第二種電気工事士の学科試験を、電気の知識がまったくない人でも読み進められるように1問ずつ解説します。このページは令和5年度 上期 午前(2023年5月28日実施)の問21〜問30です。

ここは工事のルール・検査・法令の分野です。計算はほとんど出てきませんが、そのかわり数字とことばの決まりごとがぎっしり詰まっています。丸暗記しようとすると混ざりやすいので、この記事では「なぜその決まりがあるのか」を一つずつ書きました。理由が分かると、似た数字が並んでいても迷わなくなります。

各問題の下の「答え・解説を見る」を開くと、答えと考え方が出ます。まず自分で考えてから開くのがおすすめです。

この記事の問題はどこから?

問題文・図・解答は、試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。
出典:令和5年度上期第二種電気工事士試験(午前)

用語この10問で問われている分野

問21 太陽光発電と漏電遮断器 / 問22 接地線の太さと接地抵抗 / 問23 金属可とう電線管の工事 / 問24 回路計(テスタ)の使い方 / 問25 絶縁抵抗の基準値 / 問26 接地抵抗と絶縁抵抗の組合せ / 問27 電圧計・電流計・電力計のつなぎ方 / 問28 電気工事士法 / 問29 電気用品安全法 / 問30 電気設備の技術基準(省令)

なぜ?なぜこの10問はまとめて勉強すると効率がいいのか?

出てくる数字と法律が、たがいに関係し合っているからです。例えば問22・問25・問26は「接地抵抗」と「絶縁抵抗」という2つの数字を、角度を変えて3回聞いています。1回まとめて覚えてしまえば、3問まとめて得点しやすくなります。

問21

分野:施工(太陽光発電・系統連系)重要度 ★★☆

住宅(一般用電気工作物)に系統連系型の発電設備(出力5.5 kW)を,図のように,太陽電池,パワーコンディショナ,漏電遮断器(分電盤内),商用電源側の順に接続する場合,取り付ける漏電遮断器の種類として,最も適切なものは。

令和5年度上期 第二種電気工事士 学科試験(午前)問21の図。太陽電池からパワーコンディショナ、分電盤内の漏電遮断器を通って商用電源側へつながる接続順を示した系統図。
イ.漏電遮断器(過負荷保護なし)
ロ.漏電遮断器(過負荷保護付)
ハ.漏電遮断器(過負荷保護付 高感度形)
ニ.漏電遮断器(過負荷保護付 逆接続可能型)
答え・解説を見る
正解
ニ.漏電遮断器(過負荷保護付 逆接続可能型)
この問題は何を聞いているの?

「家の屋根に太陽光発電を付けるとき、分電盤に入れる漏電遮断器はどんな種類のものを選べばよいか」を聞いています。4つの選択肢はどれも「漏電遮断器」ですが、後ろに付いているカッコの中身だけが違います。つまり、カッコの中の言葉の意味が分かれば解ける問題です。

ここから先は、言葉を1つずつ全部説明します。「太陽電池」「パワーコンディショナ」「系統連系」「漏電遮断器」「過負荷保護」「高感度形」「逆接続可能型」——この7つが分かれば、この問題は自然に解けるようになります。

図に出てくるものを順に説明する

用語太陽電池とは?

太陽電池とは、日光が当たると電気を作る板のことです。屋根に載っている黒っぽいパネルを思い浮かべてください。「電池」という名前ですが、電気をためる装置ではなく、その場で作る装置です。作られる電気は直流(ちょくりゅう)——乾電池と同じで、プラスからマイナスへ一方向にだけ流れる電気です。

なぜ?なぜ太陽電池が作るのは直流なのか?

太陽電池は光が当たると電子が一方向に押し出されるという仕組みで発電しているからです。押し出される向きが常に同じなので、出てくる電気も向きが変わらない電気=直流になります。

用語パワーコンディショナとは?

直流を交流に変える機械です。「パワコン」と略します。交流(こうりゅう)とは、家庭用コンセントに来ている電気のことで、プラスとマイナスが1秒間に何十回も入れ替わる電気です。

なぜ?なぜ直流を交流に変えなければいけないのか?

家の中の配線も、電力会社の電線も、すべて交流でできているからです。太陽電池が作った直流をそのまま流し込んでも、家電は動かず、電力会社の電線にも送れません。「言葉が通じないので通訳する」のがパワーコンディショナの役割です。

用語系統連系(けいとうれんけい)とは?

自分の家で作った電気を、電力会社の電線とつなげて一緒に使うことです。「系統」=電力会社の送電網、「連系」=つなぐ、という意味です。

なぜ?なぜわざわざ電力会社の電線とつなぐのか?

太陽光は昼しか発電しないからです。夜や雨の日は電気が足りないので電力会社から買い、晴れた昼に余ったら電力会社へ売る——このやり取りをするために、両方を1本の線でつないでおく必要があります。この「つないである状態」が系統連系です。

用語漏電遮断器(ろうでんしゃだんき)とは?

電気が本来の道から漏れたときに、自動で電気を止めるスイッチです。「漏電」とは、電線の傷んだところなどから電気が地面のほうへ逃げ出してしまうことをいいます。略して「ELB」「漏電ブレーカー」とも呼ばれます。

なぜ?なぜ漏電を止めないと危険なのか?

漏れた電気は人の体を通って地面に流れることがあるからです。これが感電です。また、漏れた電気が金属をじりじり温め続けて火災になることもあります。漏電遮断器は、行きの電流と帰りの電流を比べて、差が出たら「漏れている」と判断して切ります。

図はどういう順番でつながっているのか

例図を左上から順に読む

①太陽電池 … 平行四辺形の記号。ここで直流の電気ができる。

②パワーコンディショナ … 直流を交流に変える。ここから先は交流。

③漏電遮断器(分電盤内) … この問題で種類を選ぶ相手。家の分電盤の中にある。

④(商用電源側) … 電力会社の電線のこと。「商用電源」=電力会社から買っている電気。

ここでいちばん大事なことを確認しておきましょう。一般的なブレーカー(電気を自動で止める装置)は、電気が「電力会社→家の中」の一方向にしか流れない前提で作られています。ところが太陽光を付けた家では、晴れた昼に「家→電力会社」の逆向きにも電気が流れます。つまりこの漏電遮断器には、電気が両方向に流れるのです。

選択肢のカッコの中身を1つずつ説明する

用語過負荷保護(かふかほご)付とは?

過負荷保護とは、電気を使いすぎたときにも切ってくれる機能のことです。「過負荷」=決められた量より大きい電流が流れ続けること。過負荷保護なしの漏電遮断器は、漏電しか見ていないので、使いすぎでは切れません。

なぜ?なぜ使いすぎでも切らないといけないのか?

電線は電流が大きいほど発熱するからです。許容量を超えた電流が流れ続けると、電線の被覆(ひふく=まわりのビニル)が溶けて火災になります。漏電(漏れ)と過負荷(使いすぎ)は別の事故なので、両方から守るには両方の機能が要ります。

用語高感度形(こうかんどがた)とは?

高感度形とは、ごく小さな漏電でも反応する漏電遮断器のことです。定格感度電流(=これだけ漏れたら切る、という設定値)が30 mA(ミリアンペア)以下のものを高感度形と呼びます。1 mA=1 Aの1000分の1なので、30 mAは0.03 Aというごく小さな電流です。

なぜ?なぜ人を守るのに30 mAという小さな値なのか?

人は50 mA程度の電流が体を通ると命にかかわるとされているからです。それより小さい30 mAで切れば、感電しても助かる、という考え方です。住宅の分岐回路(=分電盤から部屋ごと・用途ごとに枝分かれして出ていく配線1本ずつ)には高感度形がよく使われますが、この問題が聞いているのは「感度」の話ではありません。

用語逆接続可能型(ぎゃくせつぞくかのうがた)とは?

逆接続可能型とは、電源側と負荷側を逆にしてつないでも、正常に働く漏電遮断器のことです。言いかえると、電気がどちら向きに流れても正しく動くタイプです。

なぜ?なぜ普通の漏電遮断器では困るのか?

普通の漏電遮断器には「電源側」「負荷側」の向きが決められていて、逆向きに電気が流れることを想定していないからです。太陽光発電をつないだ家では、発電した電気が家から電力会社のほうへ逆流します。このとき普通のものだと、正しく遮断できなかったり、内部の部品が壊れたりするおそれがあります。だから逆向きOKと保証された「逆接続可能型」を使うのです。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 漏電遮断器(過負荷保護なし) … 漏電は見てくれますが、電気の使いすぎ(過負荷)で切れません。分電盤の主となる遮断器としては不十分。さらに逆向きに流れることにも対応していません。→ 不適切

ロ 漏電遮断器(過負荷保護付) … 漏電+使いすぎの両方を見てくれるので、一般的な家ならこれで十分です。しかし逆向きに流れることには対応していません。太陽光をつなぐ場所には使えない。→ 不適切

ハ 漏電遮断器(過負荷保護付 高感度形) … 感度がよいのは長所ですが、この問題が求めているのは感度ではなく「逆向きに流れても大丈夫か」です。高感度形と書いてあっても逆接続に対応しているとは限りません。→ 不適切

ニ 漏電遮断器(過負荷保護付 逆接続可能型) … 使いすぎからも守り、かつ電気が逆向きに流れても正常に働く。系統連系する太陽光発電にはこれが必要です。→ 適切=これが答え

よって答えはニです。

間違えた人が選びやすいのはハ

「高感度形」という言葉はいかにも高性能そうに聞こえるので、迷ったときに選んでしまいがちです。しかし高感度形は「小さい漏電にも反応する」という意味だけで、電気の向きについては何も言っていません。この問題のポイントは「向き」です。感度の話に引っぱられないでください。

例参考:この問題の「5.5 kW」という数字の意味

出力5.5 kW … 太陽光発電の発電能力。kW(キロワット)=1000 Wなので5500 Wです。

なぜこの数字が書いてあるのか … 太陽電池の発電設備は、出力が10 kW未満であれば、住宅などの一般用電気工作物として扱えるからです。(一般用電気工作物=電力会社から低圧(600 V以下)のまま電気をもらって使っている設備のこと。一般的な住宅や小さなお店がこれで、第二種電気工事士が工事できる範囲です。)(10 kW以上50 kW未満は小規模事業用電気工作物という別の区分になります。この区分は2023年3月20日からのもので、この試験は2023年5月の実施なので改正後です。)

5.5 kWは10 kWより小さいので、この住宅は問題文どおり一般用電気工作物のままです。計算に使う数字ではなく、「一般用電気工作物ですよ」と確認するための数字です。

覚えるこの問題の覚え方

「太陽光をつないだら、電気は行ったり来たりする。だから逆向きOKのものを選ぶ」——これだけです。系統連系の問題で「逆接続可能型」という選択肢を見つけたら、まずそれを疑う。一般的な家の分電盤なら「過負荷保護付」でよいのに、わざわざ太陽電池の図が付いている時点で、出題者は「向き」を聞きたがっています。

問22

分野:施工(接地工事)重要度 ★★★

床に固定した定格電圧200 V,定格出力1.5 kWの三相誘導電動機の鉄台に接地工事をする場合,接地線(軟銅線)の太さと接地抵抗値の組合せで,不適切なものは。ただし,漏電遮断器を設置しないものとする。

イ.直径1.6 mm,10 Ω
ロ.直径2.0 mm,50 Ω
ハ.公称断面積0.75 mm2,5 Ω
ニ.直径2.6 mm,75 Ω
答え・解説を見る
正解
ハ.公称断面積0.75 mm2,5 Ω
この問題は何を聞いているの?

「モーターの土台にアースを取り付けるとき、アース線の太さと、アースの効き具合の数値の組合せで、決まりを守れていないものはどれか」を聞いています。2つの数字を、それぞれ別々に判定する問題です。

判定に必要なのは、①アース線の太さの最低ラインと②接地抵抗の上限の2つだけ。この2つの基準をこれから作っていきます。

まず「接地工事」から説明する

用語接地工事(せっちこうじ)とは?

接地工事とは、機械の金属部分と地面を、電線でつないでおく工事のことです。「アース」「アースを取る」と呼ぶこともあります。地面の中に金属の棒(接地極)を埋め、そこから機械まで電線を引いてきます。

なぜ?なぜわざわざ地面とつなぐのか?

