27
自動車の燃料として用いられるガソリンについて、次のうち誤っているものはどれか。
(1)引火点は−40℃以下で、冬の屋外でも引火する危険がある。
(2)発火点はおよそ300℃で、引火点よりはるかに高い。
(3)水によく溶けるため、火災のときは水をかけて薄めるのが有効である。
(4)見分けやすくするため、オレンジ系の色に着色されている。
(5)蒸気は空気より重く、低い場所にたまりやすい。
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正解
(3)が誤り
この問題は何を聞いているのか
「ガソリンについて間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。ガソリンは乙4で出題されやすい物質で、数字も性質もそのまま覚えてしまう価値があります。ここでは引火点・発火点・蒸気比重・色・水との関係という5つの角度から確認していきます。
用語ガソリンとは?
ガソリンとは、原油からとったいろいろな炭化水素が混ざった液体(混合物)で、法令では第1石油類(非水溶性)・指定数量200Lに分類されます。混合物なので、数値は幅で示されます(沸点およそ40〜220℃、比重およそ0.65〜0.75)。指定数量200Lは第4類の中でもかなり小さい部類で、それだけ危険と判断されているということです。
用語引火点と発火点の違い
引火点=火を近づけたときに燃え出す、いちばん低い温度。火種が要ります。発火点=火を近づけなくても、熱だけで自然に燃え出す温度。火種は要りません。なぜ発火点のほうがずっと高いのか?——火種があれば少しの熱で足りますが、自分だけで燃え出すにはずっと大きな熱が要るからです。ガソリンは引火点−40℃以下、発火点およそ300℃と、340℃以上も離れています。
覚えるガソリンの数字(この5つだけ覚える)
引火点 −40℃以下 真冬の屋外でも、蒸気は火が付く濃さで出ています。「寒いから安全」はまったく通用しません。
発火点 およそ300℃ 引火点より高いのがポイント。逆に書いてあったら誤りです。
燃焼範囲 およそ1.4〜7.6vol% この濃さの間だけ燃えます。薄すぎても濃すぎても燃えません。
比重 およそ0.65〜0.75(水より軽い)/蒸気比重 3〜4(空気より重い)。
色 オレンジ系に着色(JIS規格〈国が定めた工業製品の規格〉で決められています)。灯油や軽油と取り違えないようにするためです。
覚える覚え方
ガソリンは「−40/300/3〜4/オレンジ」の3つの数字と色で覚えます。引火点−40℃以下=真冬でも危険、発火点300℃=自力で燃えるにはこれだけ要る、蒸気比重3〜4=蒸気は床にたまる、オレンジ=灯油と取り違えないため。そして水に浮くから水はNG、浮くフタになる泡がOK——「浮く」という1つの性質から、危険も消火法も両方導けるのがガソリンです。
まとめこの問題のまとめ
ガソリンは第1石油類(非水溶性)・指定数量200L・混合物。引火点−40℃以下/発火点およそ300℃/燃焼範囲およそ1.4〜7.6vol%/比重0.65〜0.75/蒸気比重3〜4/オレンジ系に着色。水に溶けず水より軽いので、水をかけると燃え広がる。消火は泡・粉末など。
問28
灯油および軽油の性状について、次のうち正しいものはどれか。
(1)どちらも引火点が0℃以下で、常温で容易に引火する。
(2)どちらも電気をよく通すので、静電気による火災の心配はない。
(3)どちらも水より重いため、水をかけると水面の下に沈む。
(4)布や綿にしみ込ませても、引火点が下がることはないので危険性は変わらない。
(5)どちらも第2石油類に分類され、指定数量は1,000Lである。
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正解
(5)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「灯油と軽油について正しいのはどれか」を選ぶ問題です。灯油と軽油はほとんど同じ性質を持つ兄弟のような存在で、どちらも第2石油類・指定数量1,000Lです。この問題では「ガソリンほどではないが、決して安全ではない」という灯油・軽油の位置づけを押さえておきましょう。
用語第2石油類とは?