万一の漏電のとき、電気に「人の体より通りやすい道」を用意しておくためです。モーターの中で電線が傷んで、金属の外箱に電気が漏れたとします。アースがなければ、人が触った瞬間に人の体を通って地面へ電気が流れます=感電です。アースがあれば、電気は抵抗の小さいアース線のほうへどっと流れるので、人にはほとんど流れません。同時に大きな電流が流れることでブレーカーが落ち、電源が切れます。

用語鉄台(てつだい)とは?

鉄台とは、モーターなどの機械を載せている金属製の台のことです。モーターの金属製外箱(そとばこ)とひとつづきになっていることが多く、人が触れる金属の部分という点で同じ扱いをします。

なぜ?なぜ鉄台にアースを取るのか?

そこが「人が触るかもしれない金属」だからです。漏電したときに危険なのは、電気が流れている電線そのものではなく、本来は電気が来ないはずなのに、漏電で電気が来てしまった金属部分です。そこを地面につないでおくのが、接地工事の役目になります。

用語接地抵抗(せっちていこう)とは?

アース線と地面のあいだの、電気の通りにくさを表した数値です。単位はΩ(オーム)。数値が小さいほど地面とよくつながっている=アースがよく効いているという意味になります。

なぜ?なぜ接地抵抗は小さいほうがよいのか?

漏れた電気を、人の体ではなくアース線のほうへ流したいからです。人の体の抵抗はおよそ数千Ωです。アース側が100Ωなら、電気は圧倒的に通りやすいアース側へ流れます。逆にアース側が5000Ωもあったら、人の体と大差がなくなり、人にも同じくらい流れてしまうのでアースの意味がありません。

接地工事は4種類ある

用語表を読む前に — 低圧・高圧・特別高圧とは?

電圧の大きさによる区分です。交流の場合、低圧=600 V以下/高圧=600 Vを超えて7,000 V以下/特別高圧=7,000 Vを超えるものと決められています。家庭用コンセント(100 V・200 V)はすべて低圧で、この問題のモーター(200 V)も低圧です。

なぜ?なぜ電圧で区分を分けるのか?

電圧が高いほど危険が大きく、必要な対策も変わるからです。高い電圧は直接触れなくても空気を飛び越えて感電することがあります。だから高圧・特別高圧には、低圧よりずっと厳しい基準(A種=10 Ω以下)が課され、扱える資格も別になっています。

用語変圧器(へんあつき)とは?(B種の説明に出てきます)

電圧を上げたり下げたりする機器です。電柱の上に載っている灰色の円筒がそれで、高圧(6,600 V)で送られてきた電気を、家庭用の100 V・200 Vに下げています。

なぜ?なぜ高い電圧で送ってから下げるのか?

同じ電力を送るなら、電圧が高いほど電流が小さくてすむからです。電線の発熱は電流の大きさで決まるので、電流が小さいほど送るときのむだが減ります。ただし高い電圧のままでは危なくて家では使えないので、家の近くまで高い電圧で運び、最後に変圧器で下げるという形になっています。

例接地工事の種類【この表は必ず覚える】

A種 … 高圧・特別高圧の機器の外箱など。接地抵抗10 Ω以下。

B種 … 高圧と低圧をつなぐ変圧器の低圧側。値は計算で決まる(二種試験では細かく問われません)。

C種 … 300 Vを超える低圧の機器の外箱など。接地抵抗10 Ω以下。

D種 … 300 V以下の低圧の機器の外箱など。接地抵抗100 Ω以下。

用語この問題はD種接地工事

この問題のモーターは定格電圧200 Vです。(定格(ていかく)=その機器が安全に使えるとメーカーが保証している値のこと。定格電圧200 Vなら「200 Vで使う設計です」、定格出力1.5 kWなら「1.5 kW分の仕事ができます」という意味で、機器の銘板(めいばん=側面に貼ってある金属の札)に書かれています。)300 V以下なので、D種接地工事になります。D種の接地抵抗は100 Ω以下が原則です。

なぜ?なぜ300 Vを境にC種とD種に分けているのか?

電圧が高いほど、同じ漏電でも人に流れる電流が大きくなるからです。電圧が高い機器ほど厳しい基準(C種の10 Ω以下)にして、より確実に地面へ逃がすようにしています。「300を超えたらC、300以下ならD」と覚えます。

用語0.5秒以内に切れる装置があると500 Ωまで許される

D種接地工事は原則100 Ω以下ですが、地絡(漏電)が起きたときに0.5秒以内に自動で電路を切る装置がある場合に限り、500 Ω以下まで許されます。ただしこの問題は「漏電遮断器を設置しない」と書いてあるので、100 Ω以下のほうを使います。

なぜ?なぜ早く切れる装置があると値をゆるめてよいのか?

危険な状態が続く時間が短いからです。アースの効きが多少悪くても、0.5秒以内に電気そのものが止まってしまえば、人が感電し続けることはありません。「アースの効き」と「切れる速さ」のどちらかで安全を確保する、という考え方です。

もう1つの基準=接地線の太さ

覚える接地線の太さの決まり

(軟銅線(なんどうせん)=熱を加えてやわらかくしてある銅の線のこと。曲げやすく加工しやすいので、屋内配線や接地線にはこれが使われます。)
D種接地工事の接地線(軟銅線)は、直径1.6 mm以上と決められています。ただし例外があり、移動して使う機器(電気ドリルなど手に持って使うもの)の場合は、多心コードやキャブタイヤケーブルの1心で断面積0.75 mm2以上でもよい、とされています。(多心(たしん)コード=細い電線が何本かまとまって1本になっているコード。キャブタイヤケーブル=ゴムなどの丈夫な外皮でおおった、持ち運び用の電線のこと。踏まれたり引きずられたりしても平気なように作られていて、工事現場の延長コードや移動する機械につながっています。1心=その中に入っている電線1本のことです。)

なぜ?なぜ固定した機器と移動する機器で基準が違うのか?

求められる性質が違うからです。固定された配線は、引っぱられたりぶつけられたりしても切れない丈夫さが要ります。一方、手で持って動かす機器のコードはやわらかく曲がることが必要で、太い1本の線では扱えません。だから細い線をたくさん束ねた、しなやかなコードが別枠で認められています。

用語この問題は「床に固定した」電動機

問題文の冒頭に「床に固定した」と書いてあります。つまり移動して使う機器ではないので、例外の0.75 mm2は使えず、直径1.6 mm以上のほうを守らなければいけません。

なぜ?なぜ問題文はわざわざ「床に固定した」と書いているのか?

この一言が、この問題の答えを決めているからです。もし「移動して使用する」と書いてあれば、0.75 mm2は正しい選択肢になります。出題者はこの条件を読み飛ばす人をふるい落とそうとしています。問題文の最初の数文字を、必ず読んでください。

「直径◯mm」と「断面積◯mm2」は別の測り方

選択肢イ・ロ・ニは直径(線の太さそのもの)で書かれ、ハだけ公称断面積(線を輪切りにしたときの面積)で書かれています。単位が違うので、そのままでは比べられません。そろえてみましょう。

手順1 直径1.6 mmの線の半径は、1.6 ÷ 2 = 0.8 mm。

手順2 円の面積は「半径 × 半径 × 3.14」。0.8 × 0.8 = 0.64。

手順3 0.64 × 3.14 = 約2.0 mm2。つまり直径1.6 mm = 断面積およそ2.0 mm2。

手順4 ハの0.75 mm2と比べる。2.0 mm2に対して0.75 mm2はおよそ3分の1の細さ。→ 固定して使う機器の接地線としては細すぎる。

例試験に出てくる直径と太さの対応【2つの数字を混ぜないこと】

直径1.6 mm → 実際の断面積 約2.0 mm2 / 対応する規格サイズ 2.0 mm2

直径2.0 mm → 実際の断面積 約3.1 mm2 / 対応する規格サイズ 3.5 mm2

直径2.6 mm → 実際の断面積 約5.3 mm2 / 対応する規格サイズ 5.5 mm2

例「実際の断面積」と「規格サイズ」は少しズレる

上の表には数字が2つ並んでいます。左が円の面積の計算結果、右が電線の規格で使われている呼び名(公称断面積)です。公称断面積は2.0/3.5/5.5/8/14 mm2…とあらかじめ決められた数字の並びになっていて、計算結果とぴったり同じにはなりません。

なぜ?なぜ計算結果と規格の数字がズレるのか?

規格サイズは「何本かの細い線をより合わせた電線(より線)」のための呼び名だからです。より線は細い線のすき間があるので、外から見た太さと中身の銅の量が一致しません。そこでキリのよい数字を決めておいて、そこに当てはめるという決め方をしています。この問題で必要なのは「1.6 mmはおよそ2.0 mm2で、0.75 mm2よりずっと太い」という大小関係だけなので、細かいズレは気にしなくて大丈夫です。

選択肢を1つずつ確かめる

イ 直径1.6 mm,10 Ω … 太さは1.6 mm以上を満たす(ちょうど下限)。抵抗10 Ωは100 Ω以下を満たす。→ 適切

ロ 直径2.0 mm,50 Ω … 2.0 mmは1.6 mmより太いのでOK。50 Ωは100 Ω以下なのでOK。→ 適切

ハ 公称断面積0.75 mm2,5 Ω … 抵抗5 Ωは文句なしに小さくてOK。しかし太さが0.75 mm2=直径1.6 mm(約2.0 mm2)に届かない。床に固定した電動機なので例外は使えない。→ 不適切=これが答え

ニ 直径2.6 mm,75 Ω … 2.6 mmは十分太い。75 Ωは100 Ω以下なのでOK(ぎりぎりに見えますが基準内です)。→ 適切

よって答えはハです。

間違えた人が選びやすいのはニ

ニの75 Ωという数字は、なんとなく大きく見えるので「これはダメだろう」と選ばれがちです。しかしD種の上限は100 Ωなので、75 Ωは基準内です。「なんとなく大きい」ではなく、必ず上限の数字と比べるクセを付けてください。

また、ハは抵抗値が5 Ωととても小さいので、「アースがよく効いているから良いはずだ」と思ってしまいます。しかしこの問題は太さと抵抗の両方を見る問題です。片方が良くても、もう片方が基準を満たしていなければ不適切です。

覚えるこの問題の覚え方

「固定=直径1.6 mm以上/持ち歩く=0.75 mm2以上」の対比で覚えます。0.75 mm2という数字が出てきたら、まず問題文に「移動」「可搬」「手に持つ」があるか探す。無ければその選択肢が答えです。接地抵抗は「300 V以下=D種=100 Ω以下、早く切れる装置があれば500 Ωまで」をセットで覚えてください。

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問23

分野:施工(金属可とう電線管工事)重要度 ★★★

低圧屋内配線の金属可とう電線管(使用する電線管は2種金属製可とう電線管とする)工事で,不適切なものは。

イ.管の内側の曲げ半径を管の内径の6倍以上とした。
ロ.管内に600Vビニル絶縁電線を収めた。
ハ.管とボックスとの接続にストレートボックスコネクタを使用した。
ニ.管と金属管(鋼製電線管)との接続にTSカップリングを使用した。
答え・解説を見る
正解
ニ.管と金属管(鋼製電線管)との接続にTSカップリングを使用した。
この問題は何を聞いているの?

「曲がる金属の管を使った工事のやり方で、決まりに反しているのはどれか」を聞いています。正しいものが3つ、まちがいが1つです。選択肢に出てくる部品の名前を知っていれば、迷わず解けます。

まず管の種類から

用語電線管(でんせんかん)とは?

電線を中に通して守るための管です。電線をむき出しで壁の中に這わせると、ネズミにかじられたり、釘を打たれて傷ついたりします。それを防ぐために管に通します。

なぜ?なぜ管に入れる必要があるのか?

電線の外側のビニル(被覆)だけでは、物理的な傷から守りきれないからです。被覆が破れて銅線がむき出しになれば、漏電や短絡(ショート)につながります。また、管に通してあるとあとから電線を引き抜いて交換できるという利点もあります。

用語金属可とう電線管(きんぞくかとうでんせんかん)とは?

くねくね曲げられる金属の管です。「可とう」は曲げられるという意味です。金属の帯をらせん状に巻いて作ってあるので、じゃばらのように自由に曲がります。

なぜ?なぜ曲がる金属管が必要なのか?