引火点が21℃以上70℃未満の液体のことです。常温(20℃)では引火しないが、少し温めれば引火する——ちょうどそのあたりの危険度にあたるグループです。代表は灯油・軽油(非水溶性・指定数量1,000L)と酢酸(水溶性・指定数量2,000L)。水溶性は非水溶性の2倍という関係は第1〜第3石油類で共通します。
用語灯油と軽油の数字
灯油=引火点40℃以上、発火点およそ220℃、比重およそ0.8、色はほぼ無色〜薄い黄色。軽油=引火点45℃以上、発火点およそ220℃、比重およそ0.85、色は薄い黄色〜淡褐色。どちらも常温では引火しませんが、発火点はガソリン(約300℃)より低いという点がむしろ注意すべきところです。
例「常温で引火しない」=安全ではない
灯油の引火点は40℃以上なので、20℃の部屋でマッチを近づけても燃えません。しかし次の3つの場合は火が付くおそれがあります。①霧状にしたとき(細かい粒になると表面積が増え、引火点より低い温度でも火が付くことがある)。②布・紙・ウエスにしみ込ませたとき(同じ理由)。③加熱されたとき(ストーブの近く、真夏の車内などで液温が引火点の40℃以上になれば引火する)。「常温では燃えない」は、条件付きの安心でしかありません。
例灯油・軽油とガソリンを比べる
引火点 ガソリン−40℃以下 < 灯油40℃以上 < 軽油45℃以上。ガソリンだけが常温で危険です。
発火点 灯油・軽油およそ220℃ < ガソリンおよそ300℃。ここは逆転します。熱いものに触れたときは、灯油のほうが自然に燃え出しやすいということです。
指定数量 ガソリン200L < 灯油・軽油1,000L。危険なものほど指定数量は小さいという原則どおりです。
共通点 どちらも水に溶けず、水より軽く、蒸気は空気より重く、電気を通しにくい(静電気がたまる)。消火は泡・粉末・二酸化炭素で、水はNG。
覚える覚え方
灯油と軽油はほとんど双子で、どちらも第2石油類・指定数量1,000L・水より軽い・静電気がたまる。数字は「灯油40/軽油45」とだけ覚えれば足ります。いちばん大事なのは「常温で引火しない」は条件付きの安心だということ。布にしみ込む・霧になる・温められる——この3つのどれかが起きれば、灯油でも火は付きます。
まとめこの問題のまとめ
灯油・軽油はどちらも第2石油類(非水溶性)・指定数量1,000L。引火点は灯油40℃以上・軽油45℃以上で常温では引火しないが、霧状・布にしみ込む・加熱では引火する。水より軽く、電気を通しにくい(静電気に注意)。発火点はおよそ220℃でガソリンより低い。
問29
特殊引火物の性状および貯蔵方法について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)特殊引火物の指定数量は50Lで、第4類の中で最も小さい。
(2)特殊引火物は引火点が高いため、常温では引火する危険がほとんどない。
(3)二硫化炭素は水より重く、水に溶けにくいので、水中に貯蔵して蒸気の発生を防ぐ方法がとられる。
(4)二硫化炭素の発火点はおよそ90℃と低く、熱湯や高温の配管に触れただけで発火するおそれがある。
(5)ジエチルエーテルは、日光や空気にさらされると爆発性の過酸化物を生じることがある。
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正解
(2)が誤り
この問題は何を聞いているのか
「特殊引火物について間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。特殊引火物は第4類の中でいちばん危険なグループで、指定数量50Lという小ささがそれを物語っています。ここではなぜ「特殊」なのか=どこが飛び抜けて危険なのかを定義から確認していきます。
用語特殊引火物とは?(定義がそのまま出ます)
特殊引火物とは、次のどちらかにあてはまる第4類の液体をいいます。①1気圧で発火点が100℃以下のもの、または②1気圧で引火点が−20℃以下で、かつ沸点が40℃以下のもの。代表はジエチルエーテル・二硫化炭素・アセトアルデヒド・酸化プロピレンの4つ。指定数量は50Lで、第4類で最も小さい数量です。
なぜ?なぜこの2つの条件なのか?
①発火点100℃以下——お湯が沸く温度で自然に燃え出すということです。火種がなくても、熱い配管や湯気に触れただけで燃えかねません。②引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下——とても低い温度で火が付き、しかもすぐ蒸発してしまうということ。手のひらの体温くらいで沸いてしまう液体もあります。どちらも「普段の生活温度で危険」という点が共通しています。
用語二硫化炭素の水中貯蔵とは?
二硫化炭素は比重およそ1.26で水より重く、水に溶けにくいという第4類では珍しい性質を持ちます。そこで容器に水を張り、その水の下に沈めて保管する方法がとられます。なぜ効くのか?——液面が水でフタをされるので、蒸気が空気中に出てこられないからです。水より重く、水に溶けないという2つの性質がそろって初めて成り立つ方法です。
例特殊引火物4つの押さえどころ
ジエチルエーテル 引火点−45℃と非常に低い。日光や空気にさらされると爆発性の過酸化物ができるため、日光を避け、密栓して冷暗所に保管します。
二硫化炭素 発火点およそ90℃という第4類で最も低い発火点。水より重く水に溶けないので水中貯蔵。燃えると有毒な二酸化硫黄を出します。
アセトアルデヒド 沸点およそ20℃=常温で沸いてしまう。水にもよく溶けます。
酸化プロピレン 沸点およそ35℃。こちらも常温近くで沸きます。
この4つに共通するのは「普段の気温で、すでに危険」ということ。だから指定数量50Lと厳しく決められています。
覚える覚え方
特殊引火物の「特殊」は「普段の気温ですでに危険」という意味だと考えてください。定義は「発火点100℃以下」または「引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下」。お湯の温度で勝手に燃える/体温くらいで沸いてしまう——このどちらかにあてはまれば特殊引火物です。だから指定数量も第4類で最小の50L。危険なほど小さいという原則がいちばんはっきり出ています。
まとめこの問題のまとめ
特殊引火物=発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下。指定数量50L(第4類で最小)。ジエチルエーテル=引火点−45℃・過酸化物に注意、二硫化炭素=発火点約90℃・水より重く水中貯蔵、アセトアルデヒド=沸点約20℃。「引火点が高い」という記述は定義と矛盾する。
問30
アルコール類(メタノール・エタノール)の性状について、次のうち正しいものはどれか。
(1)どちらも水に溶けないので、火災のときは一般の泡消火剤が有効である。
(2)どちらも引火点が40℃以上あるので、常温では引火しない。
(3)メタノールは飲用に用いられるが、エタノールには強い毒性がある。
(4)どちらも水によく溶けるため、火災には水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使う。
(5)どちらも炎の色があざやかな赤色で、日中でも見つけやすい。
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正解
(4)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「メタノールとエタノールについて正しいのはどれか」を選ぶ問題です。アルコール類は第4類の中では珍しく「水にいくらでも溶ける」グループで、そのせいで消火のしかたが他と変わります。ここではなぜ一般の泡が効かないのかまで理解しておくと、一気に忘れなくなります。
用語アルコール類とは?(法令上の定義)
法令では「炭素の数が1個から3個までの、飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)」を第4類のアルコール類としています。難しい言い方ですが、試験に出るのは実質メタノール・エタノール・n(ノルマル)プロピルアルコール・イソプロピルアルコールの4つだけです。指定数量は400L(アルコール類は水溶性ですが、独立した品名として400Lと決められています)。
用語水溶性とは?なぜ消火が変わるのか
水溶性=水にいくらでも溶けるという意味です。一般の泡消火剤は、たくさんの水を泡の膜で包んだもの。これを水溶性の液体にかけると、泡の中の水がアルコールに吸い取られて、泡が壊れてしまいます。フタになるはずの泡が消えてしまえば、当然消火できません。そこでアルコールに吸われても壊れにくい特別な泡=水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使います。
用語メタノールとエタノールの違い
メタノール=引火点およそ11℃、発火点はおよそ385〜465℃(資料により幅があります)。強い毒性があり、飲むと失明や死亡につながります。工業用アルコール・燃料として使われます。エタノール=引火点13℃、発火点363℃、燃焼範囲3.3〜19vol%。お酒や消毒液に使われるアルコールで、メタノールのような強い毒性はありません。「飲めるのはエタノール、飲むと危険なのがメタノール」——ここは問われやすいポイントです。
覚えるアルコール類でよく問われる4点
①水にいくらでも溶ける だから一般の泡は使えない=耐アルコール泡を使います。
②引火点が低い(メタノール約11℃・エタノール13℃) 常温(20℃)ですでに引火します。「アルコールは水っぽいから安全」は完全な誤解です。
③炎が見えにくい アルコールの炎は薄い青色でほとんど見えません。日中は燃えていることに気づかないため、かえって危険です。
④毒性はメタノールが強い エタノールは飲用にも使われますが、メタノールは失明・死亡につながる強い毒性を持ちます。
覚える覚え方
アルコール類は「よく溶ける・よく燃える・炎が見えない」の3点セット。水に溶けるから一般の泡は水を吸われて壊れる——だから耐アルコール泡。ここは理屈で覚えれば忘れません。毒性は「メタ=目に来る(失明)」「エタ=お酒の成分(飲料にも使われる)」とイメージで分けてください。引火点は11と13——どちらも室温より低いと押さえておけば十分です。
まとめこの問題のまとめ
メタノール・エタノールはアルコール類・指定数量400L。どちらも水にいくらでも溶けるので、一般の泡は水を吸われて壊れ、耐アルコール泡を使う。引火点はメタノール約11℃・エタノール13℃で常温でも引火。炎は薄い青色で見えにくい。強い毒性があるのはメタノール。
問31
第1石油類に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)第1石油類とは、引火点が21℃未満のものをいう。
(2)ベンゼンには蒸気を吸い込んだときの毒性があるが、トルエンには毒性がない。
(3)ベンゼン・トルエンは水に溶けない非水溶性で、指定数量は200Lである。
(4)アセトンは水によく溶ける水溶性で、指定数量は400Lである。
(5)いずれも引火点が低いので、常温で引火する危険がある。
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正解
(2)が誤り
この問題は何を聞いているのか
「第1石油類について間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。第1石油類はガソリンが入っているグループで、常温でも簡単に火が付く危険度帯にあたります。ここでは引火点による定義・水溶性と非水溶性の指定数量・毒性の3点を確認します。
用語第1石油類とは?