まっすぐな金属管だけでは、どうしても配管できない場所があるからです。特にモーターのように振動する機械の手前では、かたい管で直結すると振動が管に伝わって、接続部がゆるんだり管が折れたりします。曲がる管をあいだにはさんで、振動を吸収させるのです。

覚える1種と2種のちがい(この問題の前提)

1種金属製可とう電線管(フレキシブルコンジット) … 金属の帯を巻いただけで、すき間があります。水が入るので、乾燥した、点検できる場所にしか使えません。
2種金属製可とう電線管(プリカチューブ) … すき間をふさいだ防水構造。湿気の多い場所・水気のある場所でも使えます。この問題は2種を使う前提です。

なぜ?なぜ試験では2種を前提にすることが多いのか?

2種のほうが使える場所が広く、実務で標準的だからです。1種は使える場所が限られるので、「1種+湿気の多い場所」の組合せが出てきたら、それは誤りというパターン問題として出されます。今回は前提が2種なので、その論点は使いません。

選択肢に出てくる決まりと部品を全部説明する

用語曲げ半径は管の内径の6倍以上(選択肢イ)

2種金属製可とう電線管を曲げるときは、管の内側の曲げ半径を、管の内径の6倍以上にします。「内径」=管の内側の直径のことです。例えば内径17 mmの管なら、曲げ半径は17 × 6 = 102 mm以上にします。

なぜ?なぜ急に曲げてはいけないのか?

きつく曲げると管がつぶれて、中の電線が傷むからです。管の断面がぺしゃんこになると、あとから電線を引き入れるときに被覆がこすれて破れます。ゆるやかに曲げれば断面の形が保たれ、電線も無理なく通ります。

用語600Vビニル絶縁電線(IV)とは?(選択肢ロ)

銅線のまわりをビニルで1回だけ包んだ、いちばん基本の電線です。「IV」と略します。600 Vは「600 Vまでの電圧で使ってよい」という意味です。管の中に通して使うことを前提にした電線で、電線管工事の定番です。

なぜ?なぜIVは管に入れて使うのが前提なのか?

外側の保護(がいそう)が無いからです。ビニルの層が1枚しかないので、そのまま壁に這わせると簡単に傷つきます。管という「よろい」を着せることで、はじめて安全に使える電線なのです。逆に、外側にもう1枚シース(保護の外皮)があるVVFなどは、管なしでも使えます。

用語ストレートボックスコネクタとは?(選択肢ハ)

可とう電線管とボックス(金属の箱)を、まっすぐつなぐための部品です。「コネクタ」=つなぐもの、「ストレート」=まっすぐ、という意味そのままの名前です。曲げてつなぐタイプはアングルボックスコネクタといいます。

なぜ?なぜ管とボックスの接続に専用部品が要るのか?

管の切り口はギザギザで、そのままでは電線の被覆を切ってしまうからです。また、金属管工事では管とボックスが電気的につながっている必要もあります(漏電したときに接地へ電気を逃がすため)。専用のコネクタは、この2つを同時に解決します。

用語TSカップリングとは?(選択肢ニ)

硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE管)どうしを、接着剤でつなぐ部品です。VE管はかたいプラスチックの管のこと。「TS」は差し込んで接着する方式の名前で、相手はあくまでプラスチックの管です。

なぜ?なぜTSカップリングを金属管に使えないのか?

接着剤で溶かしてくっつける方式だからです。プラスチックどうしなら表面が溶けて一体になりますが、金属は接着剤で溶けません。そもそも寸法も規格も合わないので、物理的にはまりません。材質が違う管どうしをつなぐには、専用の部品が必要です。

用語正解は「コンビネーションカップリング」

種類の違う管どうしをつなぐための部品です。「コンビネーション」=組合せ、という意味。金属可とう電線管と金属管(鋼製電線管)をつなぐときは、これを使います。片側が可とう管用、もう片側が金属管用の形になっています。

なぜ?なぜ専用の部品でなければいけないのか?

管の外径も、接続の方式(ねじ込みか、締め付けか)も違うからです。金属管はねじを切ってねじ込む方式、可とう管は締め付けて固定する方式が基本。両方の方式を1つの部品に持たせたのがコンビネーションカップリングです。

例管をつなぐ部品の早見表【混同しやすいので必ず整理する】

TSカップリング … VE管(かたいプラスチック管)どうしを接着してつなぐ

カップリング(ねじ込み) … 金属管どうしをねじ込んでつなぐ

コンビネーションカップリング … 種類の違う管どうし(可とう管と金属管など)をつなぐ

ストレートボックスコネクタ … 可とう管とボックスをまっすぐつなぐ

ノーマルベンド … 金属管を直角に曲げるための曲がった部品

選択肢を1つずつ確かめる

イ 曲げ半径を管の内径の6倍以上 … 2種金属製可とう電線管の決まりは内径の6倍以上。そのとおり。→ 適切

ロ 管内に600Vビニル絶縁電線(IV) … 電線管には絶縁電線を収めるのが決まりで、IVはその代表。→ 適切

ハ 管とボックスの接続にストレートボックスコネクタ … まさにそのための部品。→ 適切

ニ 管と金属管の接続にTSカップリング … TSカップリングはVE管どうし専用。種類の違う管をつなぐにはコンビネーションカップリングを使う。→ 不適切=これが答え

よって答えはニです。

間違えた人が選びやすいのはイ

「6倍」という数字は、3倍・6倍と2つの値があるため迷いやすいところです。2種金属製可とう電線管の曲げ半径は内径の6倍以上が原則で、露出場所や点検できる隠ぺい場所(天井裏など、隠れていても点検口からのぞける場所)で、管の取り外しができる場合に限って3倍以上まで許されます。つまり6倍以上と書いてあれば、どんな場合でも基準を満たしています。迷ったら「大きい数字(6倍)は常に安全側」と考えてください。

覚えるこの問題の覚え方

「TSはプラスチックののり付け専用」と覚えます。TS=接着(とける)と結び付けると、金属には使えないことが直感的に分かります。そして種類の違う管どうし=コンビネーション。「組合せ」という言葉のとおり、違うもの同士を組み合わせる部品です。

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問24

分野:検査・測定(回路計)重要度 ★★★

回路計(テスタ)に関する記述として,正しいものは。

イ.ディジタル式は電池を内蔵しているが,アナログ式は電池を必要としない。
ロ.電路と大地間の抵抗測定を行った。その測定値は電路の絶縁抵抗値として使用してよい。
ハ.交流又は直流電圧を測定する場合は,あらかじめ想定される値の直近上位のレンジを選定して使用する。
ニ.抵抗を測定する場合の回路計の端子における出力電圧は,交流電圧である。
答え・解説を見る
正解
ハ.交流又は直流電圧を測定する場合は,あらかじめ想定される値の直近上位のレンジを選定して使用する。
この問題は何を聞いているの?

「テスタという測定器について、正しく書かれているのはどれか」を聞いています。この問題は3つが誤りで、1つだけが正しいという形です。「不適切なものは」ではなく「正しいものは」なので、読み間違えないでください。

まず回路計そのものを説明する

用語先に用語を1つ — 電路(でんろ)とは?

電路とは、電気が流れる道すじ全体のことです。電線だけでなく、スイッチ・コンセント・機器の中の配線まで含めて、電気が通っていくところをまとめてこう呼びます。選択肢ロの「電路と大地間の抵抗」は「配線から地面までのあいだの抵抗」という意味です。

なぜ?なぜ「電線」ではなく「電路」と書くのか?

電線以外の部分も含めたいからです。漏電は電線の途中だけでなく、スイッチの中や機器の中でも起こります。「電線」と書くとそこが抜けてしまうので、法令や試験ではもっと広い言葉として「電路」を使います。

用語回路計(テスタ)とは?

電圧・電流・抵抗などをまとめて測れる、手のひらサイズの測定器です。「テスタ」「マルチメータ」とも呼ばれます。赤と黒の2本の棒(テストリード)を測りたい場所に当てて使います。

なぜ?なぜ電気工事でテスタが必要なのか?

電気は目に見えないからです。電圧が来ているのか、線がつながっているのか、見ただけでは絶対に分かりません。触って確かめるのは感電するので論外です。テスタは電気の状態を目で見える数字に変える道具です。

用語アナログ式とディジタル式

アナログ式 … 針が振れて目盛りを指すタイプ。数値の変化のしかた(じわじわ上がるのか、一気に振れるのか)が分かりやすい。
ディジタル式 … 数字が画面に出るタイプ。読み取りが速く、誤読が少ない。

なぜ?なぜ両方とも電池が必要なのか?

抵抗を測るには、自分で電気を流さなければいけないからです。電圧を測るときは相手に電圧があるので電池は要りませんが、抵抗の測定は「決まった電圧をかけて、流れた電流から抵抗を計算する」という方法で行います。そのためアナログ式・ディジタル式のどちらも、内部に電池を持っています。テスタの電池が切れると抵抗が測れなくなるのはこのためです。

絶縁抵抗はテスタでは測れない

用語絶縁抵抗(ぜつえんていこう)とは?

電線と地面のあいだの、電気の通りにくさです。本来ここは電気が通ってはいけない場所なので、抵抗が大きいほど良い状態といえます。単位はMΩ(メガオーム)で、1 MΩ=100万Ωです。

なぜ?なぜ絶縁抵抗を測るのか?

漏電が起きていないか、これから起きそうでないかを確かめるためです。電線の被覆が古くなったり湿気を吸ったりすると、ほんの少しずつ地面へ電気が漏れはじめます。この「漏れやすさ」を数値にしたのが絶縁抵抗で、事故が起きる前に見つけるための健康診断のようなものです。

用語絶縁抵抗計(メガー)とは?

絶縁抵抗を測るための専用の測定器です。「メガー」とも呼ばれます。回路計と決定的に違うのは、測定のときに高い直流電圧をかける点です。100 V回路なら125 V、200 V回路なら250 V、300 Vを超える回路なら500 Vをかけて測ります。

なぜ?なぜ回路計では絶縁抵抗の代わりにならないのか?

かける電圧がまるで違うからです。回路計が抵抗測定で出す電圧は電池の電圧程度(数V)しかありません。絶縁は「ふだんの使用電圧に耐えられるか」を見たいのですから、実際に使う電圧と同じくらいの電圧をかけないと意味がないのです。数Vで測って「通っていない」と分かっても、100 Vをかけたら漏れるかもしれません。さらに、回路計の抵抗レンジはMΩ級の大きな値を正確に測るようにできていません。

「直近上位のレンジ」の意味

用語レンジとは?

レンジとは、測定器の「測れる範囲」の切り替え設定のことです。テスタのつまみを回すと「30 V」「300 V」「1000 V」などと書いてあります。これが電圧レンジです。そのレンジの上限までしか測れません。

なぜ?なぜレンジを切り替える必要があるのか?

1つの目盛りで、1 Vから1000 Vまでを正確に読むのは無理だからです。1000 Vまでの目盛りで5 Vを読もうとしても、針はほとんど動かず、数字も読み取れません。測りたい値に合わせて、ものさしを取り替えるのがレンジ切り替えです。

用語「直近上位」とは?

想定される値より大きく、しかもいちばん近いレンジという意味です。例えば100 Vを測ると分かっているなら、30 V・300 V・1000 Vのうち300 Vレンジを選びます。

なぜ?なぜ「上位」でなければいけないのか?

レンジより大きい電圧をかけると、測定器が壊れるからです。100 Vを30 Vレンジで測ると、針が振り切れて曲がったり、内部の部品が焼けたりします。まず安全のために、必ず上を選びます。

用語では、なぜ「直近」でなければいけないのか?

レンジが大きすぎると、値が読めないほど小さく表示されるからです。100 Vを1000 Vレンジで測ると、目盛り全体の10分の1のところに針が来ます。目盛りの端のほうは誤差が大きく、読み取りも粗くなります。

なぜ?なぜ目盛りの端は誤差が大きいのか?

アナログ計器は目盛りいっぱいに近いところで、いちばん精度が高くなるように作られているからです。同じ読み取りのずれでも、1000 Vレンジは300 Vレンジの3倍以上の誤差になります。だから「壊さない範囲で、いちばん小さいレンジ」=直近上位を選ぶのです。

例 100 Vのコンセントの電圧を測りたい。テスタのレンジは 30 V/300 V/1000 V。

手順1 30 Vレンジ … 100 Vは30 Vを超えている。→ 振り切れて故障の危険。選べない。

手順2 300 Vレンジ … 100 Vより大きく、いちばん近い。目盛りの3分の1あたりを指すので読みやすい。→ これが直近上位=正解の選び方。

手順3 1000 Vレンジ … 安全だが、目盛りの10分の1のところで読むことになり精度が落ちる。→ 選ばない。

値の見当がつかないときは … まずいちばん大きいレンジから始めて、針の振れを見ながらだんだん下げていく。これが安全な手順です。

抵抗測定のときに出る電圧は直流

なぜ?なぜ抵抗測定の出力は直流なのか?

電源が内蔵の電池だからです。電池は直流しか出せません。テスタは電池の直流電圧を測定したい抵抗にかけ、流れた電流の大きさから抵抗を計算しています。したがって、テスタの端子に出てくるのは直流電圧です。

なぜ?なぜ交流ではいけないのか?

交流を使うと、抵抗以外の要素まで測ってしまうからです。交流ではコイル(電線をぐるぐる巻いた部品)やコンデンサ(電気を一時的にためる部品)が電流の流れ方に影響するため、純粋な抵抗の値が分からなくなります。直流なら、その影響が出ません。

選択肢を1つずつ確かめる

例イ 「ディジタル式は電池内蔵、アナログ式は電池不要」 … アナログ式も抵抗測定のために電池を内蔵している。→ 誤り

ロ 「回路計で測った電路と大地間の抵抗を、絶縁抵抗値として使ってよい」 … 絶縁抵抗は絶縁抵抗計(メガー)で規定の直流電圧をかけて測るもの。回路計の値では代用できない。→ 誤り

ハ 「想定される値の直近上位のレンジを選定して使用する」 … 測定器を壊さず、かつ精度よく読むための正しい手順。→ 正しい=これが答え

ニ 「抵抗測定時の出力電圧は交流電圧である」 … 内蔵電池を使うので直流電圧。→ 誤り

よって答えはハです。

間違えた人が選びやすいのはロ

ロは「電路と大地間の抵抗」という言い方が、絶縁抵抗の説明そのものに聞こえるため、正しそうに読めてしまいます。しかし測る場所が同じでも、測り方が違えば別の値です。「絶縁抵抗と書いてあったら、必ず絶縁抵抗計(メガー)」——この対応関係だけは、機械的に覚えてしまってください。

覚えるこの問題の覚え方

「テスタは生きている電気を見る道具、メガーは死んでいる電気を調べる道具」と覚えます。テスタは電気が通っている状態のまま電圧を測り、メガーは電源を切ってから絶縁の状態を調べます。レンジは「壊さないように上、でも読めるように近く」=直近上位。抵抗測定は電池を使うから直流。この3つを押さえれば、問24のような問題の多くに対応できます。

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問25

分野:検査・法令(絶縁抵抗)重要度 ★★★

低圧屋内配線の電路と大地間の絶縁抵抗を測定した。「電気設備に関する技術基準を定める省令」に適合していないものは。

イ.単相3線式100/200 Vの使用電圧200 V空調回路の絶縁抵抗を測定したところ0.16 MΩであった。
ロ.三相3線式の使用電圧200 V(対地電圧200 V)電動機回路の絶縁抵抗を測定したところ0.18 MΩであった。
ハ.単相2線式の使用電圧100 V屋外庭園灯回路の絶縁抵抗を測定したところ0.12 MΩであった。
ニ.単相2線式の使用電圧100 V屋内配線の絶縁抵抗を,分電盤で各回路を一括して測定したところ,1.5 MΩであったので個別分岐回路の測定を省略した。
答え・解説を見る
正解
ロ.三相3線式の使用電圧200 V(対地電圧200 V)電動機回路の絶縁抵抗を測定したところ0.18 MΩであった。
この問題は何を聞いているの?

「測った絶縁抵抗の値が、法律の決めた最低ラインを下回っているのはどれか」を聞いています。4つの選択肢はどれも数字が0.1〜1.5 MΩあたりで、ぱっと見ではどれも同じくらいでしょう。しかし回路ごとに必要な最低ラインが違うので、1つずつ「この回路の基準はいくつか」を決めてから比べる必要があります。

絶縁抵抗のきほんから

用語絶縁抵抗とは?

電線と地面のあいだの、電気の通りにくさを表す数値です。ここは電気が通ってはいけない場所なので、数値が大きいほど良い状態です。接地抵抗が「小さいほど良い」のとは逆なので注意してください。

なぜ?なぜ絶縁抵抗は大きいほど良いのか?

抵抗が大きいほど、地面へ漏れる電流が小さくなるからです。電気は「電圧 ÷ 抵抗」の分だけ流れます。抵抗が0.1 MΩ(=10万Ω)で100 Vなら、漏れる電流は100 ÷ 100000 = 0.001 A = 1 mAです。これは人が感電しても危険とはいえない小さな値です。0.1 MΩという基準は「漏れても1 mAで済む」ラインとして決められています。

用語MΩ(メガオーム)とは?

Ω(オーム)の100万倍の単位です。「メガ」=100万。1 MΩ=1,000,000 Ωです。

なぜ?なぜ絶縁抵抗ではMΩという大きな単位を使うのか?

絶縁の抵抗はもともと桁が大きいからです。新品の電線なら数百MΩ、つまり数億Ωもあります。これをΩで書くと「200000000 Ω」となって読みにくいので、MΩでまとめて「200 MΩ」と書きます。

例この問題に出てくる数字を、Ωに直してみる

0.1 MΩ = 0.1 × 1,000,000 = 100,000 Ω(10万Ω)

0.2 MΩ = 0.2 × 1,000,000 = 200,000 Ω(20万Ω)

0.16 MΩ = 160,000 Ω / 0.18 MΩ = 180,000 Ω / 0.12 MΩ = 120,000 Ω

※ 0.1と0.2は「0.1しか違わない」ように見えますが、実際は10万Ωの差です。小数点の見た目にだまされないでください。

基準値の表(この3行がすべて)

覚える絶縁抵抗の最低値【電技省令第58条・必ず暗記】

使用電圧300 V以下 かつ 対地電圧150 V以下 → 0.1 MΩ以上

使用電圧300 V以下 かつ 対地電圧150 Vを超える → 0.2 MΩ以上

使用電圧300 Vを超える → 0.4 MΩ以上

※ 0.1/0.2/0.4という3つの数字だけ。順に倍々になっていくと覚えます。

最重要=「使用電圧」と「対地電圧」は別物

用語使用電圧とは?

使用電圧とは、その回路で実際に使っている電圧のことです。線と線のあいだの電圧、と考えてください。エアコンの200 V回路なら、使用電圧は200 Vです。

なぜ?なぜ「使用電圧」だけでは基準が決まらないのか?

人が感電するときは、線と地面のあいだで感電するからです。人は地面(床)に立っているので、体にかかるのは線と大地のあいだの電圧であって、線と線のあいだの電圧ではありません。だから危険度を測るにはもう1つの電圧=対地電圧が必要になります。

用語対地電圧(たいちでんあつ)とは?

電線と大地(地面)のあいだの電圧です。人が感電したときに、実際に体にかかる電圧だと考えてください。

なぜ?なぜ対地電圧が基準を分ける決め手になるのか?

感電の危険は、対地電圧の大きさでほぼ決まるからです。同じ200 Vでも、対地電圧が100 Vなら体にかかるのは100 V、対地電圧が200 Vなら体にかかるのは200 Vです。体にかかる電圧が2倍なら、流れる電流も2倍になり、危険も2倍になります。だから対地電圧が150 Vを超える回路には、より厳しい0.2 MΩ以上という基準が課されています。

単相3線式100/200 Vの対地電圧はなぜ100 Vなのか

用語単相3線式(たんそう3せんしき)とは?

3本の電線で電気を送る、住宅でいちばん多い方式です。3本の内訳は電圧線・中性線・電圧線。電圧線と中性線のあいだが100 V、電圧線と電圧線のあいだが200 Vになります。照明やコンセントは100 V、エアコンやIH(電気で鍋を温める調理器)は200 Vで使う——という使い分けができます。

なぜ?なぜ1つの引き込みで100 Vと200 Vの両方が使えるのか?

真ん中の中性線を基準にしているからです。左の電圧線は中性線に対してプラス100 V、右の電圧線は中性線に対してマイナス100 Vになるように作られています。だから左と右のあいだは合計200 Vになります。中性線を境にして、片側だけ使えば100 V、両側またげば200 Vというわけです。

用語中性線は接地されている

単相3線式の中性線は、B種接地工事によって大地につながれています。(B種接地工事=電柱の上の変圧器で、高圧側と低圧側が万一つながってしまったときに備えて、低圧側を大地に落としておく接地工事のこと。この工事があるおかげで、低圧側の電圧が大地を基準にした値に定まります。)つまり中性線と大地はほぼ同じ電位(電気的な高さのこと。ここでは0 V)です。

なぜ?なぜ中性線を接地すると対地電圧が100 Vになるのか?

中性線が0 Vになるからです。電圧線は中性線に対して100 Vなので、中性線が0 Vなら電圧線と大地のあいだも100 Vになります。したがって、使用電圧が200 Vの回路でも、対地電圧は100 Vです。150 V以下なので、基準は0.1 MΩ以上のほうを使います。ここがこの問題の最大のひっかけです。

用語三相3線式200 Vの対地電圧は200 V

三相3線式(動力用)で対地電圧200 Vと問題文に書かれている場合は、1本の線と大地のあいだに200 Vかかっているということです。150 Vを超えているので、基準は0.2 MΩ以上になります。

なぜ?なぜ同じ200 Vなのに基準が違うのか?

感電したときに体にかかる電圧が2倍違うからです。単相3線式の200 V回路で線に触れると体にかかるのは100 V。三相3線式(対地電圧200 V)で線に触れると体にかかるのは200 V。危険度が2倍なので、絶縁も2倍厳しく——と考えると自然に覚えられます。

選択肢を1つずつ確かめる

例イ 単相3線式100/200 V、使用電圧200 Vの空調回路、0.16 MΩ … 単相3線式なので対地電圧は100 V=150 V以下。基準は0.1 MΩ以上。測定値0.16 MΩは0.1 MΩより大きい。→ 適合

ロ 三相3線式、使用電圧200 V(対地電圧200 V)、0.18 MΩ … 使用電圧は300 V以下だが対地電圧200 V=150 V超。基準は0.2 MΩ以上。測定値0.18 MΩは0.2 MΩに届いていない。→ 適合していない=これが答え

ハ 単相2線式、使用電圧100 Vの屋外庭園灯、0.12 MΩ … 対地電圧100 V=150 V以下なので基準は0.1 MΩ以上。測定値0.12 MΩはこれを上回る。屋外だからといって基準は厳しくなりません。→ 適合

ニ 単相2線式100 V、分電盤で一括測定して1.5 MΩ、個別測定を省略 … 一括で測って基準(0.1 MΩ)以上なら、その中のどの回路も基準を満たしていることになるので個別測定は省略できる。→ 適合

よって答えはロです。

なぜ?なぜ一括で測って良ければ個別を省略できるのか?(ニの補足)

一括測定は、いちばん悪い回路も含めた結果だからです。複数の回路をまとめて測ると、それぞれの漏れやすさが合計されて、全体としては悪い側の値が出ます。その状態でも1.5 MΩあったのなら、個々の回路はそれ以上に良いと言えます。「全員まとめてテストして合格点なら、一人ひとりも合格している」という考え方です。

なぜ?なぜ一括で不合格だったときは個別に測り直すのか?