引火点が21℃未満の液体のことです(特殊引火物にあてはまるものを除きます)。常温(20℃)より低い温度で引火するということなので、通常の室温ですでに危険なグループです。代表はガソリン・ベンゼン・トルエン(非水溶性・指定数量200L)とアセトン・ピリジン(水溶性・指定数量400L)。
なぜ?なぜ水溶性は指定数量が2倍なのか?
水に溶けるものは、水で薄めることで危険を減らせると評価されているためです。また水で薄まれば燃えにくくなるという性質もあります。そのぶん非水溶性より緩い数量が設定されており、第1石油類なら非水溶性200L・水溶性400L、第2石油類なら1,000L・2,000L、第3石油類なら2,000L・4,000Lと、すべて2倍の関係になっています。
用語ベンゼン・トルエンとは?
どちらも塗料の溶剤や化学原料に使われる、においの強い液体です。ベンゼン=引火点およそ−11℃、水に溶けず、比重0.88ほど。発がん性を含む強い毒性があります。トルエン=引火点およそ4℃、水に溶けず、比重0.87ほど。こちらにも毒性があります(頭痛・めまい・意識障害など、蒸気の吸入による健康被害が知られています)。
例第4類の引火点による区分(この並びが全部の土台)
特殊引火物 発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下。(50L)
第1石油類 引火点21℃未満。ガソリン・ベンゼン・トルエン200L/アセトン400L。
アルコール類 炭素数1〜3の飽和1価アルコール。(400L)
第2石油類 引火点21℃以上70℃未満。灯油・軽油1,000L/酢酸2,000L。
第3石油類 引火点70℃以上200℃未満。重油2,000L/グリセリン4,000L。
第4石油類 引火点200℃以上250℃未満。ギヤー油6,000L。
動植物油類 引火点250℃未満。(10,000L)
覚える覚え方
第1石油類は「引火点21℃未満=室温でもう危険」グループ。21℃という数字は、常温の20℃のすぐ上に線を引いたと考えれば自然に頭に入ります。指定数量は非水溶性200L・水溶性400Lで、水に溶けるほうが2倍緩い——これは第1〜第3石油類で共通のルールです。毒性については「毒性がない」と書いてあったらまず疑う。有機溶剤に安全なものはない、という感覚を持ってください。
まとめこの問題のまとめ
第1石油類=引火点21℃未満=常温で引火する。ガソリン・ベンゼン・トルエン=非水溶性200L、アセトン=水溶性400L。水溶性は非水溶性の2倍という関係は第1〜第3石油類で共通。ベンゼンもトルエンも毒性がある(「毒性がない」は誤り)。
問32
ボイラーなどの燃料に使われる重油の性状について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)重油はふつう第3石油類に分類され、指定数量は2,000Lである。
(2)重油は原油から作られた混合物で、褐色または暗褐色のねばりのある液体である。
(3)比重は1よりやや小さく、水に溶けないので水に浮く。
(4)引火点が高いので、加熱されても引火する危険はない。
(5)火災になると液温が非常に高くなり、消火に手間がかかる。
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正解
(4)が誤り
この問題は何を聞いているのか
「重油について間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。重油は、ボイラーや船の燃料に使われるどろっとした油。引火点が高い=常温では火が付かないのですが、そこから「だから安全」と考えてよいか——それがこの問題の狙いです。
用語第3石油類とは?
引火点が70℃以上200℃未満の液体のことです。常温ではまず引火しないが、加熱されれば引火するという危険度帯にあたります。代表は重油・クレオソート油(非水溶性・指定数量2,000L)とグリセリン・エチレングリコール(水溶性・指定数量4,000L)。ここでも水溶性は非水溶性の2倍という関係が成り立ちます。
用語重油とは?