どの回路が悪いのか分からないからです。一括で基準を割ったときは、1回路ずつ測って犯人を見つける必要があります。省略できるのは合格したときだけです。

間違えた人が選びやすいのはイ

イは「使用電圧200 V」と大きく書いてあるので、「200 Vなら0.2 MΩ以上のはずだ、0.16 MΩでは足りない」と考えて選びがちです。しかし単相3線式100/200 Vの対地電圧は100 Vなので、基準は0.1 MΩ以上。0.16 MΩは合格です。

基準を分けるのは使用電圧ではなく対地電圧——この一点だけを外さなければ、この形の問題の多くに対応できます。選択肢を読むときはまず「対地電圧はいくつか」を書き出すのがコツです。

覚えるこの問題の覚え方

「0.1・0.2・0.4」の3つの数字と、「単3の200 Vは対地100 V」の2点だけ覚えてください。判定の手順は①対地電圧を求める ②150 V以下か超えるかで基準を決める ③測定値と比べるの3ステップ。単相3線式と書いてあったら、その時点で対地電圧100 V=基準0.1 MΩと反射的に決めてしまって構いません。

問26

分野:検査・法令(接地抵抗と絶縁抵抗)重要度 ★★★

使用電圧100 Vの低圧電路に,地絡が生じた場合0.1秒で自動的に電路を遮断する装置が施してある。この電路の屋外にD種接地工事が必要な自動販売機がある。その接地抵抗値a[Ω]と電路の絶縁抵抗値b[MΩ]の組合せとして,「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「電気設備の技術基準の解釈」に適合していないものは。

イ.a 600  b 2.0
ロ.a 500  b 1.0
ハ.a 100  b 0.2
ニ.a 10  b 0.1
答え・解説を見る
正解
イ.a 600  b 2.0
この問題は何を聞いているの?

「アースの効き具合(接地抵抗)と、絶縁の良さ(絶縁抵抗)の組合せで、決まりを満たしていないのはどれか」を聞いています。問22と問25で使った2つの基準を、同時に使う問題です。基準さえ作れれば、あとは数字を見比べるだけです。

例「電気設備の技術基準の解釈」とは?(問題文に出てきます)

省令の内容を、具体的な数字や方法にかみくだいた手引きです。「電技解釈」と略します。省令のほうは「安全にしなさい」という方針を書いた短い文で、「では何Ω以下にするのか」という具体的な数字は、この解釈のほうに書いてあります。

なぜ?なぜ2つに分かれているのか?

方針は変えずに、具体的なやり方だけを直せるようにするためです。技術が進めば、よりよい方法や新しい材料が出てきます。そのたびに省令を書き換えるのは大変なので、「安全にせよ」という省令はそのままに、具体策の解釈だけを更新するという二段構えになっています。この問題で使う100 Ω・500 Ω・0.1 MΩといった数字は、この2つに書かれているものです。

まず問題文から条件を拾い出す

覚える問題文に書かれている3つの条件

①使用電圧100 Vの低圧電路 … 単相2線式100 Vと考えてよく、対地電圧は100 V。

②地絡が生じた場合0.1秒で自動的に電路を遮断する装置がある … 0.5秒以内という条件をクリアしている。

③屋外にD種接地工事が必要な自動販売機がある … 接地の種類はD種と指定されている。

用語地絡(ちらく)とは?

電気が本来の道から外れて、大地(地面)へ流れ出てしまうことです。日常の言葉でいう「漏電」とほぼ同じ意味です。「地」=大地、「絡」=からむ、つまり電気が大地とからんでしまった状態を表しています。

なぜ?なぜ自動販売機で地絡が問題になるのか?

屋外にあって、金属の箱で、人が必ず触るからです。雨に濡れる場所に置かれ、中には電気の部品が入っています。中で漏電が起きて金属の外箱に電気が来ていると、ジュースを買おうとして触れた人が感電します。しかも屋外は地面が湿っていて、電気が体を通りやすい条件がそろいがちです。

基準①=接地抵抗はいくつまで許されるか

用語D種接地工事の接地抵抗

原則は100 Ω以下です。ただし地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設するときは、500 Ω以下まで認められます。

なぜ?なぜ速く切れるならアースが甘くてよいのか?

危険な状態が続く時間が短いからです。接地抵抗が大きいと、漏電したときに機器の外箱の電圧が高くなります。しかし0.5秒以内に電源が切れてしまえば、人がその電圧に触れ続ける時間がごく短いので、致命的な事故になりにくいのです。「アースを良くする」か「早く切る」か、どちらかで安全を確保するという考え方になっています。

コツこの問題の遮断時間を確かめる

手順1 問題文は「0.1秒で自動的に電路を遮断する」と書いている。

手順2 条件は「0.5秒以内」。0.1秒は0.5秒より短い。→ 条件を満たす。

手順3 したがって、この電路のD種接地工事は500 Ω以下まで許される。

結論 接地抵抗aの合格ラインは500 Ω以下。

基準②=絶縁抵抗はいくつ以上必要か

手順1 使用電圧は100 V。300 V以下にあてはまる。

手順2 100 V回路の対地電圧は100 V。150 V以下にあてはまる。

手順3 表の1行目「300 V以下 かつ 対地電圧150 V以下」に該当。→ 基準は0.1 MΩ以上。

結論 絶縁抵抗bの合格ラインは0.1 MΩ以上。

用語接地抵抗と絶縁抵抗は「向き」が逆

接地抵抗 … 地面とのつながりの良さ。小さいほど良いので「◯◯Ω以下」という決め方。
絶縁抵抗 … 地面への漏れにくさ。大きいほど良いので「◯◯MΩ以上」という決め方。

なぜ?なぜ2つの抵抗で「良い方向」が反対になるのか?

それぞれ望んでいることが正反対だからです。接地線は電気にどんどん通ってほしい道なので、抵抗は小さいほうがよい。絶縁は電気にまったく通ってほしくない場所なので、抵抗は大きいほうがよい。「アースは通したい/絶縁は通したくない」と考えれば、以下・以上を取り違えることはありません。

選択肢を1つずつ確かめる

例イ a=600 Ω、b=2.0 MΩ … 絶縁抵抗2.0 MΩは0.1 MΩ以上なのでOK。しかし接地抵抗600 Ωは500 Ωを超えている。→ 適合していない=これが答え

ロ a=500 Ω、b=1.0 MΩ … 500 Ωは「500 Ω以下」なのでちょうど合格。1.0 MΩもOK。→ 適合

ハ a=100 Ω、b=0.2 MΩ … 100 Ωは500 Ω以下でOK(原則の100 Ωも満たしている)。0.2 MΩもOK。→ 適合

ニ a=10 Ω、b=0.1 MΩ … 10 Ωは文句なし。0.1 MΩはちょうど基準値で、「0.1 MΩ以上」なので合格。→ 適合

よって答えはイです。

間違えた人が選びやすいのはニ

ニの0.1 MΩは、「これ以上下げられない、ぎりぎりの値」なので「これは足りないのでは」と不安になって選んでしまいがちです。しかし基準は「0.1 MΩ以上」=0.1 MΩちょうどを含むので合格です。

同じように、ロの500 Ωも「500 Ω以下」なのでちょうど合格です。「以上」「以下」はその数字を含む——これは法令の読み方の基本で、電気の試験ではたびたび問われます。「超える」「未満」だけがその数字を含まないと整理しておいてください。

例法令の言葉づかい【必ず整理する】

100 Ω以下 … 100 Ωを含む。100 Ωは合格。

0.1 MΩ以上 … 0.1 MΩを含む。0.1 MΩは合格。

300 Vを超える … 300 Vちょうどは含まない。300 Vより少しでも大きければ該当します(300.5 Vも「超える」)。

500 kW未満 … 500 kWちょうどは含まない。500 kWより少しでも小さければ該当します(499.9 kWも「未満」)。

覚えるこの問題の覚え方

「0.5秒以内に切れるならD種は500 Ωまで」——0.5秒と500 Ωで「5」がそろうので、セットで思い出せます。絶縁抵抗のほうは「100 Vなら0.1 MΩ」。この問題は接地抵抗(以下)と絶縁抵抗(以上)を1回ずつ判定するだけなので、基準の数字さえ出せれば得点しやすい1問です。

問27

分野:検査・測定(計器の結線)重要度 ★★★

単相交流電源から負荷に至る回路において,電圧計,電流計,電力計の結線方法として,正しいものは。

令和5年度上期 第二種電気工事士 学科試験(午前)問27の選択肢イ・ロ・ハ・ニの図。単相交流電源から負荷までの回路に、電圧計V・電流計A・電力計Wをつないだ4通りの結線図。
答え・解説を見る
正解
ニ.電流計Aと電力計の電流コイルが負荷と直列、電圧計Vと電力計の電圧コイルが負荷と並列になっている図
この問題は何を聞いているの?

「電圧計・電流計・電力計を回路につなぐとき、正しいつなぎ方の図はどれか」を聞いています。選択肢は4つとも図で、文章はありません。一見むずかしそうですが、覚えることは3つだけです。

まず「負荷」と「交流」がなにか

用語負荷(ふか)とは?

負荷とは、電気を使って仕事をするもの全部のことです。照明、テレビ、エアコン、モーターなど、電気を流してもらう側をまとめて「負荷」と呼びます。この問題の図では、右側の点線で囲まれた四角の中身が負荷です。

なぜ?なぜ「負荷」という呼び方をするのか?

電源から見て「重荷(おもに)」になるものだからです。電源は電気を送り出す側、負荷は電気を受け取って消費する側。電源と負荷はいつも1組で、回路は「電源→負荷→電源」と一周する輪になっています。この問題はその輪のどこに計器をはさむかを聞いています。

用語単相交流(たんそうこうりゅう)とは?

家庭用コンセントに来ているのと同じ電気です。交流=プラスとマイナスが1秒間に何十回も入れ替わる電気のこと。単相=電線2本で送る、いちばん基本の形のことです。

なぜ?なぜ問題文がわざわざ「単相交流」と書いているのか?

電力計が必要になるのは交流だからです。直流なら「電圧×電流」だけで電力が分かるので、電圧計と電流計があれば足ります。ところが交流では、あとで出てくる力率のせいで「電圧×電流」がそのまま電力になりません。だから電力そのものを測る電力計が要るのです。

覚えるこの問題で覚える3つのルール【これだけ】

電流計(A) … 負荷と直列につなぐ

電圧計(V) … 負荷と並列につなぐ

電力計(W) … 電流コイルは直列、電圧コイルは並列

まず「直列」と「並列」から

用語直列(ちょくれつ)とは?

電気の通り道が1本になるように、一列につなぐことです。電気は必ずその部品を通り抜けなければ先へ進めません。図では、電線をいったん切って、そのあいだに部品をはさむ形になります。

なぜ?なぜ図で直列だと分かるのか?

その部品を通らないと反対側へ行けない形になっているからです。図の上の線をたどってみて、途中に丸い計器がはさまっていて、それを通らずには右へ進めないなら直列です。

用語並列(へいれつ)とは?

電気の通り道が枝分かれするように、横に並べてつなぐことです。部品は本線の脇にぶら下がる形になります。電気は本線をそのまま進むこともできるし、部品のほうへ回り込むこともできます。

なぜ?なぜ図で並列だと分かるのか?

上の線と下の線のあいだに、はしごの段のように渡してあるからです。その部品を外しても本線はつながったままです。図で縦向きに置かれた計器は、たいてい並列につながれています。

電流計はなぜ直列なのか

用語電流計とは?

流れている電流の大きさ(A=アンペア)を測る計器です。図では丸の中にAと書かれます。

なぜ?なぜ電流計は負荷と直列につなぐのか?

測りたい電流を、計器の中に実際に通さないと測れないからです。川の流量を測るには、川の流れの中に測定器を置くしかありません。同じように、負荷に流れる電流を測りたければ、その電流の通り道の中に電流計を入れる必要があります。

用語電流計を並列につないだらどうなるのか?

短絡(ショート)になり、非常に危険です。電流計は内部の抵抗がほとんどゼロに作られています。それを電源の両側に渡してつなぐと、抵抗のない道で電源のプラスとマイナスを直結したのと同じことになります。

なぜ?なぜ電流計の内部抵抗はほとんどゼロなのか?

回路の邪魔をしないためです。電流計を直列に入れると、その分だけ回路の抵抗が増えて電流が減ってしまいます。それでは測ったことで値が変わってしまうので意味がありません。だから抵抗を限りなく小さく作ってあります。その性質が、並列につないだときには危険な短絡に化けます。

電圧計はなぜ並列なのか

用語電圧計とは?

2点間の電圧(V=ボルト)を測る計器です。図では丸の中にVと書かれます。

なぜ?なぜ電圧計は負荷と並列につなぐのか?

電圧は「2つの地点の差」だからです。電圧とは、ある点と別の点のあいだの電気的な高さの差のことです。負荷にかかっている電圧を知りたければ、負荷の入口と出口の2点に、それぞれ棒を当てるしかありません。その形が、そのまま「並列」になります。

用語電圧計を直列につないだらどうなるのか?

電流がほとんど流れなくなり、負荷が動かなくなります。電圧計は内部の抵抗が非常に大きく作られているためです。それを電流の通り道にはさむと、細い管を途中に入れたようなもので、電流がせき止められます。

なぜ?なぜ電圧計の内部抵抗は非常に大きいのか?

測るために電流を横取りしたくないからです。並列につないだとき、電圧計にも少しは電流が流れます。その量が多いと本来負荷に流れるはずの電流を奪ってしまい、測定値が狂ってしまいかねません。だから抵抗を大きくして、ほとんど電流が流れないようにしてあります。

電力計は「両方」を持っている

用語電力計とは?

電力(W=ワット)を測る計器です。図では丸の中にWと書かれます。電力は電圧 × 電流 × 力率で決まるので、電力計は電圧と電流の両方を同時に知る必要があります。(力率(りきりつ)=送った電気のうち、実際に仕事に使われた割合のこと。0〜1の数で表し、1に近いほどむだがありません。モーターのような機器では電圧と電流の波のタイミングがずれるため、電圧×電流をそのまま掛けた値より、実際の電力は小さくなります。)

なぜ?なぜ電力計には端子が4つあるのか?

電流を測る部分と、電圧を測る部分の2組が中に入っているからです。電流コイル(電流を測る巻き線)と電圧コイル(電圧を測る巻き線)の2つがあり、それぞれに2本ずつ端子が要ります。だから合計4端子です。

用語電流コイルは直列・電圧コイルは並列

電流コイル … 電流計と同じ役目なので負荷と直列。
電圧コイル … 電圧計と同じ役目なので負荷と並列。図では、電力計の丸から下(または横)へ伸びて反対側の線につながる枝が電圧コイルです。

なぜ?なぜコイルごとにつなぎ方が違うのか?

測っているものが違うからです。電流コイルは電流を測るので通り道に入れる、電圧コイルは電圧を測るので2点に渡す——電流計と電圧計の理屈が、そのまま1つの箱の中で同居しているだけです。電力計を「電流計と電圧計が合体したもの」と考えれば迷いません。

図の見分け方=1本の線を左から右へたどる

4つの図はどれも、左に電源、右に負荷があり、上下2本の線でつながれています。判定は上の線を左から右へ指でたどるだけです。

手順1 上の線をたどる。途中にはさまっている(通り抜ける)計器を書き出す。それが直列につながれた計器です。

手順2 上の線と下の線をはしごの段のように縦につないでいる計器を書き出す。それが並列につながれた計器です。

手順3 直列のグループにA(電流計)があるか確かめる。無ければ、その図は誤りです。

手順4 並列のグループにV(電圧計)があるか確かめる。無ければ、その図は誤りです。

手順5 最後にW(電力計)が、上の線にはさまり、かつ下の線へ枝を伸ばしているかを確かめる。

選択肢を1つずつ確かめる

例イ … 上の線にAがはさまっていますが、すぐ下に電力計の電流コイルが横並びに渡してあり、Aと並列になっています。これでは電流が2つに分かれてしまい、Aも電力計も本当の負荷電流を測れません。→ 誤り

ロ … Wは上の線に直列、Vは負荷と並列で、ここまでは正しい。しかしAが縦向きに置かれ、負荷と並列になっています。電流計を並列=短絡で、絶対にやってはいけないつなぎ方です。→ 誤り

ハ … Aが縦向きで並列(短絡)になっているうえ、Vが上の線にはさまって直列になっています。電流計と電圧計のつなぎ方が両方とも逆です。→ 誤り

ニ … Aが上の線に直列、Wの電流コイルも上の線に直列で、Wの電圧コイルは下の線へ枝を伸ばして並列、そしてVは負荷と並列。3つのルールをすべて満たしています。→ 正しい=これが答え

よって答えはニです。

間違えた人が選びやすいのはロ

ロは電力計と電圧計のつなぎ方が正しいので、ぱっと見るとかなり正解らしく見えます。見落としやすいのは電流計Aが縦向きに置かれている点です。

「縦向きの計器=並列」と決めて図を見ると、縦向きにAがある図は、その時点で誤りと切り捨てられます。この見方だけでロとハの2つが同時に消えるので、残りはイとニの2択になり、正答率が一気に上がります。

覚えるこの問題の覚え方

「電流は通す、電圧ははさむ」と覚えます。電流計は電気を通さないと測れないから直列、電圧計は2点をはさまないと測れないから並列。電力計はその両方をやっているだけです。図では横向きに線の中にある計器=直列/縦向きに渡してある計器=並列と機械的に判定してください。

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問28

分野:法令(電気工事士法)重要度 ★★★

「電気工事士法」において,第二種電気工事士であっても従事できない作業は。

イ.一般用電気工作物の配線器具に電線を接続する作業
ロ.一般用電気工作物に接地線を取り付ける作業
ハ.自家用電気工作物(最大電力500 kW未満の需要設備)の地中電線用の管を設置する作業
ニ.自家用電気工作物(最大電力500 kW未満の需要設備)の低圧部分の電線相互を接続する作業
答え・解説を見る
正解
ニ.自家用電気工作物(最大電力500 kW未満の需要設備)の低圧部分の電線相互を接続する作業
この問題は何を聞いているの?

「第二種電気工事士の資格では、やってはいけない作業はどれか」を聞いています。いまあなたが取ろうとしている資格そのものの範囲を問う問題です。実務でも「これは自分がやってよい工事か」を必ず判断することになるので、丸暗記ではなく仕組みで理解しておく価値があります。

まず「電気工作物」の分類から

用語電気工作物(でんきこうさくぶつ)とは?

発電・送電・配電・使用のために設置される電気の設備すべてをまとめた呼び方です。発電所も、電柱も、家の中の配線も、工場の受電設備も、全部これに含まれます。

なぜ?なぜわざわざ分類する必要があるのか?

設備の規模によって、事故が起きたときの被害の大きさがまるで違うからです。家庭の100 Vの配線と、工場の高圧の受電設備では、事故のときの危険度も、必要な知識も比べものになりません。そこで規模に応じて分類し、必要な資格を変えているのです。

注意電気工作物の分類【入れ子になっているので注意】

電気工作物は、まず「一般用」と「事業用」の2つに分かれます。

①一般用電気工作物 … 一般家庭や小さな商店など。低圧(600 V以下)で受電している設備。→ 第二種電気工事士でOK

②事業用電気工作物 … 一般用以外のすべて。さらに「電気事業用」(電力会社の発電所・変電所など)と「自家用電気工作物」(ビル・工場・大きな店など、高圧で受電して自分で変圧している設備)に分かれます。

③自家用電気工作物 … ②の一部です。このうち最大電力500 kW未満の需要設備(需要設備=電気を使うための設備一式のこと。発電所や送電線のように電気を作る・送る設備と区別する言い方です。最大電力=そのビルや工場がいちばん電気を使ったときの電力)が電気工事士法の対象で、→ 第一種電気工事士(低圧部分は認定電気工事従事者でも可)が必要

例「事業用」は3番目の種類ではない

事業用電気工作物は、自家用電気工作物を含んだ「大きいほうの区分」です。一般用・自家用・事業用という横並びの3種類ではありません。最大電力500 kW以上のビルや工場も、電気事業法の上ではあくまで自家用電気工作物で、電気工事士法の対象(500 kW未満の需要設備)から外れるだけです。

なぜ?なぜ500 kWで線を引いているのか?

500 kW以上の大きな設備では、工事も電気主任技術者(設備全体の保安を監督する国家資格者)の保安管理の中で行われる、という考え方だからです。だから電気工事士法は「500 kW未満」までを受け持つという分担になっています。

用語一般用電気工作物とは?

電力会社から低圧(600 V以下)のまま電気をもらって使っている設備です。一般的な住宅、小さなお店、小さな事務所などがこれにあたります。電柱の上の変圧器で100 V/200 Vに落としてから引き込むので、建物の中に高圧の設備はありません。

なぜ?なぜ住宅は一般用電気工作物なのか?

建物の中に危険な高圧の設備がないからです。変圧の作業は電力会社が電柱の上でやってくれています。建物側は100 Vと200 Vだけを扱うので、必要な知識の範囲がはっきり限られる——だから第二種電気工事士という入口の資格でカバーできるのです。

用語自家用電気工作物とは?

高圧(600 Vを超える電圧)のまま電気を受け取り、自分の敷地内で変圧して使う設備です。工場・ビル・スーパーなど、電気をたくさん使う建物が該当します。敷地内にキュービクル(金属の箱に入った受変電設備)が置かれているのが目印です。

なぜ?なぜ大きな建物は高圧で受電するのか?

低圧のままでは電線が太くなりすぎるからです。同じ電力を送るとき、電圧が高いほど電流は小さくて済みます。電流が小さければ細い電線で足り、電気の損失も抑えられるのです。そのかわり建物の中に高圧の設備を持つことになるので、扱うには上位の資格が必要になります。

資格の種類と、できる範囲

例誰が何をできるか【早見表】

第二種電気工事士 … 一般用電気工作物の工事ができる。自家用電気工作物の工事はできない。

第一種電気工事士 … 一般用電気工作物+自家用電気工作物(500 kW未満)の工事ができる。

認定電気工事従事者 … 自家用電気工作物のうち低圧部分(600 V以下)に限って工事ができる。第二種電気工事士が講習などを受けて取る認定です。

特種電気工事資格者 … ネオン工事と非常用予備発電装置工事の専用資格。

用語認定電気工事従事者とは?(選択肢ニの鍵)

認定電気工事従事者とは、自家用電気工作物の「低圧の部分だけ」なら工事してよい、という認定を受けた人のことです。第二種電気工事士の免状を持っている人が、講習を受ける、または実務経験を積むことで取得できます。

なぜ?なぜ第二種電気工事士だけでは自家用の低圧部分も触れないのか?

同じ低圧でも、そこにつながっている上流が違うからです。自家用電気工作物の低圧部分は、すぐ上流に高圧の設備がある状態です。万一の事故のときに流れる電流(短絡電流=電線どうしが直接ふれてしまったときに一瞬で流れる、けた違いに大きい電流)は住宅とは比べものにならず、作業中の停電手順や安全確認も、住宅とはまったく別の知識が要ります。だから低圧部分であっても、別の認定が必要とされています。

資格がなくてもできる「軽微な工事」

用語軽微な工事とは?(選択肢ハの鍵)

軽微な工事とは、電気工事士でなくてもやってよい、と法律が定めた作業のことです。感電や火災の危険が小さい作業だけが選ばれています。

なぜ?なぜ危険が小さい作業まで資格を要求しないのか?

そこまで規制すると、社会が回らなくなるからです。例えば電気工作物を埋める前の管を地面に埋める作業まで有資格者しかできないとすると、土木工事のたびに電気工事士が必要になります。「電気そのものに触れない作業」は資格不要と線引きすることで、必要なところに規制を集中させています。

例資格がなくてもできる作業の例【覚えておきたい】

電気機器(配線器具を除く)の端子に、コード・キャブタイヤケーブルをねじ止めする工事(配線器具=コンセント・スイッチ・差込プラグなど、建物側に取り付ける電気の出入口のこと。キャブタイヤケーブル=丈夫なゴムの外皮でおおった持ち運び用の電線)

電線を支持する柱・腕木などを設置し、又は変更する作業

地中電線用の暗渠(あんきょ)又は管を設置し、又は変更する作業(※選択肢ハがこれ)

電力量計・電流制限器・ヒューズを取り付け、又は取り外す作業(電力量計=使った電気の量を測るメーター。電流制限器=契約した以上の電流が流れると落ちる、電力会社が付けるブレーカー=アンペアブレーカーのこと)

電鈴(ベル)・インターホン・火災感知器・豆電球などに使う小型変圧器(二次電圧が36 V以下のものに限る)の、二次側の配線工事

例「小型変圧器の二次側」と「小勢力回路」は別の言葉

変圧器(へんあつき)=電圧を上げ下げする機器のことです。二次側=変圧器から出ていく側、つまり電圧を下げたあとの側をいいます。ここでいう軽微な工事は、二次電圧が36 V以下の小型変圧器の、その先の配線です。

なぜ?なぜ「小勢力回路」と呼んではいけないのか?