重油とは、原油からガソリンや灯油をとったあとに残る、重い成分を集めた油です。混合物なので性質は幅を持ち、引火点はおよそ60〜150℃、発火点はおよそ250〜380℃、比重はおよそ0.9〜1.0(水よりやや軽い)とされます。色は褐色〜暗褐色で、ねばりが強いのが特徴。規格上は1種(A重油)・2種(B重油)・3種(C重油)に分かれ、数字が大きいほどねばりが強くなります。
用語引火点が高いのに、なぜ危険なのか?
重油は「使うときに温める」油だからです。ねばりが強いので、そのままではポンプで送れず、配管も詰まります。そこでボイラーの燃料として使うときは、タンクや配管を加熱してさらさらにしてから送るのが一般的です。加熱すれば当然、引火点を超えることがあります。「常温では引火しない」は、常温で置いてある間だけの話にすぎません。
例重油の火災が手ごわい理由
①液温が非常に高くなる 引火点が高いということは、燃えているときの液体そのものが100℃をはるかに超えているということ。
②水をかけると危険 高温の油に水をかけると、水が一瞬で水蒸気になって体積が急に膨らみ、燃えている油を吹き飛ばします。これをスロップオーバーといいます。
③ねばりが強く、消火剤が届きにくい 表面を覆うのに時間がかかります。
ですから消火は泡が第一選択。液面を覆って窒息消火します。水は絶対に使いません。
覚える覚え方
重油は「常温では燃えないが、温めて使う油」。ここが最大のポイントです。引火点が高い=安全、ではありません。てんぷら油が火を出すのと同じで、温めれば必ず境目を越えます。数字は第3石油類=70〜200℃・重油2,000Lだけ押さえれば十分。消火は泡(窒息)で、高温の油に水をかけると吹き飛ぶ——ここは天ぷら鍋の事故と同じ理屈です。
まとめこの問題のまとめ
重油は第3石油類(非水溶性)・指定数量2,000L・混合物。引火点およそ60〜150℃・比重0.9〜1.0で水より軽い・褐色でねばりが強い。使うときは加熱するので、引火点が高くても危険はある。火災では液温が非常に高くなり、水は厳禁・泡で窒息消火。
問33
動植物油類の自然発火について、次のうち正しいものはどれか。
(1)動植物油類は引火点が高いので、自然に発火することはない。
(2)ヨウ素価が大きい油(乾性油)ほど自然発火しやすい。
(3)油がしみ込んだ布を、風通しのよい場所に広げておくと自然発火しやすくなる。
(4)自然発火は、外から火種が入ることによって起こる現象である。
(5)動植物油類の指定数量は2,000Lで、重油と同じである。
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正解
(2)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「動植物油類の自然発火について正しいのはどれか」を選ぶ問題です。自然発火——火の気がまったくないのに、油のしみた布が勝手に燃え出す現象です。なぜそんなことが起きるのかを理屈で理解しておけば、この問題は考えて解けます。丸暗記は要りません。
用語動植物油類とは?
動植物油類とは、動物や植物からとった油で、引火点が250℃未満のものです。サラダ油・なたね油・大豆油・あまに油・魚油など。指定数量は10,000Lで、第4類の中で最も大きい数量です。引火点が高い=普段は火が付きにくいと評価されているためです。ちなみに第4石油類(ギヤー油・シリンダー油)は引火点200℃以上250℃未満で指定数量6,000L。どちらもねばりのある重い油の仲間です。
用語自然発火とは?
自然発火とは、火種がまったくないのに、物質そのものの中で熱が生まれ、それがたまって、ついに発火点に達して燃え出す現象です。火が外から入ってくるのではありません。しくみは3段階——①油が空気中の酸素とゆっくり結びつく(酸化)→②そのとき熱が出る→③熱が逃げずにたまり、温度が上がっていく。これが繰り返されて発火点に届くと、勝手に燃え出します。
用語ヨウ素価とは?
ヨウ素価とは、その油がどれくらい酸素と結びつきやすいかを表す数字です。ヨウ素価が大きいほど、酸素と結びつきやすい=酸化しやすい。そして酸化しやすいほど熱がたくさん出るので、自然発火しやすいのです。ヨウ素価130以上を乾性油(あまに油・きり油など)、100以下を不乾性油(オリーブ油・つばき油など)、その間を半乾性油と呼びます。「乾性油=自然発火しやすい」と覚えてください。
覚える自然発火しやすい条件・しにくい条件
しやすい条件① 酸化しやすい油(乾性油・ヨウ素価が大きい) 熱が生まれる量そのものが多いからです。
しやすい条件② 空気に触れる面積が広い 布やウエスにしみ込むと、酸化が一気に進みます。
しやすい条件③ 熱が逃げない ここが決定的です。布を丸めて積み上げたり、山にして放置したりすると、中で出た熱が外に出られずたまり続けます。
しにくい条件=風通しのよい場所に広げる 熱がどんどん逃げていくので、たまりません。だから対策は「広げる・冷やす・密閉した金属容器に入れる」。
まとめると「たくさん熱が出て、逃げ場がない」ときに自然発火する。この2つがそろわないと起きません。
覚える覚え方
自然発火は「熱がたくさん出て、逃げ場がない」ときに起きる——これだけで全部説明できます。ヨウ素価が大きい=酸素とくっつきやすい=熱がたくさん出るので危険。丸めて積む=熱が逃げないので危険。逆に広げる=熱が逃げるので安全。ふとんを重ねると中があたたかいのと同じイメージで、「こもると熱くなる」と考えれば迷いません。
まとめこの問題のまとめ
動植物油類=引火点250℃未満・指定数量10,000L(第4類で最大)。自然発火=火種なしで、酸化熱がたまって発火点に達する現象。ヨウ素価が大きい乾性油(130以上)ほど起こりやすい。丸めて積むと危険、広げて熱を逃がすと安全。
問34
第4類の危険物をあつかう場所での火災予防について、次のうち誤っているものはどれか。
(1)蒸気が発生したときは、濃度を燃焼範囲の中に保てば燃えないので安全である。
(2)蒸気がたまらないように換気を行い、換気口は低い位置に設ける。
(3)タンクに注入するときは、静電気の発生をおさえるため流速をおそくする。
(4)容器に危険物を入れるときは、温度の上昇による膨張を考えて、少し空間を残しておく。
(5)容器は密栓し、直射日光を避けて、風通しのよい冷暗所に保管する。
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正解
(1)が誤り
この問題は何を聞いているのか
「火災予防のやり方で間違っているのはどれか」を選ぶ問題です。火災予防のルールは数が多そうに見えますが、やっていることは3つだけです。①蒸気を出さない ②出た蒸気をためない ③火種を作らない。どの対策も、この3つのどれかにあてはまります。そう考えると、まる暗記しなくても判断できるようになります。
なぜ?なぜ「密栓・冷暗所」なのか?
蒸気を出さないためです。温度が高いほど蒸気はたくさん出ますから、涼しく(冷)暗く(暗)保つことで蒸気の発生を抑えられます。そして密栓すれば、出た蒸気が外に漏れません。直射日光を避けるのは、日に当たると容器の中の温度がぐんぐん上がるからです。夏の車内が高温になるのと同じ理屈です。
なぜ?なぜ換気口は低い位置なのか?
第4類の蒸気は、ほぼすべて空気より重いからです。蒸気は床の上を這うように広がり、低いところにたまります。したがって抜くための口も低いところに付けなければ意味がありません。天井に換気扇を付けても、下にたまった重い蒸気は動きません。「重いものは下にたまる、だから下から抜く」——これだけの話です。
用語燃焼範囲とは?(この問題の核心)
燃焼範囲とは、空気に混ざった蒸気が、火を近づけたときに燃える「濃さの範囲」のことです。薄すぎても濃すぎても燃えません。例えばガソリンはおよそ1.4〜7.6vol%。この範囲の中に入っているときこそが「燃える状態」=いちばん危険です。範囲の中に保つ=いつでも燃える状態を維持するということなので、安全とは正反対になります。
例火災予防を3つに整理する
①蒸気を出さない 密栓する・冷暗所に置く・直射日光を避ける・むやみに加熱しない。
②出た蒸気をためない 換気する・換気口は低い位置に・低い場所(ピット、地下)を点検する。
③火種を作らない 火気厳禁・接地(アース)・流速を遅く・湿度を上げる・衝撃や摩擦を避ける・電気設備は防爆型(火花が外へ漏れない構造)にする。
そして容器には少し空間を残す。なぜか?——液体は温まると膨らむので、いっぱいに詰めると容器が変形したり、あふれたりするからです。
覚える覚え方
火災予防は「出さない・ためない・火種を作らない」の3つに整理できます。密栓と冷暗所は出さない、換気はためない、アースと流速は火種を作らない。そして最大のひっかけが燃焼範囲。燃焼範囲は「燃える濃さ」なのだから、そこに入れるのは危険——字のとおりに読めば逆だと分かるタイプの選択肢です。対策は換気で薄くして、範囲の外に出す。
まとめこの問題のまとめ
火災予防は①蒸気を出さない(密栓・冷暗所・遮光)②蒸気をためない(換気・換気口は低い位置)③火種を作らない(火気厳禁・アース・流速を遅く)の3本立て。容器は膨張を考えて少し空間を残す(液体は内容積の98%以下)。燃焼範囲の中は「いつでも燃える状態」=最も危険で、換気で範囲の外(薄いほう)に出すのが正解。
問35
第4類の危険物の火災の消火方法について、次のうち正しいものはどれか。
(1)棒状の水を勢いよくかけて、燃えている液体を吹き飛ばすのが最も効果的である。
(2)アセトンやエタノールの火災には、一般の泡消火剤が最も適している。
(3)二酸化炭素消火剤は、狭い室内でも人体への影響がないので安心して使える。
(4)粉末消火剤は冷却効果が大きいので、消火後に再び燃え出すことはない。
(5)泡消火剤は液面をおおって空気を断つので、第4類の火災に有効である。
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正解
(5)が正しい
この問題は何を聞いているのか
「第4類の火災の消し方で正しいのはどれか」を選ぶ問題です。第4類の消火は「水は使えない、泡が主役」という1本の軸さえ通っていれば、多くの選択肢を判断できます。なぜ水が使えず、なぜ泡がよいのか——その理由から順に確認していきましょう。
なぜ?なぜ第4類に水を使ってはいけないのか?