別の法令の別の用語で、電圧の上限も違うからです。小勢力回路は「電気設備の技術基準の解釈」に出てくる言葉で、60 V以下の回路を指します。一方この36 V以下は「電気工事士法施行令」が定める軽微な工事の条件です。36 Vと60 Vはどちらも試験に登場する数字なので、36 V=軽微な工事(工事士法)/60 V=小勢力回路(電技解釈)と分けて覚えてください。

なぜ?なぜ「地中電線用の管を設置する作業」は資格不要なのか?

その時点では、電気にまったく触れていないからです。管を埋めるのは土木の作業であって、中にはまだ電線が入っていません。感電も短絡も起こりようがないので、電気工事士でなくてもよいのです。

なぜ?なぜ「管に電線を通す作業」だと話が変わるのか?

そこからは電線を扱う=電気工事だからです。電線を引き入れ、両端をつなぐ作業には、接続のしかたを誤ると発熱・漏電につながる危険があります。「電線に触れるかどうか」が、資格の要る/要らないの境目だと考えると整理しやすくなります。

選択肢を1つずつ確かめる

例イ 一般用電気工作物の配線器具に電線を接続する作業 … 一般用電気工作物はまさに第二種電気工事士の担当範囲。コンセントやスイッチに電線をつなぐのは基本の作業です。→ 従事できる

ロ 一般用電気工作物に接地線を取り付ける作業 … これも一般用電気工作物の工事。アースの取り付けは第二種電気工事士の仕事です。→ 従事できる

ハ 自家用電気工作物の地中電線用の管を設置する作業 … 自家用と書いてありますが、これは軽微な工事にあたり、そもそも電気工事士の資格が要らない作業です。資格が要らないのだから、第二種電気工事士でも当然できます。→ 従事できる

ニ 自家用電気工作物の低圧部分の電線相互を接続する作業 … 自家用電気工作物の工事そのもの。低圧部分であっても、第一種電気工事士か認定電気工事従事者でなければできません。→ 従事できない=これが答え

よって答えはニです。

間違えた人が選びやすいのはハ

ハは「自家用電気工作物」という言葉が入っているので、「自家用と書いてあるからダメだ」と反射的に選んでしまいがちです。しかし作業の中身は「管を設置する」だけで、これは電気工事士でなくてもできる軽微な工事です。

この問題の設計は、ハとニを見比べさせることにあります。同じ「自家用電気工作物」でも、電線に触れないハは資格不要/電線をつなぐニは上位資格が必要——この差が分かっているかを試しています。「どこの設備か」だけでなく「何をするのか」まで読むことが大切です。

覚えるこの問題の覚え方

「第二種=一般用まで」が大原則。そこに「電線に触れない作業は、そもそも資格が要らない」という例外を足します。判定は①一般用か自家用か ②電線に触れる作業かの2ステップ。自家用+電線に触れる=第二種ではできない、自家用でも土木だけ=誰でもできる。この2パターンで答えが出ます。

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問29

分野:法令(電気用品安全法)重要度 ★★★

「電気用品安全法」の適用を受ける電気用品に関する記述として,誤っているものは。
※選択肢は下の画像のとおりです(イ・ロには記号の図が入っています)。

令和5年度上期 第二種電気工事士 学科試験(午前)問29の選択肢イ・ロ・ハ・ニ。丸の中のPSEとひし形の中のPSEという電気用品安全法の表示記号を含む、選択肢そのものの画像。
答え・解説を見る
正解
ハ.<PS>E の記号は,電気用品のうち輸入した「特定電気用品以外の電気用品」を示す。
この問題は何を聞いているの?

「電気用品安全法の表示記号について、まちがって説明しているのはどれか」を聞いています。選択肢のイとロには実際の記号の図が入っているため、この記事では公式の問題用紙から選択肢をそのまま画像で載せています。

例選択肢を文章にすると

イ … 丸の中にPSとEの記号は、電気用品のうち「特定電気用品以外の電気用品」を示す。

ロ … ひし形の中にPSとEの記号は、電気用品のうち「特定電気用品」を示す。

ハ … <PS>E の記号は、電気用品のうち輸入した「特定電気用品以外の電気用品」を示す。

ニ … 電気工事士は、「電気用品安全法」に定められた所定の表示が付されているものでなければ、電気用品を電気工作物の設置又は変更の工事に使用してはならない。

まず電気用品安全法そのものを説明する

用語電気用品安全法とは?

電気製品や電気の部品そのものの安全を守るための法律です。危険なコンセントやコードが世の中に出回らないように、作る側・売る側に、決められた検査と表示を義務づけています。

なぜ?なぜ工事の法律とは別に、モノの法律が必要なのか?

いくら工事が完璧でも、使った部品が粗悪なら事故が起きるからです。逆に、部品がよくても工事が雑なら事故が起きます。「モノ」と「工事」の両方をふさがないと安全は守れないので、法律も2本立てになっています。

例3つの法律の役割分担【混同しやすいので必ず整理する】

電気工事士法 … 人の法律。「誰が工事してよいか」を決める。(問28がこれ)

電気用品安全法 … モノの法律。「どんな部品を使ってよいか」を決める。(問29がこれ)

電気事業法 … 設備の法律。「設備をどう作り、どう保安するか」を決める。(この法律にもとづいて「電気設備に関する技術基準を定める省令」が定められています。問30がこれ)

特定電気用品とは何か

用語特定電気用品とは?

特定電気用品とは、とくに危険が大きいので、より厳しい検査が必要とされた電気用品のことです。電線・ヒューズ・配線器具・小型単相変圧器・電流制限器・電熱器具の一部などが指定されています。

なぜ?なぜ一部の用品だけ特別あつかいなのか?

壊れたときに火事や感電に直結するものだからです。例えば電線やヒューズは、問題が起きたら燃える・遮断できないという形で、すぐ事故になります。危険度に応じて検査の厳しさを変える——それが「特定」と「特定以外」の区別です。

用語検査のしかたも違う

特定電気用品 … 製造・輸入する事業者が自分で検査するだけでなく、国に登録された第三者機関の適合性検査(=作った本人ではなく、国が認めた外部の検査機関が「決まりどおりに作られているか」を確かめること)を受ける必要があります。
特定電気用品以外の電気用品 … 事業者の自主検査で足ります。

なぜ?なぜ特定電気用品だけ第三者に見てもらうのか?

作った本人だけの検査では、見落としが起きるおそれがあるからです。危険が大きいものほど、外部の目でもう一度確かめる仕組みにしています。この「手間のかけ方の差」が、記号の形の違いとして表れています。

記号の形と意味

覚える表示記号の対応【この4行だけ覚える】

特定電気用品 → ひし形(◇)の中にPSとE

特定電気用品(記号が書けないとき) → <PS>E(山かっこの文字表記)

特定電気用品以外の電気用品 → 丸(○)の中にPSとE

特定電気用品以外の電気用品(記号が書けないとき) → (PS)E(丸かっこの文字表記)

なぜ?なぜ「<PS>E」という文字の表記があるのか?

電線のように、記号を印刷するスペースが取れないものがあるからです。細い電線の表面に、ひし形の中に文字が入った図を印刷するのは困難です。そこでひし形のかわりに山かっこ、丸のかわりに丸かっこを使った文字だけの表記が認められています。

なぜ?なぜ山かっこと丸かっこなのか?

もとの図形の形をまねているからです。< > はひし形のとがった角、( ) は丸のふくらみを表しています。つまり<PS>E は「ひし形=特定電気用品」と同じ意味、(PS)E は「丸=特定以外」と同じ意味です。輸入品かどうかとは、まったく関係ありません。

例どんな製品がどちらか【イメージをつかむ】

特定電気用品(ひし形・<PS>E)の例 … 電線(絶縁電線・ケーブル・コード)、ヒューズ、配線器具(コンセント、点滅器=スイッチのこと、差込接続器=差込プラグやテーブルタップの受け口のこと など)、小型単相変圧器(=電圧を下げる小さな機器。インターホンの電源などに使われます)、携帯発電機(=持ち運べるエンジン式の発電機) など

特定電気用品以外(丸・(PS)E)の例 … 電線管とその附属品、蛍光灯器具、テレビ・冷蔵庫・洗濯機などの一般の家電、リチウムイオン蓄電池 など

ざっくりした見分け方 … 電気の通り道そのものを作る部品(電線・つなぎ目・守るもの)は特定、その先につながる完成品の家電は特定以外——という傾向があります。

選択肢を1つずつ確かめる

例イ 丸の記号=特定電気用品以外の電気用品 … 表のとおり。丸は「特定以外」。→ 正しい

ロ ひし形の記号=特定電気用品 … 表のとおり。ひし形は「特定」。→ 正しい

ハ <PS>E=輸入した「特定電気用品以外の電気用品」 … <PS>E はひし形と同じ意味=「特定電気用品」です。しかも輸入したかどうかは記号とは無関係。2か所まちがっています。→ 誤り=これが答え

ニ 所定の表示がないものは工事に使用してはならない … 電気用品安全法に定められているとおり。→ 正しい

よって答えはハです。

間違えた人が選びやすいのはイとロ

イとロはひし形と丸のどちらがどちらだったかがあやふやだと、「逆だったかもしれない」と不安になって選んでしまいます。記号の意味はひし形=特定/丸=特定以外で確定です。

ハは、記号の意味を知らなくても消せる選択肢でもあります。「輸入した」という言葉に注目してください。電気用品安全法の表示記号は危険度によって形が決まるもので、国産か輸入かを区別する記号は存在しません。記号に「輸入」の話が出てきたら誤り——これだけでも1点取れます。

覚えるこの問題の覚え方

「とがっているほうが危険」と覚えます。ひし形(◇)はとがっている=特定電気用品=危険度が高く検査も厳しい。丸(○)は角がなくておだやか=特定以外。文字表記も< > はとがったひし形の代役、( ) は丸い形の代役です。「輸入」は記号と無関係——この一点も一緒に覚えてください。

【第二種電気工事士】法令のきほんをゼロから解説【3つの法律の役割】👉 この分野をもっとくわしく【第二種電気工事士】法令のきほんをゼロから解説【3つの法律の役割】

問30

分野:法令(電気設備の技術基準)重要度 ★★☆

「電気設備に関する技術基準を定める省令」における電路の保護対策について記述したものである。次の空欄(A)及び(B)の組合せとして,正しいものは。

電路の (A) には,過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し,かつ,火災の発生を防止できるよう,過電流遮断器を施設しなければならない。
また,電路には, (B) が生じた場合に,電線若しくは電気機械器具の損傷,感電又は火災のおそれがないよう, (B) 遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし,電気機械器具を乾燥した場所に施設する等 (B) による危険のおそれがない場合は,この限りでない。

イ.(A)必要な箇所  (B)地絡
ロ.(A)すべての分岐回路  (B)過電流
ハ.(A)必要な箇所  (B)過電流
ニ.(A)すべての分岐回路  (B)地絡
答え・解説を見る
正解
イ.(A)必要な箇所  (B)地絡
この問題は何を聞いているの?

「法令の条文の穴埋め」です。2か所の空欄に入る言葉の組合せを選びます。条文を暗記していなくても、意味を考えれば解けますので、これから2つの空欄を順番に考えていきます。

条文に出てくる言葉を先に全部ほどく

用語電路(でんろ)とは?

電路とは、電気が流れる道すじ全体のことです。電線はもちろん、スイッチやコンセント、機器の中の配線まで含めて、電気が通っていくところをまとめてこう呼びます。

なぜ?なぜ「電線」と言わずに「電路」と言うのか?

電線だけを指すのではないからです。法令は電線・器具・機器の中までひとつながりの道として扱う必要があります。「電線」と書くと器具の中が抜けてしまうので、もっと広い言葉として「電路」を使っています。

用語電気機械器具(でんききかいきぐ)とは?