第4類の多くは、水に溶けず、水より軽いからです。燃えている油に水をかけると、油が水の上に浮いて、燃えたまま流れ広がります。これを火面拡大といい、火事を大きくしてしまいます。さらに高温の油に水がかかると、水が一瞬で水蒸気になって体積が急に膨らみ、燃えている油を吹き飛ばします(スロップオーバー)。広げるか、吹き飛ばすか——どちらにしても逆効果です。
用語第4類に使える消火剤4種類
①泡=液面を覆ってフタになる(窒息)。油火災の主役。②粉末=燃焼の連鎖に割り込んで止める(抑制)。消えるのが速い。③二酸化炭素=空気中の酸素を追い出す(窒息)。あとが汚れないので精密機器に向く。④ハロゲン化物=抑制。いずれも「酸素を断つ」か「反応を止める」のどちらかで、水のように冷やす方法は使いません。
用語水溶性の危険物は泡も選ぶ
アセトン・エタノール・メタノール・酢酸・グリセリンのように水に溶ける危険物には、一般の泡消火剤は使えません。なぜか?——泡は水を膜で包んだものなので、その水を吸い取られて泡が壊れてしまうからです。そこで水溶性液体用(耐アルコール)泡消火剤を使います。「水に溶けるものには、溶けに強い泡」と覚えてください。
例消火剤ごとの得意・不得意
泡 ⭕液面を覆って確実に消え、再着火しにくい。❌水溶性の液体には一般の泡が使えない(耐アルコール泡が必要)。
粉末 ⭕炎が一瞬で消える。屋外でも効く。❌冷却効果がほとんどないので、高温のままだと再び燃え出す(再着火)。
二酸化炭素 ⭕あとが残らず、電気設備や精密機器にも使える。❌狭い室内では酸素が減り、人が窒息するおそれがある。風のある屋外では流されて効きにくい。
水(棒状・霧状) ❌第4類には使わない。油が浮いて広がる/高温の油で水蒸気爆発的に吹き飛ぶ。
覚える覚え方
第4類の消火は「水は使えない、泡が主役」の1本で通せます。理由も1つで、油は水に浮くから。浮いてしまう水は使えない、浮いてフタになる泡はよい——この対比で覚えてください。例外の注意も1つだけ、水に溶けるものには耐アルコール泡。そして各消火剤の弱点は「粉末は冷えない(再着火)」「二酸化炭素は人も窒息する」の2つを押さえれば十分です。
まとめこの問題のまとめ
第4類の火災は水を使わない(油が浮いて広がる・水蒸気で吹き飛ぶ)。泡が主役=液面を覆って窒息消火し、再着火にも強い。粉末は消えるのが速いが冷却効果がなく再着火に注意。二酸化炭素は狭い室内では人が窒息する危険。水溶性のものには耐アルコール泡。
覚えるこの35問の最重要ポイント(直前チェック)
- 指定数量の倍数は、品名ごとに割ってから全部足す。軽油1,000L/重油2,000L/ギヤー油6,000Lは丸暗記してよい数字です。
- 保安講習は「その日以後における最初の4月1日から3年以内」ごと。「受講した日から3年」ではありません。新しく従事したときは1年以内。
- 手続きの言葉を取りちがえない——設置・変更=許可/仮貯蔵・仮使用=承認/予防規程=認可/品名や数量の変更=10日前までに届出。
- 保安距離は、守りたい相手が大事なほど長い——住居10m/高圧ガス20m/学校・病院など30m/重要文化財50m。
- 保有空地は指定数量の倍数10以下で3m以上、10を超えると5m以上(製造所の場合)。
- 定期点検は1年に1回以上、記録の保存は3年間。移動タンク貯蔵所と地下タンクを持つ施設は、規模に関係なく必ず定期点検。
- 移動タンク貯蔵所は、容量30,000L以下・間仕切で4,000L以下ごと・容量2,000L以上の部分には防波板。走行中の液体の揺れを抑えるためです。
- 静電気対策は「流速をおそく・接地(アース)・湿度を上げる・電気を通す材料」。流速を速くするのは逆効果です。
- 熱量=比熱×質量×温度差。温度は「何℃にしたか」ではなく「何℃ぶん上げたか」を使います。