電気を使う機械や器具のことです。モーター、変圧器、照明器具、家電などが全部これにあたります。条文では「電線」と「電気機械器具」を並べて書くことで、配線とそこにつながる機器の両方を守れ、という意味にしています。

なぜ?なぜ条文はこんなに長い名前を使うのか?

もれをなくすためです。「機械」だけだと器具が抜け、「器具」だけだと機械が抜けます。法令はあとから「これは入らない」と言われないように、まとめて言い切る言葉を選びます。読むときは「電気を使うもの全般」と置きかえて構いません。

用語分岐回路(ぶんきかいろ)とは?(選択肢に出てきます)

分岐回路とは、分電盤から、部屋ごと・用途ごとに枝分かれして出ていく配線1本ずつのことです。家の分電盤(玄関などにある、ブレーカーが並んだ箱)を開けると小さなブレーカーがいくつも並んでいますが、その1つ1つの先が、それぞれ1つの分岐回路です。

なぜ?なぜわざわざ枝分かれさせるのか?

1か所の故障で家じゅうの電気が消えないようにするためです。台所で使いすぎてブレーカーが落ちても、ほかの部屋の照明はついたまま——これは回路が分けてあるからです。また、回路を分けておけばどこで異常が起きたかもすぐ分かります。

まず、どの法律の話なのかをはっきりさせる

用語「電気設備に関する技術基準を定める省令」とは?

電気設備をどう作れば安全か、という最低ラインを国が定めたきまりです。「電技(でんぎ)」「電技省令」と略されます。電気事業法という法律にもとづいて作られています。

なぜ?なぜ法律ではなく「省令」という形なのか?

技術は変わっていくので、直しやすい形にしておく必要があるからです。法律を変えるには国会の議決が要りますが、省令なら大臣が定められます。大きな方針は法律に、具体的な数字や方法は省令に——という役割分担です。さらに細かい具体例は「電気設備の技術基準の解釈」にまとめられています。

空欄(A)を考える

用語過電流(かでんりゅう)とは?

過電流とは、その電線や機器に流してよい限度を超えた電流のことです。大きく2種類あります。
過負荷電流 … 機器をつなぎすぎて、じわじわ限度を超える電流。
短絡電流(ショート) … 電線どうしが直接ふれて、一瞬で桁違いに大きくなる電流。

なぜ?なぜ過電流が危険なのか?

電流が流れると電線は必ず発熱するからです。発熱の量は電流の2乗に比例します。つまり電流が2倍になると発熱は4倍、3倍になると9倍です。限度を超えた電流が流れ続ければ、被覆が溶け、やがて燃えます。これが電気火災です。

用語過電流遮断器とは?

過電流が流れたときに、自動で電気を切る装置です。配線用遮断器(ブレーカー)やヒューズがこれにあたります。

なぜ?なぜ過電流遮断器で火災を防げるのか?

電線が燃えるより先に電気を止めてしまうからです。電線には「この電流までなら安全に流せる」という許容電流があり、その範囲で切れるように遮断器を選びます。電線と遮断器はセットで選ぶもので、太い電線に小さいブレーカー、細い電線に大きいブレーカー——という組合せの適否が、別の問題で問われることもあります。

(A)は「必要な箇所」か「すべての分岐回路」か

ここが判断のしどころです。「すべての分岐回路に付けなければならない」と読むと、いかにも厳しくて安全そうに聞こえます。しかし条文は「必要な箇所」となっています。理由を考えましょう。

なぜ?なぜ「すべての分岐回路」ではないのか?

過電流遮断器を付けてはいけない場所があるからです。代表例が接地側電線と接地線です。(接地側電線=2本1組で来ている電線のうち、電柱の変圧器のところで大地につないである側の線のこと。電気の「帰り道」にあたり、大地とつながっているので触れても感電しにくい側です。単相3線式では真ん中の線=中性線がこれにあたりますが、単相2線式の接地側電線は中性線とは呼びません。なお接地線は別物で、機器の外箱から大地へ落としてあるアース線のことです。)ここに遮断器やヒューズを入れると、そこだけ切れたときに、機器に電圧がかかったまま残ってしまい、かえって危険になります。

なぜ?なぜ接地側だけ切れると危険なのか?

電気が来ている側の線がつながったまま残るからです。本来なら電源を切れば機器は安全になるはずですが、帰り道(接地側)だけ切れると、機器には電圧がかかっているのに動いていないという状態になります。「止まっているから安全だ」と思って触れると感電します。だから「すべて」ではなく「必要な箇所」と書くしかないのです。

また、そもそも法律の条文で「すべての」と断定する書き方はまれです。設備の形はさまざまなので、個々のケースに当てはめられるよう「必要な箇所」という書き方にしています。→ (A)=必要な箇所

空欄(B)を考える

(B)は3回出てきます。3か所すべてに同じ言葉が入るので、3つとも意味が通る言葉を選ばなければいけません。条文を並べてみます。

① 「電路には、(B)が生じた場合に、電線若しくは電気機械器具の損傷、感電又は火災のおそれがないよう」

② 「(B)遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない」

③ 「電気機械器具を乾燥した場所に施設する等(B)による危険のおそれがない場合は、この限りでない」

用語地絡(ちらく)とは?

電気が本来の道から外れて、大地(地面)へ流れ出てしまうことです。日常語の「漏電」とほぼ同じ意味で、止めるための装置が地絡遮断器(漏電遮断器)です。

なぜ?なぜ地絡は感電に直結するのか?

地面へ流れる道の途中に、人が入ってしまうことがあるからです。人は地面の上に立っています。漏電した金属に手で触れると、手から入って足から地面へ電気が抜けます。これが感電です。過電流はおもに火災の危険、地絡はおもに感電の危険——という違いがあります。

決め手は3番目の「乾燥した場所」

なぜ?なぜ「乾燥した場所なら省略してよい」と書けるのか?

乾いていると、人の体を通って地面へ電気が流れにくいからです。感電の危険は水があるかどうかで大きく変わります。床が乾いていて、履き物もはいていれば、漏電した機器に触れても地面まで電気が抜けにくく、大きな電流は流れません。だから地絡による危険が小さいと判断でき、地絡遮断器を省略してよい場合があるのです。

なぜ?なぜ「過電流」だと、この文がおかしくなるのか?

過電流は、乾いていようが濡れていようが同じように起きるからです。電線に流しすぎれば発熱して燃えます。「乾燥した場所だから過電流の危険がない」——これはまったく理屈が通りません。したがって(B)は地絡で確定します。

念のため②も確かめます。「地絡遮断器」は実在する装置で、漏電遮断器のことです。「過電流遮断器」も実在しますが、それは前半の文ですでに出てきており、後半でもう一度同じ話をするのは不自然です。条文は前半で過電流、後半で地絡という2つの異なる事故を並べて書いています。→ (B)=地絡

例この条文が言っていることを、ひとことで

前半(省令第14条) … 使いすぎ・ショート(過電流)による火災を防ぐため、必要な箇所に過電流遮断器を付けなさい。

後半(省令第15条) … 漏電(地絡)による感電・火災を防ぐため、地絡遮断器などを付けなさい。ただし乾燥した場所などは除く。

つまり … 「流れすぎ」と「漏れ」の2つの事故から守れ、というのがこの条文の中身です。

選択肢を1つずつ確かめる

例イ (A)必要な箇所 (B)地絡 … (A)(B)とも上で確かめたとおり。→ 正しい=これが答え

ロ (A)すべての分岐回路 (B)過電流 … (A)が誤り(接地側電線などには付けられない)。(B)も誤り(乾燥した場所の話につながらない)。→ 誤り

ハ (A)必要な箇所 (B)過電流 … (A)は正しいが、(B)が誤り。「乾燥した場所だから過電流の危険がない」は理屈が通らない。→ 誤り

ニ (A)すべての分岐回路 (B)地絡 … (B)は正しいが、(A)が誤り。→ 誤り

よって答えはイです。

間違えた人が選びやすいのはニ

(B)が地絡だと分かった人は、イとニの2択まで絞れます。ここで「すべての分岐回路」のほうが安全で正しそうだと感じてニを選んでしまうのがいちばん多いパターンです。

法令の条文で「すべての」という強い言葉が出てきたら、まず疑ってください。実際の設備には例外がつきものなので、「必要な箇所」「〜のおそれがある場合」といった、ゆるやかな書き方が使われるのが一般的です。これは電技にかぎらず、法令の穴埋め問題に共通するコツです。

覚えるこの問題の覚え方

「電技は、流れすぎ(過電流)と漏れ(地絡)の2つから守る法律」と覚えます。過電流→火災/地絡→感電が主な危険で、それぞれに遮断器があります。穴埋めの決め手は「乾燥した場所」という言葉。乾いていて安全になるのは感電=地絡のほうです。そして条文の「すべての」は疑う——この2つを押さえておけば、得点につなげやすくなります。

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この記事のまとめ

問21〜30は施工のルール・検査・法令の分野でした。計算がないぶん、数字と言葉を正確に覚えているかが勝負になります。下に、この10問から必ず持ち帰ってほしいことをまとめました。

まとめこの10問で必ず持ち帰ること

問21 太陽光と漏電遮断器 … 系統連系は電気が両方向に流れる。だから逆接続可能型。

問22 接地線の太さ … 固定=直径1.6 mm以上/移動=0.75 mm2以上。D種の接地抵抗は100 Ω以下。

問23 管の接続部品 … TSカップリングはVE管どうし専用。種類の違う管はコンビネーションカップリング。

問24 回路計(テスタ) … アナログ式も電池が要る。抵抗測定の出力は直流。レンジは直近上位。絶縁抵抗はメガーでしか測れない。

問25 絶縁抵抗 … 0.1/0.2/0.4 MΩ。判断は使用電圧ではなく対地電圧。単相3線式100/200 Vの対地電圧は100 V。

問26 接地抵抗と絶縁抵抗 … 0.5秒以内に切れるならD種は500 Ωまで。接地は「以下」/絶縁は「以上」で向きが逆。

問27 計器の結線 … 電流計は直列/電圧計は並列/電力計は電流コイル直列・電圧コイル並列。図では縦向きの計器=並列。

問28 電気工事士法 … 第二種は一般用電気工作物まで。自家用の低圧部分は第一種か認定電気工事従事者。地中電線用の管を埋めるのは軽微な工事=資格不要。

問29 電気用品安全法 … ひし形=特定電気用品(<PS>E)/丸=特定以外((PS)E)。輸入かどうかは記号と無関係。

問30 電技省令 … (A)必要な箇所/(B)地絡。決め手は「乾燥した場所」=感電(地絡)の話。

コツこの分野を伸ばすコツ

数字が出てきたら、必ず「何の数字か」をセットで書き出すことです。100 Ω(D種の接地抵抗)/500 Ω(0.5秒以内に切れるとき)/0.1・0.2・0.4 MΩ(絶縁抵抗)/1.6 mm(接地線の太さ)/500 kW(自家用の区分)——この分野で特に大事な数字です。

なぜ?なぜ数字だけを丸暗記してはいけないのか?

数字だけ覚えると、どの場面の数字かが混ざるからです。実際の試験では「100」という数字が接地抵抗にも使用電圧にも出てきます。「D種の接地抵抗は100 Ω以下」のように、いつも文章まるごとで覚えると混ざりません。

出典

令和5年度上期第二種電気工事士試験(午前)
問題・図・解答は一般財団法人 電気技術者試験センターが公表しているものです。

あわせて読みたい(第二種電気工事士 令和5年度上期 午前 全5記事)

▶ 問1〜10
計算のきほん(回路の電圧・抵抗率・電力量・交流の消費電力・三相)

▶ 問11〜20
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▶ 配線図 問31〜40
図記号と数字もの(電線本数・接地工事・遮断器・図記号の読み取り)

▶ 配線図 問41〜50
写真の見分け(材料・工具・器具を写真から選ぶ)

用語からつまずいた人へ(やさしい基礎解説)

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電力・電力量・熱量

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VVF・IV・1.6mm=27Aなどの暗記ポイント

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▶ モーターと進相コンデンサ
回転速度・始動電流・力率改善

学科のあとは、技能試験の準備が要ります

技能試験は40分で実際に配線を組み立てる試験です。工具と練習用の材料がないと、実際に手を動かす練習ができません。通信講座は必要か、材料は買うか借りるか——実際の価格で比べました。

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