- 蒸発はどんな温度でも起きる/沸騰は沸点だけ。ガソリンが常温で危ないのは、沸騰していなくても蒸気が出ているからです。
- 比重は水と比べる、蒸気比重は空気と比べる。第4類は液体は水に浮き、蒸気は床に沈む。
- 消火は除去・窒息・冷却・抑制の4つ。泡の主原理は窒息(冷却ではありません)。
- ガソリン=引火点−40℃以下・発火点約300℃・蒸気比重3〜4・オレンジ系に着色・指定数量200L。灯油40℃以上・軽油45℃以上でどちらも1,000L。
- 特殊引火物=発火点100℃以下、または引火点−20℃以下かつ沸点40℃以下・指定数量50L。二硫化炭素は発火点約90℃・水より重いので水中貯蔵。
- 水に溶ける危険物(アルコール・アセトン・酢酸・グリセリン)には耐アルコール泡。一般の泡は水を吸われて壊れてしまいます。
- 自然発火は「熱がたくさん出て、にげ場がない」ときに起きる。ヨウ素価が大きい乾性油ほど危険で、油のしみた布はまるめて積まず、広げるか密閉容器へ。
| 科目 | 問番号 | 問題数 | 合格ライン | あなたの正解数 |
|---|---|---|---|---|
| 法令 | 問1〜問15 | 15問 | 9問以上 | /15 |
| 物理・化学 | 問16〜問25 | 10問 | 6問以上 | /10 |
| 性質・消火 | 問26〜問35 | 10問 | 6問以上 | /10 |
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▶ 第1回 危険物・乙4とは?
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▶ 第2回 第4類の品名マップ
この回に戻る分野タグ:品名と分類/引火点の区切り
▶ 第3回 指定数量と倍数の計算
この回に戻る分野タグ:指定数量/倍数/少量危険物
▶ 第4回 燃焼の3要素と消火の4方法
この回に戻る分野タグ:燃焼の3要素/消火理論/燃焼の種類
▶ 第5回 引火点・発火点・燃焼範囲
この回に戻る分野タグ:引火点/発火点/燃焼範囲
▶ 第6回 熱と温度・比熱・熱の伝わり方
この回に戻る分野タグ:比熱・熱量/熱の移動/熱膨張
▶ 第7回 静電気はなぜ危険物の敵なのか
この回に戻る分野タグ:静電気
▶ 第8回 物質の状態と気体の性質
この回に戻る分野タグ:状態変化/気体の性質/比重・蒸気比重
▶ 第9回 酸化と還元・化学反応のきほん
この回に戻る分野タグ:酸化と還元/単体・化合物・混合物/酸とアルカリ/金属
▶ 第10回 第4類に共通する5つの性質
この回に戻る分野タグ:第4類の共通性状/火災予防
▶ 第11回 特殊引火物とアルコール類
この回に戻る分野タグ:特殊引火物/アルコール類
▶ 第12回 第一石油類・第二石油類
この回に戻る分野タグ:ガソリン/灯油・軽油/第1石油類/第2石油類
▶ 第13回 第三・第四石油類・動植物油類
この回に戻る分野タグ:重油/第3石油類/第4石油類/動植物油類
▶ 第14回 第4類に効く消火剤・効かない消火剤
この回に戻る分野タグ:消火方法/消火剤と火災区分
▶ 第15回 法令の登場人物(許可・届出・免状)
この回に戻る分野タグ:手続き/免状/保安講習/保安の責任者
▶ 第16回 製造所等の12区分
この回に戻る分野タグ:製造所等の区分/販売取扱所/タンク貯蔵所
▶ 第17回 位置・構造・設備の基準
この回に戻る分野タグ:保安距離/保有空地/標識・掲示板/防油堤
▶ 第18回 貯蔵・取扱いの基準と運搬・移送
この回に戻る分野タグ:貯蔵・取扱いの基準/運搬/移送/混載
▶ 第19回 消火設備・警報設備と定期点検
この回に戻る分野タグ:消火設備/所要単位/警報設備/定期点検/予防規程
